JP4234920B2 - 平版印刷版の製版方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は平版印刷版の製版方法に関し、より詳しくは赤外線感光性平版印刷版原版の製版方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、レーザーの発展はめざましく、特に近赤外から赤外に発光領域を持つ固体レーザー、半導体レーザーは、高出力かつ小型のものが容易に入手できるようになっており、このデジタルデータから直接製版するシステムが提案され、このシステムの露光光源として、これらのレーザーは非常に有用である。
赤外線レーザーにより直接描き込み可能なポジ型感光性平版印刷版(以下、「赤外線感光性平版印刷版原版」と称することがある)が知られてきている。レーザー書き込みに適する画像記録材料として、例えば特開平7−285275号公報にはクレゾール樹脂のような結着剤と、光を吸収して熱を発生する物質と、キノンジアジドのような熱分解性であって、且つ分解前の状態では前記結着剤の溶解性を実質的に低下させうる化合物とを含有するポジ型の画像記録材料が提案されている。
これらは、赤外線照射により露光部分において前記光を吸収して熱を発生する物質が発熱し、露光部分をアルカリ可溶性にするもの(ヒートモード型)であるが、支持体であるアルミニウムに吸熱されてしまうため熱効率が低く、現像工程におけるアルカリ現像処理液に対する溶解性は満足のいくものではなかった。
また、支持体であるアルミニウム板には通常、粗面化処理が施され、中でも塩酸電解粗面化処理は、硝酸電解粗面化処理よりも凹凸の大きい表面を作るので、より良い耐刷性に寄与できるという利点がある一方で、アルミニウム板の凹部の底まで熱が達し難いことがあって、このことが凹部底の感光層の溶解性が不十分となることを招く。その結果、非画像部支持体表面の親水性が不十分で、印刷汚れが生じ易い。また、素手で印刷版を持った場合、手の油脂が支持体の凹部にもぐり込んで汚れ(いわゆる指紋汚れ)を生ずるといった不都合もある。
従って、赤外線レーザーによるダイレクト製版に適した平版印刷版原版を処理するにあって、優れた耐刷性を維持するとともに印刷汚れや指紋汚れのない、平版印刷版を得る手段が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、非画像部支持体表面に充分な親水性を与え、印刷汚れや指紋汚れのない平版印刷版を製造することができる製版方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、塩酸浴中で電解粗面化処理を施したアルミニウム支持体上に赤外線吸収剤を含む感光層を設けてなる平版印刷版原版を製版処理するにあたって、特定のアルカリ現像処理液で現像することにより、印刷汚れなどが著しく改良されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
従って本発明は、塩酸電解粗面化処理を施したアルミニウム支持体上に、(A)近赤外線を吸収して熱に変換する光熱変換物質、及び(B)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性有機高分子物質を必須成分として含有してなる感光層を設けた平版印刷版原版を、画像露光し、次いで少なくとも一種の非還元糖と少なくとも一種の塩基とを含有するアルカリ現像処理液を用いて現像処理することを特徴とする平版印刷版の製版方法である。
本発明の好ましい実施態様として、塩酸電解粗面化処理、及び硫酸浴中での陽極酸化処理を施したアルミニウム支持体上に感光層を設けてなる平版印刷版原版を製版する方法がある。
【0005】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明の方法に用いる平版印刷版原版について説明する。
[支持体]
平版印刷版原版の支持体としては、アルニウム板が使用される。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、更にアルミニウムがラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は高々10質量%以下である。特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精練技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。
このようにアルミニウム板はその組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。通常JIS Aで規定される、1050、1100、1200、3003、3103、3005などのアルミニウム板が使用される。
アルミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。
【0006】
アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活性剤、有機溶剤又はアルカリ性水溶液などによる脱脂処理が行われる。
塩酸電解粗面化処理とは、塩酸を主体とする水溶液中で電気化学的に粗面化処理することを意味し、塩酸水溶液中で、交流、高周波交流、三角波交流又は直流により電解を行う方法がある。一般的には、塩酸を含有する水溶液中でアルミニウム板に対向する電極との間に交流を加えて電気化学的に粗面化処理する。塩酸化合物の濃度は、1.0g/リットルから飽和限界まで採用することができ、好ましくは5〜100g/リットルの範囲で、より好ましくは5〜20g/リットルの範囲である。好ましい化合物は、塩化アルミニウム、塩酸、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム又は塩化マグネシウムからなる塩酸イオンを含有するもので、これらを単独又は組み合わせて使用する。また、その他の塩酸イオンと組み合わせてもよい。さらに塩酸電解液にアルミニウム塩を20〜150g/リットルの量で混合することが好ましい。また、必要に応じ、硫酸、燐酸、ホウ酸、アンモニウム塩などを添加しても差し支えない。
塩酸を主体とする電解液の液温は、通常10〜60℃、好ましくは30〜55℃の範囲である。
【0007】
塩酸を主体とする水溶液中で、電気化学的な粗面化に用いる交流電流波形としては、特公昭48−28123号公報に記載のような正弦波や、特開昭55−25381号公報に記載のように正弦波交流をサイリスタで位相制御したもの、特開昭52−58602号公報に記載されているような特殊な波形などがあり、設備的にDUTY比1:1の矩形波交流を用いることが好ましい。また、交流以外に特開昭51−42605号、特開平1−141094号公報に記載のように直流を用いることもできる。
【0008】
塩酸を主体とする水溶液中で交流電圧を用いて電気化学的に粗面化処理する方法において、電流密度は10〜200A/dm2の範囲が好ましく、電気量は1〜1000C/dm2の範囲が好ましく,10〜800C/dm2の範囲がより好ましい。周波数は50Hz以上が好ましく、60〜500Hzの範囲がより好ましい。上記の塩酸電解粗面化処理に、他の粗面化処理、例えば機械的に粗面化する方法を組み合わせてもよい。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることができる。
【0009】
上記にように粗面化処理された支持体は、表面平均粗さ(Ra)が一般に0.6ミクロン以下であり、好ましくは0.5ミクロン以下である。
【0010】
塩酸を主体とした水溶液中で電気化学的に粗面化処理したアルミニウム板は、アルミニウム板表面に生成したスマット成分を除去する目的で、酸またはアルカリ水溶液中でデスマット処理及び/又は軽度のエッチング処理を行ってもよい。酸又はアルカリの具体例としては、弗酸、弗化ジルコン酸、燐酸、硫酸、塩酸、硝酸などの酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、第三燐酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリがある。これらの酸又はアルカリ水溶液は、それぞれ一種または二種以上を混合して使用することができる。エッチングは、0.01〜3g/m2に相当するアルミニウムをエッチングすることが好ましい。このようなエッチング量のエッチングを行うには、酸又はアルカリの濃度は0.05〜40%、液温は40〜100℃、処理時間は5〜300秒間の範囲から適宜選択して行う。
【0011】
このような軽度なエッチング処理は、中性塩水溶液中でアルミニウム板を陰極にして直流電圧を加え電気化学的な処理を行うこともできる。アルミニウム表面の軽度なエッチングを行った場合には、その表面に不溶解物すなわちスマットが生成する。このスマットは燐酸、硫酸、硝酸、クロム酸など、又はこれらの混合物による洗浄で除去することができる。
【0012】
さらに、このように処理されたアルミニウム板は、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるために、陽極酸化処理を施すことができる。
アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的に硫酸、リン酸、クロム酸、硝酸、ホウ酸などの無機酸、もしくは蓚酸、スルファミン酸などの有機酸、それらの混酸、それらの塩の水溶液もしくは非水溶液の単独又は二種以上の組み合わせが用いられ、それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。中でも硫酸による陽極酸化処理が好ましく採用される。
【0013】
陽極酸化の条件は用いられる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが、一般的には電解質の濃度が1〜80質量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜の量は1.0g/m2より少ないと耐刷性が不十分であったり、平版印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。陽極酸化処理が施された後、アルミニウム表面は必要により親水化処理が施される。親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、同第3,280,734号及び第3,902,734号に開示されているようなアルカリ金属シリケート(例えばケイ酸ナトリウム水溶液)法がある。この方法においては、支持体がケイ酸ナトリウム水溶液で浸漬処理されるか又は電解処理される。他に特公昭36−22063号公報に開示されているフッ化ジルコン酸カリウム及び米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号、同第4,689,272号に開示されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法などが用いられる。
【0014】
平版印刷版原版は、上記のように調製したアルミニウム支持体上に少なくとも感光層を積層して設けたものであるが、必要に応じて支持体上に下塗り層を設けることができる。
下塗り層に用いる成分としては、種々の有機化合物が挙げられ、例えばカルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸類;置換基を有していてもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸及びエチレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸;置換基を有していてもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸及びグリセロリン酸などの有機リン酸;置換基を有していてもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸及びグリセロホスフィン酸などの有機ホスフィン酸;グリシンやβ−アラニンなどのアミノ酸類;トリエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロキシル基を有するアミンの塩酸塩などが挙げられる。
前記有機化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、前述したジアゾニウム塩を下塗りすることも好ましい態様である。
【0015】
また、下塗り層としては、下記一般式で表される構成単位を有する有機高分子化合物の少なくとも1種を含む有機下塗り層も好ましい。
【0016】
Figure 0004234920
【0017】
式中、R51は水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表し、R52及びR53は、それぞれ独立に水素原子、水酸基、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、−OR54、−COOR55、−CONHR56、−COR57又は−CNを表し、前記R52及びR53は互いに結合して環構造を形成してもよい。ここで、R54〜R57はそれぞれ独立にアルキル基又はアリール基を表す。Xは水素原子、金属原子、−NR58596061を表す。ここで善意R58〜R61はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基又は置換アリール基を表し、R58及びR59は互いに結合して環構造を形成してもよい。mは1〜3の整数を表す。
下塗り層の乾燥塗布量としては2〜200mg/m2が好ましく、5〜100mg/m2がより好ましい。この乾燥塗布量が2mg/m2未満であると十分な膜性が得られないことがある。一方200mg/m2を超えて塗布しても、それ以上の効果を得ることはできない。
【0018】
下塗り層は下記方法により設けることができる。
即ち、水又はメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に前記有機化合物を溶解させた下塗り層用溶液をアルミニウム板などの支持体上に塗布、乾燥して設ける方法と、水又はメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤若しくはそれらの混合溶剤に前記有機化合物を溶解させた下塗り層用溶液に、アルミニウム板などの支持体を浸漬して前記有機化合物を吸着させ、その後水等で洗浄、乾燥して設ける方法である。
【0019】
前者の方法では、前記有機化合物の0.005〜10質量%濃度の下塗り層用溶液を用いることが好ましい。
一方、後者の方法では、下塗り層用溶液の前記有機化合物の濃度としては、0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましい。また、浸漬温度としては20〜90℃が好ましく、25〜50℃がより好ましい。浸漬時間としては0.1秒〜20分が好ましく、2秒〜1分がより好ましい。下塗り層用溶液はアンモニア、トリエチルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質や塩酸、リン酸などの酸性物質を用いてpH1〜12の範囲に調整することもできる。また、調子再現性改良を目的として黄色染料を追加することもできる。
【0020】
[感光層]
上記のように調製したアルミニウム支持体上に、(A)近赤外線を吸収して熱に変換する光熱変換物質、及び(B)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性有機高分子物質を必須成分として含有してなる感光層を設ける。
上記(A)成分である、近赤外線を吸収して熱に変換する光熱変換物質としては、吸収した光を熱に変換し得る化合物であれば特に限定されないが、波長域650〜1300nmの近赤外線領域の一部又は全部に吸収帯を有する光吸収色素が特に有効である。これらの光吸収色素は、前記波長域の光を効率よく吸収する一方、紫外線領域の光は殆ど吸収しないか、吸収しても実質的に感応せず、白色灯に含まれるような弱い紫外線によっては感光性組成物を変成させる作用のない化合物である。
【0021】
これらの光吸収色素としては、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子等を含む複素環等がポリメチン(−CH=)nで結合された、広義のいわゆるシアニン系色素が代表的なものとして挙げられ、具体的には、例えば、キノリン系(いわゆる、シアニン系)、インドール系(いわゆる、インドシアニン系)、ベンゾチアゾール系(いわゆる、チオシアニン系)、イミノシクロヘキサジエン系(いわゆる、ポリメチン系)、ピリリウム系、チアピリリウム系、スクアリリウム系、クロコニウム系、アズレニウム系等が挙げられ、中で、キノリン系、インドール系、ベンゾチアゾール系、イミノシクロヘキサジエン系、ピリリウム系、又はチアピリリウム系が好ましい。又、フタロシアニン系色素も代表的なものとして挙げられる。
【0022】
前記シアニン系色素の中で、キノリン系色素としては、特に、下記一般式(Ia)、(Ib)、又は(Ic)で表されるものが好ましい。
Figure 0004234920
【0023】
上記式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)中、R1及びR2は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を表し、L1は置換基を有していてもよいトリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を表し、該ペンタ又はヘプタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素原子数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、キノリン環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。X-は対アニオンを示す。
【0024】
ここで、式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)中のR1及びR2における置換基としては、アルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L1 における置換基としては、アルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、キノリン環における置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0025】
また、インドール系、及びベンゾチアゾール系色素としては、特に、下記一般式(II)で表されるものが好ましい。
Figure 0004234920
【0026】
式(II)中、Y1及びY2は各々独立して、ジアルキルメチレン基又は硫黄原子を表し、R3及びR4は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を表し、L2は置換基を有していてもよいトリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を表し、該ペンタ又はヘプタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素原子数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、縮合ベンゼン環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。X-は対アニオンを示す。
【0027】
ここで、式(II)中のR3及びR4における置換基としては、アルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L2における置換基としては、アルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、ベンゼン環における置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0028】
また、イミノシクロヘキサジエン系色素としては、特に、下記一般式(III)で表されるものが好ましい。
Figure 0004234920
【0029】
式(III)中、R5、R6、R7、及びR8は各々独立して、アルキル基を表し、R9及びR10は各々独立して、置換基を有していてもよいアリール基、フリル基、又はチエニル基を表し、L3は置換基を有していてもよいモノ、トリ、又はペンタメチン基を表し、該トリ又はペンタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素原子数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよい。X-は対アニオンを示す。
【0030】
ここで、式(III)中のR9及びR10として具体的には、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基等が挙げられ、それらの置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、L3における置換基としては、アルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0031】
さらに、ピリリウム系、及びチアピリリウム系色素としては、特に、下記一般式(IVa)、(IVb)、または(IVc)で表されるものが好ましい。
Figure 0004234920
【0032】
式(IVa)、(IVa)、及び(IVc)中、Z1及びZ4は各々独立して、酸素原子又は硫黄原子を表し、R11、R12、R13、及びR14は各々独立して、水素原子又はアルキル基、又は、R11とR13、及びR12とR14が互いに連結して炭素原子数5又は6のシクロアルケン環を形成していてもよく、L4は置換基を有していてもよいモノ、トリ、又はペンタメチン基を表し、該トリ又はペンタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素原子数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、ピリリウム環及びチアピリリウム環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。X-は対アニオンを示す。
【0033】
ここで、式(IVa)、(IVa)、及び(IVc)のL4における置換基としては、アルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、ピリリウム環及びチアピリリウム環における置換基としては、フェニル基、ナフチル基等のアリール基等が挙げられる。
【0034】
なお、前記一般式(Ia)〜(Ic)、(II)、(III)、及び(IVa)〜(IVc)における対アニオンX-としては、例えば、Cl-、Br-、I-、ClO4 -、PF6 -、及び、BF4 -、BCl4 -等の無機硼酸等の無機酸アニオン、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、酢酸、及び、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、メトキシフェニル、ナフチル、ジフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、チエニル、ピロリル等の有機基を有する有機硼酸等の有機酸アニオンを挙げることができる。これらの中で、硼酸アニオンを対イオンに有する色素は、塗布溶剤に対する溶解性に優れるので、低沸点の溶剤の使用が可能となること等から、好ましい。
【0035】
前記一般式(Ia)〜(Ic)で表されるキノリン系色素、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系色素、前記一般式(III)で表されるイミノシクロヘキサジエン系色素、及び前記一般式(IVa)〜(IVc)で表されるピリリウム系又はチアピリリウム系色素の各具体例を以下に示す。
【0036】
【化1】
Figure 0004234920
【0037】
【化2】
Figure 0004234920
【0038】
【化3】
Figure 0004234920
【0039】
【化4】
Figure 0004234920
【0040】
【化5】
Figure 0004234920
【0041】
【化6】
Figure 0004234920
【0042】
【化7】
Figure 0004234920
【0043】
【化8】
Figure 0004234920
【0044】
【化9】
Figure 0004234920
【0045】
【化10】
Figure 0004234920
【0046】
ポジ型感光性組成物における、上記(A)成分である近赤外線を吸収して熱に変換する光熱変換物質の含有量は、1〜70質量%であるのが好ましく、2〜60質量%であるのが特に好ましく、3〜50質量%であるのが更に好ましい。
【0047】
感光層における(B)成分である、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性有機高分子物質としては、例えば、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、フェノール性水酸基を有するアクリル酸誘導体の共重合体等が挙げられ、中でも、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、又はポリビニルフェノール樹脂が好ましく、特に、ノボラック樹脂が好ましい。
【0048】
ノボラック樹脂は、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、プロピルフェノール、n−ブチルフェノール、tert−ブチルフェノール、1−ナフトール、2−ナフトール、4,4’−ビフェニルジオール、ビスフェノール−A、ピロカテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、1,2,4−ベンゼントリオール、フロログルシノール等のフェノール類の少なくとも1種を、酸性触媒下、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類(尚、ホルムアルデヒドに代えてパラホルムアルデヒドを、アセトアルデヒドに代えてパラアルデヒドを、用いてもよい。)、又は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、の少なくとも1種と重縮合させた樹脂である。
【0049】
前記ノボラック樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、好ましくは1,000〜15,000、特に好ましくは1,500〜10,000のものが用いられる。
【0050】
また、レゾール樹脂は、ノボラック樹脂の重縮合における酸触媒に代えてアルカリ触媒を用いる以外は同様にして重縮合させた樹脂であって、前記ノボラック樹脂におけると同様の重量平均分子量(Mw)のものが好ましい。
【0051】
ポリビニルフェノール樹脂は、例えば、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、ジヒドロキシスチレン、トリヒドロキシスチレン、テトラヒドロキシスチレン、ペンタヒドロキシスチレン、2−(o−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(m−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピレン等のヒドロキシスチレン類(なお、これらは、ベンゼン環に塩素、臭素、ヨウ素、フッ素等のハロゲン原子、あるいは炭素原子数1〜4のアルキル基を置換基として有していてもよい。)の単独または2種以上を、ラジカル重合開始剤又はカチオン重合開始剤の存在下で重合させた樹脂である。
【0052】
前記ポリビニルフェノール樹脂は、重量平均分子量(Mw)が、好ましくは1,000〜100,000、特に好ましくは1,500〜50,000のものが用いられる。
【0053】
ノボラック樹脂、レゾール樹脂、及びポリビニルフェノール樹脂の分子量が、前記範囲よりよりも小さいとレジストとしての十分な塗膜が得られず、前記範囲よりも大きいとアルカリ現像液に対する溶解性が小さくなり、露光部分の抜けが不十分となってレジストのパターンが得られにくくなる傾向となる。
【0054】
前記(B)成分として、具体的には、芳香族環1個当たりに結合したフェノール性水酸基が1個である化合物を用いて重縮合されたアルカリ可溶性有機高分子物質(B1)と、芳香族環1個当たりに結合したフェノール性水酸基が2個以上である化合物を用いて重縮合されたアルカリ可溶性有機高分子物質(B2)とを少なくとも含ませるのが好ましい。
(B1)成分としては、ノボラック樹脂及びレゾール樹脂における前記フェノール類の中で、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、プロピルフェノール、n−ブチルフェノール、tert−ブチルフェノール、1−ナフトール、2−ナフトール、4,4’−ビフェニルジオール、ビスフェノール−A等があり、中で、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノールが好ましく、特に、m−クレゾール:p−クレゾール:2,5−キシレノール:3,5−キシレノールの混合割合がモル比で40〜100:0〜50:0〜20:0〜20の混合フェノール類、又は、フェノール:m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で1〜100:0〜70:0〜60の混合フェノール類が好ましい。なお、ポジ型感光性組成物には後述する溶剤抑止剤を含有させてもよく、その場合は、m−クレゾール:p−クレゾール:2,5−キシレノール:3,5−キシレノールの混合割合がモル比で70〜100:0〜30:0〜20:0〜20の混合フェノール類、又は、フェノール:m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で10〜100:0〜60:0〜40の混合フェノール類が好ましい。
【0055】
また、ポリビニルフェノール樹脂における前記ヒドロキシスチレン類の中で、例えば、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−(o−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(m−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピレン等があり、中で、ベンゼン環に炭素数1〜4のアルキル基を置換基として有していてもよいヒドロキシスチレン類が好ましく、特に、無置換のベンゼン環のヒドロキシスチレン類が好ましい。
【0056】
(B2)成分は、前記のフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性有機高分子物質の中で、芳香族環1個当たりに結合したフェノール性水酸基が2個以上である化合物を用いて重縮合されたアルカリ可溶性有機高分子物質である。
このような化合物としては、ノボラック樹脂及びレゾール樹脂における前記フェノール類の中で、例えば、ピロカテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、1,2,4−ベンゼントリオール、フロログルシノール等があり、中で、ハイドロキノン、ピロガロール、フロログルシノールが好ましい。又、ポリビニルフェノール樹脂における前記ヒドロキシスチレン類の中で、例えば、ジヒドロキシスチレン、トリヒドロキシスチレン、テトラヒドロキシスチレン、ペンタヒドロキシスチレン等がある。
【0057】
ポジ型感光性組成物における(B)成分としての前記アルカリ可溶性有機高分子物質の含有割合は、30〜99質量%であるのが好ましく、40〜98質量%であるのが特に好ましく、50〜97質量%であるのが更に好ましい。又、(B1)成分としての前記アルカリ可溶性有機高分子物質と、(B2)成分としての前記アルカリ可溶性高分子物質との割合は、(B1)成分100質量部に対して(B2)成分1〜50質量部の割合であるのが好ましく、5〜30質量部の割合であるのが特に好ましい。(B2)成分の割合が前記範囲未満であると耐刷力の向上が認められない傾向となり、一方、前記範囲を超過すると画像の形成自体が困難な傾向となる。
【0058】
また、ポジ型感光性組成物には、露光部と非露光部のアルカリ現像液に対する溶解性の差を増大させる目的で、溶解抑止剤(C)成分を含有させることができる。該(C)成分は、(B)成分のアルカリ可溶性有機高分子物質と水素結合を形成して該高分子物質の溶解性を低下させる機能、具体的には、組成物のアルカリ現像液に対する溶解速度を80%以下に、好ましくは50%以下に、特に好ましくは30%以下に抑制する機能を有し、かつ、近赤外線領域の光を殆ど吸収せず、近赤外線領域の光で分解されないものが好ましい。
【0059】
(C)成分の溶解抑止剤としては、常温常圧で固体であるか、常圧で沸点180℃以上の液体であるものが好ましく、代表的なものとして、例えば、特開平10−268512号公報に詳細に記載されているスルホン酸エステル類、燐酸エステル類、芳香族カルボン酸エステル類、芳香族ジスルホン類、カルボン酸無水物類、芳香族ケトン類、芳香族アルデヒド類、芳香族アミン類、芳香族エーテル類等、同じく、例えば特開平11−190903号公報に詳細に記載されている、ラクトン骨格、N,N−ジアリールアミド骨格、ジアリールメチルイミノ骨格を有する色素、特開平11−143076号公報に詳細に記載されている、ラクトン骨格、チオラクトン骨格、スルホラクトン骨格を有する色素等が挙げられる。
【0060】
更に、溶解抑止剤として、例えば、ポリエチレングリコール及びその誘導体類、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールエーテル誘導体類、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー類、ポリエチレングリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコールアルキルアミン類、ポリエチレングリコールアルキルアミノエーテル類、ポリプロピレングリコールグリセリルエーテル類、グリセリン脂肪酸エステル及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、ソルビット脂肪酸エステル及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、ペンタエリスリット脂肪酸エステル及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、グリセロールボレイト脂肪酸エステル及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、脂肪酸アルカノールアミド及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、フィトステロールのポリエチレンオキサイド付加物類、フィトスタノールのポリエチレンオキサイド付加物類、植物油のポリエチレンオキサイド付加物類、ラノリンのポリエチレンオキサイド付加物類、ラノリンアルコールのポリエチレンオキサイド付加物類、蜜蝋誘導体のポリエチレンオキサイド付加物類、アルキルフェニルホルムアルデヒド縮合体のポリエチレンオキサイド付加物類、又、パーフルオロ基を側鎖に有するアクリル系オリゴマーであるフッ素系界面活性剤類等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0061】
以上に述べてきた溶解抑止剤のなかで、スルホン酸エステル類、ラクトン骨格を有する酸発色性色素、及び、HLB10以上であって、ポリエチレングリコール類、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー類、ポリエチレングリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、ソルビット脂肪酸エステル及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、ペンタエリスリット脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類等の非イオン性界面活性剤が好ましい。
【0062】
ポジ型感光性組成物における(C)成分である溶解抑止剤の含有量は、前記(A)成分と前記(B)成分の合計量100質量部に対して、0〜50質量部であるのが好ましく、1〜40質量部であるのが特に好ましく、5〜30質量部であるのが更に好ましい。
【0063】
ポジ型感光性組成物には、上記に述べてきた(A)、(B)及び(C)成分以外に、例えば、塗布性改良剤、現像性改良剤、密着性改良剤、感度改良剤、感脂化剤等の感光性組成物に通常用いられる各種の添加剤が含有されてもよい。そのような添加剤の含有量は、前記(A)成分と前記(B)成分の合計量100質量部に対して、一般的に10質量部以下、好ましくは0.1〜5質量部の範囲が適当である。
【0064】
ポジ型感光性組成物は、通常、前記各成分を適当な溶媒に溶解した溶液として、上記に説明したアルミニウム支持体表面に塗布した後、加熱、乾燥することにより、支持体表面に該感光性組成物層が形成されたポジ型感光性平版印刷版とされる。
【0065】
ここで、上記溶媒としては、使用成分に対して十分な溶解度を持ち、良好な塗膜性を与えるものであれば特に制限はないが、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のプロピレングリコール系溶媒、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル等のエステル系溶媒、ヘプタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール等のアルコール系溶媒、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の高極性溶媒、あるいはこれらの混合溶媒、更にはこれらに芳香族炭化水素を添加したもの等が挙げられる。溶媒の使用割合は、感光性組成物の総量に対して、通常、質量比で1〜20倍程度の範囲である。
【0066】
また、その塗布方法としては、従来公知の方法、例えば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布、及びカーテン塗布等を用いることができる。塗布量は用途により異なるが、乾燥膜厚として、通常、0.3〜7μm、好ましくは0.5〜5μm、特に好ましくは1〜3μmの範囲とする。尚、その際の乾燥温度としては、例えば、20〜170℃程度、好ましくは30〜150℃程度、乾燥時間としては、例えば、5秒〜10分間程度、好ましくは10秒〜5分間程度が採られる。尚、画像形成時のコントラストの向上、及び、画像形成性の経時安定性の向上等を目的として、例えば、40〜120℃程度、好ましくは40〜70℃程度の温度で、5分〜100時間程度、好ましくは30分〜75時間程度の後加熱処理を施すことが好ましい。
【0067】
このようにして得られたアルミニウム支持体上に感光層を設けた平版印刷版原版を、画像露光する光源としては、主として、HeNeレーザー、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、HeCdレーザー、半導体レーザー、ルビーレーザー等のレーザー光源が挙げられる。特に、光を吸収して発生した熱により画像形成させる場合には、650〜1300nmの近赤外レーザー光線を発生する光源が好ましく、例えば、ルビーレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー、LED等の固体レーザーを挙げることができ、特に、小型で長寿命な半導体レーザーやYAGレーザーが好ましい。これらの光源により、通常、走査露光した後、現像液にて現像し画像が形成される。
【0068】
なお、レーザー光源は、通常、レンズにより集光された高強度の光線(ビーム)として感光性組成物層表面を走査するが、それに感応する本発明での感光性組成物層の感度特性(mJ/cm2)は受光するレーザービームの光強度(mJ/s・cm2)に依存することがある。ここで、レーザービームの光強度は、光パワーメーターにより測定したレーザービームの単位時間当たりのエネルギー量(mJ/s)を感光性組成物層表面におけるレーザービームの照射面積(cm2)で除することにより求めることができる。レーザービームの照射面積は、通常、レーザーピーク強度の1/e2強度を越える部分の面積で定義されるが、簡易的には相反則を示す感光性組成物を感光させて測定することもできる。光源の光強度としては、2.0×106mJ/s・cm2以上とすることが好ましく、1.0×107mJ/s・cm2以上とすることが特に好ましい。光強度が前記範囲であれば、ポジ型感光性組成物層の感度特性を向上させ得る、走査露光時間を短くすることができ実用的に大きな利点となる。
【0069】
[現像液]
本発明の製版方法に用いるアルカリ現像処理液は、少なくとも一種の非還元糖と、少なくとも一種の塩基とを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
この現像液を用いて、赤外線感光性平版印刷版原版の現像処理を行うと、該赤外線感光性平版印刷版原版における感光層の表面を劣化させることがなく、該感光層の着肉性を良好な状態に維持することができる。また、赤外線感光性平版印刷版原版は、現像ラチチュードが狭く、現像液pHによる画線幅等の変化が大きいが、pHの変動を抑える緩衝性を有する非還元糖が現像液に含まれているため、従来におけるシリケートを含む現像処理液を用いた場合に比べて有利である。更に、非還元糖は、シリケートに比べて液活性度を制御するための電導度センサ−やpHセンサ−等を汚染し難いため、この点でも有利である。
【0070】
(非還元糖)
前記非還元糖とは、遊離のアルデヒド基やケトン基を持たず、還元性を示さない糖類であり、還元基同士の結合したトレハロース型少糖類、糖類の還元基と非糖類が結合した配糖体、及び糖類に水素添加して還元した糖アルコールに分類され、何れも本発明において好適に用いることができる。特開平8−305039号公報に記載された非還元糖を好適に使用することができる。
【0071】
前記トレハロース型少糖類としては、例えば、サッカロース、トレハロース等が挙げられる。前記配糖体としては、例えば、アルキル配糖体、フェノール配糖体、カラシ油配糖体等が挙げられる。前記糖アルコールとしては、例えば、D,L−アラビット、リビット、キシリット、D,L−ソルビット、D,L−マンニット、D,L−イジット、D,L−タリット、ズリシット、アロズルシット等が挙げられる。更に、二糖類のマルトースに水素添加したマルチトール、オリゴ糖の水素添加で得られる還元体(還元水あめ)等が好適に挙げられる。これらの非還元糖の中でも、トレハロース型少糖類、糖アルコールが好ましく、その中でも、D−ソルビット、サッカロース、還元水あめ、等が適度なpH領域に緩衝作用があり、低価格である点で好ましい。
【0072】
これらの非還元糖は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。前記非還元糖のアルカリ現像処理液中における含有量としては、0.1〜30質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満であると十分な緩衝作用が得られず、30質量%を越えると高濃縮化し難く、また原価アップの問題が出てくる。
【0073】
(塩基)
前記塩基としては、従来より公知のアルカリ剤、例えば、無機アルカリ剤、有機アルカリ剤等が挙げられる。前記無機アルカリ剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、燐酸三ナトリウム、燐酸三カリウム、燐酸三アンモニウム、燐酸二ナトリウム、燐酸二カリウム、燐酸二アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、硼酸ナトリウム、硼酸カリウム、硼酸アンモニウム等が挙げられる。
【0074】
前記有機アルカリ剤としては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン等が挙げられる。
【0075】
前記塩基は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。これらの塩基の中でも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。その理由は、前記非還元糖に対するこれらの量を調整することにより広いpH領域でのpH調整が可能となるためである。また、燐酸三ナトリウム、燐酸三カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等もそれ自身に緩衝作用があるので好ましい。
【0076】
前記塩基は、前記アルカリ現像処理液のpHがアルカリ性になるように、好ましくは9.0〜13.8になるように、より好ましくは10.0〜13.2になるように、前記アルカリ現像処理液に添加される。前記塩基の前記アルカリ現像処理液中における含有量としては、所望のpH、前記非還元糖の種類、添加量等に応じて適宜決定される。
【0077】
本発明の製版方法に用いる現像液としてはまた、前記非還元糖と前記塩基との併用に代えて、前記非還元糖のアルカリ金属塩を主成分として用いることもできる。前記非還元糖のアルカリ金属塩は、前記非還元糖と、アルカリ金属水酸化物とを混合し、該非還元糖の融点以上に加熱し脱水すること、あるいは、前記非還元糖とアルカリ金属水酸化物との混合水溶液を乾燥することによって得られる。
【0078】
上記の現像液に、前記非還元糖以外の弱酸と強塩基とからなるアルカリ性緩衝液を併用することができる。前記弱酸としては、解離定数(pKa)が10.0〜13.2のものが好ましく、例えば、Pergamon Press社発行のIONISATION CONSTANTS OF ORGANIC ACIDS IN AQUEOUSSOLUTION等に記載されているものから選択できる。
【0079】
具体的には、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノ−ル−1(pKa 12.74)、トリフルオロエタノール(同12.37)、トリクロロエタノール(同12.24)等のアルコール類、ピリジン−2−アルデヒド(同12.68)、ピリジン−4−アルデヒド(同12.05)等のアルデヒド類、サリチル酸(同13.0)、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(同12.84)、カテコール(同12.6)、没食子酸(同12.4)、スルホサリチル酸(同11.7)、3,4−ジヒドロキシスルホン酸(同12.2)、3,4−ジヒドロキシ安息香酸(同11.94)、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン(同11.82)、ハイドロキノン(同11.56)、ピロガロール(同11.34)、o−クレゾール(同10.33)、レゾルソノール(同11.27)、p−クレゾール(同10.27)、m−クレゾール(同10.09)等のフェノール性水酸基を有する化合物、
【0080】
2−ブタノンオキシム(同12.45)、アセトキシム(同12.42)、1,2−シクロヘプタンジオンジオキシム(同12.3)、2−ヒドロキシベンズアルデヒドオキシム(同12.10)、ジメチルグリオキシム(同11.9)、エタンジアミドジオキシム(同11.37)、アセトフェノンオキシム(同11.35)等のオキシム類、アデノシン(同12.56)、イノシン(同12.5)、グアニン(同12.3)、シトシン(同12.2)、ヒポキサンチン(同12.1)、キサンチン(同11.9)等の核酸関連物質、
【0081】
他に、ジエチルアミノメチルホスホン酸(同12.32)、1−アミノ−3,3,3−トリフルオロ安息香酸(同12.29)、イソプロピリデンジホスホン酸(同12.10)、1,1−エチリデンジホスホン酸(同11.54)、1,1−エチリデンジホスホン酸1−ヒドロキシ(同11.52)、ベンズイミダゾール(同12.86)、チオベンズアミド(同12.8)、ピコリンチオアミド(同12.55)、バルビツル酸(同12.5)等が好適に挙げられる。これらの弱酸の中でも、スルホサリチル酸、サリチル酸が好ましい。
【0082】
これらの弱酸に組み合わせる強塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が好適に挙げられる。これらの強塩基は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。前記強塩基は、適宜選択した濃度及び組み合わせによりpHを好ましい範囲内に調整して使用される。
【0083】
現像液におけるその他の成分として、現像性の促進や現像カスの分散、感光性平版印刷原版の画像部の親インキ性を高める等の目的で、必要に応じて界面活性剤、現像安定剤、有機溶剤、還元剤、有機カルボン酸、硬水軟化剤等、更に公知の防腐剤、着色剤、増粘剤、消泡剤等を現像液に添加してもよい。
【0084】
(界面活性剤)
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
【0085】
非イオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、しょ糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシド等が好適に挙げられる。
【0086】
アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、αオレフィンスルホン酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム塩、N−アルキルスルホ琥珀酸モノアミド二ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類等が好適に挙げられる。
【0087】
前記カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩類、テトラブチルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体等が挙げられる。前記両性界面活性剤としては、例えば、カルボキシベタイン類、アルキルアミノカルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミダゾリン類等が挙げられる。
【0088】
以上の界面活性剤のうち、「ポリオキシエチレン」とあるものは、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン等のポリオキシアルキレンに読み替えることもでき、それらもまた前記界面活性剤に包含される。
【0089】
好ましい界面活性剤としては、分子内にパーフルオロアルキル基を含有するフッ素系界面活性剤が挙げられる。このようなフッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等のアニオン型、パーフルオロアルキルベタイン等の両性型、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩等のカチオン型、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキル基及び親水性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基及び親油性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基、親水性基及び親油性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基及び親油性基含有ウレタン等の非イオン型が挙げられる。
【0090】
前記界面活性剤は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。前記界面活性剤の現像液中における含有量としては、通常0.001〜10質量%であり、0.01〜5質量%が好ましい。
【0091】
(現像安定化剤)
現像安定化剤としては、例えば、特開平6−282079号公報に記載の糖アルコールのポリエチレングリコール付加物、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウム塩、テトラブチルホスホニウムブロマイド等のホスホニウム塩、ジフェニルヨードニウムクロライド等のヨードニウム塩が好ましい例として挙げられる。また、特開昭50−51324号公報に記載のアニオン界面活性剤、両性界面活性剤、特開昭55−95946号公報に記載の水溶性カチオニックポリマー、特開昭56−142528号公報に記載の水溶性の両性高分子電解質等が挙げられる。
【0092】
更に、特開昭59−84241号公報に記載のアルキレングリコールが付加された有機ホウ素化合物、特開昭60−111246号公報に記載のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック重合型の水溶性界面活性剤、特開昭60−129750号公報に記載のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンを置換したアルキレンジアミン化合物、特開昭61−215554号公報に記載の重量平均分子量300以上のポリエチレングリコール、特開昭63−175858号公報に記載のカチオン性基を有する含フッ素界面活性剤、特開平2−39157号公報に記載の酸又はアルコールに4モル以上のエチレンオキシドを付加して得られる水溶性エチレンオキシド付加化合物と、水溶性ポリアルキレン化合物等が挙げられる。
【0093】
(有機溶剤)
有機溶剤としては、例えば、水に対する溶解度が約10質量%以下のものが好ましく、5質量%以下のものがより好ましい。前記有機溶剤の具体例としては、1−フェニルエタノール、2−フェニルエタノール、3−フェニル−1−プロパノール、4−フェニル−1−ブタノール、4−フェニル−2−ブタノール、2−フェニル−1−ブタノール、2−フェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノール、o−メトキシベンジルアルコール、m−メトキシベンジルアルコール、p−メトキシベンジルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、N−フェニルエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン等が挙げられる。
【0094】
現像液中における前記有機溶剤の含有量としては、現像液の総重量に対して0.1〜5質量%程度である。前記含有量は、前記界面活性剤の前記アルカリ現像処理液中における含有量と密接な関係があり、前記有機溶剤の量が増すにつれ、前記界面活性剤の量は増加させることが好ましい。これは、前記界面活性剤の量を少なくし、前記有機溶剤の量を多くすると、該有機溶剤が完全に溶解せず、良好な現像性の確保が期待できなくなるからである。
【0095】
(還元剤)
還元剤としては、有機還元剤、無機還元剤等が挙げられる。これらの還元剤は、印刷版の汚れを防止するのに役立つ。有機還元剤の好ましい具体例としては、チオサリチル酸、ハイドロキノン、メトール、メトキシキノン、レゾルシン、2−メチルレゾルシン等のフェノール化合物、フェニレンジアミン、フェニルヒドラジン等のアミン化合物等が挙げられる。無機還元剤の好ましい具体例としては、亜硫酸、亜硫酸水素酸、亜リン酸、亜リン酸水素酸、亜リン酸二水素酸、チオ硫酸、亜ジチオン酸等の無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。これらの中でも、汚れ防止効果が特に優れている点で、亜硫酸塩が好ましい。前記還元剤の現像液中における含有量としては、現像液の総重量に対して0.05〜5質量%程度である。
【0096】
(有機カルボン酸)
有機カルボン酸としては、炭素原子数6〜20の脂肪族カルボン酸及び芳香族カルボン酸等が挙げられる。前記炭素原子数6〜20の脂肪族カルボン酸の具体例としては、カプロン酸、エナンチル酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等が挙げられる。これらの中でも、炭素数8〜12のアルカン酸が特に好ましい。また、これらは、炭素鎖中に二重結合を有する不飽和脂肪酸でもよいし、枝分かれした炭素鎖のものでもよい。
【0097】
前記炭素原子数6〜20の芳香族カルボン酸の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等にカルボキシル基が置換された化合物等が挙げられ、より具体的には、o−クロロ安息香酸、p−クロロ安息香酸、o−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、o−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸等が挙げられる。これらの中でも、ヒドロキシナフトエ酸が特に好ましい。
【0098】
前記脂肪族カルボン酸及び前記芳香族カルボン酸は、水溶性を高める点で、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等として用いるのが好ましい。前記有機カルボン酸の現像液中における含有量としては、特に制限はないが、通常0.1〜10質量%程度であり、0.5〜4質量%が好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満であると、その添加効果が十分でなく、10質量%を越えても、それに見合う効果が得られない上、併用する別の添加剤の前記アルカリ現像処理液中への溶解を妨げることがある。
【0099】
(硬水軟化剤)
硬水軟化剤としては、例えば、ポリ燐酸並びにそのナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、ニトリロトリ酢酸、1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸、1,3−ジアミノ−2−プロパノールテトラ酢酸等のアミノポリカルボン酸並びにそれらのナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、トリエチレンテトラミンヘキサ(メチレンホスホン酸)、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸並びにそれらのナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩等が挙げられる。
【0100】
硬水軟化剤は、そのキレート化力と使用される硬水の硬度及び量によって現像液中における最適含有量が変化するが、一般的には、0.01〜5質量%程度であり、0.01〜0.5質量%が好ましい。前記含有量が、0.01質量%未満であるとその添加効果が十分でないことがあり、5質量%を越えると、色抜け等画像部への悪影響が生じることがある。
【0101】
[現像処理]
平版印刷版原版は露光後に、上述のような現像液によって直ちに現像処理を行ってもよいが、赤外線照射と現像処理との間に加熱処理を行うことが好ましい。この加熱処理は、80〜150℃で10秒〜5分間行うことが好ましい。この加熱処理により、レーザーの照射の際、記録に必要なレーザーエネルギーを減少させることができる。
前記平版印刷版原版の現像処理には、自動現像機を好適に用いることができる。この場合、製版作業を合理化及び標準化でき、有利である。前記自動現像機は、一般に、現像部と後処理部とを有し、前記赤外線感光性平版印刷原版を搬送する装置、各処理液槽、スプレ−装置等からなり、露光済みの前記赤外線感光性平版印刷原版を水平に搬送しながら、ポンプで汲み上げたアルカリ現像処理液等をスプレ−ノズルから吹き付けて現像処理及び後処理を行うものである。
【0102】
本発明においては、前記赤外線感光性平版印刷原版に対して、現像処理装置を用いてポンプで汲み上げたアルカリ現像処理液等をスプレ−ノズルから吹き付けて現像処理を行ってもよいし、また、アルカリ現像処理液が満たされた現像処理液槽中に液中ガイドロ−ル等を用いて浸漬搬送させて現像処理してもよい。
【0103】
現像処理後、得られた平版印刷版は、通常、水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体等を主成分とするフィニッシャーや保護ガム液を用いて後処理が施される。本発明においては、これらの後処理を種々組み合わせて用いることができ、例えば、水洗→フィニッシングガム処理、界面活性剤含有リンス液→フィニッシング処理、2段向流フィニッシングガム処理等が好ましい例として挙げられる。なお、本発明においては、現像処理後、一定量の少量の水を版面に供給して水洗し、その廃水を前記アルカリ現像処理液の原液の希釈水として再利用してもよい。前記現像処理は、現像処理量や稼動時間等に応じて、前記アルカリ現像処理液が適宜補充される連続方式でもよいし、また、実質的に未使用の前記アルカリ現像処理液で処理するいわゆる使い捨て方式でもよい。
【0104】
以上の現像処理により得られた平版印刷版における不要な画像部(例えば原画フィルムのフィルムエッジ跡等)の消去が行なわれる。このような消去は、例えば、特公平2−13293号公報に記載されているような消去液を不要画像部に塗布し、そのまま所定の時間放置したのちに水洗することにより行なう方法が好ましいが、特開平59−174842号公報に記載されているようなオプティカルファイバーで導かれた活性光線を不要画像部に照射した後に現像処理する方法も利用できる。
【0105】
前記平版印刷版は所望により不感脂化ガムを塗布した後、印刷工程に供することができるが、より一層の高耐刷力の平版印刷版としたい場合には、バーニング処理が施される。前記平版印刷版をバーニング処理する場合には、バーニング処理前に特公昭61−2518号、同55−28062号、特開昭62−31859号、同61−159655号の各公報に記載されているような整面液で処理することが好ましい。その処理の方法としては、該整面液を浸み込ませたスポンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗布するか、整面液を満たしたバット中に印刷版を浸漬して塗布する方法や、自動コーターによる塗布等が適用される。また、塗布した後でスキージ、あるいは、スキージローラーで、その塗布量を均一にすることは、より好ましい結果を与える。前記整面液の塗布量としては、一般に0.03〜0.8g/m2(乾燥重量)程度が適当である。
【0106】
前記整面液が塗布された前記平版印刷版は、必要に応じて乾燥された後、バーニングプロセッサー(例えば、富士写真フイルム(株)より販売されているバーニングプロセッサー:BP−1300)等で高温に加熱される。この場合の加熱温度及び時間は、画像を形成している成分の種類にもよるが、100〜300℃で、1〜20分程度が好ましい。前記バーニング処理された前記平版印刷版には、必要に応じて適宜、水洗、ガム引き等の従来より行なわれている処理を施こすことができるが、水溶性高分子化合物等を含有する整面液が使用された場合には、ガム引き等のいわゆる不感脂化処理を省略することができる。
【0107】
以上のような処理によって得られた平版印刷版は、オフセット印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
【発明の効果】
本発明の製版方法によれば、印刷汚れや指紋汚れのない平版印刷版を製造することができる。
【0108】
【実施例】
以下実施例により、本発明を更に具体的に説明する。
実施例1
厚さ0.30mmのアルミニウム板を、3質量%水酸化ナトリウムに70℃で60秒間浸漬して脱脂処理した後、流水で水洗した。これを1.2重量%塩酸水溶液中で、25℃、80A/dm2の電流密度で電解粗面化処理を行った。ひきつづいて水洗後、1.0重量%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し55℃で5秒間デスマットした後、30重量%硫酸水溶液中で、砂目立てした面に陰極を配置して、30℃、電流密度10A/dm2において厚さが2.7g/m2になるように陽極酸化処理した。更に90℃の熱水にて封孔処理後、水洗して平版印刷版用支持体を作製した。
【0109】
得られた支持体に以下の感光層塗布液を塗布量が1.8g/m2になるよう塗布し、乾燥して、実施例1の平版印刷版原版1を得た。
[感光層塗布液]
m,p−クレゾールノボラック 1.0g
(m/p比=6/4、重量平均分子量8000、
未反応クレゾール0.5重量%含有)
シアニン染料A(下記構造) 0.1g
テトラヒドロ無水フタル酸 0.05g
p−トルエンスルホル酸 0.002g
エチルバイオレットの対イオンを
6−ヒドロキシ−β−ナフタレンスルホン酸にしたもの 0.02g
フッ素系界面活性剤
(メガファックF−177、大日本インキ化学工業(株)製) 0.05g
メチルエチルケトン 12g
【0110】
Figure 0004234920
【0111】
次いで、下記アルカリ現像液A1、補充液B1及び版面保護剤FP−2W(富士写真フイルム(株)製)を準備した
Figure 0004234920
【0112】
Figure 0004234920
【0113】
浸漬型現像槽を有する市販の自動現像機LP−900H(富士写真フィルム(株)製)の現像処理槽に、上記組成のアルカリ現像液A1(pH約13)を20リットル仕込み、30℃に保温した。LP−900Hの第二浴目には、水道水を8リットル、第三浴目には、版面保護剤FP−2W(富士写真フイルム(株)製):水=1:1稀釈した版面保護剤液を8リットル仕込んだ。
【0114】
平版印刷版原版1(1030m×800mm×0.24mm厚)をクレオ社製プレートセッターTrendsetter 3244Fを用いて、(出力:9.0W、回転数:150rpm、解像度2400dpi、画像面積約20%)で露光した。露光した平版印刷版原版1を上記のLP−900Hで、一版現像処理する毎に、上記組成の現像補充液B1を80ccずつ補充、一時間毎に現像補充液B1を100ccずつ補充しながら処理した。
このようにして得られた平版印刷版1を、ハイデルKOR印刷機で印刷した。何れの印刷版からも非画像部に汚れのない良好な印刷物が100,000枚得られた。
更に、平版印刷版1を素手でさわり、指紋を付けた後、35℃湿度85%の条件で一晩置いた印刷版を印刷したところ、汚れは生じなかった。
【0115】
比較例1
実施例1で用いたアルカリ現像液A1及びアルカリ現像補充液B1の代わりに、下記アルカリ現像液a1及びアルカリ現像補充液b1を用いた他は、全て実施例1と同様にして平版印刷版2を得た。
[アルカリ現像液a1の組成]
・SiO2・K2O(SiO2/K2O=0.9(モル比)) 4.0質量%
・クエン酸 0.5質量%
・ポリエチレングリコール(重量平均分子量=1000) 0.5質量%
・水 95.0質量%
[アルカリ現像補充液b1の組成]
・SiO2・K2O(SiO2/K2O=0.9(モル比)) 5.0質量%
・クエン酸 0.6質量%
・ポリエチレングリコール(重量平均分子量=1000) 0.6質量%
・水 93.8質量%
【0116】
このようにして得られた平版印刷版2と実施例1の印刷版1を並べてハイデルKOR−D印刷機で印刷した。何れの印刷版からも汚れのない印刷物が得られたが、湿し水の供給目盛りを絞り、印刷版版上の湿し水量を減らしていくと、比較例1の印刷版の方が水目盛り85で印刷物に汚れが発生したのに対して、実施例1の印刷版では、水目盛り70に下げるまで汚れは発生せず、水を絞れることによって艶のある印刷物を得ることができた。
更に、平版印刷版1と同2を素手でさわり、指紋を付けた後、35℃湿度85%の条件で一晩置いた印刷版を同様に印刷したところ、実施例1の印刷版1では汚れは生じなかったが、比較例1の印刷版2では素手でさわったところが指紋状に汚れた。

Claims (1)

  1. 電流密度10〜200A/ dm 2 塩酸電解粗面化処理を施したアルミニウム支持体上に、(A)近赤外線を吸収して熱に変換する光熱変換物質、及び(B)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性有機高分子物質を必須成分として含有してなる感光層を設けた平版印刷版原版を、画像露光し、次いで少なくとも一種の非還元糖と少なくとも一種の塩基とを含有するアルカリ現像処理液を用いて現像処理することを特徴とする平版印刷版の製版方法。
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