JP4235271B2 - 気相アルキル化−液相アルキル交換方法 - Google Patents
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Description
【発明の分野】
本発明は芳香族のアルキル化/アルキル交換方法に関し、この方法に、芳香族アルキル化用シリカライト(silicalite)触媒を用いて芳香族基質、例えばベンゼンなどの気相アルキル化を行い続いて比較的大きな孔サイズを有するアルキル交換用ゼオライト触媒を用いて液相アルキル交換反応を行うことと組み合わせて中間的分離および循環段階をアルキル交換反応槽と分離装置の間に伴わせる。
【0002】
【発明の背景】
芳香族変換過程がモレキュラーシーブ触媒を用いて実施されていることは化学処理産業でよく知られている。そのような芳香族変換反応は、芳香族基質、例えばベンゼンなどのアルキル化でアルキル芳香族、例えばエチルベンゼン、エチルトルエン、クメンまたは高級芳香族などを生じさせそしてポリアルキルベンゼン類のアルキル交換でモノアルキルベンゼン類を生じさせることを含む。典型的には、モノアルキルベンゼンとポリアルキルベンゼンの混合物をもたらすアルキル化用反応槽を、いろいろな分離段階を通して、下流に位置するアルキル交換反応槽と組み合わせることができる。そのようなアルキル化およびアルキル交換の変換過程は液相中、気相中、または気相と液相の両方が存在する条件下で実施可能である。
【0003】
気相アルキル化の例がDowyerの米国特許第4,107,224号に見られる。そこでは、直列連結している4個の触媒床が入っている下降流反応槽内でゼオライト触媒を用いてベンゼンの気相エチル化が達成されている。その反応槽から出て来る産物は分離系に入り、その系内でエチルベンゼン生成物が回収され、ポリエチルベンゼンはアルキル化反応槽に再循環してその反応槽内でベンゼンとのアルキル交換反応を受ける。このDowyerの触媒は、ほぼ1−12の範囲内の制約指数(constraint index)を有する触媒であることを特徴とし、それには下記および同様な材料が含まれる[括弧内に制約指数を示す]:ZSM−5(8.3)、ZSM−11(8.7)、ZSM−12(2)、ZSM−35(4.5)、ZSM−38(2)。
【0004】
別の例がWagnespackの米国特許第4,922,053号に開示されており、それは、ベンゼンのエチル化を気相反応条件下で行うことと組み合わせてポリエチルベンゼン含有生成物を循環させてアルキル化反応槽に戻すことを伴う。そこでのアルキル化は、一般に、シリカライトまたはZSM−5の如き触媒を用いて大気圧から約25気圧に及ぶ範囲の圧力下370℃から約470℃の範囲の温度で実施されている。その触媒は水分に敏感であることから反応ゾーン内に水分が存在しないようにする注意が払う必要があると記述されている。そのアルキル化/アルキル交換反応槽には直列連結している4個の触媒床が入っている。ベンゼンとエチレンを上記反応槽の上部に導入して第一触媒床に至らせることと組み合わせてポリエチルベンゼン画分を上記第一触媒床の上部に循環させるばかりでなくポリエチルベンゼンとベンゼンを上記反応槽のいろいろな地点に段間(interstage)注入している。
【0005】
Ward他の米国特許第4,185,040号にはナトリウム含有量が低いモレキュラーシーブ触媒を利用したアルキル化方法が開示されており、その触媒は特にベンゼンとエチレンからエチルベンゼンを製造する時に用いるに有用でありかつベンゼンとプロピレンからクメンを製造する時に用いるに有用であると述べられている。そのゼオライトのNa2O含有量は0.5重量%未満でなければならない。適切なゼオライトの例には、X、Y、L、B、ZSM−5およびオメガ結晶型のモレキュラーシーブが含まれ、蒸気で安定にした水素Yゼオライトが好適である。具体的には、Na2Oを約0.2%含有するアンモニウムYゼオライトを蒸気で安定にしたものが開示されている。このWard他の特許にはいろいろな触媒形状が開示されている。円柱形押出し加工品も使用可能であるが、特に好適な触媒形状はいわゆる「三葉(trilobal)」形であり、これの形状はいくらか三葉クローバーに似ている。その押出し加工品の表面積/体積比は85−160インチ-1の範囲内でなければならない。そのアルキル化過程は上昇流または下降流のいずれかで実施可能であるが、後者が好適であり、そして好適には、少なくともアルキル化剤であるオレフィンの実質的に全部が消費されるまでは液相が少なくともいくらか存在するような温度および圧力条件下で実施可能である。Ward他は、液相を全く存在させないと大部分のアルキル化条件下で触媒失活が急速に起こると述べている。
【0006】
Wightの米国特許第4,169,111号にはアルキル化反応槽とアルキル交換反応槽で結晶性アルミノシリケート類を用いてエチルベンゼンを製造するアルキル化/アルキル交換方法が開示されている。そのアルキル化反応槽とアルキル交換反応槽に入れる触媒は同じか或は異なっていてもよく、それにはシリカ/アルミナのモル比が2から80、好適には4−12の範囲でナトリウム量が少ないゼオライトが含まれる。典型的なゼオライトにはX、Y、L、B、ZSM−5およびオメガ結晶型のモレキュラーシーブが含まれ、Na2Oを約0.2%含有するYゼオライトを蒸気で安定にしたものが好適である。そのアルキル化反応槽は、下降流様式で、液相がいくらか存在する温度および圧力条件下で操作されている。そのアルキル化反応槽から出て来る産物を熱交換器内で冷してベンゼン分離カラムに供給しており、そこからベンゼンを塔頂で回収してアルキル化反応槽に再循環させている。上記ベンゼンカラムから出て来る最初の高沸点釜残画分(これにはエチルベンゼンとポリエチルベンゼンが入っている)は最初のエチルベンゼンカラムに供給され、そこからエチルベンゼンが工程産物として回収されている。上記エチルベンゼンカラムから出て来る釜残産物は第三カラムに供給され、その第三カラムは、ジエチルベンゼンが10から90%、好適には20から60%入っている実質的に高純度のジエチルベンゼン塔頂画分が得られるように操作されている。そのジエチルベンゼン塔頂画分をアルキル化反応槽に再循環させる一方、残りのジエチルベンゼンとトリエチルベンゼンとより高い分子量を有する化合物が入っている側溜はベンゼンと一緒に反応槽に供給されている。その反応槽から出て来る流出物を熱交換器に通してベンゼンカラムに再循環させている。
【0007】
Barger他の米国特許第4,774,377号にもアルキル化/アルキル交換方法が開示されており、その方法は、個々別々のアルキル化反応ゾーンとアルキル交換反応ゾーンを用いることを伴い、アルキル交換反応生成物を中間的分離ゾーンに再循環させている。Bargerの方法では、アルキル化反応とアルキル交換反応が本質的に液相中で起こるように温度と圧力条件を調整している。そのアルキル交換用触媒はアルミノシリケートモレキュラーシーブであり、それにはX型、Y型、超安定Y,L型、オメガ型およびモルデナイト型のゼオライトが含まれ、後者が好適である。アルキル化反応ゾーンで用いられた触媒は固体状の燐酸含有材料である。また、アルキル化用のアルミノシリケート触媒も使用可能であり、そしてそのアルキル化反応ゾーンには水が0.01から6体積パーセントに至るいろいろな量で供給されている。そのアルキル化反応ゾーンから出て来る産物は第一および第二分離ゾーンに供給されている。その第一分離ゾーン内で水の回収が行われている。第二分離ゾーン内では、アルキル交換反応ゾーンにジアルキル芳香族成分のみが流れ込むように(或はエチルベンゼン製造手順の場合にはジエチルベンゼンのみが流れ込むように、或はクメン製造の場合にはジイソプロピルベンゼンのみが流れ込むように)、中間的芳香族生成物とトリアルキル芳香族と重質生成物を分離している。また、ベンゼン基質をアルキル交換ゾーンに供給してそれにアルキル交換反応を受けさせそしてそのアルキル交換反応ゾーンから出て来る産物を第一分離ゾーンに再循環させている。そのアルキル化ゾーンとアルキル交換反応ゾーンは下降流、上昇流または水平流配置で操作可能である。
【0008】
Butlerのヨーロッパ特許出願公開第467,007号にも個々別々のアルキル化ゾーンとアルキル交換ゾーンを用いた他の方法が開示されており、そこではいろいろなモレキュラーシーブ触媒が用いられておりそしてアルキル交換反応槽から出て来る産物を中間的分離ゾーンに再循環させている。そこでは、予備分溜ゾーンの前にベンゼン分離ゾーンを位置させており、そのゾーンの釜残からエチルベンゼン/ポリエチルベンゼン画分を回収しそして塔頂のベンゼン画分をアルキル化反応槽に再循環させている。その予備分溜ゾーンでは塔頂ベンゼン画分(これをベンゼンカラムから出て来る塔頂物と一緒に再循環させている)と釜残画分(これにはベンゼン、エチルベンゼンおよびポリエチルベンゼンが入っている)が生じる。その後に続く2つの分離ゾーンを上記ベンゼン分離ゾーンとアルキル交換反応槽の間に位置させて、工程産物としてのエチルベンゼンと重質残渣画分を回収している。最後の分離ゾーンから出て来るポリエチルベンゼン画分をアルキル交換反応槽に供給しそしてそこで得られる産物を第二ベンゼン分離カラムに直接供給するか或は分離装置に通して間接的に第二ベンゼン分離カラムに供給している。Butlerは、アルキル化反応槽はゼオライト−β、ゼオライト−Yまたはゼオライト−Ωなどの如き触媒を用いて液相中で操作可能であるか或はシリカライトまたはZSM−5の如き触媒を用いて気相中で操作可能であることを開示している。気相アルキル化に続いて液相アルキル交換反応を行っているButlerの方法では、そのアルキル化反応槽に送り込む供給流れに水が実質的量で入り込む可能性がある。このような場合、そのアルキル交換反応槽に送り込む供給材料に脱水を受けさせて水含有量を低くしてもよい。そのアルキル交換触媒はゼオライト−Yまたはゼオライト−Ωの形態を取り得る。
【0009】
【発明の要約】
本発明に従い、アルキル化/アルキル交換方法を提供し、この方法に、芳香族アルキル化用ペンタシル触媒、例えばシリカライトなどを含有させて直列連結(series connected)させた複数の触媒床を入れた多段階アルキル化ゾーン内でベンゼン原料の気相アルキル化を行うことと組み合わせて中間的分離および再循環段階を行いそして上記シリカライトの孔サイズよりも大きな孔サイズを持たせたモレキュラーシーブを含有させたアルキル交換用触媒を用いて液相アルキル交換反応を行うことを伴わせる。本発明の1つの態様では、ベンゼン含有原料をC2−C4アルキル化剤と一緒に上記多段階アルキル化反応ゾーンに供給する。この多段階アルキル化ゾーンを、ベンゼンが気相中に保持される温度および圧力条件下で操作する。アルキル化生成物を上記アルキル化ゾーンから回収してベンゼン回収ゾーンに供給することでベンゼン基質をアルキル化生成物から分離する。このベンゼン回収ゾーンからベンゼンを回収して反応ゾーンに循環させる。モノアルキル化芳香族成分とポリアルキル化芳香族成分の混合物が入っている高沸点の釜残画分を第二分離ゾーンに供給して、そこで、モノアルキル化芳香族成分、例えばエチルベンゼンなどを塔頂で回収する。釜残画分として重質のポリアルキル化芳香族を回収する。本発明の1つの態様では、以下に記述するように、上記釜残画分を第三分離ゾーンに供給する。本発明の別の態様では、上記第二分離ゾーンから出て来る釜残画分を分割して、ジアルキル化芳香族およびトリアルキル化芳香族が入っている第一部分をこの上に記述した如きモレキュラーシーブ触媒が入っているアルキル交換ゾーンに供給する。上記第二分離ゾーンから回収したポリアルキル化成分の第二部分を第三分離ゾーンに供給し、その第三分離ゾーンの操作を、上記流れが低沸点画分(ジアルキル芳香族およびトリアルキル芳香族を含有する)と高沸点画分(処分可能な残渣を含有する)に分かれるように行う。この第三分離ゾーンから出て来る低沸点画分を上記第二分離ゾーンの第一部分と一緒にアルキル交換反応ゾーンに供給する。また、ベンゼンも上記アルキル交換反応槽に供給し、この反応槽の操作を、ベンゼンが液相中に保持されてポリアルキル化芳香族画分の不均化が起こってポリアルキルベンゼン含有量が低下していてモノアルキルベンゼン含有量が上昇しているアルキル交換反応生成物が生じる温度および圧力条件下で行う。このアルキル交換反応生成物の少なくとも一部を上記ベンゼン回収ゾーンに供給する。好適には、上記第二分離ゾーンから出て来る産物を、上記アルキル交換反応槽に直接供給される第一部分と上記第三分離ゾーンに最初に供給される第二部分の重量比が1:3から3:1の範囲内、好適には1:2から2:1の範囲内になるように分割する。
【0010】
本発明のさらなる面では、ベンゼン回収ゾーンを2段階で操作する。1番目の予備分溜段階でベンゼンを塔頂で回収すると共に釜残画分としてベンゼンとモノ−およびポリ−アルキル化芳香族を回収し、そして2番目の段階で追加的ベンゼンを塔頂で回収して1番目の段階で得たベンゼンと一緒にベンゼン反応ゾーンに再循環させる。本発明のこの態様では、アルキル交換反応槽から出て来る不均化反応生成物の少なくとも一部をベンゼン回収ゾーンの1番目の段階に供給し、好適には不均化反応生成物の実質的に全部を1番目の段階に供給する。
【0011】
本発明で用いるに好適なアルキル化用触媒は比較的小さい結晶サイズを有するシリカライトであり、これをアルミナ結合剤と一緒に調合して高い表面積、好適には少なくとも60インチ-1の表面/体積比を持たせた触媒粒子にする。このシリカライトは好適には主に単斜晶系のシリカライトであり、これに好適には約0.5μ以下の結晶サイズを持たせる。
【0012】
本発明のさらなる態様では、アルキル化反応ゾーンに、直列連結している触媒段を少なくとも3段、好適には少なくとも4段入れ、その各々に芳香族アルキル化用シリカライト触媒を入れる。芳香族基質と一緒に上記アルキル化反応ゾーンに導入するアルキル化剤の供給を、上記アルキル化剤の初期部分をベンゼンと一緒に1番目の触媒床の上部に導入しそして追加的に上記アルキル化剤の第二部分を上記触媒床の少なくとも数床の間に段間注入する様式で行う。これは、ベンゼンをアルキル化剤のモル量より多いモル量で段間注入することを伴わせることなく達成される。別の言い方をすると、ベンゼンを実質的量で触媒床間に注入する通常の実施とは対照的に、ベンゼンの段間注入を完全になくすことはできないにしても、その量が少なくなる。好適には、反応ゾーンの平均温度が800度F以内になるように反応ゾーンを操作する。
【0013】
【発明の詳細な記述】
本発明は、ベンゼンを含む芳香族基質の気相アルキル化を多段階反応ゾーン内で行った後に液相アルキル交換反応を行うことを含み、ここでは、アルキル交換反応槽から出て来る産物をアルキル化反応槽の下流に位置するベンゼン回収ゾーンに再循環させながら供給流れを反応槽に有効に供給する様式でアルキル化反応槽とアルキル交換反応槽を中間的分離ゾーンと一体化させる。この一体式操作では、アルキル交換生成物をベンゼン回収ゾーンの初期段階に供給する。次の分離段階を、分割供給材料(split feed)がアルキル交換反応槽に供給されるような様式で実施する。このアルキル化反応槽は、芳香族アルキル化用ペンタシルモレキュラーシーブ触媒、好適にはアルキル化用シリカライト触媒が入っていて直列連結している少なくとも3個の触媒床が入っている多段階反応ゾーンである。以下に詳細に記述するように、このアルキル化用シリカライト触媒は、好適には、単斜晶を高い含有量で有しかつナトリウム含有量が低いとして特徴づけられるシリカライトである。このアルキル交換反応槽で用いる好適な触媒はゼオライトYである。
【0014】
以下に詳細に記述するように、アルキル化反応槽をアルキル交換反応槽の温度条件よりも実質的に高い温度条件下で操作し、そして本発明の1つの態様では、このアルキル交換反応槽から循環させる産物を、アルキル化反応槽生成物供給材料との熱交換関係で、初期ベンゼン分離ゾーンに送り込む。
【0015】
本発明の好適な態様は多段階アルキル化反応槽を伴い、それと組み合わせて、その産物を4段階分離系に送り込み、その4段階分離系によって、今度は、ポリエチルベンゼン供給材料をアルキル交換反応槽に供給する。本明細書に記述する本発明のこの態様では、アルキル化反応操作およびアルキル交換反応操作中に触媒再生を同時に行うことができるように、アルキル化反応槽とアルキル交換反応槽を並列で用いる。好適には、アルキル化反応槽に触媒床を少なくとも4個含める。より多い数で床を与えることも可能であり、そして時には、アルキル化反応槽に触媒床を少なくとも5個入れるのが有利であろう。約630度F−800度Fの範囲の入り口温度および約700度F−850度Fの出口温度で気相アルキル化が起こるように反応槽を操作する(芳香族基質とアルキル化剤の両方が気相中に存在する)。圧力は約250から450psiaの範囲内であってもよく、1つの床から次の床へと温度が上昇するにつれて圧力が低下する。例として、反応槽の上部に供給するベンゼンとエチレンを約430psiaの圧力下約740度Fの温度で反応槽に入らせてもよい。このアルキル化反応は発熱反応であり、その結果、例として、温度は最初の触媒床から最後の触媒床に向かって徐々に上昇する。段間の温度は、最初の触媒床の750度Fから2番目の触媒床後の765度Fに上昇しそして3番目の触媒床後の820度Fから最後の触媒床後の約840度Fの温度にまで上昇し得る。
【0016】
本発明に含める種類の多段階反応ゾーンの操作では、通常、ベンゼンとエチレン(または他のアルキル化剤)を混合物として、反応ゾーンの上部に位置する最初の触媒床に導入しそしてまた連続して位置する数段から成る触媒床の間に導入する。本発明では、反応槽に含める1番上の触媒床の上部にエチレンをベンゼンと一緒に供給する。加うるに、次に位置する触媒床の間にエチレンとベンゼンを段間注入する。エチレンに対するベンゼンのモル比は、アルキル化反応槽の上部に注入する時約18であるが、その比は、エチレンを段間注入しておりそして勿論ベンゼンのアルキル化でエチルベンゼンとポリエチルベンゼン類が生じることから徐々に低下する。
【0017】
本発明で用いるアルキル化用シリカライト触媒は、この触媒の安定化で水を存在させる必要はなく、このように、本発明では、シリカライトに関連して時として用いられていた如き水もしくは蒸気の共供給を行うは必要はない。通常はエチレンの段間注入を用いる。また、ベンゼンまたは他の芳香族基質の段間注入を行うことも可能である。段間注入点におけるエチレンに対する芳香族基質のモル比は多様であり、ゼロ(ベンゼン注入なし)から約5に及び得る。多くの場合、ベンゼンをモルを基準にしてエチレン量より少ない量で用いる。別の言い方をすれば、触媒床の間にベンゼンを注入しなくてもよいか、或は注入する場合でも、比較的少量、即ちエチレンに対するベンゼンのモル比が1未満になるような量でベンゼンを用いることができる。他方、アルキル化剤に対する芳香族基質のモル比は5の如く高くてもよい。このことと組み合わせて、操作温度を気相アルキル化の場合に通常用いられている温度より若干低くする。本発明の好適な態様では、アルキル化反応槽の上部に入れるベンゼン流の温度を720度Fの位またはそれ以下にする。勿論、アルキル化反応は発熱反応であり、その結果として、この上で述べたように、アルキル化用カラム全体に渡って温度が徐々に上昇するであろう。
【0018】
本発明で用いるアルキル化用触媒は、ペンタシル系列の高シリカモレキュラーシーブまたはゼオライト類に属するモレキュラーシーブである。このようなペンタシルモレキュラーシーブが例えばKokotailo他、“Pentasil Family of High Silica Crystalline Materials,“ Chem. Soc. Special Publ. 33, 133-139(1980)などに記述されている。このようなモレキュラーシーブペンタシルには、高シリカ:アルミナ比のZSM−5、例えばWu他、“ZSM-5-Type Materials. Factors Affecting Crystal Symmetry," The Journal of Physical Chemistry,、83巻、No.21、1979などに記述されているZSM−5、またはシリカライトモレキュラーシーブ、例えばGourgue他、“Physico-chemical characterization of pentasil type materials, I. Precursors and calcined zeolites," Zeolites, 5巻、1985、11月およびGourgue他、“Physica-chemical characterization of pentasil type materials, II. Thermal analysis of the precursors, Zeolites 5巻、1985、11月などに記述されている如きシリカライトモレキュラーシーブが含まれ得る。
【0019】
アルキル化用のシリカライトまたは他のペンタシルモレキュラーシーブ触媒が有する孔サイズは、アルキル交換反応槽で用いる好適なゼオライト−Yのそれよりもいくらか小さい。好適なシリカライト触媒には、通常の場合よりもいくらか小さい結晶サイズを持たせる。この結晶サイズを、同様な触媒の場合の結晶サイズは恐らく1−2μであるのとは対照的に、好適には約0.5μまたはそれよりいくらか小さくする。
【0020】
本発明で用いる好適なシリカライトは、アルミナ結合剤と一緒に押出し加工した長さが約1/8−1/4”で名目上の直径が約1/16”の「三葉」形の押出し加工品である。この「三葉」断面形状は三つ葉クローバーにいくらか似ている。この形状の目的は、その押出し加工した触媒の表面積を通常の円柱形押出し加工品で期待されるよりも大きくすることにある。好適なシリカライト触媒は単斜晶系シリカライトであることを特徴とする。単斜晶系シリカライトはCahen他の米国特許第4,781,906号およびDeClippeler他の米国特許第4,772,456号に開示されている如く調製可能である。この触媒を好適にはほぼ100%単斜晶にするが、本発明の好適な態様では、単斜晶が70−80%で斜方晶対称が約20−30%であるシリカライト触媒も使用可能である。このシリカライトを好適には75−80重量%の量で存在させてアルミナ結合剤を20−25重量%の量で存在させる。好適なシリカライトのシリカ/アルミナ比は約200、より一般的には225である。このシリカライトに約20−30のアルファ値を持たせてもよい。「アルファ値」は、Shihabiの米国特許第4,284,529号およびShihabiの米国特許第4,559,314号に開示されているように、ヘキサンを追跡する(tracking)場合に触媒が示す活性の意味で特徴づけられる値である。この触媒にはナトリウムおよび鉄が少量入っている。
【0021】
好適なシリカライト触媒は、外側の殻部分にアルミニウムが豊富に入っていて内側部分に入っているアルミニウムの量が外側の殻に比較して少ないことを特徴とする結晶構造を有するものである。このシリカライト触媒を乾燥させて、評価できるほど水を含有させないようにする、即ち故意に水を含有させないようにする。上記アルミナ結合剤は高純度のアルミナ、例えば「カタパル(catapal)アルミナ」などである。好適には、上記シリカライト触媒に入っているナトリウムの量を少量のみ、即ち酸化ナトリウムの量を約70−200ppmにしかつ酸化鉄の量も少量のみ、即ち約300−600ppmにする。この触媒には如何なる追加的「助触媒」金属も含有させる必要はない(この触媒の合成中に添加することを通して)。
【0022】
ここで図1を参照して、新鮮なエチレンをライン11に通して供給しそして新鮮なベンゼンをライン12に通して供給することにより、供給流れを供給する。この供給流れを、二位置バルブ16および流入ライン17に通して、各々にアルキル化用シリカライト触媒が入っていて直列連結している複数の触媒床が入っているアルキル化反応ゾーン18の上部に供給する。ベンゼンを気相中に保持する目的で、反応槽を、好適には約200から350psiaの圧力条件下700度F−800度Fの範囲内の平均温度で運転する。
【0023】
図式的には、触媒の再生を行う目的で、「オフライン」位置に第二反応ゾーン20が位置するとして示す。代替操作様式では、反応ゾーン18と20の両方を並行運転様式で操作してそれらの両方を同時に稼働させる。即ち、ライン10から出る流れが全部反応槽18の上部に向かうようにバルブ16を配置する。図2に詳細に示すように、反応槽18には、床A、B、CおよびDとして示す直列連結した4個の触媒床が入っている。エチレンの段間注入が適切に得られるように、エチレン供給流れをライン19そして不均化用バルブ19a、19bおよび19cに通して供給する。また、ベンゼンも、それぞれ第二ベンゼン供給ライン21a、21bおよび21cで触媒段の間に導入可能である。認識されるであろうように、並列反応槽20を、反応槽18に関して図2に示すのと同様な多岐管を持たせて配置する。
【0024】
図1に戻って、アルキル化反応槽18から出て来る流出流れを流出二位置バルブ24および流出ライン25に通して2段階ベンゼン回収ゾーン(予備分溜カラム27を第一段階として含む)に供給する。ベンゼンが入っている軽質の塔頂画分が得られるようにカラム27を操作し、その画分をライン28に通してライン15に供給し、このラインの中で、上記画分はライン12から来るベンゼンと一緒に混ざり合った後、アルキル化反応槽の流入ライン10に向かう。ベンゼン、エチルベンゼンおよびポリエチレンベンゼンが入っている重質の液状画分はライン30を通ってベンゼン分離ゾーンの第二段階32に供給される。段階27および32は適切な如何なる種類の蒸留カラムの形態を取っていてもよく、典型的にはトレーが約20−60枚入っているカラムである。カラム32から出て来る塔頂画分に残りのベンゼンが入っており、これをライン34に通してアルキル化反応槽の入り口に循環させる。カラム32から出て来る重質の釜残画分はライン36を通って第二分離ゾーン38に供給され、そこでモノアルキル化芳香族成分、例えばエチルベンゼンなどの回収を行う。カラム38から出て来る塔頂画分には比較的高い純度のエチルベンゼンが入っており、これをライン40に通して貯蔵槽または適切な何らかの産物目的地に送る。例として、このエチルベンゼンはスチレンプラント(エチルベンゼンの脱水素でスチレンを生産)に向かう供給流れとして使用可能である。ポリエチルベンゼン類と重質芳香族が入っておりそして通常はエチルベンゼンが少量のみ入っている釜残画分はライン41を通って第三ポリエチルベンゼン分離ゾーン42に送られる。カラム42の釜残画分には残渣が入っていて、これは、適切な何らかの様式で更に使用する目的で、ライン44に通してこの工程から取り出し可能である。カラム42から出て来る塔頂画分にはポリアルキル化芳香族成分[これにはジエチルベンゼンおよびトリエチルベンゼン(通常は比較的少量)が含まれる]と少量のエチルベンゼンが入っており、これは稼働中のアルキル交換反応ゾーンに送られる。アルキル化反応槽に関してこの上で記述したのと同様に、バルブ47および48を伴う流入および流出連結具を通してアルキル交換反応槽45および46を並列に配置する。1つのアルキル交換反応槽が稼働している間、もう1つを、触媒床のコークスを焼失させる再生運転で用いることができる。また、反応槽45と46の両方を並列運転様式で稼働させるように、それらを同時に稼働状態に置くことも可能である。カラム38の釜残から回収するエチルベンゼンの量を最小限にすることでアルキル交換用供給流れのエチルベンゼン含有量を低く保つことにより、アルキル交換反応をエチルベンゼン生産の方向に向かわせることができる。ライン49を通してカラム42の塔頂から取り出されるポリエチルベンゼン画分はライン50を通して供給されるベンゼンと一緒に混ざり合った後、ライン51を通ってオンラインのアルキル交換反応槽45に送り込まれる。ライン50に通して供給するベンゼン供給材料の水含有量を好適には比較的低くし、約0.05重量%以下にする。好適には、この水含有量を約0.02重量%以下のレベル、より好適には0.01重量%以下にまで下げる。このアルキル交換反応槽の操作を、この上に記述したように、このアルキル交換反応槽に入っているベンゼンとアルキル化ベンゼン類が液相中に保持されるように行う。典型的には、アルキル交換反応槽内の平均温度が約150度F−550度Fになりそして平均圧力が約600psiになるように、アルキル化反応槽とアルキル交換反応槽を運転してもよい。アルキル交換反応槽内で用いる好適な触媒は、この上に示した特徴を有するゼオライトYである。ベンゼンとポリエチルベンゼンの重量比を少なくとも1:1にすべきであり、好適には1:1から4:1の範囲内にする。
【0025】
アルキル交換反応槽から出て来る産物にはベンゼンとエチルベンゼンが入っておりかつポリエチルベンゼンが少なくなった量で入っており、これをライン52に通してベンゼン回収ゾーンの初期段階に供給する。この様式の運転は、上述したButlerのヨーロッパ特許出願公開第467,007号に開示されている如き通常様式の運転とは対照的である。そこに開示されているように、アルキル交換反応槽から出て来る産物はベンゼン回収ゾーンの第二段階(図1のカラム32に相当)に送られている。本発明の実施でもそのような運転様式に従うことも可能であるが、図1に示すように、アルキル交換反応槽の産物をベンゼン回収ゾーンの初期段階27に送り込むように操作するのが好適である。このようにすると、流れに入っているベンゼンとエチルベンゼンの組成がアルキル化反応で得られる流れの組成とほぼ同じになると言った利点が得られる。
【0026】
図1に図式的に示す工程では、エチルベンゼン分離カラム38から出て来る釜残画分全体を第三分離カラム42に供給しかつ上記ゾーンから出て来る塔頂画分をアルキル交換反応槽に供給する。この様式で操作すると、アルキル交換反応槽内で用いる触媒に関して、触媒活性を向上させる目的で行う触媒の再生間のサイクル時間が比較的長くなると言った利点が得られる。本発明の別の態様では、エチルベンゼン分離カラムから出て来る産物の一部をアルキル交換反応槽に直接供給することで上記利点を達成する。本発明に従って気相アルキル化を液相アルキル交換反応と組み合わせて用いると、エチルベンゼン用カラムから出て来る釜残画分の有意量をアルキル交換反応槽に直接送り込むことができることで、驚くべきことに、この工程で失われる残渣の量が少なくなる。本出願者の発明は理論で制限されるべきものでないが、アルキル交換反応槽に最初に入れる水の含有量が低い結果として工程流れに入っている水含有量が低いことでエチルベンゼン分離ゾーンから出て来る産物の実質的部分をアルキル交換反応槽に直接供給することができると、少なくともある程度考えている。
【0027】
本発明のこの態様を図3に示し、図1に示したのと同様な構成要素および成分に関しては、それらを図1で用いたのと同じ参照番号で示す。図3に示すように、第二分離ゾーン38から出て来る釜残画分の一部をライン54に通してアルキル交換反応槽45に直接供給する。エチルベンゼン用カラムから出て来る釜残画分の第二部分をライン55に通して第三分離カラム42に供給する。カラム42か出て来る塔頂画分はライン54内でバイパス流出液と一緒に混ざり合い、その結果として生じた混合物はライン47を通ってアルキル交換反応槽に送られる。カラム42にバイパスに付けて、カラム38から出て来る釜残産物の実質的部分をカラム42に送り込むことにより、この系から失われる残渣の量を少なくすることができる。本発明の好適な態様では、ポリエチルベンゼン用カラム42にバイパスを付けることにより、カラム38から出て来る釜残産物をアルキル交換反応槽に実質的量で直接送り込む。ライン54によってアルキル交換反応槽に直接送り込まれる第一部分とライン55によってポリエチルベンゼンカラムに最初送り込まれる第二部分の重量比は通常約1:2から約2:1の範囲内になるであろう。しかしながら、その相対量はいくらか幅広く多様であり、第一部分と第二部分の重量比の範囲は約1:3から3:1の比率であり得る。
【0028】
本発明のさらなる面では、図1の態様または図3の態様のいずれかを新規な熱一体化および熱交換手順と組み合わせることにより、本発明のアルキル化/アルキル交換方法の実施で遭遇する熱エネルギー関係を向上させることも可能である。本発明に伴ういろいろな供給流れおよび再循環流れを、James Merrill他が本出願と同じ日付で提出した表題が「アルキル化/アルキル交換方法における熱一体化(Heat Integration in Alkylation/Transalkylation Process)」で更に代理人処理予定番号FINT B8153で識別する同時係属中の出願S/N に記述した如き一体式熱交換過程に組み入れる。このような熱一体化を本発明の方法に組み入れる概念を図4および5に例示する。
【0029】
最初、図4を参照して、この図に、一般的には図1および3に示す如きライン25に相当するライン60を示し、このラインにより、アルキル化反応槽(図4には示していない)から出て来る流出液を分離器62に送り込み、これで上記流出液を流れ64と65に分割してそれらをそれぞれ熱交換器67および68に通す。熱交換器67および68から出て来る流れを一緒にして流れ70を生じさせた後、これを第三熱交換器73に通して、初期ベンゼン分離ゾーン27(図1および3に示す)に通じるライン74に入れる。この第三熱交換器73では、ベンゼン用カラム27およびカラム32から取り出された再循環ベンゼンおよびライン12(図1および3)を通して供給された新鮮なベンゼンは、ライン76(これは一般的には図1および3のライン15に相当)により、アルキル化反応槽の流出物との間接的な熱交換状態で送られた後、ライン78で取り出されて不均化用バルブ80に送られる。この不均化用バルブ80を調整することで、ライン78に入っている流れの全体を第一熱交換器68に向かわせる(この場合、その流れは最終的にアルキル化反応槽18の上部に向かう)か或は一部をこの上で図2を参照して考察したプロトコルに従ってベンゼンを段間注入する目的でライン82に通して供給することも可能である。熱交換器68から出て来る流出液はライン84を通ってヒーター85(このヒーターでベンゼン流を必要に応じて例えば700度Fに加熱する)に送られた後、ライン86を通して、アルキル化反応槽に入っている最初の床に送られる。ベンゼン再循環流れ15(図1および3)に由来する第二再循環流れはライン88を通ってヒーター85に送られた後、ライン86に送られて、アルキル化反応槽の上部に導入される。アルキル交換反応槽の上部に供給される供給流れは、ライン90(図1および3のライン51に相当)により、アルキル化反応槽流出液の分割部分と間接的な熱交換状態にある熱交換器67に送られた後、バルブ47(図1および3)を通って、稼働中の適当なアルキル交換反応槽にか或は並列様式で運転中の両反応槽に送られる。
【0030】
図5に本発明の更に別の態様を例示し、ここでは、アルキル交換反応槽の流出液を、アルキル化反応槽から出て来る流出液の全部または一部との熱交換関係で送った後、アルキル交換反応槽の流出液を2つの画分に分離する分離ゾーンに送る。低沸点の軽質画分をベンゼン分離ゾーン、特にベンゼン予備分溜カラム27に入っている上方のトレーに送り込む。高沸点の重質画分を、ベンゼン回収カラム32に供給される供給流れに送り込む。
【0031】
図5に例示するこの態様は、この上に記述したように、アルキル交換反応槽の流出液を2つの画分に分割するように図3の工程図を修飾した修飾態様である。図5では、図3で用いたのと同様な構成要素を図3で示した参照番号と同じ参照番号で示す。図5に示すように、アルキル交換反応槽の流出液をバルブ48に通してライン52に送り込み、そこから熱交換ゾーン92に送り込む。そのアルキル交換反応槽の流出液は、熱交換ゾーン92内を、ライン25によって取り出されるアルキル化反応槽流出液との間接的な熱交換状態で通る。アルキル交換反応槽の流出液は、熱交換器92から、フラッシュ容器94の形態の分離ゾーンに送られ、その容器内で圧力が例えば約600psiaから約250psiaにまで低下することにより、ライン95によって取り出される低沸点の軽質画分とライン96によって取り出される高沸点の重質画分が生じる。ライン96を通った流出液はベンゼン予備分溜カラムの釜残と再び一緒になった後、最初のベンゼン分離カラム32に送られる。アルキル交換反応槽流出液の低沸点軽質画分はライン95で分離装置94から取り出された後、ベンゼン回収カラム32の初期段階、例えばトレー型分溜カラムの場合には上方のトレーにか或は充填型分溜容器の場合には充填物の上方部分に送られる。熱交換ゾーン92は、この上で図4を参照して記述した如き多段階熱交換器構造の形態を取っていてもよいか或は他の適切な如何なる構造のものであってもよい。
【0032】
この上に示した本発明の好適な態様で述べたように、アルキル交換反応槽から出て来る産物の少なくとも一部をベンゼン回収ゾーン、即ちカラム27の第一段に送る。これは、再循環させるアルキル交換反応産物を第二段に供給することで多段階ベンゼン分離が実施されている通常の手順とは対照的である。多段階ベンゼン分離ゾーンを利用した本発明のさらなる態様では、アルキル交換反応槽の産物をアルキル化反応槽から出て来る流出液の一部との熱交換関係で送った後、図5の態様に従う分離ゾーンに送る。しかしながら、塔頂画分を図5に示す如き初期ベンゼン分離カラム27に直接送り込むことができる場合には、ライン96によって取り出される2番目の重質釜残部分をベンゼン分離ゾーン(カラム32)の第二段に送り込むことも可能である。この態様では、ライン36に入っている画分を図5に示す如きライン25に入っている画分と一緒にするのではなく、代わりに、カラム32に直接送り込む。
【0033】
本発明の特定態様を記述してきたが、それの修飾形が本分野の技術者に思い浮かぶ可能性があり、そのような修飾形は全部その範囲内であるとしてそれらを添付請求の範囲の範囲内に含有させことを意図することは理解されるであろう。
【0034】
本発明の特徴および態様は以下のとうりである。
【0035】
1. アルキル化−アルキル交換方法であって、
a)各々が芳香族アルキル化用ペンタシルモレキュラーシーブ触媒を含有していて直列連結している複数の触媒床が入っている多段階アルキル化反応ゾーンにベンゼン含有原料を供給し、
b)上記反応ゾーンにC2−C4アルキル化剤を供給し、
c)上記原料を気相中に保持する温度および圧力条件下で上記反応ゾーンを操作しそして上記アルキル化剤による上記ベンゼンの気相アルキル化を上記触媒の存在下で起こさせてモノアルキル化芳香族成分とポリアルキル化芳香族成分の混合物を含有するアルキル化生成物を生じさせ、
d)上記アルキル化生成物を上記反応ゾーンから回収しそして上記反応ゾーンから回収した上記生成物をベンゼン回収ゾーンに供給してベンゼン基質をアルキル化生成物から分離し、
e)モノアルキル化芳香族成分とポリアルキル化芳香族成分の混合物を含有する高沸点画分とベンゼンを含有する低沸点画分が得られるように上記ベンゼン回収ゾーンを操作し、
f)上記ベンゼン回収ゾーンから回収したベンゼンを上記反応ゾーンに循環させ、
g)上記ベンゼン回収ゾーンから回収した上記高沸点画分を第二分離ゾーンに供給し、
h)モノアルキル化芳香族成分を含有する第二低沸点画分と重質ポリアルキル化芳香族成分を含有する高沸点画分が得られるように上記第二分離ゾーンを操作し、
i)上記ポリアルキル化生成物に入っていたジアルキル化芳香族およびトリアルキル化芳香族を含む上記ポリアルキル化芳香族成分の第一部分を、上記ペンタシル触媒が有する孔サイズより大きい孔サイズを有するモレキュラーシーブを含むアルキル交換用ゼオライト触媒が入っているアルキル交換反応ゾーンに供給し、
j)上記第二分離ゾーンから出て来る上記ポリアルキル化芳香族成分の第二部分を第三分離ゾーンに供給し、この第三分離ゾーンの操作を、上記重質ポリアルキル化芳香族成分をジアルキル化芳香族およびトリアルキル化芳香族を含有する上記ポリアルキル化芳香族成分の低沸点画分と残渣画分を含有する高沸点画分に分離するように行い、
k)上記第三分離ゾーンから出て来る上記ポリアルキル化芳香族成分の上記低沸点画分に加えて上記第二分離ゾーンから出て来る上記第一部分を上記アルキル交換反応ゾーンに供給し、
l)ベンゼンを上記アルキル交換反応ゾーンに供給し、
m)上記原料を液相中に保持しそして上記ポリアルキル化芳香族画分の不均化反応を起こさせてポリアルキルベンゼン含有量が低下してモノアルキルベンゼン含有量が上昇した不均化生成物に到達させるに有効な温度および圧力条件下で上記アルキル交換反応ゾーンを操作し、そして
n)上記不均化生成物の少なくとも一部を上記ベンゼン回収ゾーンに供給する、段階を含む方法。
【0036】
2. 上記アルキル化剤がエチル化剤またはプロピル化剤である第1項の方法。
【0037】
3. 上記アルキル化剤がエチレンまたはプロピレンである第2項の方法。
【0038】
4. 上記アルキル化剤がエチレンである第3項の方法。
【0039】
5. 上記ベンゼン回収ゾーンの操作を、ベンゼンの一部を上記アルキル化生成物から塔頂で回収する第一段階と追加的ベンゼンを上記アルキル化生成物から塔頂で回収する第二段階で行い、そして上記ベンゼン回収ゾーンの上記第一段階および第二段階両方で回収したベンゼンを上記反応ゾーンに循環させる第4項の方法。
【0040】
6. 上記アルキル交換反応槽から出て来る上記不均化生成物の少なくとも一部を上記ベンゼン回収ゾーンの上記第一段階に供給する第5項の方法。
【0041】
7. 上記アルキル交換反応槽から出て来る上記不均化生成物の実質的に全部を上記ベンゼン回収ゾーンの上記第一段階に供給する第6項の方法。
【0042】
8. 上記アルキル化用触媒に0.5μ以下の結晶サイズを有する主に単斜晶系のシリカライトを含めそして少なくとも60インチ-1の表面積/体積比を示す触媒粒子が得られるようにアルミナ結合剤と一緒に調合する第4項の方法。
【0043】
9. アルキル化−アルキル交換方法であって、
a)約0.5μ以下の平均結晶サイズを有する主に単斜晶系のシリカライトを含有していて少なくとも60インチ-1の表面積/体積比を示す触媒粒子が得られるようにアルミナ結合剤と一緒に調合された芳香族アルキル化用ペンタシルモレキュラーシーブ触媒を各々が含有していて直列連結している複数の触媒床が入っている多段階アルキル化反応ゾーンにベンゼン含有原料を供給し、
b)上記反応ゾーンにC2−C4アルキル化剤を供給し、
c)上記原料を気相中に保持する温度および圧力条件下で上記反応ゾーンを操作しそして上記アルキル化剤による上記ベンゼンの気相アルキル化を上記触媒の存在下で起こさせてモノアルキル化芳香族成分とポリアルキル化芳香族成分の混合物を含有するアルキル化生成物を生じさせ、
d)上記アルキル化生成物を上記反応ゾーンから回収しそして上記反応ゾーンから回収した上記生成物をベンゼン回収ゾーンに供給してベンゼン基質をアルキル化生成物から分離し、
e)モノアルキル化芳香族成分とポリアルキル化芳香族成分の混合物を含有する高沸点画分とベンゼンを含有する低沸点画分が得られるように上記ベンゼン回収ゾーンを操作し、
f)上記ベンゼン回収ゾーンから回収したベンゼンを上記反応ゾーンに循環させ、
g)上記ベンゼン回収ゾーンから回収した上記高沸点画分を第二分離ゾーンに供給し、
h)モノアルキル化芳香族成分を含有する第二低沸点画分と重質ポリアルキル化芳香族成分を含有する高沸点画分が得られるように上記第二分離ゾーンを操作し、
i)上記ポリアルキル化成分に入っていた該ジアルキル化芳香族およびトリアルキル化芳香族を含む上記ポリアルキル化芳香族成分の少なくとも一部を、アルキル交換用ゼオライトy触媒が入っているアルキル交換反応ゾーンに供給し、
j)ベンゼンを上記アルキル交換反応ゾーンに供給し、
k)上記ベンゼンを液相中に保持しそして上記ポリアルキル化芳香族画分の不均化反応を起こさせてポリアルキルベンゼン含有量が低下してモノアルキルベンゼン含有量が上昇した不均化生成物に到達させるに有効な温度および圧力条件下で上記アルキル交換反応ゾーンを操作し、
l)上記不均化生成物の少なくとも一部を上記ベンゼン回収ゾーンに供給する、段階を含む方法。
【0044】
10. 上記アルキル化剤がエチル化剤またはプロピル化剤である第9項の方法。
【0045】
11. 上記アルキル化剤がエチレンまたはプロピレンである第10項の方法。
【0046】
12. 上記アルキル化剤がエチレンである第11項の方法。
【0047】
13. 段階(i)に先立って、上記第二分離ゾーンから出て来る上記重質ポリアルキル化芳香族成分の少なくともいくらかを第三分離ゾーンに供給し、このゾーン内で、上記重質ポリアルキル化芳香族成分をジアルキル芳香族およびトリアルキル芳香族を含有する上記ポリアルキル化芳香族成分の第三低沸点画分と重質の高沸点残渣画分に分離し、そして上記ポリアルキル化芳香族成分の上記第三低沸点画分を段階(k)に従う上記アルキル交換反応ゾーンに供給する第12項の方法。
【0048】
14. 該重質ポリアルキル化芳香族成分の第一部分を第13項に従う上記第三分離ゾーンに供給しそして次に上記第三分離ゾーンから上記アルキル交換ゾーンに供給しそして上記第二分離ゾーンから出て来る上記重質ポリアルキル化芳香族成分の第二部分を上記アルキル交換反応ゾーンに直接供給する第13項の方法。
【0049】
15. 上記第二分離ゾーンから出て来る上記重質ポリアルキル化成分の上記第二部分と上記第一部分の比を3:1から1:3の範囲にする第14項の方法。
【0050】
16. 上記第二分離ゾーンから出て来る上記重質ポリアルキル化成分の上記第二部分と上記第一部分の比を2:1から1:2の範囲にする第14項の方法。
【0051】
17. 上記ベンゼン回収ゾーンの操作を、ベンゼンの一部を上記アルキル化生成物から塔頂で回収する第一段階と追加的ベンゼンを上記アルキル化生成物から塔頂で回収する第二段階で行い、そして上記ベンゼン回収ゾーンの上記第一段階および第二段階両方で回収したベンゼンを上記ベンゼン反応槽に循環させる第14項の方法。
【0052】
18. 上記アルキル交換反応槽から出て来る上記不均化生成物の少なくとも一部を上記ベンゼン回収ゾーンの上記第一段階に供給する第17項の方法。
【0053】
19. アルキル化−アルキル交換方法であって、
a)各々が芳香族アルキル化用シリカライト触媒を含有していて直列連結している少なくとも3個の触媒床を含む多段階アルキル化反応ゾーンにベンゼン含有原料を供給し、
b)上記反応ゾーンにC2−C4アルキル化剤を供給し、
c)上記原料を気相中に保持する温度および圧力条件下で上記反応ゾーンを操作しそして上記アルキル化剤による上記ベンゼンの気相アルキル化を上記触媒の存在下で起こさせてモノアルキル化芳香族成分とポリアルキル化芳香族成分の混合物を含有するアルキル化生成物を生じさせ、
d)上記アルキル化生成物を上記反応ゾーンから回収しそして上記反応ゾーンから回収した上記生成物をベンゼン回収ゾーンに供給してベンゼン基質をアルキル化生成物から分離し、
e)モノアルキル化芳香族成分とポリアルキル化芳香族成分の混合物を含有する高沸点画分とベンゼンを含有する低沸点画分が得られるように上記ベンゼン回収ゾーンを操作し、
f)上記ベンゼン回収ゾーンから回収したベンゼンを上記反応ゾーンに循環させ、
g)上記アルキル化剤の初期部分をベンゼンと一緒に上記触媒床の第一床の上部に注入しそして追加的に上記アルキル化剤の第二部分を上記触媒床の少なくとも数床の間に段間注入する様式で上記アルキル化剤を上記反応ゾーンに導入し、
h)上記ベンゼン回収ゾーンから回収した上記高沸点画分を第二分離ゾーンに供給し、
i)モノアルキル化芳香族成分を含有する第二低沸点画分と重質ポリアルキル化芳香族成分を含有する高沸点画分が得られるように上記第二分離ゾーンを操作し、
j)上記ポリアルキル化生成物に入っていた該ジアルキル化芳香族およびトリアルキル化芳香族を実質的に全部含む上記ポリアルキル化芳香族成分の少なくとも一部を、アルキル交換用ゼオライトy触媒が入っているアルキル交換反応ゾーンに供給し、
k)ベンゼンを上記アルキル交換反応ゾーンに供給し、
l)上記原料を液相中に保持しそして上記ポリアルキル化芳香族画分の不均化反応を起こさせてポリアルキルベンゼン含有量が低下してモノアルキルベンゼン含有量が上昇した不均化生成物に到達させるに有効な温度および圧力条件下で上記アルキル交換反応ゾーンを操作し、そして
m)上記不均化生成物の少なくとも一部を上記ベンゼン回収ゾーンに供給する、段階を含む方法。
【0054】
20. 上記アルキル化反応ゾーンを上記反応ゾーンの平均温度が800度F以内になるように操作する第19項の方法。
【0055】
21. 直列連結している少なくとも4個の触媒床を上記アルキル化反応ゾーンに含め、ここで、上記反応ゾーンに導入するベンゼンとエチレンのエチレンに対するベンゼンの比率が上記反応ゾーンの上部から下部に向かって徐々に低くなるように上記エチレンを少なくとも数個の触媒床の間に段間注入する第19項の方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルキル交換反応槽から出て来る産物を2段階ベンゼン分離ゾーンの初期段階に再循環させる本発明の1つの態様を例示する簡潔化した図式的流れ図である。
【図2】直列連結している4個の触媒床を含むアルキル化反応ゾーンの図式的例示であり、この図は、ベンゼンとエチレンまたは他のアルキル化剤を最初の触媒床に導入しそして続いてエチレンを段間注入することを示している。
【図3】エチルベンゼン回収分離ゾーンの釜残画分を分離してそれの第一部分をアルキル交換反応ゾーンに直接供給しかつ第二部分をトリアルキルベンゼンカラムに供給してその残渣画分を分離しそして塔頂画分をアルキル交換反応ゾーンに循環させる本発明の好適な態様の図式的例示である。
【図4】アルキル化反応ゾーンとベンゼン分離ゾーンの間に好適に配置した熱交換器を図1の流れ図で利用した好適な形態の工程図を示す図式的例示である。
【図5】熱交換器の更に別の配置を利用することに加えてフラッシュ容器(flashvessel)をアルキル交換反応ゾーンに関係させて間に位置させて用いるさらなる修飾形を示す図式的例示である。
Claims (3)
- アルキル化−アルキル交換方法であって、
a) 各々が約0 . 5μ以下の平均結晶サイズを有する主に単斜晶系のシリカライトを含有していて少なくとも60インチ -1 の表面積/体積比を示す触媒粒子が得られるようにアルミナ結合剤と一緒に調合された芳香族アルキル化用ペンタシルモレキュラーシーブ触媒を含有していて直列連結している複数の触媒床が入っている多段階アルキル化反応ゾーンにベンゼン含有原料を供給し、
b)上記反応ゾーンにC2−C4アルキル化剤を供給し、
c)上記原料を気相中に保持する温度および圧力条件下で上記反応ゾーンを操作しそして上記アルキル化剤による上記ベンゼンの気相アルキル化を上記触媒の存在下で起こさせてモノアルキル化芳香族成分とポリアルキル化芳香族成分の混合物を含有するアルキル化生成物を生じさせ、
d)上記アルキル化生成物を上記反応ゾーンから回収しそして上記反応ゾーンから回収した上記生成物をベンゼン回収ゾーンに供給してベンゼン基質をアルキル化生成物から分離し、
e)モノアルキル化芳香族成分とポリアルキル化芳香族成分の混合物を含有する高沸点画分とベンゼンを含有する低沸点画分が得られるように上記ベンゼン回収ゾーンを操作し、
f)上記ベンゼン回収ゾーンから回収したベンゼンを上記反応ゾーンに循環させ、
g)上記ベンゼン回収ゾーンから回収した上記高沸点画分を第二分離ゾーンに供給し、
h)モノアルキル化芳香族成分を含有する第二低沸点画分とより重質のポリアルキル化芳香族成分を含有する高沸点画分が得られるように上記第二分離ゾーンを操作し、
i)上記ポリアルキル化生成物中の、ジアルキル化芳香族およびトリアルキル化芳香族を含む上記ポリアルキル化芳香族成分の第一部分を、上記ペンタシル触媒が有する孔サイズより大きい孔サイズを有するモレキュラーシーブを含むアルキル交換用ゼオライト触媒が入っているアルキル交換反応ゾーンに供給し、
j)上記第二分離ゾーンから出て来る上記ポリアルキル化芳香族成分の第二部分を第三分離ゾーンに供給し、ここで、上記第二分離ゾーンから出て来る上記重質ポリアルキル化成分の上記第一部分と上記第二部分の重量比を1:3から3:1の範囲にし、この第三分離ゾーンの操作を、上記重質ポリアルキル化芳香族成分をジアルキル化芳香族およびトリアルキル化芳香族を含有する上記ポリアルキル化芳香族成分の低沸点画分と残渣画分を含有する高沸点画分に分離するように行い、
k)上記第三分離ゾーンから出て来る上記ポリアルキル化芳香族成分の上記低沸点画分に加えて上記第二分離ゾーンから出て来る上記第一部分を上記アルキル交換反応ゾーンに供給し、
l)ベンゼンを上記アルキル交換反応ゾーンに供給し、
m)上記原料を液相中に保持しそして上記ポリアルキル化芳香族画分の不均化反応を起こさせてポリアルキルベンゼン含有量が低下してモノアルキルベンゼン含有量が上昇した不均化生成物に到達させるに有効な温度および圧力条件下で上記アルキル交換反応ゾーンを操作し、そして
n)上記不均化生成物の少なくとも一部を上記ベンゼン回収ゾーンに供給する、
段階を含む方法。 - アルキル化−アルキル交換方法であって、
a) 約0.5μ以下の平均結晶サイズを有する主に単斜晶系のシリカライトを含有していて少なくとも60インチ-1の表面積/体積比を示す触媒粒子が得られるようにアルミナ結合剤と一緒に調合された芳香族アルキル化用ペンタシルモレキュラーシーブ触媒を各々が含有していて直列連結している複数の触媒床が入っている多段階アルキル化反応ゾーンにベンゼン含有原料を供給し、
b)上記反応ゾーンにC2−C4アルキル化剤を供給し、
c)上記原料を気相中に保持する温度および圧力条件下で上記反応ゾーンを操作しそして上記アルキル化剤による上記ベンゼンの気相アルキル化を上記触媒の存在下で起こさせてモノアルキル化芳香族成分とポリアルキル化芳香族成分の混合物を含有するアルキル化生成物を生じさせ、
d)上記アルキル化生成物を上記反応ゾーンから回収しそして上記反応ゾーンから回収した上記生成物をベンゼン回収ゾーンに供給してベンゼン基質をアルキル化生成物から分離し、
e)モノアルキル化芳香族成分とポリアルキル化芳香族成分の混合物を含有する高沸点画分とベンゼンを含有する低沸点画分が得られるように上記ベンゼン回収ゾーンを操作し、
f)上記ベンゼン回収ゾーンから回収したベンゼンを上記反応ゾーンに循環させ、
g)上記ベンゼン回収ゾーンから回収した上記高沸点画分を第二分離ゾーンに供給し、
h)モノアルキル化芳香族成分を含有する第二低沸点画分と重質ポリアルキル化芳香族成分を含有する高沸点画分が得られるように上記第二分離ゾーンを操作し、
i)上記第二分離ゾーンから出て来る上記重質ポリアルキル化芳香族成分の第一部分を第三分離ゾーンに供給し、このゾーン内で、上記重質ポリアルキル化芳香族成分をジアルキル芳香族およびトリアルキル芳香族を含有する上記ポリアルキル化芳香族成分の第三低沸点画分と重質の高沸点残渣画分に分離し、そして上記ポリアルキル化芳香族成分の上記第三低沸点画分を段階(k)に従うアルキル交換用ゼオライトy触媒が入っているアルキル交換反応ゾーンに供給し、そして上記第二分離ゾーンから出て来る上記重質ポリアルキル化芳香族成分の第二部分を上記アルキル交換反応ゾーンに直接供給し、この場合、上記第二分離ゾーンから出て来る上記重質ポリアルキル化成分の上記第二部分と上記第一部分の重量比を3:1から1:3の範囲にし、
j)ベンゼンを上記アルキル交換反応ゾーンに供給し、
k)上記ベンゼンを液相中に保持しそして上記ポリアルキル化芳香族画分の不均化反応を起こさせてポリアルキルベンゼン含有量が低下してモノアルキルベンゼン含有量が上昇した不均化生成物に到達させるに有効な温度および圧力条件下で上記アルキル交換反応ゾーンを操作し、
l)上記不均化生成物の少なくとも一部を上記ベンゼン回収ゾーンに供給する、
段階を含む方法。 - アルキル化−アルキル交換方法であって、
a) 各々が約0 . 5μ以下の平均結晶サイズを有する主に単斜晶系のシリカライトを含有していて少なくとも60インチ -1 の表面積/体積比を示す触媒粒子が得られるようにアルミナ結合剤と一緒に調合された芳香族アルキル化用ペンタシルモレキュラーシーブ触媒を含有していて直列連結している少なくとも3個の触媒床を含む多段階アルキル化反応ゾーンにベンゼン含有原料を供給し、
b)上記反応ゾーンにC2−C4アルキル化剤を供給し、
c)上記原料を気相中に保持する温度および圧力条件下で上記反応ゾーンを操作しそして上記アルキル化剤による上記ベンゼンの気相アルキル化を上記触媒の存在下で起こさせてモノアルキル化芳香族成分とポリアルキル化芳香族成分の混合物を含有するアルキル化生成物を生じさせ、
d)上記アルキル化生成物を上記反応ゾーンから回収しそして上記反応ゾーンから回収した上記生成物をベンゼン回収ゾーンに供給してベンゼン基質をアルキル化生成物から分離し、
e)モノアルキル化芳香族成分とポリアルキル化芳香族成分の混合物を含有する高沸点画分とベンゼンを含有する低沸点画分が得られるように上記ベンゼン回収ゾーンを操作し、
f)上記ベンゼン回収ゾーンから回収したベンゼンを上記反応ゾーンに循環させ、
g)上記アルキル化剤の初期部分をベンゼンと一緒に上記触媒床の第一床の上部に注入しそして追加的に上記アルキル化剤の第二部分を上記触媒床の少なくとも数床の間に段間注入する様式で上記アルキル化剤を上記反応ゾーンに導入し、
h)上記ベンゼン回収ゾーンから回収した上記高沸点画分を第二分離ゾーンに供給し、
i)モノアルキル化芳香族成分を含有する第二低沸点画分と重質ポリアルキル化芳香族成分を含有する高沸点画分が得られるように上記第二分離ゾーンを操作し、
j)上記第二分離ゾーンから出て来る上記重質ポリアルキル化芳香族成分の第一部分を第三分離ゾーンに供給し、このゾーン内で、上記重質ポリアルキル化芳香族成分をジアルキル芳香族およびトリアルキル芳香族を含有する上記ポリアルキル化芳香族成分の第三低沸点画分と重質の高沸点残渣画分に分離し、そして上記ポリアルキル化芳香族成分の上記第三低沸点画分を段階(l)に従うアルキル交換用ゼオライトy触媒が入っているアルキル交換反応ゾーンに供給し、そして上記第二分離ゾーンから出て来る上記重質ポリアルキル化芳香族成分の第二部分を上記アルキル交換反応ゾーンに直接供給し、この場合、上記第二分離ゾーンから出て来る上記重質ポリアルキル化成分の上記第二部分と上記第一部分の重量比を3:1から1:3の範囲にし、
k)ベンゼンを上記アルキル交換反応ゾーンに供給し、
l)上記原料を液相中に保持しそして上記ポリアルキル化芳香族画分の不均化反応を起こさせてポリアルキルベンゼン含有量が低下してモノアルキルベンゼン含有量が上昇した不均化生成物に到達させるに有効な温度および圧力条件下で上記アルキル交換反応ゾーンを操作し、そして
m)上記不均化生成物の少なくとも一部を上記ベンゼン回収ゾーンに供給する、
段階を含む方法。
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