JP4234110B2 - フルカラー電子写真装置 - Google Patents

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Description

本発明は、タンデム型電子写真方式の画像形成装置に関する。詳しくは、高速フルカラーの画像形成装置に関する。
電子写真方式を利用したフルカラー画像形成装置としては、一般的には2つの方式が知られている。1つはシングル方式あるいはシングルドラム方式呼ばれるものであり、装置中に1つの電子写真感光体が搭載され、4色の現像部材が搭載されたものである。この方式においては、感光体上もしくは被転写部材(出力用の紙に直接、あるいは中間転写体に一旦転写され、その後に紙に転写される)に4色(シアン、マゼンタ、イエローおよびブラック)のトナー像が形成される。この場合、感光体の周りに配置される帯電部材、露光部材、転写部材、クリーニング部材、定着部材は共通化することが可能で、後述のタンデム方式に比べ、小型で、低コストに設計することが可能である。
一方、もう1つの方式としてタンデム方式あるいはタンデムドラム方式と呼ばれるものがある。これは、少なくとも装置中に複数の電子写真感光体が搭載されたものである。一般的には、1本のドラムに対し、帯電、露光、現像、クリーニングの各部材が1つずつ配置され、1つの電子写真要素を形成し、これが複数個(一般的には4つ)搭載されている。この方式においては、1つの電子写真要素で1色のトナー像を形成し、順次、被転写体にトナー像を転写し、フルカラー像を形成する。この方式のメリットは、第1に高速画像形成が可能であることが挙げられる。これは上述のように、各色のトナー像を並列処理にて作製できるためである。このため、シングル方式に比べ、画像形成処理時間がおよそ4分の1の時間で済み、4倍の高速プリントに対応が可能になる。第2のメリットは、感光体をはじめとする前記電子写真要素中に具備された各部材の耐久性を実質的に高められると言うことである。これは、シングル方式においては、1本の感光体で4回の帯電、露光、現像の各工程を行い、1つのフルカラー像を形成するのに対し、タンデム方式では上記動作を1本で1回しか行わないからである。
ところが、装置全体が大きくなってしまうという、またコストが高いものになってしまうというデメリットも併せ持っている。装置全体が大きくなる点に関しては、感光体を小径化し、感光体周りに設置される各部材を小型化し、1つの電子写真要素を小さくすることで対応が行われてきた。これにより、装置の小型化のみならず材料費の低減といった効果も生じ、装置全体としての低コスト化も多少進んだ。しかしながら、装置のコンパクト化・小型化に伴い、電子写真要素に搭載された感光体を含めた各部材の耐久性を上げなければならないという、新しい課題も新たに発生した。
このような課題に対し、無機系光導電材料の代表であるアモルファスシリコンを用いた画像形成装置も提案されているが、光導電層にアモルファスシリコンを用いた感光体は、帯電能が低く、シアン、マゼンタ、イエローの各色においてコントラストが得られないという問題点がある。この問題に対し、特開平10−333393号公報では、黒色トナー像を使用する感光体に特定の膜厚以上のアモルファスシリコン感光体を用い、他のカラー3色用としてOPC(有機感光体)を用いる提案がなされている。この場合、アモルファスシリコン感光体の帯電能の低さをカバーするために、OPCとアモルファスシリコン感光体の帯電差を所定(200V)以下にコントロールして用いるものであった。また、特開平11−82599号公報では、黒色トナー像を使用する感光体に特定の膜厚以上のa−SiC光導電層からなるものを使用する提案がなされている。この場合にも、黒色トナー像を使用する感光体の電位コントロールを行うものであった。
いずれもフルカラープリンタもしくは複写機において、出力される原稿のうち、モノクロ(黒色)印字の割合が多く、黒色トナー像を形成する感光体の耐久性を高めることで、実質的にシステム全体の耐久性を高めようとするものである。この考え方はコストを考慮した寿命設計上、極めてリーズナブルな考え方である。しかしながら、1つの画像形成装置中に複数個の画像形成要素を用い、お互いに光導電層が異なる感光体を設置すると、それぞれの特性差により所望通りの着色が得られない問題が発生する。この点に関しては、前記公報中にも記載がある。この点に関し、特定の電位コントロールを行うことにより、この欠点をカバーするものであった。
しかしながら上記方法では、画像形成装置の使用環境が変化した場合、感光体の特性が変化してしまい、必ずしも狙い通りのコントロールが得られない場合が存在する。また、特定の電位コントロールを行う機能が必要になり、コスト高になってしまう。更に、2種類の感光体を用いることにより、感光体の製造コストが高くなる。特に有機材料で形成されたOPCは大量生産に向いた湿式塗工法により作製され、製造コストが比較的安価で済むことに比べ、アモルファスシリコンに代表される無機系の光導電層を有する感光体は一般的に真空薄膜形成法により成膜されるため、非常に高価な設備を必要とし、バッチ方式になってしまうため、生産性が低いものになってしまう。
以上のような点に鑑み、フルカラータンデム型電子写真装置の低コストでの高耐久化が要望されるものであった。
本発明の目的は、高耐久で繰り返し使用に対し安定な画像を形成可能で、かつ低コストな高速フルカラー用電子写真装置を提供することにある。
本発明は、フルカラー電子写真装置において、黒色トナー像用画像形成要素に搭載される感光体の高耐久化を実現するために、黒色トナー像用画像形成要素に搭載される現像剤中の流動化剤量を、黒色以外のトナー像用画像形成要素に搭載される現像剤中の流動化剤量より少量(低濃度)とすることにより、カラー画像の安定化と黒色トナー像用感光体の高寿命化が同時に達成できることを見いだした。
また、フルカラー電子写真装置において、黒色トナー像用画像形成要素に搭載される感光体の高耐久化を実現するために、黒色トナー像用画像形成要素に搭載されるトナー中にワックスを添加することを必須とすることにより、カラー画像の安定化と黒色トナー像用感光体の高寿命化が同時に達成できることを見いだした。更に、黒色トナー像用画像形成要素に搭載されるトナー中にワックスを添加し、かつ黒色以外のトナー像用画像形成要素に搭載されるトナー中にはワックスを添加しない、もしくは、黒色トナー像用画像形成要素に搭載されるトナー中のワックス量を、黒色以外のトナー像用画像形成要素に搭載されるトナー中のワックス量より多量(高濃度)とすることにより、カラー画像の安定化と黒色トナー像用感光体の高寿命化が同時に達成できることを見いだした。
すなわち、本発明は、帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段、および電子写真感光体を含む画像形成要素を複数配列したフルカラー電子写真装置であって、前記クリーニング手段が帯電手段の上流側に配置され、黒色トナー像を形成する画像形成要素に搭載された現像手段に使用する、黒色着色剤としてカーボンブラックのみを含有する負帯電性の黒色トナー中に添加するワックス量を、黒色以外のトナー像を形成する画像形成要素に搭載された現像手段に使用する負帯電性トナー中に添加するワックス量よりも多くすることを特徴とするフルカラー電子写真装置である。
また、帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段、および電子写真感光体を含む画像形成要素を複数配列したフルカラー電子写真装置であって、前記クリーニング手段が帯電手段の上流側に配置され、黒色トナー像を形成する画像形成要素に搭載された現像手段に使用する、黒色着色剤としてカーボンブラックのみを含有する負帯電性の黒色トナー中にワックスを添加し、かつ黒色以外のトナー像を形成する画像形成要素に搭載された現像手段に使用する負帯電性トナー中にはワックスを添加しないことを特徴とするフルカラー電子写真装置である。
本発明によれば、高耐久で繰り返し使用に対し安定な画像を形成可能で、かつ低コストな高速フルカラー用電子写真装置が提供される。
本発明者らは、検討を重ねた結果、少なくとも低コスト、高速フルカラー対応、高耐久の3つの柱を満足するためには、以下の条件が必要不可欠であることが分かった。すなわち、
(1)タンデム型電子写真装置(画像形成装置)を低コストで高耐久化するためには、耐久性の律速である黒色トナー像を形成する画像形成要素の耐久性を向上することが必要である。具体的には、黒色トナー像を形成する画像形成要素の寿命を他の3色のカラートナー像を形成する画像形成要素の寿命の2倍程度に高めることが必要である。
(2)電子写真装置の使用環境がいろいろ変化することに対応するためには、複数の画像形成要素の環境に対する特性の変化(特に帯電性と光減衰特性が重要)がほぼ同一である必要がある。
(3)低コスト実現に関しては、材料及び製造コストの安い有機系光導電材料を用い、湿式塗工方法にて感光体を作製し、感光層そのものの静電的高耐久化も併せて発現させる必要がある。
一般にカラートナーを使用したシステムにおいては、ガラス転移点(Tg)の低い組成のものが用いられる。このため、流動性が低い。この問題を解決するため、かなり多量の流動化剤を現像剤中に添加している。本発明者、現像剤中の流動化剤と摩耗量の関係について検討した結果、流動化剤と摩耗量には正の相関があり、流動化剤が多いほど摩耗量が多くなることが分かった。
また、ガラス転移点(Tg)の低い組成のカラートナーが用いられると、低温定着が可能になっている反面、定着システムへのオフセット性が悪くなってきている。この問題を解決するため、トナー中にワックスを添加することで、定着ローラーへの離型用オイルの塗布を回避している。本発明者、トナー中のワックス量と摩耗量の関係について検討した結果、ワックス量と摩耗量には負の相関があり、ワックス量が多いほど摩耗量が少なくなることが分かった。
本発明では、タンデム型フルカラー電子写真装置に使用する複数の画像形成要素に搭載される感光体の感光層を有機光導電材料で構成し、複数本とも同一の構成にすることが好ましい。
好ましい実施の形態において、本発明は少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段、および電子写真感光体を具備してなる画像形成要素を複数配列したフルカラー電子写真装置であって、黒色トナー像を形成する画像形成要素に搭載された現像手段に使用する現像剤中の流動化剤量を、黒色以外のトナー像を形成する画像形成要素に搭載された現像手段に使用する現像剤中の流動化剤量より少量とすることを特徴とするフルカラー電子写真装置である。
また、別の好ましい実施の形態では、少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段、および電子写真感光体を具備してなる画像形成要素を複数配列したフルカラー電子写真装置であって、黒色トナー像を形成する画像形成要素に搭載された現像手段に使用するトナー中にワックスを添加することを特徴とするフルカラー電子写真装置である。また、黒色トナー像を形成する画像形成要素に搭載された現像手段に使用するトナー中に添加するワックス量を、黒色以外のトナー像を形成する画像形成要素に搭載された現像手段に使用するトナー中に添加するワックス量よりも多くすることが好ましい。黒色トナー像を形成する画像形成要素に搭載された現像手段に使用するトナ−中にワックスを添加し、かつ黒色以外のトナー像を形成する画像形成要素に搭載された現像手段に使用するトナー中にはワックスを添加しないことがさらに好ましい。
また、すべての画像形成要素に搭載された感光体の感光層が有機系感光層であることが好ましい。感光体の感光層が電荷発生層と電荷輸送層の積層構成からなり、いずれの電荷輸送層にも高分子電荷輸送物質を含有したものがさらに好ましい。高分子電荷輸送物質は、少なくともトリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートを含有することが好ましい。
すべての画像形成要素に搭載された感光体の最表層に保護層を設けることもできる。保護層には、フィラーを含有することができる。また、保護層には電荷輸送物質を含有することもできる。
また、フルカラー電子写真装置のすべての画像形成要素に帯電手段が搭載され、帯電手段としての帯電部材が感光体に対し、接触もしくは近接配置されたものであることが好ましく、前記帯電部材に対し直流成分に交流成分を重畳した電圧を印加することにより、感光体に帯電を与えることがさらに好ましい。
次に図面を用いて本発明の電子写真装置を詳しく説明する。
図1は、本発明の電子写真装置を説明するための概略図であり、下記するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図1において、符号1C,1M,1Y,1Kはドラム状の感光体であり、この感光体1C,1M,1Y,1Kは図中の矢印方向に回転し、その周りに少なくとも回転順に帯電部材2C,2M,2Y,2K、現像部材4C,4M,4Y,4K、クリーニング部材5C,5M,5Y,5Kが配置されている。帯電部材2C,2M,2Y,2Kは、感光体表面を均一に帯電するための帯電装置を構成する帯電部材である。この帯電部材2C,2M,2Y,2Kと現像部材4C,4M,4Y,4Kの間の感光体表面に図示しない露光部材からのレーザー光3C,3M,3Y,3Kが照射され、感光体1C,1M,1Y,1Kに静電潜像が形成されるようになっている。そして、このような感光体1C,1M,1Y,1Kを中心とした4つの画像形成要素6C,6M,6Y,6Kが、転写材搬送手段である転写搬送ベルト10に沿って並置されている。転写搬送ベルト10は各画像形成ユニット6C,6M,6Y,6Kの現像部材4C,4M,4Y,4Kとクリーニング部材5C,5M,5Y,5Kの間で感光体1C,1M,1Y,1Kに当接しており、転写搬送ベルト10の感光体側の裏側に当たる面(裏面)には転写バイアスを印加するための転写ブラシ11C,11M,11Y,11Kが配置されている。各画像形成要素6C,6M,6Y,6Kは現像装置内部のトナーの色が異なるのと、本発明に係わる黒色トナー像形成用現像剤中の流動化剤量は他の現像剤中の流動化剤量と異なる(4K中の現像剤中の流動化剤量が4C、4M、4Yの現像剤中の流動化剤量より少量)だけで、その他は全て同様の構成となっている。
また、別の実施形態では本発明に係わる黒色トナー像形成用トナー中のワックス量は他のトナー中のワックス量と異なる(4K中のトナー中のワックス量が4C、4M、4Yのトナー中のワックス量より多量)だけで、その他は全て同様の構成となっている。
図1に示す構成のカラー電子写真装置において、画像形成動作は次のようにして行われる。まず、各画像形成要素6C,6M,6Y,6Kにおいて、感光体1C,1M,1Y,1Kが矢印方向(感光体と連れ周り方向)に回転する帯電部材2C,2M,2Y,2Kにより帯電され、次に露光部でレーザー光3C,3M,3Y,3Kにより、作成する各色の画像に対応した静電潜像が形成される。次に現像部材4C,4M,4Y,4Kにより潜像を現像してトナー像が形成される。現像部材4C,4M,4Y,4Kは、それぞれC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(ブラック)のトナーで現像を行う現像部材で、4つの感光体1C,1M,1Y,1K上で作られた各色のトナー像は転写紙上で重ねられる。転写紙7は給紙コロ8によりトレイから送り出され、一対のレジストローラー9で一旦停止し、上記感光体上への画像形成とタイミングを合わせて転写搬送ベルト10に送られる。転写搬送ベルト10上に保持された転写紙7は搬送されて、各感光体1C,1M,1Y,1Kとの当接位置(転写部)で各色トナー像の転写が行われる。感光体上のトナー像は、転写ブラシ11C,11M,11Y,11Kに印加された転写バイアスと感光体1C,1M,1Y,1Kとの電位差から形成される電界により、転写紙7上に転写される。そして4つの転写部を通過して4色のトナー像が重ねられた記録紙7は定着装置12に搬送され、トナーが定着されて、図示しない排紙部に排紙される。また、転写部で転写されずに各感光体1C,1M,1Y,1K上に残った残留トナーは、クリーニング装置5C,5M,5Y,5Kで回収される。尚、図1の例では画像形成要素は転写紙搬送方向上流側から下流側に向けてC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(ブラック)の色の順で並んでいるが、この順番に限るものでは無く、色順は任意に設定されるものである。また、黒色のみの原稿を作成する際には、黒色以外の画像形成要素(6C,6M,6Y)が停止するような機構を設けることは本発明に特に有効に利用できる。
更に、図1において帯電部材は感光体と当接しているが、両者の間に適当なギャップ(10〜200μm程度)を設けてやることにより、両者の摩耗量が低減できると共に、帯電部材へのトナーフィルミングが少なくて済み良好に使用できる。
ここでいう接触方式の帯電部材とは、感光体表面に帯電部材の表面が接触するタイプのものであり、帯電ローラー、帯電ブレード、帯電ブラシの形状がある。中でも帯電ローラーや帯電ブラシが良好に使用される。
また、近接配置した帯電部材とは、感光体表面と帯電部材表面の間に200μm以下の空隙(ギャップ)を有するように非接触状態で近接配置したタイプのものである。空隙の距離から、コロトロン、スコロトロンに代表される公知の帯電器とは区別されるものである。本発明において使用される近接配置された帯電部材は、感光体表面との空隙を適切に制御できる機構のものであればいかなる形状のものでも良い。例えば、感光体の回転軸と帯電部材の回転軸を機械的に固定して、適正ギャップを有するような配置にすればよい。中でも、帯電ローラーの形状の帯電部材を用い、帯電部材の非画像形成部両端にギャップ形成部材を配置して、この部分のみを感光体表面に当接させ、画像形成領域を非接触配置させる、あるいは感光体非画像形成部両端ギャップ形成部材を配置して、この部分のみを帯電部材表面に当接させ、画像形成領域を非接触配置させる様な方法が、簡便な方法でギャップを安定して維持できる方法である。特に特願平13−211448号、特願平13−226432号に記載された方法は良好に使用できる。帯電部材側にギャップ形成部材を配置した近接帯電機構の一例を図6に示す。
以上に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、各々の電子写真要素はプロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段等を含んだ1つの装置(部品)である。
本発明に用いられる現像剤について説明する。本発明には、公知の黒色トナー像用およびカラー像用の現像剤を用いることができる。ここでいう現像剤とは、1成分現像剤でも2成分現像剤でも構わず、本発明の効果が得られるものであれば、どの様な構成でも構わない。本発明においては、黒色トナー像用現像剤中の流動化剤量が、黒色以外(カラー)トナー像用現像剤中の流動化剤量よりも少なければ、本発明の狙いを満足するものである。すなわち、トナー構成(組成)、流動化剤種類、各種添加剤等は、狙いの現像システムに応じて最適なものを使用することができる。
流動化剤としては、例えば、コロイド状シリカ、疎水性シリカ、テフロン(登録商標)、フルオロポリマー、低分子量ポリオレフィン、脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウムなど)、金属酸化物(酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化アンチモンなど)、導電性付与剤(カーボンブラック、酸化錫など)、磁性体、更にそれら添加物を表面処理したものなど、が挙げられる。これら流動化剤は、1種または2種以上を合わせて用いてよく、含有量は一般にトナー100部に対して、0.1〜10重量部が適切である。
黒色トナー像用現像剤中の流動化剤量と黒色以外(カラー)トナー像用現像剤中の流動化剤量の差に関しては、流動化剤量が少ないほど感光体の摩耗量が減少する方向であるので少ないほど好ましいが、使用するシステムにより少なすぎると不具合を生じる場合がある。このため、問題のない範囲で差を付けることが重要である。具体的には現像剤中のトナー量に対する流動化剤量として、1重量%以上差があれば本発明の効果を発現することが出来るが、効果が顕著になるのは5重量%以上、よりいっそうの効果としては10重量%以上の差を有することが好ましい。
また、2成分現像剤として使用する場合には、上記トナーをキャリアと混合することにより構成される。この場合、使用されるキャリアとしては、鉄粉、フェライト、ガラスビーズ等、公知のものが使用出来る。この際、キャリアは樹脂で被覆したものを用いても良い。この場合に使用される樹脂としては、ポリフッ化炭素、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等である。またこれらを硬化したものも使用できる。2成分現像剤として使用される場合のトナーとキャリアの混合割合は、一般にキャリア100重量部に対して、トナー0.5〜0.6重量部程度が適当である。各画像形成要素6C,6M,6Y,6Kは現像装置内部のトナーの色が異なるのと、本発明に係わる黒色トナー像形成用トナー中のワックス量が他のトナー中のワックス量と異なる(4K中のトナー中のワックス量が4C、4M、4Yのトナー中のワックス量より多量)だけで、その他は全て同様の構成となっている。
本発明のトナー中のバインダー樹脂、顔料、添加剤、ワックス等は公知の材料を用いることができる。
本発明における一つの実施形態では、黒色トナー中のワックス量が、黒色以外(カラー)トナー中のワックス量よりも多いように構成されている。本発明に用いられるワックスは、エステル系もしくはオレフィン系が望ましい。これらワックスは、使用するバインダー樹脂に対し、一般的には非相溶性を示し、バインダー中に微分散されやすい。エステル系ワックスとは、エステル結合を有するものであり、例えば、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス等の天然ワックス、及びモンタンワックス等が挙げられる。オレフィンワックスとしては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等の合成ワックスが挙げられる。
すなわち、トナー構成(組成)、流動化剤種類、各種添加剤等は、狙いの現像システムに応じて最適なものを使用することができる。
バインダー樹脂の中で前記ワックスの平均分散径は、0.2〜5.0μmが望ましい。0.2μmより小さいとワックスの染みだし効果が得られず、本発明の効果が発現しにくい。また、0.2μm以下に分散するためには、溶融混練時にバインダー樹脂に過剰な分散エネルギーを加える必要があり、樹脂の分子が切断され、本来の機能を失う場合がある。また、5.0μmより大きくなると、トナーの定着性、流動性、保存性、耐久性等を悪化させてしまう。
また、ワックスの添加量はバインダー樹脂に対して、10重量%以下が適当である。これ以上になると、トナーの流動性、オフセット性が悪くなる。
以下、本発明に用いられる電子写真感光体を図面に沿って説明する。
図2は、本発明に使用する電子写真感光体を表わす断面図であり、導電性支持体31上に、電荷発生材料と電荷輸送材料を主成分とする単層感光層33が設けられている。
図3、4は、本発明に使用する電子写真感光体の別の構成例を示す断面図であり、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層35と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層37とが、積層された構成をとっている。
図5は、本発明に使用する電子写真感光体の更に別の構成例を示す断面図であり、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層35と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層37とが積層され、更にその上に保護層39が設けられている。
導電性支持体31としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、エンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体31として用いることができる。
また、これらの中でも陽極酸化皮膜処理を簡便に行うことのできるアルミニウムからなる円筒状支持体が最も良好に使用できる。ここでいうアルミニウムとは、純アルミ系あるいはアルミニウム合金のいずれをも含むものである。具体的には、JIS1000番台、3000番台、6000番台のアルミニウムあるいはアルミニウム合金が最も適している。陽極酸化皮膜は各種金属、各種合金を電解質溶液中において陽極酸化処理したものであるが、中でもアルミニウムもしくはアルミニウム合金を電解質溶液中で陽極酸化処理を行ったアルマイトと呼ばれる被膜が本発明に用いる感光体には最も適している。特に、反転現像(ネガ・ポジ現像)に用いた際に発生する点欠陥(黒ポチ、地汚れ)を防止する点で優れている。
陽極酸化処理は、クロム酸、硫酸、蓚酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸などの酸性浴中において行われる。このうち、硫酸浴による処理が最も適している。一例を挙げると、硫酸濃度:10〜20%、浴温:5〜25℃、電流密度:1〜4A/dm、電解電圧:5〜30V、処理時間:5〜60分程度の範囲で処理が行われるが、これに限定するものではない。このように作製される陽極酸化皮膜は、多孔質であり、又絶縁性が高いため、表面が非常に不安定な状況である。このため、作製後の経時変化が存在し、陽極酸化皮膜の物性値が変化しやすい。これを回避するため、陽極酸化皮膜を更に封孔処理することが望ましい。封孔処理には、フッ化ニッケルや酢酸ニッケルを含有する水溶液に陽極酸化皮膜を浸漬する方法、陽極酸化皮膜を沸騰水に浸漬する方法、加圧水蒸気により処理する方法などがある。このうち、酢酸ニッケルを含有する水溶液に浸漬する方法が最も好ましい。封孔処理に引き続き、陽極酸化皮膜の洗浄処理が行われる。これは、封孔処理により付着した金属塩等の過剰なものを除去することが主な目的である。これが支持体(陽極酸化皮膜)表面に過剰に残存すると、この上に形成する塗膜の品質に悪影響を与えるだけでなく、一般的に低抵抗成分が残ってしまうため、逆に地汚れの発生原因にもなってしまう。洗浄は純水1回の洗浄でも構わないが、通常は他段階の洗浄を行う。この際、最終の洗浄液が可能な限りきれい(脱イオンされた)ものであることが好ましい。また、他段階の洗浄工程のうち1工程に接触部材による物理的なこすり洗浄を施すことが望ましい。以上のようにして形成される陽極酸化皮膜の膜厚は、5〜15μm程度が望ましい。これより薄すぎる場合には陽極酸化皮膜としてのバリア性の効果が十分でなく、これより厚すぎる場合には電極としての時定数が大きくなりすぎて、残留電位の発生や感光体のレスポンスが低下する場合がある。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものも、本発明の導電性支持体31として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などがあげられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂があげられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体31として良好に用いることができる。
次に感光層について説明する。感光層は単層でも積層でもよいが、説明の都合上、先ず電荷発生層35と電荷輸送層37で構成される場合から述べる。電荷発生層35は、電荷発生物質を主成分とする層である。電荷発生層35には、公知の電荷発生物質を用いることが可能であり、その代表として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられ用いられる。
中でもアゾ顔料および/またはフタロシアニン顔料が有効に用いられる。特に下記構造式(XI)で表されるアゾ顔料、およびチタニルフタロシアニン、特にCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2°)として、少なくとも27.2°に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニンが有効に使用できる。
Figure 0004234110
・・・(XI)
式中、Cp,Cpはカップラー残基を表し、同一でも異なっていても良い。R201,R202はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基のいずれかを表し、同一でも異なっていても良い。またCp,Cpは下記(XII)式で表され、
Figure 0004234110
・・・(XII)
式中、R203は、水素原子、メチル基、エチル基などのアルキル基、フェニル基などのアリール基を表す。R204,R205,R206,R207,R208はそれぞれ、水素原子、ニトロ基、シアノ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、トリフルオロメチル基、メチル基、エチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、水酸基を表し、Zは置換もしくは無置換の芳香族炭素環または置換もしくは無置換の芳香族複素環を構成するのに必要な原子群を表す。
特に、前記CpとCpが異なる構造の非対称アゾ顔料は、CpとCpが同一構造である対象型のアゾ顔料よりも、光感度が良好な場合が多く、感光体の小径化、使用プロセスの高速化に対応できるものであり、有効に使用される。
また、ブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2°)として27.2°に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニンの中でも、最低角として7.3°にピークを有するチタニルフタロシアニン(特開2001−19871号公報に記載)が、高感度であり、繰り返し使用における帯電性の低下が小さく、特に有効に使用できる。
これら電荷発生物質は単独でも、2種以上混合してもかまわない。
電荷発生層35は、必要に応じて結着樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。
必要に応じて電荷発生層35 に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。ここで用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良好に使用される。塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
電荷発生層35の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
電荷輸送層37は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。電荷輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は5〜100μm程度とすることが好ましい。ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。
また、電荷輸送層には電荷輸送物質としての機能とバインダー樹脂の機能を持った高分子電荷輸送物質も良好に使用される。これら高分子電荷輸送物質から構成される電荷輸送層は耐摩耗性に優れたものである。高分子電荷輸送物質としては、公知の材料が使用できるが、特に、トリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートが良好に用いられる。中でも、(I)〜(X)式で表される高分子電荷輸送物質が良好に用いられ、これらを以下に例示し、具体例を示す。
(I)式
Figure 0004234110

式中、R、R、Rはそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、R4は水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基、R、Rは置換もしくは無置換のアリール基、o、p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k、jは組成を表し、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表し5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、または下記一般式で表される2価基を表す。
Figure 0004234110

101、R102は各々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表す。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表す。)または、
Figure 0004234110

(aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R103、R104は置換または無置換のアルキル基又はアリール基を表す)を表す。ここで、R101とR102、R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。)
(II)式
Figure 0004234110

式中、R,Rは置換もしくは無置換のアリール基、Ar,Ar,Arは同一又は異なるアリレン基を表す。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
(III)式
Figure 0004234110

式中、R,R10は置換もしくは無置換のアリール基、Ar,Ar,Arは同一又は異なるアリレン基を表す。 X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
(IV)式
Figure 0004234110
式中、R11, R12 は置換もしくは無置換のアリール基、Ar, Ar8, Ar9は同一又は異なるアリレン基、pは1〜5の整数を表す。 X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
(V)式
Figure 0004234110

式中、R13,R14は置換もしくは無置換のアリール基、Ar10,Ar11,Ar12は同一又は異なるアリレン基、X,X は置換もしくは無置換のエチレン基、又は置換もしくは無置換のビニレン基を表す。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
(VI)式
Figure 0004234110

式中、R15,R16,R17,R18は置換もしくは無置換のアリール基、Ar13,Ar14,Ar15,Ar16は同一又は異なるアリレン基、 Y1,Y2,Y3は単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表し同一であっても異なってもよい。 X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
(VII)式
Figure 0004234110

式中、R19,R20 は水素原子、置換もしくは無置換のアリール基を表し,R19とR20は環を形成していてもよい。Ar17,Ar18,Ar19 は同一又は異なるアリレン基を表す。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
(VIII)式
Figure 0004234110

式中、R21は置換もしくは無置換のアリール基、Ar20,Ar21,Ar22,Ar23は同一又は異なるアリレン基を表す。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
(IX)式
Figure 0004234110

式中、R22,R23,R24,R25は置換もしくは無置換のアリール基、Ar24,Ar25,Ar26,Ar27,Ar28は同一又は異なるアリレン基を表す。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
(X)式
Figure 0004234110

式中、R26,R27は置換もしくは無置換のアリール基、Ar29,Ar30,Ar31は同一又は異なるアリレン基を表す。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
また、電荷輸送層に使用される高分子電荷輸送物質として、上述の高分子電荷輸送物質の他に、電荷輸送層の成膜時には電子供与性基を有するモノマーあるいはオリゴマーの状態で、成膜後に硬化反応あるいは架橋反応をさせることで、最終的に2次元あるいは3次元の架橋構造を有する重合体も含むものである。
これら電子供与性基を有する重合体から構成される電荷輸送層、あるいは架橋構造を有する重合体は耐摩耗性に優れたものである。通常、電子写真プロセスにおいては、帯電電位(未露光部電位)は一定であるため、繰り返し使用により感光体の表面層が摩耗すると、その分だけ感光体にかかる電界強度が高くなってしまう。この電界強度の上昇に伴い、地汚れの発生頻度が高くなるため、感光体の耐摩耗性が高いことは、地汚れに対して有利である。これら電子供与性基を有する重合体から構成される電荷輸送層は、自身が高分子化合物であるため成膜性に優れ、低分子分散型高分子からなる電荷輸送層に比べ、電荷輸送部位を高密度に構成することが可能で電荷輸送能に優れたものである。このため、高分子電荷輸送物質を用いた電荷輸送層を有する感光体には高速応答性が期待できる。
その他の電子供与性基を有する重合体としては、公知単量体の共重合体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマーや、また、例えば特開平3−109406号公報、特開20000−206723号公報、特開2001−34001号公報等に開示されているような電子供与性基を有する架橋重合体などを用いることも可能である。
本発明の感光体において電荷輸送層37中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂に対して0〜30重量%程度が適当である。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいは、オリゴマーが使用され、その使用量は結着樹脂に対して、0〜1重量%が適当である。
次に感光層が単層構成33の場合について述べる。上述した電荷発生物質を結着樹脂中に分散した感光体が使用できる。単層感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。さらに、この感光層には上述した電荷輸送材料を添加した機能分離タイプとしても良く、良好に使用できる。また、必要により、可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
結着樹脂としては、先に電荷輸送層37で挙げた結着樹脂をそのまま用いるほかに、電荷発生層35で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。もちろん、先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましくさらに好ましくは50〜150重量部である。単層感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を必要ならば電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコートなどで塗工して形成できる。単層感光層の膜厚は、5〜100μm程度が適当である。
本発明の電子写真装置の感光体においては、導電性支持体31と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
これらの下引き層は前述の感光層の如く適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Alを陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
本発明の電子写真装置の感光体においては、感光層保護の目的で、保護層39が感光層の上に設けられることもある。保護層39に使用される材料としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。中でも、ポリカーボネートもしくはポリアリレートが最も良好に使用できる。
保護層にはその他、耐摩耗性を向上する目的でポリテトラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シリコーン樹脂、及びこれらの樹脂に酸化チタン、酸化錫、チタン酸カリウム、シリカ等の無機フィラー、また有機フィラーを分散したもの等を添加することができる。
また、感光体の保護層に用いられるフィラー材料のうち有機性フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、a−カーボン粉末等が挙げられ、無機性フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、チタン酸カリウムなどの無機材料が挙げられる。特に、フィラーの硬度の点からは、この中でも無機材料を用いることが有利である。特に、シリカ、酸化チタン、アルミナが有効に使用できる。
保護層中のフィラー濃度は使用するフィラー種により、また感光体を使用する電子写真プロセス条件によっても異なるが、保護層の最表層側において全固形分に対するフィラーの比で、5重量%以上、好ましくは10重量%以上、50重量%以下、好ましくは30重量%以下程度が良好である。
また、使用するフィラーの体積平均粒径は、0.1μm〜2μmの範囲が良好に使用され、好ましくは0.3μm〜1μmの範囲である。この場合、平均粒径が小さすぎると耐摩耗性が十分に発揮されず、大きすぎると塗膜の表面性が悪くなったり、塗膜そのものが形成できなかったりするからである。
尚、本発明におけるフィラーの平均粒径とは、特別な記載のない限り体積平均粒径であり、超遠心式自動粒度分布測定装置:CAPA−700(堀場製作所製)により求めたものである。この際、累積分布の50%に相当する粒子径(Median径)として算出されたものである。また、同時に測定される各々の粒子の標準偏差が1μm以下であることが重要である。これ以上の標準偏差の値である場合には、粒度分布が広すぎて、本発明の効果が顕著に得られなくなってしまう場合がある。
また、本発明で使用するフィラーのpHも解像度やフィラーの分散性に大きく影響する。その理由の一つとしては、フィラー、特に金属酸化物は製造時に塩酸等が残存することが考えられる。その残存量が多い場合には、画像ボケの発生は避けられず、またそれは残存量によってはフィラーの分散性にも影響を及ぼす場合がある。
もう一つの理由としては、フィラー、特に金属酸化物の表面における帯電性の違いによるものである。通常、液体中に分散している粒子はプラスあるいはマイナスに帯電しており、それを電気的に中性に保とうとして反対の電荷を持つイオンが集まり、そこで電気二重層が形成されることによって粒子の分散状態は安定化している。粒子から遠ざかるに従いその電位(ゼータ電位)は徐々に低くなり、粒子から十分に離れて電気的に中性である領域の電位はゼロとなる。従って、ゼータ電位の絶対値の増加によって粒子の反発力が高くなることによって安定性は高くなり、ゼロに近づくに従い凝集しやすく不安定になる。一方、系のpH値によってゼータ電位は大きく変動し、あるpH値において電位はゼロとなり等電点を持つことになる。従って、系の等電点からできるだけ遠ざけて、ゼータ電位の絶対値を高めることによって分散系の安定化が図られることになる。
本発明におけるフィラーとしては前述の等電点におけるpHが、5以上を示すものが画像ボケ抑制の点から好ましく、より塩基性を示すフィラーであるほどその効果が高くなる傾向があることが確認された。等電点におけるpHが高い塩基性を示すフィラーは、系が酸性であった方がゼータ電位はより高くなることにより、分散性及びその安定性は向上することになる。
ここで、本発明におけるフィラーのpHは、ゼータ電位から等電点におけるpH値を記載した。この際、ゼータ電位の測定は、大塚電子(株)製レーザーゼータ電位計にて測定した。
更に、画像ボケが発生しにくいフィラーとしては、電気絶縁性が高いフィラー(比抵抗が1010Ω・cm以上)が好ましく、フィラーのpHが5以上を示すものやフィラーの誘電率が5以上を示すものが特に有効に使用できる。また、pHが5以上のフィラーあるいは誘電率が5以上のフィラーを単独で使用することはもちろん、pHが5以下のフィラーとpHが5以上のフィラーとを2種類以上を混合したり、誘電率が5以下のフィラーと誘電率が5以上のフィラーとを2種類以上混合したりして用いることも可能である。また、これらのフィラーの中でも高い絶縁性を有し、熱安定性が高い上に、耐摩耗性が高い六方細密構造であるα型アルミナは、画像ボケの抑制や耐摩耗性の向上の点から特に有用である。
本発明において使用するフィラーの比抵抗は以下のように定義される。フィラーのような粉体は、充填率によりその比抵抗値が異なるので、一定の条件下で測定する必要がある。本発明においては、特開平5−94049号公報(図1)、特開平5−113688号公報(図1)に示された測定装置と同様の構成の装置を用いて、フィラーの比抵抗値を測定し、この値を用いた。測定装置において、電極面積は4.0cmである。測定前に片側の電極に4kgの荷重を1分間かけ、電極間距離が4mmになるように試料量を調節する。測定の際は、上部電極の重量(1kg)の荷重状態で測定を行い、印加電圧は100Vにて測定する。10Ω・cm以上の領域は、HIGH RESISTANCE METER(横河ヒューレットパッカード)、それ以下の領域についてはデジタルマルチメーター(フルーク)により測定した。これにより得られた比抵抗値を本発明の言うところの比抵抗値と定義するものである。
フィラーの誘電率は以下のように測定した。上述のような比抵抗の測定と同様なセルを用い、荷重をかけた後に、静電容量を測定し、これより誘電率を求めた。静電容量の測定は、誘電体損測定器(安藤電気)を使用した。
更に、これらのフィラーは少なくとも一種の表面処理剤で表面処理させることが可能であり、そうすることがフィラーの分散性の面から好ましい。フィラーの分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さらには耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。表面処理剤としては、従来用いられている表面処理剤すべてを使用することができるが、フィラーの絶縁性を維持できる表面処理剤が好ましい。例えば、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸等、あるいはこれらとシランカップリング剤との混合処理や、Al、TiO、ZrO、シリコーン、ステアリン酸アルミニウム等、あるいはそれらの混合処理がフィラーの分散性及び画像ボケの点からより好ましい。シランカップリング剤による処理は、画像ボケの影響が強くなるが、上記の表面処理剤とシランカップリング剤との混合処理を施すことによりその影響を抑制できる場合がある。表面処理量については、用いるフィラーの平均一次粒径によって異なるが、3〜30wt%が適しており、5〜20wt%がより好ましい。表面処理量がこれよりも少ないとフィラーの分散効果が得られず、また多すぎると残留電位の著しい上昇を引き起こす。これらフィラ−材料は単独もしくは2種類以上混合して用いられる。フィラーの表面処理量に関しては、上述のようにフィラー量に対する使用する表面処理剤の重量比で定義される。
これらフィラ−材料は、適当な分散機を用いることにより分散できる。また、保護層の透過率の点から使用するフィラーは1次粒子レベルまで分散され、凝集体が少ない方が好ましい。
保護層の形成法としては通常の塗布法が採用される。なお保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当である。また、以上のほかに真空薄膜作成法にて形成したa−C、a−SiCなど公知の材料を保護層として用いることができる。
また、保護層39には残留電位低減、応答性改良のため、電荷輸送物質を含有しても良い。電荷輸送物質は、電荷輸送層の説明のところに記載した材料を用いることができる。電荷輸送物質として、低分子電荷輸送物質を用いる場合には、保護層中における濃度傾斜を設けても構わない。耐摩耗性向上のため、表面側を低濃度にすることは有効な手段である。ここで言う濃度とは、保護層を構成する全材料の総重量に対する低分子電荷輸送物質の重量の比を表し、濃度傾斜とは上記重量比において表面側において濃度が低くなるような傾斜を設けることを示す。また、高分子電荷輸送物質を用いることは、感光体の耐久性を高める点で非常に有利である。
本発明の感光体においては感光層と保護層との間に中間層を設けることも可能である中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく通常の塗布法が採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質およびレベリング剤を添加することが出来る。
各層に添加できる酸化防止剤として、例えば、フェノ−ル系化合物、パラフェニレンジアミン類、ハイドロキノン類、有機硫黄化合物類、有機燐化合物類などが挙げられる。
各層に添加できる可塑剤として、例えば、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、芳香族カルボン酸エステル系可塑剤、脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、脂肪酸エステル誘導体、オキシ酸エステル系可塑剤、エポキシ可塑剤、二価アルコールエステル系可塑剤、含塩素可塑剤、ポリエステル系可塑剤、スルホン酸誘導体、クエン酸誘導体などが挙げられる。
各層に添加できる滑剤としては、例えば、炭化水素系化合物、脂肪酸系化合物、脂肪酸アミド系化合物、エステル系化合物、アルコール系化合物、金属石けん、天然ワックス、シリコーン化合物、フッ素化合物などが挙げられる。
各層に添加できる紫外線吸収剤として、例えば、ベンゾフェノン系化合物、サルシレート系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、クエンチャー(金属錯塩系化合物)、HALS(ヒンダードアミン)などが挙げられる。
以下、本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明が実施例により制約を受けるものではない。なお、部はすべて重量部である。
感光体作製例1
アルミニウムシリンダー上に下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥し、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、22μmの電荷輸送層からなる電子写真感光体を形成した。
◎下引き層塗工液
二酸化チタン粉末 400部
メラミン樹脂 65部
アルキッド樹脂 120部
2−ブタノン 400部
◎電荷発生層塗工液
下記構造のジスアゾ顔料 8部
Figure 0004234110
下記構造のトリスアゾ顔料 6部
Figure 0004234110

ポリビニルブチラール 5部
2−ブタノン 200部
シクロヘキサノン 400部
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
Figure 0004234110
塩化メチレン 80部
感光体作製例2
感光体作製例1におけるすべての感光体の電荷輸送層塗工液を以下のものに変更した以外は感光体作製例1と同様に感光体を作製した。
◎電荷輸送層塗工液
下記構造の高分子電荷輸送物質(Mw=130000) 10部
Figure 0004234110

下記構造の添加剤 1部
Figure 0004234110
塩化メチレン 100部
感光体作製例3
感光体作製例1におけるすべての感光体の電荷輸送層を19μmとし、その上に下記組成の保護層塗工液を塗布乾燥して、3μmの保護層を積層した以外は感光体作製例1と同様に感光体を作製した。
◎保護層塗工液
ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 2部
Figure 0004234110
塩化メチレン 80部
感光体作製例4
感光体作製例3の保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は感光体作製例3と同様に感光体を作製した。
◎保護層塗工液
ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
Figure 0004234110

アルミナ微粉末(比抵抗:2.5x1012Ω・cm、平均一次粒径:0.4μm)
2部
塩化メチレン 80部
感光体作製例5
感光体作製例3の保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は感光体作製例3と同様に感光体を作製した。
◎保護層塗工液
下記構造式の高分子電荷輸送物質(Mw=130000) 10部
Figure 0004234110
下記構造の添加剤 1部
Figure 0004234110
アルミナ微粉末(比抵抗:2.5x1012Ω・cm、平均一次粒径:0.4μm)
2部
塩化メチレン 80部
参考例1
感光体作製例1で作製した電子写真感光体を図1に示す電子写真装置に装着し、4つの画像形成要素は以下に示すプロセス条件にてモノクロ(黒色のみ)10000枚、フルカラー画像10000枚の合計20000枚の画像評価を行った。黒色トナー像用現像剤および黒色以外トナー像用現像剤は以下の組成のものを用いた。結果を表1に示す。
・帯電条件(帯電部材は、感光体に当接している):
DCバイアス:−800V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、周波数2kHz
・露光条件:
780nmの半導体レーザー(ポリゴンミラーによる画像書き込み)
・(黒色トナー像用現像剤)
黒色トナー 100部
シリカ微粉末 0.7部
酸化チタン微粉末 0.7部
・(黒色以外トナー像用現像剤)
黒色以外トナー(シアン、マゼンタ、イエロー) 100部
シリカ微粉末 1部
酸化チタン微粉末 1部
参考例2
感光体作製例1で作製した電子写真感光体を図1に示す電子写真装置に装着し、4つの画像形成要素は以下に示すプロセス条件にてモノクロ(黒色のみ)10000枚、フルカラー画像10000枚の合計20000枚の画像評価を行った。結果を表1に示す。また、20000枚後の感光体最表層の摩耗量も併せて測定した。
・帯電条件:
DCバイアス:−800V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、周波数2kHz
・露光条件:
780nmの半導体レーザー(ポリゴンミラーによる画像書き込み)
・(黒色トナー像用現像剤)
黒色トナー 100部
シリカ微粉末 0.5部
酸化チタン微粉末 0.5部
・(黒色以外トナー像用現像剤)
黒色以外トナー(シアン、マゼンタ、イエロー) 100部
シリカ微粉末 1部
酸化チタン微粉末 1部
参考例3
感光体作製例2で作製した電子写真感光体を図1に示す電子写真装置に装着し、4つの画像形成要素は以下に示すプロセス条件にてモノクロ(黒色のみ)10000枚、フルカラー画像10000枚の合計20000枚の画像評価を行った。結果を表1に示す。また、20000枚後の感光体最表層の摩耗量も併せて測定した。
・ 帯電条件:
DCバイアス:−800V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、周波数2kHz
・露光条件:
780nmの半導体レーザー(ポリゴンミラーによる画像書き込み)
・(黒色トナー像用現像剤)
黒色トナー 100部
シリカ微粉末 0.5部
酸化チタン微粉末 0.5部
・(黒色以外トナー像用現像剤)
黒色以外トナー(シアン、マゼンタ、イエロー) 100部
シリカ微粉末 1部
酸化チタン微粉末 1部
参考例4
電子写真感光体を感光体作製例3で作製したものに変更した以外は、参考例3と同様に画像評価行い、結果を同じく表1に示す。
参考例5
電子写真感光体を感光体作製例4で作製したものに変更した以外は、参考例3と同様に画像評価行い、結果を同じく表1に示す。
参考例6
電子写真感光体を感光体作製例5で作製したものに変更した以外は、参考例3と同様に画像評価行い、結果を同じく表1に示す。
比較例1
感光体作製例1で作製した電子写真感光体を図1に示す電子写真装置に装着し、4つすべての画像形成要素は以下に示すプロセス条件にてモノクロ(黒色のみ)10000枚、フルカラー画像10000枚の合計20000枚の画像評価を行った。結果を表1に示す。また、20000枚後の電荷輸送層の摩耗量も併せて測定した。
・帯電条件:
DCバイアス:−800V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、周波数2kHz
・露光条件:
780nmの半導体レーザー(ポリゴンミラーによる画像書き込み)
・(黒色トナー像用現像剤)
黒色トナー 100部
シリカ微粉末 1部
酸化チタン微粉末 1部
・(黒色以外トナー像用現像剤)
黒色以外トナー(シアン、マゼンタ、イエロー) 100部
シリカ微粉末 1部
酸化チタン微粉末 1部
比較例2
電子写真感光体を感光体作製例2で作製したものに変更した以外は、比較例1と同様に画像評価行い、結果を同じく表1に示す。
比較例3
電子写真感光体を感光体作製例3で作製したものに変更した以外は、比較例1と同様に画像評価行い、結果を同じく表1に示す。
比較例4
電子写真感光体を感光体作製例4で作製したものに変更した以外は、比較例1と同様に画像評価行い、結果を同じく表1に示す。
比較例5
電子写真感光体を感光体作製例5で作製したものに変更した以外は、比較例1と同様に画像評価行い、結果を同じく表1に示す。
Figure 0004234110
参考例7
感光体作製例4で作製した感光体を用い、先の図1に示す装置のすべての画像形成要素の帯電条件をACバイアスを印加しない条件に変え、参考例5と同様に連続20000枚の印刷を行った。その結果、初期および20000枚後でも画像は良好であった。但し、20000枚後の画像において、帯電ムラに起因する画像濃度ムラ(色ムラ)がわずかに発生した。
参考例8
感光体作製例4の感光体を用い、図1に示すような電子写真装置の帯電部材を、帯電ローラーからスコロトロンチャージャーに変更した。参考例5と同じ表面電位になるように帯電を施し、同様に20000枚の画像出力を行った。その結果、20000枚まで特別な異常画像は認められなかったが、参考例5に比べオゾン臭がひどかった。また、参考例5参考例8の試験後に、いずれも高温高湿(30℃−90%RH)下で画像を出力したが、参考例8の場合には僅かに画像ボケを生じた。
参考例9
感光体作製例4の感光体を用い、図1に示すような電子写真装置の帯電部材(感光体と当接)のセッティング方法を変えて、感光体表面と帯電部材表面間に60μmのギャップを設けて、参考例5と同様に20000枚のランニングテストを行った。その結果、参考例5よりも帯電部材へのトナーフィルミングが少なく良好であった。
参考例10
感光体作製例1で作製した電子写真感光体を図1に示す電子写真装置に装着し(但し、現像部材は2成分現像剤に対応するものに変更した)、4つの画像形成要素は以下に示すプロセス条件にてモノクロ(黒色のみ)10000枚、フルカラー画像10000枚の合計20000枚の画像評価を行った。黒色トナー像用現像剤および黒色以外トナー像用現像剤は以下の組成のものを用いた。結果を表2に示す。
・帯電条件:
DCバイアス:−800V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、周波数2kHz
・露光条件:
780nmの半導体レーザー(ポリゴンミラーによる画像書き込み)
・(黒色トナー像用現像剤)
黒色トナー 100部
シリカ微粉末 0.7部
酸化チタン微粉末 0.7部
上記トナーを樹脂コートしたフェライトキャリアと混合して2成分現像剤とした。
・(黒色以外トナー像用現像剤)
黒色以外トナー(シアン、マゼンタ、イエロー) 100部
シリカ微粉末 1部
酸化チタン微粉末 1部
上記トナーを樹脂コートしたフェライトキャリアと混合して2成分現像剤とした。
参考例11
感光体作製例1で作製した電子写真感光体を図1に示す電子写真装置に装着し(但し、現像部材は2成分現像剤に対応するものに変更した)、4つの画像形成要素は以下に示すプロセス条件にてモノクロ(黒色のみ)10000枚、フルカラー画像10000枚の合計20000枚の画像評価を行った。結果を表2に示す。また、20000枚後の感光体最表層の摩耗量も併せて測定した。
・帯電条件:
DCバイアス:−800V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、周波数2kHz
・露光条件:
780nmの半導体レーザー(ポリゴンミラーによる画像書き込み)
・(黒色トナー像用現像剤)
黒色トナー 100部
シリカ微粉末 0.5部
酸化チタン微粉末 0.5部
上記トナーを樹脂コートしたフェライトキャリアと混合して2成分現像剤とした。
・(黒色以外トナー像用現像剤)
黒色以外トナー(シアン、マゼンタ、イエロー) 100部
シリカ微粉末 1部
酸化チタン微粉末 1部
上記トナーを樹脂コートしたフェライトキャリアと混合して2成分現像剤とした。
参考例12
感光体作製例4で作製した感光体を用いて参考例10と同じ条件で画像評価を行った。結果を表2に示す。また、20000枚後の感光体最表層の摩耗量も併せて測定した。
比較例6
感光体作製例1で作製した電子写真感光体を図1に示す電子写真装置に装着し(但し、現像部材は2成分現像剤に対応するものに変更した)、4つすべての画像形成要素は以下に示すプロセス条件にてモノクロ(黒色のみ)10000枚、フルカラー画像10000枚の合計20000枚の画像評価を行った。結果を表1に示す。また、20000枚後の電荷輸送層の摩耗量も併せて測定した。
・帯電条件:
DCバイアス:−800V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、周波数2kHz
・露光条件:
780nmの半導体レーザー(ポリゴンミラーによる画像書き込み)
・(黒色トナー像用現像剤)
黒色トナー 100部
シリカ微粉末 1部
酸化チタン微粉末 1部
上記トナーを樹脂コートしたフェライトキャリアと混合して2成分現像剤とした。
・(黒色以外トナー像用現像剤)
黒色以外トナー(シアン、マゼンタ、イエロー) 100部
シリカ微粉末 1部
酸化チタン微粉末 1部
上記トナーを樹脂コートしたフェライトキャリアと混合して2成分現像剤とした。
Figure 0004234110
参考例13
感光体作製例4の感光体を用い、図1に示すような電子写真装置の帯電部材(感光体と当接)のセッティング方法を変えて、感光体表面と帯電部材表面間に60μmのギャップを設けて、参考例12と同様に20000枚のランニングテストを行った。その結果、参考例12よりも帯電部材へのトナーフィルミングが少なく良好であった。
参考例14
参考例13における感光体−帯電部材間のギャップを60μmから170μmに変更した以外は、参考例13と同様にランニングテストを行った。その結果、参考例13と同様に20000枚後の画像においても良好な画像を得た。
参考例15
参考例13における感光体−帯電部材間のギャップを60μmから230μmに変更した以外は、参考例13と同様にランニングテストを行った。その結果、初期及び20000枚後の画像においても良好な画像を得た。しかしながら、中間調の画像において、わずかな色ムラが発生した。
感光体作製例6
感光体作製例4における電荷発生層塗工液を下記の組成のものに変更した以外は感光体作製例4と同様に感光体を作製した。
◎電荷発生層塗工液
図7に示すXDスペクトルを有するチタニルフタロシアニン 8部
(特開2001−19871号公報に記載のチタニルフタロシアニン)
ポリビニルブチラール 4部
2−ブタノン 300部
感光体作製例7
感光体作製例6における保護層塗工液を以下の組成のものに変更した以外は感光体作製例6と同様に感光体を作製した。
◎保護層塗工液
ポリアリレート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
Figure 0004234110

酸化チタン微粉末(比抵抗:2.5x1012Ω・cm、平均一次粒径:0.3μm)
2部
塩化メチレン 80部
感光体作製例8
感光体作製例6における保護層塗工液を以下の組成のものに変更した以外は感光体作製例6と同様に感光体を作製した。
◎保護層塗工液
ポリアリレート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
Figure 0004234110
シリカ微粉末(比抵抗:4x1013Ω・cm、平均一次粒径:0.3μm)
2部
塩化メチレン 80部
感光体作製例9
感光体作製例6における保護層塗工液を以下の組成のものに変更した以外は感光体作製例6と同様に感光体を作製した。
◎保護層塗工液
ポリアリレート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
Figure 0004234110

酸化錫−酸化アンチモン粉末
(比抵抗:10Ω・cm、平均1次粒径0.4μm) 2部
塩化メチレン 80部
参考例16
感光体作製例6で作製した感光体を参考例12と同じプロセス条件にてモノクロ(黒色のみ)10000枚、フルカラー画像10000枚の合計20000枚の画像評価を行った。結果を表3に示す。また、20000枚後の電荷輸送層の摩耗量も併せて測定した。
参考例17
感光体作製例7で作製した感光体を参考例12と同じプロセス条件にてモノクロ(黒色のみ)10000枚、フルカラー画像10000枚の合計20000枚の画像評価を行った。結果を表3に示す。また、20000枚後の電荷輸送層の摩耗量も併せて測定した。
参考例18
感光体作製例8で作製した感光体を参考例12と同じプロセス条件にてモノクロ(黒色のみ)10000枚、フルカラー画像10000枚の合計20000枚の画像評価を行った。結果を表3に示す。また、20000枚後の電荷輸送層の摩耗量も併せて測定した。
参考例19
感光体作製例9で作製した感光体を参考例12と同じプロセス条件にてモノクロ(黒色のみ)10000枚、フルカラー画像10000枚の合計20000枚の画像評価を行った。結果を表3に示す。また、20000枚後の電荷輸送層の摩耗量も併せて測定した。
Figure 0004234110
感光体作製例10
感光体作製例7に使用したフィラーに処理量が20%になるようにチタネート系カップリング剤による表面処理を行った。このフィラーを用いて、感光体作製例7における保護層塗工液を作製した。この保護層用塗工液を用いて、感光体作製例7と同様に電子写真感光体を作製した。
感光体作製例11
感光体作製例7に使用したフィラーに処理量が20%になるようにAlによる表面処理を行った。このフィラーを用いて、感光体作製例7における保護層塗工液を作製した。この保護層用塗工液を用いて、感光体作製例7と同様に電子写真感光体を作製した。
参考例20
感光体作製例7で作製した保護層塗工液中の平均粒径を堀場製作所:CAPA700で測定し、また塗工液の沈降性(試験管内で静置した塗工液粒子の沈降度合いを肉眼で確認)について評価した。更に、感光体作製例7で作製した感光体を参考例16で使用した電子写真装置に搭載し、黒現像部にて画像を出力し、解像性の評価を行った。結果を表4に示す。
参考例21
感光体作製例10で作製した保護層塗工液中の平均粒径を堀場製作所:CAPA700で測定し、また塗工液の沈降性(試験管内で静置した塗工液粒子の沈降度合いを肉眼で確認)について評価した。更に、感光体作製例10で作製した感光体を参考例16で使用した電子写真装置に搭載し、黒現像部にて画像を出力し、解像性の評価を行った。結果を表4に示す。
参考例22
感光体作製例11で作製した保護層塗工液中の平均粒径を堀場製作所:CAPA700で測定し、また塗工液の沈降性(試験管内で静置した塗工液粒子の沈降度合いを肉眼で確認)について評価した。更に、感光体作製例11で作製した感光体を参考例16で使用した電子写真装置に搭載し、黒現像部にて画像を出力し、解像性の評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 0004234110
感光体作製例12
感光体作製例6において、アルミニウムシリンダー(JIS1050)を以下の陽極酸化皮膜処理を行い、次いで下引き層を設けずに、感光体作製例6と同様に電荷発生層、電荷輸送層、保護層を設け、感光体を作製した。
◎陽極酸化皮膜処理
支持体表面の鏡面研磨仕上げを行い、脱脂洗浄、水洗浄を行った後、液温20℃、硫酸15vol%の電解浴に浸し、電解電圧15Vにて30分間陽極酸化皮膜処理を行った。更に、水洗浄を行った後、7%の酢酸ニッケル水溶液(50℃)にて封孔処理を行った。その後純水による洗浄を経て、6μmの陽極酸化皮膜が形成された支持体を得た。
参考例23
感光体作製例6で作製した感光体を参考例15と同じプロセス条件において、モノクロ(黒色のみ)20000枚、フルカラー画像20000枚の合計40000枚の画像評価を行った。その結果、いずれも40000枚目の画像において良好な画像を出力したが、感光体作製例12で作製した感光体を用いて出力した画像の地肌部は、感光体作製例6で作製した感光体の画像地肌部よりも、点欠陥が少なく良好であった。
参考例24
感光体作製例12で作製した感光体を参考例15と同じプロセス条件において、モノクロ(黒色のみ)20000枚、フルカラー画像20000枚の合計40000枚の画像評価を行った。その結果、いずれも40000枚目の画像において良好な画像を出力したが、感光体作製例12で作製した感光体を用いて出力した画像の地肌部は、感光体作製例6で作製した感光体の画像地肌部よりも、点欠陥が少なく良好であった。
感光体作製例13
アルミニウムシリンダー上に下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥し、3.5μmの中間層、0.2μmの電荷発生層、22μmの電荷輸送層からなる電子写真感光体を形成した。
◎下引き層塗工液
二酸化チタン粉末 400部
メラミン樹脂 65部
アルキッド樹脂 120部
2−ブタノン 400部
◎電荷発生層塗工液
下記構造のジスアゾ顔料 8部
Figure 0004234110

下記構造のトリスアゾ顔料 6部
Figure 0004234110

ポリビニルブチラール 5部
2−ブタノン 200部
シクロヘキサノン 400部
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
Figure 0004234110

塩化メチレン 80部
感光体作製例14
感光体作製例13におけるすべての感光体の電荷輸送層塗工液を以下のものに変更した以外は感光体作製例13と同様に感光体を作製した。
◎電荷輸送層塗工液
下記構造の高分子電荷輸送物質 (Mw=140000) 10部
Figure 0004234110

下記構造の添加剤 0.5部
Figure 0004234110

塩化メチレン 100部
感光体作製例15
感光体作製例13におけるすべての感光体の電荷輸送層を19μmとし、その上に下記組成の保護層塗工液を塗布乾燥して、3μmの保護層を積層した以外は感光体作製例13と同様に感光体を作製した。
◎保護層塗工液
ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 2部
Figure 0004234110

塩化メチレン 80部
感光体作製例16
感光体作製例15の保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は感光体作製例15と同様に感光体を作製した。
◎保護層塗工液
ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送質 7部
Figure 0004234110

アルミナ微粉末(比抵抗:2.5x1012Ω・cm、平均一次粒径:0.4μm)
1部
塩化メチレン 80部
感光体作製例17
感光体作製例15の保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は感光体作製例15と同様に感光体を作製した。
◎保護層塗工液
下記構造式の高分子電荷輸送物質 10部
Figure 0004234110

下記構造の添加剤 1部
Figure 0004234110

アルミナ微粉末(比抵抗:2.5x1012Ω・cm、平均一次粒径:0.4μm)
2部
塩化メチレン 80部
実施例1
感光体作製例13で作製した電子写真感光体を図1に示す電子写真装置に装着し、4つの画像形成要素は以下に示すプロセス条件にてモノクロ(黒色のみ)10000枚、フルカラー画像10000枚の合計20000枚の画像評価を行った。黒色および黒色以外トナーは以下の組成のものを用いた。結果を表5に示す。
・帯電条件:
DCバイアス:−800V
ACバイアス:1.8kV(paek to peak)、周波数2kHz
・露光条件:
780nmの半導体レーザー(ポリゴンミラーによる画像書き込み)
・(黒色トナー)
ポリエステル樹脂 95部
カルナウバワックス 5部
カーボンブラック 10部
サリチル酸誘導体クロム塩 2部
・(イエロートナー)
ポリエステル樹脂 99部
カルナウバワックス 1部
C.I.ピグメントイエロー180 5部
サリチル酸誘導体クロム塩 2部
・(マゼンタトナー)
ポリエステル樹脂 99部
カルナウバワックス 1部
C.I.ピグメントレッド57:1 5部
サリチル酸誘導体クロム塩 2部
・(シアントナー)
ポリエステル樹脂 99部
カルナウバワックス 1部
C.I.ピグメントブルー15:3 5部
サリチル酸誘導体クロム塩 2部
実施例2
感光体作製例13で作製した電子写真感光体を図1に示す電子写真装置に装着し、4つの画像形成要素は以下に示すプロセス条件にてモノクロ(黒色のみ)10000枚、フルカラー画像10000枚の合計20000枚の画像評価を行った。結果を表5に示す。また、20000枚後の感光体最表層の摩耗量も併せて測定した。
・帯電条件:
DCバイアス:−800V
ACバイアス:1.8kV(peak to peak)、周波数2kHz
・露光条件:
780nmの半導体レーザー(ポリゴンミラーによる画像書き込み)
・(黒色トナー)
ポリエステル樹脂 95部
カルナウバワックス 5部
カーボンブラック 10部
サリチル酸誘導体クロム塩 2部
・(イエロートナー)
ポリエステル樹脂 100部
C.I.ピグメントイエロー180 5部
サリチル酸誘導体クロム塩 2部
・(マゼンタトナー)
ポリエステル樹脂 100部
C.I.ピグメントレッド57:1 5部
サリチル酸誘導体クロム塩 2部
・(シアントナー)
ポリエステル樹脂 100部
C.I.ピグメントブルー15:3 5部
サリチル酸誘導体クロム塩 2部
実施例3
感光体作製例14で作製した電子写真感光体を図1に示す電子写真装置に装着し、4つの画像形成要素は以下に示すプロセス条件にてモノクロ(黒色のみ)10000枚、フルカラー画像10000枚の合計20000枚の画像評価を行った。結果を表5に示す。また、20000枚後の感光体最表層の摩耗量も併せて測定した。
・帯電条件:
DCバイアス:−800V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、周波数2kHz
・露光条件:
780nmの半導体レーザー(ポリゴンミラーによる画像書き込み)
・(黒色トナー)
ポリエステル樹脂 95部
カルナウバワックス 5部
カーボンブラック 10部
サリチル酸誘導体クロム塩 2部
・(イエロートナー)
ポリエステル樹脂 99部
カルナウバワックス 1部
C.I.ピグメントイエロー180 5部
サリチル酸誘導体クロム塩 2部
・(マゼンタトナー)
ポリエステル樹脂 99部
カルナウバワックス 1部
C.I.ピグメントレッド57:1 5部
サリチル酸誘導体クロム塩 2部
・(シアントナー)
ポリエステル樹脂 99部
カルナウバワックス 1部
C.I.ピグメントブルー15:3 5部
サリチル酸誘導体クロム塩 2部
実施例4
感光体を感光体作製例15で作製したものに変更した以外は、実施例2と同様に画像評価を行った。結果を同様に表5に示す。
実施例5
感光体を感光体作製例16で作製したものに変更した以外は、実施例2と同様に画像評価を行った。結果を同様に表5に示す。
実施例6
感光体を感光体作製例17で作製したものに変更した以外は、実施例2と同様に画像評価を行った。結果を同様に表5に示す。
比較例7
感光体作製例13で作製した電子写真感光体を図1に示す電子写真装置に装着し、4つすべての画像形成要素は以下に示すプロセス条件にてモノクロ(黒色のみ)10000枚、フルカラー画像10000枚の合計20000枚の画像評価を行った。結果を表5に示す。また、20000枚後の電荷輸送層の摩耗量も併せて測定した。
・帯電条件:
DCバイアス:−800V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、周波数2kHz
・露光条件:
780nmの半導体レーザー(ポリゴンミラーによる画像書き込み)
・(黒色トナー)
ポリエステル樹脂 100部
カーボンブラック 10部
サリチル酸誘導体クロム塩 2部
・(イエロートナー)
ポリエステル樹脂 100部
C.I.ピグメントイエロー180 5部
サリチル酸誘導体クロム塩 2部
・(マゼンタトナー)
ポリエステル樹脂 100部
C.I.ピグメントレッド57:1 5部
サリチル酸誘導体クロム塩 2部
・(シアントナー)
ポリエステル樹脂 100部
C.I.ピグメントブルー15:3 5部
サリチル酸誘導体クロム塩 2部
比較例8
感光体を感光体作製例14で作製したものに変更した以外は、比較例7と同様に画像評価を行った。結果を同様に表5に示す。
比較例9
感光体を感光体作製例15で作製したものに変更した以外は、比較例7と同様に画像評価を行った。結果を同様に表5に示す。
比較例10
感光体を感光体作製例16で作製したものに変更した以外は、比較例7と同様に画像評価を行った。結果を同様に表5に示す。
比較例11
感光体を感光体作製例17で作製したものに変更した以外は、比較例7と同様に画像評価を行った。結果を同様に表5に示す。
Figure 0004234110
実施例7
感光体作製例16で作製した感光体を用い、先の図1に示す装置のすべての画像形成要素の帯電条件をACバイアスを印加しない条件に変え、実施例4と同様に連続20000枚の印刷を行った。その結果、初期および20000枚後でも画像は良好であった。但し、20000枚後の画像において、帯電ムラに起因する画像濃度ムラ(色ムラ)がわずかに発生した。
実施例8
感光体作製例16の感光体を用い、図1に示すような電子写真装置の帯電部材を、帯電ローラーからスコロトロンチャージャーに変更した。実施例4と同じ表面電位になるように帯電を施し、同様に20000枚の画像出力を行った。その結果、20000枚まで特別な異常画像は認められなかったが、実施例4に比べオゾン臭がひどかった。
実施例9
感光体作製例16の感光体を用い、図1に示すような電子写真装置の帯電部材(感光体と当接)のセッティング方法を変えて、感光体表面と帯電部材表面間に60μmのギャップを設けて、実施例4と同様に20000枚のランニングテストを行った。その結果、実施例4よりも帯電部材へのトナーフィルミングが少なく良好であった。
本発明の電子写真装置の説明用概略図である。 本発明の電子写真感光体の一例の断面図である。 本発明の電子写真感光体の一例の断面図である。 本発明の電子写真感光体の一例の断面図である。 本発明の電子写真感光体の一例の断面図である。 非接触帯電機構を示す概略図(ギャップ保持機構が帯電部材側に形成されている)。 感光体作製例6に使用したチタニルフタロシアニンのXDスペクトル図である。
符号の説明
1 感光体
2 帯電部材
3 レーザー光
4 現像部材
5 クリーニング部材
6 画像形成要素
7 転写紙
8 給紙コロ
9 レジストローラー
10 転写搬送ベルト
11 転写ブラシ
12 定着ブラシ
31 導電性支持体
33 感光層
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
39 保護層
40 感光体
41 帯電ローラー
42 ギャップ形成部材
43 金属シャフト
44 画像形成領域
45 非画像形成領域

Claims (2)

  1. 帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段、および電子写真感光体を含む画像形成要素を複数配列したフルカラー電子写真装置であって、前記クリーニング手段が帯電手段の上流側に配置され、黒色トナー像を形成する画像形成要素に搭載された現像手段に使用する、黒色着色剤としてカーボンブラックのみを含有する負帯電性の黒色トナー中に添加するワックス量を、黒色以外のトナー像を形成する画像形成要素に搭載された現像手段に使用する負帯電性トナー中に添加するワックス量よりも多くすることを特徴とするフルカラー電子写真装置。
  2. 帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段、および電子写真感光体を含む画像形成要素を複数配列したフルカラー電子写真装置であって、前記クリーニング手段が帯電手段の上流側に配置され、黒色トナー像を形成する画像形成要素に搭載された現像手段に使用する、黒色着色剤としてカーボンブラックのみを含有する負帯電性の黒色トナー中にワックスを添加し、かつ黒色以外のトナー像を形成する画像形成要素に搭載された現像手段に使用する負帯電性トナー中にはワックスを添加しないことを特徴とするフルカラー電子写真装置。
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