JP2010093194A - 太陽電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】太陽電池の受光面のシリコン基板表面にミクロンサイズの凹凸を安定して形成させることのできる太陽電池の製造方法を提供する。
【解決手段】シリコン基板表面に凹凸を形成するエッチング工程を含む太陽電池の製造方法において、上記エッチング工程は、アルカリ水溶液を含むエッチング液を用いて、80℃以上でエッチング処理することを特徴とする。また、エッチング液は、沸点が100℃以上のアルコール系溶剤を含むことが好ましく、アルカリ水溶液は、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液および水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液から選択された少なくとも1種の水溶液であることが好ましい。
【選択図】図8
【解決手段】シリコン基板表面に凹凸を形成するエッチング工程を含む太陽電池の製造方法において、上記エッチング工程は、アルカリ水溶液を含むエッチング液を用いて、80℃以上でエッチング処理することを特徴とする。また、エッチング液は、沸点が100℃以上のアルコール系溶剤を含むことが好ましく、アルカリ水溶液は、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液および水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液から選択された少なくとも1種の水溶液であることが好ましい。
【選択図】図8
Description
本発明は、太陽電池の製造方法に関し、特に太陽電池の受光面のシリコン基板にミクロンサイズの凹凸を安定して形成することができる太陽電池の製造方法に関する。
太陽光エネルギーを直接電気エネルギーに変換する太陽電池は、地球環境に与える負担が少ないことから、次世代のエネルギー源として期待が高まっている。このような太陽電池に用いられる材料には、シリコン、化合物半導体材料、有機材料等があるが、いずれの材料を用いる太陽電池であっても、太陽電池の内部に外光をなるべく多く取り込むことによって、電気エネルギーへの発電効率も高めることができることから、効率的に外光を取り込むために太陽電池には種々の工夫がなされている。
太陽電池の構造上の工夫の一つとして、太陽電池の受光面にテクスチャ構造と呼ばれる、数ミクロン〜数十ミクロンの高低差を有する凹凸を形成するという技術がある。このように太陽電池の受光面に凹凸を形成することによって、外光の反射を低減すると同時に太陽電池内部に侵入する光量を増やすことができ、太陽電池の発電効率を高めることができる。よって、太陽電池の発電効率を高める上で、外光を反射しないように受光面の凹凸を適切に形成することは極めて重要である。
太陽電池の受光面に凹凸を形成する手段としては、金属微粒子を触媒として湿式エッチングする方法や、反応性イオンエッチングする方法等が挙げられるが、いずれも量産性や製造コストの面から好ましくない。このため、太陽電池の受光面に凹凸を形成する方法で一般的な方法としては、70℃以上80℃未満に昇温した水酸化カリウムなどのアルカリ水溶液に低沸点のアルコール溶剤を添加したエッチング液でエッチングする方法を用いている(たとえば特許文献1の1ページ目、右段3〜11行目参照)。
米国特許第4137123号明細書
図1〜8に代表的な太陽電池の製造方法の一例を示す。まず、図1に示されるように、ワイヤーソーでスライスしたp型シリコン基板10の表面は、ワイヤーソースライス時にダメージ層17を形成しているので、アルカリ水溶液と、低沸点のアルコール溶剤とを含むエッチング液を70℃以上80℃未満に昇温して、このエッチング液でp型シリコン基板10の表面をエッチングして、ダメージ層17を除去するとともにp型シリコン基板10の表面に微小な凹凸(本発明においては「テクスチャ構造」とも記載する)を形成する。
次に、図3に示されるように、p型シリコン基板10の一方の主面(以下、「第1主面」という)上にリンを含む化合物を含有したドーパント液18を塗布し、800℃以上950℃以下の温度で5〜30分間熱処理することによって、p型シリコン基板10の第1主面にn型ドーパントであるリンが拡散して、図4に示されるように、p型シリコン基板10の第1主面にn+層11を形成する。次いで、リンの拡散時にp型シリコン基板10の第1主面に形成されるガラス層を酸処理により除去した後、図5に示されるように、p型シリコン基板10の第1主面上に常圧CVD法を用いて酸化チタン膜からなる反射防止膜12を形成する。
そして、図6に示されるように、p型シリコン基板10の他方の主面(以下、「第2主面」という)上に、アルミニウム粉末、ガラスフリット、樹脂および有機溶剤からなるアルミニウムペーストをスクリーン印刷などにより印刷した後に、p型シリコン基板10を熱処理することによって、アルミニウムが溶融してp型シリコン基板10と合金化してアルミニウム−シリコン合金層下にp+層15を形成するとともに、p型シリコン基板10の第2主面上にアルミニウム電極14を形成する。
その後、図7に示されるように、p型シリコン基板10の第2主面上に、銀粉末、ガラスフリット、樹脂および有機溶剤からなる銀ペーストをスクリーン印刷などにより印刷して、p型シリコン基板10を熱処理することによって銀電極16を形成する。そして、図8に示されるように、p型シリコン基板10の第1主面上に銀電極13を形成する。以上のようにして従来の太陽電池は製造されていた。
しかしながら、従来の太陽電池の製造方法のテクスチャ構造を形成する工程においては、イソプロピルアルコールとアルカリ水溶液とを含むエッチング液を70℃以上80℃未満に熱して、エッチング処理することにより行なっていたが、このエッチングがイソプロピルアルコールの沸点(82.4℃)付近での処理であるため、イソプロピルアルコールがエッチング処理中に気化してしまうという問題があった。このため、気化したイソプロピルアルコールを補うべく新たにイソプロピルアルコールを供給する必要があり、結果として大量のイソプロピルアルコールを要してしまい量産に適さなかった。そこで、イソプロピルアルコールの気化を抑制するためにエッチングの処理温度をさらに低温にすると、エッチングの処理時間がかかりすぎてしまったり、理想的な凹凸形状を形成することができなくなってしまったりして、太陽電池の受光面に安定してテクスチャ構造を形成することができなかった。また、ウェハ表面のダメージ層を除去した表面がフラットな状態のウェハに対しては特に、処理温度が70℃以上80℃未満のエッチング液ではエッチングの反応性が十分ではないために安定して凹凸が形成できなかった。
本発明は、上記のような現状を鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、太陽電池の受光面のシリコン基板表面にミクロンサイズの凹凸を安定して形成する太陽電池の製造方法を提供することにある。
本発明の太陽電池の製造方法は、シリコン基板表面に凹凸を形成するエッチング工程を含む太陽電池の製造方法であって、上記エッチング工程は、アルカリ水溶液を含むエッチング液を用いて、80℃以上でエッチング処理することを特徴とする。
また、上記のエッチング液は、沸点が100℃以上のアルコール系溶剤を含むことを特徴とする。
また、アルカリ水溶液は、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液および水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液から選択された少なくとも1種の水溶液であることが好ましい。
また、エッチング液は、1.0〜10質量%のアルコール系溶剤を含み、当該アルコール系溶剤は、沸点が100℃以上であることを特徴とする。
また、エッチング液は、1.0〜7.5質量%のアルカリ水溶液を含むことが好ましい。
また、上記のシリコン基板表面に形成される凹凸のピッチは、0.2〜100μmであることが好ましい。
また、シリコン基板表面に形成される凹凸の深さは、0.1〜50μmであることが好ましい。
本発明によれば、太陽電池の受光面のシリコン基板表面にミクロンサイズの凹凸を安定して形成することができる太陽電池の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の太陽電池の製造方法を実施の形態によって説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
(実施の形態)
まず、図1に示されるように、ワイヤーソーでスライスしたp型シリコン基板10の表面は、ワイヤーソースライス時にダメージ層17を形成しているので、このダメージ層17をアルカリまたは酸によって除去する。これによりp型シリコン基板10の表面は、フラットな面となる。そして、ダメージ層を除去したp型シリコン基板10の第2主面を図2に示すように常圧CVDによる酸化シリコン膜20によりマスクする。このマスクは酸化シリコン膜に限定されるものではなく、プラズマCVDによる窒化シリコン膜や、耐アルカリ性のフィルムなどであっても良い。そして、1.0〜7.5質量%の範囲で濃度を変化させたアルカリ水溶液と、0.5質量%〜10質量%の範囲で濃度を変化させたアルコール系の溶剤とを含有するエッチング液を80℃以上に昇温し、このエッチング液でp型シリコン基板10の表面をエッチングして、p型シリコン基板10の第1主面にミクロンサイズの凹凸を形成する。このミクロンサイズの凹凸により、p型シリコン基板10の表面に入射する太陽光の反射を低減し、外光を効率よく太陽電池内部に取り込むことができ、以って太陽電池の変換効率を高めることができる。なお、本発明はp型シリコン基板に限るものではなく、n型シリコン基板を用いてもよい。
まず、図1に示されるように、ワイヤーソーでスライスしたp型シリコン基板10の表面は、ワイヤーソースライス時にダメージ層17を形成しているので、このダメージ層17をアルカリまたは酸によって除去する。これによりp型シリコン基板10の表面は、フラットな面となる。そして、ダメージ層を除去したp型シリコン基板10の第2主面を図2に示すように常圧CVDによる酸化シリコン膜20によりマスクする。このマスクは酸化シリコン膜に限定されるものではなく、プラズマCVDによる窒化シリコン膜や、耐アルカリ性のフィルムなどであっても良い。そして、1.0〜7.5質量%の範囲で濃度を変化させたアルカリ水溶液と、0.5質量%〜10質量%の範囲で濃度を変化させたアルコール系の溶剤とを含有するエッチング液を80℃以上に昇温し、このエッチング液でp型シリコン基板10の表面をエッチングして、p型シリコン基板10の第1主面にミクロンサイズの凹凸を形成する。このミクロンサイズの凹凸により、p型シリコン基板10の表面に入射する太陽光の反射を低減し、外光を効率よく太陽電池内部に取り込むことができ、以って太陽電池の変換効率を高めることができる。なお、本発明はp型シリコン基板に限るものではなく、n型シリコン基板を用いてもよい。
ここで、p型シリコン基板の表面に形成する微小な凹凸は、太陽電池の受光面の反射率を抑えるという観点から、凹凸の深さは0.1μm以上50μm以下であることが好ましい。凹凸の深さが0.1μm未満であると本特許に規定されるエッチング液の配合では形成できず、50μmを超えると、ウェハが薄くなり割れやすくなるため好ましくない。ここで、凹凸の深さとは、凹凸の極大の高さと極小の高さの差を意味する。
また、凹凸のピッチは、0.2μm以上100μm以下であることが好ましい。従来のようにエッチング液にイソプロピルアルコールを用いてエッチングすると、波長800nmでの反射率が5〜15%程度であるのに対し、本発明において適正な範囲のエッチング液に含まれるアルコール系溶剤の濃度、温度で処理すると上記範囲の凹凸形状が形成でき、同程度の反射率に低減することができる。
また、上記のエッチング液に用いられるアルカリ水溶液は、強アルカリである水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、および水酸化テトラメチルアンモニウムから選択された少なくとも1種の水溶液を用いることが好ましい。また、エッチング液に含まれるアルカリ水溶液の濃度は、1.0〜7.5質量%であることが好ましい。1.0質量%未満であるとエッチングが進まなくなり、7.5質量%より多いと反射率が低減できなくなるため好ましくない。
また、エッチング液に用いられる溶剤は、エッチング時における溶剤の揮発を防ぐという観点から、100℃以上の沸点であるアルコール系溶剤であることが好ましく、このアルコール系溶剤は1.0〜10質量%を含むことが好ましい。このようなアルコール系の溶剤は、たとえばシクロヘキサンジオール、ダイアセトンアルコール、オクタノール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサノール、ブチルエチルプロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、オクタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール等を挙げることができる。また、エッチング液に含まれるアルコール系溶剤の濃度が、1.0質量%未満であると反射率が低減できなくなり、10質量%より多いとエッチングが進まなくなってしまうため好ましくない。
次に、図3に示されるように、p型シリコン基板10の第1主面上にリンを含む化合物を含有したドーパント液18を塗布し、800℃以上950℃以下の温度で5〜30分間熱処理することによって、p型シリコン基板10の第1主面にn型ドーパントであるリンが拡散して、図4に示されるように、p型シリコン基板10の第1主面にn+層11が形成される。なお、n+層11を形成する方法としては、上述のようにドーパント液を塗布しリンの拡散を利用させる方法に限られるものではなく、たとえばP2O5やPOCl3を用いた気相拡散による方法を用いることもできる。
次いで、リンの拡散時にp型シリコン基板10の第1主面に形成されるガラス層を酸処理により除去した後、図5に示されるように、p型シリコン基板10の第1主面上に常圧CVD法を用いて酸化チタン膜からなる反射防止膜12を形成する。なお、反射防止膜12を形成する方法は、常圧CVD法を用いて酸化チタン膜を形成する方法に限られるものではなく、たとえばプラズマCVD法を用いて窒化シリコン膜を形成する方法等を用いることもできる。なお、この反射防止膜12の形成は、後に説明する銀電極16を形成する工程後に行なってもよい。また、上述のようにドーパント液を塗布する方法によりn+層11を形成する場合、ドーパント液に反射防止膜12の材料を含んだドーパント液を塗布することによって、n+層11を形成すると同時に反射防止膜12を形成することもできる。
次に、図6に示されるように、p型シリコン基板10の第2主面上に、アルミニウム電極14を形成するとともにp型シリコン基板10の第2主面にp+層15を形成する。このアルミニウム電極14およびp+層15は、たとえば、アルミニウム粉末、ガラスフリット、樹脂および有機溶剤からなるアルミニウムペーストをスクリーン印刷などによりp型シリコン基板10の第2主面上に印刷した後に、p型シリコン基板10を熱処理することによって、アルミニウムが溶融してシリコンと合金化することにより形成されたアルミニウム−シリコン合金層下にp+層15が形成され、さらにp型シリコン基板10の第2主面上にアルミニウム電極14が形成される。また、p型シリコン基板10とp+層15とのドーパントの濃度差があることによって、p型シリコン基板10とp+層15の界面に電位差(電位障壁として働く)をもたらし、光生成されたキャリアがp型シリコン基板10の第2主面付近で再結合するのを防いでいる。
次に、図7に示されるように、p型シリコン基板10の第2主面上のアルミニウム電極14が形成されていない部分に銀電極16を形成する。銀電極16は、たとえば、銀粉末、ガラスフリット、樹脂および有機溶剤からなる銀ペーストをスクリーン印刷などにより印刷して、p型シリコン基板10を熱処理することによって形成する。さらに、図8に示されるように、p型シリコン基板10の第1主面上に銀電極13を形成する。
以上のようにして、図8に示される構成の太陽電池を製造することができる。なお、銀電極13および銀電極16の形成後のp型シリコン基板10を溶融はんだ槽に浸漬することによって、図9に示されるように、銀電極13および銀電極16の表面にはんだ層19を設けてもよい。
本発明の太陽電池の製造方法のp型シリコン基板10の表面のダメージ層17を除去するエッチング工程に、100℃以上の沸点であるアルコール系の溶剤をエッチング液に用いることによって、80℃以上の比較的高温でエッチングをしても、安定して凹凸を形成することができる。また、エッチング処理中にも溶剤の揮発が少ないため、処理枚数が増え、タクトを向上させることができ、コストの低下にもつながる。
また、80℃よりも高い温度でエッチング処理することにより、エッチング液の反応性が良くなり低濃度のKOHで処理することができるようになるとともに、エッチング液のエッチングレートを抑えることができるようになり、凹凸のサイズを小さくすることができる。凹凸のサイズを小さくすることにより、エッチング量を少なくすることができ、p型シリコン基板を薄型化した場合にも有利である。
また、エッチング処理を80℃以上で処理することにより、p型シリコン基板表面の反応性がよくなるため、80℃未満の処理温度では安定して凹凸を形成することができなかった、アルカリまたは酸によってダメージ層が除去されたフラットなp型シリコン基板表面上にも凹凸を形成することができる。これにより、第1主面および第2主面ともにダメージ層が除去されたフラットな状態から、第1主面のみに凹凸を形成することで、第2主面をフラットにすることができ、第2主面の表面再結合を抑制することができる。その結果、太陽電池特性を高効率化することができる。ここで、表面再結合とは、太陽電池内で発生したキャリアが電力として外部に取り出される前に、シリコン基板表面で消滅することを言う。なお、本発明はテクスチャ構造を有する全ての太陽電池に適用される。
(実施例1)
実施例1における太陽電池の製造方法は、水酸化カリウムとダイアセトンアルコールとを含むエッチング液を用いてエッチングすることを特徴とする。ダイアセトンアルコールのように、100℃以上の沸点を有する非環状のアルコールを用いることによって、80℃以上のエッチングにも対応できるようになり、エッチングの反応性を高めることができる。
実施例1における太陽電池の製造方法は、水酸化カリウムとダイアセトンアルコールとを含むエッチング液を用いてエッチングすることを特徴とする。ダイアセトンアルコールのように、100℃以上の沸点を有する非環状のアルコールを用いることによって、80℃以上のエッチングにも対応できるようになり、エッチングの反応性を高めることができる。
実施例1の太陽電池の製造方法は、まず、図1に示されるように(100)面を初期表面に持つp型シリコン基板10の表面のダメージ層17を除去した。次に、図2に示されるように第2主面を常圧CVDにより酸化シリコン膜20を形成した。そして、第1主面に微小な凹凸を形成するために90℃に昇温保持した純水に2.5質量%の水酸化カリウムと、高温処理に対応するため100℃以上の沸点を有するダイアセトンアルコール6.5質量%とを含むエッチング液によって、(100)面を初期表面に持つp型シリコン基板10を10分エッチング処理し、p型シリコン基板10の表面に任意の凹凸形状を形成した。
続いて、図3に示されるように、p型シリコン基板10の第1主面上にリンを含む化合物を含有したドーパント液18を塗布した。そして、ドーパント液18の塗布後のp型シリコン基板10を900℃の温度で30分間熱処理することによりp型シリコン基板10の第1主面にn型ドーパントであるリンが拡散して、図4に示されるように、p型シリコン基板10の第1主面にn+層11を形成した。
次いで、リンの拡散時にp型シリコン基板10の第1主面に形成されるガラス層を酸処理により除去した後、図5に示されるように、p型シリコン基板10の第1主面上に常圧CVD法を用いて酸化チタン膜からなる反射防止膜12を形成した。そして、図6に示されるように、アルミニウム粉末、ガラスフリット、樹脂および有機溶剤からなるアルミニウムペーストをスクリーン印刷などにより印刷した後に、p型シリコン基板10を熱処理することによって、アルミニウムが溶融してシリコンと合金化することにより形成したアルミニウム−シリコン合金層下にp+層15が形成されるとともに、p型シリコン基板10の第2主面上にアルミニウム電極14を形成した。
次に、図7に示されるように、p型シリコン基板10の第2主面上に、銀粉末、ガラスフリット、樹脂および有機溶剤からなる銀ペーストをスクリーン印刷などにより印刷した後に、p型シリコン基板10を熱処理することによって銀電極16を形成した。
そして、図8に示されるように、p型シリコン基板10の第1主面上に銀電極13を形成した。このように100℃以上の沸点を有するダイアセトンアルコールをエッチング液に含む場合、低沸点の溶剤と比べてエッチング中の溶剤の揮発が極端に少ないことから、エッチング中にダイアセトンアルコールを補充する必要がなく、量産性に優れた製造方法であることがわかった。なお、実施例1の方法で製造した太陽電池の反射率を波長800nmで測定したところ11.8%であった。
(実施例2)
実施例2における太陽電池の製造方法は、水酸化カリウムとシクロヘキサンジメタノールとを含むエッチング液を用いてエッチングすることを特徴とする。シクロヘキサンジメタノールのように、100℃以上の沸点を有する環状のアルコールを用いることによっても、80℃以上の比較的高温でのエッチングにも対応できるようになり、エッチングの反応性を高めることができる。
実施例2における太陽電池の製造方法は、水酸化カリウムとシクロヘキサンジメタノールとを含むエッチング液を用いてエッチングすることを特徴とする。シクロヘキサンジメタノールのように、100℃以上の沸点を有する環状のアルコールを用いることによっても、80℃以上の比較的高温でのエッチングにも対応できるようになり、エッチングの反応性を高めることができる。
実施例2の太陽電池の製造方法は、まず、図1に示されるように(100)面を初期表面に持つp型シリコン基板10の表面のダメージ層17を除去する。次に、図2に示されるように第2主面を常圧CVDにより酸化シリコン膜20を形成する。そして、第1主面に微小な凹凸を形成するために90℃に昇温保持した純水に5.0質量%の水酸化カリウムと、高温処理に対応するため100℃以上の沸点を有するシクロヘキサンジメタノール1.0質量%とを含むエッチング液によって、(100)面を初期表面に持つp型シリコン基板10を20分エッチング処理し、p型シリコン基板10の表面に任意の凹凸形状を形成した。以降は、実施例1と同様の方法を用いることによって、実施例2の太陽電池を製造した。このように100℃以上の沸点を有するシクロヘキサンジメタノールをエッチング液に含む場合、従来の低沸点の溶剤と比べてエッチング中の溶剤の揮発が極端に少ないことから、エッチング中にシクロヘキサンジメタノールを補充する必要がなく、量産性に優れた製造方法であることがわかった。なお、実施例2の方法で製造した太陽電池の反射率を波長800nmで測定したところ9.9%であった。
ここで、エッチング液に含まれる、水酸化カリウムの含有量とアルコール系の含有量とをランダムに組み合わせて検討を行ったところ、水酸化カリウムを1.0〜7.5質量%の範囲、およびアルコール系の溶剤の濃度を0.5〜10質量%の範囲において、本発明の効果がより顕著となることが明らかとなった。そこで、図10に水酸化カリウムおよびアルコール系の溶剤の濃度を0.5〜10質量%の範囲で変化させ、エッチングの処理温度を70℃、80℃および90℃に変化させたものの波長800nmでの反射率を示す。なお、この波長800nmの反射率は、紫外可視分光光度計により測定して得られた値である。図10において、縦軸は800nmの波長の光の反射率(%)を表し、横軸はエッチング液の水酸化カリウムの濃度(質量%)を表している。図10に示されるように、70℃でエッチング処理をしたときは反射率が10〜35%であり、反射率の測定値のバラつきも大きいが、80℃および90℃でエッチング処理したときは反射率がイソプロピルアルコールを使用した時と同程度であり、70℃でエッチングしたときと比べて低い反射率で安定していることがわかる。このように、80℃および90℃でエッチング処理したときの太陽電池の受光面の反射率は、70℃でエッチング処理したときの太陽電池の受光面の反射率と比べて、反射率の低減が顕著である。
なお、従来のようにエッチング液にアルコール系溶剤としてイソプロピルアルコールを含む場合の反射率は5〜15%程度であり、反射率の値を低くすることができる点および汎用性の高い薬品であるという点で優れていたが、エッチング処理中にイソプロピルアルコールが揮発しやすいため、特にフラット基板に対してテクスチャ構造を形成する際に高温で処理する必要があり、安定して生産することができなかった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきであり、実施例で示したアルコール系溶剤以外の沸点が100℃以上のアルコール系溶剤であっても適用されるべきであると考える。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明によれば、太陽電池の受光面にミクロンサイズの凹凸を安定して形成することができ、また裏面での再結合を低下させることにより電気エネルギーへの変換効率がより高い太陽電池を製造することができる。
10 p型シリコン基板、11 n+層、12 反射防止膜、13 銀電極、14 アルミニウム電極、15 p+層、16 銀電極、17 ダメージ層、18 ドーパント液、19 はんだ層、20 酸化シリコン膜。
Claims (7)
- シリコン基板表面に凹凸を形成するエッチング工程を含む太陽電池の製造方法において、
前記エッチング工程は、アルカリ水溶液を含むエッチング液を用いて、80℃以上でエッチング処理する、太陽電池の製造方法。 - 前記エッチング液は、沸点が100℃以上のアルコール系溶剤を含む、請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
- 前記アルカリ水溶液は、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液および水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液から選択された少なくとも1種の水溶液である、請求項1または2に記載の太陽電池の製造方法。
- 前記エッチング液は、1.0〜10質量%のアルコール系溶剤を含み、
前記アルコール系溶剤は、沸点が100℃以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。 - 前記エッチング液は、1.0〜7.5質量%のアルカリ水溶液を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
- 前記シリコン基板表面に形成される凹凸のピッチは、0.2〜100μmである、請求項1〜5のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
- 前記シリコン基板表面に形成される凹凸の深さは、0.1〜50μmである、請求項1〜6のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
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