JP4236223B2 - ネットワークデバイス制御装置及び方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワークデバイスの制御情報をデータベースとして管理するネットワークデバイス制御装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータネットワークの基盤となるコンピュータ機器及びその通信技術の発達により、ここ数年間に高速で信頼性の高いコンピュータネットワークが出現してきている。これに伴い、ネットワークに接続可能なデバイスの種類が増加し、複数のデバイスを管理するネットワーク管理ソフトウェアが開発されている。これらネットワーク管理ソフトウェアを使用することにより、ネットワーク上の各種デバイスの情報を取得することができる。
【0003】
ネットワーク上のデバイスを管理するための手法として、これまでにいくつかの試みが数多くの標準機関でなされている。国際標準化機構(ISO)は開放型システム間相互接続(Open System Interconnection,OSI)モデルと呼ばれる汎用基準フレームワークを提供している。このネットワーク管理プロトコルのOSIモデルは、共通管理情報プロトコル(Comon Management Information Protocol,CMIP)と呼ばれる。このCMIPはヨーロッパの共通ネットワーク管理プロトコルである。
【0004】
また、米国においては、より共通性の高いネットワーク管理プロトコルとして簡易ネットワーク管理プロトコル(Simple Network Management Protocol,SNMP)呼ばれるCMIPに関する一変種のプロトコルがある(「シンプルブックインターネット管理入門」M.T.ローズ=著/松島栄樹=訳(株)トッパン発行、1995年12月15日初版を参照))。
【0005】
このSNMPネットワーク管理技術によれば、ネットワーク管理システムには少なくとも1つのネットワーク管理ステーション(NMS)と、エージェントを含むいくつかの管理対象ノードと、管理ステーションやエージェントが管理情報を交換するために使用するネットワーク管理プロトコルが含まれる。ユーザは、NMS上でネットワーク管理ソフトウェアを用いて管理対象ノード上のエージェントソフトウェアと通信することにより、ネットワーク上のデータを取得、又は変更することができる。
【0006】
ここでエージェントとは、各々のターゲット装置についてのバックグラウンドプロセスとして動作するソフトウェアである。ユーザがネットワーク上の装置に対して管理データを要求すると、管理ソフトウェアはオブジェクト識別情報を管理パケット又はフレームに入れてターゲットエージェントへ送り出す。エージェントは、そのオブジェクト識別情報を解釈し、そのオブジェクト識別情報に対応するデータを取り出し、そのデータをパケットに入れてユーザに送り返す。時には、データを取り出すために対応するプロセスが呼び出される場合もある。
【0007】
またエージェントは、自分の状態に関するデータをデータベースの形式で保持している。このデータベースのことをMIB(Management Information Base)と呼ぶ。図1は、MIBの構造を示す概念図である。図1に示すように、MIBは木構造のデータ構造をしており、全てのノードが一意に番号付けられている。図1において、括弧内に書かれている番号が、そのノードの識別子である。例えば、図1に示すノード101の識別子は「1」である。ノード102の識別子は、ノード101の下の“3”なので、「1.3」と表記される。以下同様にして、ノード103の識別子は、「1.3.6.1.2」と表記される。このノードの識別子のことを、オブジェクト識別子(Object Identifier)と呼ぶ。
【0008】
このMIBの構造は、管理情報構造(SMI:Structure of Management Information)と呼ばれ、RFC1155 Structure and Identification of Management Information for TCP/IP-based Internetsで規定されている。また、このSMIはASN.1(Abstract Syntax Notation One=抽象構文記法.1というOSI言語を使って定義されている。
【0009】
図1に示すものは、標準として規定されているMIBのうち、一部のもののみを抜き出したものである。
【0010】
104はSNMPで管理される機器が標準的に備えている標準MIBと呼ばれるオブジェクト群の項点になるノードであり、このノードの下のオブジェクトの詳細な構造については、RFC1213 Management Information Base for Network Management of TCP/IP-based Internets:MIB-IIに規定されている。
【0011】
105はSNMPで管理されるプリンタが標準的に備えているプリンタMIBと呼ばれるオブジェクト群の項点になるノードであり、このノードの下のオブジェクトの詳細な構造については、RFC1759 Printer MIBで規定されている。
【0012】
更に、106はプライベートMIBと呼ばれ、企業や団体などが独自のMIB定義を行うための頂点となるノードである。107は企業拡張MIBと呼ばれ、プライベートMIBの中で企業が独自の拡張を行うための頂点となるノードである。キヤノン株式会社には、独自の定義を行うために企業番号として1602が割り当てられており、キヤノン独自のMIBであるキヤノンMIB(CanonMIB)を定義するための頂点ノード108が、企業を意味するノードであるノード107の下に位置している。キヤノンMIBの頂点ノードのオブジェクト識別子は、1.3.6.1.4.1.1602である。
【0013】
次に、ネットワークデバイスの設定方法について説明する。ネットワーク管理ステーションがデバイスの設定を行う方法としては、ユーザにオブジェクトIDを用いて個々のオブジェクトを指定させる直接オブジェクトアクセス法やGUIとしてユーザの親しみやすい情報の形式で提供し、この情報と各オブジェクトの変換モジュールを有する間接オブジェクトアクセス法がある。間接オブジェクトアクセス法を利用したネットワーク管理ステーションの一例としては、Hewlett-Packard(HP)社のJetAdminがある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例のネットワーク管理ソフトウェアの設定方法では、直接オブジェクトアクセス法を用いた場合、MIBのオブジェクトの追加、変更、削除等を行う際にデータベースの部分のみ取り替えることで対処できるという利点はあるが、ユーザが必要とするデータのオブジェクトを予め知っておく必要があり、操作性が悪いという欠点がある。
【0015】
一方、間接オブジェクトアクセス法を用いた場合、操作性の観点からは勝れているが、MIBの変更に伴い、データベースのみならず、データベースの情報を利用している制御モジュール等も変更する必要があり、プログラム全体を作成し直すことになる。
【0016】
本発明は、管理情報データベースの追加、変更、削除に対してオブジェクトキーを変更することなくネットワーク管理ソフトウェアの更新を可能とすることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、ネットワーク管理ソフトウェアが動作するネットワークデバイス制御装置において、企業または団体が独自の制御情報を定義している第1の種別の制御情報と、前記第1の種別とは異なる、ネットワークデバイスが標準的に備える制御情報を定義している第2の種別の制御情報とをデータベースの形式で保持する保持手段と、前記データベースにおいて木構造で示される各ノードの識別子を結合して得られるオブジェクト識別子から前記ネットワーク管理ソフトウェアで内部的に用いるためのオブジェクトキーへの変換と、前記オブジェクトキーから前記オブジェクト識別子への変換とを、予め決められた変換テーブルを用いて行う変換手段を備え、前記データベースにおいて、前記第1の種別の制御情報及び前記第2の種別の制御情報は前記オブジェクト識別子を用いて取得され、前記変換手段は、前記オブジェクト識別子からオブジェクトキーへの変換の場合、前記オブジェクト識別子に基づいて前記第1の種別の制御情報及び前記第2の種別の制御情報の何れの変換テーブルを用いるかを決定し、決定された変換テーブルを用いてオブジェクトキーに変換し、前記変換手段は、前記オブジェクトキーからオブジェクト識別子への変換の場合、前記オブジェクトキーに基づいて前記第1の種別の制御情報及び前記第2の種別の制御情報の何れの変換テーブルを用いるかを決定し、決定された変換テーブルを用いてオブジェクト識別子に変換することを特徴とする。
【0018】
また上記目的を達成するために、本発明は、ネットワーク管理ソフトウェアが動作するネットワークデバイス制御装置におけるネットワークデバイス制御方法であって、企業または団体が独自の制御情報を定義している第1の種別の制御情報と、前記第1の種別とは異なる、ネットワークデバイスが標準的に備える制御情報を定義している第2の種別の制御情報とをデータベースの形式で保持する保持工程と、前記データベースにおいて木構造で示される各ノードの識別子を結合して得られるオブジェクト識別子から前記ネットワーク管理ソフトウェアで内部的に用いるためのオブジェクトキーへの変換と、前記オブジェクトキーから前記オブジェクト識別子への変換とを、予め決められた変換テーブルを用いて行う変換工程を有し、前記データベースにおいて、前記第1の種別の制御情報及び前記第2の種別の制御情報は前記オブジェクト識別子を用いて取得され、前記変換工程は、前記オブジェクト識別子からオブジェクトキーへの変換の場合、前記オブジェクト識別子に基づいて前記第1の種別の制御情報及び前記第2の種別の制御情報の何れの変換テーブルを用いるかを決定し、決定された変換テーブルを用いてオブジェクトキーに変換し、前記変換工程は、前記オブジェクトキーからオブジェクト識別子への変換の場合、前記オブジェクトキーに基づいて前記第1の種別の制御情報及び前記第2の種別の制御情報の何れの変換テーブルを用いるかを決定し、決定された変換テーブルを用いてオブジェクト識別子に変換することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。
【0020】
<<PC側の構成>>
ネットワーク管理ソフトウェアが移動するPC側について説明する。
【0021】
図2は、ネットワーク管理ソフトウェアが稼動可能なPCの構成を示すブロック図である。同図において、200はネットワーク管理ソフトウェアが稼動するPCである。PC200は、ROM202若しくはハードディスク(HD)211に記憶された、或いはフロッピーディスクドライブ(FD)212より供給されるネットワーク管理プログラムを実行するCPU201を備え、システムバス204に接続された各デバイスを総括的に制御する。
【0022】
203はRAMであり、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。205はキーボードコントローラ(KBC)であり、キーボード(KB)209や不図示のポインティングデバイス等からの指示入力を制御する。206はCRTコントローラ(CRTC)であり、ディスプレイ(CRT)210への表示を制御する。207はディスクコントローラ(DKC)であり、ブートプログラム、種々のアプリケーション、編集ファイル、ユーザファイルそしてネットワーク管理プログラム等を記憶するハードディスク(HD)211やフロッピーディスクコントローラ(FD)212とのアクセスを制御する。508はネットワークインタフェースカード(NIC)であり、LAN100を介してエージェント或いはネットワーク機器と双方向にデータを授受する。
<<ネットワーク管理ソフトウェアのモジュール構成>>
次に、MIBのオブジェクトのデータベースを利用するネットワーク管理ソフトウェアの構成について説明する。ネットワーク管理装置は、図2に示すような従来のネットワーク管理装置を実現可能なPCと同様な構成のPC上に実現される。尚、ハードディスク(HD)211には、後述するすべての説明で動作主体となるネットワーク管理ソフトウェアのプログラムが格納されている。後述するすべての説明において、特に断りのない限り、実行の主体はハード上はCPU201である。
【0023】
一方、ソフトウェア上の制御の主体は、ハードディスク(HD)211に格納されたネットワーク管理ソフトウェアである。実施形態においては、OSは例えば、ウィンドウズ95(マイクロソフト社製)を想定しているが、これに限るものではない。また、ネットワーク管理プログラムは、フロッピーディスクやCD−ROMなどの記憶媒体に格納された形で供給されても良く、その場合には図5に示すフロッピーディスクコントローラ(FD)212又は不図示のCD−ROMドライブなどによって記憶媒体からプログラムが読み取られ、ハードディスク(HD)211にインストールされる。
【0024】
図3は、実施形態におけるネットワーク管理ソフトウェアのモジュール構成を示す図である。このネットワーク管理ソフトウェアは、図2に示すハードディスク211に格納されており、CPU201によって実行される。その際、CPU201はワークエリアとしてRAM203を使用する。
【0025】
図3において、301はデバイスリストモジュールと呼ばれ、ネットワークに接続されたデバイスを一覧にして表示するモジュールである。302は全体制御モジュールと呼ばれ、デバイスリストからの指示に基づき、他のモジュールを統括する。303はコンフィグレータと呼ばれ、エージェントのネットワーク設定に関する特別な処理を行うモジュールである。304は探索モジュールと呼ばれ、ネットワークに接続されているデバイスを探索するモジュールである。この探索モジュール304によって探索されたデバイスがデバイスリストモジュール301によって一覧表示される。305はNetWareジョブモジュールであり、プリントジョブの状況をNetWare API316を用いてネットワークサーバから取得する。尚、NetWare APIについては、例えばNovell社から発行されている“NetWare Programmer's Guide for C”等を参照のこと。この書籍はノベル株式会社から購入可能である。
【0026】
306,307は共に後述するデバイス詳細ウィンドウを表示するためのUI(User Interface)モジュールであり、詳細情報を表示する対象機種毎にUIモジュールが存在する。308,309は共に制御モジュールと呼ばれ、詳細情報を取得する対象機種に特有の制御を受け持つモジュールである。UIモジュールと同様に、各制御モジュールも詳細情報を表示する対象機種毎に存在する。制御Aモジュール308及び制御Bモジュール309は、後述するMIBモジュールを用いて管理対象デバイスからMIBデータを取得し、必要に応じてデータの変換を行い、各々対応するUIAモジュール306或いはUIBモジュール307にデータを渡す。
【0027】
310はMIBモジュールと呼ばれ、オブジェクト識別子<=>オブジェクトキー変換を行うモジュールである。ここでオブジェクトキーとは、オブジェクト識別子と一対一に対応する32ビットの整数のことである。オブジェクト識別子は可変長の識別子であり、ネットワーク管理ソフトウェアを実装する上で扱いが面倒なので、このネットワーク管理ソフトウェアではオブジェクト識別子と一対一に対応する固定長の識別子を内部的に用いている。MIBモジュール310より上位のモジュールはこのオブジェクトキーを用いてMIBの情報を扱う。これにより、ネットワーク管理ソフトウェアの実装が大幅に削減される。また、このオブジェクト識別子<=>オブジェクトキー変換は318のOIMモジュールを呼び出して行う。
【0028】
311はSNMPモジュールと呼ばれ、SNMPパケットの送信と受信を行う。312は共通トランスポートモジュールと呼ばれ、SNMPデータを運搬するための下位プロトコルの差を吸収するモジュールである。実際には、動作時にユーザーが選択したプロトコルによって、IPXハンドラ313かUDPハンドラ314の何れかがデータを転送する役割を担う。尚、IPXハンドラ313は、実装としてNetWare316を用い、UDPハンドラ314は、実装としてWinSock317を用いている。このWinSockについては、例えばWindows Socket API v1.1の仕様書を参照のこと。このドキュメントは複数の箇所から入手可能であるが、例えばマイクロソフト社製のコンパイラであるVisual C++に同梱されている。
【0029】
コンフィグレータ303が用いる現在のプロトコル315というのは、動作時にユーザが選択しているIPXプロトコルかUDPプロトコルの何れかのことを示す。
【0030】
尚、以下の説明において、本願にかかるネットワーク管理ソフトウェアのことを「NetSpot」と呼称する。
【0031】
<<OIMのためのデータ構造>>
図4は、OIMモジュール318で利用されるデータの構造を示す図である。同図において、401はオブジェクトキーの定義フィールドであり、MIBの各オブジェクトに対してオブジェクトキーが割り当てられる。オブジェクトキーの上位16ビットはどのMIBのオブジェクトかを示しており、下位16ビットにはそのMIBにおける固有の値が割り当てられる。402はオブジェクトIDのリストフィールドであり、オブジェクトIDの文字列がMIBのツリーにおいて深さ優先探索の順で格納されている。401で割り当てられたオブジェクトキーは、初期値としては深さ優先探索の順に割り当てられるため、402のリストのインデックスとオブジェクトキーの下位16位ビットは同一の値となる。
【0032】
尚、オブジェクトキーは制御モジュールなどの上位モジュールでも使用されるため、一旦割り当てられると、オブジェクトの追加、削除、変更等によりMIBのツリーが変わった場合にも変更は許されない。変更を許すと、上位モジュールも含めて管理ソフトウェア全体を作成し直さなければならないからである。そこで、403の変換テーブルがオブジェクトキーとリスト402のインデックスを変換するのに用いられる。
【0033】
<<OIMモジュール>>
図5は、本実施形態におけるOIMモジュール318の構成を示す図である。図示するように、OIMモジュール318は1つのOIMマネージャ501と、1以上のOIMテーブル502〜504で構成される。OIMテーブル502〜504は、オブジェクトキーとオブジェクトIDを変換するためのものであり、各OIMテーブルは図4に示すように構成されている。OIMテーブル502〜504は各MIBの種別毎に存在する。図5に示す例では、Printer-MIB502、HostResources-MIB503、Canon-MIB504の3種類のMIBのOIMテーブルが存在する。
【0034】
ここで、OIMモジュール318によるオブジェクトキー<=>オブジェクトIDの変換方法について説明する。
【0035】
図6は、本実施形態におけるオブジェクトキー<=>オブジェクトIDの変換処理を示すフローチャートである。図7は、オブジェクトキーからオブジェクトIDへの変換例を示す図であり、図6に示すステップS103〜S105に相当する。図7に示す(A)は図4に示す401のオブジェクトキーの定義、図7に示す(B)は図4に示す403の変換テーブル、図7に示す(C)は図4に示す402のオブジェクトIDのリストに対応する具体例である。
【0036】
また、図8は、オブジェクトIDからオブジェクトキーへの変換例を示す図であり、図6に示すステップS106〜S108に相当する。図8に示す(A)は図4に示す402のオブジェクトIDのリスト、図8に示す(B)は図4に示す403の変換テーブルに対応する具体例である。
【0037】
図6に示すステップS101において、OIMモジュール318に変換要求があるとステップS102へ進み、その要求がオブジェクトキーからオブジェクトIDへの変換要求か判断する。ここで、オブジェクトキーが渡され、オブジェクトIDへの変換要求であればステップS103へ進み、OIMマネージャ501がオブジェクトキーの上位16ビットの情報から、どのOIMテーブルのデータベースにアクセスするかを決定する。
【0038】
例えば、オブジェクトキーとして、図7に示す(A)の“00010005”(16進で表現されている)701が渡されたとすると、その上位16ビットのデータ“0001”が割り当てられているOIMテーブルを探す。
【0039】
次に、ステップS104では、ステップS103で決定したOIMテーブルの変換テーブル403から、指定されたオブジェクトキーに対応するオブジェクトIDのリストのIDを取得する。図7に示す例では、渡されたオブジェクトキーの下位16ビットが“0005”であるので、図7に示す(B)の変換テーブルの5番目702を調べ、その値(左の列)“3”をインデックスの値として取得する。
【0040】
そして、ステップS105では、オブジェクトIDのリストから、ステップS104で取得したインデックス値に対応する位置にあるオブジェクトIDを変換すべきオブジェクトIDとして取得する。図7に示す例では、ステップS103で取得したインデックス値により、図7に示す(C)のリスト中の3番目のエントリーである“1.3.6.43.2.1”703を変換後のオブジェクトIDとして取得する。
【0041】
一方、ステップS102において、オブジェクトIDが渡され、オブジェクトキーへの変換要求であればステップS106へ進み、OIMマネージャ501は渡されたオブジェクトIDの上位の文字列が各MIBの頂点ノードのオブジェクトIDと一致しているかを調べ、どのOIMテーブルのデータベースにアクセスするか決定する。図8に示す例では、項点ノードが“1.3.6.43”のMIBにアクセスしている(これは架空のMIBである)。
【0042】
次に、ステップS107では、ステップS106で決定したOIMテーブルのオブジェクトIDのリストを検索し、どのインデックスに渡されたオブジェクトIDが存在するかを調べる。図8に示す(A)の“1.3.6.43.2.1”801が渡されたとすると、これはリストの3番目に存在するのでインデックス“3”を取得する。
【0043】
そして、ステップS108では、取得したインデックスから、変換テーブルを用いて対応するオブジェクトキーを取得する。図8に示す例では、インデックスが“3”なので、図8に示す(B)の変換テーブルの3番を調べ、オブジェクトキー“00010005”802を取得する。
【0044】
このように、本実施形態によれば、MIBのデータベースの追加、変更、削除に対応するために、オブジェクトキーの一貫性を保証するためのデータ構造を有する複数のデータベースに対してアクセスし、オブジェクトキー<=>オブジェクトIDの変換を行うことができる。また、オブジェクトキーは制御などの上位モジュールで使用されているので、MIBの追加、変更によりオブジェクトキーの変更が生じるとネットワーク管理ソフトウェア全体を作成し直さなければならなかったが、オブジェクトキーの変更が生じないためのデータ構造を扱うことができるようなったため、変更されたMIBのOIMテーブルを取り替えるだけでネットワーク管理ソフトウェアの更新を行うことができる。
【0045】
尚、本発明は複数の機器(例えば、ホストコンピュータ,インタフェイス機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0046】
また、本発明の目的は前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPU若しくはMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0047】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0048】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えばフロッピーディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0049】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0050】
更に、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、管理情報データベースの追加、変更、削除に対してオブジェクトキーを変更することなくネットワーク管理ソフトウェアの更新を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】管理情報データベース(MIB)の構造を示す概念図である。
【図2】ネットワーク管理ソフトウェアが稼動可能なPCの構成を示すブロック図である。
【図3】実施形態におけるネットワーク管理ソフトウェアのモジュール構成を示す図である。
【図4】OIMモジュール318で利用されるデータの構造を示す図である。
【図5】本実施形態におけるOIMモジュール318の構成を示す図である。
【図6】本実施形態におけるオブジェクトキー<=>オブジェクトIDの変換処理を示すフローチャートである。
【図7】オブジェクトキーからオブジェクトIDへの変換例を示す図である。
【図8】オブジェクトIDからオブジェクトキーへの変換例を示す図である。
【符号の説明】
200 PC
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 システムバス
205 KBC
206 CRTC
207 DKC
208 NIC
209 KB
210 CRT
211 HD
212 FD

Claims (3)

  1. ネットワーク管理ソフトウェアが動作するネットワークデバイス制御装置において、
    企業または団体が独自の制御情報を定義している第1の種別の制御情報と、前記第1の種別とは異なる、ネットワークデバイスが標準的に備える制御情報を定義している第2の種別の制御情報とをデータベースの形式で保持する保持手段と、
    前記データベースにおいて木構造で示される各ノードの識別子を結合して得られるオブジェクト識別子から前記ネットワーク管理ソフトウェアで内部的に用いるためのオブジェクトキーへの変換と、前記オブジェクトキーから前記オブジェクト識別子への変換とを、予め決められた変換テーブルを用いて行う変換手段を備え、
    前記データベースにおいて、前記第1の種別の制御情報及び前記第2の種別の制御情報は前記オブジェクト識別子を用いて取得され、
    前記変換手段は、前記オブジェクト識別子からオブジェクトキーへの変換の場合、前記オブジェクト識別子に基づいて前記第1の種別の制御情報及び前記第2の種別の制御情報の何れの変換テーブルを用いるかを決定し、決定された変換テーブルを用いてオブジェクトキーに変換し、
    前記変換手段は、前記オブジェクトキーからオブジェクト識別子への変換の場合、前記オブジェクトキーに基づいて前記第1の種別の制御情報及び前記第2の種別の制御情報の何れの変換テーブルを用いるかを決定し、決定された変換テーブルを用いてオブジェクト識別子に変換することを特徴とするネットワークデバイス制御装置。
  2. ネットワーク管理ソフトウェアが動作するネットワークデバイス制御装置におけるネットワークデバイス制御方法であって、
    企業または団体が独自の制御情報を定義している第1の種別の制御情報と、前記第1の種別とは異なる、ネットワークデバイスが標準的に備える制御情報を定義している第2の種別の制御情報とをデータベースの形式で保持する保持工程と、
    前記データベースにおいて木構造で示される各ノードの識別子を結合して得られるオブジェクト識別子から前記ネットワーク管理ソフトウェアで内部的に用いるためのオブジェクトキーへの変換と、前記オブジェクトキーから前記オブジェクト識別子への変換とを、予め決められた変換テーブルを用いて行う変換工程を有し、
    前記データベースにおいて、前記第1の種別の制御情報及び前記第2の種別の制御情報は前記オブジェクト識別子を用いて取得され、
    前記変換工程は、前記オブジェクト識別子からオブジェクトキーへの変換の場合、前記オブジェクト識別子に基づいて前記第1の種別の制御情報及び前記第2の種別の制御情報の何れの変換テーブルを用いるかを決定し、決定された変換テーブルを用いてオブジェクトキーに変換し、
    前記変換工程は、前記オブジェクトキーからオブジェクト識別子への変換の場合、前記オブジェクトキーに基づいて前記第1の種別の制御情報及び前記第2の種別の制御情報の何れの変換テーブルを用いるかを決定し、決定された変換テーブルを用いてオブジェクト識別子に変換することを特徴とするネットワークデバイス制御方法。
  3. 請求項2に記載のネットワークデバイス制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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