JP4241212B2 - 帯電防止膜 - Google Patents
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Description
【産業の属する技術分野】
本発明は、吸水性ポリマーの存在下、金属アルコキシドを加水分解重縮合した反応物から帯電防止膜を得て、帯電防止性が格段に優れたプラスチックおよびガラス製品を提供するものであり、電気・電子機器、自動車、航空機などの工業製品や農業用資材、土木用資材、日用品、など広い範囲に利用できる帯電防止膜および帯電防止膜を表面に形成したプラスチックおよびガラス製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラスチックは優れた成形性、機械的性質があり、しかも安価であるので工業製品、日用品などに大量に使用されている。ガラスも優れた透明性などの特性によって装飾品、日用品、建材、工業製品などに大量に用いられている。
しかしながらプラスチックは帯電しやすく、時にはスパーク障害などのトラブルが発生する。また帯電に起因する埃付着汚染が日常的に起こる。ガラスはプラスチックよりは帯電しにくいが、時には帯電によるトラブルが発生する。
【0003】
この欠点を補うために、プラスチックにアルキルサルフェートなどのアニオン系帯電防止剤、第4級アンモニウム塩型などのカチオン系帯電防止剤、ソルビタン型などの非イオン系帯電防止剤、ベタイン型などの両性系帯電防止剤などを練りこんで帯電防止性を付与することが行われている。しかし、この方法では帯電防止効果が不足し、また効果の持続期間が短いために高度の帯電防止性が要求される用途には使用できない。
【0004】
一方、プラスチックにカーボンブラックなどの導電性フィラーを練りこんで帯電防止性を付与することも行われている。この方法は高度の帯電防止性を付与することができ、帯電防止効果の持続性も優れているために、電子部品の保護ケースなどに使用されている。しかし、この方法では黒色不透明の製品しか得られないために、透明性が要求される用途には適用できない。
【0005】
これに対して、プラスチック基板、ガラス基板の表面を導電性膜で被覆して帯電防止性を付与することも行われている。
例えば、特許文献1には、アンチモン含有酸化スズからなる導電性微粉末を含有する透明合成樹脂塗料組成物を塗布する方法が開示されている。また、スズ、アンチモン、インジウムから選ばれる少なくとも1種の金属成分及びケイ素のアルコール性ゾルを含有する帯電防止コーティング剤(特許文献2)、スズ、アンチモン、インジウムから選ばれる少なくとも1種の導電性金属酸化物の水分散性ゾルと水性シリカゾルから成る帯電防止用皮膜組成物(特許文献3)、金属アルコキシドの加水分解重縮合物及び水溶性π共役系導電性高分子を含有する帯電防止膜形成用組成物(特許文献4)が開示されている。しかし、これらの方法はアンチモン含有酸化スズ、π共役系導電性高分子などの高価な物質を用いるために経済性に乏しく実用化の範囲が限定される。
【0006】
【特許文献1】
特公昭63−33778号
【特許文献2】
特開平2−47166号
【特許文献3】
特開平5−279597号
【特許文献4】
特開平9−78000号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、帯電しやすく、時にはスパーク障害などのトラブルが発生する、また帯電に起因する埃付着汚染が日常的に起こるプラスチックの表面、あるいは時には帯電によるトラブルが発生するガラスの表面に広くコーティングすることができる帯電防止膜を提供することを目的とする。また、本発明は、帯電防止性が格段に優れ、透明性、明色着色性を有し、しかも埃付着防止性に優れたプラスチック、ガラス製品を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の(1)ないし(10)の帯電防止膜を要旨としている。
(1) 吸水性ポリマーの存在下、金属アルコキシドを加水分解重縮合した反応物から得られる帯電防止膜。
(2) 吸水性ポリマーおよびシリコーン化合物の存在下、金属アルコキシドを加水分解重縮合した反応物から得られる帯電防止膜。
(3) 上記のシリコーン化合物が、ジメチルポリシロキサン系シリコーンオイル、両末端変性ジメチルポリシロキサン系シリコーンオイル、およびジメチルポリシロキサンに親水基が結合したシリコーン系界面活性剤からなる群から選ばれる(2)の帯電防止膜。
(4) 上記のシリコーン化合物が、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサンである(2)または(3)の帯電防止膜。
(5) 上記のシリコーン化合物が、下記式(A)、(B)または(C)である(2)、(3)または(4)の帯電防止膜。
【化4】
【化5】
【化6】
ただし、式(A)、式(B)、式(C)において、
R:アルキル基または水素
R':アルキレン基
(6) 上記の吸水性ポリマーが平均粒径50〜500μmの粉末状であることを特徴とする(1)ないし(5)のいずれかの帯電防止膜。
(7) 1軸駆動装置を用いて精密ディップコーティングすることによって形成される(1)ないし(6)のいずれかの帯電防止膜。
(8) オネストメーターを用い、印加電圧9KVで測定した帯電減衰特性が電圧印加停止後30秒以内で電荷の減衰率が95%以上であることを特徴とする(1)ないし(7)のいずれかの帯電防止膜。
(9) プラスチック成形体上に形成されていることを特徴とする(1)ないし(8)のいずれかの帯電防止膜。
(10) ガラス成形体上に形成されていることを特徴とする(1)ないし(8)のいずれかの帯電防止膜。
【0009】
(11) (1)ないし(8)のいずれかの帯電防止膜が表面に形成されたプラスチック成形体を要旨としている。
【0010】
(12) (1)ないし(8)のいずれかの帯電防止膜が表面に形成されたガラス成形体を要旨としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
吸水性ポリマーの存在下で金属アルコキシドを加水分解重縮合した反応物について説明する。
本発明で用いる金属アルコキシドは、次式(1)または(2)で示される化合物である。
【0012】
【化7】
M(OR)a (1)
【化8】
M(OR)n(X)a-n (2)
【0013】
ここでMはSi, Al, Ti, Zr, Ca, Fe, V, Sn, Li, Be, BおよびPからなる群から選択される原子であり,Rはアルキル基であり,Xはアルキル基,官能基を含むアルキル基、またはハロゲンであり,aはMの原子価であり,nは1からaまでの整数である。上記Xとしては,カルボニル基,カルボキシル基,アミノ基,ビニル基,またはエポキシ基を有するアルキル基が好適である。
特に好ましい金属アルコキシドとしては,Si(OC2H5)4,Si(OCH3)4,Al(O-iso-C3H7)3,Ti(O-iso-C3H7)4,などが挙げられる。
【0014】
金属アルコキシドの加水分解重縮合反応は一般にゾル・ゲル法と呼ばれる反応の常法に従って行う。すなわち、金属アルコキシドを水とエタノールなどのアルコールとの混合溶媒に溶かし、触媒としての塩酸などの酸,またはアンモニアなどのアルカリを添加して、室温〜80℃の温度で撹拌しながら反応させる。
【0015】
本発明において,金属アルコキシドを加水分解重縮合させた反応生成物を得る際に吸水性ポリマーを存在させることによって,水を含む金属酸化物3次元架橋体を得ることができる。
【0016】
用いる吸水性ポリマーは,ポリアクリル酸系,ポリビニルアルコール系,ポリ(N−ビニルアセトアミド)系,ポリアミノ酸系,ポリアクリルアミド系,ポリビニルピロリドン系,ポリヒドロキシエチルアクリレート系,ポリビニルメチルエーテル系,ポリ(イソブチレン−マレイン酸)系,ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパン−スルホン酸)系,ポリアクロキシプロパンスルホン酸系,ポリビニルホスホン酸系,ポリビニルピリジン系,ポリエチレングリコール系,ポリエチレンイミン系などの化学合成によって得られる吸水性ポリマーおよびアルギン酸,ポリグルタミン酸,ヒアルロン酸,カゼイン,コラーゲン,デンプン,ヒドロキシルセルロース,カルゲナンおよびこれらの金属塩,エステルなどの天燃物由来の吸水性ポリマーのうちいずれか一つ又はその組み合わせである。なかでもポリアクリル酸系,ポリアミノ酸系,ポリ(N−ビニルアセトアミド)系の吸水性ポリマーが好ましく、特に、ポリアクリル酸金属塩部分架橋体を主体とするポリアクリル酸系吸水性ポリマーが経済性の上でも好ましい。
【0017】
吸水性ポリマーの形状としては、平均粒径50〜500μmの粉末状、特に平均粒径200〜400μmの粉末状のものが得られる膜の均一性、及び帯電防止性が優れるために好ましい。
【0018】
吸水性ポリマーの添加量は水の重量の1/50〜1/1000の範囲で設定することができる。
【0019】
また、本発明において、吸水性ポリマーの存在下で金属アルコキシドを加水分解重縮合させた反応生成物を含む水溶液を100℃以下の温度で加熱処理することによって、水を含む金属酸化物3次元架橋体の濃縮液をより短時間で得ることができる。
【0020】
さらに、本発明において、吸水性ポリマーの存在下で金属アルコキシドを加水分解重縮合させる際にシリコーン化合物を共存させることによって、得られる薄膜の帯電防止性をさらに向上させることができる。
【0021】
シリコーン化合物としてはシリコーンオイル、シリコーン界面活性剤などを用いることができる。
【0022】
具体的にはジメチルポリシロキサン系シリコーンオイル、両末端変性ジメチルポリシロキサン系シリコーンオイル、ジメチルポリシロキサンに親水基が結合したシリコーン界面活性剤などを用いることができる。
【0023】
中でもポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン系界面活性剤、具体的には
次式(A)、(B)、(C)などで示される化学構造を有するシリコーン界面活性剤を用いると得られる膜の帯電防止性向上効果が大きくなる。
【0024】
【化9】
【化10】
【化11】
ただし、式(A)、式(B)、式(C)において、
R:アルキル基または水素
R':アルキレン基
【0025】
中でも式(A)で示される化学構造を有するシリコーン界面活性剤を用いると得られる膜の帯電防止性向上効果が著しく大きくなる。
【0026】
シリコーン化合物の添加量は反応溶液全体の重量中0.001〜10重量%の範囲で設定することができる。中でも0.1〜2重量%の範囲が好ましい。
【0027】
吸水性ポリマーの存在下で金属アルコキシドを加水分解重縮合させて得られた反応液をプラスチック成形体あるいはガラス成形体の表面にコーティングして表面に帯電防止膜が形成されたプラスチック成形体あるいはガラス成形体を得る。プラスチック成形体としては射出成形体、押出成形体、中空成形体、回転成形体、発泡成形体など各種の成形法によって得られる筐体、フィルム、ディスプレーカバー、プラスチックレンズ、光記録媒体など広範囲の成形体を用いることができる。またガラス成形体としては板ガラス、レンズ、ブラウン管、ディスプレーカバーなど各種の成形体を用いることができる。
【0028】
レンズ、眼鏡などの用途に応用する場合はポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリジエチレングリコールビスアリルカーボネート、非晶性ポリオレフィン、ポリ乳酸などの透明性のプラスチック、あるいはガラスを基板に用いることが好ましい。
【0029】
筐体などの用途に応用する場合はアクリロニトリル・スチレン・ブタジエン三元共重合樹脂(ABS樹脂)、ポリカーボネート/ABS樹脂系アロイ、変性ポリフェニレン、変性ポリフェニレン系アロイ、ポリプロピレン、ポリプロピレン/無機フィラー複合材料、コハク酸・1,4−ブタンジオール重縮合体、アジピン酸・1,4−ブタンジオール重縮合体、コハク酸・1,4−ブタンジオール・乳酸重縮合体、アジピン酸・1,4−ブタンジオール・乳酸重縮合体などの筐体用プラスチックあるいはガラスを基板に用いるのが好ましい。
【0030】
プラスチック基板あるいはガラス基板への、吸水性ポリマーの存在下で金属アルコキシドを加水分解重縮合させて得られた反応液の表面コーティングは、ディップコーティング、スプレーコーティング、スピンコーティング、ロールコーティング、スクリ―ン印刷、刷毛、流し塗りなど各種の手法を用いて行なうことができる。
【0031】
レンズなどの高度の用途向けには1軸駆動装置を用いて引き上げ速度0.01〜1.5mm/secで精密にディップコーティングを行なうことが好ましい。その際コーティング溶液の温度、粘度を一定に管理し、駆動時の基板及びコーティング溶液にできるだけ振動を与えないようにすることが好ましい。
また表面コーティングされた帯電防止膜の膜厚は0.01〜10μmの範囲、特に0.1〜1.0μmの範囲であることが好ましい。
ディップコーティングを行なう際に片面を保護フィルムなどでマスキングして行なうこともできる。
【0032】
【作用】
プラスチック、ガラスは帯電しやすく、埃付着汚染が日常的に起こる。一方、木材、貝殻などの自然界の材料は帯電しにくく、埃も付着しにくい。その理由として、自然界の材料に含まれている水が帯電を防ぐ作用をしていることが考えられる。
本発明は、吸水性ポリマーの存在下で金属アルコキシドを加水分解重縮合させて、水を含む金属酸化物3次元架橋体を得て、帯電防止性、埃付着防止性が格段に優れた材料を提供するものであり、電気・電子機器、自動車、航空機などの工業製品や農業用資材、土木用資材、日用品など広い範囲に利用できる。
本発明は、吸水性ポリマーの存在下で金属アルコキシドを加水分解重縮合した反応物を表面にコーティングすることによって、帯電防止性が格段に優れ、透明性、明色着色性を有し、しかも埃付着防止性に優れたプラスチック、ガラス製品を提供するものである。
【0033】
【実施例】
本願発明の詳細を実施例で説明する。本願発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
【0034】
実施例1
平均粒径700μmの粉末状ポリアクリル酸系吸水性ポリマー60mgに純水35.3gを加え、室温で5分間撹拌した。吸水性ポリマーを含む水溶液にエチルアルコール56.6gを加え、さらにテトラエトキシシラン37.5g、塩酸2.25gを加えて室温で1時間撹拌した後に3日間室温で放置した。このようにして調製した反応液を容量200mlのビーカーに入れ、ポリカーボネ―ト平板(50×50×0.8mm)を反応液に浸した後に1軸駆動装置を用いて0.8mm/secの速度で反応液から引き上げて精密ディップコーティングをおこなった。表面コーティングされたポリカーボネ―ト平板を0.5時間自然放置して乾燥した。表面にコーティングされた膜の厚さは約0.3μmであった。オネストメーターを用い、印加電圧9KVで帯電防止膜が表面コーティングされたポリカーボネ―ト平板の帯電減衰率を測定した結果、電圧印加停止後1分間で電荷が約90%減衰し、優れた帯電防止効果が認められた。比較のために表面コーティングされていないポリカーボネ―ト平板の帯電減衰を測定した結果、電圧印加停止後3分間経過後も電荷がほとんど減衰しなかった。
【0035】
実施例2
実施例1においてポリカーボネ―ト平板の代わりにガラス平板を用いて同様の実験を行なった。その結果膜厚0.2μmの帯電防止膜が表面コーティングされたガラス平板が得られた。この帯電減衰率をオネストメーターを用い、印加電圧9KVで測定した結果、電圧印加停止後30秒間で電荷が約90%減衰し、優れた帯電防止効果が認められた。比較のために表面コーティングされていないガラス平板の帯電減衰を測定した結果、電圧印加停止後2分間経過して電荷が約90%減衰した。
【0036】
実施例3
平均粒径250μmの粉末状ポリアクリル酸系吸水性ポリマー60mgに純水35.3gを加え、室温で5分間撹拌した。次に別容器にエチルアルコール56.6g、式(A)のシリコン―ン界面活性剤(日本ユニカー製L-77)0.43gを加え、室温で5分間撹拌した。吸水性ポリマーを含む水溶液にシリコン―ン界面活性剤を含むエチルアルコールを加え、さらにテトラエトキシシラン37.5g、塩酸2.25gを加えて室温で1時間撹拌した後に3日間室温で放置した。このようにして調製した反応液を容量200mlのビーカーに入れ、ポリカーボネ―ト平板(50×50×0.8mm)を反応液に浸した後に1軸駆動装置を用いて0.8mm/secの速度で反応液から引き上げて精密ディップコーティングをおこなった。表面コーティングされたポリカーボネ―ト平板を0.5時間自然放置して乾燥した。表面にコーティングされた膜の厚さは約0.3μmであった。オネストメーターを用い、印加電圧9KVで表面コーティングされたポリカーボネ―ト平板の帯電減衰率を測定した結果、電圧印加停止後3秒以内で電荷が100%減衰し、極めて優れた帯電防止効果が認められた。
また表面コーティングされたポリカーボネ―ト平板の可視光線に対する透過率は93%以上と良好であった。
【0037】
実施例4
実施例3においてポリカーボネ―ト平板の代わりにガラス平板を用いて同様の実験を行なった。その結果膜厚0.4μmの帯電防止膜が表面コーティングされたガラス平板が得られた。このガラス平板の帯電減衰率を測定した結果、電圧印加停止後3秒以内に電荷が100%減衰し、極めて優れた帯電防止効果が認められた。
【0038】
実施例5
実施例3と同様の方法で調製した反応液を用いて、ABS樹脂製、ポリプロピレン製、変性ポリフェニレンエーテル製およびコハク酸・1,4−ブタンジオール・乳酸重縮合体製のパソコン筐体の表面にスプレーコーティングした後、0.5時間自然放置して乾燥した。表面コーティングを施された筐体は表面コーティングを施されていない筐体と比較して帯電防止性が良好で埃の付着が著しく減少した。
【0039】
実施例6
実施例3と同様の方法で調製した反応液を用いて、直方体(20×50×5mm)状のポリカーボネ―ト製、ポリメチルメタクリレート製、ポリジエチレングリコールビスアリルカーボネート製の各試験片に実施例3と同様の方法で1軸駆動装置を用いて0.8mm/secの速度で反応液から引き上げて精密ディップコーティングをおこなった。表面コーティングされた試験片を0.5時間自然放置して乾燥した。表面にコーティングされた膜の厚さは約0.1〜0.5μmであった。表面コーティングされた試験片の帯電減衰率をオネストメーターを用い、印加電圧9KVで測定した結果、半減期3秒以下で電荷が100%減衰し、極めて優れた帯電防止効果が認められた。
また可視光線に対する透過率は93%以上と良好であった。
【0040】
【発明の効果】
本発明は、吸水性ポリマーの存在下で金属アルコキシドを加水分解重縮合させた反応液の帯電防止膜を表面に形成したプラスチック成形体あるいはガラス成形体を得て、帯電防止性、埃付着防止性が格段に優れたプラスチック成形体あるいはガラス成形体材料を提供するものであり、電気・電子機器、自動車などの工業製品や農業用資材、土木・建築資材、日用品など広い範囲に応用できる。
Claims (9)
- 吸水性ポリマーおよびポリエーテル変性ジメチルポリシロキサンの存在下、金属アルコキシドを加水分解重縮合した反応物から得られる帯電防止膜。
- 上記の吸水性ポリマーが平均粒径50〜500μmの粉末状であることを特徴とする請求項1または2の帯電防止膜。
- 1軸駆動装置を用いて精密ディップコーティングすることによって形成される請求項1ないし3のいずれかの帯電防止膜。
- オネストメーターを用い、印加電圧9KVで測定した帯電減衰特性が電圧印加停止後30秒以内で電荷の減衰率が95%以上であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかの帯電防止膜。
- プラスチック成形体上に形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかの帯電防止膜。
- ガラス成形体上に形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかの帯電防止膜。
- 請求項1ないし5のいずれかの帯電防止膜が表面に形成されたプラスチック成形体。
- 請求項1ないし5のいずれかの帯電防止膜が表面に形成されたガラス成形体。
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