JP2014038293A - 酸化チタン系微粒子の分散液、該粒子を含むコーティング組成物及び透明膜付基材 - Google Patents
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Abstract
【課題】紫外線による酸化チタン微粒子の励起を抑制し、表面保護膜の青色の着色やクラックの発生を防止できる高屈折率の酸化チタン系微粒子の分散液を提供し、そして該微粒子の分散液を含有するコーティング組成物並びに該コーティング組成物を用いて形成される透明膜付基材を提供すること。
【解決手段】 1〜200nmの一次粒子径を有する酸化チタン含有粒子(A)と脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、アミン、アミノポリカルボン酸、アミノ酸及びβ−ジケトンからなる群から選ばれる少なくとも1種を配位子とするコバルト錯体とを含み、前記酸化チタン含有粒子(A)中のチタン原子と前記コバルト錯体中のコバルト原子とのモル比(Co/Ti)が1.4×10-3〜2.8×10-4である酸化チタン系微粒子の分散液。
【選択図】 なし
【解決手段】 1〜200nmの一次粒子径を有する酸化チタン含有粒子(A)と脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、アミン、アミノポリカルボン酸、アミノ酸及びβ−ジケトンからなる群から選ばれる少なくとも1種を配位子とするコバルト錯体とを含み、前記酸化チタン含有粒子(A)中のチタン原子と前記コバルト錯体中のコバルト原子とのモル比(Co/Ti)が1.4×10-3〜2.8×10-4である酸化チタン系微粒子の分散液。
【選択図】 なし
Description
本願発明は、酸化チタン含有粒子(A)と脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、アミン、アミノポリカルボン酸、アミノ酸、β−ジケトンからなる群から選ばれる少なくとも1種を配位子とするコバルト錯体とを含み、酸化チタン含有粒子(A)中のチタン原子とコバルト原子とのモル比(Co/Ti)が1.4×10-3〜2.8×10-4である酸化チタン含有粒子(A)の酸化チタン系微粒子の分散液、該粒子を含むコーティング組成物及び該コーティング組成物を用いて形成される透明膜付基材に関する。
従来、プラスチック製眼鏡レンズは、大半がジエチレングリコールビスアリルカーボネートモノマーを注型重合することによって製造されていた。このレンズは、屈折率が約1.50であり、ガラスレンズの屈折率約1.52に比べ低いことから、近視用レンズの場合、縁の厚さが厚くなるという欠点を有している。そのため近年、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートより屈折率の高いモノマーの開発が進められ、屈折率1.54〜1.76の範囲の高屈折率樹脂材料が提案されている(特許文献1及び2を参照。)。
このような高屈折率樹脂レンズに対して、Sb、Tiの金属酸化物微粒子のコロイド分散体をコーティング材料に用いる方法が提案されている(特許文献3及び4を参照。)。
また、シランカップリング剤と、2〜60nmの一次粒子径を有する金属酸化物のコロイド粒子(a)を核として、その表面を酸性酸化物のコロイド粒子からなる被覆物(b)で被覆して得られた粒子(c)を含有し、且つ(c)を金属酸化物に換算して2〜50質量%の割合で含み、そして2〜100nmの一次粒子径を有する安定な変性金属酸化物ゾルからなるコーティング組成物が開示されている。そして、用いられるコロイド粒子の具体例としては、アルキルアミン含有五酸化アンチモンで被覆された変性酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合コロイド等が開示されている(特許文献5を参照。)。また、アルキルアミン、オキシカルボン酸で安定化された酸化チタン−酸化第二スズ酸化ジルコニウム複合コロイド等が開示されている(特許文献6を参照)。
また、ルチル型二酸化チタン粒子の結晶内部にCo元素を含有させることで光活性を抑制した微粒子が開示されている(特許文献6を参照。)。
しかしながら高屈折率樹脂レンズにおいては、二酸化珪素ゾルが使用された被膜では干渉縞を生じ、レンズの見栄えが悪いという問題点があった。また、酸化チタン微粒子が使用された表面保護膜では、紫外線により酸化チタン微粒子が励起されて青色に着色したり、紫外線による酸化チタン微粒子の励起によって、レンズ表面に施した保護膜にクラックが入りやすいという問題点があった。
本願発明の課題は、紫外線による酸化チタン微粒子の励起を抑制し、表面保護膜の青色の着色やクラックの発生を防止できる高屈折率の酸化チタン系微粒子の分散液を提供し、そして該微粒子の分散液を含有するコーティング組成物並びに該コーティング組成物を用いて形成される透明膜付基材を提供することにある。
上記の課題を解決するために本願発明者らは鋭意検討した結果、酸化チタン系微粒子に特定のコバルト錯体を特定量含有させることにより、紫外線による酸化チタン微粒子の励起を抑制し、表面保護膜の青色の着色等を防止できることを見出し、本願発明を完成させた。即ち本願発明の第1の観点としては、1〜200nmの一次粒子径を有する酸化チタン含有粒子(A)と脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、アミン、アミノポリカルボン酸、アミノ酸及びβ−ジケトンからなる群から選ばれる少なくとも1種を配位子とするコバルト錯体とを含み、前記酸化チタン含有粒子(A)中のチタン原子と前記コバルト錯体中のコバルト原子とのモル比(Co/Ti)が1.4×10-3〜2.8×10-4である酸化チタン系微粒子の分散液であり、
第2観点としては、前記酸化チタン含有粒子(A)は、Si、Al、Sn、Zr、Zn、Sb、Nb、Ta及びWからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む第1観点に記載の酸化チタン系微粒子の分散液であり、
第3観点としては、前記酸化チタン含有粒子(A)は、酸化チタン含有核粒子(a)の表面を二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物粒子(b)によって被覆されたコア−シェル粒子であって、前記二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物粒子(b)の被覆量が前記酸化チタン含有粒子(a)に対して質量比で0.01〜1.0である第1観点又は第2観点に記載の酸化チタン系微粒子の分散液であり、
第4観点としては、前記酸化チタン含有粒子(A)の結晶型はルチル型である第1観点〜第3観点のいずれか一つに記載の酸化チタン系微粒子の分散液であり、
第5観点としては、前記コバルト錯体は、アセチルアセトン錯体、エチレンジアミン四酢酸錯体及び酢酸錯体から選ばれる少なくとも1種である第1観点〜第4観点のいずれか一つに記載の酸化チタン系微粒子の分散液であり、
第6観点としては、前記酸化チタン含有粒子(A)の表面に有機珪素化合物が結合されている第1観点〜第5観点のいずれか一つに記載の酸化チタン系微粒子の分散液であり、
第7観点としては、分散媒は、水及び/又は有機溶媒である第1観点〜第6観点のいずれか一つに記載の酸化チタン系微粒子の分散液であり、
第8観点としては、第1観点〜第7観点のいずれか一つに記載の酸化チタン系微粒子の分散液と、マトリックス形成成分として下記式(I)
R1 mR2 nSi(OR3)4-(m+n) (I)
(式中、R1は炭素原子数1〜6の炭化水素基、ビニル基、メタクリロキシ基又はメルカプト基、アクリル基、アミノ基若しくはエポキシ基を有する有機基、R2は炭素原子数1〜4の炭化水素基、R3は炭素原子数1〜8の炭化水素基又はアシル基、m、nは0又は1を表す。)
で表される有機珪素化合物及び該有機珪素化合物の加水分解物並びにその部分縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1種とを含有するコーティング組成物であり、
第9観点としては、第1観点〜第7観点のいずれか一つに記載の酸化チタン系微粒子の分散液と、マトリックス形成成分として、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂及び紫外線硬化樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂とを含有するコーティング組成物であり、
第10観点としては、前記マトリックス形成成分が、ポリエステル系樹脂又はウレタン系樹脂である第9観点に記載のコーティング組成物であり、
第11観点としては、基材表面に、第8観点〜第10観点のいずれか一つに記載のコーティング組成物を用いて形成された透明膜を有する透明膜付基材であり、
第12観点としては、基材表面に、第9観点又は第10観点に記載のコーティング組成物を用いて形成されたプライマー膜を有し、更に該プライマー膜上に第8観点に記載のコーティング組成物を用いて形成された硬化膜を有する透明膜付基材であり、
第13観点としては、前記透明膜又は硬化膜の上に、更に反射防止膜を有する第11観点又は第12観点に記載の透明膜付基材である。
第2観点としては、前記酸化チタン含有粒子(A)は、Si、Al、Sn、Zr、Zn、Sb、Nb、Ta及びWからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む第1観点に記載の酸化チタン系微粒子の分散液であり、
第3観点としては、前記酸化チタン含有粒子(A)は、酸化チタン含有核粒子(a)の表面を二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物粒子(b)によって被覆されたコア−シェル粒子であって、前記二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物粒子(b)の被覆量が前記酸化チタン含有粒子(a)に対して質量比で0.01〜1.0である第1観点又は第2観点に記載の酸化チタン系微粒子の分散液であり、
第4観点としては、前記酸化チタン含有粒子(A)の結晶型はルチル型である第1観点〜第3観点のいずれか一つに記載の酸化チタン系微粒子の分散液であり、
第5観点としては、前記コバルト錯体は、アセチルアセトン錯体、エチレンジアミン四酢酸錯体及び酢酸錯体から選ばれる少なくとも1種である第1観点〜第4観点のいずれか一つに記載の酸化チタン系微粒子の分散液であり、
第6観点としては、前記酸化チタン含有粒子(A)の表面に有機珪素化合物が結合されている第1観点〜第5観点のいずれか一つに記載の酸化チタン系微粒子の分散液であり、
第7観点としては、分散媒は、水及び/又は有機溶媒である第1観点〜第6観点のいずれか一つに記載の酸化チタン系微粒子の分散液であり、
第8観点としては、第1観点〜第7観点のいずれか一つに記載の酸化チタン系微粒子の分散液と、マトリックス形成成分として下記式(I)
R1 mR2 nSi(OR3)4-(m+n) (I)
(式中、R1は炭素原子数1〜6の炭化水素基、ビニル基、メタクリロキシ基又はメルカプト基、アクリル基、アミノ基若しくはエポキシ基を有する有機基、R2は炭素原子数1〜4の炭化水素基、R3は炭素原子数1〜8の炭化水素基又はアシル基、m、nは0又は1を表す。)
で表される有機珪素化合物及び該有機珪素化合物の加水分解物並びにその部分縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1種とを含有するコーティング組成物であり、
第9観点としては、第1観点〜第7観点のいずれか一つに記載の酸化チタン系微粒子の分散液と、マトリックス形成成分として、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂及び紫外線硬化樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂とを含有するコーティング組成物であり、
第10観点としては、前記マトリックス形成成分が、ポリエステル系樹脂又はウレタン系樹脂である第9観点に記載のコーティング組成物であり、
第11観点としては、基材表面に、第8観点〜第10観点のいずれか一つに記載のコーティング組成物を用いて形成された透明膜を有する透明膜付基材であり、
第12観点としては、基材表面に、第9観点又は第10観点に記載のコーティング組成物を用いて形成されたプライマー膜を有し、更に該プライマー膜上に第8観点に記載のコーティング組成物を用いて形成された硬化膜を有する透明膜付基材であり、
第13観点としては、前記透明膜又は硬化膜の上に、更に反射防止膜を有する第11観点又は第12観点に記載の透明膜付基材である。
本願発明の1〜200nmの一次粒子径を有する酸化チタン含有粒子(A)と脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、アミン、アミノポリカルボン酸、アミノ酸及びβ−ジケトンからなる群から選ばれる少なくとも1種を配位子とするコバルト錯体とを含み、前記酸化チタン含有粒子(A)中のチタン原子と前記コバルト錯体中のコバルト原子とのモル比(Co/Ti)が1.4×10-3〜2.8×10-4である酸化チタン系微粒子の分散液は、紫外線を照射しても変色を起こさない。また、本願発明のコーティング組成物を用いて形成された透明膜付基材も紫外線の照射による変色を起こさず、耐候性、耐光性に優れている。
本願発明は、1〜200nmの一次粒子径を有する酸化チタン含有粒子(A)と脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、アミン、アミノポリカルボン酸、アミノ酸及びβジケトンからなる群から選ばれる少なくとも1種を配位子とするコバルト錯体とを含み、前記酸化チタン含有粒子(A)中のチタン原子と前記コバルト錯体中のコバルト原子とのモル比(Co/Ti)が1.4×10-3〜2.8×10-4である酸化チタン系微粒子の分散液である。
前記酸化チタン含有粒子(A)の一次粒子径は1〜200nmであり、好ましくは2〜60nm、より好ましくは2〜30nmの範囲である。ここで一次粒子径とは、透過型電子顕微鏡観察によって測定される粒子径を指す。
前記一次粒子径が1nm未満の場合は、その粒子を含むコーティング組成物を用いて得られる被膜の硬度が不充分であり、耐擦傷性及び耐磨耗性に劣る。しかも被膜の屈折率を充分に高くできなることがある。また一次粒子径が200nmを超えると、得られる被膜が白濁して不透明になる場合がある。
前記酸化チタン含有粒子(A)の製造方法としては、従来公知の方法を採用することができ、例えば、再公表特許WO10/055770号に開示されたチタンアルコキシド、有機酸及び第4級アンモニウム水酸化物を水性媒体中で反応させたアナターゼ型の酸化チタン含有粒子の分散液の製造方法、特開平10−310429号公報に開示されたチタン塩、オキシジルコニウム塩及び金属スズを過酸化水素の存在下に水性媒体中で反応させた酸化チタン含有粒子の分散液の製造方法等が挙げられる。
前記酸化チタン含有粒子(A)は、酸化チタンのみからなるものであっても、酸化チタンと酸化チタン以外の成分からなるものであっても良い。
前記酸化チタン含有粒子(A)は、Si、Al、Sn、Zr、Zn、Sb、Nb、Ta及びWからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含んでいても良い。酸化チタンと酸化チタン以外の前記元素は、金属酸化物の混合物でも、互いに固溶状態でも良い。
前記酸化チタン含有粒子(A)に酸化チタン以外の前記元素が含まれる場合の具体例としては、酸化チタンと酸化第二スズとの複合酸化物微粒子、酸化チタンと酸化第二スズと酸化ジルコニウムとからなる複合酸化物微粒子等が挙げられる。
前記酸化チタン含有粒子(A)における酸化チタン含有量は、TiO2換算で5〜100質量%であり、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上である。酸化チタン含有量が10質量%未満の場合は、本願発明の酸化チタン系微粒子の分散液を含むコーティング組成物を用いて得られる透明膜の屈折率を1.5より高くすることが難しい。
また、前記酸化チタン含有粒子(A)は無定形、結晶質のいずれでも良く、結晶質の場合、アナタース型、ルチル型、ブルッカイト型のいずれでも良い。中でもルチル型であることが好ましい。又はチタン酸バリウム(BaTiO3)のようなペロブスカイト型チタン化合物であっても良い。
前記酸化チタン含有粒子(A)は、酸化チタン含有核粒子(a)の表面を二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物粒子(b)によって被覆されたコア−シェル粒子であっても良く、前記二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物粒子(b)の被覆量が前記酸化チタン含有粒子(a)に対して質量比で0.01〜1.0であることが好ましい。
前記二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物粒子(b)の製造方法としては、従来公知の方法を採用することができ、例えば、国際公開パンフレットWO2010/008050号に開示されたスズ酸塩とケイ酸塩の混合水溶液を陽イオン交換する製造方法等が挙げられる。
本願発明の酸化チタン系微粒子の分散液に含まれるコバルト錯体は、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、アミン、アミノポリカルボン酸、アミノ酸及びβ−ジケトンからなる群から選ばれる少なくとも1種を配位子とするものである。
前記脂肪族カルボン酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、トリカルバリル酸、プロパン−1,1,2,3−テトラカルボン酸、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、グリコール酸、チオグリコール酸、乳酸、β−ヒドロキシプロピオン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、イソクエン酸、アロイソクエン酸、グルコン酸、ピルビン酸、オキサル酢酸、ジグリコール酸、チオグリコール酸、メルカプトコハク酸、ジメルカプトコハク酸等が挙げられる。
前記芳香族カルボン酸としては、安息香酸、フタル酸、マンデル酸、サリチル酸、5−スルホサリチル酸、α−カルボキシ−o−アニス酸、o−(カルボキシメチルチオ)安息香酸、トロポロン、3−メチルトロポロン、4−メチルトロポロン等が挙げられる。
前記アミンとしては、エチレンジアミン、N−メチルエチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N−n−プロピルエチレンジアミン、N−イソプロピルエチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N′−ジメチルエチレンジアミン、N,N′−ジエチルエチレンジアミン、N,N′−ジ−n−プロピルエチレンジアミン、N,N′−ジ(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、meso−2,3−ジアミノブタン、rac−2,3−ジアミノブタン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、cis−1,2−ジアミノシクロヘキサン、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン、trans−1,2−ジアミノシクロヘプタン、トリエチレンジアミン、1,2,3−トリアミノプロパン、1,3−ジアミノ−2−アミノメチルプロパン、ジエチレントリアミン、3,3′−ジアミノジプロピルアミン、トリエチレンテトラアミン、2,2′,2″−トリアミノトリエチルアミン、2−ヒドロキシエチルアミン、2−メトキシエチルアミン、2,2′−ジヒドロキシジエチルアミン、2,2′,2″−トリヒドロキシトリエチルアミン、2−メルカプトエチルアミン、2−アミノエチルメチルスルフィド、ジ(2−アミノエチル)−エーテル、2−アミノ−2′−ヒドロキシジエチルスルフィド、ビス(2−アミノエチル)スルフィド、ピリジン、2−アミノメチルピリジン、2,2′−アミノエチルピリジン、ピリジン−2−カルボン酸、ピリジン−2,3−ジカルボン酸、ピリジン−2,4−ジカルボン酸、ピリジン−2,6−ジカルボン酸、ニコチン酸ヒドラジド、イソニコチン酸ヒドラジド、ピリドキサンミン、イペリジン、ピペリジン−2,6−ジカルボン酸、イミダゾール、ヒスタチン、3-メチルヒスタチン等が挙げられる。
前記アミノポリカルボン酸としては、イミノジ酢酸、イミノジプロピオン酸、N−メチルイミノジ酢酸、N−(3,3−ジメチルブチル)イミノジ酢酸、フェニルイミノジ酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、メルカプトエチルイミノジ酢酸、ヒドロキシエチルイミノジプロピオン酸、ヒドロキシプロピルイミノジ酢酸、2−ヒドロキシシクロヘキシルイミノジ酢酸、メトキシエチルイミノジ酢酸、メチルチオエチルイミノジ酢酸、2−ヒドロキシベンジルイミノジ酢酸、N−(o−カルボキシフェニル)イミノジ酢酸、N−(m−カルボキシフェニル)イミノジ酢酸、N−(p−カルボキシフェニル)イミノジ酢酸、N−(カルバモイルメチル)イミノジ酢酸、シアノメチルイミノジ酢酸、アミノエチルイミノジ酢酸、β−(N−トリメチルアンモニウム)エチルイミノジ酢酸陽イオン、2−エトキシカルボニルアミノエチルイミノジ酢酸、ホスホノメチルイミノジ酢酸、ホスホノエチルイミノジ酢酸、スルホエチルイミノジ酢酸、o−スルホフェニルイミノジ酢酸、m−スルホフェニルイミノジ酢酸、p−スルホフェニルイミノジ酢酸、ニトリロトリ酢酸、カルボキシエチルイミノジ酢酸、カルボキシメチルイミノジプロピオン酸、ニトリロトリプロピオン酸、N,N′−エチレンジアミン、エチレンジアミン−N,N′−ジプロピオン酸、N,N′−ジ(ヒドロキシエチル)エチレンジアミンジ酢酸、N−n−ブチルエチレンジアミントリ酢酸、N−シクロヘキシルエチレンジアミントリ酢酸、N−(o−ヒドロキシシクロヘキシル)エチレンジアミントリ酢酸、N′−ヒドロキシエチル−N,N,N′−トリ酢酸、ベンジルエチレンジアミントリ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミン−N,N′−ジ酢酸N,N′−ジプロピオン酸、エチレンジアミン−N,N′−ジ酢酸N,N′ジ(2−プロピオン酸)、エチレンジアミンテトラプロピオン酸、1,2−プロピレンジアミンテトラ酢酸、トリメチレンジアミンテトラ酢酸、テトラメチレンジアミンテトラ酢酸、ペンタメチレンジアミンテトラ酢酸、ヘキサメチレンジアミンテトラ酢酸、オクタメチレンジアミンテトラ酢酸、1,2−シクロペンタンジアミンテトラ酢酸、trans−シクロヘキサン−1,2ジアミンテトラ酢酸、シクロヘキサン−1,3−ジアミンテトラ酢酸、シクロヘキサン−1,4−ジアミンテトラ酢酸、1,3,5−トリアミノシクロヘキサンヘキサ酢酸、o−フェニレンジアミンテトラ酢酸、2−ヒドロキシトリメチレンジアミンテトラ酢酸、エチルエーテルジアミンテトラ酢酸、エチルチオエーテルジアミンテトラ酢酸、ビス(イミノジ酢酸エチル)メチルアミン、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、グリコールエーテルジアミンテトラ酢酸、チオグリコールチオエーテルジアミンテトラ酢酸、N,N′−ジメチルトリメチレンテトラアミン−N″,N″,N,N′′′,N′′′−テトラ酢酸、トリメチレンテトラアミンヘキサ酢酸等が挙げられる。
前記アミノ酸としては、グリシン、ザルコシン、グリシンメチルエステル、アラニン、β−アラニン、α−アミノ酪酸、バリン、ノルロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、チロシン、ジヨードチロシン、セリン、ホスホセリン、スレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、1,2−ジアミノプロピオン酸、オルニチン、リジン、アルギニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、ヒスチジン、アセチルヒスチジン、トリプトファン、N−エチルグリシン、N−n−プロピルグリシン、N−イソプロピルグリシン、N,N−ジメチルグリシン、N,N−ジエチルグリシン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、N,N−ビス(2−クロルエチルグリシン)、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)グリシン、1−アミノシクロペンタンカルボン酸、1−アミノシクロヘキサンカルボン酸、1−アミノシクロヘプタンカルボン酸、1−アミノシクロヘプタンカルボン酸、グリシルグリシン、グリシルザルコシン、グリシルアラニン、グリシルバリン、グリシルロイシン、グリシルイソロイシン、グリシルフェニルアラニン、グリシルチロシン、グリシルセリン、グリシルプロリン、グリシルグリシルグリシン、グリシルグリシルグリシルグリシン、ザルコシルグリシン、アラニルグリシン、バリングリシン、還元型グルタチオン、酸化型グルタチオン、カルノシン、リバンバソプレシン、アミブミン、カゼイン、グロブリン、ミオシンA、ミオシンB、カルボキシペプチターゼA等が挙げられる。
前記β−ジケトンとしては、アセチルアセトン、トリフルオルアセチルアセトン、ヘキサフルオルアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ベンゾイルトリフルオルアセトン、ジベンゾイルメタン、フロイルアセトン、トリフルオルフロイルアセトン、ベンゾイルフロイルメタン、テノイルアセトン、トリフルオルテノイルアセトン、フロイルテノイルアセトン、オキシン、2−メチルオキシン、4−メチルオキシン、5−メチルオキシン、6−メチルオキシン、7−メチルオキシン、オキシン−5−スルホン酸、7−ヨードオキシン−5−スルホン酸、キノリン−2−カルボン酸、キノリン−8−カルボン酸、8−ヒドロキシシノリン、4−ヒドロキシ−1,5−ナフチリジン、8−ヒドロキシ−1,6−ナフチリジン、8−ヒドロキシ−1,7−ナフチリジン、5−ヒドロキシキノキサリン、8−ヒドロキシキナゾリン、2,2′−ビピリジン、2−(2′−チエニル)ピリジン、1,10−フェナントロリン、2−メチル−1,10−フェナントロリン、5−メチル−1,10−フェナントロリン、2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジメチル−1,10−フェナントロリン、5−クロル−1,10−フェナントロリン、6−ブロム−1,10−フェナントロリン、5−ニトロ−1,10−フェナントロリン、5−フェニル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、ジメチルグリオキシム、ジメチルグリオキシム−o−メチルエステル、ジメチルジチオカルバミン酸、ジエチルジチオカルバミン酸、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、1−ニトロソ−2−ナフトール、2−ニトロソ−1−ナフトール、3−ヒドロキシフラボン、5−ヒドロキシフラボン、1−(2−ピリジルアゾ)−2−ナフトール、4−(2−ピリジルアゾ)レゾルシン、2−(4′−ジメチルアミノフェニルアゾ)ピリジン、エリオクロムブラックA、エリオクロムブラックT、エリオクロムブルーブラックB、エリオクロムブルーブラックR、フタレインコンプレクソン等が挙げられる。
前記コバルト錯体としては、アセチルアセトン錯体、エチレンジアミン四酢酸錯体又は酢酸錯体が好ましい。これらは単独で用いても2種以上を用いても良い。
本願発明の酸化チタン系微粒子の分散液は、含まれる酸化チタン含有粒子(A)の表面に有機珪素化合物が結合されていることが好ましい。
前記有機珪素化合物としては、シランカップリング剤として知られている公知の有機珪素化合物を用いることができ、その種類は、用途や溶媒の種類等に応じて適宜選択される。
有機珪素化合物として、具体的には以下の一般式(1)〜(4)で表されるシラン化合物を用いることができる。
一般式(1):R3SiX (1)
で表される単官能性シラン(式(1)中、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基、フェニル基、ビニル基、メタクリロキシ基、又はメルカプト基、アミノ基若しくはエポキシ基を有する有機基を表し、Xは加水分解性基を表す。)。このような単官能性シランとしては、例えば、トリメチルメトキシシラン、ジメチルフェニルメトキシシラン、ジメチルビニルメトキシシラン等が挙げられる。
で表される単官能性シラン(式(1)中、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基、フェニル基、ビニル基、メタクリロキシ基、又はメルカプト基、アミノ基若しくはエポキシ基を有する有機基を表し、Xは加水分解性基を表す。)。このような単官能性シランとしては、例えば、トリメチルメトキシシラン、ジメチルフェニルメトキシシラン、ジメチルビニルメトキシシラン等が挙げられる。
一般式(2):R2SiX2 (2)
で表される二官能性シラン(式(2)中、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基、フェニル基、ビニル基、メタクリロキシ基、又はメルカプト基、アミノ基若しくはエポキシ基を有する有機基を表し、Xは加水分解性基を表す。)。このような二官能性シランとしては、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等が挙げられる。
で表される二官能性シラン(式(2)中、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基、フェニル基、ビニル基、メタクリロキシ基、又はメルカプト基、アミノ基若しくはエポキシ基を有する有機基を表し、Xは加水分解性基を表す。)。このような二官能性シランとしては、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等が挙げられる。
一般式(3):RSiX3 (3)
で表される三官能性シラン(式(3)中、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基、フェニル基、ビニル基、メタクリロキシ基、又はメルカプト基、アミノ基若しくはエポキシ基を有する有機基を表し、Xは加水分解性基を表す。)。このような三官能性シランとしては、例えば、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
で表される三官能性シラン(式(3)中、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基、フェニル基、ビニル基、メタクリロキシ基、又はメルカプト基、アミノ基若しくはエポキシ基を有する有機基を表し、Xは加水分解性基を表す。)。このような三官能性シランとしては、例えば、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
一般式(4):SiX4 (4)
で表される四官能性シラン(式(4)中、Xは加水分解性基を表す。)。このような四官能性シランとしては、例えば、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシラン等が挙げられる。
これらの有機珪素化合物は、単独で使用しても2種以上を混合して使用しても良い。また、前記酸化チタン含有粒子(A)の表面に有機珪素化合物が結合される表面改質処理を行う際に、前記有機珪素化合物の部分的な加水分解を行っても良いし、加水分解を行わないままで表面改質処理を行っても良い。
で表される四官能性シラン(式(4)中、Xは加水分解性基を表す。)。このような四官能性シランとしては、例えば、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシラン等が挙げられる。
これらの有機珪素化合物は、単独で使用しても2種以上を混合して使用しても良い。また、前記酸化チタン含有粒子(A)の表面に有機珪素化合物が結合される表面改質処理を行う際に、前記有機珪素化合物の部分的な加水分解を行っても良いし、加水分解を行わないままで表面改質処理を行っても良い。
用いられる有機珪素化合物の量は、前記酸化チタン含有粒子(A)の質量に対して0.1〜40質量%添加することができる。
本願発明の酸化チタン系微粒子の分散液は、水及び/又は有機溶媒を分散とした金属酸化物ゾルとして取り扱うことができる。
本願発明の酸化チタン系微粒子の分散液において、分散媒が水の場合の全金属酸化物濃度は、0.01〜40質量%、好ましくは0.5〜20質量%の範囲である。全金属酸化物濃度が0.01質量%未満の場合は、他の成分と配合して得られるコーティング組成物の濃度が低くなりすぎて、得られる塗膜の厚さを所望の厚さにできないことがある。また、全金属酸化物濃度が40質量%を越えると分散液の安定性が不充分となることがある。
本願発明の酸化チタン系微粒子の分散液において、分散媒が有機溶媒の場合、前記酸化チタン含有粒子(A)の表面に有機珪素化合物が結合されていることが好ましい。
本願発明の酸化チタン系微粒子の分散液において、分散媒が有機溶媒の場合の全金属酸化物濃度は、1〜60質量%、好ましくは2〜30質量%の範囲である。全金属酸化物濃度が1質量%未満の場合は、他の成分と配合して得られるコーティング組成物の濃度が低くなりすぎて、得られる塗膜の厚さを所望の厚さにできないことがある。固形分濃度が60質量%を越えると分散液の安定性が不充分となることがある。
本願発明の酸化チタン系微粒子の分散液の分散媒として用いることができる有機溶媒としては、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、エチレングリコール等のグリコール類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジクロルエタン等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。これらの溶媒は2種以上を混合して用いても良い。
本願発明の第一のコーティング組成物は、前記酸化チタン系微粒子の分散液と、マトリックス形成成分として下記の一般式(I)
R1 mR2 nSi(OR3)4-(m+n) (I)
(式中、R1は炭素原子数1〜6の炭化水素基、ビニル基、メタクリロキシ基又はメルカプト基、アクリル基、アミノ基若しくはエポキシ基を有する有機基、R2は炭素原子数1〜4の炭化水素基、R3は炭素原子数1〜8の炭化水素基又はアシル基、m、nは0又は1を表す。)
で表される有機珪素化合物及び該有機珪素化合物の加水分解物並びにその部分縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1種とを含有することを特徴とする。
R1 mR2 nSi(OR3)4-(m+n) (I)
(式中、R1は炭素原子数1〜6の炭化水素基、ビニル基、メタクリロキシ基又はメルカプト基、アクリル基、アミノ基若しくはエポキシ基を有する有機基、R2は炭素原子数1〜4の炭化水素基、R3は炭素原子数1〜8の炭化水素基又はアシル基、m、nは0又は1を表す。)
で表される有機珪素化合物及び該有機珪素化合物の加水分解物並びにその部分縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1種とを含有することを特徴とする。
前記一般式(I)で表される有機珪素化合物としては、具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を混合して用いても良い。
また、これらの有機珪素化合物は、無溶媒下で又はアルコール等の極性有機溶媒中で、酸の存在下に加水分解して使用することが好ましい。
また、前記一般式(I)で表される有機珪素化合物の加水分解は、前記酸化チタン系微粒子の分散液と混合される前に行っても、混合後に行っても良い。そして加水分解は、完全な加水分解でも部分的な加水分解でも良い。
また、前記第一のコーティング組成物における前記マトリックス形成成分の割合は、該コーティング組成物の質量を基準として10〜90質量%であり、好ましくは20〜80質量%である。この割合が10質量%未満では、基材と被膜との密着性が低下することがあり、また、90質量%以上では高屈折率の被膜が得られないことがある。
また、本願発明の第二のコーティング組成物は、前記酸化チタン系微粒子の分散液と、マトリックス形成成分として、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂及び紫外線硬化樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂とを含有することを特徴とする。
前記マトリックス形成成分としては、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、フォスファーゲン系樹脂等が用いられる。中でもポリエステル系樹脂又はウレタン系樹脂であることが好ましい。
本願発明の第一又は第二のコーティング組成物には、前記酸化チタン系微粒子の分散液及びマトリックス形成成分の他に次の(C)〜(F)成分が任意に含まれていても良い。
(C)成分:
(C)成分は、一般式(5)
Si(OR4)4 (5)
(式(5)中、R4は炭素原子数1〜8の炭化水素基、アルコキシアルキル基又はアシル基を表す。)
で表される四官能有機珪素化合物の加水分解物及び/又は部分縮合物の1種以上である。
(C)成分:
(C)成分は、一般式(5)
Si(OR4)4 (5)
(式(5)中、R4は炭素原子数1〜8の炭化水素基、アルコキシアルキル基又はアシル基を表す。)
で表される四官能有機珪素化合物の加水分解物及び/又は部分縮合物の1種以上である。
前記一般式(5)で表される有機珪素化合物は、形成される透明膜の屈折率を調整し、更に塗布された透明膜の硬化速度を速め、また透明膜の硬度を向上させる目的で用いられる。(C)成分を用いることにより、硬化後の透明膜の屈折率を基材の屈折率に応じて適宜調整することができる。また、反射防止膜の密着性を向上させる効果がある。
前記一般式(5)で表される四官能有機珪素化合物としては、具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラアセトキシシラン、テトラアリロキシシラン、テトラキス(2−メトキシエトキシ)シラン、テトラキス(2−エチルブトキシシラン)、テトラキス(2−エチルヘキシロキシ)シラン等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を混合して用いても良い。また、これらは無溶媒下で又はアルコール等の有機溶媒中で、酸の存在下に加水分解して使用することが好ましい。
また、前記第一又は第二のコーティング組成物における前記(C)成分の含有される割合は、該コーティング組成物の質量を基準として0〜50質量%が適当である。該含有の割合が50質量%を超えると硬化後の透明膜にクラックが入り易いためである。
(D)成分:
D成分は、Si、Al、Sn、Zr、Zn、Sb、Nb、Ta、Ce、La、W、及びInからなる郡から選ばれる少なくとも1種の元素の金属酸化物微粒子又は2種以上の元素の複合金属酸化物微粒子であり、これら微粒子の一次粒子径は1〜50nmである。これらは具体的にはSiO2、Al2O3、SnO2、ZrO2、ZnO、Sb2O5、Nb2O5、Ta2O5、CeO2、La2O3、WO3、In2O3等の金属酸化物微粒子又はZnSbO6、ZnSnO3等の複合金属酸化物微粒子が水又は有機溶媒にコロイド状に分散したものである。これらの金属酸化物微粒子は、基材と透明膜との屈折率を調整するために有用である。
(D)成分:
D成分は、Si、Al、Sn、Zr、Zn、Sb、Nb、Ta、Ce、La、W、及びInからなる郡から選ばれる少なくとも1種の元素の金属酸化物微粒子又は2種以上の元素の複合金属酸化物微粒子であり、これら微粒子の一次粒子径は1〜50nmである。これらは具体的にはSiO2、Al2O3、SnO2、ZrO2、ZnO、Sb2O5、Nb2O5、Ta2O5、CeO2、La2O3、WO3、In2O3等の金属酸化物微粒子又はZnSbO6、ZnSnO3等の複合金属酸化物微粒子が水又は有機溶媒にコロイド状に分散したものである。これらの金属酸化物微粒子は、基材と透明膜との屈折率を調整するために有用である。
(D)成分は、その表面に前記一般式(1)〜(4)のいずれか一つの式で表される有機珪素化合物が結合されたものを使用することもできる。
(E)成分:
(E)成分は、多官能性エポキシ化合物、多価カルボン酸及び多価カルボン酸無水物から選ばれる少なくとも1種である。(E)成分は、形成される透明膜の硬度の改良を目的として用いられる。
(E)成分:
(E)成分は、多官能性エポキシ化合物、多価カルボン酸及び多価カルボン酸無水物から選ばれる少なくとも1種である。(E)成分は、形成される透明膜の硬度の改良を目的として用いられる。
多官能性エポキシ化合物とは、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であって、従来から知られているエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、1、4シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
多価カルボン酸及び多価カルボン酸無水物としては、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、マレイン酸、オルソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、イタコン酸、オキザロ酢酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、無水フタル酸等が挙げられる。
本願発明の第一又は第二のコーティング組成物における(E)成分の含有される割合は、該コーティング組成物の質量を基準として0〜40質量%が適当である。これは、40質量%を超えると硬化後の透明膜とその上に形成される反射防止膜との密着性が低下するためである。
(F)成分:
(F)成分は、アミン類、アミノ酸類、金属アセチルアセトナート、有機酸金属塩、過塩素酸類、過塩素酸塩類、無機酸類及び金属塩化物から選ばれる少なくとも1種の硬化触媒である。(F)成分は、前記第一又は第二のコーティング組成物に含まれる有機珪素化合物系マトリックス形成成分の有するシラノール基又はエポキシ基の硬化を促進するために用いられる。これらの硬化触媒を用いることにより、被膜形成反応を速めることが可能となる。
(F)成分:
(F)成分は、アミン類、アミノ酸類、金属アセチルアセトナート、有機酸金属塩、過塩素酸類、過塩素酸塩類、無機酸類及び金属塩化物から選ばれる少なくとも1種の硬化触媒である。(F)成分は、前記第一又は第二のコーティング組成物に含まれる有機珪素化合物系マトリックス形成成分の有するシラノール基又はエポキシ基の硬化を促進するために用いられる。これらの硬化触媒を用いることにより、被膜形成反応を速めることが可能となる。
(F)成分の具体例としては、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、グアニジン、ビグアニジド等のアミン類、グリシン等のアミノ酸類、アルミニウムアセチルアセトナート、クロムアセチルアセトナート、チタニルアセチルアセトナート、コバルトアセチルアセトネート等の金属アセチルアセトナート、酢酸ナトリウム、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸スズ等の有機酸金属塩類、過塩素酸、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸マグネシウム等の過塩素酸塩類、塩酸、リン酸、硝酸、p−トルエンスルホン酸等の酸、SnCl2、AlCl3、FeCl3、TiCl4、ZnCl2、SbCl3等のルイス酸である金属塩化物等が挙げられる。
これらの硬化触媒は、前記第一又は第二のコーティング組成物の組成等により種類と使用量を調整して用いることができる。使用量の上限は、前記コーティング組成物中の全固形分に対して5質量%以下で用いることが望ましい。
更に、本願発明の第一又は第二のコーティング組成物を用いて基材上に形成される透明膜の性能を改良するため、必要に応じて、少量の界面活性剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散染料、油溶染料、蛍光染料、顔料、フォトクロミック化合物、チクソトロピー剤等を添加しても良い。
本願発明の第一又は第二のコーティング組成物には、流動性の付与、固形分濃度、表面張力、粘度、蒸発速度等を調整する目的で溶媒が用いられる。用いられる溶媒は、水又は有機溶媒である。
用いられる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、エチレングリコール等のグリコール類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジクロルエタン等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、及びN,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
尚、本願発明のコーティング組成物を製造する際には、前記分散ゾルの形態で用いる他に、二酸化珪素―酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有金属酸化物粒子が塗布液中で容易に分散可能な場合には、微粉末の状態で用いても良く、更に前記分散ゾルを乾燥したものを用いても良い。
次いで本願発明の透明膜付基材について説明する。本願発明の透明膜付基材は、基材と基材表面に形成された高屈折率の透明膜を有し、この透明膜は前記第一又は第二のコーティング組成物から形成される。
また本願発明の透明膜付基材は、基材表面に前記第二のコーティング組成物を用いて形成させたプライマー膜を有し、該プライマー膜上に更に前記第一のコーティング組成物を用いて形成させた硬化膜を有することを特徴とする。
プライマー膜は、屈折率が高い光学材料を使用したプラスチックレンズにおいて、ハードコート膜上に反射防止を目的に形成されるマルチコート層よるレンズの歪みよって生じる耐衝撃性の低下を緩和する目的で設けられている。
プライマー膜の屈折率は、基材の屈折率と同等でないと干渉縞が生じることがあるが、本願発明のコーティング組成物のうち、マトリックス成分として、前記アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、フォスファーゲン系樹脂等の樹脂を含む第二のコーティング組成物を使用すれば、基材の屈折率と同程度のプライマー膜を形成することができる。
そして、前記透明膜又は硬化膜の上には、更に反射防止膜を有していても良い。反射防止膜は、従来より知られている無機酸化物の蒸着膜からなる単層又は多層の反射防止膜を使用できる。反射防止膜の例としては、例えば特開平2−262104号公報、特開昭56−116003号公報に開示されている反射防止膜等が挙げられる。
本願発明の透明膜付基材に用いられる基材は、ガラス、プラスチック等からなる各種基材が用いられ、具体的には、眼鏡レンズ、カメラ等の各種光学レンズ、各種表示素子フィルター、ルッキンググラス、窓ガラス、自動車等の塗料膜、自動車等に用いられるライトカバーが挙げられる。
これらの基材表面に形成される透明膜の膜厚は、透明付基材の用途によって異なるが、0.05〜30μmが好ましい。
本願発明の透明膜付基材は、前記基材の表面に本願発明のコーティング組成物をディッピンク法、スピンコート法、スプレー法、ロールコーター法、フロー法等、従来公知の方法で塗布し、乾燥して被膜を形成し、次いでこの被膜を基材の耐熱温度以下に加熱することによって製造することができる。
特に熱変形温度が100℃未満のプラスチックレンズ基材に対しては、治具でレンズ基材を固定する必要のないスピンコート法が好適である。なお、前記コーティング組成物のマトリックス形成成分として紫外線硬化樹脂を用いた場合には、該コーティング組成物を基材表面に塗布した後、乾燥し、このコーティング組成物が塗布された基材表面に所定の波長の紫外線を照射して硬化させることができる。
更に、本願発明の透明膜付基材を製造する際に、基材、例えばレンズ基材、と透明膜との密着性を向上させる目的で、基材表面を予めアルカリ、酸又は界面活性剤で処理すること、無機又は有機微粒子で研磨処理すること、プライマー処理又はプラズマ処理すること等を行っても良い。
更に、本願発明のコーティング組成物より得られる透明膜は、高屈折率膜として反射膜に使用でき、更に防曇、フォトクロミック、防汚等の機能性成分を加えることにより、多機能膜として使用することもできる。
本願発明のコーティング組成物より得られる透明膜を有する光学部材は、眼鏡レンズのほか、カメラ用レンズ、自動車の窓ガラス、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等に付設する光学フィルター等に使用することができる。
以下の実施例により本願発明を詳しく説明するが、本願発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔製造例1〕
3リットルの容器に純水1169gを入れ、シュウ酸二水和物151g(宇部興産(株)製)、チタンテトライソプロポキシド227g(TiO2換算で64g含有、関東化学(株)製)、25質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液582g(多摩化学工業(株)製)を攪拌下に添加した。得られた混合溶液は、シュウ酸/チタン原子のモル比1.5、水酸化テトラメチルアンモニウム/シュウ酸のモル比1.33であった。該混合溶液2131gを大気圧下、開放系で88〜92℃にて3時間保持し、副生するイソプロパノールを蒸留除去して、チタン含有水溶液1937gを調製した。得られたチタン含有水溶液に純水194gを添加して、チタン含有水溶液のTiO2換算濃度を3.0質量%に調整した。濃度調整後のチタン含有水溶液のpHは4.7、電導度は31.4mS/cmであった。3Lのステンレス製オートクレーブ容器に上記チタン含有水溶液2131gを投入し、140℃で5時間水熱処理を行った。室温に冷却後、取り出された水熱処理後の溶液は透明性の高い酸化チタンコロイド粒子の水分散ゾルであった。得られたゾルは、比重1.037、pH3.8、電導度35.7mS/cm、TiO2濃度3.0質量%、水酸化テトラメチルアンモニウム濃度6.8質量%、シュウ酸濃度5.1質量%、動的光散乱法粒子径(コールター社N5で測定)12nm、粘度3.2mPa・s(B型粘度計)、透過型電子顕微鏡観察では、一次粒子径5〜8nmの略球状の粒子が観察された。得られたゾルを110℃で乾燥させた粉末のX線回折分析を行い、アナターゼ型結晶であることが確認された。得られた酸化チタンコロイド粒子を酸化チタン含有粒子(A1)とした。
〔製造例2〕
以下のようにして酸化チタン含有粒子(A2)分散ゾルを調製した。2リットルの容器に純水197gを入れ、シュウ酸スズ溶液269g(SnO2換算で7.5g、シュウ酸換算で6.7g含有)、チタンテトライソプロポキシド142g(TiO2換算で40g含有)、シュウ酸2水和物73g(シュウ酸換算で52g)、25質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液319gを攪拌下に添加した。得られた混合溶液は、シュウ酸/チタン原子のモル比1.3、水酸化テトラメチルアンモニウム/チタン原子のモル比1.75であった。該混合溶液1000gを、80℃で2時間保持し、更に580Torrまで減圧して2時間保持し、チタン混合溶液を調製した。調製後のチタン混合溶液のpHは5.1、電導度は30.9mS/cm、TiO2濃度4.0質量%であった。3リットルのガラスライニングされたオートクレーブ容器に上記チタン混合溶液1000gを投入し、140℃で5時間水熱処理を行った。室温に冷却後、取り出された水熱処理後の溶液は淡い乳白色の酸化チタンコロイド粒子の水分散ゾルであった。得られたゾルは、pH3.9、電導度32.6mS/cm、TiO2濃度4.0質量%、水酸化テトラメチルアンモニウム8.0質量%、シュウ酸5.9質量%、動的光散乱法粒子径16nm、透過型電子顕微鏡観察では、一次粒子径5〜15nmの楕円粒子が観察された。得られたゾルを110℃で乾燥させた粉末のX線回折分析を行い、ルチル型結晶であることが確認された。得られた酸化チタンコロイド粒子を酸化チタン含有粒子(A2)とした。
〔製造例3〕
特開平10−310429号公報の実施例2に基づいて、酸化チタン含有粒子(A3)の水分散ゾルを調製した。
(a)工程:四塩化チタン(TiO2換算27.2質量%、Cl32.0質量%、住友シチックス(株)製)587.5g(TiO2換算で159.8g)とオキシ炭酸ジルコニウム(ZrO2換算43.0質量%、第一稀元素化学(株)製)114.6g(ZrO2換算で49.2g)と水629.6gとを、3リットルのジャケット付きガラス製セパラブルフラスコにとり塩化チタンとオキシ塩化ジルコニウムの混合水溶液1331.7g(TiO2換算12.0質量%、ZrO2換算3.7質量%)を調製した。この水溶液をガラス製攪拌棒で攪拌しながら60℃まで加熱した後、冷却しながら35質量%の過酸化水素水358.0gと金属スズ粉末(山石金属(株)製:商品名AT−Sn、No.200)190.0gを添加した。過酸化水素水と金属スズの添加は、はじめに過酸化水素過酸化水素水35.8g(過酸化水素0.37モル)を、次いで金属スズ19.0g(スズ0.16モル)を徐々に加えた。この反応が終了するのを5〜10分程度待った後、過酸化水素水35.8g(過酸化水素0.37モル)を、次いで金属スズ19.0g(スズ0.16モル)を徐々に加えた。この様に過酸化水素に続く金属スズの添加を、5〜10分の間隔を置いて合計10回繰り返すことにより、(過酸化水素35.8gと金属スズ19.0g)×10回の分割添加を行った。反応は発熱反応のため金属スズの添加により80〜85℃になり、反応が終了した後に冷却されて60〜70℃に低下した。反応温度は60〜85℃で行われた。過酸化水素と金属スズの添加割合はH2O2/Snモル比で2.31であった。過酸化水素水と金属スズの添加に要した時間は2.5時間であった。なお、反応により水が蒸発するので適量の水の補充を行った。反応終了後、淡黄色透明な塩基性塩化チタン−ジルコニウム−スズ複合塩水溶液1780gを得た。得られた塩基性塩化チタン−ジルコニウム−スズ複合塩水溶液では、チタン成分はTiO2換算濃度として8.98質量%、ジルコニウム成分はZrO2換算濃度として2.76質量%、スズ成分はSnO2換算濃度として13.55質量%、ZrO2/TiO2モル比は0.2、TiO2/(ZrO2+SnO2)モル比1.0であった。また、(Ti+Zr+Sn)/Clモル比は0.76であった。
(b)工程:(a)工程で得られた塩基性塩化チタン−ジルコニウム−スズ複合塩水溶液1780gに28質量%アンモニア水259g、水6964gを添加し、TiO2+ZrO2+SnO2換算濃度で5質量%に希釈した。この水溶液を95〜98℃で12時間加水分解を行い、酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合コロイド粒子の凝集体スラリーを得た。
(c)工程:(b)工程で得られた酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合コロイド粒子の凝集体スラリーを限外濾過装置にて水約20リットルを用いて濃縮と注水の操作を繰り返し、過剰な電解質を洗浄除去した後、解膠させて、酸性の酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合コロイド粒子の水分散ゾル8400gを得た。透過型電子顕微鏡観察による酸化チタン−酸化第二スズ複合コロイド粒子の一次粒子径は4〜8nmであった。
(d)工程:(c)工程で得られた酸性の酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズコロイド粒子の複合ゾル9000gにイソプロピルアミン27.0gを添加し、アルカリ性にした後、更に限外濾過装置にて水約20リットルを用いて濃縮と注水の操作を繰り返し、過剰な電解質を洗浄除去し、アルカリ性の酸化チタン―酸化ジルコニウム―酸化第二スズ複合コロイド粒子の水分散ゾル8000gを得た。このゾルを陰イオン交換樹脂(アンバーライト(登録商標)IRA−410、オルガノ(株)製:)500ミリリットッルを詰めたカラムに通液し、陰イオンがほぼ除去されたアルカリ性の酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合コロイド粒子の水分散ゾル9050gを得た。このゾルを限外濾過装置にて、濃縮を行い、酸化チタン―酸化ジルコニウム―酸化第二スズ複合コロイド粒子の水分散濃縮ゾル3100gを得た。得られたゾルは比重1.140、粘度10.3mPa・s、pH10.31、電導度1105μs/cm、TiO2換算濃度5.18質量%、ZrO2換算濃度1.58質量%、SnO2換算濃度7.7質量%、透過型電子顕微鏡による一次粒子径は4〜8nmであった。得られた酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合コロイド粒子を酸化チタン含有粒子(A3)とした。得られたゾルを110℃で乾燥させた粉末のX線回折分析を行い、ルチル型結晶とアナターゼ結晶の混合体であることを確認した。
〔製造例4〕
特開平10−245224号公報の実施例2に基づいて、酸化チタン含有粒子(A4)の水分散ゾルを調製した。
(a)工程:四塩化チタン(住友シチックス(株)製:TiO2換算濃度27.2質量%、Cl32.0質量%)293.8g(TiO2換算で79.8g)と水371.6gとを、3リットルのジャケット付きガラス製セパラブルフラスコにとり、塩化チタン水溶液665g(TiO2換算濃度12.0質量%)を調製した。この水溶液をガラス製攪拌棒で攪拌しながら50℃まで加熱した後、冷却しながら35質量%の過酸化水素水950.8gと金属スズ粉末(山石金属(株)製:商品名AT−Sn、No.200)566.4gを添加した。過酸化水素水と金属スズの添加は、はじめに金属スズ31.5g(スズ0.265モル)を、次いで過酸化水素水53.8g(過酸化水素0.554モル)を徐々に加えた。この反応が終了するのを待って、金属スズ31.5g(スズ0.265モル)を、次いで過酸化水素水53.8g(過酸化水素0.554モル)を徐々に加えた。この様に金属スズの添加に続く過酸化水素水の添加を、5〜10分の間隔を置いて合計17回繰り返すことにより、(金属スズを31.5gと過酸化水素水を53.8g)×17回の分割添加を行った後、最後に金属スズ30.9gを、次いで過酸化水素水36.2gを添加し、合計18回の分割添加を行った。反応は発熱反応のため、金属スズの添加により水溶液は70〜75℃になり、反応が終了した後に冷却されて50〜60℃に低下した。反応は50〜75℃で行われた。過酸化水素と金属スズの1回分の添加割合はH2O2/Snモル比で2.09であった。過酸化水素水と金属スズの添加に要した時間は、3.0時間であった。反応終了後、塩基性塩化チタン−スズ複合塩水溶液3195.6gを得た。このときの濃度は、(TiO2+SnO2)換算の合計濃度として25質量%であった。
(b)工程:(a)工程で得られた塩基性塩化チタン−スズ複合塩水溶液2870gに水11269g、28質量%のアンモニア水211gを添加し、(TiO2+SnO2)換算濃度で5質量%に調整した。この水溶液を95℃で10時間加水分解を行い、酸化チタン−酸化第二スズ複合コロイドの凝集体スラリーを得た。
(c)工程:(b)工程で得られた酸化チタン−酸化第二スズ複合コロイドの凝集体スラリーを、限外濾過装置にて水約15リットルを用いて濃縮と注水の操作を繰り返し、過剰な電解質を洗浄除去した後、解膠させて酸性の酸化チタン−酸化第二スズ複合水分散ゾル14350gを得た。酸化チタン−酸化第二スズ複合コロイド粒子の透過型電子顕微鏡観察による一次粒子径は4〜8nmであった。
(d)工程:(c)工程で得た酸性の酸化チタン−酸化第二スズ複合ゾル14350gにイソプロピルアミン137gを添加してアルカリ性にした後、限外濾過装置にて水約24リットルを用いて濃縮と注水の操作を繰り返し、過剰な電解質を洗浄除去してアルカリ性の酸化チタン−酸化第二スズ複合水分散ゾル14600gを得た。更に陰イオン交換樹脂(オルガノ(株)製:アンバーライト(登録商標)IRA−410)200ミリリットッルを詰めたカラムに通液し、陰イオンがほぼ除去されたアルカリ性の酸化チタン−酸化第二スズ複合水分散ゾル15500gを得た。このゾルをロータリーエバポレーターにて減圧下で濃縮を行い、酸化チタン含有粒子(A4)の水分散ゾル7000gを得た。このときの(TiO2+SnO2)換算濃度は10質量%であった。酸化チタン含有粒子(A4)の透過型電子顕微鏡観察による一次粒子径は4〜8nmであった。得られたゾルを110℃で乾燥させた粉末のX線回折分析を行い、ルチル型結晶であることを確認した。
〔製造例5〕
JIS3号珪酸ナトリウム(SiO2として29.8質量%含有、富士化学(株)製)77.2gを純水1282gに溶解し、次いでスズ酸ナトリウムNaSnO3・H2O(SnO2として55.1質量%含有、昭和化工(株)製)20.9gを溶解した。得られた水溶液を水素型陽イオン交換樹脂(アンバーライト(登録商標)IR−120B)を充填したカラムに通すことにより、酸性の二酸化珪素−酸化第二スズ複合コロイド粒子(B1)の水分散ゾル(pH2.4、SnO2として0.44質量%、SiO2として0.87質量%を含有、SiO2/SnO2質量比2.0)2634gを得た。次いで得られた水分散ゾルにジイソプロピルアミンを6.9g添加した。得られたゾルはアルカリ性の二酸化珪素−酸化第二スズ複合コロイド粒子(B1)の水分散ゾルであり、pH8.0であった。該水分散ゾルは、透過型電子顕微鏡により5nm以下の一次粒子径のコロイド粒子が観察された。
〔実施例1〕
製造例1で得られた酸化チタン含有粒子(A1)の水分散ゾル207gにクエン酸4gとジイソプロピルアミン1.2gを添加、95℃で熟成した。次いで限外濾過法により濃縮した。得られた水分散ゾルは、pH6.0、全金属酸化物濃度19.3質量%であり、このゾルの透過型電子顕微鏡観察では、一次粒子径は4〜8nmのコロイド粒子が観察された。得られた水分散ゾルの分散媒をロータリーエバポレーターを用いてメタノールに置換して、酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを得た。このメタノール分散ゾルは、全金属酸化物濃度30質量%、粘度2.3mPa・s、動的光散乱法による粒子径(DLS粒子径:BECKMAN COULTER社製N4PLUSにより測定した。)27nm、水分3質量%以下であった。得られたメタノール分散ゾル10gとコバルト(II)アセチルアセトナート(TCI製)0.003gを密栓のできるガラス瓶に入れ、試料を調整した。得られたゾルは、色調の変化も無く、良好な分散性を示した。また、チタン原子とコバルト原子とのモル比(Co/Ti)は5.5×10-4であった。
〔実施例2〕
製造例2で得られた酸化チタン含有粒子(A2)の水分散ゾル195gにクエン酸4gとジイソプロピルアミン1.2gを添加、95℃で熟成した。次いで限外濾過法により濃縮した。得られた水分散ゾルは、pH3.8、全金属酸化物濃度20.5質量%であり、このゾルの透過型電子顕微鏡観察では、一次粒子径は5〜15nmのコロイド粒子が観察された。得られた水分散ゾルの分散媒をロータリーエバポレーターを用いてメタノールに置換して、酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを得た。このメタノール分散ゾルは、全金属酸化物濃度30質量%、粘度2.3mPa・s、DLS粒子径34nm、水分2.5質量%であった。得られたメタノール分散ゾル10gとコバルト(II)アセチルアセトナート(TCI製)0.003gを密栓のできるガラス瓶に入れ、試料を調整した。得られたゾルは、色調の変化も無く、良好な分散性を示した。また、チタン原子とコバルト原子とのモル比(Co/Ti)は5.5×10-4であった。
〔実施例3〕
製造例5で調製したアルカリ性の二酸化珪素−酸化第二スズ複合コロイド粒子(B1)の水分散ゾル990gに撹拌下で酸化チタン含有粒子(A2)の水分散ゾルを1075g添加し、95℃で加熱熟成することで二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子の水分散ゾルを得た。得られた水分散ゾルは2020gで全金属酸化物濃度は2.8質量%であり、このゾルの透過型電子顕微鏡観察による一次粒子径は5〜18nmであった。更に得られた水分散ゾルの分散媒をロータリーエバポレーターを用いてメタノールに置換して、二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを得た。得られたメタノール分散ゾルは濃度30質量%、粘度1.8mPa・s、DLS粒子径19nm、水分0.6質量%であった。得られたメタノール分散ゾル10gとコバルト(II)アセチルアセトナート(TCI製)0.003gを密栓のできるガラス瓶に入れ、試料を調整した。得られたゾルは、色調の変化も無く、良好な分散性を示した。また、チタン原子とコバルト原子とのモル比(Co/Ti)は5.5×10-4であった。
〔実施例4〕
製造例1で調製した酸化チタン含有粒子(A1)の水分散ゾル1331gを製造例5で調製したアルカリ性の二酸化珪素−酸化第二スズ複合コロイド粒子(B1)の水分散ゾル1090gに撹拌下で添加した。次いで95℃で加熱熟成することで、二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子の水分散ゾルを得た。得られた水分散ゾルの全金属酸化物濃度は2.7質量%であり、このゾルの透過型電子顕微鏡観察による一次粒子径は5〜10nmであった。次いで、得られた水分散ゾルの分散媒をロータリーエバポレーターを用いてメタノールに置換して、二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを得た。このメタノール分散ゾルは、全金属酸化物濃度30質量%、粘度2.2mPa・s、DLS粒子径22nm、水分1.0質量%であった。得られたメタノール分散ゾル10gとコバルト(II)アセチルアセトナート(TCI製)0.003gを密栓のできるガラス瓶に入れ、試料を調整した。得られたゾルは、色調の変化も無く、良好な分散性を示した。また、チタン原子とコバルト原子とのモル比(Co/Ti)は5.5×10-4であった。
〔実施例5〕
オキシ塩化ジルコニウム(ZrO2として21.19質量%含有、第一稀元素化学工業(株)製)35.9gを純水217gで希釈して、オキシ塩化ジルコニウム水溶液253g(ZrO2として3.0質量%含有)を調製し、製造例2で調製した酸化チタン含有粒子(A2)の水分散ゾル1000gを攪拌下に添加した。次いで95℃に加熱することにより加水分解を行って、酸化ジルコニウムが複合化した酸化チタン含有粒子の水分散ゾルが得られた。得られた水分散ゾルは、pH1.2、全金属酸化物濃度2.0質量%であり、このゾルの透過型電子顕微鏡観察では、一次粒子径は5〜15nmのコロイド粒子が観察された。得られた水分散ゾル1231gを製造例5で調製したアルカリ性の二酸化珪素−酸化第二スズ複合コロイド粒子(B1)の水分散ゾル1090gに撹拌下で添加した。次いでアニオン交換樹脂(アンバーライト(登録商標)IRA−410、オルガノ(株)製)500ミリリットッルを詰めたカラムに通液した。次いで通液後の水分散ゾルを150℃で3時間加熱し、次いで限外濾過法により濃縮し、二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子の水分散ゾルを得た。得られた水分散ゾルは濃度18質量%、粘度2.0mPa・s、DLS粒子径27nmであった。得られた水分散ゾル16gとコバルト(II)アセチルアセトナート(TCI製)0.003gを密栓のできるガラス瓶に入れ、試料を調整した。得られたゾルは、色調の変化も無く、良好な分散性を示した。また、チタン原子とコバルト原子とのモル比(Co/Ti)は5.5×10-4であった。
〔実施例6〕
実施例5の150℃加熱後の二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子の水分散ゾル2877gで更にロータリーエバポレーターを用いて分散媒をメタノールに置換して、二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを得た。得られたメタノール分散ゾルは濃度30質量%、粘度2.0mPa・s、DLS粒子径24nm、水分0.9質量%であった。得られたメタノール分散ゾル10gとコバルト(II)アセチルアセトナート(TCI製)0.003gを密栓のできるガラス瓶に入れ、試料を調整した。得られたゾルは、色調の変化も無く、良好な分散性を示した。また、チタン原子とコバルト原子とのモル比(Co/Ti)は5.5×10-4であった。
〔実施例7〕
オキシ塩化ジルコニウム(ZrO2として21.19質量%含有、第一稀元素化学工業(株)製)39.2gを純水237gで希釈して、オキシ塩化ジルコニウム水溶液277g(ZrO2として3.0質量%含有)を調製し、製造例4で調製した酸化チタン含有粒子(A4)の水分散ゾル416.7gを攪拌下で添加した。次いで95℃に加熱することにより加水分解を行って、酸化ジルコニウムが複合化した酸化チタン含有粒子の水分散ゾルが得られた。得られた水分散ゾルはpH1.1、全金属酸化物濃度5.2質量%であり、このゾルの透過型電子顕微鏡観察では、一次粒子径は4〜8nmのコロイド粒子が観察された。得られた水分散ゾル961.5gを製造例5で調整したアルカリ性の二酸化珪素−酸化第二スズ複合コロイド粒子(B1)の水分散ゾル138.2gに攪拌下で添加した。次いでアニオン交換樹脂(アンバーライト(登録商標)IRA−410、オルガノ(株)製)500ミリリットッルを詰めたカラムに通液した。次いで通液後の水分散ゾルを150℃で3時間加熱し、次いで限外濾過法により濃縮し、二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子の水分散ゾルを得た。得られた水分散ゾルの全金属酸化物濃度19.3質量%であり、このゾルの透過型電子顕微鏡観察では、一次粒子径は4〜10nmのコロイド粒子が観察された。得られた水分散ゾルの分散媒をロータリーエバポレーターを用いてメタノールに置換して、二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを得た。このメタノール分散ゾルは、全金属酸化物濃度30質量%、粘度3.2mPa・s、DLS粒子径32nm、水分1.2質量%であった。得られたメタノール分散ゾル10gとコバルト(II)アセチルアセトナート(TCI製)0.002gを密栓のできるガラス瓶に入れ、試料を調整した。得られたゾルは、色調の変化も無く、良好な分散性を示した。また、チタン原子とコバルト原子とのモル比(Co/Ti)は3.7×10-4であった。
〔実施例8〕
製造例3で調製した酸化チタン含有粒子(A3)の水分散ゾル1298.7gを製造例5で調製したアルカリ性の二酸化珪素−酸化第二スズ複合コロイド粒子(B1)の水分散ゾル2634gに撹拌下で添加し、次いで95℃で3時間加熱した。次いで限外濾過膜法で濃縮し、二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子の水分散ゾルを得た。得られた水分散ゾルの全金属酸化物濃度は20質量%であり、このゾルの透過型電子顕微鏡観察による一次粒子径は5〜10nmであった。次いで、得られた水分散ゾルの分散媒をロータリーエバポレーターを用いてメタノールに置換して、二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを得た。このメタノール分散ゾルは、全金属酸化物濃度30質量%、粘度3.2mPa・s、DLS粒子径36nm、水分1.5質量%であった。得られたメタノール分散ゾル10gとコバルト(II)アセチルアセトナート(TCI製)0.005gを密栓のできるガラス瓶に入れ、試料を調整した。得られたゾルは、色調の変化も無く、良好な分散性を示した。また、チタン原子とコバルト原子とのモル比(Co/Ti)は9.1×10-4であった。
〔製造例1〕
3リットルの容器に純水1169gを入れ、シュウ酸二水和物151g(宇部興産(株)製)、チタンテトライソプロポキシド227g(TiO2換算で64g含有、関東化学(株)製)、25質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液582g(多摩化学工業(株)製)を攪拌下に添加した。得られた混合溶液は、シュウ酸/チタン原子のモル比1.5、水酸化テトラメチルアンモニウム/シュウ酸のモル比1.33であった。該混合溶液2131gを大気圧下、開放系で88〜92℃にて3時間保持し、副生するイソプロパノールを蒸留除去して、チタン含有水溶液1937gを調製した。得られたチタン含有水溶液に純水194gを添加して、チタン含有水溶液のTiO2換算濃度を3.0質量%に調整した。濃度調整後のチタン含有水溶液のpHは4.7、電導度は31.4mS/cmであった。3Lのステンレス製オートクレーブ容器に上記チタン含有水溶液2131gを投入し、140℃で5時間水熱処理を行った。室温に冷却後、取り出された水熱処理後の溶液は透明性の高い酸化チタンコロイド粒子の水分散ゾルであった。得られたゾルは、比重1.037、pH3.8、電導度35.7mS/cm、TiO2濃度3.0質量%、水酸化テトラメチルアンモニウム濃度6.8質量%、シュウ酸濃度5.1質量%、動的光散乱法粒子径(コールター社N5で測定)12nm、粘度3.2mPa・s(B型粘度計)、透過型電子顕微鏡観察では、一次粒子径5〜8nmの略球状の粒子が観察された。得られたゾルを110℃で乾燥させた粉末のX線回折分析を行い、アナターゼ型結晶であることが確認された。得られた酸化チタンコロイド粒子を酸化チタン含有粒子(A1)とした。
〔製造例2〕
以下のようにして酸化チタン含有粒子(A2)分散ゾルを調製した。2リットルの容器に純水197gを入れ、シュウ酸スズ溶液269g(SnO2換算で7.5g、シュウ酸換算で6.7g含有)、チタンテトライソプロポキシド142g(TiO2換算で40g含有)、シュウ酸2水和物73g(シュウ酸換算で52g)、25質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液319gを攪拌下に添加した。得られた混合溶液は、シュウ酸/チタン原子のモル比1.3、水酸化テトラメチルアンモニウム/チタン原子のモル比1.75であった。該混合溶液1000gを、80℃で2時間保持し、更に580Torrまで減圧して2時間保持し、チタン混合溶液を調製した。調製後のチタン混合溶液のpHは5.1、電導度は30.9mS/cm、TiO2濃度4.0質量%であった。3リットルのガラスライニングされたオートクレーブ容器に上記チタン混合溶液1000gを投入し、140℃で5時間水熱処理を行った。室温に冷却後、取り出された水熱処理後の溶液は淡い乳白色の酸化チタンコロイド粒子の水分散ゾルであった。得られたゾルは、pH3.9、電導度32.6mS/cm、TiO2濃度4.0質量%、水酸化テトラメチルアンモニウム8.0質量%、シュウ酸5.9質量%、動的光散乱法粒子径16nm、透過型電子顕微鏡観察では、一次粒子径5〜15nmの楕円粒子が観察された。得られたゾルを110℃で乾燥させた粉末のX線回折分析を行い、ルチル型結晶であることが確認された。得られた酸化チタンコロイド粒子を酸化チタン含有粒子(A2)とした。
〔製造例3〕
特開平10−310429号公報の実施例2に基づいて、酸化チタン含有粒子(A3)の水分散ゾルを調製した。
(a)工程:四塩化チタン(TiO2換算27.2質量%、Cl32.0質量%、住友シチックス(株)製)587.5g(TiO2換算で159.8g)とオキシ炭酸ジルコニウム(ZrO2換算43.0質量%、第一稀元素化学(株)製)114.6g(ZrO2換算で49.2g)と水629.6gとを、3リットルのジャケット付きガラス製セパラブルフラスコにとり塩化チタンとオキシ塩化ジルコニウムの混合水溶液1331.7g(TiO2換算12.0質量%、ZrO2換算3.7質量%)を調製した。この水溶液をガラス製攪拌棒で攪拌しながら60℃まで加熱した後、冷却しながら35質量%の過酸化水素水358.0gと金属スズ粉末(山石金属(株)製:商品名AT−Sn、No.200)190.0gを添加した。過酸化水素水と金属スズの添加は、はじめに過酸化水素過酸化水素水35.8g(過酸化水素0.37モル)を、次いで金属スズ19.0g(スズ0.16モル)を徐々に加えた。この反応が終了するのを5〜10分程度待った後、過酸化水素水35.8g(過酸化水素0.37モル)を、次いで金属スズ19.0g(スズ0.16モル)を徐々に加えた。この様に過酸化水素に続く金属スズの添加を、5〜10分の間隔を置いて合計10回繰り返すことにより、(過酸化水素35.8gと金属スズ19.0g)×10回の分割添加を行った。反応は発熱反応のため金属スズの添加により80〜85℃になり、反応が終了した後に冷却されて60〜70℃に低下した。反応温度は60〜85℃で行われた。過酸化水素と金属スズの添加割合はH2O2/Snモル比で2.31であった。過酸化水素水と金属スズの添加に要した時間は2.5時間であった。なお、反応により水が蒸発するので適量の水の補充を行った。反応終了後、淡黄色透明な塩基性塩化チタン−ジルコニウム−スズ複合塩水溶液1780gを得た。得られた塩基性塩化チタン−ジルコニウム−スズ複合塩水溶液では、チタン成分はTiO2換算濃度として8.98質量%、ジルコニウム成分はZrO2換算濃度として2.76質量%、スズ成分はSnO2換算濃度として13.55質量%、ZrO2/TiO2モル比は0.2、TiO2/(ZrO2+SnO2)モル比1.0であった。また、(Ti+Zr+Sn)/Clモル比は0.76であった。
(b)工程:(a)工程で得られた塩基性塩化チタン−ジルコニウム−スズ複合塩水溶液1780gに28質量%アンモニア水259g、水6964gを添加し、TiO2+ZrO2+SnO2換算濃度で5質量%に希釈した。この水溶液を95〜98℃で12時間加水分解を行い、酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合コロイド粒子の凝集体スラリーを得た。
(c)工程:(b)工程で得られた酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合コロイド粒子の凝集体スラリーを限外濾過装置にて水約20リットルを用いて濃縮と注水の操作を繰り返し、過剰な電解質を洗浄除去した後、解膠させて、酸性の酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合コロイド粒子の水分散ゾル8400gを得た。透過型電子顕微鏡観察による酸化チタン−酸化第二スズ複合コロイド粒子の一次粒子径は4〜8nmであった。
(d)工程:(c)工程で得られた酸性の酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズコロイド粒子の複合ゾル9000gにイソプロピルアミン27.0gを添加し、アルカリ性にした後、更に限外濾過装置にて水約20リットルを用いて濃縮と注水の操作を繰り返し、過剰な電解質を洗浄除去し、アルカリ性の酸化チタン―酸化ジルコニウム―酸化第二スズ複合コロイド粒子の水分散ゾル8000gを得た。このゾルを陰イオン交換樹脂(アンバーライト(登録商標)IRA−410、オルガノ(株)製:)500ミリリットッルを詰めたカラムに通液し、陰イオンがほぼ除去されたアルカリ性の酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合コロイド粒子の水分散ゾル9050gを得た。このゾルを限外濾過装置にて、濃縮を行い、酸化チタン―酸化ジルコニウム―酸化第二スズ複合コロイド粒子の水分散濃縮ゾル3100gを得た。得られたゾルは比重1.140、粘度10.3mPa・s、pH10.31、電導度1105μs/cm、TiO2換算濃度5.18質量%、ZrO2換算濃度1.58質量%、SnO2換算濃度7.7質量%、透過型電子顕微鏡による一次粒子径は4〜8nmであった。得られた酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合コロイド粒子を酸化チタン含有粒子(A3)とした。得られたゾルを110℃で乾燥させた粉末のX線回折分析を行い、ルチル型結晶とアナターゼ結晶の混合体であることを確認した。
〔製造例4〕
特開平10−245224号公報の実施例2に基づいて、酸化チタン含有粒子(A4)の水分散ゾルを調製した。
(a)工程:四塩化チタン(住友シチックス(株)製:TiO2換算濃度27.2質量%、Cl32.0質量%)293.8g(TiO2換算で79.8g)と水371.6gとを、3リットルのジャケット付きガラス製セパラブルフラスコにとり、塩化チタン水溶液665g(TiO2換算濃度12.0質量%)を調製した。この水溶液をガラス製攪拌棒で攪拌しながら50℃まで加熱した後、冷却しながら35質量%の過酸化水素水950.8gと金属スズ粉末(山石金属(株)製:商品名AT−Sn、No.200)566.4gを添加した。過酸化水素水と金属スズの添加は、はじめに金属スズ31.5g(スズ0.265モル)を、次いで過酸化水素水53.8g(過酸化水素0.554モル)を徐々に加えた。この反応が終了するのを待って、金属スズ31.5g(スズ0.265モル)を、次いで過酸化水素水53.8g(過酸化水素0.554モル)を徐々に加えた。この様に金属スズの添加に続く過酸化水素水の添加を、5〜10分の間隔を置いて合計17回繰り返すことにより、(金属スズを31.5gと過酸化水素水を53.8g)×17回の分割添加を行った後、最後に金属スズ30.9gを、次いで過酸化水素水36.2gを添加し、合計18回の分割添加を行った。反応は発熱反応のため、金属スズの添加により水溶液は70〜75℃になり、反応が終了した後に冷却されて50〜60℃に低下した。反応は50〜75℃で行われた。過酸化水素と金属スズの1回分の添加割合はH2O2/Snモル比で2.09であった。過酸化水素水と金属スズの添加に要した時間は、3.0時間であった。反応終了後、塩基性塩化チタン−スズ複合塩水溶液3195.6gを得た。このときの濃度は、(TiO2+SnO2)換算の合計濃度として25質量%であった。
(b)工程:(a)工程で得られた塩基性塩化チタン−スズ複合塩水溶液2870gに水11269g、28質量%のアンモニア水211gを添加し、(TiO2+SnO2)換算濃度で5質量%に調整した。この水溶液を95℃で10時間加水分解を行い、酸化チタン−酸化第二スズ複合コロイドの凝集体スラリーを得た。
(c)工程:(b)工程で得られた酸化チタン−酸化第二スズ複合コロイドの凝集体スラリーを、限外濾過装置にて水約15リットルを用いて濃縮と注水の操作を繰り返し、過剰な電解質を洗浄除去した後、解膠させて酸性の酸化チタン−酸化第二スズ複合水分散ゾル14350gを得た。酸化チタン−酸化第二スズ複合コロイド粒子の透過型電子顕微鏡観察による一次粒子径は4〜8nmであった。
(d)工程:(c)工程で得た酸性の酸化チタン−酸化第二スズ複合ゾル14350gにイソプロピルアミン137gを添加してアルカリ性にした後、限外濾過装置にて水約24リットルを用いて濃縮と注水の操作を繰り返し、過剰な電解質を洗浄除去してアルカリ性の酸化チタン−酸化第二スズ複合水分散ゾル14600gを得た。更に陰イオン交換樹脂(オルガノ(株)製:アンバーライト(登録商標)IRA−410)200ミリリットッルを詰めたカラムに通液し、陰イオンがほぼ除去されたアルカリ性の酸化チタン−酸化第二スズ複合水分散ゾル15500gを得た。このゾルをロータリーエバポレーターにて減圧下で濃縮を行い、酸化チタン含有粒子(A4)の水分散ゾル7000gを得た。このときの(TiO2+SnO2)換算濃度は10質量%であった。酸化チタン含有粒子(A4)の透過型電子顕微鏡観察による一次粒子径は4〜8nmであった。得られたゾルを110℃で乾燥させた粉末のX線回折分析を行い、ルチル型結晶であることを確認した。
〔製造例5〕
JIS3号珪酸ナトリウム(SiO2として29.8質量%含有、富士化学(株)製)77.2gを純水1282gに溶解し、次いでスズ酸ナトリウムNaSnO3・H2O(SnO2として55.1質量%含有、昭和化工(株)製)20.9gを溶解した。得られた水溶液を水素型陽イオン交換樹脂(アンバーライト(登録商標)IR−120B)を充填したカラムに通すことにより、酸性の二酸化珪素−酸化第二スズ複合コロイド粒子(B1)の水分散ゾル(pH2.4、SnO2として0.44質量%、SiO2として0.87質量%を含有、SiO2/SnO2質量比2.0)2634gを得た。次いで得られた水分散ゾルにジイソプロピルアミンを6.9g添加した。得られたゾルはアルカリ性の二酸化珪素−酸化第二スズ複合コロイド粒子(B1)の水分散ゾルであり、pH8.0であった。該水分散ゾルは、透過型電子顕微鏡により5nm以下の一次粒子径のコロイド粒子が観察された。
〔実施例1〕
製造例1で得られた酸化チタン含有粒子(A1)の水分散ゾル207gにクエン酸4gとジイソプロピルアミン1.2gを添加、95℃で熟成した。次いで限外濾過法により濃縮した。得られた水分散ゾルは、pH6.0、全金属酸化物濃度19.3質量%であり、このゾルの透過型電子顕微鏡観察では、一次粒子径は4〜8nmのコロイド粒子が観察された。得られた水分散ゾルの分散媒をロータリーエバポレーターを用いてメタノールに置換して、酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを得た。このメタノール分散ゾルは、全金属酸化物濃度30質量%、粘度2.3mPa・s、動的光散乱法による粒子径(DLS粒子径:BECKMAN COULTER社製N4PLUSにより測定した。)27nm、水分3質量%以下であった。得られたメタノール分散ゾル10gとコバルト(II)アセチルアセトナート(TCI製)0.003gを密栓のできるガラス瓶に入れ、試料を調整した。得られたゾルは、色調の変化も無く、良好な分散性を示した。また、チタン原子とコバルト原子とのモル比(Co/Ti)は5.5×10-4であった。
〔実施例2〕
製造例2で得られた酸化チタン含有粒子(A2)の水分散ゾル195gにクエン酸4gとジイソプロピルアミン1.2gを添加、95℃で熟成した。次いで限外濾過法により濃縮した。得られた水分散ゾルは、pH3.8、全金属酸化物濃度20.5質量%であり、このゾルの透過型電子顕微鏡観察では、一次粒子径は5〜15nmのコロイド粒子が観察された。得られた水分散ゾルの分散媒をロータリーエバポレーターを用いてメタノールに置換して、酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを得た。このメタノール分散ゾルは、全金属酸化物濃度30質量%、粘度2.3mPa・s、DLS粒子径34nm、水分2.5質量%であった。得られたメタノール分散ゾル10gとコバルト(II)アセチルアセトナート(TCI製)0.003gを密栓のできるガラス瓶に入れ、試料を調整した。得られたゾルは、色調の変化も無く、良好な分散性を示した。また、チタン原子とコバルト原子とのモル比(Co/Ti)は5.5×10-4であった。
〔実施例3〕
製造例5で調製したアルカリ性の二酸化珪素−酸化第二スズ複合コロイド粒子(B1)の水分散ゾル990gに撹拌下で酸化チタン含有粒子(A2)の水分散ゾルを1075g添加し、95℃で加熱熟成することで二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子の水分散ゾルを得た。得られた水分散ゾルは2020gで全金属酸化物濃度は2.8質量%であり、このゾルの透過型電子顕微鏡観察による一次粒子径は5〜18nmであった。更に得られた水分散ゾルの分散媒をロータリーエバポレーターを用いてメタノールに置換して、二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを得た。得られたメタノール分散ゾルは濃度30質量%、粘度1.8mPa・s、DLS粒子径19nm、水分0.6質量%であった。得られたメタノール分散ゾル10gとコバルト(II)アセチルアセトナート(TCI製)0.003gを密栓のできるガラス瓶に入れ、試料を調整した。得られたゾルは、色調の変化も無く、良好な分散性を示した。また、チタン原子とコバルト原子とのモル比(Co/Ti)は5.5×10-4であった。
〔実施例4〕
製造例1で調製した酸化チタン含有粒子(A1)の水分散ゾル1331gを製造例5で調製したアルカリ性の二酸化珪素−酸化第二スズ複合コロイド粒子(B1)の水分散ゾル1090gに撹拌下で添加した。次いで95℃で加熱熟成することで、二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子の水分散ゾルを得た。得られた水分散ゾルの全金属酸化物濃度は2.7質量%であり、このゾルの透過型電子顕微鏡観察による一次粒子径は5〜10nmであった。次いで、得られた水分散ゾルの分散媒をロータリーエバポレーターを用いてメタノールに置換して、二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを得た。このメタノール分散ゾルは、全金属酸化物濃度30質量%、粘度2.2mPa・s、DLS粒子径22nm、水分1.0質量%であった。得られたメタノール分散ゾル10gとコバルト(II)アセチルアセトナート(TCI製)0.003gを密栓のできるガラス瓶に入れ、試料を調整した。得られたゾルは、色調の変化も無く、良好な分散性を示した。また、チタン原子とコバルト原子とのモル比(Co/Ti)は5.5×10-4であった。
〔実施例5〕
オキシ塩化ジルコニウム(ZrO2として21.19質量%含有、第一稀元素化学工業(株)製)35.9gを純水217gで希釈して、オキシ塩化ジルコニウム水溶液253g(ZrO2として3.0質量%含有)を調製し、製造例2で調製した酸化チタン含有粒子(A2)の水分散ゾル1000gを攪拌下に添加した。次いで95℃に加熱することにより加水分解を行って、酸化ジルコニウムが複合化した酸化チタン含有粒子の水分散ゾルが得られた。得られた水分散ゾルは、pH1.2、全金属酸化物濃度2.0質量%であり、このゾルの透過型電子顕微鏡観察では、一次粒子径は5〜15nmのコロイド粒子が観察された。得られた水分散ゾル1231gを製造例5で調製したアルカリ性の二酸化珪素−酸化第二スズ複合コロイド粒子(B1)の水分散ゾル1090gに撹拌下で添加した。次いでアニオン交換樹脂(アンバーライト(登録商標)IRA−410、オルガノ(株)製)500ミリリットッルを詰めたカラムに通液した。次いで通液後の水分散ゾルを150℃で3時間加熱し、次いで限外濾過法により濃縮し、二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子の水分散ゾルを得た。得られた水分散ゾルは濃度18質量%、粘度2.0mPa・s、DLS粒子径27nmであった。得られた水分散ゾル16gとコバルト(II)アセチルアセトナート(TCI製)0.003gを密栓のできるガラス瓶に入れ、試料を調整した。得られたゾルは、色調の変化も無く、良好な分散性を示した。また、チタン原子とコバルト原子とのモル比(Co/Ti)は5.5×10-4であった。
〔実施例6〕
実施例5の150℃加熱後の二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子の水分散ゾル2877gで更にロータリーエバポレーターを用いて分散媒をメタノールに置換して、二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを得た。得られたメタノール分散ゾルは濃度30質量%、粘度2.0mPa・s、DLS粒子径24nm、水分0.9質量%であった。得られたメタノール分散ゾル10gとコバルト(II)アセチルアセトナート(TCI製)0.003gを密栓のできるガラス瓶に入れ、試料を調整した。得られたゾルは、色調の変化も無く、良好な分散性を示した。また、チタン原子とコバルト原子とのモル比(Co/Ti)は5.5×10-4であった。
〔実施例7〕
オキシ塩化ジルコニウム(ZrO2として21.19質量%含有、第一稀元素化学工業(株)製)39.2gを純水237gで希釈して、オキシ塩化ジルコニウム水溶液277g(ZrO2として3.0質量%含有)を調製し、製造例4で調製した酸化チタン含有粒子(A4)の水分散ゾル416.7gを攪拌下で添加した。次いで95℃に加熱することにより加水分解を行って、酸化ジルコニウムが複合化した酸化チタン含有粒子の水分散ゾルが得られた。得られた水分散ゾルはpH1.1、全金属酸化物濃度5.2質量%であり、このゾルの透過型電子顕微鏡観察では、一次粒子径は4〜8nmのコロイド粒子が観察された。得られた水分散ゾル961.5gを製造例5で調整したアルカリ性の二酸化珪素−酸化第二スズ複合コロイド粒子(B1)の水分散ゾル138.2gに攪拌下で添加した。次いでアニオン交換樹脂(アンバーライト(登録商標)IRA−410、オルガノ(株)製)500ミリリットッルを詰めたカラムに通液した。次いで通液後の水分散ゾルを150℃で3時間加熱し、次いで限外濾過法により濃縮し、二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子の水分散ゾルを得た。得られた水分散ゾルの全金属酸化物濃度19.3質量%であり、このゾルの透過型電子顕微鏡観察では、一次粒子径は4〜10nmのコロイド粒子が観察された。得られた水分散ゾルの分散媒をロータリーエバポレーターを用いてメタノールに置換して、二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを得た。このメタノール分散ゾルは、全金属酸化物濃度30質量%、粘度3.2mPa・s、DLS粒子径32nm、水分1.2質量%であった。得られたメタノール分散ゾル10gとコバルト(II)アセチルアセトナート(TCI製)0.002gを密栓のできるガラス瓶に入れ、試料を調整した。得られたゾルは、色調の変化も無く、良好な分散性を示した。また、チタン原子とコバルト原子とのモル比(Co/Ti)は3.7×10-4であった。
〔実施例8〕
製造例3で調製した酸化チタン含有粒子(A3)の水分散ゾル1298.7gを製造例5で調製したアルカリ性の二酸化珪素−酸化第二スズ複合コロイド粒子(B1)の水分散ゾル2634gに撹拌下で添加し、次いで95℃で3時間加熱した。次いで限外濾過膜法で濃縮し、二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子の水分散ゾルを得た。得られた水分散ゾルの全金属酸化物濃度は20質量%であり、このゾルの透過型電子顕微鏡観察による一次粒子径は5〜10nmであった。次いで、得られた水分散ゾルの分散媒をロータリーエバポレーターを用いてメタノールに置換して、二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを得た。このメタノール分散ゾルは、全金属酸化物濃度30質量%、粘度3.2mPa・s、DLS粒子径36nm、水分1.5質量%であった。得られたメタノール分散ゾル10gとコバルト(II)アセチルアセトナート(TCI製)0.005gを密栓のできるガラス瓶に入れ、試料を調整した。得られたゾルは、色調の変化も無く、良好な分散性を示した。また、チタン原子とコバルト原子とのモル比(Co/Ti)は9.1×10-4であった。
〔比較例1〕
製造例1で得られた酸化チタン含有粒子(A1)の水分散ゾル207gにクエン酸4gとジイソプロピルアミン1.2gを添加、95℃で熟成した。次いで限外濾過法により濃縮し、被覆酸化チタン含有粒子の水分散ゾルを得た。得られた水分散ゾルは、pH6.0、全金属酸化物濃度19.3質量%であり、このゾルの透過型電子顕微鏡観察では、一次粒子径は4〜8nmのコロイド粒子が観察された。得られた水分散ゾルの分散媒をロータリーエバポレーターを用いてメタノールに置換して、酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを得た。得られたメタノール分散ゾルは、全金属酸化物濃度30質量%、粘度2.3mPa・s、DLS粒子径27nm、水分3質量%以下であった。
製造例1で得られた酸化チタン含有粒子(A1)の水分散ゾル207gにクエン酸4gとジイソプロピルアミン1.2gを添加、95℃で熟成した。次いで限外濾過法により濃縮し、被覆酸化チタン含有粒子の水分散ゾルを得た。得られた水分散ゾルは、pH6.0、全金属酸化物濃度19.3質量%であり、このゾルの透過型電子顕微鏡観察では、一次粒子径は4〜8nmのコロイド粒子が観察された。得られた水分散ゾルの分散媒をロータリーエバポレーターを用いてメタノールに置換して、酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを得た。得られたメタノール分散ゾルは、全金属酸化物濃度30質量%、粘度2.3mPa・s、DLS粒子径27nm、水分3質量%以下であった。
〔比較例2〕
製造例2で得られた酸化チタン含有粒子(A2)の水分散ゾル195gにクエン酸4gとジイソプロピルアミン1.2gを添加、95℃で熟成した。次いで限外濾過法により濃縮し、酸化チタン含有粒子の水分散ゾルを得た。得られた水分散ゾルは、pH3.8、全金属酸化物濃度20.5質量%であり、このゾルの透過型電子顕微鏡観察では、一次粒子径は5〜15nmのコロイド粒子が観察された。得られた水分散ゾルの分散媒をロータリーエバポレーターを用いてメタノールに置換して、酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを得た。このメタノール分散ゾルは、全金属酸化物濃度30質量%、粘度2.3mPa・s、DLS粒子径34nm、水分2.5質量%であった。
〔比較例3〕
製造例1で調製した酸化チタン含有粒子(A1)の水分散ゾル1666gを製造例5で調製したアルカリ性の二酸化珪素−酸化第二スズ複合コロイド粒子(B1)の水分散ゾル1317gに撹拌下で添加した。次いで通液後の水分散ゾルを95℃で3時間加熱した後、限外濾過膜法で濃縮し、酸化チタン含有粒子(A1)と二酸化珪素−酸化第二スズ複合コロイド粒子(B1)からなる被覆層とから形成された二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子の水分散ゾルを得た。得られた水分散ゾルの全金属酸化物濃度は16.8質量%であり、このゾルの透過型電子顕微鏡観察による一次粒子径は5〜10nmであった。更に得られた水分散ゾルの分散媒をロータリーエバポレーターを用いてメタノールに置換して、酸化チタン含有粒子(A1)と二酸化珪素−酸化第二スズ複合コロイド粒子(B1)からなる被覆層とから形成された二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを得た。得られたメタノール分散ゾルは濃度25質量%、粘度1.6mPa・s、DLS粒子径13nm、水分2.5質量%であった。
製造例2で得られた酸化チタン含有粒子(A2)の水分散ゾル195gにクエン酸4gとジイソプロピルアミン1.2gを添加、95℃で熟成した。次いで限外濾過法により濃縮し、酸化チタン含有粒子の水分散ゾルを得た。得られた水分散ゾルは、pH3.8、全金属酸化物濃度20.5質量%であり、このゾルの透過型電子顕微鏡観察では、一次粒子径は5〜15nmのコロイド粒子が観察された。得られた水分散ゾルの分散媒をロータリーエバポレーターを用いてメタノールに置換して、酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを得た。このメタノール分散ゾルは、全金属酸化物濃度30質量%、粘度2.3mPa・s、DLS粒子径34nm、水分2.5質量%であった。
〔比較例3〕
製造例1で調製した酸化チタン含有粒子(A1)の水分散ゾル1666gを製造例5で調製したアルカリ性の二酸化珪素−酸化第二スズ複合コロイド粒子(B1)の水分散ゾル1317gに撹拌下で添加した。次いで通液後の水分散ゾルを95℃で3時間加熱した後、限外濾過膜法で濃縮し、酸化チタン含有粒子(A1)と二酸化珪素−酸化第二スズ複合コロイド粒子(B1)からなる被覆層とから形成された二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子の水分散ゾルを得た。得られた水分散ゾルの全金属酸化物濃度は16.8質量%であり、このゾルの透過型電子顕微鏡観察による一次粒子径は5〜10nmであった。更に得られた水分散ゾルの分散媒をロータリーエバポレーターを用いてメタノールに置換して、酸化チタン含有粒子(A1)と二酸化珪素−酸化第二スズ複合コロイド粒子(B1)からなる被覆層とから形成された二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを得た。得られたメタノール分散ゾルは濃度25質量%、粘度1.6mPa・s、DLS粒子径13nm、水分2.5質量%であった。
〔比較例4〕
オキシ塩化ジルコニウム(ZrO2として21.19質量%含有、第一稀元素化学工業(株)製)39.2gを純水237gで希釈して、オキシ塩化ジルコニウム水溶液277g(ZrO2として3.0質量%含有)を調製し、製造例4で調製した酸化チタン含有粒子(A4)の水分散ゾル416.7gを攪拌下で添加した。次いで95℃に加熱することにより加水分解を行って、酸化ジルコニウムが複合化した酸化チタン含有粒子の水分散ゾルが得られた。得られた水分散ゾルはpH1.1、全金属酸化物濃度5.0質量%であり、このゾルの透過型電子顕微鏡観察では、一次粒子径は4〜8nmのコロイド粒子が観察された。得られた水分散ゾル1000gを製造例5で調整したアルカリ性の二酸化珪素−酸化第二スズ複合コロイド粒子(B1)の水分散ゾル138.2gに攪拌下で添加した。次いでアニオン交換樹脂(アンバーライト(登録商標)IRA−410、オルガノ(株)製)500ミリリットッルを詰めたカラムに通液した。次いで通液後の水分散ゾルを150℃で3時間加熱し、次いで限外濾過法により濃縮し、二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子の水分散ゾルを得た。得られた水分散ゾルの全金属酸化物濃度20.5質量%であり、このゾルの透過型電子顕微鏡観察では、一次粒子径は4〜10nmのコロイド粒子が観察された。得られた水分散ゾルの分散媒をロータリーエバポレーターを用いてメタノールに置換して、二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを得た。このメタノール分散ゾルは、全金属酸化物濃度30質量%、粘度3.8mPa・s、DLS粒子径41nm、水分0.9質量%であった。
〔比較例5〕
実施例5の150℃加熱後の二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子の水分散ゾル2877gで更にロータリーエバポレーターを用いて分散媒をメタノールに置換して、二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを得た。得られたメタノール分散ゾルは濃度30質量%、粘度2.0mPa・s、DLS粒子径24nm、水分0.9質量%であった。得られたメタノール分散ゾル10gとコバルト(II)アセチルアセトナート(TCI製)0.0005gを密栓のできるガラス瓶に入れ、試料を調製した。得られた試料は、色調の変化も無く、良好な分散性を示した。また、チタン原子とコバルト原子とのモル比(Co/Ti)は9.1×10-5であった。
〔比較例6〕
製造例3で調製した酸化チタン含有粒子(A3)の水分散ゾル1298.7gを製造例5で調製したアルカリ性の二酸化珪素−酸化第二スズ複合コロイド粒子(B1)の水分散ゾル706.9gに撹拌下で添加した。次いで通液後の水分散ゾルを95℃で3時間加熱した後、限外濾過膜法で濃縮し、酸化チタン含有粒子(A3)と二酸化珪素−酸化第二スズ複合コロイド粒子(B1)からなる被覆層とから形成された二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子の水分散ゾルを得た。得られた水分散ゾルの全金属酸化物濃度は17.3質量%であり、このゾルの透過型電子顕微鏡観察による一次粒子径は5〜10nmであった。更に得られた水分散ゾルの分散媒をロータリーエバポレーターを用いてメタノールに置換して、酸化チタン含有粒子(A3)と二酸化珪素−酸化第二スズ複合コロイド粒子(B1)からなる被覆層とから形成された二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを得た。得られたメタノール分散ゾルは濃度30質量%、粘度3.2mPa・s、DLS粒子径36nm、水分1.5質量%であった。
〔実施例9〕
マグネチックスターラーを備えたガラス製の容器にγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン55.8質量部を加え、撹拌しながら0.01規定の塩酸19.5質量部を3時間で滴下した。滴下終了後、0.5時間撹拌を行い、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの部分加水分解物を得た。次に実施例1で得られた酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾル(全金属酸化物換算で30質量%を含有する。)151.0質量部、ブチルセロソルブ65質量部、更に硬化剤としてアルミニウムアセチルアセトネート0.9質量部を前記γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの部分加水分解物75.3質量部に加え、十分に撹拌した後、ろ過を行ってコーティング組成物を作製した。また、市販の水分散エマルションポリウレタン(スーパーフレックス(登録商標)170:第一工業製薬(株)製、固形分濃度30質量%)を151.0質量部、純水74質量部を混合し、下地層用コーティング液を調製した。得られたコーティング液は10℃で60日間保管しても粘度の上昇も無く、安定であった。
(硬化膜の形成)
市販の屈折率nD=1.59のポリカーボネート板を用意し、これにスピンコート法でまず上記の下地層用コーティング組成物を塗布し、100℃で30分加熱処理して下地塗膜を形成させた。次に上記のコーティング組成物をスピンコート法で塗布し、120℃で2時間加熱処理して、塗膜を硬化させた。
〔実施例10〕
実施例2で得られた酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾル(全金属酸化物換算で30質量%を含有する。)151.5質量部を用いた以外は、実施例9と同様に行った。
〔実施例11〕
実施例3で得られた二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子の水分散ゾル(全金属酸化物換算で18質量%を含有する。)251.7質量部を用いた以外は、実施例9と同様に行った。
〔実施例12〕
実施例4で得られた二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾル(全金属酸化物換算で30質量%を含有する。)151.5質量部を用いた以外は実施例9と同様に行った。
〔実施例13〕
実施例5で得られた二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾル(全金属酸化物換算で30質量%を含有する。)151質量部を用いた以外は実施例9と同様に行った。
〔実施例14〕
実施例6で得られた二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子の水分散ゾル(全金属酸化物換算で30質量%を含有する。)151質量部を用いた以外は実施例9と同様に行った。
〔実施例15〕
実施例7で得られた二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子の水分散ゾル(全金属酸化物換算で30質量%を含有する。)151質量部を用いた以外は実施例9と同様に行った。
〔実施例16〕
実施例8で得られた二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子の水分散ゾル(全金属酸化物換算で30質量%を含有する。)151質量部を用いた以外は実施例9と同様に行った。
〔比較例7〕
比較例1で得られた酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを用いた以外は実施例9と同様に行った。
〔比較例8〕
比較例2で得られた酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを用いた以外は実施例9と同様に行った。
〔比較例9〕
比較例3で得られた二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを用いた以外は実施例9と同様に行った。
〔比較例10〕
比較例4で得られた二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを用いた以外は実施例9と同様に行った。
〔比較例11〕
比較例5で調製した試料を用いた以外は実施例9と同様に行った。
〔比較例12〕
比較例6で得られた二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを用いた以外は実施例9と同様に行った。
オキシ塩化ジルコニウム(ZrO2として21.19質量%含有、第一稀元素化学工業(株)製)39.2gを純水237gで希釈して、オキシ塩化ジルコニウム水溶液277g(ZrO2として3.0質量%含有)を調製し、製造例4で調製した酸化チタン含有粒子(A4)の水分散ゾル416.7gを攪拌下で添加した。次いで95℃に加熱することにより加水分解を行って、酸化ジルコニウムが複合化した酸化チタン含有粒子の水分散ゾルが得られた。得られた水分散ゾルはpH1.1、全金属酸化物濃度5.0質量%であり、このゾルの透過型電子顕微鏡観察では、一次粒子径は4〜8nmのコロイド粒子が観察された。得られた水分散ゾル1000gを製造例5で調整したアルカリ性の二酸化珪素−酸化第二スズ複合コロイド粒子(B1)の水分散ゾル138.2gに攪拌下で添加した。次いでアニオン交換樹脂(アンバーライト(登録商標)IRA−410、オルガノ(株)製)500ミリリットッルを詰めたカラムに通液した。次いで通液後の水分散ゾルを150℃で3時間加熱し、次いで限外濾過法により濃縮し、二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子の水分散ゾルを得た。得られた水分散ゾルの全金属酸化物濃度20.5質量%であり、このゾルの透過型電子顕微鏡観察では、一次粒子径は4〜10nmのコロイド粒子が観察された。得られた水分散ゾルの分散媒をロータリーエバポレーターを用いてメタノールに置換して、二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを得た。このメタノール分散ゾルは、全金属酸化物濃度30質量%、粘度3.8mPa・s、DLS粒子径41nm、水分0.9質量%であった。
〔比較例5〕
実施例5の150℃加熱後の二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子の水分散ゾル2877gで更にロータリーエバポレーターを用いて分散媒をメタノールに置換して、二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを得た。得られたメタノール分散ゾルは濃度30質量%、粘度2.0mPa・s、DLS粒子径24nm、水分0.9質量%であった。得られたメタノール分散ゾル10gとコバルト(II)アセチルアセトナート(TCI製)0.0005gを密栓のできるガラス瓶に入れ、試料を調製した。得られた試料は、色調の変化も無く、良好な分散性を示した。また、チタン原子とコバルト原子とのモル比(Co/Ti)は9.1×10-5であった。
〔比較例6〕
製造例3で調製した酸化チタン含有粒子(A3)の水分散ゾル1298.7gを製造例5で調製したアルカリ性の二酸化珪素−酸化第二スズ複合コロイド粒子(B1)の水分散ゾル706.9gに撹拌下で添加した。次いで通液後の水分散ゾルを95℃で3時間加熱した後、限外濾過膜法で濃縮し、酸化チタン含有粒子(A3)と二酸化珪素−酸化第二スズ複合コロイド粒子(B1)からなる被覆層とから形成された二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子の水分散ゾルを得た。得られた水分散ゾルの全金属酸化物濃度は17.3質量%であり、このゾルの透過型電子顕微鏡観察による一次粒子径は5〜10nmであった。更に得られた水分散ゾルの分散媒をロータリーエバポレーターを用いてメタノールに置換して、酸化チタン含有粒子(A3)と二酸化珪素−酸化第二スズ複合コロイド粒子(B1)からなる被覆層とから形成された二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを得た。得られたメタノール分散ゾルは濃度30質量%、粘度3.2mPa・s、DLS粒子径36nm、水分1.5質量%であった。
〔実施例9〕
マグネチックスターラーを備えたガラス製の容器にγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン55.8質量部を加え、撹拌しながら0.01規定の塩酸19.5質量部を3時間で滴下した。滴下終了後、0.5時間撹拌を行い、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの部分加水分解物を得た。次に実施例1で得られた酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾル(全金属酸化物換算で30質量%を含有する。)151.0質量部、ブチルセロソルブ65質量部、更に硬化剤としてアルミニウムアセチルアセトネート0.9質量部を前記γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの部分加水分解物75.3質量部に加え、十分に撹拌した後、ろ過を行ってコーティング組成物を作製した。また、市販の水分散エマルションポリウレタン(スーパーフレックス(登録商標)170:第一工業製薬(株)製、固形分濃度30質量%)を151.0質量部、純水74質量部を混合し、下地層用コーティング液を調製した。得られたコーティング液は10℃で60日間保管しても粘度の上昇も無く、安定であった。
(硬化膜の形成)
市販の屈折率nD=1.59のポリカーボネート板を用意し、これにスピンコート法でまず上記の下地層用コーティング組成物を塗布し、100℃で30分加熱処理して下地塗膜を形成させた。次に上記のコーティング組成物をスピンコート法で塗布し、120℃で2時間加熱処理して、塗膜を硬化させた。
〔実施例10〕
実施例2で得られた酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾル(全金属酸化物換算で30質量%を含有する。)151.5質量部を用いた以外は、実施例9と同様に行った。
〔実施例11〕
実施例3で得られた二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子の水分散ゾル(全金属酸化物換算で18質量%を含有する。)251.7質量部を用いた以外は、実施例9と同様に行った。
〔実施例12〕
実施例4で得られた二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾル(全金属酸化物換算で30質量%を含有する。)151.5質量部を用いた以外は実施例9と同様に行った。
〔実施例13〕
実施例5で得られた二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾル(全金属酸化物換算で30質量%を含有する。)151質量部を用いた以外は実施例9と同様に行った。
〔実施例14〕
実施例6で得られた二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子の水分散ゾル(全金属酸化物換算で30質量%を含有する。)151質量部を用いた以外は実施例9と同様に行った。
〔実施例15〕
実施例7で得られた二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子の水分散ゾル(全金属酸化物換算で30質量%を含有する。)151質量部を用いた以外は実施例9と同様に行った。
〔実施例16〕
実施例8で得られた二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子の水分散ゾル(全金属酸化物換算で30質量%を含有する。)151質量部を用いた以外は実施例9と同様に行った。
〔比較例7〕
比較例1で得られた酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを用いた以外は実施例9と同様に行った。
〔比較例8〕
比較例2で得られた酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを用いた以外は実施例9と同様に行った。
〔比較例9〕
比較例3で得られた二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを用いた以外は実施例9と同様に行った。
〔比較例10〕
比較例4で得られた二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを用いた以外は実施例9と同様に行った。
〔比較例11〕
比較例5で調製した試料を用いた以外は実施例9と同様に行った。
〔比較例12〕
比較例6で得られた二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物被覆酸化チタン含有粒子のメタノール分散ゾルを用いた以外は実施例9と同様に行った。
実施例9〜16、比較例7〜12に関する塗膜の評価結果を表1に示した。尚、実施例及び比較例で得られたゾル、塗膜は、以下に示す測定方法により諸物性を測定した。
(1)ゾルの変色性試験
得られたゾルを密栓できるガラス容器に入れ、高圧水銀灯下(アーク製作所(株)製UV−300)で暴露を30分行い、暴露前後のゾルの色調外観の変化(青変)を目視で判断した。
A:全く変色していない(透明性の高い乳白色)
B:ほとんど変色していない(微かに青色)
C:激しく変色している(青色)
(2)耐候性試験
得られた硬化膜について高圧水銀灯(アーク製作所(株)製 UV−800)下で暴露を100時間行い、暴露後の硬化膜の色調の変化を目視で判断した。
A:全く変色していない(無色透明)
B:ほとんど変色していない(微かに青色)
C:激しく変色している(青色)
(3)耐クラック性試験
(2)の耐候性試験で使用した試験片を目視で外観を観察し、クラックの有無を判断した。
A:全くクラックが発生しない
B:ほとんどクラック発生しない
C:全面のクラックが発生
(4)耐擦傷性試験
スチールウール#0000を用いて、硬化させた塗膜表面を1kg荷重で10往復擦り、傷の付きにくさを目視で判断した。判断基準は下記の通りである。
A:全く傷が確認できない
B:若干の傷が確認できる
C:目立った傷が多数確認できる
(5)透明性試験
暗室内にて蛍光灯の光を当て、硬化させた塗膜の曇りの有無を目視で調べた。判断基準は次の通りである。
A:曇りがない
B:曇りが僅かある
C:曇りがある
(1)ゾルの変色性試験
得られたゾルを密栓できるガラス容器に入れ、高圧水銀灯下(アーク製作所(株)製UV−300)で暴露を30分行い、暴露前後のゾルの色調外観の変化(青変)を目視で判断した。
A:全く変色していない(透明性の高い乳白色)
B:ほとんど変色していない(微かに青色)
C:激しく変色している(青色)
(2)耐候性試験
得られた硬化膜について高圧水銀灯(アーク製作所(株)製 UV−800)下で暴露を100時間行い、暴露後の硬化膜の色調の変化を目視で判断した。
A:全く変色していない(無色透明)
B:ほとんど変色していない(微かに青色)
C:激しく変色している(青色)
(3)耐クラック性試験
(2)の耐候性試験で使用した試験片を目視で外観を観察し、クラックの有無を判断した。
A:全くクラックが発生しない
B:ほとんどクラック発生しない
C:全面のクラックが発生
(4)耐擦傷性試験
スチールウール#0000を用いて、硬化させた塗膜表面を1kg荷重で10往復擦り、傷の付きにくさを目視で判断した。判断基準は下記の通りである。
A:全く傷が確認できない
B:若干の傷が確認できる
C:目立った傷が多数確認できる
(5)透明性試験
暗室内にて蛍光灯の光を当て、硬化させた塗膜の曇りの有無を目視で調べた。判断基準は次の通りである。
A:曇りがない
B:曇りが僅かある
C:曇りがある
本願発明の実施例1〜16は、ゾル変色性、耐候性、耐クラック性、耐擦傷性及び長期安定性に優れるものであった。比較例1〜12は、ゾル変色性、耐候性及び耐クラック性において十分なものとは言えなかった。
Claims (13)
- 1〜200nmの一次粒子径を有する酸化チタン含有粒子(A)と脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、アミン、アミノポリカルボン酸、アミノ酸及びβ−ジケトンからなる群から選ばれる少なくとも1種を配位子とするコバルト錯体とを含み、前記酸化チタン含有粒子(A)中のチタン原子と前記コバルト錯体中のコバルト原子とのモル比(Co/Ti)が1.4×10-3〜2.8×10-4である酸化チタン系微粒子の分散液。
- 前記酸化チタン含有粒子(A)は、Si、Al、Sn、Zr、Zn、Sb、Nb、Ta及びWからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む請求項1に記載の酸化チタン系微粒子の分散液。
- 前記酸化チタン含有粒子(A)は、酸化チタン含有核粒子(a)の表面を二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物粒子(b)によって被覆されたコア−シェル粒子であって、前記二酸化珪素−酸化第二スズ複合酸化物粒子(b)の被覆量が前記酸化チタン含有粒子(a)に対して質量比で0.01〜1.0である請求項1又は2に記載の酸化チタン系微粒子の分散液。
- 前記酸化チタン含有粒子(A)の結晶型はルチル型である請求項1〜3のいずれか一項に記載の酸化チタン系微粒子の分散液。
- 前記コバルト錯体は、アセチルアセトン錯体、エチレンジアミン四酢酸錯体及び酢酸錯体から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか一項に記載の酸化チタン系微粒子の分散液。
- 前記酸化チタン含有粒子(A)の表面に有機珪素化合物が結合されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の酸化チタン系微粒子の分散液。
- 分散媒は、水及び/又は有機溶媒である請求項1〜6のいずれか一項に記載の酸化チタン系微粒子の分散液。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の酸化チタン系微粒子の分散液と、マトリックス形成成分として下記式(I)
R1 mR2 nSi(OR3)4-(m+n) (I)
(式中、R1は炭素原子数1〜6の炭化水素基、ビニル基、メタクリロキシ基又はメルカプト基、アクリル基、アミノ基若しくはエポキシ基を有する有機基、R2は炭素原子数1〜4の炭化水素基、R3は炭素原子数1〜8の炭化水素基又はアシル基、m、nは0又は1を表す。)
で表される有機珪素化合物及び該有機珪素化合物の加水分解物並びにその部分縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1種とを含有するコーティング組成物。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載の酸化チタン系微粒子の分散液と、マトリックス形成成分として、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂及び紫外線硬化樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂とを含有するコーティング組成物。
- 前記マトリックス形成成分が、ポリエステル系樹脂又はウレタン系樹脂である請求項9に記載のコーティング組成物。
- 基材表面に、請求項8〜10のいずれか一項に記載のコーティング組成物を用いて形成された透明膜を有する透明膜付基材。
- 基材表面に、請求項9又は10に記載のコーティング組成物を用いて形成されたプライマー膜を有し、更に該プライマー膜上に請求項8に記載のコーティング組成物を用いて形成された硬化膜を有する透明膜付基材。
- 前記透明膜又は硬化膜の上に、更に反射防止膜を有する請求項11又は12に記載の透明膜付基材。
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