JP4282282B2 - 身体用清拭シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、身体を清拭するための湿式シートに関する。本発明のシートは所定温度に加温して使用される。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
水性液が含浸された身体用の清拭シートが知られている。斯かる清拭シートで身体を清拭する場合、シートからの水性液の放出量が多いと、身体表面に水性液が残留し、その液が気化するときに発生する気化熱によって体温が奪われてしまい冷刺激となる。この冷刺激によって、特に冬場の寒い時期には、身体を拭いた高齢者や乳児が体調を崩すおそれがある。そこで、清拭シートの使用に際して、該清拭シートを電子レンジで加温したり、専用の加温器具で加温することが行われている。しかし、該清拭シートを温めても、そこから放出される液量が多く、結局のところ、気化熱により体温が奪われ冷刺激となってしまう。
【0003】
また、加温された清拭シートを用いて身体を洗浄すると、シートを保温する機能がないことから時間の経過と共にシートの温度が低下していき、清拭が終わる頃には室温近くまで温度が低下してしまい、結局冷刺激を受けてしまう。特に、成人の身体全体を清拭する場合など、清拭面積が広く清拭に時間がかかる場合には、清拭終了時でのシートの温度低下が著しい。
【0004】
清拭シートとは別に、特開平9−252994号公報や実開平2−52689号公報には、吸水性ポリマーを含む蒸しタオルが記載されている。斯かる蒸しタオルは、これを沸騰した湯水に浸したり、或いは予め水分を含ませておき、電子レンジで加熱して用いられる。しかしこの蒸しタオルは、そもそも、身体の一部分における血管の運動性刺激を活発化させるために用いられるものであり、液を放出させて使用することを目的としていない。
【0005】
従って本発明は、所定温度に加熱して、身体を清拭するときに、含浸された液の気化や温度低下に起因する冷刺激を与えることが防止された身体用清拭シートを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、吸水性ポリマーが含まれ且つ水性洗浄剤が含浸されたシートからなり、2000g/45cm2の荷重下での前記水性洗浄剤の放出量が0.04〜0.8g/500cm2であり、加温して使用される身体用清拭シートを提供することにより前記目的を達成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には本発明の身体用清拭シート(以下、単に清拭シートともいう)の第1の実施形態の斜視図が示されており、図2には図1におけるII−II線断面図が示されている。
【0008】
図1及び図2に示すように、本実施形態の清拭シート1は矩形状のものであり、内層2と、該内層2の両面に配された2枚の表面層3,3との3層構造の積層シートから構成されている。表面層3は内層2よりも大きな寸法を有しており、内層2の周縁から外方に延出している。内層2及び表面層3の何れも繊維シートから構成されている。
【0009】
清拭シート1は、身体の洗浄のための水性洗浄剤が含浸されている湿式シートである。そして清拭シート1は、2000g/45cm2の荷重下において、水性洗浄剤の放出量が0.04〜0.8g/500cm2、好ましくは0.05〜0.19g/500cm2、更に好ましくは0.06〜0.18g/500cm2となっている。本発明者らは、水性洗浄剤が含浸されている湿式シートを用いて身体を清拭したときの冷刺激(いわゆるひんやり感)について種々の検討を行ったところ、シートから放出される水性洗浄剤の量が0.8g/500cm2以下であれば、身体表面に残留する水性洗浄剤の気化に起因する冷刺激を抑制できることを知見した。従って、冬場の寒い時期などに高齢者や乳児の身体を清拭しても、冷刺激を与えることを防止でき、体調の崩れなどを防止できる。一方、放出量が0.04g/500cm2未満では十分な量の洗浄剤が放出されず、所期の洗浄効果が得られない。洗浄剤の放出量の単位を500cm2に基づき規定する理由は、この面積が、成人の腕を5回清拭したときの面積にほぼ相当することによるものである(1回あたり、20cm×5cm=100cm2)。また、水性洗浄剤の放出時の荷重を2000g/45cm2とした理由は、身体を清拭するときのシートの面積は通常45cm2程度(実際に手の力がかかるシートの大きさは、9cm×5cm=45cm2程度である)であること、及びその時に加わる力が2000g程度であることによるものである。
【0010】
水性洗浄剤の放出量の具体的な測定方法は次の通りである。
▲1▼2000gの直方体形の重りの下面に、9cm×5cm(×高さ2cm)に切り取ったスポンジ〔株式会社ブリジストン製のPH−20(SFフェルト)〕を固定する。このスポンジの使用目的は、清拭対象面(後述するイノアック・コーポレーション社製「高機能フォーム(1)TT−4101」)とシートとが常に一定面積で接触するようにするためである。
▲2▼シートを9cm×15cmに切り取り、洗浄剤を一定量含浸させる。
▲3▼前記スポンジを覆うように、前記シートを巻き付ける(前記スポンジと前記シートが接する大きさは、9cm×5cmである)。
▲4▼清拭対象面としてイノアック・コーポレーション社製「高機能フォーム(1)TT−4101」を用いる。この清拭対象面における長さ20cmの距離を、重り及びスポンジを巻き付けた状態のシートによって5回(2往復半)清拭し(清拭面積は100cm2×5回=500cm2)、その前後の重量変化から洗浄剤放出量を算出する。尚、清拭対象面としてイノアック・コーポレーション社製「高機能フォーム(1)TT−4101」を採用した理由は、このフォームを清拭対象面とした場合と、成人男子の腕を清拭対象面とした場合とで、洗浄剤の放出量に相関が認められたことによる。
【0011】
水性洗浄剤の放出量を前記範囲内にコントロールするためには、例えば水性洗浄剤の含浸量やシートの材質をコントロールすることが効果的である。シートの材質をコントロールすること、例えば親水性繊維と非親水性繊維(例えばポリエチレン繊維等)との混抄率を変化させることで、表面層3を構成するシートの親水性の度合いを変えることができる。具体的には、親水性繊維を多く混抄すると、表面層3は水性洗浄剤を保持しやすくなることから、放出量は抑えられることになる。逆に、親水性繊維の混抄率を低下させることで、表面層3は、水性洗浄剤を保持しにくくなり、放出量が多くなってくる。
【0012】
一方、水性洗浄剤の含浸量をコントロールするには、清拭シート1の吸水性をコントロールすればよい。この目的のために、清拭シート1における内層2を構成するシートには、吸水性ポリマーが含まれている。詳細には、内層2は、吸水性ポリマーの粒子及び繊維材料を含む繊維シートから構成されている。そして、吸水性ポリマーの含有量をコントロールすることで、水性洗浄剤の含浸量、ひいてはその放出量をコントロールできる。更に、吸水性ポリマーが、水性洗浄剤中の水を吸収することで、清拭シート1全体としての比熱が高くなり、清拭シート1を所定温度に加熱したときの短時間での温度低下を防止できる。このことによっても、冷刺激を与えることが防止される。
【0013】
このように、本発明においては、清拭シートに吸水性ポリマーを含有させることで、(1)水性洗浄剤の放出量がコントロールされて冷刺激が抑制される、及び(2)清拭シート1の保温性が高められて冷刺激が抑制される、という2つの面からの効果が奏される。
【0014】
清拭シート1の保温性を高めることで冷刺激を効果的に抑制するためには、清拭シート1に含まれる吸水性ポリマーの量及び含浸される水性洗浄剤の量、並びに両者の重量比が重要となる。吸水性ポリマー及び水性洗浄剤は、清拭シート1を60℃に加熱した後、23℃・65%RHの環境下に3分間保存した後の温度を30℃以上に維持し得る量含まれていることが好ましい。保存時間を3分間とした理由は、水性洗浄液の全放出量との関係で、1枚の清拭シート1による清拭時間は3分間程度であることによる。清拭シート1全体の重量(水性洗浄剤が含浸された状態での重量)に占める吸水性ポリマーの重量比は、吸水性ポリマーの種類にもよるが、0.002〜0.15、特に0.004〜0.11であることが好ましい。また、水性洗浄剤が含浸される前の状態における清拭シート1の重量に対する水性洗浄剤の含浸重量の比は2〜15、特に4〜10であることが好ましい。また、吸水性ポリマーと水性洗浄剤との重量比(前者/後者)は0.002〜0.15、特に0.007〜0.11であることが好ましい。
【0015】
清拭シート1を構成する各層の詳細について説明すると、内層2は前述の通り吸水性ポリマーの粒子及び繊維材料を含む繊維シートから構成されていることが好ましい。内層2は典型的には不織布又は紙から構成される。吸水性ポリマーとしては、自重の20倍以上の液体を吸収・保持でき且つゲル化し得るものが好ましい。形状は特に問わず、球状、塊状、ブドウ状、粉末状又は繊維状であり、大きさが1〜1000μm、特に10〜500μmであることが好ましい。具体例としては、デンプンや架橋カルボキシルメチル化セルロース、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合体又は共重合体等、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリアクリル酸塩グラフト重合体を挙げることができる。繊維材料としては親水性繊維を用いることが好ましい。具体例としては、針葉樹クラフトパルプや広葉樹クラフトパルプのような木材パルプ、木綿パルプ及びワラパルプ等の天然セルロース繊維、レーヨン及びキュプラ等の再生セルロース繊維、ポリビニルアルコール繊維及びポリアクリロニトリル繊維等の親水性合成繊維、並びにポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維及びポリエステル繊維等の合成繊維を界面活性剤により親水化処理したものなどが挙げられる。繊維材料は1種又は2種以上を用いることができる。
【0016】
内層2を構成する繊維シートにおける吸水性ポリマーの粒子と繊維材料との重量比(前者/後者)は、0.05〜1.0、特に0.1〜0.5であることが、吸水性ポリマーによる温熱保持性能の点から好ましい。同様の理由により、吸水性ポリマー自体の坪量は、5〜100g/m2、特に10〜80g/m2であることが好ましい。内層2を構成する繊維シートの坪量は、清拭シート1全体の坪量にもよるが、30〜500g/m2、特に60〜150g/m2であることが好ましい。
【0017】
内層2を構成する繊維シートは、前述の材料を原料として湿式抄造法や、エアレイド法、エアスルー法及びスパンレース法などの各種不織布製造法によって製造することができる。また該繊維シートとして、特開平8−246395号公報や国際公開WO99/63923に記載の吸収性シートを用いることもできる。
【0018】
表面層3は前述の通り親水性セルロース繊維を含んでいる繊維シートから構成されていることが好ましい。表面層3は典型的には不織布から構成される。親水性セルロース繊維としては、レーヨン及びキュプラ等の再生セルロース繊維、針葉樹クラフトパルプや広葉樹クラフトパルプのような木材パルプ、木綿パルプ及びワラパルプ等の天然セルロース繊維などが挙げられる。表面層3を構成する繊維シートは、親水性セルロース繊維のみから構成されていても良く、或いは他の繊維材料を含んでいてもよい。他の繊維材料としては、例えばポリエチレン繊維やポリプロピレン繊維などの熱融着性繊維を用いることができる。熱融着性繊維は、後述するように、エンボス加工によって表面層3を内層2と積層一体化させる場合に用いられる。
【0019】
表面層3を構成する繊維シートが親水性セルロース繊維以外の他の繊維を含む場合、該他の繊維は、表面層3の重量(乾燥基準)当たり、2〜70重量%、特に30〜60重量%含まれることが好ましい。また親水性セルロール繊維は表面層3の重量(乾燥基準)当たり、30〜98重量%、特に40〜70重量%含まれることが好ましい。表面層3を構成する繊維シートは、例えば湿式抄造法や、スパンレース法及びエアレイド法などの各種不織布製造法によって製造することができる。表面層3を構成する繊維シートの坪量は、清拭シート1全体の坪量にもよるが、それぞれ20〜100g/m2、特に30〜70g/m2であることが好ましい。尚、2枚の表面層3は、同一のものでも良く或いは異なる種類のものでもよい。
【0020】
図1に示すように、清拭シート1には、菱形格子状のパターンのエンボス加工が施されており、これによって内層2及び表面層3が部分的に一体化されている。また、内層2に含まれている吸収性ポリマーの脱落が防止されている。内層2と表面層3とを部分的に一体化することで、水性洗浄剤中の水を吸収した吸水性樹脂の膨潤が阻害されないようにしている。また、部分的に一体化することで、清拭シートの表面に多数の凹凸が形成される。この凹凸によって清拭効果が一層高まる。清拭効果を更に一層高める観点から、凸部の面積の総和は、清拭シート1の見かけの面積に対して30〜97%、特に45〜90%であることが好ましい。本実施形態においては菱形格子状のパターンのエンボス加工が施されているので、凸部は菱形形状となる。
【0021】
図2に示すように、表面層3は内層2の周縁から外方に延出している。内層2の周縁は、延出した2枚の該表面層3,3によって囲繞されて連続に封止されている。これによって、内層2に含まれる吸水性ポリマーが吸収によって膨潤しても、清拭シート1からの脱落が防止される。この脱落防止の観点から、2枚の表面層3,3による封止面積は、清拭シート1の面積の2〜95%、特に10〜70%であることが好ましい。
【0022】
内層2及び表面層3が積層一体化されたシート(水性洗浄剤が含浸される前のシート)は、その坪量が40〜500g/m2、特に70〜400g/m2、とりわけ120〜290g/m2であることが、シートを手に持った時の感触と、その清拭のし易さの点から好ましい。また、このシートに洗浄剤が含浸された後の清拭シート1の坪量は300〜4000g/m2、特に500〜3000g/m2、とりわけ1000〜1500g/m2であることが好ましい。
【0023】
次に、水性洗浄剤について説明する。水性洗浄剤は水を媒体とし洗浄成分を含有するものである。洗浄成分としては各種界面活性剤を用いることができる。特に食品添加物系界面活性剤を用いることが好ましい。この理由は次の通りである。清拭シート1を、後述するように電子レンジで加熱した場合、水性洗浄剤がその内部に残留する可能性があり、それにより水性洗浄剤が食品と間接的に接する可能性がある。その場合の安全性の点から、水性洗浄剤に含まれる成分である界面活性剤は食品添加物系のものであることが好ましい。界面活性剤は、水性洗浄剤中に0.01〜30重量%、特に0.05〜2重量%含有されていることが、十分な洗浄効果の発現の点から好ましい。
【0024】
水性洗浄剤には、沸点が100℃以上である水溶性溶剤、特にアルコールが含有されていることが好ましい。これによって、清拭シート1から放出された水性洗浄剤が急速に気化することが抑制されて、一層冷刺激が抑制される。沸点が100℃以上である水溶性溶剤としては、プロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコールなどのアルコール類を用いることができる。また水溶性溶剤は、食品添加物系のものであることも好ましい。この理由は、界面活性剤として食品添加物系のものを用いることが好ましい理由と同様である。特に好ましい水溶性溶剤は、沸点が100℃以上である食品添加物系水溶性溶剤であるプロピレングリコールである。またプロピレングリコールを用いると、ベタつきも防止できる。水溶性溶剤は、水性洗浄剤中に2〜70重量%、特に5〜50重量%、とりわけ10〜30重量%含有されていることが、より一層の冷刺激抑制の点、及び清拭シート1の保温性、更には肌への保湿性の観点から好ましい。
【0025】
水性洗浄剤には、前述した各種成分に加えて、ミリスチン酸、ミツロウ、モンモリナイト等の粘度調整剤;リモネン等の香料成分(芳香性物質);メチルパラベンなどの抗菌剤;除菌剤;防腐剤;ワセリン、マツエキス、モモ葉エキス等の天然エキスや保湿剤;シリコーンオイルやシリコーンパウダー等のシリコーン類;及びその他の無機物質などを含有させることもできる。これらの成分は、水性洗浄剤中に好ましくはそれぞれ0.0001〜20重量%含有させることができる。
【0026】
水性洗浄剤における媒体としての水は、水性洗浄剤中に好ましくは30〜99.9重量%、更に好ましくは50〜95重量%、一層好ましくは60〜90重量%含まれる。
【0027】
本実施形態の清拭シート1は各種加熱手段によって所定温度に加熱された後に使用される。加熱手段としては電子レンジを用いることが簡便である。加熱温度は35〜85℃、好ましくは40〜70℃、特に50〜60℃であることが、取り扱い性及び冷刺激の十分な抑制の点から好ましい。
【0028】
次に、本発明の第2の実施形態を図3及び図4を参照しながら説明する。第2の実施形態については、第1の実施形態と異なる点についてのみ説明し、特に説明しない点については、第1の実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図3及び図4において、図1及び図2と同じ部材に同じ符号を付してある。本実施形態の清拭シート1は、第1の実施形態と同様に、吸水性ポリマーを含む内層2と、内層2の両面に配された表面層3,3との3層構造の積層シートからなる。
【0029】
内層2は短冊形をしている。短冊形の内層2は、その幅に対する長さの比が2〜100、特に8〜20程度のものである。内層2の長さは、表面層3,3の長さよりも短くなっており、内層2の前後端縁から表面層3,3が延出している。内層2は複数用いられており、各内層2は、所定間隔を置いて一方向に配列されている。その間隔は1〜30mm、特に2〜10mm、とりわけ3〜5mm程度であることが、表面層3,3同士の接合が容易になる点、及び内層2の面積を十分に確保する点から好ましい。
【0030】
各内層2の周縁は、2枚の表面層3,3同士が接合することによって囲繞されて連続に封止されている。これによって、膨潤した吸水性ポリマーの清拭シート1からの脱落が、第1の実施形態の場合よりも一層防止される。この脱落防止の観点から、2枚の表面層3,3による封止面積は、清拭シート1の面積の2〜95%、特に10〜65%であることが好ましい。表面層3,3同士の接合には、例えばヒートシールによる熱融着、接着剤による接着などが用いられる。また、必要に応じ、本実施形態の清拭シートに、第1の実施形態のようなエンボス加工を施して、内層2と表面層3とを部分的に接合してもよい。
【0031】
本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態においては、清拭シート1は3層構造であったが、これに代えて内層2と1枚の表面層3とからなる2層構造としてもよい。また、吸水性ポリマーを保持でき且つその脱落のおそれがない限り、単層構造としてもよい。
【0032】
また前記実施形態においては、内層2及び表面層3として繊維シートを用いたがこれに代えてスポンジなどの発泡シートを用いることもできる。
【0033】
また、エンボス加工による接着性を一層向上させる観点、及び内層2に含まれている吸水性ポリマーの脱落を一層防止する観点から、清拭シート1におけるエンボス加工される部位には内層2を存在させず、外層3同士が直接接合するようにしてもよい。
【0034】
また、前記実施形態においては、内層2の周縁が2枚の表面層3,3によって連続に封止されていたが、吸水性ポリマーの脱落を防止できる範囲において、内層2の周縁は不連続に封止されていてもよい。
【0035】
【実施例】
以下の例中、特に断らない限り、「%」は「重量%」を意味する。
【0036】
〔実施例1〜4及び比較例1及び2〕
(1)表面層の製造
レーヨン80%及びポリエチレン繊維20%からなるスパンレース不織布を表面層として用いた。この不織布の坪量は40g/m2であった。
(2)内層の製造
米国バッカイ社製の吸水性ポリマー含有シートを内層として用いた。このシートは、国際公開WO99/63923に記載の方法に準じ、エアレイド法によって製造されたものであり、坪量は105g/m2であった。このシートに含まれる吸水性ポリマーは架橋されたポリアクリル酸ナトリウム塩であり、その坪量は26.3g/m2であった。
(3)積層シートの製造
内層の両面に表面層を重ね合わせ、熱エンボス加工によって三者を部分的に一体化し、図1及び2に示す形態の坪量185g/m2の積層シートを得た。エンボスパターンは図1に示す菱形格子模様であった。この熱エンボス加工によって、積層シートの表面には菱形の凸部が多数形成された。凸部の面積の総和は、シートの見かけの面積に対して45%であった。
(4)清拭シートの製造
表1に示す組成からなる水性洗浄剤を、同表に示す含浸量となるように積層シートに含浸させて清拭シートを得た。
【0037】
〔比較例3及び4〕
坪量230g/m2の綿製のタオルに、表1に示す組成からなる水性洗浄剤を、同表に示す含浸量となるように含浸させて清拭シートを得た。
【0038】
〔比較例5〕
レーヨンを80%、芯鞘型複合繊維(芯がポリエチレンテレフタレートで、鞘がポリエチレン)を20%含み、坪量が60g/m2の不織布に、以下の組成からなる水性洗浄剤Aを表1に示す含浸量となるように積層シートに含浸させて清拭シートを得た。
水性洗浄剤Aの組成
プロピレングリコール 3%
パラベン 0.1%
塩化セチルピリジニウム(除菌剤) 0.1%
香料 0.01%
水 96.79%
【0039】
〔性能評価〕
実施例及び比較例で得られた清拭シートについて、前述の方法によって水性洗浄剤の放出量を測定した。また以下の方法で、清拭シートの保温性及び清拭直後の皮膚の感覚を評価し、皮脂汚れ洗浄率を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0040】
〔清拭シートの保温性〕
電子レンジを用いて清拭シートを60℃に加熱した。次いで23℃・65%RHの環境下に3分間保存した。3分後、清拭シートの温度を蛍光式光ファイバー温度計〔安立計器(株)製のFX9020〕を用いて測定した。
【0041】
〔清拭直後の皮膚の感覚〕
電子レンジを用いて清拭シートを60℃に加熱した。この清拭シートを10cm×15cmの大きさにして、成人男性の腕を、そこに汚れがあると想定して、その汚れを落とすように力を入れて5回(2往復半)拭く。その直後に、シートを腕から素早く離し、拭いた部分の肌の感じ方を以下の基準で判断させた。
○:冷たく感じなかった(腕がヒヤッとしなかった)。
×:冷たく感じた(腕がヒヤッとした)。
【0042】
〔皮脂汚れ洗浄率〕
▲1▼2000gの直方体形の重りの下面に、9cm×5cm(×高さ2cm)に切り取ったスポンジ〔株式会社ブリジストン製のPH−20(SFフェルト)〕を固定する。
▲2▼清拭シートを9cm×15cmに切り取る。
▲3▼スポンジを覆うように、清拭シートを巻き付ける(スポンジと清拭シートとが接する大きさは、9cm×5cmである)。
▲4▼白色ホーローバット(Top製硬質ホーローバット)の上に、ミンクオイル(ARAKAWA SANGYO CO.,LTD製)と、油溶性青色系色素(オリエント化学工業株式会社製OIL BRACK 860)をアセトンで溶解させた液体(重量比:ミンクオイル2%、色素0.2%、アセトン97.8%)とを一定量4cm3塗り付ける(アセトンは直ぐに揮発するので、ホーロー面上には、青く染まったミンクオイルが膜状に塗布された状態になる。またミンクオイルは、人体の皮脂成分に極めて近いことから、人体皮脂モデル汚れとして選定したものである)。
▲5▼当該汚れのL値を、色差計(ミノルタカメラ株式会社製:色彩色差計CR−210)にて測定をする。この値をL1とする。また、汚れを塗りつける前に、白色ホーローバットのL値を測定しておく。この値をL0とする。
▲6▼重り及びスポンジに巻き付けた状態の清拭用シートを、当該汚れの上で滑らせる。
▲7▼先にL1値を測定した部分についてL値を再度測定する。この値をL2とする。
▲8▼皮脂汚れ洗浄率(%)は、得られたL0、L1及びL2の値を用い次式で定義される。
【0043】
【数1】
Figure 0004282282
【0044】
【表1】
Figure 0004282282
【0045】
表1に示す結果から明らかなように、実施例の清拭シートは適正な量の水性洗浄剤が放出され、またシートの保温性も良好であることから、冷刺激が抑制されたものであることが判る。これに対して比較例1の清拭シートはシートの保温性に劣り、比較例2の清拭シートは冷刺激を与えるものであることが判る。また、比較例3〜5の清拭シートは、水性洗浄剤の放出量が多く、しかもシートの保温性も良好でなく、冷刺激を与えるものであることが判る。
【0046】
【発明の効果】
本発明の身体用清拭シートによれば、所定温度に加熱して、身体を清拭するときに、含浸された液の気化や温度低下に起因する冷刺激を与えることが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の身体用清拭シートを示す斜視図である。
【図2】図1におけるII−II線断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態の身体用清拭シートを示す斜視図である。
【図4】図3におけるIV−IV線断面図である。
【符号の説明】
1 身体用清拭シート
2 内層
3 表面層

Claims (13)

  1. 吸水性ポリマーが含まれ且つ水性洗浄剤が含浸されたシートからなり、2000g/45cm2の荷重下での前記水性洗浄剤の放出量が0.04〜0.8g/500cm2であり、加温して使用される身体用清拭シート。
  2. 60℃に加熱した後、23℃・65%RHの環境下に3分間保存した後の温度を30℃以上に維持し得る量の前記吸水性ポリマー及び前記水性洗浄剤が含まれている請求項1の身体用清拭シート。
  3. 前記吸水性ポリマーと前記水性洗浄剤との重量比(前者/後者)が0.002〜0.15である請求項1又は2の身体用清拭シート。
  4. 前記シートが2層以上の積層シートからなり、その1層が吸水性ポリマーを含み、その層中における吸水性ポリマーの坪量が5〜100g/m2である請求項1〜3の何れかに記載の身体用清拭シート。
  5. 吸水性ポリマーを含む内層と、該内層の両面に配された表面層との3層構造の積層シートからなり、該内層の周縁が2枚の該表面層によって囲繞されて連続に又は不連続に封止されており、2枚の該表面層による封止面積が前記身体用清拭シートの面積の2〜95%である請求項4記載の身体用清拭シート。
  6. 前記内層が短冊形をしており、該短冊形の複数の該内層が、一方向に配列されて2枚の前記表面層間に介在配置されている請求項5記載の身体用清拭シート。
  7. 前記水性洗浄剤中に、沸点が100℃以上である水溶性溶剤が2〜70重量%含有されている請求項1〜6の何れかに記載の身体用清拭シート。
  8. 前記水性洗浄剤中に、界面活性剤が0.01〜30重量%含有されている請求項1〜7の何れかに記載の身体用清拭シート。
  9. 前記水性洗浄剤が含浸される前の状態におけるシート重量に対する該水性洗浄剤の含浸重量の比が、2〜15である請求項1〜8の何れかに記載の身体用清拭シート。
  10. シート表面に多数の凹凸があり、凸部の面積の総和がシートの見かけの面積に対して30〜97%である請求項1〜9の何れかに記載の身体用清拭シート。
  11. 前記表面層が、該表面層の重量(乾燥基準)当たり、親水性セルロース繊維30〜98重量%及び低融点の熱可塑性繊維2〜70重量%を含んでいる請求項5記載の身体用清拭シート。
  12. 前記水溶性溶剤が食品添加物系水溶性溶剤からなる請求項7記載の身体用清拭シート。
  13. 前記界面活性剤が食品添加物系界面活性剤からなる請求項8記載の身体用清拭シート。
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