JPH0717816A - 抗菌防黴性粉末 - Google Patents

抗菌防黴性粉末

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JPH0717816A
JPH0717816A JP5162202A JP16220293A JPH0717816A JP H0717816 A JPH0717816 A JP H0717816A JP 5162202 A JP5162202 A JP 5162202A JP 16220293 A JP16220293 A JP 16220293A JP H0717816 A JPH0717816 A JP H0717816A
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JP
Japan
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powder
antibacterial
antifungal
group
inorganic
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Withdrawn
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JP5162202A
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English (en)
Inventor
Fumiko Ichinose
文子 一瀬
Akiko Azuma
彰子 東
Tsunetoshi Honda
常俊 本田
Akira Nishihara
明 西原
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 グアニジル基と加水分解性基 (アルコキシ
基、ハロゲン) とを有するシランカップリング剤型化合
物で表面処理された親水性無機粉末からなる、抗菌防黴
性粉末。 【効果】 分散性、耐久性、耐熱性、耐水性、耐酸性、
耐候性に優れた超微粒子抗菌防黴性粉末が提供される。
この粉末は、樹脂中に練り込んで樹脂成形体に抗菌性を
付与するのに使用できる。また、無機粉末が透明性、紫
外線遮断能、導電性といった機能を有する場合に、その
機能を阻害しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌剤で表面処理され
た抗菌防黴性無機粉末に関する。この無機粉末は抗菌剤
が粉末表面と強固に結合しており、かつ耐熱性に比較的
優れているので、樹脂、紙、繊維等の各種材料中に練り
込み、混合などの手法で分散させることにより、これら
の材料に長期にわたって抗菌防黴性を付与することがで
きる。また、表面処理を受ける無機粉末の性質に応じ
て、抗菌防黴性に加えて透明性、紫外線遮断性、導電性
といった各種の有用な性質を有しているので、そのよう
な性質を活かした用途に有用である。
【0002】
【従来の技術】衣食住をはじめとする極めて広範囲の分
野において抗菌剤の適用による抗菌性の付与が注目を集
めており、多様な抗菌剤が開発されている。これらの抗
菌剤は無機系と有機系とに大別される。
【0003】無機系の抗菌剤としては、銀、亜鉛を中心
とする金属置換型のゼオライト、珪酸塩、合成鉱物等が
主要なものであり、例えば、銀置換ゼオライト、銀置換
アパタイト等が実用化されている。一方、有機系の抗菌
剤としては、クロロヘキシジン、第4級アンモニウム塩
等の含窒素化合物がある。
【0004】無機系抗菌剤は、安全性と耐熱性があり、
持続性に優れ、繊維やプラスチックに練り込みが可能で
あるが、透明性がないため、透明材料には適用できな
い。また、無機系抗菌剤は一般に耐変色性に優れている
と言われているが、長時間光に曝された場合には、活性
成分である金属イオンの遊離により変色しやすい。有機
系抗菌剤は、殺菌力に優れているが、可溶性であるもの
が多いことから耐久性が乏しく、また、耐熱性に劣るた
めに樹脂への練り込みが困難であり、また変色しやすい
と言われている。
【0005】さらに、最近の傾向として、食品包装用、
窓ガラス用などに、透明性や紫外線遮断性を持ち、かつ
抗菌防黴性が付与されたフィルムが求められている。し
かし、この用途に使用可能な十分な機能を持った抗菌剤
は未だ開発されていない。
【0006】抗菌防黴性の付与が検討されているものに
別の種類の材料として導電粉がある。導電粉はICパッ
ケージ材、クリーンルーム内装材、フィルム等の帯電防
止用に多量に使用されているが、抗菌防黴に関してはほ
とんど対策がとられておらず、後処理あるいは抗菌剤の
別添加による抗菌防黴性付与が試みられているにすぎな
い。特に、黴は電子部品にとって電気的信頼性を著しく
低下する等の弊害を生ずるので、防黴は重要である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有機
系抗菌剤のもつ優れた抗菌力を備え、しかも樹脂への練
り込みが可能な耐熱性を有する抗菌防黴性粉末を提供す
ることである。本発明の別の目的は、長期間持続する抗
菌防黴性に加えて、透明性、紫外線遮断性、導電性とい
った他の機能も併せて保有する抗菌防黴性粉末を提供す
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、抗菌剤とし
てグアニジル基と加水分解性基とを有するシランカップ
リング剤型化合物を使用し、この抗菌剤で親水性無機粉
末を表面処理することにより達成することができる。
【0009】即ち、本発明により、グアニジル基と加水
分解性基とを有するシラン化合物で表面処理された親水
性無機粉末からなる抗菌防黴性粉末が提供される。この
シラン化合物は、無機粉末表面と化学的に結合するた
め、グアニジル基に基づく抗菌防黴性を持続して発揮す
ることができる。また、このシラン化合物で表面処理す
る親水性無機粉末を用途に応じて選択することにより、
抗菌防黴性粉末に、抗菌防黴性に加えて、透明性、紫外
線遮断性、導電性といった各種の有用な性質を持たせる
ことができる。
【0010】本発明において抗菌剤として用いるグアニ
ジル基と加水分解性基とを有するシラン化合物は、Siに
グアニジル含有基と少なくとも1個の加水分解性基とが
結合した構造を持つ任意の化合物でよい。このシラン化
合物は、前述したように、グアニジル含有基により抗菌
防黴性を示し、かつ従来のシランカップリング剤と同様
に、加水分解を受けて材料表面の親水性基(例、OH
基) と結合して、材料の表面にポリシロキサン型の皮膜
を形成することができる。
【0011】グアニジル基と加水分解性基とを有するシ
ラン化合物として好適な化合物は、次の一般式で示され
るものである。 X1X2X3Si-Y-NHC(=NH)NH-Z1 式中、X1〜X3の少なくとも一つは加水分解性基であり、
残りはHまたは炭化水素基であり、Y はC1〜C30 アルキ
レン基であり、Z1は -CNまたは -NHC(=NH)NH-Z2(Z2
H、C1〜C20 のアルキル基、または置換もしくは非置換
のフェニル基) である。なお、この化合物は特願平3−
359589号に記載の方法により合成することができる。
【0012】X1〜X3の加水分解性基としてはメトキシ
基、エトキシ基等のアルコキシ基、あるいは塩素等のハ
ロゲンが好ましい。一方、X1〜X3の炭化水素基としては
メチル、エチルなどのC1〜C5アルキル基、シクロヘキシ
ルなどの脂環式基、またはフェニルなどの芳香族基が好
ましい。好ましくはX1〜X3の2つ以上が加水分解性の基
であり、特に好ましくはX1〜X3の全部が加水分解性の基
である。
【0013】Y のC1〜C30 アルキレン基の例には、メチ
レン、エチレン、プロピレン、ヘキシレン、オクチレ
ン、デシレン、エイコシレンなどがある。好ましくは、
Y はC2〜C10 アルキレン基である。Z1が -NHC(=NH)NH-Z
2 で示される基である場合、Z2は水素、C1〜C20 アルキ
ル基 (例、メチル、エチル、プロピル、ヘキシル、デシ
ル、エイコシルなど) 、またはフェニル基であり、この
フェニル基は、フッ素や塩素、臭素等のハロゲン、トリ
フルオロメチル基等で置換されていてもよい。
【0014】上記一般式において、Y がプロピレン基、
Z1が -NHC(=NH)NH-Z2 基 (Z2がハロゲン、トリフロロメ
チル基等で置換されたフェニル基) である化合物が、合
成の容易さと抗菌活性の両面から好ましい。
【0015】一方、上述したグアニジル基と加水分解性
基とを有するシラン化合物により表面処理される親水性
無機粉末としては、表面に親水性基を有している任意の
無機粉末でよい。このような親水性無機粉末の例には、
シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、
酸化インジウム、酸化カルシウムなどの金属酸化物の粉
末がある。このような酸化物粉末は一般に表面にOH基
を有している。
【0016】酸化物以外に、水酸化物、硫化物などの粉
末も使用可能である。また、無機粉末が表面に親水性基
を有していない場合には、アミノ処理などの表面変性に
より親水性表面とすることができ、このように表面変性
した無機粉末も使用できる。
【0017】本発明の抗菌防黴性粉末を得るための親水
性無機粉末の表面処理は、グアニジル基と加水分解性基
とを有するシラン化合物またはその塩を適当な溶媒に溶
解させ、得られた溶液を用いて、浸漬、噴霧などの適当
な手段で親水性無機粉末を処理することにより実施でき
る。表面処理により親水性無機粉末に付着した前記シラ
ン化合物は、空気中の水分により加水分解され、シロキ
サン結合 (Si−O) を骨格とするシラン化合物の加水分
解物からなる被膜が粉末表面に形成される。処理後の加
水分解を早めるために、シラン化合物の溶液に少量の酸
または水を添加してもよい。処理温度および処理時間
は、処理する無機粉末や使用する溶媒の種類等によって
も異なるが、通常0〜180 ℃、好ましくは60〜100 ℃で
10分以上、好ましくは1〜2時間処理を行えばよい。
【0018】適当な溶媒の例には、アルコール類、エス
テル類、ケトン類、ならびにトルエン等の炭化水素類が
挙げられる。無機粉末に対する抗菌性シラン化合物の割
合は、用途や使用する無機粉末の種類によっても異なる
が、通常は無機粉末の乾燥重量に対して0.01〜30%、よ
り好ましくは 0.1〜10%である。この範囲であれば、得
られた粉末は十分な抗菌性を持続的に発揮することがで
き、かつ無機粉末自体の特性を著しく阻害することがな
い。
【0019】本発明で用いるシラン化合物は、材料表面
に対して、従来のシランカップリング剤と同様の結合力
を有している。即ち、粉末表面に付着したシラン化合物
は、その加水分解性基が空気中の水分により加水分解さ
れることにより、抗菌性を付与する有機官能基であるグ
アニジル含有官能基 [例、-Y-NHC(=NH)NH-Z1基] がシロ
キサン結合(Si −O) を介して粉末の表面に化学結合に
より固定され、無機粉末に抗菌防黴性が付与される。こ
うして無機粉末表面に固定された抗菌活性な部分構造
は、材料から遊離したり飛散することがないため、本発
明の抗菌防黴性粉末は、その抗菌防黴性の持続性と耐久
性に優れ、人体や環境に対して安全性が高いという特徴
を有している。
【0020】また、本発明の抗菌防黴性粉末は、抗菌活
性官能基がシロキサン結合を介して粉末表面に強固に結
合した構造を有しているため、従来の有機系抗菌剤に比
べて耐熱性にも優れており、樹脂への練り込みの手法に
よって溶融または軟化樹脂中に分散させることができ
る。こうして、抗菌防黴性粉末が練りこまれた樹脂を使
用し、フィルム、シート、繊維、フィラメント、棒、
管、立体成形品などの各種成形品に成形することによ
り、抗菌防黴性が付与された成形品 (フィルムや繊維な
ども含む) を得ることができる。さらに、この抗菌剤の
粉末表面への強固な結合により、本発明の抗菌防黴性粉
末は、抗菌防黴性被覆の耐水性、耐酸性、および耐候性
にも優れている。
【0021】本発明の抗菌防黴性粉末は、塗料、接着
剤、表面処理組成物などの材料被覆または処理用の液状
組成物中に分散させて使用することもできる。この抗菌
防黴性粉末が分散した液状組成物を用いて塗布、浸漬、
噴霧などの処理を行うことにより、材料表面に抗菌防黴
性の膜を形成することができる。例えば、顔料を上記シ
ラン化合物で表面処理して抗菌防黴性顔料とし、この顔
料を用いて塗料を調製すると、抗菌防黴性の塗膜を得る
ことができる。この抗菌防黴性粉末を含有する液状組成
物から、例えば湿式紡糸などの適当な成形手段により、
抗菌防黴性の成形体(例、繊維)を得ることもできる。
後述するように、無機粉末が導電性粉末である場合も、
同様の製膜法により導電膜を製造することができる。
【0022】使用する親水無機粉末の種類および粒径
は、用途に応じて選択すればよい。例えば、本発明の1
態様においては、無機粉末は平均粒子径0.1 μmを超え
る無機酸化物粉末である。この態様に適した無機酸化物
粉末の例には、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタ
ンなどがある。平均粒子径が0.1 μmを超える比較的大
粒径の無機粉末を表面処理した本発明の抗菌防黴性粉末
は抗菌力の持続性に優れ、樹脂等に練り込み、混合する
ことによって抗菌性プラスチック、抗菌性繊維の製造と
いった用途に有用である。
【0023】本発明の別の態様によれば、無機粉末は平
均粒子径0.1 μm以下の超微粒子無機酸化物粉末であ
る。この態様に適した無機酸化物粉末の例には、シリ
カ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタンなどがある。この
ような平均粒子径0.1 μm以下の超微粒子になると、無
機酸化物粉末は可視光線の透過を妨げないようになり、
透明樹脂中に粉末を分散させた場合に、樹脂の透明性を
損なうことがない。従って、このような超微粒子無機酸
化物を表面処理した本発明の抗菌防黴性粉末は、例え
ば、食品包装用、ガラス用などの透明性を必要とするフ
ィルムへの抗菌性付与に有用である。
【0024】また、無機粉末の平均粒子径が小さくなる
と、単位重量あたりの粉末の表面積が増大し、表面処理
で粉末表面に付着する抗菌性化合物の量も増大する。そ
の結果、その他の条件が同じであれば、無機粉末の平均
粒子径が小さいほど、表面処理された無機粉末の抗菌防
黴効果が高くなる傾向がある。
【0025】この平均粒子径0.1 μm以下の超微粒子無
機酸化物粉末が酸化チタンまたは酸化亜鉛からなるもの
である場合には、本発明の抗菌防黴性粉末は、可視光域
での透明性に加えて紫外線遮断能も有している。従っ
て、この抗菌防黴性超微粒子粉末は、例えば、繊維中に
混入することによって、紫外線反射機能を有する各種繊
維製品の製造に有用である。
【0026】さらに、親水性無機粉末が導電性無機粉末
である場合には、表面処理により導電性無機粉末に抗菌
防黴性を付与することができる。シラン化合物による表
面処理で形成される表面被覆はごく薄膜であり、この被
覆による導電性の低下はあってもごく僅かであるので、
表面処理で得られた導電性無機粉末は、50 Kg/cm2 圧粉
体での比抵抗が105 Ω・cm以下と実用的レベルの導電性
を維持している。
【0027】このような導電性粉末の具体例には、Snド
ープIn2O3 、SbドープSnO2、AlドープZnO などがある。
Sn、Sb、Alなどのドープ剤は、それぞれIn2O3 、SnO2
ZnOなどのマトリックスに対して1〜15モル%の割合で
添加される。この導電性粉末も、平均粒子系が0.1 μm
以下の超微粒子であると、この粉末を分散させた膜或い
は成形体に透明性を付与することができる。
【0028】この導電性の超微粒子粉末は、導電性に加
えて一般に近赤外線反射効果も有している。従って、本
発明の抗菌防黴性を有する導電性粉末は、フィルム、成
形品、繊維などに分散させることによって、帯電防止
用、近赤外線反射用、電子部品の埃や黴の防止用、衣服
の保温あるは熱遮断用などの目的に使用することができ
る。
【0029】このように、本発明の抗菌防黴粉末は、使
用する粉末の種類や粒径に応じて抗菌防黴性以外に各種
の特性を発揮できるので、用途に合わせて親水性無機粉
末を選択することにより、非常に多様な製品に対して抗
菌防黴性を付与するのに使用できる。
【0030】
【実施例】以下の実施例においては、抗菌性のシラン化
合物として、次式で示される化合物Aを用いた。
【0031】
【化1】
【0032】この化合物は、前記一般式において、X1
X3がいずれもエトキシ基、Y がプロピレン基、Z1が -NH
C(=NH)NH-Z2 基 (Z2はp−クロロフェニル基) である化
合物であり、特願平3−359589号に記載の方法により、
対応するZ1が -CNであるシアノグアニド化合物とp−ク
ロロアニリン塩酸塩とを反応させることにより合成され
たものである。なお、以下の実施例において、上記化合
物に代えて対応するシアノグアニド化合物 (Z1が -CNで
ある化合物) を使用しても、ほぼ同様の結果が得られる
ことを確認している。
【0033】実施例1 温度計、攪拌装置、還流冷却装置を備えた300 ml三ツ口
フラスコ内で化合物A2gをトルエン100 mlに溶解さ
せ、得られた溶液中に無機粉末として平均粒子径0.5 μ
mのシリカ粉末20gを加え、攪拌下に1時間加熱還流し
て粉末の表面処理を行った。無機粉末を濾別して回収
し、エタノールで洗浄した後、80℃で1時間乾燥して、
溶媒を除去すると共に、無機粉末に付着した化合物Aを
完全に加水分解させ、粉末表面が化合物Aの加水分解物
で被覆された本発明の抗菌防黴性粉末を得た。
【0034】得られた粉末について、下記の抗菌性試験
により抗菌性を評価した。 <抗菌性試験>300 ml三角フラスコに燐酸緩衝液75 ml
を入れ、滅菌後、上で得た抗菌防黴性粉末1gと前培養
したクレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoni
ae) の菌液1mlを加えて、30℃、150 rpm で3時間振盪
培養した後、生菌数を測定した。結果 (振盪培養前およ
び3時間の振盪培養後のコロニー数) を表1にまとめて
示す。
【0035】実施例2 無機粉末として平均粒子径 0.2μmのアルミナ粉末を使
用し、この無機粉末を実施例1と同様に表面処理して本
発明の抗菌防黴性粉末を得た。この粉末の抗菌性を実施
例1と同様に評価した結果を表1に示す。
【0036】実施例3 無機粉末として平均粒子径 0.2μmの酸化チタン粉末を
使用し、この無機粉末を実施例1と同様に表面処理して
本発明の抗菌防黴性粉末を得た。この粉末の抗菌性を実
施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
【0037】実施例4 無機粉末として平均粒子径 0.5μmの酸化亜鉛粉末を使
用し、この無機粉末を実施例1と同様に表面処理して本
発明の抗菌防黴性粉末を得た。この粉末の抗菌性を実施
例1と同様に評価した結果を表1に併せて示す。
【0038】比較例1 無機系の従来の抗菌剤含有粉末として銀置換アパタイト
(銀置換率 2.5%) の抗菌性を実施例1と同様に評価し
た。結果を表1に示す。
【0039】比較例2 有機系の従来の抗菌剤としてシリル基含有第四級アンモ
ニウム塩であるトリメトキシシリルプロピルジメチルオ
クタデシルアンモニウムクロライド(以下、化合物Bと
する)を用いて、抗菌性を実施例1と同様に評価した。
結果を表1に併せて示す。
【0040】比較例3 実施例1で用いたシリカ粉末を、抗菌性化合物Aによる
表面処理を行わずに、そのまま実施例1と同様に抗菌性
試験に付して抗菌性を評価した。結果を表1に併せて示
す。
【0041】
【表1】
【0042】表1の結果からわかるように、本発明によ
り化合物Aで表面処理した無機粉末はいずれも3時間の
振盪で完全な殺菌効果を発揮し、従来の銀置換アパタイ
トを上回る抗菌作用を示した。これに対し、従来の有機
系抗菌剤である化合物Bで表面処理した無機粉末の抗菌
作用は非常に低く、一方、未処理のシリカ粉末は全く抗
菌作用を示さなかった。
【0043】実施例5 無機粉末として平均粒子径0.05μmのシリカ粉末 (アエ
ロジル#200、日本アエロジル社製)を使用し、この無機
粉末を実施例1と化合物Aで同様に表面処理して本発明
の抗菌防黴性粉末を得た。
【0044】得られた粉末について、実施例1と同様の
抗菌性試験により抗菌性を評価した。ただし、菌液を加
えた後の30℃、150 rpm での振盪培養時間は1時間と短
くした。これは、無機粉末の粒径が小さくなったため、
抗菌性化合物の付着量増大により抗菌防黴効果が高まっ
たからである。
【0045】実施例6 無機粉末として平均粒子径0.03μmのアルミナ粉末 (Al
-oxicide c、日本アエロジル社製) を使用し、この無機
粉末を実施例1と同様に表面処理して本発明の抗菌防黴
性粉末を得た。この粉末の抗菌性を実施例5と同様に評
価した結果を表2に示す。
【0046】実施例7 無機粉末として平均粒子径0.06μmの酸化チタン粉末
(P-25、日本アエロジル社製) を使用し、この無機粉末
を実施例1と同様に表面処理して本発明の抗菌防黴性粉
末を得た。この粉末の抗菌性を実施例5と同様に評価し
た結果を表2に示す。
【0047】実施例8 無機粉末として平均粒子径0.03μmの酸化亜鉛粉末 (F-
60、三菱マテリアル社製) を使用し、この無機粉末を実
施例1と同様に表面処理して本発明の抗菌防黴性粉末を
得た。この粉末の抗菌性を実施例5と同様に評価した結
果を表2に併せて示す。
【0048】比較例4 無機系の従来の抗菌剤含有粉末として銀置換アパタイト
(銀置換率 2.5%) の抗菌性を実施例5と同様に評価し
た。結果を表2に示す。
【0049】比較例5 実施例5で用いたシリカ粉末を、抗菌性化合物Aによる
表面処理を行わずに、そのまま実施例5と同様に抗菌性
試験に付して抗菌性を評価した。結果を表2に併せて示
す。
【0050】比較例6 実施例7で用いた酸化チタン粉末を、抗菌性化合物Aに
よる表面処理を行わずに、そのまま実施例5と同様に抗
菌性試験に付して抗菌性を評価した。結果を表2に併せ
て示す。
【0051】
【表2】
【0052】表2の結果も、表1と同様の傾向を示し
た。即ち、本発明により化合物Aで表面処理した無機粉
末はいずれも1時間の振盪で完全な殺菌効果を発揮し
た。1時間の振盪では、従来の銀置換アパタイトの抗菌
作用は小さく、未処理のシリカ粉末と酸化チタン粉末は
全く抗菌作用を示さなかった。
【0053】実施例9 無機粉末として導電性粉末のアンチモン(Sb)ドープ酸化
スズ(SnO2)粉末 (平均粒子径0.02μm、三菱マテリアル
社製)を使用し、この無機粉末を実施例1と同様に化合
物Aで表面処理して本発明の抗菌防黴性粉末を得た。こ
の粉末の導電性を、50 Kg/cm2 圧粉体での比抵抗により
測定したところ、7.8 Ω・cmであった。また、この粉末
の抗菌性を実施例5と同様に1時間の振盪培養時間で評
価した結果を表3にまとめて示す。
【0054】実施例10 導電性無機粉末として、スズ(Sn)ドープ酸化インジウム
(In2O3) 粉末 (平均粒子径0.02μm、三菱マテリアル社
製)を使用し、この無機粉末を実施例1と同様に表面処
理して本発明の抗菌防黴性粉末を得た。この粉末の導電
性は50 Kg/cm2圧粉体での比抵抗により測定して15Ω・c
mであった。また、この粉末の抗菌性を実施例5と同様
に評価した結果を表3にまとめて示す。
【0055】実施例11 導電性無機粉末として、アルミニウム(Al)ドープ酸化亜
鉛(ZnO) 粉末 (平均粒子径0.03μm) を使用し、この無
機粉末を実施例1と同様に表面処理して本発明の抗菌防
黴性粉末を得た。この粉末の導電性は50 Kg/cm2 圧粉体
での比抵抗により測定して 3×103 Ω・cmであった。ま
た、この粉末の抗菌性を実施例5と同様に評価した結果
を表3にまとめて示す。
【0056】比較例7 実施例10で用いたSnドープIn2O3 粉末を、抗菌性化合物
Aによる表面処理を行わずに、そのまま実施例5と同様
に抗菌性試験に付して抗菌性を評価した。結果を表3に
併せて示す。
【0057】
【表3】
【0058】実施例12 実施例1で得た、化合物Aにより抗菌処理された抗菌防
黴性シリカ粉末 (処理品) 、および未処理のシリカ粉末
(比較例3) を、ポテトデキストロース寒天培地上に置
き、下記の4種の黴をそれぞれ接種して、2週間後の発
育状態を観察した。結果を表4に示す。
【0059】
【表4】
【0060】上の表から、本発明の抗菌防黴性粉末は、
抗菌活性のみならず、防黴活性にも優れていることがわ
かる。
【0061】実施例13 実施例1で得た、化合物Aにより抗菌処理された抗菌防
黴性シリカ粉末、および化合物Aの代わりに従来の有機
系抗菌剤であるクロロヘキシジンを使用して同様に抗菌
処理したシリカ粉末を、1時間蒸留水に浸漬した後、実
施例1と同様に抗菌性の評価を行った。その結果、本発
明により化合物Aで処理したシリカ粉末については抗菌
性が認められたが、クロロヘキシジン処理のシリカ粉末
においては抗菌性は認められなかった。即ち、クロロヘ
キシジン処理では、抗菌剤の被覆は水に溶解してしまう
のに対し、本発明による化合物Aから形成された抗菌防
黴性被覆は、抗菌性の官能基が水に強いポリシロキサン
型結合を介して粉末表面と結合しているため、耐水性を
有している。
【0062】実施例14 実施例1で得た、化合物Aにより抗菌処理された抗菌防
黴性のシリカ粉末を、0.1 N硝酸に1時間浸漬した後、
実施例1と同様に抗菌性の評価を行った。また、比較例
1の従来の無機系抗菌性粒子である銀置換アパタイトに
ついても同様に耐酸性試験を行った。その結果、本発明
の抗菌処理シリカ粉末については抗菌性の低下が認めら
れなかったが、銀置換アパタイトにおいては抗菌性は著
しく低下した。即ち、本発明による化合物Aから形成さ
れた抗菌防黴性被覆は耐酸性をも有している。
【0063】実施例15 実施例1で得た、化合物Aにより抗菌処理された抗菌防
黴性のシリカ粉末 0.5gを、ヒートロールを用いてポリ
エチレン樹脂50gに150 ℃で練り込み、プレスにより厚
さ1mmに成形して、シート状の試験片を得た。この試験
片の促進耐候性をサンシャインウェザーメーターにより
調べた。その結果、100 時間照射で変色は認められなか
った。即ち、本発明による化合物Aから形成された抗菌
防黴性被覆は耐熱性と耐候性にも優れており、軟化した
樹脂への練り込みにより樹脂中に分散させることがで
き、また長期間光に曝されても変色は起こらない。
【0064】実施例16 実施例6で得た、化合物Aにより抗菌処理された超微粒
子アルミナ粉末 0.5gを、ヒートロールを用いて塩化ビ
ニル樹脂50gに150 ℃で練り込み、プレスにより厚さ0.
3 mmのフィルム状に成形した後、このフィルムの透過率
を可視紫外分光光度計で測定した。結果を、粉末無添加
の塩化ビニル樹脂フィルム (対照例) および従来の無機
系抗菌性粉末である銀置換アパタイト粉末 (比較例1)
を同様に練り込んだ塩化ビニル樹脂フィルムの透過率と
ともに図1に示す。
【0065】図1からわかるように、本発明の抗菌処理
超微粒子アルミナ粉末を含有する塩化ビニル樹脂フィル
ムは、80%の透過率を示したのに対し、従来の銀置換ア
パタイト粉末を含有する塩化ビニル樹脂の透過率は28%
に過ぎなかった。即ち、本発明の抗菌処理された超微粒
子アルミナ粉末は、耐熱性に加えて透明性にも優れてお
り、透明フィルム中に分散させた時にフィルムの透明度
の大きな低下を生じない。
【0066】この超微粒子アルミナ粉末に代えて、それ
ぞれ実施例5、7および8で得た、化合物Aにより抗菌
処理された超微粒子シリカ、酸化チタンおよび酸化亜鉛
粉末を使用して、上と同様に樹脂に練り込み、透明フィ
ルムを形成した。得られたフィルムの透過率を、粉末無
添加の塩化ビニル樹脂フィルムの透過率に対する%とし
て次の表にまとめて示す。
【0067】
【表5】
【0068】上の表からわかるように、本発明の抗菌防
黴性粉末は、平均粒子径0.1 μm以下の超微粒子である
と、透明性にも優れており、透明樹脂中に混ぜ込んだ時
に樹脂の透明性を実質的に維持できる。
【0069】実施例17 実施例16と同様にして作製した、化合物Aにより抗菌処
理された超微粒子酸化亜鉛粉末 (実施例8で得た粉末)
を含有する厚さ0.3 mmの塩化ビニル樹脂フィルムの透過
率を、粉末無添加の塩化ビニル樹脂フィルム (対照例)
および従来の無機系抗菌性粉末である銀置換アパタイト
粉末 (比較例1) を同様に練り込んだ塩化ビニル樹脂フ
ィルムの透過率とともに図2に示す。
【0070】図2からわかるように、本発明の抗菌処理
超微粒子酸化亜鉛粉末を含有するフィルムは、波長380
nm以下の紫外光は実質的に透過させず、紫外線遮断能を
有していることがわかる。これに対し、対照の粉末無添
加の塩化樹脂フィルムおよび比較例の銀置換アパタイト
粉末を含有する塩化樹脂フィルムは、このような紫外線
遮断能を示さなかった。
【0071】実施例16と同様にして作製された、化合物
Aにより抗菌処理された超微粒子酸化チタン粉末 (実施
例7で得た粉末) を含有する塩化樹脂フィルムも、波長
350nm以下の紫外線遮断能を有していた。
【0072】実施例18 実施例10で得た、化合物Aで抗菌処理された導電性Snド
ープIn2O3 粉末80重量部と、アクリル樹脂45重量部と、
メチルエチルケトン/トルエン/キシレン(1/3/6) から
なる混合溶媒120 重量部とを、ガラスビーズ250 重量部
を加えてペイントシェーカーで5時間練合した後、ワイ
ヤーバーを用いてガラス板上に乾燥厚みが厚さ1μmと
なるように塗布した。この塗膜を放置して乾燥させ、導
電膜を形成した。この導電膜の表面抵抗値は5.4 ×104
Ω/□であった。
【0073】比較のために、抗菌処理しなかった比較例
7のSnドープIn2O3 粉末を使用して同様に導電膜を形成
したところ、この導電膜の表面抵抗値は4.7 ×104 Ω/
□であった。即ち、本発明による導電性粉末の抗菌処理
による導電性の低下はごくわずかであり、実質的に粉末
の導電性を阻害しない。
【0074】次いで、各々の導電膜について防黴性を比
較した。黴 (アスペルギルス・ニガー) の胞子を導電膜
上に散布し (生菌数 2.1×103/cm2)、27℃で2週間培養
した結果、抗菌処理をしなかった導電性粉末を含有する
導電膜では黴の発生が認められたのに対し、本発明の抗
菌処理された導電性粉末を含有する導電膜では黴は全く
発生していなかった。
【0075】実施例19 実施例16で得た各々のフィルムを用い、大きさ2cm×2
cmの試験片を作成し、30ml容の滅菌済の容器に入れ、菌
懸濁液 (クレブシエラ・ニューモニエ) 0.1 ml(菌数:6.
4×107/ml) を接種し、35℃で24時間静置培養した。次
に、この容器に滅菌水10mlを加え振盪し、集菌後生菌数
を測定した。結果を表6に示す。
【0076】比較例8 実施例16の粉末無添加の塩化ビニル樹脂フィルムを用
い、同様に抗菌性の評価を行った。結果を表6に示す。
【0077】
【表6】
【0078】実施例20 実施例17で得た酸化亜鉛、および酸化チタンフィルムを
用い、大きさ2cm×2cmの試験片を作成し、30ml容の滅
菌済の容器に入れ、菌懸濁液 (クレブシエラ・ニューモ
ニエ) 0.1 ml (菌数:1.8×107/ml) を接種し、35℃で24
時間静置培養した。次に、この容器に滅菌水10mlを加え
振盪し、集菌後生菌数を測定した。結果を表7に示す。
【0079】比較例9 実施例16の粉末無添加の塩化ビニル樹脂フィルムを用
い、同様に抗菌性の評価を行った。結果を表7に示す。
【0080】
【表7】
【0081】
【発明の効果】本発明の抗菌防黴性粉末は、表面処理で
形成された被覆が、抗菌活性を有するグアニジル基がシ
ロキサン結合を介して無機粉末表面に強固に化学結合し
た構造をとるため、抗菌防黴性の持続性に優れ、長期間
にわたって抗菌防黴効果を発揮することができる。ま
た、この抗菌防黴性被覆は、持続性に加えて、耐熱性、
耐水性、耐酸性、耐候性をも有しているので、軟化した
樹脂への練り込みや溶融樹脂への混合により樹脂中に均
一に分散させることができ、水性系塗料といった水中環
境、さらには酸に曝される環境にも使用でき、長期間光
に曝されても材料の変色を引き起こさない。
【0082】さらに、本発明の抗菌防黴性粉末は、抗菌
処理を受ける無機粉末の性質を実質的に保持しているの
で、使用する無機粉末の種類に応じて、透明性、紫外線
遮断能、導電性といった各種の性質を抗菌防黴性に加え
て付与することができる。以上の説明から理解されるよ
うに、本発明の抗菌防黴性粉末は非常に多方面の用途に
おいて抗菌防黴性を付与するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の抗菌処理超微粒子アルミナ粉末を含有
する塩化ビニル樹脂フィルムの透過率を、粉末無添加お
よび従来の銀置換アパタイトを含有させた塩化ビニル樹
脂フィルムの透過率とともに示す。
【図2】本発明の抗菌処理超微粒子酸化亜鉛粉末を含有
する塩化ビニル樹脂フィルムの透過率を、粉末無添加お
よび従来の銀置換アパタイトを含有させた塩化ビニル樹
脂フィルムの透過率とともに示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】グアニジル基と加水分解性基とを有するシ
ラン化合物として好適な化合物は、次の一般式で示され
るものである。◇ XSi−Y−NHC(=NH)NH−Z 式中、X〜Xの少なくとも一つは加水分解性基であ
り、残りはHまたは炭化水素基であり、YはC〜C
30アルキレン基であり、Zは−CNまたはC(=
NH)NH−Z(ZはH、C〜C20のアルキル
基、または置換もしくは非置換のフェニル基)である。
なお、この化合物は特願平3−359589号に記載の
方法により合成することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】YのC〜C30アルキレン基の例には、
メチレン、エチレン、プロピレン、ヘキシレン、オクチ
レン、デシレン、エイコシレンなどがある。好ましく
は、YはC〜C10アルキレン基である。Z
(=NH)NH−Zで示される基である場合、Z
水素、C〜C20アルキル基(例、メチル、エチル、
プロピル、ヘキシル、デシル、エイコシルなど)、また
はフェニル基であり、このフェニル基は、フッ素や塩
素、臭素等のハロゲン、トリフルオロメチル基等で置換
されていてもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】上記一般式において、Yがプロピレン基、
C(=NH)NH−Z基(Zがハロゲン、
トリフロロメチル基等で置換されたフェニル基)である
化合物が、合成の容易さと抗菌活性の両面から好まし
い。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】この化合物は、前記一般式において、X
〜Xがいずれもエトキシ基、Yがプロピレン基、Z
C(=NH)NH−Z基(Zはp−クロロフェ
ニル基)である化合物であり、特願平3−359589
号に記載の方法により、対応するZが−CNであるシ
アノグアニド化合物とp−クロロアニリン塩酸塩とを反
応させることにより合成されたものである。なお、以下
の実施例において、上記化合物に代えて対応するシアノ
グアニド化合物(Zが−CNである化合物)を使用し
ても、ほぼ同様の結果が得られることを確認している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西原 明 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社中央研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グアニジル基と加水分解性基とを有する
    シラン化合物で表面処理された親水性無機粉末からな
    る、抗菌防黴性粉末。
  2. 【請求項2】 前記シラン化合物が下記一般式で示され
    る化合物である、請求項1記載の抗菌防黴性粉末。 X1X2X3Si-Y-NHC(=NH)NH-Z1 式中、X1〜X3の少なくとも一つは加水分解性基であり、
    残りはHまたは炭化水素基であり、Y はC1〜C30 アルキ
    レン基であり、Z1は -CNまたは -NHC(=NH)NH-Z2(Z2
    H、C1〜C20 のアルキル基、または置換もしくは非置換
    のフェニル基) である。
  3. 【請求項3】 親水性無機粉末が平均粒子径0.1 μmを
    超える無機酸化物粉末である、抗菌力の持続性に優れた
    請求項1記載の抗菌防黴性粉末。
  4. 【請求項4】 親水性無機粉末が平均粒子径0.1 μm以
    下の超微粒子無機酸化物粉末である、透明性に優れた請
    求項1記載の抗菌防黴性粉末。
  5. 【請求項5】 親水性無機粉末が平均粒子径0.1 μm以
    下の超微粒子酸化チタンまたは酸化亜鉛粉末である、紫
    外線遮断能に優れた請求項1記載の抗菌防黴性粉末。
  6. 【請求項6】 親水性無機粉末が導電性無機粉末であ
    り、表面処理された親水性無機粉末が50 Kg/cm2 圧粉体
    で105 Ω・cm以下の比抵抗を示す、導電性を有する請求
    項1記載の抗菌防黴性粉末。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の抗
    菌防黴性粉末を分散状態で含有する膜。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の抗
    菌防黴性粉末を分散状態で含有する成形品。
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Cited By (3)

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