JP4236921B2 - 軸受装置の潤滑油供給機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種機械に使用されている回転軸や揺動軸などを支持する軸受装置の潤滑油供給機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
回転軸や揺動軸など、軸の中心を原点として回転運動を行う機構は、円滑な運動を実現するため各種の軸受が使用されており、軸受の中心に軸を挿通した上でハウジングの内部に軸受を組み込むことで、軸の保持や運動時の摩擦の低減に貢献している。軸受は、軸に接する内輪とハウジングに接する外輪の間に、球形や円筒形の転動体を組み込んだ転がり軸受と、回転軸に対応して形成される受け部を介して面接触させて、摺動により支持する滑り軸受に大別されるが、いずれの場合も転動体や摺動部には、円滑な運動を維持するため適量の潤滑油を供給する必要がある。潤滑油の供給方法は軸受の使用条件により異なるが、最も一般的なものは、油脂類を定期的に供給することであり、粘性が低く浸透性に優れたものや、グリスのような固形状で時間の経過による散逸が少ないものなど、使用条件に合わせて最適なものを選択する。
【0003】
軸受に供給された潤滑油は、当初は供給された箇所に集中しており、各所に到達していない場合もあるが、軸を回転させることで次第に転動体や摺動部の全体に均一に行き渡ることで、円滑な動作を確保している。しかし潤滑油は時間の経過につれて散逸するほか、軸とハウジングの隙間から漏出して必要な潤滑油が失われたり、汚染や組成の変化などの劣化は避けられず、定期的に補給や交換が必要である。なおハウジングの中に組み込まれた軸受は、直接的に給油するのが難しい場合もあり、この対策としてハウジングなどに油路となる孔を設けて、油路の入り口にグリスニップル(給油口)を取り付け、潤滑油を軸受の転動体や摺動部に誘導する方法もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
軸受の使用形態は実に多様であり、例えば織布を生産する織機では、織布を巻き取るローラなど各種の回転軸が使用され、さらに筬打ち機構や経糸テンションロール支承機構のように軸の回転運動範囲の狭い揺動軸も存在する。このような揺動軸を支持する軸受にも、回転軸と同様に転がり軸受や滑り軸受が使用されているが、軸が小さな運動角度で揺動を繰り返すだけなので、給油した後の潤滑油の行き渡りが進みにくい傾向がある。一般に軸受の潤滑において「臨界揺動角」と呼ばれる概念があり、使用時の揺動角がこの臨界揺動角より小さいと、転動体の負荷面全体に潤滑油を行き渡らせることができず、潤滑不良により異常摩耗や焼き付けなど不具合の原因となる。特に前記のように織機は、臨界揺動角以下の角度で揺動する軸が多用されており、揺動軸の動作頻度や作用力も高く、極めて過酷で状況で運用されている。
【0005】
このような条件で使用される織機の揺動軸を正常に維持するには、最低でも週に一度は軸受に給油を行う必要がある。これを怠ると、通常の回転軸に比べて動作頻度や作用力が高いため、軸受部材の異常摩耗が発生しやすく寿命が低下する。また給油の度に排油口より、劣化していないまだ充分に利用可能な潤滑油が排出される結果、潤滑油が浪費されるという問題もある。
【0006】
本発明は、このような実状を基に開発されたもので、回転軸を支持する軸受装置に対し、揺動運動角度が小さいため潤滑油が行き渡りにくい回転軸であっても、転動体や摺動部に潤滑油を確実に供給することができる軸受装置の潤滑油供給機構の提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、回転軸と、回転軸を支持する軸受と、回転軸および軸受を受け入れ可能に形成され軸受を内側で保持するハウジングと、を有し軸受の転動体または摺動部に面しており且つハウジングの内周面と回転軸との間に形成される空間には、壁が設けられており、ハウジングの内周面と回転軸と壁により、給油口と油路を経由して供給される潤滑油を貯留可能な貯留部を構成する軸受装置において、前記壁は、ハウジングの内側を密封するように、且つ貯留部の内圧に応じて弾性的に変位可能に設けられており、給油時、該壁は、給油口からの潤滑油の供給に伴う内圧の上昇に対応して弾性的に変位することにより、貯留部は、その容積を拡張しつつ潤滑油の密閉状態が維持されると共に、給油終了後、回転軸の回転中に該壁は、潤滑油の消費に伴う内圧の減少に対応して前記給油時における変位とは逆方向に弾性的に変位することにより、貯留部は、その容積を縮小させて潤滑油を軸受の転動体または摺動部に供給することを特徴とする軸受装置の潤滑油供給機構であり、貯留部に滞留している潤滑油に内圧を継続的に作用させて、潤滑油を軸受の転動体または摺動部に送り込むことができる。
【0008】
このようにハウジングの内周面と回転軸との間に形成され、軸受の転動体や摺動部に面しており外部と隔離された密封空間を貯留部と規定しており、この中に潤滑油を貯留する。貯留部は密封されており内部の圧力を高めても、潤滑油が漏洩することはなく、また貯留部に潤滑油を供給するため、外部に設けられたグリスニップルなどの給油口から連通する油路も確保されている。
【0009】
貯留部は、潤滑油を継続的に転動体や摺動部に送り込むために、常に一定水準の内圧を維持する機構が必要で、これは貯留部を取り囲む面の一部に、弾性的に変位する壁を設けることで実現する。壁は貯留部の内圧を受けて弾性的に変位するため、貯留部の容積が増減するとともに内圧を維持することができる。より詳しくは、給油時には潤滑油の供給圧力を受け、貯留部内に潤滑油が充填される結果、壁は、貯留部の容積を増加させるように弾性的に変位し、潤滑油は内圧の高い状態が維持される。給油後に潤滑油が消費されたとしても、壁は付勢されているため、その変位を復帰させる方向に変位して貯留部の容積を減少させ、潤滑油は内圧状態を維持することができるため、転動体および摺動部に潤滑油を継続的に送り込むことができる。したがって従来の織機のように、揺動運動の角度範囲が小さく潤滑油が行き渡りにくい回転軸を受ける軸受装置であっても、これまでのように頻繁に給油を行う必要がなく、給油の間隔を長くできるため、給油に係る労力を大幅に削減できる。
【0010】
壁を内圧に応じて弾性的に変位させる構造の具体例としては、請求項2記載の発明のように、壁は、剛体材料により形成される一方、軸方向に移動可能に設けられるとともに、ハウジングにその一端が係止される付勢部材を介して貯留部の容積を縮小させる方向に付勢させる方式が挙げられる。より具体的には変位可能な壁を金属などの剛体材料でリング状に形成して、回転軸外周とハウジング内周を案内面として軸方向に移動可能に配置するとともに、コイルバネなどの付勢部材の一端を壁の貯留部に対して反対側の面に当接させて、他端は変位することのないハウジングに当接させる。貯留部の内圧の増加に伴い壁が移動し始めると、貯留部の容積を増大させるとともに、付勢部材は壁とハウジングの間で圧縮され、この反力で貯留部の内圧を維持できる。付勢部材は壁に対して円滑に荷重を加えることができるならば、自然長に対して圧縮および引張のいずれの形式のものを使用しても問題はない。
【0011】
貯留部の密封性と内圧の維持が可能であれば、必ずしも請求項2記載の発明のように壁を剛体とする必要はなく、これに代えて請求項3記載の発明のように、壁は、弾性変形可能な材料により形成される一方、その鍔部の一部がハウジングに係止されている構造も可能である。この場合は、壁を合成ゴムなどの弾性を有する材料で形成して、内圧が高まり貯留部の容積が増加し始めると、壁自身が弾性的に変形して、この反力で内圧を維持することができる。また弾性を有する壁全体が内圧によって移動すると弾性による反力が発生しないため、壁の一部は不動状態で固定する必要があり、より具体的には、壁の鍔部はハウジングで係止される。この係止方法は多様で特定の形態に限定されないが、一例としてハウジングの内周面にリング状の溝を設けて、ここに壁の鍔部を填め合わせて固定するなどが挙げられる。
【0012】
貯留部に滞留している潤滑油は、時間の経過により劣化が進むことは避けられず、定期的な交換が必要があったり、潤滑油を補充する際に過剰な潤滑油を排出する必要もあり、そのため請求項4記載の発明のように、貯留部には、密封状態を維持する部分が内圧の上昇により外部と連通する排油部を設けることが望ましい。壁の変位量は内圧により決定するため、内圧が一定の基準に到達した場合に、壁の移動により貯留部の密封が解除される手段を設置して、潤滑油の交換の際には給油口から潤滑油を加圧しながら補給すると、貯留部の内圧が増加して壁が弾性的に変位し、この変位量が規定を超過したとき、貯留部が外部と連通するように構成することにより、古い潤滑油や過剰な潤滑油が貯留部の外部へ排出される。
【0013】
排油部の具体的な構造の一例は、請求項2記載の発明のように壁が剛体材料で形成されている場合、請求項5記載の発明のように、排油部は、ハウジングまたは回転軸のうち少なくとも一方に設けられ、壁を案内する案内面の一部に、軸方向に延在し且つ外部に通じる逃げ面を有し、内圧の増加に伴い壁が所定位置に移動した際に前記逃げ面が貯留部に露出されるものが挙げられる。壁はリング状の剛体であり回転軸と同心で、かつ外周はハウジング内周に接触しており、壁は回転軸外周およびハウジング内周を案内面として軸方向に移動可能で、付勢部材により貯留部を加圧している。案内面と壁との間は、密閉性を維持するためにオーリングなどを使用しているが、壁の変位が基準を越えると逃げ面と壁との間に隙間が生じて、ここから潤滑油が外部に排出される。
【0014】
逃げ面は、ハウジング側または回転軸側のいずれにも設置可能であるが、回転軸に逃げ面を加工すると強度の低下を招くため、好ましくは固定側のハウジング側に設置する。また内圧の増加により逃げ面から潤滑油が外部に排出されると、これ以上内圧が増加することはなく、潤滑油の排出により内圧が再び低下すると壁が移動して壁と逃げ面との間の隙間が塞がれて、一定の内圧に維持される。その後も潤滑油の消尽に対応して、貯留部の容積を減少させる方向に壁が移動するため、一定の内圧が維持されるとともに、転動体や摺動部に潤滑油を供給し続けることができる。
【0015】
排油部の具体的な構造について、請求項5記載の発明以外に、請求項6記載の発明のように、排油部は、ハウジングまたは回転軸のうち少なくとも一方の、壁を案内する案内面に設けられ、通常内圧時の壁の位置よりも外側の位置に外部に通じる排油孔が設けられており、内圧の増加に伴い壁が所定位置に移動した際に前記排油孔が貯留部に露出されるものが挙げられる。この場合も、請求項6記載の発明と同様に、壁は剛体で回転軸外周およびハウジング内周を案内面としており、貯留部の内圧の増加により弾性的に変位するが、この案内面に外部と連通する排油孔を設けておき、内圧の増加により壁が排油孔を通過すると、貯留部は排油孔を通じて外部に連通して、潤滑油が外部に排出される。
【0016】
壁自身が弾性変形可能な場合には、請求項7記載の発明のように、排油部は、貯留部の内圧が許容範囲を超過したとき、弾性変形可能な材料で構成される壁の一部が、回転軸またはハウジングに接する部分が局地的に離間するように変形することで、貯留部が外部に通じて潤滑油を排出することが可能である。弾性部材で形成された壁の鍔部がハウジングに係止されている場合、壁と回転軸外周は接触しながら密封を維持しているが、壁は貯留部の内圧に応じて弾性的に変形するため、内圧が一定値を越えると変形量の増大により回転軸との接触が維持できなくなり、壁との間に局地的に隙間が生じて、これが排油部となり潤滑油を外部に排出することができる。排油により貯留部の内圧が低下すると、壁は自身の弾性により回転軸と再び接触することにより密封され内圧が維持される。その後も、潤滑油が消費されたとしても、既に弾性変形状態にある壁が元の形状に復帰する方向に変形する結果、貯留部の容積が減少されるため、一定の内圧が維持されるとともに、転動体や摺動部に潤滑油を継続的に送り込むことができる。
【0017】
軸受の転動体や摺動部に供給されている潤滑油は、時間の経過に連れて劣化していくため定期的な交換が必要であるが、この作業を潤滑油の補給の際に同時に実施できると利便性に優れる。そこで請求項8記載の発明のように貯留部は、軸受を中心として、軸方向に対して給油口とは反対側の位置に設けると、給油口から補給された潤滑油は、軸受内部を通過してから貯留部に到達するため、軸受内部の潤滑油を強制的に入れ替えることができる。給油口から注入された潤滑油は、回転軸とハウジングの間の環状の空間に入り込んだ後、軸受内部を通過して古い潤滑油を押し出した後に貯留部に到達する。給油が続いている間は内圧が上昇するため、排油部より古い潤滑油から順次排出されて、軸受内部および貯留部は新しい潤滑油に置換される。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明による軸受装置の潤滑油供給機構を、以下各図に基づき説明する。図1
に示す断面図のように、回転または揺動運動を行う回転軸2は、軸受3などを含む軸受装置1により回転自在に支持され、回転軸2は、図中では省略しているが単一の軸受装置に限らず、複数の軸受装置1で支持されるよう構成することも可能である。軸受装置1は大まかに言えば、回転軸2を受け入れ可能な軸受3と、筒状に設けられ、軸受3に回転軸2を内挿した状態でこれを受け入れるハウジング4とを有している。筒状に設けられるハウジング4の中空部39は、一端より同径にて延びる第一の内周部31と、他端より挿入される軸受3を軸方向に移動不能に係止する底部32と、底部32に連なって設けられかつ軸方向の略中間位置付近まで軸受3の外輪7に対応する内径で延びる第二の内周部33と、これより軸受挿入側40に所定の区間に渡って設けられ、かつこれより軸受挿入側40に進むに連れて拡径される逃げ面22と、さらに軸受挿入側40に向けて逃げ面22の端部と同じ内径で延びる第三の内周部34が形成されている。
【0019】
回転軸2は、外径の異なる二つの外周部35,36の間に軸径方向に延びる縁部37が設けられており、挿入される軸受3の内輪6が縁部37に係合されることにより、回転軸2が内輪6に対し軸方向に移動不能にされている。これに対し軸受3の外輪7は、ハウジング4の底部32に配置された状態において、ハウジング4に対してトメワ16を介して移動不能に係止される。ハウジング4は、図示しないフレームから延びるブラケット5に支持される結果、回転軸2は図示しないフレームに支持される。
【0020】
軸受装置1は、機械本体に設置されたブラケット5内部に組み込まれている。軸受装置1の最外周に位置する円筒状のハウジング4は、ブラケット5内部に受け入れされており、軸方向および半径方向のいずれにも拘束されている。軸受3は中心に回転軸2が填め込まれる内輪6と、ハウジング4内部の空間に填め込まれる外輪7と、内輪6と外輪7との間の空間に配置される複数の球形の転動体8とから構成され、内輪6は回転軸2と一体で回転運動を行うが、外輪7はハウジング4に固定され、転動体8は双方の中間で荷重を伝達しながら自転と公転運動を行う。
【0021】
ハウジング4の反軸受挿入側41の端部には、軸受3に供給する潤滑油10を取り入れるための給油口11が装備される。この給油口11は逆止弁を備えており、内部に取り入れた潤滑油10を外部に排出することはない。ハウジング4の肉厚部38には、給油口11と第一の内周部31とに通じる油路12が設けられる。ハウジング4の反軸受挿入側41より、略ディスク状に形成されたオイルシール13が、回転軸2とハウジング4の第一の内周部31との間に配置されて、オイルシール13と軸受3との間に形成される空間である環状室14を、外部に対して液密状態に維持する。オイルシール13は、ハウジング4の内周に移動不能に取り付けられるトメワ16を介して係止され、ハウジング4に対し抜け止めされている。一方ハウジング4の中空部39の軸受挿入側40より、回転軸2に通した状態で第二の内周部33に対応する外径寸法で略円板状に形成される壁17、圧縮方向に弾発するコイルばね(付勢部材)19が順に挿入されるとともに、ハウジング4の軸受挿入側40の端部には、これらを封入すべく押さえフタ25が固着される。
【0022】
コイルばね19は、少なくとも壁17が第二の内周部33から逃げ面22の形成領域にかけて伸縮自在に構成されており、また壁17は、ハウジング4側の押さえフタ25の一端に係止されたコイルばね19を介して、貯留部15の容積を縮小させる方向に付勢されている。なお壁17が接するハウジング4側の第二の内周部33ならびに回転軸2の第二の外周部36は、本件でいう案内面21に対応している。このようにして、ハウジング4側の第二の内周部33の一部に軸方向に延在しかつ外部に通じる逃げ面22を有し、壁17が所定位置に移動した際に逃げ面22が貯留部15に露出されるように排油部20が構成されている。また壁17と回転軸2の第二の外周部36ならびにハウジング4の第二の内周部33の間には、オーリング18がそれぞれ設けられ、軸受3と壁17との間に形成される空間である貯留部15を、外部に対して液密状態に維持する。また押さえフタ25と回転軸2との間には、排油可能な隙間42が設けられている。
【0023】
さて給油口11から取り入れられた潤滑油10は、ハウジング4内部に加工された油路12を通過して、軸受3に隣接している環状室14に到達する。環状室14は、ハウジング4内部に円周状に形成されており、油路12からの潤滑油10を滞留させた後に転動体8に送り込む緩衝部としての役割がある。
【0024】
潤滑油10は環状室14に滞留された後、隣接している転動体8に到達するが、転動体8は円周方向に等間隔で並んでおり、環状室14からは環状に潤滑油10が送られるため、全ての転動体8に均等に潤滑油10が供給される。軸受3は一側面が環状室14に隣接しており、この反対面は貯留部15に隣接している。貯留部15は、回転軸2外周とハウジング4内周と壁17により画定される空洞部であり、一定量の潤滑油10を滞留させる役割がある。また壁17は、ハウジング4の第二の内周部33に接するようにリング状に形成され、ハウジング4の中空部39を所定区間、つまり第二の内周部33から逃げ面22が形成されている区間に渡り、回転軸2の外周を案内面21にして、軸方向に移動可能に設けられている。なお壁17は軸方向に円滑に移動できるよう、案内面21との間には隙間を確保した上で、密封性を確保するためオーリング18が組み込まれている。
【0025】
潤滑油10を強制的に転動体8に送るには、貯留部15の内圧を外部より高めに維持する必要があり、これを実現するため壁17には、軸受3の方向に付勢させる外力が与えられている。この外力は、コイルばね19により発生される。コイルばね19の一端は壁17の側面に、他端は押さえフタ25に係止され、自然長から圧縮された状態で使用されるため、壁17は常に貯留部15の容積を縮小させるよう付勢されている。なお押さえフタ25は、ハウジング4とボルトで締結され一体化されている。
【0026】
貯留部15を始め、油路12や環状室14や軸受3内部には、潤滑油10が満たされており、かつ弾性的に変位するコイルばね19により貯留部15の内圧が維持されている場合、回転軸2の揺動により転動体8が移動すると、転動体8の進行方向に存在する潤滑油10は、転動体8により押し出され、一方で転動体8が通過した後には潤滑油10が存在しない。しかし転動体8の通過した後方は負圧になるため、周囲の潤滑油10が引き込まれるので、転動体8に作用する潤滑油10は途切れず、良好な潤滑を長期間維持できる。貯留部15は、オイルシール13やオーリング18により密封されているものの、時間の経過と共に潤滑油10が減少することは避けられないが、この場合も壁17がコイルばね19により軸受3側に移動することで、壁17が軸受3に接近するまでその効果を持続的に発揮する。
【0027】
潤滑油10は、時間の経過につれて劣化することは避けられないので、定期的な交換が必要であり、この際は図1(ロ)に示すように、潤滑油10を補給する給油パイプ29を給油口11に係合し、給油口11内部へ潤滑油10を圧送する。潤滑油10は、油路12から環状室14を経て軸受3を通過して貯留部15に到達するが、この際に古い潤滑油10が押し出されて、新しい潤滑油10に置き換わる。給油パイプ29からの圧送が続くと、貯留部15の内圧は上昇していき、壁17が貯留部15の容積を拡大する方向に移動して、コイルばね19が圧縮される。この際に壁17の移動を誘導している案内面21は、基本的に軸方向に対して同一直径だが、押さえフタ25に近い側のハウジング4内周は、排油部20を構成すべく、軸受挿入側40に進むにつれて直径が拡大された逃げ面22を形成している。
【0028】
このように壁17が、貯留部15の内圧の増加に伴いコイルばね19を圧縮する方向に移動し続けた場合、壁17が第二の内周部33を越えて逃げ面22に差し掛かり、壁17とハウジング4との間に隙間が発生して貯留部15が外部に解放される。このため新しい潤滑油10によって押し出された古い潤滑油10は、隙間から外部に排出されて貯留部15は新しい潤滑油10に置き換わる。給油パイプ29を給油口11から取り外して潤滑油10の供給を止めると、排出されるにつれて貯留部15の内圧が減少していき、再び壁17が第二の内周部33に接するため、貯留部15は密封状態に復帰する。なお逃げ面22は、ハウジング4側に設置する場合以外に、回転軸2側に設置することも可能で、また逃げ面22は、必ずしも全周に渡る必要はなく案内面21の一角を切削することにより構成することも可能である。
【0029】
本発明で使用される潤滑油10の種類は限定されないが、取り扱いの容易な固形状のグリスが一般的に使用されており、また貯留部15など潤滑油10を滞留させる空間に空気が混入すると、潤滑油10の流動を阻害する恐れがあり、軸受装置1の組立の際に潤滑油10を充填することにより自然に空気が追い出されることが望ましい。なお図中で貯留部15などに描かれている網掛け模様は、空間に滞留する潤滑油10を示している。
【0030】
図2(イ)に示す軸受装置1は、基本的な形態が図1と同様であるが、排油部20の構造が異なっており、図1のような逃げ面22を有しておらず、代わって排油部20としてハウジング4の内部に、案内面21と外部を結ぶ排油孔23が確保されている。貯留部15の内圧が規定内にある場合、排油孔23は貯留部15と連通していないため密閉状態を維持しており、図1(イ)の形態と変わりがない。また潤滑油10を交換する場合には、図2(ロ)のように、給油パイプ29を給油口11に係合し、新しい潤滑油10を送り込むことで貯留部15の内圧が増加していき、壁17が軸受3から遠ざかっていくと、排油孔23が貯留部15と連通するため圧力の高まった潤滑油10が外部に排出される。図2に示す排油孔23は、ハウジング4端面と案内面21を結んでいるが、排油孔23の設置方法は多様で、ハウジング4からブラケット5を通して外部に到達させる場合もある。
【0031】
図3は、軸受がいわゆる滑り軸受である場合の実施例を示し、壁57に弾性変形可能な合成ゴムなどの材料が使用されている例である。(イ)は断面図で、(ロ)は側面図を示し、図4(イ)は図3のA−A断面図で、図4(ロ)は図3のB−B断面図を示している。本軸受装置1は、上記実施例装置のような転がり軸受ではなく、いわゆる滑り軸受を構成しており、軸受装置1は、大まかに言えば回転軸2を受け入れ可能な筒状のライナー51と、ライナー51の中空部に回転軸2を挿入した状態でライナー51を受け入れるハウジング52,53とを有している。
【0032】
回転軸2には、略円筒状に形成されたライナー51が挿入される。ライナー51は、軸径方向に二体に分割可能に形成されたハウジング52,53により、回転軸2を外側から包み込むようにして保持される。より詳しくは、ハウジング52,53は、ボルトを介して固着されて一体に設けられ、またライナー51を図示しないキーなどを介し、回転軸2の回転に対し回転不能に保持しており、回転軸2とライナー51の内周部との間は、いわゆる摺動部62を構成する。またハウジング52,53のいずれか一方は、図示しない機械本体フレームで受けられており、回転軸2は機械本体フレームに対して回転可能に支持されている。
【0033】
ハウジング52,53は、軸方向に延びる第一の内周部56と、軸端側の位置に全周に渡り内周部より軸径方向に角溝60が刻設されて、角溝60と外端部58との間に、環状の縁部59を形成する。ハウジング52の軸中央部の外側面には、給油口11が設けられる一方、ハウジング52,53の第一の内周部56の軸方向の中央付近には、全周方向に渡って環状の環状溝54が形成されており、これらは肉厚部61に形成される油路12を介して給油口11に連通している。これに対しライナー51には、全周方向に角度的に三等分された位置より、外周部側から回転軸2が挿入される内周部に向けて貫通する油送孔26が設けられ、また内周部には、その油送孔26の位置より両軸端方向に延びる油送溝27が形成されている。なお回転軸2のライナー51との間の隙間を潤滑油10が通過可能であれば、上記した油送溝27を省略した構造も可能である。
【0034】
これに対し、合成ゴムなどの弾性変形可能な部材で構成される壁57は、筒状に形成される基底部63と、上記ハウジング52,53の環状の縁部59に嵌り合うべく基底部63より軸径方向に全周に渡って延びる第一の鍔部64および第ニの鍔部65と、第二の鍔部65よりも軸端方向に筒状に延びる先端部67とを有してなる。なお潤滑油10充填時における第一の鍔部64の変形を許容すべく、縁部59の内周端は、壁57の基底部63に対して離間するように形成される。これに対し第一の鍔部64は、縁部59に係合しない部分において、弾性変形可能に薄肉形成されているため、後述するように貯留部55に潤滑油10が充填されたとき、壁57の第一の鍔部64に作用する内圧を受けて、軸端方向に弾性変形可能にされている。
【0035】
また壁57の内周部は、回転軸2に対して密着するようにされているが、周の一部において、軸方向に基端部66から先端部67の付近まで延びる排油溝28が設けられており、後述のように貯留部55に潤滑油10が充填されて、内圧が許容範囲を超えたとき、先端部67を軸径方向に持ち上げるように弾性変形可能にされている。
【0036】
さて図3に示されるように回転軸2には、ライナー51が挿入される一方、壁57は基端部66が対向するように両側より挿入され、次いでハウジング52,53の縁部59が、壁57の第一の鍔部64および第二の鍔部65の間の領域に嵌り合うように外側から包み込むように配置される。この結果、ハウジング52,53、壁57および回転軸2で囲まれる内部空間は、貯留部55として機能する。また第二の鍔部65は、貯留部55に潤滑油10が充填されて弾性変形した状態にあっても、ハウジング52,53の外端部58に接した状態にあり、周囲に水滴等が存在したとしても、貯留部55の内部に進入しないようにされている。
【0037】
回転軸2は略円筒形の軸受であるライナー51で支持され、またライナー51を保持するハウジング52,53は上下に分割できる構造で、ハウジング52,53の外周部に給油口11を備え、ここから供給された潤滑油10は油路12を経て、ライナー51の外周を取り囲む環状溝54に到達する。ライナー51には潤滑油10を送り込むため、内外を貫通する油送孔26が等間隔で三カ所に配置され、環状溝54から油送孔26を通り摺動部62に到達した潤滑油10は、ライナー51の内周面に軸方向に加工された油送溝27に沿って流れ、摺動部62全体に拡散する。なおライナー51の油送溝27や壁57の排油溝28は、本図では三本だが、実際には回転軸2の揺動角などに応じて最適な本数を確保する必要がある。
【0038】
図5(イ)は、壁57が弾性変形することで貯留部55の内圧を維持している様子を示し、給油パイプ29を給油口11に係合して強制的に潤滑油10を供給すると、油路12や貯留部55の内圧が上昇していき、壁57は外側へ弾性変形を生じる。しかし壁57の第一の鍔部64は、ハウジング52,53の縁部59で固定されているため、貯留部55の容積が増大するよう基底部63が軸方向に移動して、この反力により貯留部55の内圧が維持される。しかも内圧により、第一の鍔部64がハウジング52,53に押し付けられるため、密閉性が向上して外部からの異物の侵入も確実に防止できる。
【0039】
給油口11からの潤滑油10の供給が過剰になると、図5(ロ)のように、排油溝28に入り込んだ潤滑油10の圧力により壁57が局所的に持ち上げられて、回転軸2との間に外部に通じる排油部20が形成され、潤滑油10が外部に排出される。潤滑油10の排出が進み貯留部55の内圧が低下すると、持ち上げられていた壁57は、元の形状に戻って回転軸2と密着して、排油部20が塞がれるため、再び密封性が確保される。
【0040】
図6は図3と同様、壁57に弾性変形可能な材料を使用して、かつ軸受に滑り軸受を使用した場合の構造例を示しており、ハウジング52,53はブラケット5の内部に収容され、ハウジング52の端面に給油口11が設置され、ここから順に油路12、環状溝54、ライナー51に刻まれた油送溝27を経て、貯留部55に到達している。貯留部55の壁57は、弾性変形可能で内圧を維持することができ、環状溝54にはオイルシール13が隣接している。
【0041】
このような軸受装置の潤滑油供給機構について、一回転以上連続的に回転する回転軸に限らず、一回転に満たない運動範囲で回転される、いわゆる揺動軸にも適用可能である。繊維機械、特に織機の分野では、例えば経糸が巻き掛けられるテンションロール(バックロール)の支持機構、筬打ち運動を伝達させるロッキングシャフトの支持機構、経糸開口装置の綜絖枠の往復運動を発生させるための機構や、綜絖枠に運動を伝達する双動レバーの支持機構、ほか、耳取装置、巻き取り装置等における回転軸を支持する支持機構など、回転軸あるいは揺動軸を支持する支持機構に広く適用可能である。
【0042】
【発明の効果】
請求項1,2,3記載の発明により、密封されている貯留部が、弾性的に変位する壁により内圧を維持しており、この内圧を利用して潤滑油を軸受装置の転動体や摺動部に強制的に供給することができる。より詳しくは、給油時には潤滑油の供給圧力を受け、貯留部内に潤滑油が充填される結果、壁は、貯留部の容積を増加させるように弾性的に変位し、潤滑油は内圧の高い状態が維持される。給油後に潤滑油が消費されたとしても、壁は、その変位を復帰させる方向に変位して貯留部の容積を減少させ、潤滑油は内圧状態を維持することができるため、転動体および摺動部に潤滑油を継続的に送り込むことができる。従って、潤滑不良による回転軸の異常摩耗や焼き付けなどの不具合が未然に防止でき信頼性が向上するほか、給油の間隔を長くでき、維持管理に要する労力が軽減される。
【0043】
請求項4,5,6,7記載の発明により、貯留部の内圧が基準値を超過した際に、壁の変位もしくは変形により貯留部の密封が解放され、古い潤滑油や過剰な潤滑油を外部に排出できる。
【0044】
請求項8記載の発明により、給油口と貯留部との間に軸受が配置されるため、給油口から取り込まれた潤滑油は、必然的に軸受装置の転動体や摺動部を通過して貯留部に到達するため、転動体や摺動部に確実に潤滑油を供給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)(ロ)
潤滑油供給機構として、貯留部を仕切る壁に剛体材料を使用し、かつ転がり軸受を使用した構造において、排油部としてハウジングの案内面に逃げ面を設けた形態を示す断面図で、(イ)は稼働時の状態を、(ロ)は新たな潤滑油を供給している状態を示している。なお図中の網掛け模様は、潤滑油を示している。
【図2】(イ)(ロ)
潤滑油供給機構として、貯留部を仕切る壁に剛体材料を使用し、かつ転がり軸受を使用した構造において、排油部としてハウジングに排油孔を設けた形態を示す断面図で、(イ)は稼働時の状態を、(ロ)は新たな潤滑油を供給している状態を示している。なお図中の網掛け模様は、潤滑油を示している。
【図3】(イ)(ロ)
潤滑油供給機構として、貯留部を仕切る壁に弾性変形可能な材料を使用し、かつ滑り軸受を使用した場合の形態を示し、(イ)は断面図で、(ロ)は側面図である。なお図中の網掛け模様は、潤滑油を示している。
【図4】(イ)(ロ)
(イ)は、図3のA−A断面図、(ロ)は図3のB−B断面図である。
【図5】(イ)(ロ)
図3に示す軸受装置において、(イ)は壁が弾性変形して内圧を維持している状態を示し、(ロ)は内圧上昇により貯留部が外部と連通して、潤滑油が外部に排出されている状態を示している。なお図中の網掛け模様は、潤滑油を示している。
【図6】 潤滑油供給機構として、貯留部を仕切る壁に弾性変形可能な材料を使用し、かつ滑り軸受を使用した上で、給油口がハウジングの端面に設置された構造の形態例を示す断面図である。なお図中の網掛け模様は、潤滑油を示している。
【符号の説明】
1 軸受装置
2 回転軸
3 軸受
4 ハウジング
5 ブラケット
6 内輪
7 外輪
8 転動体
10 潤滑油
11 給油口
12 油路
13 オイルシール
14 環状室
15 貯留部
16 トメワ
17 壁
18 オーリング
19 付勢部材(コイルばね)
20 排油部
21 案内面
22 逃げ面
23 排油孔
25 押さえフタ
26 油送孔
27 油送溝
28 排油溝
29 給油パイプ
31 第一の内周部
32 底部
33 第二の内周部
34 第三の内周部
35 第一の外周部
36 第二の外周部
37 縁部
38 肉厚部
39 中空部
40 軸受挿入側
41 反軸受挿入側
42 隙間
51 ライナー
52 ハウジング
53 ハウジング
54 環状溝
55 貯留部
56 第一の内周部
57 壁
58 外端部
59 縁部
60 角溝
61 肉厚部
62 摺動部
63 基底部
64 第一の鍔部
65 第二の鍔部
66 基端部
67 先端部

Claims (8)

  1. 回転軸(2)と、回転軸(2)を支持する軸受(3)と、回転軸(2)および軸受(3)を受け入れ可能に形成され軸受(3)を内側で保持するハウジング(4,52,53)と、を有し
    軸受(3)の転動体(8)または摺動部(62)に面しており且つハウジング(4,52,53)の内周面と回転軸(2)との間に形成される空間には、壁(17、57)が設けられており、ハウジング(4、52、53)の内周面と回転軸(2)と壁(17、57)により、給油口(11)と油路(12)を経由して供給される潤滑油(10)を貯留可能な貯留部(15、55)を構成する軸受装置において、
    前記壁(17、57)は、ハウジング(4、52、53)の内側を密封するように、且つ貯留部(15、55)の内圧に応じて弾性的に変位可能に設けられており、
    給油時、該壁(17、57)は、給油口(11)からの潤滑油(10)の供給に伴う内圧の上昇に対応して弾性的に変位することにより、貯留部(15、55)は、その容積を拡張しつつ潤滑油(10)の密閉状態が維持されると共に、
    給油終了後、回転軸(2)の回転中に該壁(17、57)は、潤滑油(10)の消費に伴う内圧の減少に対応して前記給油時における変位とは逆方向に弾性的に変位することにより、貯留部(15、55)は、その容積を縮小させて潤滑油(10)を軸受(3)の転動体(8)または摺動部(62)に供給することを特徴とする軸受装置の潤滑油供給機構。
  2. 前記壁(17)は、剛体材料により形成される一方、軸方向に移動可能に設けられるとともに、ハウジング(4)にその一端が係止される付勢部材(19)を介して貯留部(15)の容積を縮小させる方向に付勢されていることを特徴とする請求項1記載の軸受装置の潤滑油供給機構。
  3. 前記壁(57)は、弾性変形可能な材料により形成される一方、その鍔部(64,65)の一部がハウジング(52,53)に係止されていることを特徴とする請求項1記載の軸受装置の潤滑油供給機構。
  4. 前記貯留部(15,55)には、密封状態を維持する部分が内圧の上昇により外部と連通する排油部(20)が設けられていることを特徴とする請求項1、2または3記載の軸受装置の潤滑油供給機構。
  5. 前記排油部(20)は、ハウジング(4)または回転軸(2)のうち少なくとも一方に設けられ、壁(17)を案内する案内面(21)の一部に、軸方向に延在し且つ外部に通じる逃げ面(22)を有し、内圧の増加に伴い壁(17)が所定位置に移動した際に前記逃げ面(22)が貯留部(15)に露出されることを特徴とする請求項4記載の軸受装置の潤滑油供給機構。
  6. 前記排油部(20)は、ハウジング(4)または回転軸(2)のうち少なくとも一方の、壁(17)を案内する案内面(21)に設けられ、通常内圧時の壁(17)の位置よりも外側の位置に外部に通じる排油孔(23)が設けられており、内圧の増加に伴い壁(17)が所定位置に移動した際に前記排油孔(23)が貯留部(15)に露出されることを特徴とする請求項4記載の軸受装置の潤滑油供給機構。
  7. 前記排油部(20)は、貯留部(55)の内圧が許容範囲を超過したとき、前記弾性変形可能な材料で構成される壁(57)の一部が、回転軸(2)またはハウジング(52,53)に接する部分が局地的に離間するように変形することで、貯留部(55)が外部に通じることを特徴とする請求項4記載の軸受装置の潤滑油供給機構。
  8. 前記貯留部(15,55)は、軸受(3)を中心として軸方向に対して前記給油口(11)とは反対側の位置に設けられることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載の軸受装置の潤滑油供給機構。
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