JP4236437B2 - 太陽電池の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池の製造方法に関し、特にインクジェット塗布法を用いて基板上にドーパント液の塗布を行なう太陽電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、エネルギ資源の枯渇の問題や大気中のCO2の増加のような地球環境問題等からクリーンなエネルギの開発が望まれており、特に太陽電池を用いた太陽光発電が上記地球環境問題等を解決することができる新しいエネルギ源として開発、実用化され、発展の道を歩んでいる。太陽電池は、p型とn型の半導体を接合することにより構成されている。この太陽電池に太陽光が入射すると、正電荷を持つ正孔と、負電荷を持つ電子とが発生し、それらがp型とn型の半導体の接合部で分けられ、p型半導体側に正孔が、n型半導体側に電子が集まる。そして、このp型半導体とn型半導体とを外部回路で結ぶと、n型半導体側に集まった電子が、この外部回路を通ってp型半導体側に向かうことにより電流が流れることとなる。
【0003】
図3に従来の太陽電池の製造工程の一例を示す。以下、図3を用いて従来の太陽電池の製造方法について説明する。まず、図3(A)において、基板101製造時に生じる表面の加工変質層101aを除去するため、あるいは異方性エッチングによって基板101の表面に微細なピラミッド状の凹凸を含むテクスチャ表面を形成するため、NaOHを含む溶液中に浸漬することで、基板101のエッチング処理を行なう。ここで、基板101はp型多結晶Si半導体角型基板が用いられている。
【0004】
次に、図3(B)に示すように、リン等の拡散源を含むドーパント液102をスピン塗布法を用いて基板101の表面に塗布する。その際、ドーパント液102は、基板101の側面あるいは裏面といった領域にも付着する。
【0005】
その後、図3(C)に示すように、上記のようにしてドーパント液が塗布された基板101を拡散炉で熱処理することによって、基板101の受光面側にn+層103が形成されてpn接合を生じさせる。しかし、上述したようにドーパント液は基板101の側面あるいは裏面といった領域にも付着しているため、その部分にもn+層103aが形成される。
【0006】
そして、図3(D)に示すように、ドーパント液により生じたPSG(リンシリケードガラス)層102aをHF等によるエッチングにより除去した後、図3(E)に示すようにSiN等からなる反射防止膜104をプラズマCVD法等を用いて成膜する。
【0007】
さらに、図3(F)に示すように基板101の裏面側にはスクリーン印刷法によってAl電極105とAg電極106とが形成される。また、基板101の受光面側には、Ag電極107が形成される。そして、基板101全体の熱処理を行なうことによってAl電極105、Ag電極106および107と基板101との電気的コンタクトが形成される。すなわち、この熱処理の間に基板101の受光面側のAg電極107は反射防止膜104を貫通してn+層103と接合する電極となる。
【0008】
他方、基板101の裏面側のAl電極105からはAl原子が基板101内に拡散しp+層108を形成する。しかし同時に、基板101の裏面側におけるn+層103aとp+層108とが接触している部分、またはn+層103aとAl電極105とが接触している部分においては電気的に短絡しまうことがある。したがって、このような従来の製造方法による太陽電池においては、この短絡によって太陽電池の暗電流が増加し、曲線因子が悪くなって最大出力が低下してしまうという問題があった。また、太陽光が低照度の場合には、さらに開放電圧が暗電流による並列抵抗の影響を受け、暗電流が大きい太陽電池は低照度における発電量が低下してしまうという問題もあった。
【0009】
このような問題を解決するため、ドーパントを塗布する際に、基板の裏面側にpn接合の形成を防止するマスク材を形成する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、拡散膜を形成する方法として、ジェットプリンタを用いる方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特開平7−135333号公報
【0011】
【特許文献2】
特開2000−183379号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示されている方法においては、基板上にドーパント液を塗布する方法としてスピン塗布法が用いられているため、基板の回転の加減速に時間を要するという問題があった。また、基板の回転モーメントにより、特に多結晶基板の場合には割れが生じ易く歩留りを低下させるという問題もあった。また、スピン塗布法を用いた場合には薬液が無駄になる割合が多いという問題もあった。また、マスク材の塗布およびマスク材の除去の工程が増えることに伴う設備増、薬液量および処理時間の増加に伴うコスト増の問題が生じていた。さらに、逆にマスク材が表面に回りこむことによる特性劣化の問題も生じていた。
【0013】
特許文献2に開示されている方法においては、拡散膜を形成する方法としてジェットプリンタを用いた印刷法を用いてもよい旨が記載されているが、ドーパント液を構成する溶媒の組成が適正化されていないため、ジェットプリンタのインクジェットヘッドノズルから吐出されたドーパント液の液滴がスプラッシュ状に飛散したり、ノズル面ににじみが生じたりして、基板上に安定してドーパント液を塗布することができないという問題があった。
【0014】
上記事情に鑑みて本発明は、基板上に安定してドーパント液を塗布することができ、光電変換効率の高い太陽電池を効率よく作製することのできる太陽電池の製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明者らが鋭意検討した結果、ドーパントを溶解させるための溶媒の組成を適正化すればよいことを本発明者らが見い出し、本発明を完成するに至った。
【0016】
すなわち、本発明は、インクジェット塗布法により基板上にドーパント液を塗布する工程を含む太陽電池の製造方法であって、ドーパント液を構成する溶媒がエタノールとジエチレングリコールのみ、またはイソプロピルアルコールとジエチレングリコールのみからなり、ジエチレングリコールの含有率が、ドーパント液を構成する溶媒に対して40〜70体積%であり、ドーパント液は、リンシリケードガラス(以下、「PSG」という。)の液状前駆体であって、溶質として有機シリコン化合物とリン化合物とを含む太陽電池の製造方法である。
【0019】
また、本発明は、インクジェット塗布法により基板上にドーパント液を塗布する工程を含む太陽電池の製造方法であって、ドーパント液を構成する溶媒がエタノールとグリセリンのみ、またはイソプロピルアルコールとグリセリンのみからなり、グリセリンの含有率が、ドーパント液を構成する溶媒に対して20〜35体積%であり、ドーパント液は、リンシリケードガラスの液状前駆体であって、溶質として有機シリコン化合物とリン化合物とを含む太陽電池の製造方法である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0023】
(太陽電池の製造方法)
図1に本発明に係る太陽電池の製造方法の一例の一連の流れを示す。以下、図1を用いて本発明の太陽電池の製造方法について説明する。まず、図1(A)に示すように、略正方形形状のp型多結晶Si半導体からなる基板1を用意し、この基板1の製造時に生じる加工変質層1aを除去するため、基板1をNaOHを含む溶液中に浸漬することでエッチング処理を行なう。
【0024】
次に、図1(B)に示すように、インクジェット塗布法を用いて基板1の上面にドーパント液2を塗布する。ここで、ドーパント液2は、PSGの液状前駆体であって、溶質として、ケイ酸エチル等の有機シリコン化合物と、五酸化二リン等のリン化合物とを含むことが望ましい。
【0025】
本発明におけるドーパント液2を構成する溶媒の一例としてはエタノールとジエチレングリコール、またはイソプロピルアルコールとジエチレングリコールとからなる溶媒であって、溶媒中のジエチレングリコールの含有率が35〜75体積%である溶媒である。ここで、ジエチレングリコールの含有率が40〜70体積%であることが好ましい。ジエチレングリコールの含有率が35体積%未満である場合にはドーパント液2の粘度が低すぎて、ドーパント液2がスプラッシュ状に飛翔したりして、ドーパント液2の塗布が安定しない傾向にある。また、ジエチレングリコールの含有率が75体積%より大きい場合にはドーパント液2の粘度が高すぎて、ノズル詰まりが生じやすくなる傾向にある。
【0026】
また、ドーパント液2を構成する溶媒の他の例はエタノールとグリセリン、またはイソプロピルアルコールとグリセリンとからなる溶媒であって、溶媒中のグリセリンの含有率が15〜40体積%である溶媒である。ここで、グリセリンの含有率が20〜35体積%であることが好ましい。グリセリンの含有率が15体積%未満である場合にはドーパント液2の粘度が低すぎて、ドーパント液2がスプラッシュ状に飛翔したりして、ドーパント液2の塗布が安定しない傾向にある。また、ジエチレングリコールの含有率が40体積%より大きい場合にはドーパント液2の粘度が高すぎて、ノズル詰まりが生じやすくなる傾向にある。
【0027】
なお、上記においては、ドーパント液2を構成する溶媒の例として、エタノールとジエチレングリコールとからなる溶媒、イソプロピルアルコールとジエチレングリコールとからなる溶媒、エタノールとグリセリンとからなる溶媒、およびイソプロピルアルコールとグリセリンとからなる溶媒を挙げているが、これらの例示した溶媒には、酢酸等のカルボン酸以外の、たとえばメタノール、プロピルアルコールまたはエチレングリコール等の材料の1種類以上が本発明の効果を阻害しない範囲で含まれていてもよい。
【0028】
なかでも、本発明においては、ドーパント液2を構成する溶媒としては、エタノールとジエチレングリコールのみからなる溶媒、イソプロピルアルコールとジエチレングリコールのみからなる溶媒、エタノールとグリセリンのみからなる溶媒またはイソプロピルアルコールとグリセリンのみからなる溶媒を用いることが好ましい。これらの溶媒を用いた場合には、ドーパント液2のノズルからの吐出状態がより良好となることから、より光電変換効率の高い太陽電池を作製することができる傾向にある。
【0029】
基板1上へのドーパント液2の塗布は、たとえば図1(C)に示すように、基板1の端部から約0.1mm内側の塗布領域9に行なわれる。
【0030】
そして、図1(D)に示すように、ドーパント液2が塗布された基板1を拡散炉で熱処理をすることによって、基板1の表面に熱処理後のドーパント層2aが形成され、基板1の受光面側にn+層3が形成されてpn接合が形成される。本発明においては、基板1の側面および裏面にドーパント液2が付着することがないため、これらの部分にはn+層3が形成されない。
【0031】
その後、図1(E)に示すように、熱処理後の基板1をHFを含む溶液に浸漬することによって、熱処理後のドーパント層2aをエッチングにより除去する。そして、図1(F)に示すように、プラズマCVD法を用いて、基板1の受光面上にSiNからなる反射防止膜4を形成する。
【0032】
最後に、図1(G)に示すように、印刷法により基板1の受光面側にAg電極7を形成し、基板1の裏面側にAl電極5とAg電極6とを形成する。そして、基板1全体の熱処理を行なうことによってAl電極5、Ag電極6およびAg電極7と基板1との電気的コンタクトが形成される。この熱処理の間に受光面上のAg電極7は反射防止膜4を貫通してn+層3と接合する電極となる。
【0033】
他方、裏面側のAl電極5からはAl原子が基板1内に拡散しp+層8が形成される。本発明においては、従来のように、基板1の裏面側におけるn+層3とp+層8、またはn+層3とAl電極5とが接触することがないため、本発明の製造方法によって作製された太陽電池は電気的に短絡することがない。
【0034】
なお、上記において、基板1としては、コストの面から、多結晶または単結晶のSiを主要な成分として含有する材質からなるp型半導体基板を用いることが好ましい。
【0035】
また、上記においては、基板1の製造時に生じる加工変質層1aを除去するためエッチング処理を行なったが、基板1の表面に微細なピラミッド状の凹凸などのテクスチャ表面を形成するため、基板1の表面に異方性エッチング等のエッチング処理を行なうこともできる。
【0036】
(ドーパント液の塗布)
本発明の太陽電池の製造方法においては、基板上へのドーパント液の塗布はインクジェット塗布法を用いて行なわれる。図2に本発明に用いられるインクジェット式塗布装置の一例を示す。図2において、インクジェット式塗布装置は、基板1を保持する基板チャック10、インクジェットヘッド11および基板形状測定器12を備える。インクジェットヘッド11は複数のノズルを備え、たとえばピエゾ素子またはバルブ駆動等によりドーパント液2の吐出動作が制御される。
【0037】
インクジェットヘッド11および基板形状測定器12は固定されており、基板1を保持した基板チャック10が基板1を水平に移動させる。基板1はまず基板形状測定装置12の下を通過し、通過中に基板1の外形が測定される。次に基板1はインクジェットヘッド11の下を通過し、通過中にドーパント液2が塗布される。その際、あらかじめ基板形状測定装置12で測定した基板1の外形寸法をもとに、基板1の端部から約0.1mmの塗布領域9にドーパント液2を塗布するようにインクジェットヘッド11の吐出ノズルの動作を制御することもできる。
【0038】
また、基板1の形状については基板1が丸型基板の場合には、上記基板形状測定手段を備えていてもインクジェットヘッドのノズル制御が複雑になるため、基板1としては矩形基板または正方形基板を用いることが望ましい。
【0039】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0040】
(試料の作製)
表1〜3に示す溶媒組成となるようにドーパント液を作製し、これをインクジェット塗布法を用いて一辺約125mmの略正方形形状のp型多結晶Si基板上に塗布した。次に、このドーパント液を塗布したp型多結晶Si基板を拡散炉にて900℃で15分間熱処理を行なった。そして、p型多結晶Si基板上に生じたPSG層をHFを含む溶液を用いてエッチングにより除去した後、p型多結晶Si基板上にSiNからなる反射防止膜をプラズマCVD法により形成した。その後、上記基板の受光面側にAg電極を形成し、基板の裏面側にAg電極およびAl電極を形成した後、熱処理を行なって、実施例1〜10、比較例1〜2および比較例4〜7の太陽電池を作製した。
【0041】
なお、比較例3の太陽電池はインクジェット塗布法の代わりに、スピン塗布法を用いてp型多結晶Si基板上にドーパント液を塗布することにより作製した。また、ドーパント液の塗布に用いたインクジェット塗布装置のノズルの直径は25μmであった。また、表1〜3に示す溶媒を構成する材料の配合量は体積%で表わされている。
【0042】
(評価方法)
上記のようにして得られた実施例1〜10および比較例1〜7の太陽電池の光電変換効率および逆方向電流について評価し、さらにこれらの太陽電池を作製する際のドーパント液の吐出状態およびドーパント液によるノズル詰まりについて評価した。これらの評価結果を表1〜3に示す。
【0043】
なお、光電変換効率は、AM1.5のスペクトル分布を有するソーラシミュレータを用いて100mW/cm2のエネルギ密度の光を実施例1〜10および比較例1〜7の太陽電池に照射することにより算出した。
【0044】
また、ドーパント液の吐出状態は、以下の基準により評価した。
◎…ドーパント液のスプラッシュ状の飛散やノズル面のにじみ等が全くなく、ドーパント液の吐出状態がかなり良好であった
○…ドーパント液のスプラッシュ状の飛散やノズル面のにじみ等がほとんどなく、ドーパント液の吐出状態が良好であった
△…ドーパント液のスプラッシュ状の飛散やノズル面のにじみ等が少しあり、ドーパント液の吐出状態が少し不良であった
×…ドーパント液のスプラッシュ状の飛散やノズル面のにじみ等がかなりあり、ドーパント液の吐出状態がかなり不良であった
また、ノズル詰まりの評価は、ドーパント液を塗布する際のノズル詰まりの発生頻度を観察し、以下の基準にて評価した。
◎…ノズル詰まりが全く発生しなかった
○…ノズル詰まりがほとんど発生しなかった
△…ノズル詰まりが少し発生した
×…ノズル詰まりが多発した
なお、表3に示す比較例3の太陽電池の作製には、スピン塗布法を用いているため、ドーパント液の吐出状態およびノズル詰まりについての評価をしていない。
【0045】
【表1】
Figure 0004236437
【0046】
【表2】
Figure 0004236437
【0047】
【表3】
Figure 0004236437
【0048】
(評価結果)
表1〜3からもわかるように、実施例1〜10の太陽電池は、比較例1〜7の太陽電池よりも光電変換効率が高く、またその作製過程において安定したドーパント液の塗布が可能であった。
【0049】
すなわち、表1および表3に示すように、ドーパント液を構成する溶媒中のジエチレングリコールの含有率が溶媒に対して35〜75体積%である実施例1〜5の太陽電池は比較例4および5の太陽電池に比べ光電変換効率が高くなる傾向にあった。また、実施例1〜5の太陽電池の作製過程においては、比較例4および5の場合と比べて、ドーパント液の吐出状態が良好であり、かつノズル詰まりも発生しない傾向にあった。また、上記ジエチレングリコールの含有率が溶媒に対して40〜70体積%である実施例2〜4の太陽電池においてはさらにその傾向が大きくなった。
【0050】
また、実施例3と比較例1を比較すると、ほぼ同じジエチレングリコール含有量であっても、酢酸のようなカルボン酸を含む場合は、ノズル面のにじみが生じるため、吐出状態が悪化し、結果として光電変換効率が低下した。そのため、ドーパント液の溶媒は、ジエチレングリコールとエタノールのみで構成されていることが望ましい。
【0051】
また、表2および表3に示すように、ドーパント液を構成する溶媒中のグリセリンの含有率が溶媒に対して15〜40体積%である実施例6〜10の太陽電池も比較例6および7に比べ光電変換効率が高くなる傾向にあった。また、実施例6〜10の太陽電池の作製過程においても、比較例6および7の場合と比べドーパント液の吐出状態が良好であり、ノズル詰まりも発生しない傾向にあった。また、上記グリセリンの含有率が溶媒に対して20〜35体積%である実施例7〜9の太陽電池においてはさらにその傾向が大きくなった。
【0052】
また、実施例8と比較例2を比較すると、ほぼ同じグリセリン含有量であっても、酢酸のようなカルボン酸を含む場合は、ノズル面のにじみが生じるため、吐出状態が悪化し、結果として光電変換効率が低下した。そのため、ドーパント液の溶媒は、ジエチレングリコールとグリセリンのみで構成されていることが望ましい。
【0053】
本実施例では、ドーパント液の溶媒として、ジエチレングリコールあるいはグリセリンとエタノールを混合したものを用いたが、エタノールのかわりにイソプロピルアルコールを用いた場合も同様の効果がある。
【0054】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0055】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、基板上に安定してドーパント液を塗布することができ、かつ光電変換効率の高い太陽電池を効率よく作製することのできる太陽電池の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の太陽電池の製造方法の一例の一連の流れを示した模式図である。
【図2】 本発明の太陽電池の製造方法に用いられるインクジェット式塗布装置の一例の模式的な斜視図である。
【図3】 従来の太陽電池の製造方法の一例の一連の流れを示した模式図である。
【符号の説明】
1,101 基板、2,102 ドーパント液、3,103 n+層、4,104 反射防止膜、5,105 Al電極、6,7,106,107 Ag電極、8,108 p+層、9 塗布領域、10 基板チャック、11 インクジェットヘッド、12 基板形状測定装置。

Claims (2)

  1. インクジェット塗布法により基板上にドーパント液を塗布する工程を含む太陽電池の製造方法であって、前記ドーパント液を構成する溶媒がエタノールとジエチレングリコールのみ、またはイソプロピルアルコールとジエチレングリコールのみからなり、前記ジエチレングリコールの含有率が、前記ドーパント液を構成する溶媒に対して40〜70体積%であり、前記ドーパント液は、リンシリケードガラスの液状前駆体であって、溶質として有機シリコン化合物とリン化合物とを含む太陽電池の製造方法。
  2. インクジェット塗布法により基板上にドーパント液を塗布する工程を含む太陽電池の製造方法であって、前記ドーパント液を構成する溶媒がエタノールとグリセリンのみ、またはイソプロピルアルコールとグリセリンのみからなり、前記グリセリンの含有率が、前記ドーパント液を構成する溶媒に対して20〜35体積%であり、前記ドーパント液は、リンシリケードガラスの液状前駆体であって、溶質として有機シリコン化合物とリン化合物とを含む太陽電池の製造方法。
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