JP4650842B2 - 太陽電池の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、太陽電池の製造方法に関する。
一般的な太陽電池では、太陽光線の照射により生成したキャリアを分離するためにpn接合が必要である。このpn接合は、例えば、基板にp型半導体基板を用いる場合にはリン等の5族元素をn型ドーパントとして受光面側で熱拡散させることにより形成することができ、また、基板にn型半導体基板を用いる場合には硼素等の3族元素をp型ドーパントとして受光面側で熱拡散させることにより形成することができる。
結晶シリコン太陽電池を例に挙げてより具体的に説明すると、結晶シリコン太陽電池は、通常、p型シリコン基板両面の全面に700℃〜900℃程度の温度でリン系ドーパントを熱拡散させてn型拡散層を形成し、裏面側の不要なn型拡散層を除去し、次いで受光面側のn型拡散層上にシリコン窒化膜等からなる反射防止膜を形成し、この反射防止膜上に銀ペーストをグリッド状に印刷するとともに、反射防止膜が形成された面とは反対側の裏面上にアルミペーストをベタ印刷した後、基板を焼成することにより製造される。また、裏面側のn型拡散層を除去せずに、アルミペーストからアルミを基板に拡散させ、n型拡散層をp型層あるいは高濃度拡散のp+型層に強制的に反転させる場合もある。
ところで、太陽電池の光電変換効率を上げるためには、拡散層の厚さを薄くする必要がある。しかし、拡散層の厚さが薄すぎると高抵抗化により電極部分での集電がうまくできなくなるうえに、突き抜けと言われる電極による拡散層部分の破壊が起こりやすくなる。そのため、受光面に対応する部分は拡散層の厚さを薄くした高抵抗層(低濃度ドーパント拡散層)とし、且つ電極に対応する部分は拡散層の厚さを厚くした低抵抗層(高濃度ドーパント拡散層)とした選択エミッタと呼ばれる構造が好ましい。従来、このような選択エミッタを形成する場合、複数回の拡散とマスキングによる部分エッチング等とを組み合わせた複雑な工程が必要であった。
そこで、インクジェット装置を用いて、リン系ドーパント濃度の高い塗布液を半導体基板の表面電極を形成すべき表面に塗布するとともに、リン系ドーパント濃度の低い塗布液を半導体基板の受光領域とすべき表面に塗布した後、熱処理を行なってリン系ドーパントを拡散させることにより半導体基板上に選択エミッタを形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
また、リンが拡散されたシリコン基板上に形成した反射防止膜に、エッチング成分およびドーピング成分の両方として作用するリン酸含有塗布媒体をスクリーン印刷やインクジェット法等により局所的に塗布した後、基板を加熱することにより塗布媒体が塗布された部分の反射防止膜をエッチングし、次いで基板を更に加熱してリンを局所的に拡散させることによりシリコン基板上に選択エミッタを形成する方法が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
特開2003−224285号公報 特表2005−506705号公報
しかしながら、インクジェット法で用いる塗布液には粘度及び表面張力が小さいことが要求されるため、その組成に大きな制限がある。つまり、上記特許文献1及び2のいずれにおいても、インクジェット法で塗布できる程度に粘度及び表面張力が小さいという条件の中で塗布液を調製することが必要になるが、これらの特許文献では、塗布液の構成成分と粘度及び表面張力との関係は何ら考慮されていない。粘度や表面張力を小さくする一般的な手法として、例えば、水で単に希釈する方法では、塗布液の粘度は下げることができるものの、表面張力を下げることができないうえに、リン系ドーパントの濃度が薄くなり過ぎて基板へのリンの拡散が不十分となる恐れがあり、また、例えば、水に界面活性剤を添加した水溶液で希釈する方法では、粘度及び表面張力を下げることができるものの、界面活性剤由来の不純物がn型拡散層へ混入して太陽電池の特性を低下させるという問題がある。
このように、上記した従来技術では、インクジェット法で用いるためのリン系ドーパント塗布液の粘度及び表面張力については何ら考慮されていないので、リン系ドーパント塗布液を均一に且つ安定して塗布することは難しく、簡単な工程で特性の良好な太陽電池を製造することはできないという問題があった。
従って、本発明の目的は、インクジェット法による塗布に適した形態のリン系ドーパント塗布液を用い、簡単な工程で特性の良好な太陽電池を製造する方法を提供するものである。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、リン酸をアルコールで希釈してリン酸のアルコール溶液とし、このアルコール溶液のドットが一部重なるようにp型半導体基板にインクジェット塗布し、リンを熱拡散させることによりp型半導体基板上にリン濃度の異なるn型拡散層を形成する方法が上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明に係る太陽電池の製造方法は、リン酸のアルコール溶液のドットが一部重なり合うようにリン酸のアルコール溶液をインクジェット法によりp型半導体基板に塗布する工程と、リンを熱拡散させることによりp型半導体基板上にリン濃度の異なるn型拡散層を形成する工程とを備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、インクジェット法による塗布に適した形態のリン系ドーパント塗布液を用い、簡単な工程で特性の良好な太陽電池を製造する方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
実施の形態1.
実施の形態1に係る太陽電池の製造方法は、リン系ドーパント塗布液としてのリン酸アルコール溶液をp型半導体基板にインクジェット塗布する工程と、このリンを熱拡散させることによりp型半導体基板上にリン濃度の異なるn型拡散層を形成する工程とを備えている。
まず、リン系ドーパント塗布液をインクジェット法によりp型半導体基板に塗布する工程について説明する。
本実施の形態に用いられるリン系ドーパント塗布液は、リン酸をアルコールで希釈することによって粘度及び表面張力を調整したものである。リン酸アルコール溶液の粘度は、より均一に且つ安定して塗布を行う観点から、25℃において1mPa・s〜20mPa・sにするのが好ましく、5mPa・s〜10mPa・s程度にするのが特に好ましい。また、リン酸アルコール溶液の表面張力は、より均一に且つ安定して塗布を行う観点から、25℃において20mN/m〜50mN/mにするのが好ましく、20mN/m〜30mN/mにするのが特に好ましい。上記のような粘度及び表面張力を有するリン酸アルコール溶液を調製するためには、希釈に用いるアルコールの種類にも依るが、リン酸が好ましくは5質量%〜50質量%、特に好ましくは10質量%〜40質量%の範囲で含まれるようにアルコールで希釈すればよい。ただし、リン酸濃度が低過ぎると、後工程におけるp型半導体基板へのリンの拡散が不十分になる場合があり、一方、リン酸濃度が高過ぎると、粘度及び表面張力が大きくなってインクジェット塗布が困難になる場合がある。
希釈に用いるアルコールとしては、特に限定されるものではないが、例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノールが挙げられ、シリコン基板への親和性と適度な蒸発性という観点から、ヘキサノールが特に好ましい。
そして、この工程では、上記したリン酸アルコール溶液のドットが一部重なり合うように、インクジェット装置により吐出量やピッチを調整しながらリン酸アルコール溶液をp型半導体基板に塗布する。リン酸アルコール溶液のp型半導体基板への塗布量としては、通常、0.1μl/cm2〜50μl/cm2の範囲であればよく、吐出がしやすいという観点から、0.2μl/cm2〜5μl/cm2の範囲であることが好ましい。本実施の形態における「リン酸アルコール溶液のドットが一部重なり合うように」とは、図1に示すようにリン酸アルコール溶液のドット1同士の少なくとも端部近傍が一部重なり合っていることを意味する。図1において、このドットが重なり合った部分3は、重なり合っていない部分2よりもリン酸濃度が高い状態となっているので、後工程でリンの熱拡散処理を行うとリン濃度の高いn型拡散層を形成する。従って、特性のより良好な太陽電池を得る観点から、電極が形成される部分に対応したp型半導体基板上には、ドットが一部重なり合うようにリン酸のアルコール溶液を塗布することが望ましい。また、ドット同士の間に隙間(未塗布部分)がなく且つドットの重なり合っている部分が連続して存在するように塗布することも望ましい。また、電流の流れやすい流路が全面に繋がるという観点から、ドットの重なり合っている部分が網目状になっていることも好ましい。この様なドットが一部重なり合うようにリン酸のアルコール溶液をドット状に精度よく塗布するために、基板加熱により塗布と乾燥を同時に行う方法や、ドット同士が重ならない様に本来の半分のドット密度で塗布を行い、乾燥した後に各ドットをつなぐように残りのドットを塗布する方法などを用いてもよい。
本実施の形態に用いられるp型半導体基板としては、例えば、単結晶シリコン基板、多結晶シリコン基板等が挙げられる。また、p型半導体基板としては、通常、150μm〜300μmの厚さのものが用いられる。また、太陽電池の光電変換効率をより高めるために、p型半導体基板表面のダメージ層を酸やアルカリを用いたエッチングにより除去してもよい。リン酸アルコール溶液の塗布に先立って、p型半導体基板に適当な表面処理を施してもよく、例えば、p型半導体基板表面をプラズマ酸化等により僅かに酸化することでリン酸アルコール溶液の濡れ性を良くしたり、逆にp型半導体基板表面の酸化膜をフッ酸で除去することでリン酸アルコール溶液の濡れ性を悪く(リン酸アルコール溶液をはじきやすく)してもよい。
本実施の形態に用いられるインクジェット装置は、インクジェットヘッド、塗布対象であるp型半導体基板あるいは両者に移動機構を備えた公知のものを用いることができ、特に、ピエゾ素子を利用した圧縮により液の吐出を行なう方式のものが好ましい。インクジェットヘッドに配置されるインクジェットノズルは単一であっても、複数であっても構わないが、複数のノズルが配置されたものの方が塗布に要する時間を短縮することができるため好ましい。
また、リン酸は強酸であるため、インクジェットノズル、インクタンク、インクジェットノズルへのインク供給用チューブ等の接液部(塗布液が接する部分)の材質が金属等の場合にはそれを溶解してしまい、その溶解成分がn型拡散層中に混入して太陽電池の性能を低下させることがある。そのため、インクジェット装置における接液部は、耐酸性材で被覆されているか又は耐酸性材で構成されていることが望ましい。このような用途に適した耐酸性材としては、例えば、テフロン(登録商標)、ポリプロピレン等の樹脂やガラス等が挙げられる。
上述したように、本実施の形態では、インクジェット法による塗布に適した形態のリン系ドーパント塗布液を用いているので、p型半導体基板上に均一に且つ安定して塗布を行うことができる。更に、本実施の形態では、リン酸アルコール溶液のドットを重ね合わせることによりリン濃度が異なる部分を形成しているので、従来技術のようにリン系ドーパントの濃度の異なる複数種の塗布液を調製する必要がなく、濃度毎にインクジェットヘッドを変える必要がなく、また、複数のインクジェットヘッドを用意する必要もないという利点を有する。
次に、リンを熱拡散させることによりp型半導体基板上にリン濃度の異なるn型拡散層を形成する工程について説明する。
この工程では、リン酸アルコール溶液が塗布されたp型半導体基板を加熱し、リンを熱拡散させる。先の工程で得られたp型半導体基板においてリンを熱拡散させると、リン酸アルコール溶液のドットが重なり合っている部分はリン酸濃度が高いため低抵抗n型拡散層となり、ドットの重なり合っていない部分はリン酸濃度が低いため高抵抗n型拡散層となる。通常、リン酸濃度を高く、塗布量を多く、加熱温度を高く及び加熱時間を長くすることで、拡散層が厚くなり、シート抵抗は低くなる傾向があり、逆に、リン酸濃度を低く、塗布量を少なく、加熱温度を低く及び加熱時間を短くすることで、拡散層が薄くなり、シート抵抗は高くなる傾向があるので、これらの条件を適宜変更することで選択エミッタとして最適のシート抵抗比となるようにそれぞれのシート抵抗を調整することができる。一般的に、シート抵抗が40Ω/□〜60Ω/□であれば、太陽電池用の拡散層として機能させることができるが、本実施の形態では、高抵抗n型拡散層のシート抵抗が60Ω/□〜100Ω/□、低抵抗n型拡散層が30Ω/□〜50Ω/□となるようにするのが好ましい。
p型半導体基板の加熱方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、電気炉、レーザー装置等を用いる方法及びこれらを組み合わせた方法が挙げられる。電気炉を用いてリンを熱拡散させる場合には、p型半導体基板を空気雰囲気下、700℃〜1000℃で1分〜60分間、熱処理すればよい。レーザー装置を用いてリンを熱拡散させる場合には、p型半導体基板の表面温度が瞬間的に800℃〜1200℃となるようにレーザーを照射すればよい。レーザーの照射は、リン酸アルコール溶液が塗布されたp型半導体基板全面に行ってもよいし、電極を形成すべき部分等の一部だけに行ってもよい。ただし、レーザーが照射された部分は急激な温度変化により結晶歪みを生じるので、その後の工程でp型半導体基板全体を電気炉により加熱するか又はp型半導体基板全面に低エネルギーのレーザーを照射(所謂レーザーアニール)することにより、結晶歪みを緩和することが好ましい。
上記した熱拡散プロセスの中でも、リン酸アルコール溶液が塗布されたp型半導体基板の電極を形成すべき部分にのみレーザーを照射した後、p型半導体基板を電気炉で加熱するプロセスは、レーザーによる選択照射部分のみを低抵抗化できるため、電極部分とその他の受光部分との抵抗差の形成が容易である。ただし、電極形成時に位置合わせを行う必要がある。
また、リン酸アルコール溶液が塗布されたp型半導体基板全面にレーザーを照射した後、低エネルギーのレーザーを照射して結晶歪みを緩和させるプロセスによって、p型半導体基板全体を高温で熱処理せずにn型拡散層を形成することができる。そのため、後工程における電極の形成の際の焼成もレーザーを照射することにより行うか又は焼成不要の電極、例えば、導電性ペーストを用いることで、見かけ上、低温プロセスで太陽電池を製造することができる。この方法は、裏面にポイントコンタクト構造を使用する場合に有効であるが、表側電極に関しては対応部分の反射防止膜をあらかじめ剥離しておく必要がある。
使用するレーザーとしては、例えば、YAG基本波レーザー、2倍波、3倍波等が挙げられる。一般的に、波長が短いレーザーを用いると、表面にエネルギーが集中するので、リン濃度の高いn型拡散層が薄く形成され、逆に、波長が長いレーザーを用いると、リン濃度の低いn型拡散層が厚く形成される傾向があるので、これらを考慮してレーザーを適宜選択すればよい。
上述したように、従来技術ではリン系ドーパント濃度の高い塗布液と低い塗布液とを調製し、それぞれを基板上の別々の領域に塗布するという煩雑な工程を経なければ選択エミッタを形成できないのに対し、本実施の形態では、そのような工程を経ずに、選択エミッタを簡単に形成することができる。
また、本実施の形態に係る太陽電池の製造方法は、上記工程に加え、n型拡散層上に反射防止膜を形成する工程と、反射防止膜上に表面電極を形成する工程と、反射防止膜が形成された面とは反対側の面に裏面電極を形成する工程とを備えていてもよい。
上記工程で得られたp型半導体基板のn型拡散層(高抵抗n型拡散層と低抵抗n型拡散層から構成される)上には、通常、リンガラス層が形成されているため、必要に応じて、フッ酸洗浄を行ってリンガラス層を除去する。次いで、n型拡散層上に窒化ケイ素(SiN)等からなる反射防止膜をプラズマCVD法等の公知の方法により形成する。この窒化ケイ素等からなる反射防止膜は、p型半導体基板表面を水素終端および保護するパッシベーション膜としても機能する。
次に、反射防止膜上に表面電極を形成するとともに、反射防止膜が形成された面とは反対側の面に裏面電極を形成することで、太陽電池を得ることができる。
表面電極は、例えば、p型半導体基板の表面電極を形成すべき部分に対応する反射防止膜上に銀ペーストをグリッド状にスクリーン印刷した後、700℃〜900℃で3〜30分間焼成することにより形成することができる。また、裏面電極は、例えば、反射防止膜が形成された面とは反対側のp型半導体基板表面にアルミペーストをベタ印刷した後、表面電極と同時に焼成することにより形成することができる。
本実施の形態によれば、リン系ドーパント塗布液をインクジェット法によりp型半導体基板上に均一に且つ安定して塗布を行うことができるので、塗布液の使用量や無駄を減らすことができ、尚且つ煩雑な工程を経ることなく選択エミッタを形成することができるので、特性の良好な太陽電池を低コストで製造することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
高濃度リン酸(85質量%以上)をヘキサノールで希釈し、30質量%のリン酸ヘキサノール溶液を調製した。テフロン(登録商標)製のインクタンクと、ガラス製インクジェットノズル(ピエゾ方式)と、これらインクタンク及びインクジェットノズルを接続するためのテフロン(登録商標)チューブと、移動機構を有するインクジェットヘッドとを備えたインクジェット装置の吐出量やピッチを調節することで、先に調製したリン酸ヘキサノール溶液のドットが図1に示すように一部重なり合うように、多結晶シリコン基板(厚さ200μmの両面を10μmずつ、アルカリエッチングで表面のダメージ層を除去したもの)上にリン酸ヘキサノール溶液を1μl/cm2の塗布量で塗布した。次に、リン酸ヘキサノール溶液が塗布された多結晶シリコン基板を電気炉内に投入し、空気雰囲気下、850℃で15分間加熱し、多結晶シリコン基板にリンを熱拡散させた。次に、電気炉から多結晶シリコン基板を取り出し、フッ酸で洗浄してリンガラス層を除去し、多結晶シリコン基板上にリン拡散層のみを残した。続いて、リン拡散層上にSiN膜をプラズマCVD法により形成した。最後に、多結晶シリコン基板のSiN膜上に表面電極を形成すべき部分(グリッド状)に銀ペーストをスクリーン印刷すると共に、SiN膜が形成された面とは反対側の面にアルミペーストをベタ印刷した後、多結晶シリコン基板を900℃で5分間焼成して表面電極及び裏面電極を形成し、太陽電池セルを得た。得られた太陽電池セルの特性を計測したところ、16.2%の光電変換効率が得られた。
<実施例2>
高濃度リン酸(85質量%以上)をヘキサノールで希釈し、30質量%のリン酸ヘキサノール溶液を調製した。テフロン(登録商標)製のインクタンクと、ガラス製インクジェットノズル(ピエゾ方式)と、これらインクタンク及びインクジェットノズルを接続するためのテフロン(登録商標)チューブと、移動機構を有するインクジェットヘッドとを備えたインクジェット装置の吐出量やピッチを調節することで、先に調製したリン酸ヘキサノール溶液のドットが表面電極を形成すべき部分で一部重なり合うように、多結晶シリコン基板(厚さ200μmの両面を10μmずつ、アルカリエッチングで表面のダメージ層を除去したもの)上にリン酸ヘキサノール溶液を1μl/cm2の塗布量で塗布した。次に、リン酸ヘキサノール溶液が塗布された多結晶シリコン基板上の表面電極を形成すべき部分に、YAG基本波レーザーを照射してリンを熱拡散させた。その後、リン酸ヘキサノール溶液が塗布された多結晶シリコン基板を電気炉内に投入し、空気雰囲気下、800℃で10分間加熱し、多結晶シリコン基板にリンを熱拡散させ、かつ結晶歪みを緩和させた。次に、電気炉から多結晶シリコン基板を取り出し、フッ酸で洗浄してリンガラス層を除去し、多結晶シリコン基板上にリン拡散層のみを残した。続いて、リン拡散層上にSiN膜をプラズマCVD法により形成した。最後に、多結晶シリコン基板のSiN膜上に表面電極を形成すべき部分(グリッド状)に銀ペーストをスクリーン印刷すると共に、SiN膜が形成された面とは反対側の面にアルミペーストをベタ印刷した後、多結晶シリコン基板を900℃で5分間焼成して表面電極及び裏面電極を形成し、太陽電池セルを得た。得られた太陽電池セルの特性を計測したところ、16.4%の光電変換効率が得られた。
<比較例1>
高濃度リン酸を水で希釈した以外は、実施例1と同様にして太陽電池セルを製造しようとしたところ、30質量%のリン酸水溶液ではインクジェット塗布することができなかった。そのため、リン酸水溶液をさらに水で希釈したが、インクジェット塗布することはできなかった。そこで、30質量%のリン酸のヘキサノール溶液をスピン塗布で基板全面に一様に塗布を行い、それ以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを製造したところ、15.4%の光電変換効率が得られた。また、同様に30質量%のリン酸水溶液をスピン塗布で基板全面に一様に塗布を行い、それ以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを製造したところ、15.5%の光電変換効率が得られた。これらの光電変換効率はどちらも、実施例1よりは低い値であった。
<比較例2>
30質量%のリン酸のヘキサノール溶液をスピン塗布で基板全面に一様に塗布を行い、それ以外は実施例2と同様にして太陽電池セルを製造したところ、15.5%の光電変換効率が得られた。また、同様に30質量%のリン酸水溶液をスピン塗布で基板全面に一様に塗布を行い、それ以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを製造したところ、15.6%の光電変換効率が得られた。これらの光電変換効率はどちらも、実施例2よりは低い値であった。
実施の形態1におけるリン酸アルコール溶液のドットが一部重なり合っている状態を示す模式図である。
符号の説明
1 リン酸アルコール溶液のドット、2 リン酸アルコール溶液のドットの重なり合っていない部分、3 リン酸アルコール溶液のドットの重なり合った部分。

Claims (6)

  1. リン酸のアルコール溶液のドットが一部重なり合うようにリン酸のアルコール溶液をインクジェット法によりp型半導体基板に塗布する工程と、
    リンを熱拡散させることによりp型半導体基板上にリン濃度の異なるn型拡散層を形成する工程と
    を備えることを特徴とする太陽電池の製造方法。
  2. 前記塗布は、電極を形成すべき部分において前記ドットが一部重なり合うように行うことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
  3. 前記熱拡散は、前記リン酸のアルコール溶液が塗布された前記p型半導体基板表面全体にレーザーを照射することにより行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池の製造方法。
  4. 前記熱拡散は、前記リン酸のアルコール溶液が塗布された前記p型半導体基板の電極を形成すべき部分のみにレーザーを照射した後、前記p型半導体基板全体を加熱することにより行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池の製造方法。
  5. 接液部が耐酸性材で被覆されているか又は耐酸性材で構成されているインクジェット装置を用いることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の太陽電池の製造方法。
  6. 前記n型拡散層上に反射防止膜を形成する工程と、
    反射防止膜上に表面電極を形成する工程と、
    反射防止膜が形成された面とは反対側の面に裏面電極を形成する工程と
    を更に備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の太陽電池の製造方法。
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