JP4240975B2 - 電動機を内蔵した車両用駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電動機を動力源とした電気自動車や内燃機関と電動機とを動力源としたハイブリッド車などの車両における駆動装置に関し、特に電動機を内蔵している駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近では、化石燃料の燃焼に伴う排ガスを可及的に削減し、また併せて燃料の消費量を削減するために、電動機を動力源として備えた車両が開発されている。この種の車両では、電動機(もしくは発電・電動機)を外部環境から保護するためにケーシングの内部に収容することになるが、電源はそのケーシングの外部に配置されているから、ケーシングを貫通してパワーケーブルを電動機もしくはそのコイルに接続する必要がある。一方、電動機を含む駆動装置は他の一般の装置と同様に可及的に小型軽量であることが好ましく、乗用車などにおいては、室内空間を確保するためにその要求が特に強い。
【0003】
そこで、例えば特開平11−98755号公報に記載された発明では、電気自動車用駆動装置におけるケースの外形を小さくするために、電動機におけるコイルのリードとパワーケーブルとを接続する接続部を、コイルの端部近傍におけるケース周壁に設け、その接続部に対して軸線方向に整合する窓孔をケースに設けている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−98755号公報(段落(0015)〜(0017)、図1、図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の公報に記載された構成では、コイルの端部に近い位置でリードとパワーケーブルとを接続することになるが、その接続部がケースの軸線方向における中間部に位置することになるので、ケースがその部分で大径となり、あるいはパワーケーブルを配索するためのスペースをケースの軸線方向での中央部に対応する箇所に設ける必要がある。そのため例えば前置きエンジン・後輪駆動車において、変速機構と共に上記の電動機をケーシングの内部に収容した構成の駆動装置を使用する場合、その駆動装置を車室の下側に配置することになるので、駆動装置の設置スペースを確保するためにフロアーパネルに形成するトンネルと称される断面円弧状の盛り上がり部分が大きくなり、車室の空間容積を圧迫する要因になる。
【0006】
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、電動機を内蔵した駆動装置であって、外径を抑制することのできる構成の駆動装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用】
この発明は、上記の目的を達成するために、車両の出力軸に伝達するトルクを発生するエンジンと、前記車両の車室を形成するフロアーパネルの下側に配置されるケーシングと、このケーシングの内部に配置された第1電動機と、前記ケーシングの内部に設けられ、かつ、前記エンジンのトルクを前記第1電動機と前記出力軸とに分配するトルク合成分配機構と、前記ケーシングの内部に設けられ、かつ、前記出力軸に対して歯車機構を介して連結された第2電動機とを有し、前記エンジンおよび前記第1電動機および前記第2電動機および前記トルク合成分配機構および前記歯車機構が、前記第1電動機および第2電動機の軸線に沿った方向に配置され、かつ、同軸上に配置されているとともに、前記第1電動機および第2電動機が、パワーケーブルを介して前記ケーシングの外部の機器に電気的に接続されている、電動機を内蔵した車両用駆動装置において、前記第1電動機および第2電動機に接続され、かつ、複数の導体を積層した構造のバスバーが設けられており、前記パワーケーブルと前記バスバーとを導通する接続部が、前記第1電動機および第2電動機におけるコイルの端部から、前記軸線に沿った方向に離隔した位置に設けられているとともに、前記バスバーが、前記第2電動機および前記歯車機構の外周側に配置されていることを特徴とする駆動装置である。
【0008】
したがって請求項1の発明では、前記接続部の位置が、電動機のコイルの位置によって制限を受けないので、接続部の配置の自由度が増大する。その結果、外径の増大要因となる接続部が、駆動装置の周辺機器との干渉の少ない箇所に配置され、駆動装置の車載性が向上する。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記バスバーが、前記ケーシングの内部または前記ケーシングの外部に配置されていることを特徴とする駆動装置である。
【0010】
したがって請求項2の発明では、電動機とそのコイルから離隔している接続部とが銅などの高導電性材料からなる板状もしくは軸状部材であるバスバーによって接続され、かつそのバスバーがケーシングの内部または外部に配置されている。そのため、電動機のコイルと接続部とを電気的に導通させるバスバーが、駆動装置の外径の増大要因になることが抑制され、特にバスバーがケーシングの内部に収容されていることにより、バスバー自体に電磁遮蔽の構造を設ける必要がないので、バスバーの外径を可及的に小さくして外径の増大が抑制もしくは防止される。
【0011】
さらに、請求項3の発明は、請求項1または2の構成において、前記軸線に沿った方向で、前記第1電動機および前記第2電動機に隣接して前記歯車機構が配置され、前記接続部が、その歯車機構を挟んで前記第1電動機および第2電動機とは反対側に配置されていることを特徴とする駆動装置である。
【0012】
したがって請求項3の発明では、請求項1または2の発明と同様の作用が生じる他に、パワーケーブルを接続する接続部が、歯車機構を挟んで電動機とは反対側に配置され、その状態で電動機と接続部とが電気的に導通させられている。そのため、パワーケーブルをケーシングの外周側から接続部に連結するよう導く必要がないので、駆動装置の外径の増大要因が削減される。
【0013】
またさらに、請求項4の発明は、請求項3の構成において、前記歯車機構が前記第2電動機を挟んで前記第1電動機とは反対側に配置され、さらにその歯車機構を挟んで前記第2電動機とは反対側で歯車機構と同一軸線上に出力軸が配置され、前記第1電動機と第2電動機との少なくともいずれか一方と前記バスバーとがこれら第1電動機と第2電動機との中間位置で電気的に接続され、かつそのバスバーが互いに絶縁された複数の導体を積層した構造とされるとともに、それらの導体が前記歯車機構の外周側で円周方向に位置をずらせた状態で露出させられて前記接続部に導通させられていることを特徴とする駆動装置である。
【0014】
したがって請求項4の発明では、前記接続部が出力軸側、すなわち軸端側に配置され、その接続部を介してパワーケーブルに導通させられる第1電動機が、前記接続部とは軸線方向で反対の端部側に配置されている。そして、その第1電動機と接続部とを導通させるバスバーが、第2電動機および歯車機構の外周側を通って配置され、第1電動機に対しては、各電動機の中間位置で接続されている。これに対してバスバーの接続部に対する導通は、バスバーを構成している複数の導体を歯車機構の外周側で円周方向に展開させ、円周方向に互いにずらして導体を露出させ、その露出端を接続部に連結することにおこなわれている。その結果、第1電動機および第2電動機および歯車機構ならびに出力軸が軸線方向に並んで配置されていることに併せて、接続部が出力軸に近い端部側に配置され、軸線方向での寸法の制約要因が相対的に少ないいわゆる縦置きエンジンタイプの車両に適した駆動装置とすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を具体例に基づいて説明する。図1は、この発明の一例を模式的に示しており、ここに示す例は、ハイブリッド車用の駆動装置であって、駆動装置および回生装置として機能する二つのモータ・ジェネレータ1,2を備えている。これらのモータ・ジェネレータ1,2を収容しているケーシング3の一方の端部(図1での左側の端部)が開口しており、その開口端でエンジン4に連結されている。
【0018】
また、ケーシング3の内部には、エンジン4側に突出させた入力軸5が回転自在に保持されており、その入力軸5の突出端部にトルクリミッタ6が取り付けられ、そのトルクリミッタ6を介して入力軸5がエンジン4の出力軸7に連結されている。
【0019】
入力軸5は、ケーシング3の軸線方向での中間部にまで延びており、その端部に、トルク合成分配機構8が設けられている。このトルク合成分配機構8は、図1に示す例では、遊星歯車機構によって構成されており、サンギヤ9とリングギヤ10とに噛合しているピニオンギヤを保持しているキャリヤ11に入力軸5が連結されている。
【0020】
入力軸5の外周側に第1モータ・ジェネレータ1が入力軸5と同軸状に配置されている。この第1モータ・ジェネレータ1は、一例として三相同期型電動機によって構成されており、コイル12を備えたステータ13の内周側にロータ14が回転自在に配置されている。そのロータ14と一体の中空軸であるロータ軸15が前記入力軸5の外周側に回転自在に嵌合しており、そのロータ軸15が前記サンギヤ9に一体化されている。なお、上記のステータ13はケーシング3の内面に固定されている。また、第1モータ・ジェネレータ1には、そのロータ14が所定角度回転する毎に信号を出力するレゾルバ(図示せず)が設けられている。
【0021】
前記入力軸5の延長方向(図1の右方向)に、中間軸16が入力軸5と同一軸線上に位置するように、回転自在に配置されている。その中間軸16における入力軸5側の端部が円筒状に形成されており、その円筒状部分で前記リングギヤ10に一体化されている。したがってトルク合成分配機構8によって、エンジン4の出力したトルクを中間軸16と第1モータ・ジェネレータ1とに分配して第1モータ・ジェネレータ1で発電をおこない、また中間軸16を固定した状態で第1モータ・ジェネレータ1を駆動することにより第1モータ・ジェネレータ1でエンジン4をモータリング(クランキング)し、さらに中間軸16から第1モータ・ジェネレータ1にトルクを伝達して第1モータ・ジェネレータ1で発電することによりエネルギの回生をおこなうようになっている。
【0022】
中間軸16の外周側に第2モータ・ジェネレータ2が中間軸16と同軸状に配置されている。この第2モータ・ジェネレータ2は、一例として上記の第1モータ・ジェネレータ1よりも容量の大きい三相同期型電動機によって構成されており、コイル17を備えたステータ18の内周側にロータ19が回転自在に配置されている。そのロータ19と一体の中空軸であるロータ軸20が前記中間軸16の外周側に回転自在に嵌合している。なお、上記のステータ18はケーシング3の内面に固定されている。また、第2モータ・ジェネレータ2にはそのロータ19が所定角度回転する毎に信号を出力するレゾルバ(図示せず)が設けられている。
【0023】
上記の中間軸16の延長方向(図1の右方向)には、ケーシング3を貫通してケーシング3の外部に延出した出力軸21が、中間軸16と同一軸線上に回転自在に配置されている。そして、中間軸16の先端部と出力軸21の後端部とが互いにスプラインなどの手段で回転方向で一体化するように連結されている。
【0024】
また、第2モータ・ジェネレータ2におけるロータ軸20と出力軸21とが、歯車機構22を介して連結されている。この歯車機構22は、互いに一体となって回転する大径歯車23と小径歯車24とを備え、これらの歯車23,24が、前記中間軸16および出力軸21の中心軸線と平行な軸線を中心にして回転するように、前記ケーシング3の内部に保持されている。そして、ロータ軸20に一体化された歯車25が大径歯車23に噛合し、出力軸21に一体化された歯車26が小径歯車24に噛合している。すなわちこの歯車機構22は、第2モータ・ジェネレータ2の出力トルクを増大して出力軸21に伝達する減速歯車機構として構成されている。なお、この歯車機構22は、遊星歯車機構によって構成することもできる。
【0025】
したがって走行中に第2モータ・ジェネレータ2を駆動することにより、そのトルクが歯車機構22を介して出力軸21に伝達され、駆動力を補助するようになっている。また、走行慣性力によって第2モータ・ジェネレータ2を回転させて発電することにより、エネルギの回生をおこうなうことができる。
【0026】
上記の出力軸21にパーキングギヤ27が一体回転するように嵌合させられる。このパーキングギヤ27は、図1に示す駆動装置を搭載した車両を停止状態に維持するための歯車であって、ロックポールなどの固定部材(図示せず)を係合させてパーキングギヤ27の回転を止めることにより、出力軸21に連結されている駆動輪(図示せず)を固定するようになっている。
【0027】
この発明における電動機に相当する上記の第1モータ・ジェネレータ1および第2モータ・ジェネレータ2に対して電力を供給し、またこれらのモータ・ジェネレータ1,2でエネルギ回生(発電)をおこなった場合に電力を出力させるための構成について、次に説明する。各モータ・ジェネレータ1,2に対する電力の入出力は、パワーケーブル28によっておこなうようになっている。このパワーケーブル28は、電磁遮蔽および絶縁被覆を施した大容量のケーブルであって、このパワーケーブル28を接続するための端子台である接続部29,30が、前記ケーシング3の内部で、前記歯車機構22を挟んだ前記第2モータ・ジェネレータ2とは反対側の外周部、より正確にはパーキングギヤ27の外周側に配置されている。
【0028】
各モータ・ジェネレータ1,2を三相同期型電動機で構成した場合には、三本のケーブルを必要とするので、各接続部29,30は、各ケーブル導体に取り付けた圧着端子などの端子部材をネジ止めするように構成されている。また、各接続部29,30は、図2に示すように、出力軸21を中心とした円周方向に所定の間隔をあけた状態で配列されており、ケーシング3の軸線方向における端部の側壁部を貫通させて挿入したパワーケーブル28の端部を連結するように構成されている。なお、ケーシング3には、各接続部29,30に対するパワーケーブル28の接続作業をおこなうための開閉自在な窓孔が形成されている。
【0029】
これらの接続部29,30と各モータ・ジェネレータ1,2のコイル12,17とが、ケーシング3の内部に配置したバスバーによって電気的に導通されている。図1には、第1モータ・ジェネレータ1におけるコイル12と接続部29とを導通させるためのバスバー31を示してある。このバスバー31は、銅などの高導電性金属からなる平板状もしくは軸状の導体31a,31b,31cを備え、これらの導体31a,31b,31cを図3に示すように一定間隔をあけて積層し、その状態で絶縁性の樹脂32で一体に被覆するようにモールドして構成されている。
【0030】
このバスバー31は、上述した第2モータ・ジェネレータ2および歯車機構22の外周側に配置されており、第1モータ・ジェネレータ1に導通させるための一方の端部が、第1モータ・ジェネレータ1と第2モータ・ジェネレータ2との中間位置にまで延びている。これに対して第1モータ・ジェネレータ1におけるコイル12のリード線33が、第1モータ・ジェネレータ1と第2モータ・ジェネレータ2との中間位置に引き出されている。そして、各相のリード線33がバスバー31におけるそれぞれに対応する導体31a,31b,31cに、第1モータ・ジェネレータ1と第2モータ・ジェネレータ2との中間位置で接続されてる。
【0031】
さらに、バスバー31の他方の端部(接続部29側の端部)は、ケーシング3の内周面に沿って湾曲しており、その端部は、接続部29の近傍において円周方向に互いにずらされ、かつ露出され、その露出した端部で、接続部29に電気的に導通させられている。したがってバスバー31はケーシング3の内部に収容されていることによりケーシング3がバスバー31の電磁シールドの機能を果たすので、バスバー31自体には磁気遮蔽は施されていない。
【0032】
他方、第2モータ・ジェネレータ2を接続部30に導通させるための構成は、特には図示していないが、上記のバスバー31と同様のバスバーが用いられている。すなわち、第2モータ・ジェネレータ2および歯車機構22の外周側に、軸線方向に向けて、積層構造のバスバーが配置され、その一方の端部が、各モータ・ジェネレータ1,2の中間位置に延びている。これに対して第2モータ・ジェネレータ2におけるコイル17のリード線が、各モータ・ジェネレータ1,2の中間位置に引き出されてバスバーの一方の端部に接続されている。さらに、そのバスバーの他方の端部が、前記接続部30の近傍に延び、露出させられた各相の導体が接続部30の対応する箇所に電気的に接続されている。
【0033】
したがって上記の駆動装置では、パワーケーブル28を接続する接続部29,30が各モータ・ジェネレータ1,2のコイル12,17の端部から大きく離れた位置、すなわちケーシング3の軸線方向での端部に配置されているので、パワーケーブル28の端部やこれを接続する接続部29,30が駆動装置の外径を増大する要因にならない。言い換えれば、接続部29,30をコイル12,17あるいはその端部の位置に制約されることなく配置できる。そのため、駆動装置の外径の増大要因を削減してその小径化を図り、車載性を向上させることができる。特に上記の構成では、各モータ・ジェネレータ1,2および歯車機構22ならびに出力軸21が軸線方向に配列されており、その出力軸21の延長方向と平行な方向に向けてパワーケーブル28を接続し、かつ延出させるので、軸線方向での寸法の制約が比較的緩やかないわゆる縦置きエンジンタイプの車両に好適な駆動装置とすることができる。
【0034】
さらに、上記の構成では、パワーケーブル28と同等の電流が流れるバスバー31が、金属製のケーシング3の内部に収容されているので、ケーシング3がバスバー31に対する電磁シールドの機能を生じる。そのため、バスバー31自体に磁気遮蔽を施す必要がないので、バスバー31の外装を薄肉にして細くすることができ、その結果、この点でも駆動装置の外径を抑制することができる。
【0035】
なお、この発明は上記の具体例に限定されないのであり、バスバーの配置構造を上記の具体例とは異ならせることができる。すなわち、この発明は、パワーケーブルを接続する接続部と電動機とを、バスバーによって電気的に導通させることを第1の特徴としており、したがってそのバスバーは、ケーシングの壁面に沿わせて配置されていれば、その内部に限らず、ケーシングの外部であってもよい。その場合、バスバー自体に磁気遮蔽を施し、そのバスバーをケーシングの外面に沿わせて配置し、電動機のコイルの端部から離れたケーシングの軸線方向での端部に設けた接続部にバスバーを導通させる構成としてもよい。また、これに替えて、ケーシングの外表面にバスバーを嵌め込む凹部を形成し、その凹部を金属などの導電性材料で閉塞することにより、バスバーを磁気遮蔽する構成としてもよい。このような構成であれば、バスバー自体に磁気遮蔽を施す必要がないので、駆動装置の外径の増大要因を更に削減することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、外部の機器と電気的に接続するためのパワーケーブルを接続する接続部の位置が、電動機のコイルの位置によって制限を受けないので、接続部の配置の自由度が増大し、その結果、外径の増大要因なる接続部を、駆動装置の周辺機器との干渉の少ない箇所に配置でき、駆動装置の車載性を向上させることができる。
【0037】
また、請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、電動機とそのコイルから離隔している接続部とが銅などの高導電性材料からなる板状もしくは軸状部材であるバスバーによって接続され、かつそのバスバーがケーシングの内部または外部に配置されているため、そのバスバーが、駆動装置の外径の増大要因になることが抑制され、特にバスバーがケーシングの内部に収容されていることにより、バスバー自体に電磁遮蔽の構造を設ける必要がないので、バスバーの外径を可及的に小さくして駆動装置の外径の増大を効果的に抑制もしくは防止することができる。
【0038】
さらに、請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明と同様の効果を得られる他に、パワーケーブルを接続する接続部が、歯車機構を挟んで電動機とは反対側に配置され、その状態で電動機と接続部とが電気的に導通させられているため、パワーケーブルをケーシングの外周側から接続部に連結するよう導く必要がなく、その結果、駆動装置の外径の増大要因を削減して外径が小さく車載性に優れた駆動装置を得ることができる。
【0039】
またさらに、請求項4の発明によれば、請求項3の発明と同様の効果を得られる他に、第1電動機および第2電動機および歯車機構ならびに出力軸が軸線方向に並んで配置されていることに併せて、接続部が出力軸に近い端部側に配置されるから、軸線方向での寸法の制約要因が相対的に少ないいわゆる縦置きエンジンタイプの車両に適した駆動装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一例を模式的に示す構成図である。
【図2】 その接続部の配置位置を示す軸線方向から見た配置図である。
【図3】 バスバーの一部を示す断面図である。
【符号の説明】
1…第1モータ・ジェネレータ、 2…第2モータ・ジェネレータ、 3…ケーシング、 12,17…コイル、 21…出力軸、 22…歯車機構、 28…パワーケーブル、 29,30…接続部、 31…バスバー、 31a,31b,31c…導体、 32…樹脂。
Claims (4)
- 車両の出力軸に伝達するトルクを発生するエンジンと、前記車両の車室を形成するフロアーパネルの下側に配置されるケーシングと、このケーシングの内部に配置された第1電動機と、前記ケーシングの内部に設けられ、かつ、前記エンジンのトルクを前記第1電動機と前記出力軸とに分配するトルク合成分配機構と、前記ケーシングの内部に設けられ、かつ、前記出力軸に対して歯車機構を介して連結された第2電動機とを有し、前記エンジンおよび前記第1電動機および前記第2電動機および前記トルク合成分配機構および前記歯車機構が、前記第1電動機および第2電動機の軸線に沿った方向に配置され、かつ、同軸上に配置されているとともに、前記第1電動機および第2電動機が、パワーケーブルを介して前記ケーシングの外部の機器に電気的に接続されている、電動機を内蔵した車両用駆動装置において、
前記第1電動機および第2電動機に接続され、かつ、複数の導体を積層した構造のバスバーが設けられており、前記パワーケーブルと前記バスバーとを導通する接続部が、前記第1電動機および第2電動機におけるコイルの端部から、前記軸線に沿った方向に離隔した位置に設けられているとともに、前記バスバーが、前記第2電動機および前記歯車機構の外周側に配置されていることを特徴とする、電動機を内蔵した車両用駆動装置。 - 前記バスバーが、前記ケーシングの内部または前記ケーシングの外部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電動機を内蔵した車両用駆動装置。
- 前記軸線に沿った方向で、前記第1電動機および前記第2電動機に隣接して前記歯車機構が配置され、前記接続部が、その歯車機構を挟んで前記第1電動機および第2電動機とは反対側に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電動機を内蔵した車両用駆動装置。
- 前記歯車機構が前記第2電動機を挟んで前記第1電動機とは反対側に配置され、さらにその歯車機構を挟んで前記第2電動機とは反対側で歯車機構と同一軸線上に出力軸が配置され、
前記第1電動機と第2電動機との少なくともいずれか一方と前記バスバーとがこれら第1電動機と第2電動機との中間位置で電気的に接続され、かつそのバスバーが互いに絶縁された複数の導体を積層した構造とされるとともに、それらの導体が前記歯車機構の外周側で円周方向に位置をずらせた状態で露出させられて前記接続部に導通させられていることを特徴とする請求項3に記載の電動機を内蔵した車両用駆動装置。
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