JP4236563B2 - 寝具用シート - Google Patents

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Description

本発明は、多層構造を有する寝具用シートに関する。
現代社会には様々なストレス要因があり、多くの人々がストレスによる悩みを抱えている。一般的に肉体的・精神的なストレスを受けた場合、副交感神経と交感神経の働きのバランスが崩れて自律神経系に失調が生じると、精神の亢進状態が引き起こされ、速やかな入眠や十分な睡眠が妨げられることが知られている。当該問題を緩和させるには、副交感神経の働きを交感神経の働きよりも相対的に優位にすると効果的であることも知られている。副交感神経を優位にする方法としては、例えば香料組成物を気化させて吸気させるアロマテラピーによる方法が採用され(例えば特許文献1参照)、これらの方法を速やかな入眠や十分な睡眠効果が得られるように応用すべく、寝具に香料組成物を付着させる方法も提案されている(例えば特許文献2及び3参照)。
また、香りに対する感受性や嗜好性等の個人差に関わりなく作用する剤の研究もなされており、過度に交感神経が優位な状態の人に対しては鎮静等の作用を示し、過度に副交感神経が優位な状態の人に対しては生理学的に最適な状態に戻すことが可能なストレス緩和剤が開発されている(例えば特許文献4参照)
また特許文献4には、セドロールは、自然な揮発によって、又は加熱、超音波照射等の処理によって揮散可能な状態で用いられることが記載されている。
一方、入眠後、深い睡眠状態を得るためには、深部体温(脳温、直腸温)を下げやすい睡眠環境が重要であることが言われている。深部体温を下げやすくするためには、入眠後の発汗により皮膚表面を濡れた状態にすることは、放熱性を低下させるため好ましくなく、汗を素早く吸収させる必要があると言われている。
特開平6−40911号公報 特開平9−154677号公報 特開平10−66639号公報 国際公開第01/58435号パンフレット
鎮静効果が認められているセスキテルペンアルコール等は、常温で固体状であるため揮散性が非常に低く、例えばセドロールは22℃(常温)における蒸気圧が2.0×10-5kPa程度である。そこで、寝具に当該成分を多量に担持させることにより効果を発揮させようとすれば、粉落ち等が生じ、衣服や身体を汚すこととなる。また、これを回避すべく単に別のシート等を重ねれば揮発性を阻害し効果を発揮できない。また、寝具に上述のような加熱等の手段を施したのでは、却って速やかな入眠や十分な睡眠効果が妨げられるおそれもある。更に、枕カバー、ふとんシーツ等の寝具用シートに香料組成物を付着させる場合、シート素材そのものの肌触りが睡眠に影響を及ぼすことが考えられる。肌触りが悪いと寝具用シートの感触が気になり、寝つきが悪くなることが考えられる。
よって、速やかな入眠や十分な睡眠効果を得るためには、寝具自体に快適感を付与することも重要である。特に、汗蒸れ等が生じて汗が身体から蒸発しないと、身体の深部体温が低下せず、入眠や睡眠効果を妨げる要因の一つとなることは上述の通りである。
従って本発明の目的は、加熱等の処理及びそのための装置を必要とすることなく、常温においてもその効果を発現させるのに十分な量の鎮静精油成分を寝具に担持させると共に、鎮静精油成分の揮発性を損なうことなく、肌触りが良好で、速やかな入眠や十分な睡眠効果を有する寝具用シートを提供することにある。
本発明は、鎮静精油成分を担持した第1繊維シート及び親水性繊維を20〜90重量%含む第2繊維シートを備え、第2繊維シートを身体に接触する側に配した寝具用シートを提供することにより前記目的を達成したものである。
本発明の寝具用シートによれば、揮発する鎮静精油成分の吸入、及び肌触りの快適性により、速やかな入眠効果、十分な睡眠効果等を得ることができる。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には本発明の寝具用シートの一実施形態の断面の模式図が示されている。寝具用シート10は、第1シート1及び第2シート2を備えている。両シート1,2は所定手段によって一体化されており、一枚のシートを構成している。両シート1,2は繊維材料から構成されている繊維シートである。両シート1,2の一体化の方法に特に制限はなく、例えばヒートシール、エンボス装置を用いた融着、接着剤による接着、縫い合わせなどの方法を用いることができる。
第1シート1は鎮静精油成分を担持している。担持する鎮静精油成分としては、例えば、セスキテルペンアルコール、モノテルペンアルコール、ジテルペンアルコール、これらのエステル化合物等が挙げられる。寝具に安定して担持できるという点から、鎮静精油成分は常温で固体であることが好ましい。また、鎮静効果の点から、鎮静精油成分は、セスキテルペンアルコールであることも好ましい。なお本発明において常温とは22℃を意味する。
セスキテルペンアルコールの具体例としては、セドロール、β−カリオフィレンアルコール、パチョリアルコール、グロブロール、セドレノール、ファルネソール、α−サンタロール、α−ビサボロール、ベチベロール、スクラレオール、ネロリドール等を挙げることができる。常温で固体である点から、セドロール、β−カリオフィレンアルコール、パチョリアルコール、グロブロールが好ましい。モノテルペンアルコールの具体例としては、αテルピネオール、ぺリラアルコール、リナロール、ゲラニオール等を挙げることができる。常温で固体である点から、αテルピネオールが好ましい。ジテルペンアルコールの具体例としては、ゲラニルリナロール、イソフィトール、スクラレオール等を挙げることができる。常温で固体である点から、スクラレオールが好ましい。前記テルペンアルコールのエステルとしては、前記テルペンアルコールと酢酸、酪酸等の脂肪酸とのエステルを挙げることができる。
前記テルペンアルコールの中でも、副交感神経を優位にさせる効果に特に優れると共にストレスを緩和し、リラックス感を増すという点、及び微香性であり嗜好に関わりなく効果がある点から、速やかな入眠効果、十分な睡眠効果を発揮する物質であるセドロールを用いることが特に好ましい。なお、これらの鎮静精油成分は単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。常温で液状のものを含んでいても、混合物とした場合に常温で固体状のものであれば、本発明で使用することができる。
鎮静精油成分としてセドロールを用いる場合には、純度90%以上のものを用いることが好ましく、更に純度95%以上のものを用いることが好ましく、特に純度98%以上のものを用いることが好ましく、とりわけ純度99%以上のものを用いることが好ましい。セドロールは、高純度のものほど微香性となり、その効果がより嗜好性に左右されなくなるからである。
鎮静精油成分の担持量は、高揮散、粉落ち抑制、肌感触、持続性の向上の点から、坦持体材料である第1シート1の表面積(見掛けの表面積)に対して0.1〜30g/m2であることが好ましく、さらに1.0〜15g/m2であることが好ましい。
第1シート1を構成する繊維材料は、その繊維比表面積が0.9〜3.0m2/gであることが好ましい。これにより、常温で固体の鎮静精油成分の揮散速度を早くできると共に、実使用上問題のない強度が維持できる。また、空隙が密であるために粉落ちを抑制することが可能となる。繊維比表面積が1.3〜2.8m2/gであると、常温での揮散速度が一層早くなり、粉落ちを一層防止できる点から好ましい。繊維比表面積は、カルロエルバ社製のSorpty 1750型等の測定装置を用いてBET1点法により求められる。
第1シート1を構成する繊維シートとしては、例えば互いに相溶性のない2種類のポリマーを同じ紡糸ノズルから同時に溶融押出して不織布としたものに、高圧水流等の噴射などの外力を用い繊維を分割・分離して得られるものや、メルトブローン法によって得られる不織布等を用いることができる。また、これらの繊維シートは、粉落ち抑制等の点から、その坪量が20〜200g/m2であることが好ましく、20〜100g/m2であることが更に好ましく、40〜100g/m2であることが特に好ましい。
これらの繊維シートを製造するためのポリマーとしては、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン類、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル類、ナロン等のポリアミド類等を用いることが好ましい。
外力によって分割・分離可能な繊維における2種類のポリマーの組み合わせとしては、例えばPETとナイロン、PETとPP、PEとPP等を採用することが好ましい。中でも、PETとPPの組合せからなる分割・分離型の繊維を用いた繊維シートを第1シート1として用いると、鎮静精油成分の常温における揮散速度に優れ、また粉落ちが少なくなることから特に好ましい。
また、外力によって分割・分離可能な繊維は、分割によって繊維の断面形状が単純な丸みを持ったものではなく、複雑な多角形形状となることに起因して、その繊維の比表面積が分割前に比較して大きくなっている。このため、当該繊維からなる繊維シートを常温で固体の鎮静精油成分の担持体として用いると、該鎮静精油成分の結晶の比表面積が大きくなり(つまり結晶サイズが小さくなり)、鎮静精油成分の揮散効率が更に向上することから好ましい。また、常温で固体の鎮静精油成分を強固に担持させてその粉落ちを更に効果的に抑制することも可能になる。
一方、メルトブローン法によって得られる不織布からなる繊維シートは、PET、PP、PE等を用いて形成されることが好ましい。
繊維シートからなる第1シート1は、その通気度が、2〜40cm3/cm2・sec(JIS L 1096 フラジール形法)であることが好ましく、5〜40cm3/cm2・secであることが更に好ましく、5〜20cm3/cm2・secであることが特に好ましい。第1シート1の通気度を前記範囲内とすることにより、常温において優れた揮散速度が得られるようになると共に、粉落ちを一層抑制することが可能になる。なお、通気度2〜40cm3/cm2・secの第1シート1に穴を設けたものに常温で固体の鎮静精油成分を担持させても良い。
第1シート1に常温で固体の鎮静精油成分を担持させる方法としては、例えば鎮静精油成分を溶媒に溶解して得られた溶液を、担持体材料に含浸させた後、乾燥処理する方法が挙げられる。この方法によれば鎮静精油成分を結晶状態で担持させることができる。前記溶液中の鎮静精油成分の濃度は、0.5〜15重量%、特に1〜10重量%とすることが、高揮散、粉落ち抑制の点から好ましい。溶媒としては、エタノール等の低級アルコール類、酢酸エチル等のエステル類、アセトン等のケトン類等を用いることができ、担持させる鎮静精油成分の溶解性等により適宜選択することができる。また、前記溶液中には、常温で固体の鎮静精油成分以外の鎮静精油成分(例えば香料)等を適宜添加してもよい。
次に第2シート2について説明する。第2シート2は、寝具用シート10に良好な肌触や吸水性、放湿性を付与するために用いられる。肌触り及び吸水性が良好なシートとしては、特開平9−31823号公報及び特開平7−54256号公報に記載のシートが知られている。これらのシートは、吸水性を向上させつつ表面を乾燥した状態に保つという目的上、疎水性繊維としてポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維を用い、これらの繊維を肌に触れる側に用いている。しかしこれらの繊維は比較的硬いものであり、肌触りの面で好ましくない。また、放湿性の向上については考慮されていない。これに対して本発明においては、第2シートとして以下に述べる構成のものを採用することで、身体の汗を吸い取り易く、また放湿しやすくしている。また肌触りも良好にしている。更に、この第2シート2と、先に述べた第1シート1、即ち鎮静精油成分を担持させたシートとを重ねて用いても、該鎮静精油成分の揮発性を損なわれず、両シート1,2の相乗効果によって快適な睡眠が得られる。
第2シート2は親水性繊維を含有している。親水性繊維としては例えば、レーヨン、綿、脱スケールしたウール、再生セルロース等が挙げられる。吸湿性、放湿性が良好な点から、親水性繊維はレーヨンであることが好ましい。第2シート2における親水性繊維の含有量は、該シート2の吸湿性及び放出性の点から20〜90重量%とする。
第2シート2は、前述した親水性繊維に加えて疎水性繊維を含むことが好ましい。これによって第2シート2に、吸水性及び放湿性と共に、肌感触の良好さが付与される。疎水性繊維としては、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維、等が挙げられる。肌感触等が良好であると共に強度も優れる点から、エチレンを含有するポリオレフィン系繊維、例えばエチレンプロピレンランダム共重合体繊維が好ましい。第2シート2における疎水性繊維の含有量は10〜80重量%であることが、第2シート2における吸湿性及び放出性と、肌感触とのバランスを図る点から好ましい。
吸水性及び放湿性と共に肌感触を良好にする点から、第2シート2は、親水性繊維を55〜90重量%含み且つ疎水性繊維を10〜45重量%含むことが好ましい。第2シート2の坪量は、吸水性及び放湿性並びに肌感触の点から40〜300g/m2、特に50〜150g/m2であることが好ましい。
第2シート2は、身体に接する側に配された第1層2aと、第1シート1に接する第2層2bとの2種類の層から構成され、身体に接する側である第1層2aの親水性が第2層2bの親水性よりも高くなされていることが好ましい。第2シート2をこのような構成にすることによって、身体表面の汗を素早く吸収できるという利点がある。特に第1層2aが、親水性繊維を90重量%以上含むことが好ましく、特に100%含むことが好ましい(つまり第1層2aが親水性繊維のみから構成されることが特に好ましい)。また、第2層2bが親水性繊維を30〜70重量%、及び疎水性繊維を30〜70重量%含むことが好ましく、親水性繊維を45〜70重量%、及び疎水性繊維を30〜55重量%含むことが更に好ましい。
第1層2aの坪量は20〜200g/m2、特に30〜100g/m2であり、第2層2bの坪量は10〜100g/m2、特に20〜80g/m2であることが、第2シート2全体の柔らかさ及び吸水性の点から好ましい。
第1層2aと第2層2bとは、これらの層を構成する構成繊維同士の交絡により結合されていることが好ましい。例えば、第1層2a及び第2層2bそれぞれのウエブをカード機を用いて製造し、両ウエブを重ね合わせた状態下に高圧水流を利用したウオータージェットパンチ法(ウオーターニードリング法)によって両ウエブの構成繊維を互いに交絡させることで、両層2a,2bを結合させることができる。この方法に代えて、第1層2a及び第2層2bのウエブを重ね合わせた状態下にニードルパンチ法によって両ウエブの構成繊維を互いに交絡させることもできる。
第2シート2においては、第1層2aが多皺状で嵩高くなっており、第2シート2全体がタオル地状となっていることが好ましい。これによって第2シート2の肌感触が柔らかくなるという利点が生じる。第2シート2をこのような構成にするためには、例えば、第1層2aと第2層2bとを結合させた後、熱処理により第2層2bを収縮させ、それによって第1層2aを多皺状に成形する方法を用いることができる。第2層2bを熱収縮させるためには、該層2bに、前述した疎水性繊維として熱収縮性繊維を含有させればよい。特に、熱収縮性繊維として、延伸処理したエチレンプロピレンランダム共重合体繊維を用いると、第2層2bが効果的に収縮して多皺状になり易い点から好ましい。
本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態においては、寝具用シート10は第1シート1及び第2シート2の2層構造であったが、必要に応じ第1シート1側に更に一層又は二層以上のシートを積層してもよい。
以下、実施例及び比較例により、本発明の寝具用シートをさらに詳細に説明する。
〔実施例1及び比較例1ないし3〕
表1に示す繊維素材を用い、次に示す方法により、寝具用シートを製造した。
Figure 0004236563
〔第1シートの製造法〕
互いに相溶性のない2種類のポリマー(PETとPP)を同じ紡糸ノズルから同時に溶融押出して不織布を得た。この不織布に、高圧水流を噴射してPET繊維とPP繊維を分割・分離させて第1シートを得た。第1シートは、通気度が7cm3/cm2・sec、坪量が90g/m2であった。その構成繊維の比表面積は1.51m2/gであった。第1シートを、10cm×10cmのサイズに切断し、エタノール95gにセドロールを5g添加して攪拌溶解させたセドロール溶液2gを含浸させた後、常温にて24時間乾燥させてセドロールを担持させた。担持量は10g/m2であった(実施例1)。比較例1ないし3では、PPのみを用いて不織布を得た。
〔第2シートの製造法〕
第1層として、レーヨン100重量%、坪量38g/m2のカードウエブを製造した。また第2層として、レーヨン50重量%及び延伸処理したエチレンプロピレンランダム共重合体繊維50重量%、坪量38g/m2のカードウエブを製造した。両ウエブを重ね合わせ、その状態下にウォータージェットパンチ法によって両ウエブの構成繊維間交絡させて一体化した。次いで140℃にて30秒間乾熱処理して第2層を収縮させ、第2シートを得た。第2シートにおいては、第2層の熱収縮に起因して第1層が多皺状になっており、第2シート全体がタオル地状になっていた。第2シート全体の坪量は76g/m2であった(実施例1)。比較例1ではレーヨンの代わりにPET繊維を用い、同様の方法にて多皺状の第2シートを製造した。比較例2及び3は市販の枕カバー素材2種を用いた。比較例2はロフテー株式会社製の枕カバー:商品名#2419(株式会社クラレ製の高吸放湿性の親水性繊維:商品名「ソフィスタ」と綿からなるシート)を切断して使用した。比較例3は、ファブ・ザ・ホーム株式会社製の綿100%からなる枕カバー:商品名FH112811を切断して使用した。製造したシートは、10cm×10cmのサイズに切断して使用した。
〔寝具用シートの製造法〕
第1シートと第2シートを重ね合わせ、外周部をヒートシールすることにより寝具用シートを製造した。
実施例及び比較例で得られた寝具用シートについて以下の方法で吸水性、放湿性、肌触り及び鎮静精油成分の揮散特性を評価した。結果を以下の表2に示す。
〔吸水性評価法〕
10cm×10cmサイズの寝具用シートの第2シートの面を、5±0.5g含水させた濾紙上に置いた。その上から100gの荷重をかけ、5秒間静置した。その後寝具用シートの重量を測定し、水の増加分から水/寝具用シート重量比を算出した。この重量比が大きいほど吸水性が高いことを意味する。濾紙は、ワットマンインターナショナル社製:商品名09−42を15cm×15cmのサイズに切断して使用した。
〔放湿性評価法〕
寝具用シートを10cm×10cmにカットし、26℃/90〜99%RHの環境下の環境室に静置し、水/寝具用シート重量比が飽和するまで放置した。その後環境室から取り出し、水/寝具用シート重量比の減少を経時的に測定し、1分当たりの重量比の減少の傾きを放湿性とした。この傾きが大きいほど放湿性が高いことを意味する。
〔肌触り評価法〕
寝具用シートの第2シート側を頬と接触させ、その感触評価を行った。被験者は、20〜30代の女性10名とした。感触評価は、好きを評価得点5とし、やや好きを評価得点4とし、どちらともいえないを評価得点3とし、やや嫌いを評価得点2とし、嫌いを評価得点1とし、10名の平均値を感触評価値とした。
〔揮散特性評価法〕
第1シートの製造法に示した方法により、坦持量が10g/m2となるようにセドロールを第1シートに担持させた。第1シートのサイズは10cm×10cmであった。これとは別に、15cm×15cmにカットした2枚の第2シートを重ね合わせて周囲三辺をヒートシールにより接着し、袋体とした。この袋体に第1シートを入れて、25℃/50%RHの環境下に大気中に吊した。この状態下に経時的に重量を測定した。1日当たりの重量減少により揮散特性を評価した。重量減少が大きいほど揮散特性が高いことを意味する。実施例1及び比較例1の第2のシートは、第2層同士を合わせた後にヒートシールした。比較例2及び3については、周囲三辺を縫合した。
Figure 0004236563
表2に示した評価結果から、本実施例の寝具用シートは比較例のシートに比較して、吸水性、放湿性、肌触り及び常温で固体のセドロールの揮散特性が優れていることが判る。特に吸水性と揮散特性が優れていることが判る。
本発明の寝具用シートの一実施形態の断面を示す模式図である。
符号の説明
1 第1シート
2 第2シート
2a 第1層
2b 第2層

Claims (8)

  1. 鎮静精油成分を担持し、構成繊維の比表面積が0.9〜3.0m 2 /g、坪量が20〜200g/m 2 である第1繊維シート及び親水性繊維を20〜90重量%含み、坪量が40〜300g/m 2 である第2繊維シートを備え、第2繊維シートを身体に接触する側に配した寝具用シート。
  2. 第1繊維シートに担持した鎮静精油成分が常温で固体である請求項1記載の寝具用シート。
  3. 第1繊維シートに担持した鎮静精油成分が、モノテルペンアルコール、セスキテルペンアルコール、ジテルペンアルコール、又はこれらのエステル化合物である請求項1又は2に記載の寝具用シート。
  4. 第2繊維シートを構成する親水性繊維がレーヨンを含有するものである請求項1ないし3の何れかに記載の寝具用シート。
  5. 第2繊維シートを構成する親水性繊維のレーヨン繊維の含有量が20〜90重量%である請求項4記載の寝具用シート。
  6. 第1繊維シートに鎮静精油成分を0.1〜30g/m2担持させた請求項1ないしの何れかに記載の寝具用シート。
  7. 第2繊維シートが親水性繊維をそれぞれ含む2層から構成されており、第1層が親水性繊維を90重量%以上含み且つ第2層が親水性繊維を30〜70重量%を含むものであって、第1層を身体に接触する側に配した請求項1ないしの何れかに記載の寝具シート。
  8. 第1層と第2層とが繊維同士の交絡により結合されており、熱処理により第2層を収縮させて第1層を多皺状に成形すると共に第2繊維シート全体をタオル地状とした請求項記載の寝具用シート。
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