JP2021144973A - 光電変換素子及び発電デバイス - Google Patents

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英典 中山
Hidenori Nakayama
英典 中山
辰哉 百瀬
Tatsuya Momose
辰哉 百瀬
出 武井
Izuru Takei
出 武井
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Abstract

【課題】低照度領域における発電効率を向上させる有機無機ハイブリッド半導体材料を用いた光電変換素子を提供する。【解決手段】上部電極105と下部電極101とにより構成される一対の電極と、一対の電極間に位置し、有機無機ハイブリッド型半導体化合物を含有する活性層103と、を有する光電変換素子100であって、有機半導体化合物とそのドーパントとを含有するバッファ層102が、活性層103と一対の電極の少なくとも一方との間に位置し、ドーパントの含有量が有機半導体化合物とドーパントの合計量に対して、0.001〜5質量%の範囲である。【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換素子及び発電デバイスに関する。
光電変換素子として、一対の電極の間に、活性層、及びバッファ層等が配置されたもの
が知られている。この光電変換効率の向上を目的として、有機無機ハイブリッド半導体材
料を活性層として用いることが検討されており、特に、ペロブスカイト構造を有する化合
物が注目されている。
また、このような光電変換素子のバッファ層としては、有機半導体化合物等が使用され
ており、特許文献1では、光電変換素子の耐久性を向上させるため、フタロシアニン系の
有機半導体化合物を正孔輸送材料としてバッファ層に適用することが記載されている。
特開2017−066096号公報
しかし、このような有機半導体化合物をバッファ層に用いた場合、光電変換時にリーク
電流が発生し、発電効率が低下することがあった。特に、エネルギーハーベスティング用
途で重要な低照度領域においては、太陽光領域では問題にならないような微小なリークで
あっても、発電特性を大きく損ねてしまう傾向にあった。
本発明は、有機無機ハイブリッド半導体材料を用いた光電変換素子において、低照度に
おける発電効率を向上させることを目的とする。
本発明者らは、特に低照度領域においては、バッファ層中のドーパント量が、リーク電
流の発生と発電効率に影響を与えることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の要旨は、以下に存する。
[1]上部電極と下部電極とにより構成される一対の電極と、前記一対の電極間に位置し
、有機無機ハイブリッド型半導体化合物を含有する活性層と、を有する光電変換素子であ
って、
有機半導体化合物とそのドーパントとを含有するバッファ層が、前記活性層と前記一対
の電極の少なくとも一方との間に位置し、
前記ドーパントの含有量が前記有機半導体化合物と前記ドーパントの合計量に対して、
0.001〜5質量%の範囲である、光電変換素子。
[2]前記有機半導体化合物がポリトリアリールアミン系化合物である、[1]に記載の
光電変換素子。
[3]前記ポリトリアリールアミン系化合物が、下記式(I)で表される単位を有する、
[2]に記載の光電変換素子。
Figure 2021144973
(前記式(I)中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12の炭化水
素基、炭素数1〜12のフッ素置換炭化水素基、又は炭素数1〜12のアルコキシル基を
表す。)
[4]前記R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、又はメチル基である、[3]に記
載の光電変換素子。
[5]前記ポリトリアリールアミン系化合物が、ポリ[ビス(4−フェニル)(2,4,
6−トリメチルフェニル)アミン]である、[2]〜[4]のいずれかに記載の光電変換
素子。
[6]前記ドーパントが、3価のヨウ素を含む有機化合物である、[1]〜[5]のいず
れかに記載の光電変換素子。
[7]前記ドーパントが、ジアリールヨードニウム塩である、[6]に記載の光電変換素
子。
[8]上部電極と下部電極とにより構成される一対の電極と、前記一対の電極間に位置し
、有機無機ハイブリッド型半導体化合物を含有する活性層と、前記活性層と前記一対の電
極の少なくとも一方との間に位置するバッファ層とを有し、前記バッファ層の導電率が1
×10−4[S/cm]以下である、光電変換素子。
[9]上部電極と下部電極とにより構成される一対の電極と、前記一対の電極間に位置し
、有機無機ハイブリッド型半導体化合物を含有する活性層と、前記活性層と前記一対の電
極の少なくとも一方との間に位置するバッファ層とを有し、暗所における並列抵抗値R
(dark)が8×10[Ω]以上1×10[Ω]以下である、光電変換素子。
[10]前記バッファ層が、正孔輸送層である、[1]〜[9]のいずれかに記載の光電
変換素子。
[11]前記有機無機ハイブリッド型半導体材料が、ペロブスカイト構造を有する化合物
である、[1]〜[10]のいずれかに記載の光電変換素子。
[12]10〜5000ルクスにおける光電変換効率が20%以上である、[1]〜[1
1]のいずれかに記載の光電変換素子。
[13][1]〜[12]のいずれかに記載の光電変換素子を有する発電デバイス。
有機無機ハイブリッド半導体材料を用いた光電変換素子の低照度領域における発電効率
を向上させることができる。
一実施形態としての光電変換素子を模式的に表す断面図である。 一実施形態としての太陽電池を模式的に表す断面図である。 一実施形態としての太陽電池モジュールを模式的に表す断面図である。
本発明に係る光電変換素子は、一対の電極間に有機無機ハイブリッド型半導体材料を含
有する活性層を有し、活性層と一対の電極の少なくとも一方との間に、有機半導体化合物
とそのドーパントとを含有するバッファ層を有する。このドーパントの含有量は、有機半
導体化合物とドーパントの合計量に対して、0.001〜5質量%の範囲である。光電変
換素子の低照度領域における発電効率は、ドーパントの含有量を5質量%以下とすること
によって向上する。この点は、後述する実施例等より明らかとなる。 また、本発明に係
る光電変換素子は、一対の電極間に有機無機ハイブリッド型半導体材料を含有する活性層
を有し、活性層と一対の電極の少なくとも一方との間に、導電率が1×10−4[S/c
m]以下であるバッファ層を有する。光電変換素子の低照度領域における発電効率は、バ
ッファ層の導電率を1×10−4[S/cm]以下とすることによって向上する。
さらに、本発明に係る光電変換素子は、暗所における並列抵抗値Rsh(dark)が
、8×10[Ω]以上1×10[Ω]以下である。これにより、本発明に係る光電変
換素子は、低照度領域における発電効率に優れる。
なお、本発明において、低照度領域とは、10〜5000ルクスを意味する。
以下に、本発明の実施形態を詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発
明の実施形態の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容
に限定はされない。
[1.一実施形態に係る光電変換素子]
図1は、本発明に係る光電変換素子の一実施形態を模式的に表す断面図である。図1に
示される光電変換素子は、一般的な薄膜太陽電池に用いられる光電変換素子であるが、本
発明に係る光電変換素子が図1に示されるものに限られるわけではない。図1に示す光電
変換素子100においては、下部電極101、活性層103、及び上部電極105がこの
順に配置されている。また、光電変換素子100において、下部電極101と活性層10
3との間に存在するバッファ層102は、有機半導体化合物とそのドーパントとを含有す
る層である。もっとも、光電変換素子100が上部電極105と活性層103との間にバ
ッファ層104を有していてもよく、このバッファ層104は有機半導体化合物とそのド
ーパントとを含有する層であってもよい。また、図1に示すように、光電変換素子100
が、基材106、絶縁体層、及び仕事関数チューニング層のようなその他の層を有してい
てもよい。
[2.活性層]
活性層103は光電変換が行われる層である。光電変換素子100が光を受けると、光
が活性層103に吸収されてキャリアが発生し、発生したキャリアは下部電極101及び
上部電極105から取り出される。
本実施形態において、活性層103は有機無機ハイブリッド型半導体材料を含有する。
有機無機ハイブリッド型半導体材料とは、有機成分と無機成分とが分子レベル又はナノレ
ベルで組み合わせられた材料であって、半導体特性を示す材料のことを指す。
本実施形態において、有機無機ハイブリッド型半導体材料は、ペロブスカイト構造を有
する化合物(以下、ペロブスカイト半導体化合物と呼ぶことがある)である。ペロブスカ
イト半導体化合物とは、ペロブスカイト構造を有する半導体化合物のことを指す。ペロブ
スカイト半導体化合物としては、特段の制限はないが、例えば、Galasso et
al. Structure and Properties of Inorgani
c Solids, Chapter 7 − Perovskite type an
d related structuresで挙げられているものから選ぶことができる
。例えば、ペロブスカイト半導体化合物としては、一般式AMXで表されるAMX
のもの又は一般式AMXで表されるAMX型のものが挙げられる。ここで、Mは
2価のカチオンを、Aは1価のカチオンを、Xは1価のアニオンを指す。
1価のカチオンAに特段の制限はないが、上記Galassoの著書に記載されている
ものを用いることができる。より具体的な例としては、周期表第1族及び第13族乃至第
16族元素を含むカチオンが挙げられる。これらの中でも、セシウムイオン、ルビジウム
イオン、カリウムイオン、置換基を有していてもよいアンモニウムイオン又は置換基を有
していてもよいホスホニウムイオンが好ましい。置換基を有していてもよいアンモニウム
イオンの例としては、1級アンモニウムイオン又は2級アンモニウムイオンが挙げられる
。置換基にも特段の制限はない。置換基を有していてもよいアンモニウムイオンの具体例
としては、アルキルアンモニウムイオン又はアリールアンモニウムイオンが挙げられる。
特に、立体障害を避けるために、3次元の結晶構造となるモノアルキルアンモニウムイオ
ンが好ましく、安定性向上の観点からは、一つ以上のフッ素基を置換したアルキルアンモ
ニウムイオンを用いることが好ましい。また、カチオンAとして2種類以上のカチオンの
組み合わせを用いることもできる。
1価のカチオンAの具体例としては、メチルアンモニウムイオン、モノフッ化メチルア
ンモニウムイオン、ジフッ化メチルアンモニウムイオン、トリフッ化メチルアンモニウム
イオン、エチルアンモニウムイオン、イソプロピルアンモニウムイオン、n−プロピルア
ンモニウムイオン、イソブチルアンモニウムイオン、n−ブチルアンモニウムイオン、t
−ブチルアンモニウムイオン、ジメチルアンモニウムイオン、ジエチルアンモニウムイオ
ン、フェニルアンモニウムイオン、ベンジルアンモニウムイオン、フェネチルアンモニウ
ムイオン、グアニジウムイオン、ホルムアミジニウムイオン、アセトアミジニウムイオン
又はイミダゾリウムイオン等が挙げられる。
2価のカチオンMにも特段の制限はないが、2価の金属カチオン又は半金属カチオンで
あることが好ましい。具体的な例としては周期表第14族元素のカチオンが挙げられ、よ
り具体的な例としては、鉛カチオン(Pb2+)、スズカチオン(Sn2+)、ゲルマニ
ウムカチオン(Ge2+)が挙げられる。また、カチオンMとして2種類以上のカチオン
の組み合わせを用いることもできる。なお、安定な光電変換素子を得る観点からは、鉛カ
チオン又は鉛カチオンを含む2種以上のカチオンを用いることが特に好ましい。
1価のアニオンXの例としては、ハロゲン化物イオン、酢酸イオン、硝酸イオン、硫酸
イオン、ホウ酸イオン、アセチルアセトナートイオン、炭酸イオン、クエン酸イオン、硫
黄イオン、テルルイオン、チオシアン酸イオン、チタン酸イオン、ジルコン酸イオン、2
,4−ペンタンジオナトイオン又はケイフッ素イオン等が挙げられる。バンドギャップを
調整するためには、Xは1種類のアニオンであってもよいし、2種類以上のアニオンの組
み合わせであってもよい。一実施形態において、Xとしてはハロゲン化物イオン、又はハ
ロゲン化物イオンとその他のアニオンとの組み合わせが挙げられる。ハロゲン化物イオン
Xの例としては、塩化物イオン、臭化物イオン又はヨウ化物イオン等が挙げられる。半導
体のバンドギャップを広げすぎない観点から、ヨウ化物イオンもしくは臭化物イオンを主
に用いることが好ましいが、ヨウ化物イオンと臭化物イオンとを適当な比率で組み合わせ
てもよい。
ペロブスカイト半導体化合物の好ましい例としては、有機−無機ペロブスカイト半導体
化合物が挙げられ、特にハライド系有機−無機ペロブスカイト半導体化合物が挙げられる
。ペロブスカイト半導体化合物の具体例としては、CHNHPbI、CHNH
PbBr、CHNHPbCl、CHNHSnI、CHNHSnBr
、CHNHSnCl、CHNHPbI(3−x)Cl、CHNHPbI
(3−x)Br、CHNHPbBr(3−x)Cl、CHNHPb(1−y
Sn、CHNHPb(1−y)SnBr、CHNHPb(1−y)
SnCl、CHNHPb(1−y)Sn(3−x)Cl、CHNH
(1−y)Sn(3−x)Br、及びCHNHPb(1−y)SnBr
3−x)Cl、並びに、上記の化合物においてCHNHの代わりにCFHNH
、CFHNH、又はCFNHを用いたもの、等が挙げられる。なお、xは0以上
3以下、yは0以上1以下の任意の値を示す。
活性層103は、2種類以上のペロブスカイト半導体化合物を含有していてもよい。例
えば、A、B及びXのうちの少なくとも1つが異なる2種類以上のペロブスカイト半導体
化合物が活性層103に含まれていてもよい。また活性層103は、異なる材料を含み又
は異なる成分を有する複数の層で形成される積層構造を有していてもよい。
活性層103に含まれるペロブスカイト半導体化合物の量は、良好な半導体特性が得ら
れるように、好ましくは50質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上であり
、より好ましくは80質量%以上である。上限に特に制限はない。また、活性層103に
は、ペロブスカイト半導体化合物に加えて添加剤が含まれていてもよい。添加剤の例とし
ては、ハロゲン化物、酸化物、又は硫化物、硫酸塩、硝酸塩若しくはアンモニウム塩等の
無機塩のような、無機化合物、又は有機化合物が挙げられる。
活性層103の厚さに特段の制限はない。より多くの光を吸収できる点で、活性層10
3の厚さは、一実施形態において10nm以上、別の実施形態において50nm以上、さ
らに別の実施形態において100nm以上、さらに別の実施形態において120nm以上
である。一方で、直列抵抗が下がる点、又は電荷の取出し効率を高める点で、活性層10
3の厚さは、一実施形態において1500nm以下、別の実施形態において1200nm
以下、さらに別の実施形態において800nm以下である。
活性層103の形成方法は特に限定されず、任意の方法を用いることができる。具体例
としては、塗布法及び蒸着法(又は共蒸着法)が挙げられる。簡易に活性層103を形成
できる点で、塗布法を用いることができる。例えば、ペロブスカイト半導体化合物又はそ
の前駆体を含有する塗布液を塗布し、必要に応じて加熱乾燥することにより活性層103
を形成する方法が挙げられる。また、このような塗布液を塗布した後で、ペロブスカイト
半導体化合物の溶解性が低い溶媒をさらに塗布することにより、ペロブスカイト半導体化
合物を析出させることもできる。
ペロブスカイト半導体化合物の前駆体とは、塗布液を塗布した後にペロブスカイト半導
体化合物へと変換可能な材料のことを指す。具体的な例として、加熱することによりペロ
ブスカイト半導体化合物へと変換可能なペロブスカイト半導体化合物前駆体を用いること
ができる。例えば、一般式AXで表される化合物と、一般式MXで表される化合物と、
溶媒と、を混合して加熱攪拌することにより、塗布液を作製することができる。この塗布
液を塗布して加熱乾燥を行うことにより、一般式AMXで表されるペロブスカイト半導
体化合物を含有する活性層103を作製することができる。溶媒としては、ペロブスカイ
ト半導体化合物及び添加剤が溶解するのであれば特に限定されず、例えばN,N−ジメチ
ルホルムアミドのような有機溶媒が挙げられる。
塗布液の塗布方法としては任意の方法を用いることができるが、例えば、スピンコート
法、インクジェット法、ドクターブレード法、ドロップキャスティング法、リバースロー
ルコート法、グラビアコート法、キスコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法
、エアナイフコート法、ワイヤーバーバーコート法、パイプドクター法、含浸・コート法
又はカーテンコート法等が挙げられる。
[3.電極]
電極は、活性層103における光吸収により生じた正孔及び電子を捕集する機能を有す
る。本発明の一実施形態に係る光電変換素子100は一対の電極を有し、一対の電極のう
ち一方を上部電極と呼び、他方を下部電極と呼ぶ。光電変換素子100が基材を有するか
又は基材上に設けられている場合、基材により近い電極を下部電極と、基材からより遠い
電極を上部電極と、それぞれ呼ぶことができる。また、透明電極を下部電極と、下部電極
よりも透明性が低い電極を上部電極と、それぞれ呼ぶこともできる。図1に示す光電変換
素子100は、下部電極101及び上部電極105を有している。
一対の電極としては、正孔の捕集に適したアノードと、電子の捕集に適したカソードと
を用いることができる。この場合、光電変換素子100は、下部電極101がアノードで
あり上部電極105がカソードである順型構成を有していてもよいし、下部電極101が
カソードであり上部電極105がアノードである逆型構成を有していてもよい。
一対の電極は、いずれか一方が透光性であればよく、両方が透光性であっても構わない
。透光性があるとは、太陽光が40%以上透過することを指す。また、透明電極の太陽光
線透過率は70%以上であることが、より多くの光が透明電極を透過して活性層103に
到達するために好ましい。光の透過率は、分光光度計(例えば、日立ハイテク社製U−4
100)で測定できる。
下部電極101及び上部電極105、又はアノード及びカソードの構成部材及びその製
造方法について特段の制限はなく、周知技術を用いることができる。例えば、国際公開第
2013/171517号、国際公開第2013/180230号又は特開2012−1
91194号公報等の公知文献に記載の部材及びその製造方法を使用することができる。
[4.バッファ層]
バッファ層は、活性層103と一対の電極101、105の少なくとも一方との間に位
置する層である。バッファ層は、例えば、活性層103から下部電極101又は上部電極
105へのキャリア移動効率を向上させるために用いることができる。
本発明において、バッファ層は有機半導体化合物とそのドーパントとを含有し、ドーパ
ントの含有量は前記有機半導体化合物と前記ドーパントの合計量に対して、0.001〜
5質量%の範囲である。
これは、ドーパントの含有量を0.001質量%以上とすることによって、バッファ層
の導電性や正孔輸送能力を前記活性層に対して最適化できる傾向にあるためである。より
好ましくは、0.01質量%以上であり、さらに好ましくは0.05質量%以上であり、
特に好ましくは0.1質量%以上である。
また、ドーパントの含有量を5質量%以下とすることによって、光電変換素子のリーク
電流の発生を抑制し、特に低照度領域における発電効率が向上する傾向にあるためである
。より好ましくは、4.5質量%以下であり、さらに好ましくは、4質量%以下であり、
特に好ましくは3.5質量%以下である。
(有機半導体化合物)
半導体化合物とは、半導体特性を示す半導体材料として使用可能な化合物のことを指す
。なお、本明細書において「半導体」とは、固体状態におけるキャリア移動度の大きさに
よって定義される。キャリア移動度とは、周知であるように、電荷(電子又は正孔)がど
れだけ速く(又は多く)移動されうるかを示す指標となるものである。具体的には、本明
細書における「半導体」は、室温におけるキャリア移動度が好ましくは1.0×10−6
cm/V・s以上、より好ましくは1.0×10−5cm/V・s以上、さらに好ま
しくは5.0×10−5cm/V・s以上、特に好ましくは1.0×10−4cm
V・s以上である。なお、キャリア移動度は、例えば電界効果トランジスタのIV特性の
測定、又はタイムオブフライト法等により測定できる。
本発明においては半導体化合物として有機半導体化合物が用いられるが、その種類は特
に限定されず、例えば従来知られているものを用いることができる。有機半導体化合物と
しては、低分子化合物及び高分子化合物が知られている。低分子の有機半導体化合物とし
ては、多環芳香族化合物が挙げられ、具体例としてはテトラセン若しくはペンタセン等の
アセン類化合物、オリゴチオフェン類化合物、フタロシアニン類化合物、ペリレン類化合
物、ルブレン類化合物、又はトリアリールアミン化合物等のアリールアミン化合物、等が
挙げられる。また、高分子の有機半導体化合物としては、ポリチオフェン系ポリマー、ポ
リアセチレン系ポリマー、ポリアニリン系ポリマー、ポリフェニレン系ポリマー、ポリフ
ェニレンビニレン系ポリマー、ポリフルオレン系ポリマー、若しくはポリピロール系ポリ
マーのような共役ポリマー、又はトリアリールアミンポリマーのようなアリールアミンポ
リマーが挙げられる。
有機半導体化合物として好ましくはアリールアミン系化合物であり、より好ましくはト
リアリールアミン系化合物である。アリールアミン系化合物とは、アリールアミン構造(
アリール基と窒素原子との結合)を有する化合物のことであり、アリールアミン系ポリマ
ーを含む。アリールアミン系ポリマーとは、繰り返し単位がアリールアミン構造を含んで
いるポリマーのことであり、ポリアリールアミン系化合物ともいう。また、トリアリール
アミン系化合物とは、トリアリールアミン構造(3つのアリール基の同じ窒素原子への結
合)を有する化合物のことであり、トリアリールアミン系ポリマーを含む。トリアリール
アミンポリマーとは、繰り返し単位がトリアリールアミン構造を含んでいるポリマーのこ
とであり、ポリトリアリールアミン系化合物ともいう。このようなアリールアミン系化合
物又はトリアリールアミン系化合物は、ドーパントにより安定に酸化され、良好な半導体
特性を示しうる点で好ましく、中でもトリアリールアミン系化合物がより好ましい。
ここで、アリール基(又は芳香族基)は、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基のこと
を指し、単環のもの、縮合環のもの、及び単環又は縮合環が連結しているもの、を含む。
芳香族基としては、特に限定されないが、炭素数30以下であることが好ましく、炭素数
12以下であることがより好ましい。芳香族炭化水素基の具体例としては、フェニル基、
ナフチル基、又はビフェニル基等が挙げられる。芳香族複素環基の具体例としては、チエ
ニル基、フリル基、ピロリル基、ピリジル基、又はイミダゾリル基等が挙げられる。
芳香族基は、さらなる置換基を有していてもよい。芳香族基が有していてもよい置換基
としては、特に制限されないが、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、アミノ基、カルボキ
シル基、エステル基、アルキルカルボニル基、アセチル基、スルホニル基、シリル基、ボ
リル基、ニトリル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、チオ基
、セレノ基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基等が挙げられる。アリール基が有してい
る置換基として好ましくは、アミノ基又は炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。ここ
で、アミノ基として好ましくは、炭素数2〜12のジアルキルアミノ基、炭素数7〜20
のアルキルアリールアミノ基、又は炭素数12〜30のジアリールアミノ基である。
本発明に用いられる有機半導体化合物としては、上述の通りポリトリアリールアミン系
化合物が好適であるが、具体的には下記式(I)で表される単位を有するものが好ましい

Figure 2021144973
(前記式(I)中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12の炭化水
素基、炭素数1〜12のフッ素置換炭化水素基、又は炭素数1〜12のアルコキシル基を
表す。)
このポリトリアリールアミン系化合物は、アンモニアの水素原子をアリール基で置換し
た化合物の単位を有するポリマーである。ポリトリアリールアミン系化合物の数平均分子
量は特に限定されるものではなく適宜選択することができるが、8500以上とするのが
好ましい。これによって、本発明の光電変換素子の耐久性(光電変換効率の維持率)が向
上する傾向にある。
上記式(I)において、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12の
炭化水素基、炭素数1〜12のフッ素置換炭化水素基、又は炭素数1〜12のアルコキシ
ル基である。炭素数1〜12の炭化水素基としては、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基
又は炭素数6の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基であってもよいし、不飽
和脂肪族炭化水素基であってもよい。また、直鎖状の炭化水素基であってもよいし、分岐
鎖状の炭化水素基であってもよいし、環状の炭化水素基であってもよい。炭素数1〜12
の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニ
ル基、炭素数2〜12のアルキニル基、又は炭素数4〜12のアルカジエニル基等が挙げ
られる。
炭素数1〜12のアルキル基としては、制限するわけではないが、メチル基、エチル基
、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基
、ペンチル基、又はヘキシル基等を挙げることができる。
炭素数2〜12のアルケニル基としては、制限するわけではないが、ビニル基、アリル
基、プロペニル基、イソプロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチルアリ
ル基、又は2−ブテニル等を挙げることができる。
炭素数2〜12のアルキニル基としては、制限するわけではないが、エチニル基、プロ
ピニル基、又はブチニル基等を挙げることができる。
炭素数4〜12のアルカジエニル基は、制限するわけではないが、1,3−ブタジエニ
ル基等を挙げることができる。
式(I)におけるR〜Rは全てアルキル基とするのが好ましく、全てメチル基とす
るのがより好ましい。具体的には、ポリトリアリールアミン系化合物は、ポリ[ビス(4
−フェニル)(2,4,6−トリメチルフェニル)アミン]とすることができる。活性層
がペロブスカイト構造を有する化合物を含有するものである場合、バッファ層がポリ[ビ
ス(4−フェニル)(2,4,6−トリメチルフェニル)アミン]を含有するものとする
と、光電変換素子の耐久性が向上するので特に好ましい。
ポリトリアリールアミン系化合物の合成方法は特に限定されないが、例えば、トリアリ
ールアミンモノマーの酸化重合や遷移金属触媒を用いたカップリング反応により合成でき
る。ポリトリアリールアミン系化合物の数平均分子量は、反応温度、反応時間、触媒など
で調整することができる。
上述の通り、ポリトリアリールアミン系化合物の数平均分子量を8500以上とするこ
とで光電変換素子の耐久性(光電変換効率の維持率)を向上させることができるが、より
好ましくは9000以上であり、さらに好ましくは10000以上であり、特に好ましく
は15000以上であり、最も好ましくは20000以上である。一方、この数平均分子
量の上限は特に限定されるものでないが、例えば100000以下とするのが、ポリトリ
アリールアミン系化合物のコスト面で好ましい。より好ましくは80000以下であり、
さらに好ましくいは50000以下である。
また、ポリトリアリールアミン系化合物の重量平均分子量は、15000以上とするの
が好ましく、20000以上とするのがより好ましく、30000以上とするのがさらに
好ましいく、35000以上とするのが特に好ましく、40000以上とするのが最も好
ましい。この下限とすることで光電変換素子の耐久性が向上する傾向にある。一方、重量
平均分子量の上限は、特に限定されるものでないが、120000以下とするのが好まし
く、100000以下とするのがより好ましく、80000以下とするのが特に好ましい
。この上限とすることでコスト低減が図れる傾向にある。ポリトリアリールアミン系化合
物が、上記数平均分子量と重量平均分子量の範囲を同時に満足すると、光電変換効率の維
持率がさらに向上することがある。
(ドーパント)
ドーパントとは上述の有機半導体化合物への添加物であり、本発明におけるバッファ層
の導電性や正孔輸送能力を前記活性層に対して最適化するための物質である。
ドーパントとして使用できる物質としては、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボ
ラートなどのホウ素化合物、 トリス[1−(メトキシカルボニル)−2−(トリフルオロ
メチル)−エタン−1,2−ジチオレン]モリブデンなどのモリブデン化合物、2,3,
4,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタンといったテトラシ
アノキノジメタン骨格を有する有機化合物などが挙げられる。これらの添加剤は、バッフ
ァ層の成膜前または成膜後で、少なくとも一つの有機半導体化合物との間で電荷移動反応
を起こすことが好ましい。溶解性に優れ、加熱等により酸化剤として機能する電子受容活
性部位を産生する点で、超原子価ヨウ素化合物が好ましい。
が用いられる。
この超原子価ヨウ素化合物は、有機半導体化合物に対するドーパントとして働き、電子
受容性(すなわち酸化剤としての働き)を示すことが知られている。また、電子受容性の
ドーパントは、半導体化合物から電子を奪うことにより、半導体化合物の導電性又は正孔
輸送能力を向上させることができる。このように、超原子価ヨウ素化合物は、電子デバイ
スに用いられる半導体化合物の電荷輸送特性を向上させることができる。
超原子価ヨウ素化合物とは、超原子価ヨウ素を含む化合物であり、酸化数が+3以上と
なっているヨウ素を含む化合物と定義される。例えば、ドーパントは、ヨウ素(III)
化合物又はヨウ素(V)化合物でありうる。5価のヨウ素を含むヨウ素(V)化合物は、
例えば、デス・マーチン・ペルヨージナンのようなペルヨージナン化合物でありうる。ま
た、3価のヨウ素を含むヨウ素(III)化合物としては、(ジアセトキシヨード)ベン
ゼンのようなヨードベンゼンが酸化された構造を有する化合物、又はジアリールヨードニ
ウム塩が挙げられる。良好な電子受容性を示し、また酸化過程において分子が破壊される
と逆反応が起こりにくい点で、ドーパントは、3価のヨウ素を含む有機化合物が好ましく
、中でもジアリールヨードニウム塩を用いるのがより好ましい。
ジアリールヨードニウム塩とは、[Ar−I−Ar]X構造を有する塩のことであ
る。ここで、2つのArはそれぞれアリール基を表す。アリール基(芳香族基)は特に限
定されず、例えば有機半導体化合物に関して既に挙げたものでありうる。Xは、任意の
アニオンを表す。Xとしては、例えば、ハロゲン化物イオン、トリフルオロ酢酸イオン
、テトラフルオロホウ酸イオン、又はテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸イオ
ン等でありうる。溶解性が高く、塗布液の生成反応が円滑に進行しうる点で、X−はフッ
素原子を有するアニオンであることが好ましい。
ドーパントの好ましい例としては、一般式(II)に表されるものが挙げられる。式(
II)において、Xは、任意のアニオンを表し、具体例としては上記の通りである。
−I―R- (II)
式(II)において、R及びRは、それぞれ独立に1価の有機基である。1価の有
機基の例としては、脂肪族基又は芳香族基が挙げられる。脂肪族基の例としては、炭素数
1〜20の脂肪族炭化水素基又は炭素数4〜20の脂肪族複素環基が挙げられる。例えば
、脂肪族基としては、シクロアルキル基を含むアルキル基、アルケニル基、又はアルキニ
ル基等が挙げられ、具体例としてはメチル基、エチル基、ブチル基、シクロヘキシル基、
又はテトラヒドロフリル基等が挙げられる。
芳香族基の例としては、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基又は炭素数2〜20の芳香
族複素環基が挙げられる。例えば、芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェ
ニル基、チエニル基、又はピリジル基等が挙げられる。
なお、上記の脂肪族基及び芳香族基は、置換基を有していてもよい。有していてもよい
置換基としては、特段の制限はないが、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、アミノ基、カ
ルボキシル基、エステル基、アルキルカルボニル基、アセチル基、スルホニル基、シリル
基、ボリル基、ニトリル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、
チオ基、セレノ基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基等が挙げられる。
及びRは、好ましくは炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であり、より好ましく
はフェニル基である。ここで、芳香族炭化水素基は置換基を有さない又は炭素数1〜6の
アルキル基を有することが好ましい。R及びRは、特に、パラ位にアルキル基を有す
るフェニル基であることが好ましい。
上述のように、光電変換素子100は、下部電極101と活性層103との間にバッフ
ァ層102を有することができ、又は、上部電極105と活性層103との間にバッファ
層104を有することができる。また、光電変換素子100は、バッファ層102とバッ
ファ層104との双方を有することもできる。ここで、下部電極101と活性層103と
の間に設けられるバッファ層102と、上部電極105と活性層103との間に設けられ
るバッファ層104とは、異なる材料で構成されていてもよい。すなわち、一方のバッフ
ァ層が有機半導体化合物とそのドーパントとを含有する層である一方、他方のバッファ層
はこれと異なる物質で構成される層であってもよい。なお、上述の通り、有機半導体化合
物とそのドーパントとを含有する層は、下部電極101と活性層103との間に位置して
いてもよいし、活性層103と上部電極105との間に位置していてもよい。但し、有機
半導体化合物とそのドーパントとを含有する層を塗布法により成膜する際には、塗布溶媒
が活性層103を浸漬して、活性層103に影響を及ぼす可能性があるため、有機半導体
化合物とそのドーパントとを含有する層は、下部電極101と、活性層103との間に位
置していることが好ましい。
アノードと活性層との間に設けられたバッファ層は正孔輸送層と呼ばれることがあり、
カソードと活性層との間に設けられたバッファ層は電子輸送層と呼ばれることがある。本
発明においては、n−i−p積層型光電変換素子において輸送電荷量の制御が容易となる
傾向にあることから、有機半導体化合物とそのドーパントとを含有するバッファ層は正孔
輸送層として使用するのが好ましい。
上記の有機半導体化合物とそのドーパント以外の物質で構成されるバッファ層に関して
は、材料に特に限定はない。例えば、正孔輸送層については、活性層からアノードへの正
孔の取り出し効率を向上させることが可能な任意の材料を用いることができる。具体的に
は、国際公開第2013/171517号、国際公開第2013/180230号又は特
開2012−191194号公報等の公知文献に記載の無機化合物、有機化合物、又は本
発明に係る有機無機ペロブスカイト化合物が挙げられる。例えば、無機化合物としては、
酸化銅、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化鉄、酸化モリブデン、酸化バナジウム又は酸
化タングステン等の金属酸化物が挙げられる。また、有機化合物としては、ポリチオフェ
ン、ポリピロール、ポリアセチレン、トリフェニレンジアミン又はポリアニリン等にドー
パントがドーピングされた導電性ポリマー、スルホニル基を置換基に有するポリチオフェ
ン誘導体、アリールアミン等の導電性有機化合物、ナフィオン、又はリチウムドーピング
されたspiro−OMeTADが挙げられる。
同様に、電子輸送層についても、活性層からカソードへの電子の取り出し効率を向上さ
せることが可能な任意の材料を用いることができる。具体的には、国際公開第2013/
171517号、国際公開第2013/180230号又は特開2012−191194
号公報等の公知文献に記載の無機化合物、有機化合物、又は本発明に係る有機無機ペロブ
スカイト化合物が挙げられる。例えば、無機化合物としては、リチウム、ナトリウム、カ
リウム又はセシウム等のアルカリ金属の塩、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム又
は酸化インジウム等の金属酸化物が挙げられる。有機化合物としては、バソキュプロイン
(BCP)、バソフェナントレン(Bphen)、(8−ヒドロキシキノリナト)アルミ
ニウム(Alq3)、ホウ素化合物、オキサジアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合
物、ナフタレンテトラカルボン酸無水物(NTCDA)、ペリレンテトラカルボン酸無水
物(PTCDA)、フラーレン化合物、又はホスフィンオキシド化合物若しくはホスフィ
ンスルフィド化合物等の周期表第16族元素と二重結合を有するホスフィン化合物が挙げ
られる。
バッファ層の膜厚に特に限定はないが、一実施形態において0.5nm以上、別の実施
形態において1nm以上、さらに別の実施形態において5nm以上である、一方、一実施
形態において1μm以下、別の実施形態において500nm以下、さらに別の実施形態に
おいて200nm以下、さらに別の実施形態において100nm以下である。バッファ層
の膜厚が上記の範囲内にあることで、キャリアの移動効率が向上しやすくなり、光電変換
効率が向上しうる。
バッファ層の形成方法に制限はなく、材料の特性に合わせて形成方法を選択することが
できる。例えば、上述の有機半導体化合物、ドーパント、及び溶媒を含有する塗布液を作
製し、スピンコート法やインクジェット法等の湿式成膜法を用いることにより、バッファ
層を形成することができる。また、真空蒸着法等の乾式成膜法により、バッファ層を形成
することもできる。
[5.基材]
光電変換素子100は、通常は支持体となる基材106を有する。もっとも、本発明に
係る光電変換素子は基材106を有さなくてもよい。基材106の材料は、本発明の効果
を著しく損なわない限り特に限定されず、例えば、国際公開第2013/171517号
、国際公開第2013/180230号又は特開2012−191194号公報等の公知
文献に記載の材料を使用することができる。
[6.光電変換素子の作製方法]
上述の方法に従って、光電変換素子100を構成する各層を形成することにより、光電
変換素子100を作製することができる。光電変換素子100を構成する各層の形成方法
に特段の制限はなく、シートツゥーシート(万葉)方式、又はロールツゥーロール方式で
形成することができる。
なお、ロールツゥーロール方式とは、ロール状に巻かれたフレキシブルな基材を繰り出
して、間欠的、或いは連続的に搬送しながら、巻き取りロールにより巻き取られるまでの
間に加工を行う方式である。ロールツゥーロール方式によれば、kmオーダの長尺基板を
一括処理することが可能であるため、ロールツゥーロール方式はシートツゥーシート方式
に比べて量産化に適している。一方、ロールツゥーロール方式で各層を成膜しようとする
と、その構造上、成膜面とロールとが接触することにより膜に傷がついたり、部分的に剥
がれてしまったりする場合がある。
ロールツゥーロール方式に用いることのできるロールの大きさは、ロールツゥーロール
方式の製造装置で扱える限り特に限定されないが、外径の上限は、好ましくは5m以下、
さらに好ましくは3m以下、より好ましくは1m以下である。一方、下限は好ましくは1
0cm以上、さらに好ましくは20cm以上、より好ましくは30cm以上である。ロー
ル芯の外径の上限は、好ましくは4m以下、さらに好ましくは3m以下、より好ましくは
0.5m以下である。一方、下限は好ましくは1cm以上、さらに好ましくは3cm以上
、より好ましくは5cm以上、さらに好ましくは10cm以上、特に好ましくは20cm
以上である。これらの径が上記上限以下であることはロールの取り扱い性が高い点で好ま
しく、下限以上であることは各工程で成膜される層が曲げ応力により破壊される可能性が
低くなる点で好ましい。ロールの幅の下限は、好ましくは5cm以上、さらに好ましくは
10cm以上、より好ましくは20cm以上である。一方、上限は、好ましくは5m以下
、さらに好ましくは3m以下、より好ましくは2m以下である。幅が上限以下であること
はロールの取り扱い性が高い点で好ましく、下限以上であることは光電変換素子100の
大きさの自由度が高くなるため好ましい。
また、上部電極105を積層した後に、光電変換素子100を一実施形態において50
℃以上、別の実施形態において80℃以上、一方、一実施形態において300℃以下、別
の実施形態において280℃以下、さらに別の実施形態において250℃以下の温度範囲
において、加熱することができる(この工程をアニーリング処理工程と称する場合がある
)。アニーリング処理工程を50℃以上の温度で行うことは、光電変換素子100の各層
間の密着性、例えばバッファ層102と下部電極101、バッファ層102と活性層10
3等の層間の密着性が向上する効果が得られる。各層間の密着性が向上することにより、
光電変換素子の熱安定性や耐久性等が向上しうる。アニーリング処理工程の温度を300
℃以下にすることは、光電変換素子100に含まれる有機化合物が熱分解する可能性が低
くなる。アニーリング処理工程においては、上記の温度範囲内において異なる温度を用い
た段階的な加熱を行ってもよい。
加熱時間としては、熱分解を抑えながら密着性を向上させるために、一実施形態におい
て1分以上、別の実施形態において3分以上、一方、一実施形態において180分以下、
別の実施形態において60分以下である。アニーリング処理工程は、太陽電池性能のパラ
メータである開放電圧、短絡電流及びフィルファクターが一定の値になったところで終了
させることができる。また、アニーリング処理工程は、構成材料の熱酸化を防ぐ上でも、
常圧下、かつ不活性ガス雰囲気中で実施することができる。加熱方法としては、ホットプ
レート等の熱源に光電変換素子を載せてもよいし、オーブン等の加熱雰囲気中に光電変換
素子を入れてもよい。また、加熱はバッチ式で行っても連続方式で行ってもよい。
[7.光電変換特性]
光電変換素子100の光電変換特性は次のようにして求めることができる。光電変換素
子100に適当なスペクトルの光をある照射強度で照射して、電流−電圧特性を測定する
。得られた電流−電圧曲線から、光電変換効率(PCE)、短絡電流密度(Jsc)、開
放電圧(Voc)、フィルファクター(FF)、直列抵抗、シャント抵抗といった光電変
換特性を求めることができる。一例として、光電変換素子100に色温度5000Kの白
色LED光を適当な照射強度(照度)で照射することで、各照度における電流−電圧特性
を測定することができる。
また、本発明の光電変換素子は、一対の電極間に有機無機ハイブリッド型半導体材料を
含有する活性層を有し、活性層と一対の電極の少なくとも一方との間に、導電率が1×1
−4[S/cm]以下であるバッファ層を有するものである。
このバッファ層の導電率を1×10−4[S/cm]以下とすることによって、光電変
換素子の低照度領域における発電効率を向上させることができる。好ましくは、5×10
−5[S/cm]以下であり、さらに好ましくは、1×10−5[S/cm]以下である
一方、光電変換に必要な導電性を付与する観点から、このバッファ層の導電率は1×1
−8[S/cm]以上であるのが好ましい。より好ましくは、5×10−8[S/cm
]以上であり、さらに好ましくは、1×10−7[S/cm]以上である。
上述のように、本発明に係る光電変換素子においては、アノードに相当する電極と活性
層との間に設けられたバッファ層は正孔輸送層と呼ばれることがあり、カソードに相当す
る電極と活性層との間に設けられたバッファ層は電子輸送層と呼ばれることがある。本発
明においては、導電率が1×10−4[S/cm]以下であるバッファ層は、正孔輸送層
として使用するのが、n−i−p積層型光電変換素子において輸送電荷量の制御が容易と
なる点で好ましい。
なお、上記の導電率は、距離の異なる電極間に成膜したバッファ層形成材料を用いた薄
膜に対してI−V測定を行った際に得られる測定値である。
また、本発明の光電変換素子は、一対の電極間に有機無機ハイブリッド型半導体材料を
含有する活性層を有し、活性層と一対の電極の少なくとも一方との間にバッファ層を有す
るものであり、暗所における並列抵抗値Rsh(dark)が、8×10[Ω]以上1
×10[Ω]以下の値を有するものである。
ここで、暗所における並列抵抗値Rsh(dark)とは、暗所にある光電変換素子の
I−V測定を行った際に、電圧0Vにおいて得られる並列抵抗値の測定値である。
この並列抵抗値Rsh(dark)を8×10[Ω]以上とすることによって、低照
度光領域におけるリーク電流を大幅に抑制することができ、低照度光領域における発電効
率を向上させることができる。好ましくは、1×10[Ω]以上であり、さらに好まし
くは、5×10[Ω]以上である。
また、この並列抵抗値Rsh(dark)を1×10[Ω]以下とすることによって
、低照度光領域において発生する微量な電荷を電極に輸送することができる。好ましくは
、8×10[Ω]以下であり、さらに好ましくは、6×10[Ω]以下である。
本発明の光電変換素子は低照度領域(10〜5000ルクス)における発電効率に優れ
、特に白色LED光等の光源を用いた場合において、光電変換効率を20%以上とするこ
とができる。この効率の上限に特段の制限はなく、高ければ高いほどよい。
なお、この光電変換効率(PCE)は、所定の照射光により測定される、光電変換素子
の電流−電圧曲線の最適動作点における出力(最大出力)をこの照射光が有する総エネル
ギー量(例えば、強度AM 1.5Gの太陽光であれば100mW/cm)で除した値
(%)である。
[8.発電デバイス]
一実施形態において、本発明に係る光電変換素子100は、発電デバイス、中でも室内
用太陽電池として好適に使用される。図2は本発明の一実施形態に係る太陽電池の構成を
模式的に表す断面図であり、図2には本発明の一実施形態に係る太陽電池である太陽電池
が示されている。図2に表すように、本実施形態に係る薄膜太陽電池14は、耐候性保護
フィルム1と、紫外線カットフィルム2と、ガスバリアフィルム3と、ゲッター材フィル
ム4と、封止材5と、太陽電池素子6と、封止材7と、ゲッター材フィルム8と、ガスバ
リアフィルム9と、バックシート10と、をこの順に備える。本実施形態に係る薄膜太陽
電池14は、太陽電池素子6として、本発明に係る光電変換素子を有している。そして、
保護フィルム1が形成された側(図2中下方)から光が照射されて、太陽電池素子6が発
電するようになっている。なお、薄膜太陽電池14は、これらの構成部材を全て有する必
要はなく、必要な構成部材を任意に選択することができる。
光電変換素子を構成するこれらの構成部材及びその製造方法について特段の制限はなく
、周知技術を用いることができる。例えば、国際公開第2013/171517号、国際
公開第2013/180230号又は特開2012−191194号公報等の公知文献に
記載の技術を使用することができる。
本実施形態に係る太陽電池、特に上述した薄膜太陽電池14の用途に制限はなく、任意
の用途に用いることができる。例えば、一実施形態に係る太陽電池は、建材用太陽電池、
自動車用太陽電池、インテリア用太陽電池、鉄道用太陽電池、船舶用太陽電池、飛行機用
太陽電池、宇宙機用太陽電池、家電用太陽電池、携帯電話用太陽電池又は玩具用太陽電池
として用いることができる。
本実施形態に係る太陽電池、特には上述した薄膜太陽電池14はそのまま用いてもよい
し、太陽電池モジュールの構成要素として用いられてもよい。例えば、図3に示すように
、本実施形態に係る太陽電池、特には上述した太陽電池14を基材12上に備える太陽電
池モジュール13を作製し、この太陽電池モジュール13を使用場所に設置して用いるこ
とができる。
以下に、実施例により本発明の実施形態を説明する。しかしながら、本発明は、以下の
実施例には限定されない。
[塗布液の調製]
(電子輸送層用塗布液の調製)
酸化スズ(IV)15質量%水分散液(Alfa Aesar社製)に超純水を加える
ことにより、7.5質量%の酸化スズ水分散液を調製した。
(活性層用塗布液の調製)
ヨウ化鉛(II)をバイアル瓶に量りとりグローブボックスに導入した。ヨウ化鉛(I
I)の濃度が1.3mol/Lとなるように溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミドを
加え、その後、100℃で1時間加熱撹拌することで活性層用塗布液1を調製した。
次に、別のバイアル瓶にホルムアミジンヨウ化水素酸塩(FAI)、メチルアミン臭化
水素酸塩(MABr)、及びメチルアミン塩化水素酸塩(MACl)を10:1:1の質
量比となるよう量りとり、グローブボックスに導入した。そこへ溶媒としてイソプロピル
アルコールを加えることにより、FAI、MAbr、及びMAClの合計濃度が0.49
mol/Lである活性層用塗布液2を調製した。
[正孔輸送層の導電率の測定]
あらかじめ異なるチャネル長/チャネル幅の比を持つ少なくとも3つのチャネルが形成
されたガラス基板の上に、導電率を測定したい正孔輸送材料を含む正孔輸送層成膜用塗布
溶液を用いてスピンコート等により薄膜を成膜する。各チャネルの抵抗をソースメータ等
で測定し、これをチャネル長/チャネル幅の比に対してプロットしてその傾きからシート
抵抗を得る。正孔輸送層薄膜の膜厚を接触探針式膜厚測定計等で測定し、シート抵抗をこ
の膜厚で除して薄膜の抵抗率[Ω/cm]を得る。
[光電変換素子の光電変換効率の測定]
照度計を用いて照射強度を100ルクスに調整した、色温度5000Kの白色LED光
を光電変換素子に照射する。この環境下で、ソースメータを用いて電流−電圧曲線(I−
V曲線)を測定し、その最大出力値を求める。この値を上記の照射光が有する総エネルギ
ー量で除して、光電変換素子の光電変換効率(%)を得る。
[光電変換素子の暗所における並列抵抗値(Rsh(dark))の測定]
光電変換素子を暗所(dark)に配置し、ソースメータを用いて電流−電圧曲線(I
−V曲線)を測定する。この暗所のI−V曲線における、電圧0V付近の傾きから、並列
抵抗値[Ω]を得る。
[実施例1]
(正孔輸送層用塗布液の調製)
64mgのポリ[ビス(4−フェニル)(2,4,6−トリメチルフェニル)アミン]
と、0.25mgの4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボラート(TPFB,TCI社製)とをバイアル瓶に量りと
り、グローブボックスに導入した。そこへ溶媒として1.6mLのオルトジクロロベンゼ
ンを加えた。次に、得られた混合液を150℃で1時間加熱撹拌することにより、正孔輸
送層用塗布液を調製した。
(光電変換素子の作製)
パターニングされた酸化インジウムスズ(ITO)透明導電膜を備えるガラス基板(ジ
オマテック社製)に対して、超純水を用いた超音波洗浄、窒素ブローによる乾燥、及びU
V−オゾン処理を行った。
次に、上記のように調製した電子輸送層用塗布液を、室温で、上記の基板上に2000
rpmの速度でスピンコートすることにより、厚さ約35nmの電子輸送層を形成した。
その後、基板をホットプレート上150℃で10分間加熱した。
さらに、基板をグローブボックスに導入し、100℃に加熱した活性層用塗布液1を電
子輸送層上に150μL滴下し、2000rpmの速度でスピンコートした。次に、基板
をホットプレート上100℃で10分間加熱アニールすることにより、ヨウ化鉛層を形成
した。次に、基板が室温に戻った後、ヨウ化鉛層上に活性層塗布液2(120μL)を2
000rpmの速度でスピンコートし、150℃で20分間加熱することにより、有機無
機ペロブスカイトの活性層(厚さ650nm)を形成した。
次に、基板が室温に戻った後、活性層上に、正孔輸送層塗布液(120μL)を200
0rpmの速度でスピンコートし、さらにホットプレート上90℃で5分間加熱すること
で、正孔輸送層(100nm)を形成した。
次に、正孔輸送層上に、抵抗加熱型真空蒸着法により厚さ約10nmのMoO、次い
で約30nmのIZO(R)及び約100nmの銀を蒸着させ、上部電極を形成した。以上
のようにして、正孔輸送層中のドーパント含有量が0.4質量%である光電変換素子を作
製した。
この光電変換素子における、正孔輸送層の導電率、Rsh(dark)、及び光電変換
効率の測定結果を表1に示す。
[実施例2]
TPFBの使用量を0.77mgに変更した以外は実施例1と同様にして、正孔輸送層
中のドーパント含有量が1.2質量%である光電変換素子を作製した。
この光電変換素子における、正孔輸送層の導電率、Rsh(dark)、及び光電変換
効率の測定結果を表1に示す。
[実施例3]
TPFBの使用量を1.3mgに変更した以外は実施例1と同様にして、正孔輸送層中
のドーパント含有量が2質量%である光電変換素子を作製した。
この光電変換素子における、正孔輸送層の導電率、Rsh(dark)、及び光電変換
効率の測定結果を表1に示す。
[実施例4]
TPFBの使用量を2.6mgに変更した以外は実施例1と同様にして、正孔輸送層中
のドーパント含有量が4質量%である光電変換素子を作製した。
この光電変換素子における、正孔輸送層の導電率、Rsh(dark)、及び光電変換
効率の測定結果を表1に示す。
[比較例1]
TPFBの使用量を30.7mgに変更した以外は実施例1と同様にして、正孔輸送層
中のドーパント含有量が48質量%である光電変換素子を作製した。
この光電変換素子における、正孔輸送層の導電率、Rsh(dark)、及び光電変換
効率の測定結果を表1に示す。
Figure 2021144973
表1に示すように、正孔輸送層におけるドーパント含有量が0.4質量%であり、正孔
輸送層の導電率が4.5×10−7[S/cm」であり、暗所における並列抵抗値(R
(dark))が2.2×10Ωである実施例1において、光電変換素子の白色LE
D光100ルクスにおける光電変換効率は23%と高い変換効率を示した。
同様に実施例2から実施例4においても、光電変換効率は20%以上であり、高効率で
あった。
一方、正孔輸送層におけるドーパント含有量が48質量%であり、正孔輸送層の導電率
が1.2×10−2[S/cm」であり、暗所における並列抵抗値(Rsh(dark)
)が3.3E×10Ωである比較例1においては、光電変換効率は14%であり、低効
率であった。
1 耐候性保護フィルム
2 紫外線カットフィルム
3,9 ガスバリアフィルム
4,8 ゲッター材フィルム
5,7 封止材
6 太陽電池素子
10 バックシート
12 基材
13 太陽電池モジュール
14 薄膜太陽電池
100 光電変換素子
101 下部電極
102 バッファ層
103 活性層
104 バッファ層
105 上部電極
106 基材

Claims (13)

  1. 上部電極と下部電極とにより構成される一対の電極と、前記一対の電極間に位置し、有
    機無機ハイブリッド型半導体化合物を含有する活性層と、を有する光電変換素子であって

    有機半導体化合物とそのドーパントとを含有するバッファ層が、前記活性層と前記一対
    の電極の少なくとも一方との間に位置し、
    前記ドーパントの含有量が前記有機半導体化合物と前記ドーパントの合計量に対して、
    0.001〜5質量%の範囲である、光電変換素子。
  2. 前記有機半導体化合物がポリトリアリールアミン系化合物である、請求項1に記載の光
    電変換素子。
  3. 前記ポリトリアリールアミン系化合物が、下記式(I)で表される単位を有する、請求
    項2に記載の光電変換素子。
    Figure 2021144973
    (前記式(I)中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12の炭化水
    素基、炭素数1〜12のフッ素置換炭化水素基、又は炭素数1〜12のアルコキシル基を
    表す。)
  4. 前記R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、又はメチル基である、請求項3に記載
    の光電変換素子。
  5. 前記ポリトリアリールアミン系化合物が、ポリ[ビス(4−フェニル)(2,4,6−
    トリメチルフェニル)アミン]である、請求項2〜4のいずれかに記載の光電変換素子。
  6. 前記ドーパントが、3価のヨウ素を含む有機化合物である、請求項1〜5のいずれかに
    記載の光電変換素子。
  7. 前記ドーパントが、ジアリールヨードニウム塩である、請求項6に記載の光電変換素子
  8. 上部電極と下部電極とにより構成される一対の電極と、前記一対の電極間に位置し、有
    機無機ハイブリッド型半導体化合物を含有する活性層と、前記活性層と前記一対の電極の
    少なくとも一方との間に位置するバッファ層とを有し、前記バッファ層の導電率が1×1
    −4[S/cm]以下である、光電変換素子。
  9. 上部電極と下部電極とにより構成される一対の電極と、前記一対の電極間に位置し、有
    機無機ハイブリッド型半導体化合物を含有する活性層と、前記活性層と前記一対の電極の
    少なくとも一方との間に位置するバッファ層とを有し、暗所における並列抵抗値Rsh
    dark)が8×10[Ω]以上1×10[Ω]以下である、光電変換素子。
  10. 前記バッファ層が、正孔輸送層である、請求項1〜9のいずれかに記載の光電変換素子
  11. 前記有機無機ハイブリッド型半導体材料が、ペロブスカイト構造を有する化合物である
    、請求項1〜10のいずれかに記載の光電変換素子。
  12. 10〜5000ルクスにおける光電変換効率が20%以上である、請求項1〜11のい
    ずれかに記載の光電変換素子。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の光電変換素子を有する発電デバイス。
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