JP4241377B2 - レクチンの単離 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、出発物質として組換え生産されたレクチンを用いるのに適した、特にマンノース−結合レクチン(MBL)を含むレクチン組成物の単離方法、ならびに高分子量レクチンに対してレクチン調製物を豊富化させる方法に関する。
発明の背景
レクチンは、炭水化物結合ドメインの存在によって特徴付けられる蛋白質である。コレクチンは、サブユニットのオリゴマー構造を含むレクチンの群であり、各サブユニットは炭水化物結合ドメインを有する。イン・ビボにおいては、レクチンは、異なる分子質量を持つレクチンの集団に導く種々の数のサブユニットに表れる。
MBLはコレクチンファミリーの蛋白質であって、サブユニットのオリゴマー構造によって特徴付けられ、各サブユニットはコラーゲン状ロッドに結合したカルシウム−依存性のC−型の炭水化物−認識ドメイン(CRD)よりなる。MBLは、会合したセリンプリテアーゼ(MASP−マンノース−結合レクチン会合セリンプロテアーゼ)を介して、すなわち、C1qと同様なメカニズムによって補体系を活性化する。マンノース−結合蛋白質(MBL)は、機能的および/または臨床的兆候に関連する、遺伝したまたは獲得されたMBL−欠乏を持つ患者において置換または置換え療法で用いられる蛋白質である。
ヒト血漿に由来するMBLはサブユニットのオリゴマーに組立てられ、各々は3つの同一のポリペプチド鎖よりなる。MBL分子中のサブユニットの数は変化し[Lipscombe RJ, et al: Distinct physicochemical characteristics of human mannose binding protein expressed by individuals of differing genotype, Immunology 85 (1995) 660-667.]、しかし、生物学的に活性なポリペプチドは3を超えるサブユニットよりなるオリゴマーであることが示唆されている。血漿は3を超えるサブユニットのオリゴマーならびに変性し構造的に損なわれた蛋白質形態を含み、これは、より高次のオリゴマーに対応する支配的MBLバンドの間の例えばSDSゲルでのバンドに導く。
組換え生産されたMBLは、血漿由来MBLと同様なオリゴマー変動を明らかにしている[Vorup-Jensen T et al : Recombinant expression of human mannanbinding lectin, Int. Immunopharm. 1 (2001) 677-687]。しかしながら、組換えにより生産されたMBLは、通常、血漿由来MBLよりも高い低質量形態の含有量を有する。MBLの低質量形態は、例えば、単一のポリペプチド鎖、単一のサブユニット、およびダイマーサブユニットを含む。
レクチンは、典型的には、それにレクチンが結合する糖で修飾されたカラムに、レクチンを含む組成物を適用することによって単離される。PCT出願WO 00/70043において、低質量形態から高次オリゴマーを分離する方法が記載されており、そこでは、組換え生産MBLは特殊なカラムでの分画に付され、該カラムはそれ自体MBLに対していずれの親和性も有しない。
発明の記載
溶液からマンノース−結合レクチン(MBL)、またはその誘導体および変種のごときレクチン(本明細書中では、集合的にレクチンと称する)を単離する速くて単純な方法はかなり重要である。
さらに、レクチンの質量分布の制御がなされることも非常に重要である。なぜならば、該レクチンポリペプチドの異なるオリゴマーは異なる生物学的機能および活性を有するからである。
本発明は、それに結合した所定濃度の糖誘導体を有する固体支持体に調製物を適用することによる、MBLのごときレクチンを単離する方法を記載する。該方法は、該ポリペプチドの調製、精製および/または処方の間に単位操作として用いることができる。他の方法と比較して、本発明の方法を適用して、ポリペプチドの高質量オリゴマーがポリペプチドの低質量オリゴマーから分離されるか、あるいは中間的質量オリゴマーが高質量オリゴマーおよび低質量オリゴマーから分離されるように、ポリペプチドのオリゴマーの組成を変化させることができるのは有利である。
かくして、本発明の1つの目的は、種々のレクチン分子を含む調製物から少なくとも1つのレクチンを単離することを提供することにあり、該方法は、
それに結合した、所定濃度の糖誘導体を有する固体支持体を確立し、
該調製物を該固体支持体に適用し、
固体支持体に結合した糖誘導体にレクチンを結合させ、
洗浄液で固体支持体を洗浄して、未結合汚染物を除去し、次いで、
所望により、固体支持体から該レクチン(類)を回収することを含む。
用語「所定の濃度」は、所定濃度を有する所定容量の糖誘導体を所定容量または面積の固体支持体に適用して、糖誘導体を固体支持体にカップリングさせることを意味する。1つの具体例においては、該用語は、所定濃度の糖誘導体が所定容量または面積の固体支持体にカップリングされることを意味する。
用語「汚染物」はレクチン調製物中の汚染物、ならびにそのより小さな分子量のため糖誘導体に結合していないレクチンを意味する。特に、中間的分子量のレクチンを望む場合、汚染物は、後記する2以上の工程手法を用いる場合には所望のレクチンを含み得る。かくして、用語「汚染物」は、未結合レクチンを含めた未結合物質と同義である。
用語「種々のレクチン分子」とは、好ましくは、レクチン分子の種々のオリゴマーを意味し、該レクチンの分子は後記するごとく同一または実質的に同一の構造サブユニットを有する。
本発明の第2の目的は、それに共有結合した所定濃度の糖誘導体を有する固体支持体を提供することにあり、ここに、該糖誘導体は好ましくはアミノ糖である。
もう1つの態様において、本発明は溶液中のレクチンのオリゴマー分布を変化させる方法に関する。よって、1つの具体例においては、本発明は種々のレクチン分子を含む組成物の比率Rを増加させる方法に関し、ここに、Rは所定の分子量未満またはそれと等しい低分子量を有するレクチン分子の濃度に対する所定の分子量を超える高分子量を有するレクチン分子の濃度の比率であり、当該方法は、
低分子量レクチンおよび高分子量レクチンを含むレクチン調製物を得、該調製物は比率R=Rを有し、
該調製物を単離方法、好ましくは、前記した調製物からの少なくとも1つのレクチンを単離する方法に適用し、
回収されたレクチン分子を含む組成物を得ることを含む。
それにより、出発物質を比較してレクチンの高質量オリゴマーの増大した含有量を有する組成物が得られる。
特に、該比率の増加は、ダイマーレクチンについての分子量を超える分子量を有するレクチンを含む組成物に導く。かくして、もう1つの態様において、本発明は種々のレクチン分子を含む組成物の製法に関し、ここに、該レクチン分子の実質的に全てはダイマーレクチンについての所定の分子量を超える分子量を有し、当該方法は、所定の分子量を超える高分子量を有するレクチン分子および所定の分子量未満またはそれと等しい低分子量を有するレクチン分子を含むレクチン調製物を得、該調製物は比率R=Rを有し、ここに、Rは所定の分子量未満またはそれと等しい低分子量を有するレクチン分子の濃度に対する所定の分子量を超える高分子量を有するレクチン分子の濃度の比率であり、
該調製物を単離方法、好ましくは、前記した調製物から少なくとも1つのレクチンを単離する方法に適用し、
回収されたレクチン分子を含む組成物を得ることを含む。
該方法のための出発物質は高質量レクチンならびに低質量レクチンを含むので、本発明は、所定の分子量を超える高分子量を有するレクチン分子およびダイマーレクチンについての分子質量未満またはそれと等しい低分子量を有するレクチン分子を含むレクチン調製物から、種々のレクチン分子を含む組成物を分離する方法にも関し、ここに、該レクチン分子の実質的に全ては所定の分子量を超える高分子量を有し、該調製物は比率R=Rを有し、ここに、Rは所定の分子量未満またはそれと等しい低分子量を有するレクチン分子の濃度に対する所定の分子量を超える高分子量を有するレクチン分子の濃度の比率であり、当該方法は、
該レクチン調製物を得、
該調製物を単離方法、好ましくは、前記した調製物から少なくとも1つのレクチンを単離する方法に適用し、
回収されたレクチン分子を含む組成物を得ることを含む。
ほとんどの目的では、高質量レクチンが望ましいものである;しかしながら、ある適用では、低質量レクチンが望まれ、従って、本発明は、さらに、種々のレクチン分子を含む組成物の製法に関し、ここに、該レクチン分子の実質的に全ては所定の分子量未満またはそれと等しい低分子量を有し、当該方法は、所定の分子量を超える高分子量を有するレクチン分子および所定の分子量未満またはそれと等しい低分子量を有するレクチン分子を含むレクチン調製物を得、該調製物は比率R=Rを有し、ここに、Rは所定の分子量未満またはそれと等しい低分子量を有するレクチン分子の濃度に対する所定の分子量を超える高分子量を有するレクチン分子の濃度の比率であり、
該調製物を単離方法、好ましくは、前記した調製物から少なくとも1つのレクチンを単離する方法に適用し、
洗浄液の未結合レクチン分子を含む組成物を得ることを含む。
前記した方法について、好ましくは、回収されたレクチン分子の組成物は、比率R=Rを有し、ここに、Rは少なくとも1.05、少なくとも1.10、少なくとも1.15、少なくとも1.25、少なくとも1.50、少なくとも1.75、少なくとも2.0、少なくとも2.5、少なくとも3.0、少なくとも4.0、少なくとも5.0、少なくとも6.0、少なくとも7.0、少なくとも8.0、少なくとも9.0、少なくとも10.0、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも1000、少なくとも10000のごとく少なくとも1である。
前記開示の方法の全てについて、所定の分子量は好ましくはダイマーレクチンについての分子量、より好ましくはトリマーレクチンについての分子量である。
ほとんどの目的では、高質量レクチンが望ましいものであり;しかしながら、ある具体例においては、中間的な質量のレクチンが望まれるであろう。従って、さらなる態様において、本発明は種々のレクチン分子を含む組成物の比率Rを増加させる方法に関し、ここに、Rは高分子質量および低分子質量を有するレクチン分子の濃度に対する中程度分子質量を有するレクチンの濃度の比率であり、
ここに、中程度分子質量は第一の所定の分子量未満であって、第二の所定の分子量を超える分子量であり、高分子質量は第一の所定の分子量未満またはそれと等しい分子量であり、低分子質量は第二の所定の分子量未満またはそれと等しい分子質量であり、
当該方法は、低分子質量レクチン、中程度分子質量レクチンおよび高分子質量レクチンを含むレクチン組成物を得、該調製物は比率R=Rを有し、
該組成物の単離方法、好ましくは前記した調製物から少なくとも1つのレクチンを単離する方法に適用し、
回収されたレクチン分子を含む組成物を得、次いで、
所望により単離方法、好ましくは前記した調製物から少なくとも1つのレクチンを単離する方法に組成物を適用する工程を反復する;
工程を含む。
1つの具体例において、第一の所定の分子量はヘプタマーレクチンについての分子量とすることができ、第二の所定の分子量はダイマーレクチンについての分子量である。
もう1つの態様において、本発明は、
少なくとも1つのアミノ糖で誘導体化した固体支持体を確立し、
種々のレクチン分子を含む調製物を該固体支持体に適用し、
該レクチンを、固体支持体にカップリングしたアミノ糖に結合させ、
洗浄液で固体支持体を洗浄して、未結合汚染物を除去し、次いで、
所望により、固体支持体から該レクチン(類)を回収する;
ことを含む、該調製物から少なくとも1つのレクチンを単離する方法に関する。
用語「誘導体化」とは、アミノ糖が前記した固体支持体にカップリングすることを意味する。
本発明によるレクチンはいずれのレクチンであっても良く、ここに、いくつかのオリゴマー形態、例えばマンノース−結合レクチンのごときコレクチンである。特に、本発明はMBL組成物の製法に関する。用語MBLはマンノース−結合レクチン(またはある著者によってはマンノース−結合蛋白質と呼ばれる)を意味する。MBLは、好ましくは、例えば、PCT出願WO 00/70043に示された蛋白質配列を有するヒトMBLであり、あるいはMBLの機能的同等体であるその誘導体または変種である。以下において、本発明はレクチンMBLとの関係で記載する。
本発明による方法は、問題のレクチンの大規模製造を可能とする。かくして、もう1つの態様において、本発明は、該MBLの製造の間に該方法の適用を含むMBLのいずれかの工業的または大規模製造方法に関する。
発明の詳細な記載
糖誘導体
好ましい具体例において、用語糖誘導体は糖に由来する化合物を意味し、ここに、誘導された化合物は、所定の向きに固体支持体にカップリングする能力を有する。本発明者らは、なぜ従来の単離方法が効率を欠くかの理由の1つを突き止めた。かくして、レクチンは糖上の特異的結合部位に結合し、先行技術からのおよび他の固体支持体にランダムにカップリングした糖を用いる場合、あるパーセンテイジのカップリングした糖は、結合部位がレクチンに結合する位置にはないのでレクチンに結合しないことが判明した。
かくして、本発明による糖誘導体は、好ましくは、固体支持体への配向したカップリングを可能とする反応性基を含む。糖誘導体は、該糖誘導体が固体支持体にカップリングした場合にレクチンに結合することができるいずれの誘導体であっても良い。レクチンに結合できない糖誘導体は、該誘導体が遊離形態である場合、すなわち、カップリングしていない場合に、カップリングした形態でレクチンに結合することができれば、本発明に従って用いることもできる。
糖の所定の配向は、反応性基を好ましくは特異的位置における糖に取り込むことによって得ることができ、それにより、カップリングが反応性基を介して固体支持体に対して起こる点で、糖誘導体を特異的な向きに固体支持体にカップリングさせることが可能である。かくして、用語「配向したカップリング」とは、糖分子の遊離部分が所定の位置において配向するように、糖分子中の特異的所定の基を介して糖が固体支持体にカップリングすることを意味する。
単糖においては、結合部位および反応性基は同一単糖構造に位置する;しかしながら、二糖およびより高次のオリゴ糖および多糖においては、結合部位は反応性基よりももう1つの単糖構造に位置することができる。本発明の意味においては、用語「単糖構造」とは、糖中に環を形成することができる構造を意味する。例えば、二糖は二つの単糖構造を含む。好ましい具体例においては、反応性基は結合部位から離れて位置し、それにより、立体的に障害とならない結合部位を有する良好な可能性を得る。

用語糖誘導体は、糖から誘導されるいずれの化合物も意味する。本発明の意味においては、糖は、5−員環(ペントース)または6−員環(ヘキソース)またはその組合わせであるかを問わず、またT−形態またはL−形態であるかを問わず、単糖、二糖、三糖、オリゴ糖および多糖を含めたいずれの炭水化物も、ならびにカルボニル基の還元によって(アルジトール)、末端基のカルボン酸への酸化によって、またはもう1つの基によるヒドロキシ基の置換によって単糖から誘導される物質も意味する。それは、これらの化合物の
誘導体も含む。
単糖はポリヒドロキシアルデヒドH−[CHOH]n−CHOおよびポリヒドロキシケトンH−[CHOH]n−CO−[CHOH]m−H、すなわち、アルドース、ジアルドース、アルドケトース、ジケトース、デオキシ糖、アミノ糖とおよびそれらの誘導体を含む。
アルドースはアルデヒド性カルボニル、すなわち、ポリヒドロキシアルデヒドH−[CHOH]n−CHOを持つ単糖を含む。アルドースは、アルドースの閉環で生じる可能なアルデヒド性カルボニル基−へミアセタール基を持つ単糖も含む。
ケトースは、ケトン基を持つ単糖、すなわち、ポリヒドロキシケトンH−[CHOH]n−CO−[CHOH]m−Hを含み、すなわち、ケトンはケトースの閉環から生じる可能なケトン性カルボニル基−へミケタール基を持つ単糖も含む。
ピラノースはテトラヒドロフラン(5−員環)を持つ環状へミアセタールまたは環状へミケタールである。
フラノースはテトラヒドロフラン(5−員環)を持つ環状へミアセタールまたは環状へミケタールである。
ジアルドース、ジケトース、ケトアルドース(アルドケトース、アルドスロース)、アルジトールは1を超えるアルデヒドおよび/またはケトンを持つ単糖である。
アルドン酸、ケトン酸は、アルデヒド基がカルボキシ基で交換されているアルドースである。
糖の誘導体の例は、第一のCHOH−基がカルボキシ基で交換されているウロン酸、アルドース;第一のCHOH−基がカルボキシ基で交換されているアルダル酸、アルドン酸;ヒドロキシル基が水素で交換されているデオキシ糖、単糖;ヒドロキシル基がアミノ基で交換されているアミノ糖、単糖である。
また、(閉環後に形成された)へミアセタール基上のヒドロキシル基がアミノ基で交換されているアミノ糖であるグリコシルアミンも含まれる。
本発明の意味では、用語アセタールは、その通常の意味で用いられ、すなわち、アルドースまたはケトースの閉環から生じる単糖である。さらに、グリコシドは単糖、オリゴ糖および多糖のヘミアセタールおよびへミケタールヒドロキシ基、およびもう1つの単糖、オリゴ糖および多糖のヒドロキシ基の間の水の除去から生じるアセタールである。グリコシド結合はグリコシド中の単糖の間の結合である。
本発明の意味では、用語糖、または本明細書中で記載される糖および誘導体のいずれも、D−形態およびL−形態、α−形態およびβ−形態を含めた糖の全ての種々の立体的形態も含む。かくして、その例として、マンノサミンは立体的形態のいずれのマンノサミンも意味し、D−マンノサミン、L−マンノサミンおよび(D,L)−マンノサミンを含む。特異的立体的形態を用いる場合のみ、これは例えばD−マンノサミンとしての記載である。
具体的誘導体
本発明は、特に、アミノ基から選択される反応性基を有する糖誘導体に関し、ここに、該アミノ基は、例えば、第一級アミノ基、第二級アミノ基および第三級アミノ基よりなる群から選択することができる。
特に、本発明は、糖誘導体としてのアミノ糖の使用に関する。アミノ糖はアミノ単糖、アミノ二糖、アミノオリゴ糖、およびアミノ多糖とすることができ、ここに、少なくとも1つのアミノ基は、該アミノ糖を固体支持体にカップリングさせた場合にそれが反応性基として働くように取り込まれる。
適当なアミノ単糖の例は以下のものである:
マンノサミン、グルコサミン、アロサミン、アルトサミン、リボサミン、アラビノサミン、グロサミン、イドサミン、ガラクトサミン、タロサミン、キシロサミン、リキソサミンのごときアミノアルドース。特に、D−マンノサミン、D−グルコサミン、D−アドサミン、D−アルトロサミン、D−リボサミン、D−アラビノサミン、L−グロサミン、L−イドサミン、L−ガラクトサミン、L−タロサミン、L−キシロサミン、L−リキソサミン。
ソルボサミン、タガトサミン、サイコサミン、フルクトサミンのごときアミノケトース。特に、D−ソルボサミン、D−タガトサミン、L−サイコサミン、L−フルクトサミン。
フコースの誘導体のごときアミノデオキシアルドース、例えば、フコサミンおよびフコシルアミン、好ましくはL−フコサミン。
特に、MDLの単離に関し、アミノ糖の以下の例が適する:マンノサミン、グルコサミン、ガラクトサミン、フルクトサミン。特に、D−マンノサミン、D−グルコサミン、L−ガラクトサミン、L−フコサミン。
より好ましくは、グルコサミンおよびマンノサミンよりなる群から選択されるアミノ糖、最も好ましくはL−フコサミン、D−グルコサミンおよびD−マンノサミンなる群から選択されるアミノ糖を用いることができ、特にD−グルコサミンまたはD−マンノサミンを用いることができる。D−マンノサミンの式は、本明細書中においては、遊離D−マンノサミンおよび樹脂に結合したD−マンノサミンとして以下に示す。
Figure 0004241377
分子の1つの部分における反応性基、および分子のもう1つの部分におけるレクチン結合部位、特に、MDL結合部位として位置するアミノ基を有する二糖、オリゴ糖、および多糖も用いることができる。例えば、アミノ糖は、二糖の単糖サブユニットの少なくとも1つがマンノースおよびグルコースよりなる群から選択される、アミノ基を含むいずれの二糖誘導体であってもよい。好ましい二糖の例はアミノ基を含む、サッカロサミンのごときサッカロース誘導体、マルトサミンのごときマルトース誘導体、ならびにアガロサミン、セルロサミンおよびアミロサミンを含む。好ましい二糖誘導体はサッカロサミンである。
さらに、アミノ糖は、例えば、グルコサミンダイマー、グルコサミンオリゴマーまたはグルコサミンポリマーのごときグルコサミのマルチマーであってもよい。
固体支持体
固体支持体は、レクチンを捕獲し、および/または単離するのに用いられるいずれの支持体であってもよい。かくして、固体支持体は、クロマトグラフィー樹脂および磁性粒子のごとき単離および精製で用いるいずれのカラムまたはフィルターまたは粒子であっても良い。
また、固体支持体は、例えばプラスチック表面およびガラス表面のごとき、さらなる分析用にレクチンを結合させることができる表面であってよい。プラスチック表面は、例えば、マイクロタイタープレートELISAウェルおよび活性化されたマイクロタイタープレートよりなる群から選択することができる。活性化されたマイクロタイタープレートは、例えば、Life Technologiesからの塩化シアヌル活性化CovalinkTM NH第一級アミンであってよい。
本発明の1つの具体例においては、アミン、好ましくは第一級アミンに共有結合することができるいずれの固体支持体も本発明で用いることができる。
有用なカラムはN−N−ヒドロキシスクシンイミド活性化樹脂(例えば、APBiotechからのNHS−Sepharose 4FF、BioRadからのAffi−Gel10、BioRadからのAffi−Gel15またはBioRadからのAffi−Prep)、臭化シアン活性化樹脂(例えば、APBiotechからのCNBr−活性化Sepharose4FF)、APBiotechからのECH Sepharose4B、AT−Biotechからの活性化されたCH−Sepharose4Bおよびエポキシ活性化樹脂(例えば、エポキシ活性化Sepharose6B)ならびにそれらの対応する架橋された樹脂よりなる群から選択されるカラムのいずれであってもよい。
所定濃度の糖誘導体を本発明に従って固体支持体にカップリングすることができる。糖誘導体の所定の濃度は、いずれの所定の分子量が本発明の特定の具体例で望ましいかに従って選択されるべきである。糖誘導体の濃度は2つの因子:
1)糖誘導体にカップリングすることができる固体支持体上の位置(リガンドアーム)の濃度、
2)リガンドアーム当たりの糖誘導体の濃度;
によって決定される。
固体支持体容量当たりのリガンドアームの濃度は、ほとんどの場合、固体支持体の製造プロセスによって決定され、固体支持体に標識されたリガンドをカップリングさせることによって制御することができる。
リガンドアーム当たりの糖誘導体の濃度は、リガンドアームにカップリングするように糖誘導体の容量および濃度を調節することによって調節される。
一般に、比較的低い所定の分子量が望ましい場合、糖誘導体の高い所定の濃度が用いられ、比較的高い所定の分子量が望ましい場合、糖誘導体の低い所定の濃度が用いられる。
糖誘導体の所定の濃度は、例えば、固体支持体の具体的量のカップリングした糖誘導体の量によって決定することができる。
例えば、固体支持体がクロマトグラフィーカラム樹脂である場合、単糖誘導体の所定の濃度は、好ましくは、樹脂ml当たり0.1mg糖誘導体ないし樹脂ml当たり1000mgの糖誘導体、より好ましくは、樹脂ml当たり0.5mgの糖誘導体および樹脂ml当たり500mgの糖誘導体の間、より好ましくは、樹脂ml当たり2mgの糖誘導体ないし樹脂ml当たり100mgの糖誘導体である。
本発明の意味においては、固体支持体についての標準は、実施例に記載するごとく、N−ヒドロキシスクシンイミド(MHS)で修飾された架橋Sepharose樹脂である。好ましくは、固形樹脂ml当たり15ないし25マイクロモルのリガンドアームが用いられる。そのような固体支持体は、固形樹脂ml当たり5マイクロモルのジペプチド、または固形樹脂ml当たり1ないし2マイクロモルのアルファ−キモトリプシノーゲンに結合することができるように具体化される。
この標準化された固体支持体から、種々のレクチンから望まれるレクチンを得るために、樹脂にカップリングさせる糖誘導体の所定の濃度についての間隔が与えられる。
ダイマーレクチンについての分子量を超えるようにここでは定義される高分子量レクチンの単離は、固形樹脂ml当たり20マイクロモルないし固形樹脂ml当たり80マイクロモル固形樹脂ml当たり30マイクロモルないし固形樹脂ml当たり70マイクロモル、固形樹脂ml当たり40マイクロモルないし固形樹脂ml当たり60マイクロモルのごとき固形樹脂ml当たり10マイクロモルないし固形樹脂ml当たり100マイクロモルの所定の濃度にて、それにカップリングした糖誘導体を有する標準カラムを用いて得られる。単糖について、該濃度は、固形樹脂ml当たり4mgないし固形樹脂ml当たり16mg、固形樹脂ml当たり6mg、ないし固形樹脂ml当たり14mg、固形樹脂ml当たり8mgないし固形樹脂ml当たり12mgのごとき、固形樹脂ml当たり2mgないし固形樹脂ml当たり20mgに対応する。
トリマーレクチンについても分子量を超えるように本明細書中では定義される高分子量レクチンの単離は、固形樹脂ml当たり20マイクロモルないし固形樹脂ml当たり70マイクロモル、固形樹脂ml当たり30マイクロモルないし固形樹脂ml当たり70マイクロモル、固形樹脂ml当たり40マイクロモルないし固形樹脂ml当たり60マイクロモルのごとき、固形樹脂ml当たり10マイクロモルないし固形樹脂ml当たり80マイクロモルの所定の濃度にて、それにカップリングした糖誘導体を有する標準カラムを用いて得られる。
テトラマーレクチンについての分子量を超えるように本明細書中では定義される高分子レクチンの単離は、固形樹脂ml当たり20マイクロモルないし固形樹脂ml当たり60マイクロモル、固形樹脂ml当たり30マイクロモル、ないし固形樹脂ml当たり50マイクロモルのごとき固形樹脂ml当たり10マイクロモルないし固形樹脂ml当たり60マイクロモルの所定の濃度にて、それにカップリングした糖誘導体を有する標準カラムを用いて得られる。
ダイマーレクチンのごとき、低分子量レクチンにも結合することができる高リガンド固体支持体は、固形樹脂ml当たり300マイクロモルを超える固形樹脂ml当たり400マイクロモルを超える、固形樹脂ml当たり500マイクロモルを超えるごとき、固形樹脂ml当たり200マイクロモルを超える所定の濃度にてそれにカップリングした糖誘導体を有する標準を用いて製造される。
洗浄液
本発明による洗浄液は、当業者に知られたいずれの適当な洗浄液であってもよい。特に、緩衝液は、レクチンおよびアミノ糖のごとき糖誘導体の間の会合に干渉することができる1以上の成分を含むことができる。
本発明の1つの具体例においては、レクチンに結合することができる糖、レクチンに結合することができる糖誘導体および二価金属イオンキレート剤よりなる群から選択される1以上の成分を含む。
レクチンに結合することができる糖/糖誘導体は、例えば、レクチンに結合することができるいずれの単糖および/または単糖誘導体であってもよい。例えば、本発明により支持体にカップリングさせるのに適したいずれの糖誘導体(後記参照)、または対応する誘導体化されていない糖、またはさらに修飾することができる対応する糖も洗浄液に含めることができる。そのような単糖は、例えば、マンノース、N−アセチルマンノサミン、グルコース、N−アセチメルグルコサミン、フルコース、N−アセチルフルコサミン、ガラクトースおよびアセチルガラクトアミンよりなる群から選択することができる。特に、単糖はD−グルコース、D−マンノース、L−フコースおよびL−ガラクトースよりなる群から選択される。
また、レクチンに結合することができる糖および/または糖誘導体は、糖の少なくとも一部がレクチンに結合することができるいずれの二糖、二糖誘導体、三糖、三糖誘導体、オリゴ糖、オリゴ糖誘導体、多糖または多糖誘導体であってもよい。有用なオリゴ糖の例は、限定されるものではないが、サッカロースおよびマルトースを含む。
二価金属イオンキレート剤は二価金属イオンにキレート化することができるいずれの剤でもある。二価金属イオンは例えばCa2+であり得る。二価金属イオンキレート剤の例は、限定されるものではないが、EDTAおよびシトレートを含む。
さらに、洗浄液は、当業者に知られたレクチンの溶出に適するいずれの他の方法で調製することもできる。例えば、洗浄液が高塩濃度または酸性pHを含むものであってもよい。
レクチン
本発明により単離されたレクチンはいずれのレクチンであってもよい。例えば、レクチンは、例えば、MBL(マンノース−結合レクチン)、SP−A(肺界面活性剤プロテインA)、SP−D(肺界面活性剤プロテインD)、BK(またはBC、ウシコングルチニン)およびCL−43(コレクチン−43)のごときコレクチンであってよい。コレクチンは、全て、以下の人工物を呈する:それらは鎖間ジスルフィド結合を形成するように見えるN−末端システインリッチの領域、続いてのコラーゲン−様領域、α−ラセンコイルド−コイル領域、および最後に、パターン−認識領域であって、炭水化物認識ドメイン(CRD)というC−型レクチンドメインを有する。名称コレクチンはコラーゲンおよびレクチンドメイン双方の存在に由来する。α−ラセンコイルド−コイル領域は個々のポリペプチドのトリマー化を開始して、コラーゲン三重コイルを形成し、それにより、各々が3つの個々のポリペプチドよりなるコレクチンサブユニットを生成し、他方、N−末端領域はサブユニットのオリゴマーの形成を媒介する。異なるコレクチンは区別される高次の構造、典型的には、サブユニットのテトラマーまたはサブユニットのヘキサマーを呈する。
本発明の好ましい具体例において、レクチンはMBLまたはフィコリンであり;より好ましい具体例においては、レクチンはMBLである。
用語レクチンは、天然に生じるレクチンならびに突然変異体のごときその変種であってよく、該変種は糖に結合できるものとする。

特に、本発明はMBLを単離するのに適し、これは、本発明の実施例として以下により徹底的に記載するが、本発明を限定するものではない。
本発明によるレクチンは1以上のサブユニットを含むことができる。特に、MBLのごときコレクチンは1以上のサブユニットを含むことができ、コレクチンの各サブユニットは、通常、3つの個々のポリペプチドよりなる。例えば、MBLのごときコレクチンは、サブユニットのモノマー、ダイマー、トリマー、テトラマー、ペンタマー、ヘキサマー、ヘプタマー、オクタマー、ノナマー、デカタマー、11−量体、12−量体であってよく、あるいはMBLのごときコレクチンは12を超えるサブユニットを含んでもよい。
組成物
本明細書中に記載する比率Rはいずれかの適当な方法を用いて計算することができる。好ましい具体例においては、試料中のR値の定量的見積もりは以下のごとき行う:
SDS−PAGEイミュノブロットをTIFFファイル、またはもう1つの非圧縮ビットマップファイルにスキャンする。試料バンドに沿った画素密度を、Windows4.0(登録商標)についてのScionイメージ(Scion Corporation, www.scioncorp.comでのフリーウエアーデータバージョン)のごときピクチャー評価プログラムで測定され、(Excelのような)データ評価プログラムに送る。
所定の分子量に対応する移動はマーカーの移動から決定する。好ましい具体例においては、所定の分子量はダイマーレクチンの分子量であり(MBLについては約200kDa)、従って、ダイマーレクチンに対応する移動はマーカーの移動から決定することができる(例えば、Precision Protein Standards, BioRad)。R値は、参照移動点を超える合計画素信号(ダイマーMBLについては、200kDa)を、参照移動点(ダイマーMBLについては、200kDa)のすぐ下の合計画素信号で割ったものとして計算される。Rは出発物質における比率と定義され、他方、Rは、本発明の方法の実行後に回収されたレクチン試料中の対応する評価ラインに沿った比率である。
比率Rの増加の程度は、比率Rを有する出発物質に依存し、出発物質はレクチン調製物、例えば、MBL調製物である。組成物の高分子量レクチンの少なくとも50%がダイマーレクチンについての分子量を超える、好ましくはトリマーレクチンについての分子量を超える分子量を有するのが好ましい。レクチンがMBLである場合、かくして、組成物の高分子量MBLの少なくとも50%が、225kDaを超える、250kDaを超える、約300kDaを超えるごとき約200kDaを超える分子量を有するのが好ましい。
本発明に従ってMBL組成物を製造することによって、MBL組成物は、好ましくは、天然宿主生物で生産した場合にMBLに天然では会合したいずれの不純物、例えば、MBLを血漿MBLから精製した場合のMBLに会合した不純物も実質的に含まない。
該方法は、いずれかの哺乳動物組換えMBLのごときいずれかのMBL源から、あるいは血漿から高質量MBL組成物を製造するのに用いることができる。しかしながら、MBL源は、好ましくは、組換えMBLであり、より好ましくは組成物のMBLは、MBLサブユニットがPCT出願WO 00/70043において配列番号:1に示された配列またはその機能的同等体を含む3つのペプチド配列から組立てられたMBLのごとくヒトである。
組換え製造
該方法はMBLのごとき低および高質量レクチン双方を有するいずれのレクチン出発物質に適用することもできるが、組換えにより製造された調製物からのMBLのごとき、高質量レクチンを製造するのに特に適している。
かくして、MBL調製物は、好ましくは組換え調製物であり、ここに、該MBL調製物は、
−ヒトMBLペプチドをコードする遺伝子発現構築体またはその機能的同等体を調製し、
−宿主細胞培養を該構築体で形質転換し、
−培養基中で宿主細胞培養を培養し、それにより、ポリペプチドの発現およびポリペプチドの培養基への分泌を得、
−種々のMBL分子を含む調製物を得る;
ことによって得られる。
本発明によると、MBL遺伝子からの配列はヒトMBL遺伝子からの、または他の動物種のMBL遺伝子からのものであってよく、ここに、この点で免疫系はヒト免疫系のように作用している。本発明による組換えMBLの調製物の好ましい具体例の例は、引用して本明細書の一部とみなすPCT出願WO 00/70043の実施例1に記載されている。該実施例において、組換えMBLはヒトMBL遺伝子からの配列を含む発現ベクターの使用によって調製される。
本発明はヒトMBL遺伝子の配列の機能的誘導体である配列を含む発現ベクターの使用にも関する。該機能的誘導体とは、発現ベクターの機能的差をもたらさない、または実質的にもたらさない塩基対改変を含む配列を意味し、このようにして調製したMBLは、ヒトMBL遺伝子からの改変されていない配列を含む発現ベクターの使用によって調製されたMBLに匹敵する機能を有する。
精製方法に加えて、遺伝子発現構築体および宿主細胞がより高次のオリゴマーの生産にも好都合であるのは好ましい。従って、遺伝子発現構築体は、好ましくは、ヒトMBL遺伝子からの少なくとも1つのイントロン配列またはその機能的同等体を含む。さらに、遺伝子発現構築体はヒトMBL遺伝子からの少なくとも2つのエクソン配列またはその機能的同等体を含むことができる。より好ましくは、遺伝子発現構築体はヒトMBL遺伝子からの少なくとも3つのエクソン配列またはその機能的同等体を含む。1を超えるエクソンを含む場合、該エクソン配列は好ましくはヒトMBL遺伝子におけるごとく整列させる。
該配列はイントロン配列を含むのが好ましいが、ある適用においては、発現構築体がMBLサブユニットをコードするcDNA配列またはその機能的同等体を含むのが便利であろう。
本発明は、非天然および天然ヒトMBLに実質的に類似する変性条件下で構造特性を持つ組換えMBLを得るための、哺乳動物細胞系またはトランスジェニック動物におけるrMBLの発現のためにMBL cDNA構築体よりはむしろMBL遺伝子発現構築体の使用をその要旨とする。「組換えヒトMBL」とは、作成された核酸から発現されるヒトMBLを意味し、「MBL遺伝子発現構築体」とは、哺乳動物細胞系での発現に適し、ヒトMBL遺伝子からの、または、限定されるものではないが、チンパンジーおよびアカゲザルのごとき他の動物種のMBL遺伝子からのエクソン配列および少なくとも1つのイントロン配列を含む発現ベクターを意味する。
好ましくは、DNA配列は特許出願WO 00/70043の配列番号:1に示されたポリペプチド配列または機能的同等体をコードし、それにより、機能的同等体は前記したごとく定義される。配列番号:1は、データベース受入番号:P11226を有するMBL配列に対応する。同等体は、本発明で言及した配列としての対応する特性を保有する配列のごとき、配列番号:1に示されたペプチド配列の修飾によって得られるが、ここに、1以上のアミノ酸は他のもので置き換えられているものとする。好ましくは、機能的同等体は保存的置換を含み、すなわち、ここに、1以上のアミノ酸は、蛋白質化学の分野の当業者が変化させるべき蛋白質の二次構造および三次構造を予測するように同様の特性を有するアミノ酸によって置換されている。保存的置換に適したアミノ酸は機能的に同様な側鎖を有するものを含む。例えば、疎水性残基、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシンおよびメチオニンはもう1つのそのような残基を置き換えることができる。同様に、保存的置換は親水性残基:(例えば:アルギニンおよびリシン、グルタミンおよびアスパラギン、スレオニンおよびセリン)、塩基性残基(例えば、リシン、アルギニンおよびヒスチジン)、および/または酸性残基(例えば、アスパラギン酸およびグルタミン酸)を相互交換することを含むことができる。ポリペプチドの機能が保存される限り、機能的同等体は、例えば、アミノ酸の欠失または付加、またはアミノ酸の化学的修飾によって修飾することができる。
そのいずれの機能的同等体も含めた単離されたMBLペプチドは、1つの具体例において、少なくとも100のアミノ酸残基、少なくとも150のアミノ酸残基、少なくとも200のアミノ酸残基、例えば、少なくとも220のアミノ酸残基、少なくとも250のアミノ酸残基のごとき少なくとも80のアミノ酸残基を含む。
好ましい具体例において発現ベクターは、ヒトMBL遺伝子から、または限定されるものではないがチンパンジーおよびアカゲザルのごとき他の動物種のMBL遺伝子からのエクソン配列および少なくとも1つのイントロン配列を含む哺乳動物細胞系またはトランスジェニック動物における発現に適している。1つの具体例において宿主細胞培養はトランスジェニック動物で培養する。トランスジェニック動物とは、この意味においては、ヒトMBL遺伝子またはその断片またはミミックを含有し、それを発現するように遺伝子的に修飾されている動物を意味する。
好ましい具体例において、少なくとも本発明の遺伝子発現構築体はDNAベースのベクター、RNAベースのベクターまたはキメラウイルスベースのベクターのごときウイルスベースのベクターを含む。DNAウイルスの例はサイトメガロウイルス、単純疱疹ウイルス、エプスタイン−バールウイルス、シミアンウイルス40、ウシパピローマウイルス、アデノ関連ウイルス、アデノウイルス、ワクシニアウイルスおよびバキュロウイルスである。哺乳動物宿主細胞において、多数のウイルスベースの発現系を用いることができる。アデノウイルスを発現ベクターとして用いる場合、本発明の核酸分子をアデノウイルス転写/翻訳制御複合体、例えば、後期プロモーターおよび三部リーダー配列に連結することができる。次いで、イン・ビトロまたはイン・ビボ組換えによって、このキメラ遺伝子をアデノウイルスゲノムに挿入することができる。ウイルスゲノムの非必須領域(例えば領域E−3の挿入の結果)、活力があり、かつ感染した宿主においてMASP−3遺伝子産物を発現することができる組み換えウイルスがもたらされる(例えば、LoganおよびShenk, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81: 3655-3659, 1984)。また、特異的開始シグナルは、挿入された核酸分子の効果的な翻訳に必要であろう。これらのシグナルはATG開始コドンおよび隣接配列を含む。それ自身の開始コドンおよび隣接配列を含めた全遺伝子またはcDNAを適当な発現ベクターに挿入する場合、さらなる翻訳制御シグナルは必要でないであろう。しかしながら、コーディング配列の一部のみを挿入する場合、おそらくはATG開始コドンを含めた外因性翻訳制御シグナルを供しなければならない。さらに、開始コドンは所望の暗号配列コーディング配列のリーディングフレームに対してイン・フェイスであって、全インサートの翻訳を確実としなければならない。これらの外因性翻訳制御シグナルおよび開始コドンは、天然および合成の種々の起源のものとすることができる。発現の効率は、適当な転写エンハンサーエレメント転写ターミネーターなどを含めることによって増強することができる(Bittnerら, Methods in Enzymol. 153: 516-544,1987)。
RNAウイルスの例は、セミリキフェレストウイルス、シンドビスウイルス、ポコウイルス、狂犬病ウイルス、インフルエンザウイルス、SV5、呼吸器系シンシチウムウイルス、ベネズエラウマウイルス、クンジンウイルス、センダイウイルス、水泡性口内炎ウイルス、およびレトロウイルスである。
キメラウイルスの例は、アデノウイルス、シンドビスウイルスおよびアデノウイルスーアデノ関連ウイルスである。特異的ベクターについては、ここに引用して本明細書の一部とみなすMakrides, S. C. ,"Components of vectors for Gene Transfer and Expression in Mammalian Cells"を参照されたい。特に、エプスタン−バールウイルス複製起点またはPrep9ベクターを含めたこの機能的誘導体またはミミックを用いる。
1つの態様において、本発明はこの機能的誘導体を含めた、ヒトMBL遺伝子からの1以上のイントロン配列を含めることを特徴とするMBLをコードする発現構築体を提供する。加えて、それは哺乳動物および昆虫を含めたウイルスまたは真核生物の遺伝子から選択されるプロモーター領域を含む。
プロモーター領域は、好ましくはヒトMBLプロモーターとは異なるように選択し、好ましくはMBLの収率およびMBLオリゴマーのサイズ分布を最適化するためには、プロモーター領域は、問題とするベクターおよび宿主細胞に最も機能的に作用するよう選択する。
好ましい具体例においては、プロモーター領域はラウス肉腫ウイルスのロングターミナルリピートプロモーターおよびサイトメガロウイルス即時型プロモーター、延長因子−1アルファプロモーターよりなる群から選択される。
もう1つの具体例においてプロモーター領域は、他のウイルスおよび酵母細菌のごとき微生物から選択される。
組換えMBLのより大きな収率を得るためには、プロモーター領域はマウス血管内皮成長因子の5’末端非翻訳領域のQB1 SP163エレメントのごときエンハンサーエレメントを含めることができる。該構築体は、MBLを発現することができる宿主細胞培養を得るように宿主細胞を形質転換するのに用いる。宿主細胞培養は好ましくは真核生物宿主細胞培養である。真核生物細胞培養の形質転換とは、この意味において、細胞への組換えDNAの導入を意味する。該プロセスで用いる発現構築体は、ヒト遺伝子およびチンパンジーからの遺伝子のごときこれとかなり似ている遺伝子を含めた哺乳動物遺伝子から選択されるMBLコーディング配列を有することによって特徴付けられる。用いる発現構築体は、さらに、プロモーター領域が哺乳動物細胞および昆虫からの細胞を含めた、ウイルスまたは真核生物の遺伝子から選択されることを特徴とする。
本発明の組換えMBLの製法は、宿主細胞培養が好ましくは真核生物、例えば、哺乳動物細胞培養であることを特徴とする。好ましい宿主細胞培養は、ヒト腎臓細胞の培養であり、より好ましい形態では、宿主細胞培養はヒト胚性腎臓細胞(HEK細胞)である。本発明は、組換えヒトMBLの生産のためのHEK293細胞系の使用をその要旨とする。「HEK293細胞系」とは、限定されるものではないが、受託番号CRL−1573およびCRL−10852にてAmerican Type Culture Collectionに寄託された細胞系のごときヒト胚性腎臓組織に由来するいずれの細胞系も意味する。
他の細胞はニワトリ胚線維芽細胞、ハムスター卵巣細胞、ベビーハムスター腎臓細胞、ヒト頚部癌腫細胞、ヒトメラノーマ細胞、ヒト腎臓細胞、ヒト臍帯血管内皮細胞、ヒト脳内皮細胞、ヒト口腔腫瘍細胞、サル腎臓細胞、マウス線維芽細胞、マウス腎臓細胞、マウス結合組織細胞、マウス稀突起神経膠細胞、マウスマクロファージ、マウス線維芽細胞、マウス神経芽腫細胞、マウスプレ−B細胞、マウスBリンパ腫細胞、マウスプラズマ細胞腫細胞、マウステトラカルシノーマ細胞、ラット神経膠星状細胞腫細胞、ラット乳房上皮細胞、COS、CHO、DHK、293、VERO、HeLa、MDCK、WI38およびMIH3T3細胞とすることができる。
加えて、挿入された配列の発現を変調するか、あるいは所望の特異的な方法で遺伝子産物を修飾し、それをプロセッシングする宿主細胞株を選択することができる。蛋白質産物のその様な修飾(例えば、グリコシル化)およびプロセッシング(例えば、切断)は蛋白質の機能で重要であり得る。異なる宿主細胞は、翻訳後プロセッシングおよび蛋白質および遺伝子産物の修飾について特徴的かつ特異的なメカニズムを有する。適当な細胞系または宿主系は、発現させる外来性蛋白質の正しい修飾およびプロセッシングを確保するように選択することができる。この目的では、遺伝子産物の一次転写体の適切なプロセッシング、グリコシル化およびリン酸化のための細胞マシーンを有する真核生物宿主細胞を用いることができる。前記リストの哺乳動物細胞型は、適当な宿主細胞として働き得るものである。
宿主細胞培養はいずれかの適当な培養基で培養することができる。培養基の例は、例えば、インスリン、トランスフェリン、セレンおよびウシ胎児血清を補足したRPMI−1640またはDMEMである。
精製
前記したごとく、本発明はMBLの速い生産を可能とする。MBLの生産は以下の工程によって行うことができる。
発酵−MBL発現細胞の培養
単離−本発明の適用
従って、レクチン組成物は、さらに、本発明の方法を適用する単離に先立って、または本発明の方法による単離に引き続いて、いずれかの適切な手段によって精製することができる。
例えば、レクチン組成物は、限定されるものではないが、濾過方法、沈殿方法、電荷に基づくイオン交換、サイズに基づくゲル浸透、疎水性に基づく疎水性相互作用、アフィニティークロマトグラフィーのごときによってさらに精製することができる。クロマトグラフィーを含むいずれかの物理−化学的単離方法によってさらに精製することができる。
加えて、1つの単離手法内で、本発明による方法を1を超える回数だけ適用することができる。特に、本発明による2以上の異なる方法を単離手法で適用することができ、ここに、該方法は固体支持体の選択、糖誘導体の選択および/または固体支持体にカップリングした所定濃度の糖誘導体の選択だけ異なり得る。
例えば、まず、それにカップリングした第一の所定濃度の糖誘導体を有する固体支持体を用いてレクチンの単離を行い、次いで、それにカップリングした第二の所定濃度の糖誘導体を有する固体支持体を用いてレクチンの単離を行うことができ、ここに、該第一の所定濃度は該第二の所定濃度よりも高くてもまたは低くてもよい。
特に、中程度分子量レクチンを単離する場合、2つの異なる濃度の糖誘導体と共に少なくとも2つの異なる固体支持体を用いる2−工程単離プロセスを用いることができる。2−工程単離プロセスの1つの例において、汚染画分、すなわち、第一の工程において所定分子量未満の分子量を有する未結合画分において、所望のレクチン、例えば、ヘプタマー未満のいずれかのレクチンが得られる。第二の工程において、未結合画分を、所定の分子量に関してもう1つのカットオフ点を有する、例えば、ダイマー分子量を超えるいずれかのレクチンに結合する異なる固体支持体に適用する。それにより、第二の固体支持体に結合したレクチンを溶出させた場合に、トリマー、テトラマー、ペンタマーおよびヘキサマーの所望の中程度分子量組成物が得られる。当業者には、2工程を逆の順序で行って、同一組成物を得ることができるのは明らかである。
機能
本発明により得られた組換えMBL組成物の機能は、好ましくは、血漿または血清MBLの機能と似ている。この意味において、MBLの機能は、機能的同等体に関し前記した補体系を活性化することができることを意味する。該機能は、MBLの1ng当たりのMBL活性の単位のごときMBLの特異的活性として表すことができる。特異的活性として表した組換えMBLの機能は、少なくとも、血清から精製されたMBLの特異的活性の少なくとも50%、より好ましくは血清から精製されたMBLの特異的活性の少なくとも75%のごとき、血清から精製されたMBLの特異的活性の少なくとも25%である。
MBLの機能は、補体系の活性化に導くMBL/MASP複合体を形成するその能力によって見積もることができる。C4がMBL/MASPによって切断される場合、活性なチオールエステルは露出され、C4は親水性基近くに共有結合するようになる。かくして、C4bの実質的部分はコーティングされたプラスチックウエルに結合するようになり、抗−C4抗体によって検出することができる。
MBL機能的活性についての定量的TRIFMAは、1)100mlの緩衝液中の1mgのマンナンでマイクロタイターウエルをコーティングし;2)Tween−20でブロックし;3)テスト試料、例えば、希釈されたMBL調製物を適用し、4)MBL結合血清を適用し(これは、MBL/MASP複合体の形成に導く);別法として、MBLおよびMBL結合血清をマイクロタイターウエルへの適用に先立って混合することができる;5)精製された補体因子C4を5mg/mlにて適用し;37℃にて1時間インキュベートし;7)Eu−標識抗−C4抗体を適用し;8)増強溶液を適用し;次いで9)時間分解フルオロメトリーによってEuを読み取ることによって構築した。各工程の間に、工程8および工程9の間を除き、プレートを室温でインキュベートし、洗浄した。
ELISAによる評価は、同様に、例えば、工程7においてビオチン−標識抗−C4を適用し;8)アルカリ性ホスファターゼ−標識アビジンを適用し;9)基質を適用し;次いで10)色強度を読み取ることによって行うことができる。キャリブレーション曲線は、1つの選択された正常な血漿の希釈を用いて構築することができる。本発明に関しては、以下の血清が有用な血清の例である:血漿プールLJ 6.57 28/04/97。機能は、MBLの1ng当たりのMBL活性の単位のごときMBLの特異的活性として表すことができる。
MBLの機能的同等体を測定するためのもう1つのアッセイは、細胞上の受容体/複数受容体に結合する能力を測定することである。
MBLと細胞上の受容体/複数受容体との相互作用はサイトフルオロメトリーによって分析することができる。1)50μg/mlの濃度のMBLを2×10細胞と共にインキュベートする。結合は、1%FCS、0.1%アジ化ナトリウムを含有するリン酸緩衝化塩溶液(PBS)中で行う。2)細胞−結合MBLの検出には、ビオチニル化抗−MBL抗体を適用し;3)続いて、ストレプトアビジン−FITCの添加、および4)フルオリメトリーによる混合物の分析を行う。
本発明の化合物での治療を必要とする該病気、障害および/または疾患は、例えば、MBLの欠乏の状態の治療、癌治療中の疾患と関連してあるいは臓器の埋込みおよび/または移植においてみられる特にそれらの感染を含めた免疫抑制化学療法と関連する癌および感染の治療を含む。また、本発明は、再発性流産と関連する疾患の治療を含む。
かくして、特に、医薬組成物は、感染、MBL欠乏、癌、感染のごとき化学療法に伴う障害、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に関連する病気、先天性または後天性免疫不全に関連する病気から選択される臨床的疾患の治療および/または予防に用いることができる。より詳しくは、慢性炎症性脱髄性多発神経障害 (CIDP、多病巣性(Multifocal)運動神経障害、多発性硬化症、重症筋無力症、イートン・ランバート症候群、視神経炎、癲癇;原発性抗リン脂質症候群;慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、脈管炎、ウェーグナー肉芽腫症、シェーグレン症候群、若年性慢性関節リウマチ;自己免疫性好中球減少症、自己免疫性溶血性貧血、好中球減少症;クローン病、潰瘍性大腸炎、セリアック病;喘息、敗血症性ショック症候群、慢性疲労症候群、乾癬、トキシックショック症候群、糖尿病、静脈洞炎、拡張型心筋症、心内膜炎、アテローム性動脈硬化症、分類不能型免疫不全、ウィスコット・アルドリッチ症候群および重症複合型免疫不全(SCID)を含む二次的低/無ガンマグロブリン血症、慢性リンパ性白血病(CLL)および多発性骨髄腫の患者における二次的低/無ガンマグロブリン血症、急性および慢性特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、同種骨髄移植(BTM)、川崎病、およびグリアン・バール症候群。
投与経路は、静脈内、筋肉内、皮下または皮内のごときいずれかの適当な経路とすることができる。また、肺または局所投与も本発明では考えられる。
特に、MBL組成物を投与して、先天性または後天性MBL欠乏に関連する臨床的兆候を有する、またはそのような兆候を生じる危険性のある患者において感染を予防および/または治療することができる。広く種々の疾患が、化学療法または他の治療的細胞障害性処置、癌、AITS、遺伝的素因、慢性感染、および好中球減少症のごときMBL−結合個体における感染に対して増大した罹患率に至り得る。
化学療法によって治療された癌患者は、しばしば、この疾患の治療におけるMBL療法の使用のバックグラウンドとなる、免疫系の細胞に対する薬物養生の悪影響のため感染に罹り易い。MBLの観察された低い血漿濃度(500mg/ml未満)は、臨床的に重要な感染に対する増大した罹患率の指標であり、これらの患者の免疫防御は組換えまたは天然血漿−由来MBLの投与によって補強することができる。
かくして、医薬組成物は、化学療法の投与の開始に先立って、および化学療法の少なくとも一部の間に一定期間投与することができる。
MBL組成物は一般的な「ブースター」として化学療法前に投与することができるか、あるいはそれはMBL欠乏が発生する危険性もあるヒトのみに投与することができる。危険性のある患者の群は、治療前にMBLレベルを測定し、そのMBLレベルが所定のレベル未満である治療に付すことによって決定することができる。低いMBLレベルを測定するための制限は、ほとんどの群について500mg/ml未満であると見積もられる。MBLレベルは、実施例9に記載された時間分解免疫蛍光アッセイ、ELISA、RIAまたはネフロメトリーによって測定することができる。
MBLを投与するためのもう1つの適応症は、MBLレベルが300mg/ml未満、または200mg/ml未満のごとく正常なレベルの50%未満である場合である。
MBL組成物は適当な投与量にて投与され、特にそれは通常適当な間隔で、例えば、化学療法の間に一週間に一回または二回投与される。
通常、投与当たり2ないし10mg、ほとんどの場合5ないし10mgのごとき1ないし100mgが投与当たり投与される。ほとんどの場合、約0.1mg/kgが投与される。
かくして、1つの態様において、本発明は、癌および病気の状態および、例えば、免疫系の障害および生殖系の障害の治療で用いるためのrMBL、この断片またはミミックを含めたMBLに関し、該治療は補体系のオプソニンおよび/または殺菌活性の創製、復元、増強および/または刺激、すなわち微生物病原体を認識し殺す免疫系の能力の増強よりなる。
さらに、本発明のある態様は、さらにもう1つの医薬を含むキット−オブ−パーツにおける本発明の組換え組成物の使用である。特に、他の医薬は抗生物質のごとき抗−微生物医薬であり得る。
流産に関しては、MBLの低い血漿レベルの頻度は、これらの場合組換えMBLの投与によるMBLレベルの復元による流産に対する罹患性の低下のためのバックグラウンドである、説明されていない再発流産を持つ患者で増加すると報告されている。
本発明の化合物の性質に関しては、その広い態様においては、本発明は、化合物およびマクロファージの間の直接的相互作用を介して、または標的表面の補体沈積を媒介することを介して、マクロファージによる摂取を増強することができるオプソニンとして作用することができる化合物に関する。その具体的な例はMBL、この断片またはミミックである。本発明は、過去に活性化されたよりも天然のヒトMBLの構造により近く見える組換えヒトMBLの合成の開示に基づく。
今回、本発明を種々の態様において、かつ適度に詳細に説明してきたが、さらに、本発明を好ましい具体例の非限定的な例によって以下に説明する。
実施例
実施例1:
固定化されたアミノ糖を用いるMBLの精製
HyQベースの培地(HyClone)中で、WO 00/70043に記載されたMBLをコードする発現構築体を含むHEK293ベースの細胞系に似たヒト細胞系によってMBLを組換えにより生産し、引き続いて、固定化されたアミノ糖を用いることによってアフィニティークロマトグラフィーによってMBLを精製した。
1.0gのD−マンノサミン(ICN Biomedicals、 カタログ番号102252)を13.5mLの懸濁させたNHS−活性化Sepharose FF(Amersham Biosciences, カタログ番号17−0906−02)にカップリングさせることによって、D−マンノサミンカラムを調製した。
カップリング条件はNHS−活性化ゲルについての販売業者の指令書に正確に記載されたものであった:まず、樹脂を氷冷1mM塩酸で洗浄した。引き続いて、樹脂をアミノ糖(100mg/mLのD−マンノサミン、10mMのNaH2PO4、pH=7.0)と共に4℃で一晩インキュベートした。翌日、樹脂をエタノールアミン緩衝液(100mN、 pH7.0)でブロックし、HR10/10カラムに充填した。最後に、カラムを弱いトリス緩衝液(pH7.0)および弱い酢酸緩衝液(pH=3.1)で三回平衡化した。
1リットルの細胞培養ブロスをカラムに添加し、EDTA含有緩衝液を用いて溶出させた。
対応する適量のMBL特異的イムノアッセイ、順送り、および溶出する主なピークにより、MBLは溶出する主なピーク中でほとんど全部が見出されることが明らかとなる(図1)。MBL含有率は、Superose6(Amersham Biosiencesからの予備充填HR10/30)でのサイズ排除クロマトグラフィーのごときクロマトグラフィー技術、または還元後のMALBI−MS調査によって容易に確認される。
実施例2
固定化されたアミノ糖を用いるMBLの選択されたサイズ−画分の精製
レクチンオリゴマーの選択された画分は、アミノ糖リガンド濃度を調整することによって得ることができる。
比較的低いリガンド濃度を持つ樹脂は、0.1gのD−マンノサミン(Sigma,カタログ番号M4670)を12.5mLの懸濁させたNHS−活性化Sepharose FF(Amersham Biosciences カタログ番号17−0906−02)にカップリングさせることによって作成した。
比較的高いリガンド濃度を持つ同様な樹脂は、1.0gのD−マンノサミン(Sigma, カタログ番号M4670)を12.5mLの懸濁させたNHS−活性化Sepharose FF (Amersham Biosciences カタログ番号17−0906−02)にカップリングさせることによって作成した。
リガンドを含まない「ダミー」カラムは、12.5mLの懸濁させたNHS−活性化Sepharose FF(Amersham Biosciences カタログ番号17−0906−02)へのカップリングの間にアミノ糖を含まないカップリング緩衝液を用いることによって作成した。
全ての場合において、カップリング条件は、正確にNHS−活性化ゲルについての販売業者の指令書に記載した通りであった。(実施例1に記載したごとく作成された)1リットルの細胞培養ブロスを各カラムに添加し、EDTA含有緩衝液を用いて溶出させた。対応する適用のMBL特異的イムノアッセイ、順送り、および溶出する主なピークにより、MBLは、高リガンド濃度でのカラム(「高−sub」カラム)から溶出する主なピーク中にほとんど全部見出されることが明らかになる。
MBLの選択された高質量画分は、低いリガンド濃度でのカラム(「低−sub」カラム)からの溶出する主なピーク中に見出され、残りのMBLはラン−スルー画分に見られる。全てのMBLは「ダミー」カラムの順送り画分に見出され、これは、MBL親和性がリガンド特異的であることを示す(図2)。
実施例3
固定化されたアミノ糖での一連のカラムを用いるMBLの選択されたサイズ−画分の精製
レクチンオリゴマーの特異的画分は、異なるリガンド濃度で一連のカラムに適用することによって得られる。
(実施例1に記載されたごとく作成された)1リットルの細胞培養ブロスを直列の二つのカラムに添加する:第一のカラムは低いアミノ糖リガンド濃度を持つカラム(実施例2に記載された低−subカラム)で、他方、第二のものは高いアミノ糖リガンド濃度を持つカラム(実施例2に記載された「高sub」カラム)である。
「低−sub」カラムからのMBLの順送り画分は「高−sub」カラムに捕獲される。次いで、各カラムをEDTA緩衝液(50mN、 pH7.4)で溶出させる。「低−sub」カラムからの溶出する画分は、元の適用よりも高い平均サイズ分布を持つ高質量サイズMBLを含む。「高−sub」カラムからの溶出する画分は「低−sub」カラム溶出物未満の質量を持つMBL画分を含むが、モノマーMBLまたはダイマーMBLのような低質量サイズMBLは含まない。
実施例4
固定化されたアミノ糖を用いる血漿由来MBLの精製
血漿からのレクチンは固定化されたアミノ糖を用いて精製することができる。
D−マンノサミンカラムは実施例1に記載したごとく調製される。1/2リットルの血漿は血液バンクから入手し、CaClの添加後に軽く加熱することによって凝固させる。得られた血清をカラムに添加し、しばらくした後、EDTA含有緩衝液を用いて洗浄蛋白質を溶出させる。対応する適量の特異的イムノアッセイ、順送り、および溶出する主なピークにより、MBLがカラムからの溶出する主なピークにほとんど全部見出される。
MBL含有率は、Superose6(Amersham Biosciencesからの予備充填HR10/30)でのサイズ排除クロマトグラフィー、MonoQ(APBiotech)でのアニオン交換クロマトグラフィーまたはMBL ELISA(Statens Serum Institute, Copenhagen)のごときクロマトグラフィー技術によって容易に確認される。
実施例5
D−マンノサミン以外の固定化されたアミノ糖を用いるMBLの精製
NH基を介する固定化の後、固定化されたD−マンノサミンはレクチンに結合することができるいずれかのアミノ糖と交換することができる。リガンド濃縮の同一効果が見られる。
比較的低いリガンド濃度での樹脂は、0.1gのD−グルコサミン(Sigma,カタログ番号G4875)に12.5mLの懸濁されたNHS−活性化Sepharose FF(Amersham Biosciences,カタログ番号17−0906−02)にカップリングさせることによって作成した。比較的高いリガンド濃度での同様な樹脂は、1.0gのD−グルコサミン(Sigma,カタログ番号G4875)を12.5mLの懸濁されたNHS−活性化Sepharose FF(Amerhsm Biosciences,カタログ番号17−0906−02)にカップリングさせることによって作成した。双方の場合において、カップリング条件は、正確に、NHS−活性化ゲルについての販売業者の指令書に記載された通りであった。
(実施例1に記載したごとくに作成した)1リットルの細胞培養ブロスを各カラムに添加し、EDTA含有緩衝液を用いて溶出させた。
対応する適用のMBL特異的イムノアッセイ、順送りおよび溶出する主なピークにより、MBLは、高いリガンド濃度でのカラム(「高−sub」カラム)から溶出する主なピーク中にほとんど全部が見出される(図3)。
実施例6
固定化されたアミノ糖を用いるレクチンの大規模精製
アフィニティークロマトグラフィーは容易に10倍までスケールアップされる。
大きなD−グルコサミンカラムは、5.0gのD−グルコサミン(Sigma,カタログ番号G4875)を100mLの懸濁されたNHS−活性化Sepharose FF(Amersham Biosciences,カタログ番号17−0906−02)にカップリングすることによって調製される。カップリング条件は、正確に、NHS−活性化ゲルについての販売業者の指令書に記載されている通りであった。10リットルの組換えにより生産されたMBLを含む細胞培養ブロスをカラムに添加し、EDTA含有緩衝液を用いて溶出させる。
対応する適用のMBL特異的イムノアッセイ、順送りおよび溶出する主なピークにより、MBLは、溶出する主なピークにほとんど全部が見出されることが明らかとなる。MBL含有量は、Superose6(Amerhsm Biosciencesからの予備充填HR10/30)でのサイズ排除クロマトグラフィー、MonoQ(Amerhsm Biosciences)でのアニオン交換クロマトグラフィー、Hyb131−01(Statens Serum Institute)を用いるウエスタンでのSDS−PAGE、MBL特異的ELISA(Statens Serum Institute)、アミノ酸組成分析、および還元後のMALDI−MS調査のごときクロマトグラフィーによって容易に確認される。
実施例7
固定化されたアミノ糖を用いるレクチンの検出
アミノ糖はマイクロタイターウエルに固定化し、レクチンの検出で適用することができる。
マイクロタイターウエル(Life Technologiesからの塩化シアヌル酸活性化CvaLink NH)をウエル当たり1.0μgアミノ糖と共に販売業者によって記載されているごとくインキュベートすることによって、D−グルコサミンを該ウェルにカップリングさせる。MBL含有試料の希釈をウエルに添加し、室温にて3時間インキュベートする。引き続いて、Hyb131−01(Statens Serum Institute)のような検出抗体を室温にて3時間適用し、続いて、HRP−またはAP−標識二次抗体(抗−IgG,Dako)と共に1時間インキュベートする。酵素基質の添加の後、MBLの量をELISAリーダーで見積もる。
図1は、実施例1に記載された固定化されたD−マンノサミンを含むカラムに適用し、それから溶出された組換え生産したMBLの溶出プロフィールを示す。その図は、血漿由来のMBLに対して産生されたモノクローナル抗体を用いたSDS−PAGEウェスタンブロットを示す。MW=マーカー(KDa)、A=適用(本発明の使用前の組換え由来MBL)、R=適用の間に得られたラン・スルー画分;E=EDTAで洗浄後の溶出画分(本発明の使用前の組換え由来MBL) 図2は、実施例2に記載された固定化されたD−マンノサミンを含むカラムに適用し、それから溶出された組換え生産したMBLの溶出プロフィールを示す。その図は、血漿由来のMBLに対して産生されたモノクローナル抗体を用いたSDS−PAGEウェスタンブロットを示す。「ダミー」:アミノ糖なくしてカップリングされたカラム;「低―sub」=少量のアミノ糖でカップリングさせたカラム、「高―sub」=多量のアミノ糖でカップリングさせたカラム、「高―sub R」=NaOHで再生後に多量のアミノ糖でカップリングさせたカラム、MW=マーカー(KDa)、A=適用、R=適用の間に得られたラン−スルー画分;E=EDTAで洗浄後の溶出画分、PI=血漿由来MBL(対照) 図3は、実施例5に記載された2つの濃度での固定化されたD−マンノサミンを含むカラムに適用し、それから溶出された組換え生産したMBLの溶出プロフィールを示す。その図は、血漿由来のMBLに対して産生されたモノクローナル抗体を用いたSDS−PAGEウェスタンブロットを示す。A=適用(本発明の使用前の組換え由来MBL)、R=適用の間に得られたラン・スルー画分;E=EDTAで洗浄後の溶出画分(本発明の使用前の組換え由来MBL)、PI=血漿由来MBL(対照)

Claims (28)

  1. アミノ糖分子の一部分に反応部分として位置する第一級アミノ基および該分子の他の部分にマンノース結合レクチン(MBL)結合部位を有する少なくとも1つのアミノ糖で誘導体化した固体支持体を確立し、ここに該アミノ糖はアミノ基を介して該固体支持体にカップリングしており、
    −種々のレクチン分子を含む調製物を該固体支持体に適用し、
    −該固体支持体にカップリングしたアミノ糖にレクチンを結合させ、
    −洗浄液で固体支持体を洗浄して、結合しなかった汚染物を除去し、次いで、
    −所望により、固体支持体から該レクチン(類)を回収する
    ことを含む該調製物から少なくとも1つのMBLを単離する方法。
  2. 該アミノ糖がマンノサミン、グルコサミン、ガラクトースアミン、フルクトサミン、D−マンノースアミン、D−グルコサミン、L−ガラクトースアミンおよびL−フコサミンよりなる群から選択される単糖である請求項1記載の方法。
  3. 該アミノ糖がD−マンノサミンおよびD−グルコサミンよりなる群から選択される請求項1記載の方法。
  4. 該固体支持体がクロマトグラフィーカラム樹脂であって、0 . 1mgないし1000mgアミノ糖/ml樹脂の所定の濃度を該固体支持体にカップリングする請求項1記載の方法。
  5. MBLが該固体支持体から回収される請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
  6. MBLが純粋な形態で回収される請求項5記載の方法。
  7. 該固体支持体がクロマトグラフィーカラム、クロマトグラフィー樹脂、フィルター、プラスチック表面、ガラス表面および磁性粒子から選択される請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 該カラムがN−ヒドロキシスクシンイミド活性化樹脂、臭化シアン活性化樹脂およびエポキシ活性化樹脂から選択される請求項7記載の方法。
  9. 該プラスチック表面が活性化されたマイクロタイタープレートである請求項7記載の方法。
  10. 該洗浄液が、二価金属イオンキレート剤およびMBLに結合することができる糖よりなる群から選択される1またはそれを超える成分を含み、該糖がマンノース、N−アセチルマンノサミン、グルコース、N−アセチルグルコサミン、フルクトース、N−アセチルフルクトサミン、ガラクトースおよびN−アセチルガラクトサミン、サッカロースおよびマルトースよりなる群から選択される請求項1ないし9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 種々のMBL分子を含む組成物の比率Rを増加させる方法であって、ここにRは所定の分子量未満またはそれと等しい低分子量を有するMBL分子の濃度に対する所定の分子量を超える高分子量を有するMBL分子の濃度の比率であり、
    低分子量MBLおよび高分子量MBLを含むMBL調製物を得、ここに該調製物は比率R=R を有し、
    該調製物を請求項1ないし9のいずれか1項に記載の単離する方法に適用し、ついで
    回収したMBL分子を含む組成物を得る
    ことを含む該方法。
  12. 種々のMBL分子を含む組成物の製法であって、ここに、該MBL分子の全てはダイマーMBLについての所定の分子量を超える分子量を有し、
    所定の分子量を超える高分子量を有するMBL分子および所定の分子量未満またはそれと等しい低分子量を有するMBL分子を含むMBL調製物を得、ここに該調製物は比率R=R を有し、Rは所定の分子量未満またはそれと等しい低分子量を有するレクチン分子の濃度に対する所定の分子量を超える高分子量を有するレクチン分子の濃度の比率であり、
    請求項1ないし9のいずれか1項に記載の単離する方法に該調製物を適用し、
    回収したレクチン分子を含む組成物を得る
    ことを含む該製法。
  13. 所定の分子量を超える高分子量を有するMBL分子およびダイマーレクチンについての分子量未満またはそれと等しい低分子量を有するMBL分子を含むMBL調製物から、種々のMBL分子を含む組成物を分離する方法であって、ここに、該MBL分子の全ては所定の分子量を超える高分子量を有し、ここに該調製物は比率R=R を有し、Rは所定の分子量未満またはそれと等しい低分子量を有するMBL分子の濃度に対する所定の分子量を超える高分子量を有するMBL分子の濃度の比率であり、
    該MBL調製物を得、
    請求項1ないし9のいずれか1項に記載の単離方法に該調製物を適用し、ついで
    回収したMBL分子を含む組成物を得る
    ことを含む該方法。
  14. 種々のMBL分子を含む組成物の製法であって、ここに、該MBL分子の全ては所定の分子量未満またはそれと等しい低分子量を有し、
    所定の分子量を超える高分子量を有するレクチン分子および所定の分子量未満またはそれと等しい低分子量を有するレクチン分子を含むMBL調製物を得、ここに、該調製物は比率R=R を有し、Rは所定の分子量未満またはそれと等しい低分子量を有するレクチン分子の濃度に対する所定の分子量を超える高分子量を有するレクチン分子の濃度の比率であり、
    請求項1ないし9のいずれか1項に記載の単離方法に該調製物を適用し、ついで
    洗浄液の結合しなかったMBL分子を含む組成物を得る
    ことを含む該製法。
  15. 種々のMBL分子を含む調製物の比率Rを増加させる方法であって、ここにRは高分子量および低分子量を有するMBL分子の濃度に対する中間的分子量を有するレクチンの濃度の比率であり、
    ここに、該中間的分子量は第1の所定の分子量未満であって第2の所定の分子量を超える分子量であり、高分子量は第1の所定の分子量を超えるかまたはそれと等しい分子量であって、低分子量は第2の所定の分子量未満またはそれと等しい分子量であり;
    a)低分子量MBL、中間的分子量MBLおよび高分子量MBLを含むMBL調製物を得、該調製物は比率R=R を有し;ついで
    b)請求項1ないし9のいずれか1項に記載の単離方法に該調製物に適用し;
    c)回収したMBL分子を含む組成物を得、ついで
    d)所望により、異なる濃度のアミノ糖を有する固体支持体を用いて工程b)を繰り返す
    工程を含む該方法。
  16. 組成物の高分子量MBLの少なくとも50%が、225kDaを超えるような、250kDaを超えるような、300kDaを超えるような、200kDaを超える分子量を有する請求項15記載の方法。
  17. 低分子量MBLが200kDa未満の分子量を有するMBLを含む請求項15記載の方法。
  18. MBL調製物が組換えMBL調製物である請求項1ないし17のいずれか1項に記載の方法。
  19. MBL調製物を
    −ヒトMBLペプチドをコードする遺伝子発現コンストラクトを調製し、
    −該コンストラクトで宿主細胞培養物を形質転換し、
    −該宿主細胞培養物を培地で培養し、それによって培地へのポリペプチドの発現および分泌を得、ついで
    −種々のMBL分子を含む調製物を得る
    ことによって得る請求項18記載の方法。
  20. 遺伝子発現コンストラクトがヒトMBL遺伝子からの少なくとも1つの イントロン配列を含む請求項19記載の方法。
  21. 遺伝子発現コンストラクトがヒトMBL遺伝子からの少なくとも2つのエクソン配列を含む請求項20記載の方法。
  22. 遺伝子発現コンストラクトがMBLサブユニットをコードするcDNA配列を含む請求項19記載の方法。
  23. 宿主細胞培養物をイン・ビトロ (in vitro) で培養する請求項19記載の方法。
  24. 宿主細胞培養物が真核生物宿主細胞培養物である請求項19記載の方法。
  25. 宿主細胞培養物が哺乳動物宿主細胞培養物である請求項19記載の方法。
  26. クロマトグラフィーカラム樹脂である固体支持体であって、当該固体支持体は、マンノサミン、グルコサミン、ガラクトサミン、フルクトサミン、D−マンノサミン、D−グルコサミン、L−ガラクトサミンおよびL−フコサミンよりなる群から選択される0 . 1mgないし1000mgアミノ糖/ml樹脂の所定の濃度の、第一級アミノ基を有する少なくとも1つのアミノ糖が当該固体支持体に共有的にカップリングしており、該アミノ糖はアミノ基を介して当該固体支持体にカップリングしている該固体支持体。
  27. アミノ糖がD−マンノサミンおよびD−グルコサミンよりなる群から選択される請求項26記載の固体支持体。
  28. 該カラムがN−ヒドロキシスクシンイミド活性化樹脂、臭化シアン活性化樹脂およびエポキシ活性化樹脂から選択される請求項26記載の固体支持体。
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