JP4238671B2 - 電子部品の実装構造 - Google Patents

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Description

本発明は、基板上に電子部品を搭載し、基板の電極と電子部品の電極とを導電性接着剤を介して接続してなる電子部品の実装構造に関する。
近年、電子部品の実装において、はんだ接続に替わる接続方法として、導電性接着剤を用いた接続方法が採用されてきている(例えば、特許文献1参照)。導電性接着剤による接続は、Pbを使用しないため、環境問題に対応できること、はんだフラックスの洗浄を廃止できること等のメリットがある。
特開2000−319622号公報
しかしながら、本発明者の検討によれば、電子部品の電極として、はんだに使用されている一般的なSn系の電極を用いた場合、導電性接着剤として、一般的に使用されているエポキシ系樹脂に導電性フィラーとしてAgフィラーを充填したタイプのものを用いると、良好な接続信頼性を得ることができないことがわかった。
具体的には、図4に示すような従来の一般的な実装構造について検討を行った。電子部品20としてSnからなる電極21を有するチップコンデンサを、上記のエポキシ系樹脂32にAgフィラー31を充填した導電性接着剤J30を介して基板10の電極11に接続した場合について調べた。
図4に示すように、従来の導電性接着剤J30では、導電性接着剤J30中のフィラー31と電極11、21との接触、およびフィラー31同士が接触することにより、導電性を得ている。
このような実装構造について高温高湿試験を行った。試験条件は、85℃、85%RHであり、放置試験を行った。その結果を図5に示す。図5では、横軸に試験時間(h)すなわち高温高湿環境下への放置時間をとり、縦軸に部品接続抵抗(mΩ)すなわち基板10の電極11と電子部品20の電極21との間の抵抗値をとった。
図5に示すように、試験時間の増加とともに部品接続抵抗が上昇している。つまり、高温高湿では接続抵抗が上昇するという不具合が生じる。これはSnからなる部品電極21の表面が熱と水分によって酸化することにより、部品電極21と導電性接着剤J30中のフィラー31との接触抵抗が上昇したためである。
このような不具合は、一般的な導電性接着剤J30のフィラー31であるAgと電子部品20の電極21の材質であるSnとが接触しているがゆえに発生する現象である。そのため、部品電極21の表面に酸化膜が発生すると、フィラー31と部品電極21との接触界面の抵抗が増大してしまうのである。
また、本発明者は、熱膨張係数の大きい電子部品を熱膨張係数の小さい基板に実装した場合について温度サイクル試験を行った。
具体的には、図6に示すような実装構造について検討を行った。熱膨張係数の大きい電子部品20aとして、Cu(銅)からなるリード21aを有するモールドダイオード部品20aを用いた。ここで、銅からなるリード21aは電子部品20aの電極21aとして構成されている。
また、熱膨張係数の小さい基板10としては、セラミック基板10を用いた。また、導電性接着剤J30としては、上述したような一般的に使用されているエポキシ系樹脂に導電性フィラーとしてAgフィラーを充填したタイプのものを用いた。
そして、銅からなるリード21aを電極として有する電子部品としてのモールドダイオード部品20aを、上記のエポキシ系樹脂にAgフィラーを充填した導電性接着剤J30を介してセラミック基板10の電極11に接続した。
そして、温度サイクル試験としては、−40℃で30分間と120℃で30分間との温度変化を1サイクルとしたサイクル条件とした。この温度サイクル試験において、サイクル数と部品引っ張り強度との関係を調べた。その結果が図7に示されている。
図7では、横軸にサイクル数、縦軸に引っ張り強度、すなわちモールドダイオード部品20aを引っ張ったときの導電性接着剤J30の引っ張り強度をが示されている。この引っ張り強度の単位はNである。
図7に示されるように、サイクル数が増加するにつれて、部品引っ張り強度は低下していく。
これは、モールドダイオード部品20aとセラミック基板10との間の熱膨張係数差が大きく、この大きな熱膨張係数差により、導電性接着剤J30による接続部において過度の応力が発生することから、導電性接着剤J30にクラックが発生したり、接続界面で剥離するという不具合によって接続強度が低下してしまうためである。
そして、このことは、従来の導電性接着剤J30において、樹脂中のフィラー同士を圧接し、固定させる必要があるため、適度の収縮力と高弾性を有するエポキシ系の樹脂を採用しているがゆえの不具合である。
つまり、エポキシ系樹脂は、硬化後の状態においてGPa(ギガパスカル)オーダーの高い弾性を有しており、樹脂の収縮力が大きく、その大きな収縮力によってフィラー同士を圧接している。
そして、樹脂が高弾性であると、上記したモールドダイオード部品20aとセラミック基板10との間の大きな熱膨張係数差により発生する応力が、樹脂によって吸収されにくい。そのため、導電性接着剤J30において上記したようなクラックや剥離が発生してしまうのである。
そこで、本発明は上記問題に鑑み、基板の電極と電子部品の電極とを導電性接着剤を介して接続するにあたり、電子部品の電極と導電性接着剤中の導電性フィラーとの導通性を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するため、鋭意検討を行った。まず、電子部品の電極とフィラーとの接触性を向上させるためには、導電性接着剤中のフィラー全体をナノメートルオーダの粒子すなわちナノ粒子とすることを考えた。ここで、ナノ粒子とは、最大粒径がおおよそ500nm未満のものであり、望ましくは100nm以下のものである。
このように、フィラー全体をナノ粒子とすれば、導電性接着剤の硬化温度(通常100〜200℃)にてナノ粒子の焼結が起こり、電子部品の電極とナノ粒子との間に金属接合を形成することができることから、上記した酸化膜が発生する問題を回避できるためである。
しかし、本発明者の検討によれば、導電性接着剤中のフィラー成分をすべてナノ粒子にした場合、極めて粒子が小さいため、導電性接着剤を硬化する際、樹脂中に分散したナノ粒子同士が接触する確率やナノ粒子と電極とが接触する確率が低くなってしまい、導電性接着剤中の導通経路が十分に確保できないことがわかった。
また、樹脂中に分散したナノ粒子同士が接触する確率を十分高くするために、ナノ粒子の含有量を増やした場合、導電性接着剤中の樹脂の比率が極端に小さくなり、導電性接着剤として、十分なバルク強度を得ることができないことがわかった。これらの場合における不具合は、フィラーとナノ粒子を独立して樹脂中に分散させた場合も同様であった。
本発明は、以上の検討から得られた知見に基づいて創出されたものである。
すなわち、請求項1に記載の発明では、基板(10)上に電子部品(20、20a)を搭載し、前記基板の電極(11)と前記電子部品の電極(21、21a)とを導電性接着剤(30)を介して接続してなる電子部品の実装構造において、前記導電性接着剤として、表面にナノメートルオーダの金属微粒子(33)が配置されている導電性フィラー(31)を樹脂(32)中に分散した熱硬化性のものを用いることを特徴とする。
それによれば、導電性接着剤の硬化時の熱により、金属微粒子(33)が焼結して電子部品(20)の電極(21、21a)に融着し、金属接合を形成する。そして、導電性フィラー(31)と電子部品(20、20a)の電極(21、21a)とは、従来のような単なる接触ではなく、この電子部品(20、20a)の電極(21、21a)と金属接合している金属微粒子(33)を介して導通した形となる。
よって、本発明によれば、基板の電極と電子部品の電極とを導電性接着剤を介して接続するにあたり、電子部品の電極と導電性接着剤中の導電性フィラーとの導通性を向上させることができる。ここで、ナノメートルオーダの金属微粒子(33)とは、最大粒径が500nm未満のものであり、望ましくは請求項2に記載の発明のように最大粒径が100nm以下のものである。
その結果、電子部品の電極表面に酸化膜が発生することによる、導電性フィラーと電子部品の電極との間の接触抵抗の上昇という問題を、回避することができる。
また、請求項に記載の発明では、請求項1または2に記載の電子部品の実装構造において、導電性接着剤(30)における樹脂(32)は、導電性フィラー(31)を含有した状態において弾性率が1MPa以上500MPa以下であることを特徴としている。
本発明では、導電性フィラー(31)を含有した状態における樹脂(32)の弾性率が1MPa以上500MPa以下であるものとしているため、従来のエポキシ系樹脂からなる導電性接着剤の場合よりも、基板(10)と電子部品(20、20a)との間でこれら両者の熱膨張係数差により接続部に発生する応力を、導電性接着剤(30)によって適切に吸収することができる。
そのため、本発明によれば、上記請求項1に記載の発明の効果に加えて、導電性接着剤にクラックが発生したり、接続界面で剥離が発生したりすることを、従来に比べて極力抑制することが可能となる。
その結果、温度サイクル(熱衝撃)による電子部品の引っ張り強度の低下を、従来に比べて極力抑制することができる。
また、この請求項に記載の発明では、上記請求項1に記載の発明の効果、すなわち金属接合という確実な電気的接続が得られていることから、従来のような導電性フィラー同士を、高弾性な樹脂によって圧接する必要はない。そのため、低弾性な樹脂(32)を用いても安定した導通性が得られるのである。
請求項に記載の発明では、請求項に記載の電子部品の実装構造において、樹脂(32)は、シリコーン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂およびフッ素系樹脂の中から選択されたものであることを特徴としている。
請求項に記載の発明では、請求項に記載の電子部品の実装構造において、樹脂(32)は、シリコーン系樹脂であることを特徴としている。シリコーン樹脂は比較的耐熱性に優れ好ましい。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る電子部品の実装構造の要部を示す概略断面図である。
基板10の上に電子部品20が搭載され、基板10の電極11と電子部品20の電極21とが導電性接着剤30を介して電気的に接続されている。なお、以下、基板10の電極11を基板電極11、電子部品20の電極21を部品電極21ということにする。
基板10は、セラミック基板やプリント基板、あるいはリードフレーム等を採用することができ、特に限定されるものではない。基板電極11は、基板10の一面に形成されており、例えば、Ag、AgSnおよびAgPd等のAg系金属や、CuおよびCuNi等のCu系金属や、Ni系金属、あるいはAu等の材料を用いた厚膜やめっきから構成されたものである。
電子部品20としては、コンデンサや抵抗、半導体素子等の表面実装部品を採用することができる。図示例では、電子部品20はチップコンデンサを用いた例として示してある。また、部品電極21は金属からなるものである。部品電極21の金属としては、Au系金属、Ag系金属、Ni系金属、Sn系金属等が用いられるが、ここでは、一例としてSn系金属が用いられている。
そして、導電性接着剤30としては、導電性フィラー31が樹脂32中に分散された熱硬化性のものであって、この分散されている導電性フィラー31の表面にナノメートルオーダの金属微粒子としてのナノ粒子33が配置されたものを用いている。ここで、図2は、硬化前状態の導電性接着剤30を模式的に示す図である。
この導電性接着剤30において、樹脂32は主剤、硬化剤、還元剤、ナノ粒子用分散剤、ナノ粒子用捕捉剤が混合されたものである。なお、還元剤は必要に応じて混合されるものであり、無いものであってもよい。
主剤としては、エポキシ系樹脂およびそれを含む混合材料から選択されたものを採用でき、硬化剤としては、アミン系化合物、フェノール化合物およびこれらの混合材料から選択されたものを採用できる。
還元剤は、導電性接着剤30の硬化温度(通常100℃〜200℃程度)以下の温度にて部品電極21の表面に形成されている金属酸化膜を還元する化合物であり、例えば、アルコール系、有機酸系、イミダゾール系化合物等から選択されたものを採用できる。
より具体的に、還元剤としては、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセロール、テトラエチレングリコール、ジエチレングリコール、リピトール等を採用することができる。
ナノ粒子用分散剤は、硬化前の状態(例えば50℃以下の温度)にてナノ粒子33同士の焼結を抑制する化合物であり、例えば、アミン系化合物、アルコール系化合物、チオール系化合物等から選択されたものを採用できる。より具体的には、ナノ粒子用分散剤としてはアルキルアミン等を採用することができる。
ナノ粒子用捕捉剤は、導電性接着剤30の硬化温度(通常100℃〜200℃程度)以下の温度にてナノ粒子用分散剤との反応性を有する化合物であり、硬化時の加熱の際に、分散剤と反応し、ナノ粒子33から分散剤を除去して捕捉することで、ナノ粒子の焼結を促進させるものである。例えば、酸無水物等を採用できる。
導電性フィラー31については、その形状が鱗片粉または球状粉およびそれらの混合したものである。また、その材質としては、部品電極21を構成する金属との自然電位差が0.9以下のものが望ましい。これは、部品電極21と導電性フィラー31の両者の間の自然電位差が大きいと、これら両者のうち卑な方が腐食しやすいためである。
そのため、部品電極21がSnである場合、導電性フィラー31の材質としては、Ag系(Ag、AgSn、AgPd等)、Cu系(Cu、CuNi等)、Ni系、Au等の金属を採用することができる。また、導電性フィラー31のサイズは、従来と同程度のものであり、例えば最大粒径が0.5μm以上のものとすることができる。
なお、導電性フィラー31としては、粒子全部が上記の金属からなるものでなくてもよく、例えば、樹脂を基部としその表面にAg等のメッキを施してなる粒子を採用することもできる。
ナノ粒子33については、そのサイズが最大粒径が500nm未満であり、好ましくは100nm以下のものを採用できる。このナノ粒子33においても、導電性フィラー31の場合と同様の理由から、その材質は部品電極21との自然電位差が0.9以下のものが望ましい。そして、部品電極21がSnである場合、ナノ粒子33の材質としては、Ag系(Ag、AgSn、AgPd等)、Cu系(Cu、CuNi等)、Au、Snの金属を採用できる。
また、ナノ粒子33と導電性フィラー31との比率については、ナノ粒子33と導電性フィラー31との合計を100重量%としたとき、例えばナノ粒子33を5〜80重量%の割合にすることができる。
このような導電性接着剤30は、次のようにして作製することができる。導電性フィラー31とナノ粒子33との混合物を溶液または気体中で加熱することにより、ナノ粒子33の導電性フィラー31の表面への焼結による融着または付着等を行う。これによりナノ粒子33が表面に配置された導電性フィラー31が形成される。
なお、後で行う導電性接着剤の硬化時にナノ粒子33の焼結反応が進むことができるように、この溶液または気体中での加熱の温度は、少なくとも導電性接着剤30の硬化温度よりも低くし、ナノ粒子33の焼結を微量にしておく。
そして、ナノ粒子33が表面に配置された導電性フィラー31を、樹脂32を構成する主剤、硬化剤、還元剤、ナノ粒子用分散剤、ナノ粒子用捕捉剤と一緒に混合する。こうして導電性接着剤30ができあがる。
このようにして作製された導電性接着剤30を用いて、電子部品20を基板10に接続する方法について述べる。図3は、上記図1に示す実装構造の組み付け方法を示す工程図である。
まず、導電性接着剤供給工程では、上記導電性接着剤30を、マスク印刷またはディスペンスにより基板10の基板電極11上に供給する。次に、部品組み付け工程では、基板電極11と部品電極21とを位置あわせした状態で基板10の上に電子部品20を搭載する。
ここまでの工程は、常温雰囲気で行われ、導電性接着剤30は硬化前(未硬化)の状態である。この状態の導電性接着剤30では、上記図2に示すように、ナノ粒子33をナノ粒子用分散剤が被覆し、焼結を防いでいるため樹脂32中の導電性フィラー31は一様に分散している。
次に、導電性接着剤硬化工程では、100℃〜200℃程度の硬化温度にて導電性接着剤30を加熱し、硬化させる。それにより、電子部品20と基板10との接続が完了し、上記図1に示す実装構造ができあがる。
この硬化工程では、次に述べるような作用が進行する。硬化時の熱によって、樹脂32中の還元剤により、部品電極21の表面に初期的に形成されていた酸化膜が除去される。また、ナノ粒子33を被覆しているナノ粒子用分散剤を、ナノ粒子用捕捉剤がトラップする。
それにより、酸化膜が除去された部品電極21の表面とナノ粒子33とが融着し、これら両者間にて金属接合が形成される。同時にナノ粒子33同士が焼結し、さらにナノ粒子33と導電性フィラー31とも融着する。つまり、図1に示すように、部品電極21、ナノ粒子33、導電性フィラー31の三者の間で金属接合が形成される。
このように、本実施形態によれば、導電性フィラー31と部品電極21とは、従来のような単なる接触ではなく、部品電極21と金属接合しているナノ粒子33を介して導通した形となる。
つまり、ナノ粒子33が部品電極21に融着して金属接合を形成し、合金化することによって、部品電極21と導電性接着剤30との界面抵抗が低下するとともに、金属成分同士も結合するため、導電性接着剤30自体の母材抵抗も低下する。
よって、本実施形態によれば、基板電極11と部品電極21とを導電性接着剤30を介して接続するにあたり、部品電極21と導電性接着剤30中の導電性フィラー31との導通性を向上させることができる。
その結果、部品電極21表面に酸化膜が発生することによる、導電性フィラー31と部品電極21との間の接触抵抗の上昇という問題は、回避することができる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、樹脂32として主としてエポキシ系樹脂を用いたが、本実施形態では、導電性接着剤における樹脂32を、導電性フィラー31を含有した状態において硬化状態のときにエポキシ系樹脂よりも低い弾性を有するものとしている。
つまり、本実施形態における電子部品の実装構造の要部や、硬化前状態の導電性接着剤30の様子については、上記図1、図2に示されたものと同様であるが、本実施形態では、樹脂32を上記第1実施形態とは変えたことが主たる相違点である。
本実施形態では、導電性接着剤30における樹脂32は、導電性フィラー31を含有した状態において硬化状態のときにエポキシ系樹脂よりも低い弾性を有するものであるが、具体的には、導電性フィラー31を含有した状態における樹脂32の弾性率が、1MPa以上500MPa以下であることが好ましい。
そして、樹脂32としては、シリコーン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂およびフッ素系樹脂の中から選択されたものを採用することができる。これらの中でも、シリコーン系樹脂は比較的耐熱性に優れ好ましい。
本実施形態の導電性接着剤30も、上記実施形態と同様に、導電性フィラー31が樹脂32中に分散された熱硬化性のものであって、この分散されている導電性フィラー31の表面にナノメートルオーダの金属微粒子としてのナノ粒子33が配置されたものを用いている。
そして、本実施形態の樹脂32も、上記実施形態と同様に、主剤、硬化剤、還元剤、ナノ粒子用分散剤、ナノ粒子用捕捉剤が混合されたものである。
このような樹脂32の一例としては、主剤として、低弾性シリコーンゴムを採用することができる。この低弾性シリコーンゴムは、オルガノポリシロキサンとシリカとから構成されるものである。また、この低弾性シリコーンゴムを主剤に用いた場合、それとの組み合わせの添加剤としてイソパラフィンを加える。
還元剤としては、上記同様に、導電性接着剤30の硬化温度(通常100℃〜200℃程度)以下の温度にて部品電極21の表面に形成されている金属酸化膜を還元する化合物、例えば、有機酸系、グリコール系化合物等から選択されたものを採用できる。
より具体的に、還元剤としては、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセロール、テトラエチレングリコール、ジエチレングリコール、リピトール等を採用することができる。
ナノ粒子用分散剤も、上記実施形態と同様に、硬化前の状態(例えば50℃以下の温度)にてナノ粒子33同士の焼結を抑制する化合物であり、例えば、アミン系化合物、アルコール系化合物、チオール系化合物等から選択されたものを採用できる。より具体的には、ナノ粒子用分散剤としてはアルキルアミン等を採用することができる。
ナノ粒子用捕捉剤も、上記実施形態と同様に、導電性接着剤30の硬化温度(通常100℃〜200℃程度)以下の温度にてナノ粒子用分散剤との反応性を有する化合物であり、硬化時の加熱の際に、分散剤の基(例えばアミノ基)と反応し、ナノ粒子33から分散剤を除去して捕捉することで、ナノ粒子の焼結を促進させるものである。例えば、酸無水物等を採用できる。
導電性フィラー31についても、上記実施形態と同様に、鱗片粉または球状粉およびそれらの混合したものであって例えば最大粒径が0.5μm以上のものを採用することができ、その材質としては、Ag系(Ag、AgSn、AgPd等)、Cu系(Cu、CuNi等)、Ni系、Au等の金属を採用することができる。
また、本実施形態においても、導電性フィラー31としては、粒子全部が上記の金属からなるものでなくてもよく、例えば、樹脂を基部としその表面にAg等のメッキを施してなる粒子を採用することもできる。
ナノ粒子33については、上記実施形態と同様に、そのサイズが最大粒径が500nm未満であり、好ましくは100nm以下のものを採用でき、その材質としては、部品電極21がSnである場合、ナノ粒子33の材質としては、Ag系(Ag、AgSn、AgPd等)、Cu系(Cu、CuNi等)、Au、Snの金属を採用できる。
また、ナノ粒子33と導電性フィラー31との比率についても、上記実施形態と同様に、ナノ粒子33と導電性フィラー31との合計を100重量%としたとき、例えばナノ粒子33を5〜80重量%の割合にすることができる。
本実施形態の導電性接着剤30も、上記実施形態と同様の方法にて作製することができる。つまり、導電性フィラー31とナノ粒子33との混合物の加熱により、ナノ粒子33が表面に配置された導電性フィラー31を形成し、これを、樹脂32を構成する上記各剤と一緒に混合することで、導電性接着剤30ができあがる。
このようにして作製された導電性接着剤30を用いて、上記図3に示したのと同様に、導電性接着剤供給工程、部品組み付け工程、導電性接着剤硬化工程を順次行い、電子部品20を基板10に接続する。こうして、本実施形態においても、上記図1に示す実装構造ができあがる。
そして、本実施形態においても、図1に示すように、部品電極21、ナノ粒子33、導電性フィラー31の三者の間で金属接合が形成され、導電性フィラー31と部品電極21とは、従来のような単なる接触ではなく、部品電極21と金属接合しているナノ粒子33を介して導通した形となる。
そのため、本実施形態によっても、基板電極11と部品電極21とを導電性接着剤30を介して接続するにあたり、部品電極21と導電性接着剤30中の導電性フィラー31との導通性を向上させることができる。
その結果、部品電極21表面に酸化膜が発生することによる、導電性フィラー31と部品電極21との間の接触抵抗の上昇という問題は、回避することができる。
また、本実施形態では、樹脂32がエポキシ系樹脂よりも低い弾性を有するものであるため、従来のエポキシ系樹脂からなる導電性接着剤の場合よりも、基板10と電子部品20との間でこれら両者の熱膨張係数差により接続部に発生する応力を、導電性接着剤30によって適切に吸収することができる。
そのため、本実施形態によれば、導電性接着剤30にクラックが発生したり、接続界面で剥離が発生したりすることを、従来に比べて極力抑制することが可能となる。その結果、温度サイクル(熱衝撃)による電子部品20の引っ張り強度の低下を、従来に比べて極力抑制することができる。
(他の実施形態)
なお、上記実施形態の導電性接着剤30では、樹脂32中に、表面にナノ粒子33が配置されている導電性フィラー31が分散されていたが、このような導電性フィラー31に加えてさらにナノ粒子33単独を別途混合することにより、樹脂32中において導電性フィラー31の隙間の樹脂32中にナノ粒子33が分散した形となっているものでもよい。
また、上記実施形態では、電子部品としてチップコンデンサを用いた例を図示してあるが、電子部品としてはコンデンサや抵抗、半導体素子等の表面実装部品等を採用することができる。例えば、上記図6に示されている銅からなるリード21aを電極として有するモールドダイオード部品20aを電子部品として採用してもよい。
また、上記実施形態では、基板10上に電子部品20、20aを搭載し、基板10の電極11と電子部品20、20aの電極21、21aとを導電性接着剤30を介して接続しているが、このように実装を行った後、さらにパッケージ工程を行ってもよい。
例えば、図示しないが、図1に示される実装構造において、さらに基板(部品実装基板)にAlからなる放熱板を貼り付け、さらにこの放熱板とケースを接着し、その後シリコーンゲルで封止した構造としてもよい。
ただし、パッケージ形態は、上記のものに限定されるものではなく、シリコーンゲルはあってもなくてもよいし、他の防湿コート材料に置き換えてもよい。
また、例えば、上記図1において、電子部品20の基板10への接続部またはその周辺部をアンダーフィル樹脂によって補強するようにしてもよい。また、モールド樹脂による封止構造を採用してもよい。
本発明の実施形態に係る電子部品の実装構造の要部を示す概略断面図である。 硬化前状態の導電性接着剤を模式的に示す図である。 図1に示す実装構造の組み付け方法を示す工程図である。 従来の一般的な電子部品の実装構造を示す概略断面図である。 図4に示す実装構造について高温高湿試験を行った結果を示す図である。 熱膨張係数の大きい電子部品を熱膨張係数の小さい基板に実装した構造の一例を示す図である。 図6に示す実装構造について温度サイクル試験を行った結果を示す図である。
符号の説明
10…基板、11…基板の電極、20…電子部品、21…電子部品の電極、
30…導電性接着剤、31…導電性フィラー、32…樹脂、
33…ナノメートルオーダの金属微粒子としてのナノ粒子。

Claims (5)

  1. 基板(10)上に電子部品(20、20a)を搭載し、前記基板の電極(11)と前記電子部品の電極(21、21a)とを導電性接着剤(30)を介して接続してなる電子部品の実装構造において、
    前記導電性接着剤(30)として、表面にナノメートルオーダの金属微粒子(33)が配置されている導電性フィラー(31)が、樹脂(32)中に分散された熱硬化性のものを用いており、前記ナノメートルオーダの金属微粒子(33)は、最大粒径が500nm未満のものであることを特徴とする電子部品の実装構造。
  2. 前記ナノメートルオーダの金属微粒子(33)、最大粒径が100nm以下のものであることを特徴とする請求項1に記載の電子部品の実装構造。
  3. 前記導電性接着剤(30)における前記樹脂(32)は、前記導電性フィラー(31)を含有した状態におい弾性率1MPa以上500MPa以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子部品の実装構造。
  4. 前記樹脂(32)は、シリコーン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂およびフッ素系樹脂の中から選択されたものであることを特徴とする請求項に記載の電子部品の実装構造。
  5. 前記樹脂(32)は、シリコーン系樹脂であることを特徴とする請求項に記載の電子部品の実装構造。
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