JP4233847B2 - 光走査装置と画像形成装置、並びに画像情報処理システム - Google Patents

光走査装置と画像形成装置、並びに画像情報処理システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル複写機やレーザープリンタなどの画像形成装置に用いられる光走査装置であって、複数の光源を備え、それぞれの光源から射出される光束が同一の被走査面を等速度的に光走査するように構成された光走査装置と、この光走査装置を備えた画像形成装置、並びにこの画像形成装置を備えた画像情報処理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年画像形成装置のデジタル化が進み、半導体レーザを光源とした機器が次々と開発されてきている。そのようなデジタル機器が市場において一般的に使用されはじめ、出力スピードに関しても従来のアナログ機器並のスピードが要求されるようになった。
この市場からの要求に応えるため、光書込装置としては回転多面鏡の回転速度の向上を図ったがそれにも限界があり、光源の複数光源化(LD合成)や発光点の複数化(半導体レーザアレイ:LDA)による高速化が図られるようになり、光源部の構成についても様々な方法が提案されている。
【0003】
ところで、複数の発光点を有する光源(LDA)により被走査面上を光走査させる場合、同時に偏向走査する複数の光束同士のつなぎの部分、つまり一つの偏向反射面で偏向走査される光束の集まりと、次の偏向反射面により偏向走査される光束の集まりのつなぎの部分で、走査線の曲がりと呼ばれる現象により、走査線の間隔、つまり副走査ビームピッチの像高間の差が、走査光学系の光軸近傍を通ってきた光束同士の間隔に比べて大きくなる、という課題を有する。ここで、光源から射出された光束が偏向器で偏向される方向を主走査方向とし、主走査方向と直交する方向を副走査方向とする。
【0004】
また、複数の光源部を有する書込光学系(走査光学系)において、主走査平面から見て、少なくとも2以上の光束が交差するように配置されている光書込光学系の場合、被走査面上に到達した光束は、主走査方向において必然的に間隔を有してしまう。すなわち、先行する光束(結像スポット)に対してある任意のピッチだけ副走査方向に離れて後行する光束は、先行する光束の後を追うように被走査面上を走査する。ここで、光束の走査と同時に、被走査媒体が副走査方向に移動するため、先行する光束と後行する光束との副走査方向のピッチは、狭まる又は広がってしまう。すなわち、先行する光束の走査位置が、後行する光束の走査位置に対して被走査媒体の進行方向にある場合には副走査方向のピッチは広がり、被走査媒体の進行方向の反対側にある場合には副走査方向のピッチは縮まる。この現象のため、被走査媒体上における静電潜像の副走査方向のピッチが、走査している光束のピッチからずれてしまうという課題が発生する。
【0005】
光束を被走査媒体面上に走査して画像を形成する画像形成装置において、静電潜像の副走査方向のピッチが、走査している光束のピッチからずれてしまうと、静電潜像のピッチが狙い値からずれることになり、画像の副走査方向のピッチが等間隔でなくなる、つまりばらつきが大きくなる。その結果、ピッチ間隔が広いところと狭いところが現れるようになる。
この画像の副走査方向のピッチのばらつき、つまりピッチ偏差は、あるレベルより大きくなると、人間の目で識別可能なレベルの濃度ムラとなって現れ、出力画像の品質を著しく低下させてしまう。すなわち電子写真等では、被走査媒体面上を結像スポットが走査し画像を形成する際に、各結像スポットの走査線間隔にムラがあると、トナーやインク等の画像を形成する物質の副走査方向における重なり度合いが場所(像高)によって違いが生じることになり、出力画像の濃度ムラとして現れる。
【0006】
なお、本願発明者による実験の結果から、隣り合った走査線間隔の偏差(間隔の差、幅)δが、δ < 0.36*√{W^2−Ps^2}となるように画像形成装置を構成したとき、人間の目には濃度むらとして識別されないことが判っている。ここで、Wは被走査面上の副走査方向のビームスポット径をガウシャンビームに近似させ、強度分布のピークを1に規格化したときの1/e2のビームスポット径であり、Psは副走査方向の画像ピッチである。
【0007】
走査線の曲がりに起因する光走査の不全を有効に軽減することができる光走査装置として、複数の発光部からの出射光束による被走査面上における走査軌跡のそれぞれの間隔の有効主走査領域における平均値が等しくなるように設定した光走査装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、走査光学系を副走査方向においてテレセントリックに構成することで走査線の曲がりを実質的に無くし、走査線間隔の像高間の差を低減させる光学システムが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
一方、被走査面上における走査線の副走査方向のピッチ間隔を等間隔とする方法として、副走査方向に等速回転する被走査媒体に対して光束を斜めに入射させる光走査装置が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0009】
【特許文献1】
特開平06−273688号公報
【特許文献2】
特開平07−209596号公報
【特許文献3】
特開2000−292719号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1や特許文献2に示された従来の方法では、複数のLDAを組み合わせて光源部を構成する場合に、各LDAの保持部材の加工誤差や組み付け時のばらつき等のいわゆる公差が生じた場合、偏向器の偏向反射面で同時に偏向走査される複数の光束の走査線間隔のばらつきが、偏向反射面間の光束のつなぎの部分(以下、「つなぎ部」という。)で大きくなってしまうという課題が残る。
また、特許文献2に示された従来の方法では、走査光学系をテレセントリックに構成するという限定が入り、適用可能な光学系が限られてしまう。
一方、特許文献3に示された従来の方法は、複数の光束が交差する構成の光走査装置については考慮がされていない。
【0011】
本発明は、以上のような従来技術の問題点を解消するためになされたもので、複数の発光点を備えた光源により被走査面上を走査する構成とした走査光学系であっても、加工誤差や組み付け時のばらつき等が生じた場合に、つなぎ部における走査線や静電潜像の間隔と狙いとする間隔との誤差量を低減することができる光走査装置と画像形成装置、並びに画像情報処理システムを提供することを目的とする。
【0012】
また本発明は、複数の光束が交差する構成とした走査光学系であっても、被走査面上における走査線の副走査方向のピッチ間隔を等間隔とすることができる光走査装置と画像形成装置、並びに画像情報処理システムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の発光点が副走査方向に並んで配置されて構成された光源を複数備えた光走査装置であって、副走査方向にある任意の間隔を有して配置された複数の光源と、光源から射出された光束を偏向走査する偏向器と、光源から射出された光束を偏向器に導く第1結像光学系と、偏向器により偏向された光束を被走査面に集光する第2結像光学系、とを有してなり、それぞれの光源により形成される結像スポットが互いに補完する位置関係になるように設定されていて、中央像高におけるそれぞれの光源により形成される結像スポットの中心点の間隔が書込密度により一義的に決定される走査線の間隔より狭くなるように複数の光源の位置関係が設定されていることを特徴とする。
【0022】
発明は、光走査装置により被走査面に静電潜像が形成される画像形成装置であって、光走査装置が本発明にかかる光走査装置であることを特徴とする。
【0023】
発明は、画像形成装置と、この画像形成装置に画像出力の要求を通信ネットワークを介して入力する複数の機器とで構成された画像情報処理システムであって、画像形成装置が本発明にかかる画像形成装置であることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明にかかる光走査装置と画像形成装置、並びに画像情報処理システムの実施の形態について説明する。
【0025】
先ず、本発明にかかる光走査装置について説明する。
図1は、本発明にかかる光走査装置の実施の形態を示す偏向回転面(走査平面)に平行な面内に展開した光学配置図である。
符号1A,1Bはライン上に並んだm個(m=2,3,4,・・・)の発光点を有する光源としての半導体レーザアレイ(Laser Diode Array:LDA)、5は光源1A,1Bから射出された光束を偏向走査する偏向器、2A,2Bは光源1A,1Bから射出された光束を偏向器5に導くカップリングレンズ(第1結像光学系)、3Aと3Bは開口絞り、4は線像結像光学系であるシリンダレンズ、6は偏向器5により偏向された光束を被走査面に集光する2枚のレンズから構成された第2結像光学系、7は被走査媒体、を示している。
【0026】
ここで、偏向器5は、ポリゴンミラー等であり、図示しない駆動機構により回転軸5Bを軸として矢印方向に等角速度回転している。
また、第2結像光学系6を構成するレンズの数は2枚に限定するものではない。また、第2結像光学系6として反射光学系を用いてもよい。
【0027】
光源1A,1Bから射出された光束は主走査平面内(偏向走査平面内)で交差されるように配置されていて、図1の例では、偏向反射面5A近傍で交差するように配置されている。ただし、光束が交差する場所は、主走査平面内であれば、発光点から被走査媒体7までの間であればよく、偏向反射面5Aの近傍に限らず、偏向反射面5Aより光源1A,1B側、あるいは被走査媒体7側で交差するように配置しても構わない。
ここで、光源1A,1Bから射出された光束が偏向器5で偏向走査される方向を主走査方向とし、主走査方向と直交する方向を副走査方向とする。
なお、光源1A,1Bは、副走査方向にある任意の間隔を有して配置されている。ある任意の間隔とは、画素密度によって決定される間隔である。
【0028】
光源1A,1Bから射出された発散光束は、カップリングレンズ2A,2Bにより以後の光学系に適したビーム形態にカップリングされる。なお、カップリングされた各光束は、同じビーム形態であり、「平行ビーム」とすることも「収束性もしくは発散性のビーム」とすることもできる。
【0029】
カップリングレンズ2A,2Bを通過した光束は、それぞれ開口絞り3A,3Bにより光束幅を規制され、シリンダレンズ4により偏向器5の偏向反射面5A近傍にて主走査方向の線像として結像する。
偏向器5は、入射光束を等角速度的に偏向する。光源1A,1Bから射出され偏向器5で偏向された光束8A,8Bは、第2結像光学系6を通過して被走査媒体7に入射し、被走査面である被走査媒体7の表面に結像スポット7A,7Bとして結像する。結像スポット7A,7Bは,偏向器5の回転により被走査面上を間隔Pmをもって、図1の紙面下方向に光走査される。結像スポット7Aと7Bの主走査方向の間隔Pmは,光束が主走査平面内で交差するように配置されている関係上、必然的に発生する。
【0030】
偏向器5で偏向された光束8A,8Bは、被走査媒体7への入射に先立って、同期検知光学系100により検出される。すなわち、ミラー103により反射され、同期検知用光学系102を通過してフォトダイオード等から構成される同期検知素子101に導光されて検出される。同期検知素子101は、光束8A,8Bを検出すると信号を発し、この信号が図示しない同期検知回路によって演算処理され、あるタイミングの後に、書込開始信号が発信される。
「あるタイミング」とは、光束が同期検知素子101の検知位置から書込開始位置に至るまでの時間である。結像スポット7A,7Bは、主走査方向に間隔Pmを有しているため、結像スポット7Aに対する書込開始信号が発せられて被走査媒体7の表面上に光書込が開始され、上記のタイミングの後に結像スポット7Bが書込開始位置に到達したとき、結像スポット7Bに対する書込開始信号が発せられて被走査媒体7の表面上に光書込が開始される。
【0031】
次に、偏向反射面で偏向走査される複数の光束の被走査面上での位置関係について説明する。図3は、t番目の偏向反射面で偏向走査される光束と、t+1番目の偏向反射面で偏向走査される光束の被走査面上での位置関係を示す模式図である。なお、図3の例は4本の光束を同時に走査させる場合の例である。
t番目の偏向反射面で偏向走査される光束について、L1〜L4は走査線の番号、S1〜S4は走査線L1〜L4の曲がり量、Xは基準走査位置(光束が光学系の光軸上を通ってきた場合の走査線の走査位置)を示す。また、t+1番目の偏向反射面で偏向走査される光束については、走査線の番号をL1´〜L4´、基準走査位置をX´で示す。なお、走査線の曲がり量はS1〜S4で示す。
【0032】
走査線L1,L2と走査線L3,L4とは、基準走査位置Xを中心に紙面上下に分かれて走査するように配置されている。これは、走査線L3,L4に対応する発光点が、走査線L1,L2に対応する発光点に対して、走査光学系の光軸の副走査方向において反対側に配置されていることを示す。
このような場合、走査線の形状は図3に示すように、基準走査位置Xに対して走査線L1,L2と走査線L3,L4で逆の形状になって現れる。また、走査線の曲がり量は、基準走査位置Xに近い走査線ほど小さく、
s1>s2
s3<s4
の関係がある。
【0033】
t番目の偏向反射面で偏向走査される光束と、t+1番目の偏向反射面で偏向走査される光束のつなぎの部分、つまり図3における走査線L4とL1´においては、走査線の曲がりは逆方向である。前述の通り、走査線の曲がり量が基準走査位置Xから離れるほど大きくなり、また、t番目とt+1番目の偏向反射面で偏向走査される光束のつなぎの部分の走査線の曲がりが逆方向であることより、走査線L4とL1´は、他の走査線に比べて像高間の走査線間隔の差(Ph0とPh1の差)が大きくなる。つまり、走査線L1とL2、L2とL3、L3とL4の像高間の走査線間隔の差より、つなぎの部分の走査線L4とL1´の像高間の走査線間隔の差の方が大きくなる。
なお、図3では4本の光束を同時に走査させる場合を例に説明したが、つなぎの部分の走査線の像高間の差が他の走査線の像高間の差に比べて大きくなるのは、光源の発光点の数が2以上の場合において成り立つ。
【0034】
次に、被走査面上に形成される結像スポットの位置関係について説明する。
図2は、光源1A,1Bから射出された光束が被走査面上に形成する結像スポットの位置関係を示す模式図である。ここで、光源1AをLDA1、光源1BをLDA2と表し、各光源から射出された光束が形成する結像スポットに対応する発光点をch1〜ch4で示す。
なお、図2は、LDAの発光点の数が4個の場合の例を示すが、本発明において、LDAの発光点の数は4個に限るものではなく、2個以上であればよい。
【0035】
図2に示すように、LDA1,LDA2により形成される結像スポットは互いに補完する位置関係、つまり千鳥配置になるように設定されている。このように設定することで、副走査方向の走査間隔をLDAの数だけ分割することができ(図2の例では半分)、高密度化を図ることができる。
【0036】
理想的な走査線の副走査方向の間隔(以下、「所望の間隔」という。)は、書込密度により一義的に決定され、たとえば、600dpiの場合は42.3μm、1200dpiの場合は21.2μmである。一般的な画像形成装置は、所望の間隔をもって狙いとする画素密度としている。
図2の例では、光源1A,1Bから射出した光束の形成する結像スポットは、結像スポットの走査方向、つまり主走査方向に対して略垂直に並んでいる(略副走査方向に並んでいる)。これは光源1A,1Bが備える発光点が副走査方向に略平行に並んで配置されていることによる。
【0037】
図5は、光源が備える発光点の配置位置の関係を示す模式図であり、(a)は発光点が副走査方向に略平行に並んで配置された場合、(b)は発光点が副走査方向に傾きをもって配置された場合、である。
光源から射出された光束が形成する結像スポットが、図2に示したように、副走査方向に略平行に並んでいる場合、発光点も図5(a)に示すように副走査方向に略平行に並んでいる。
なお、図5(b)に示すように、光源をカップリングレンズの光軸を回転中心として回転させることにより、光源の発光点を傾かせることもできる。この場合、たとえば、発光点ch1とch2の副走査方向の間隔は、見かけ上、P12からP12´になる。ここで、光源の回転角をθとすると、
P12´=P12cosθ
の関係が成り立つ。
【0038】
同様に、被走査面上の結像スポットも副走査方向に対して傾き、主走査方向、副走査方向のそれぞれの結像倍率に基づき、各結像スポットの間隔は投影される。なお、図2に示した例と同様に、傾いた結像スポットの間を補完的に結像スポットを走査させる構成をとることができる。
また、光源の発光点を傾けることにより副走査方向の走査間隔をより狭くすることができ、さらなる高密度化を図ることができる。
【0039】
図4は、被走査面上における走査線の間隔(以下、「走査線間隔」という。)を示す模式図である。
LDA1の発光点ch1による結像スポットとLDA2の発光点ch1による結像スポットの間隔をP1、LDA2の発光点ch1による結像スポットとLDA1の発光点ch2による結像スポットの間隔をP2、・・・、というように、LDA1とLDA2が有する発光点による結像スポットの間隔をそれぞれP1〜P7とする。
LDA1の発光点ch1による結像スポットと発光点ch4による結像スポットの間隔の中心点Paと、LDA2の発光点ch1による結像スポットと発光点ch4による結像スポットの間隔の中心点Pbとの間隔をPcとする。
一般的には、各走査線間隔P1〜P7が等しくなるように設定する。ただし実際には、走査線の曲がり量が異なるため、各走査線間隔を均一にすることはできないが、間隔Pcの距離を調節することにより、間隔P1〜P7が略等しくなるように構成することができる。間隔Pcは、LDA1とLDA2の位置関係や、カップリングレンズとLDAの位置関係を変えること等により調節することができる。
【0040】
図6と図7は、それぞれ像高と走査線間隔との関係を示す線図と図表であり、ここでは、狙いの画素密度が1200dpiの場合の例である。ここで、光源LDAn(n=1,2)の発光点chm(m=1〜4)を「LDAnchm」と表記する。
図6と図7は、間隔P1〜P7が各像高で略等しくなっていることを示している。また、走査像高0における各LDAによる結像スポットの中心点の間隔Pcは20.8μmであり、LDA2ch2とLDA1ch3による結像スポットの間隔に等しい。図6において、つなぎ部分はLDA2ch4とLDA1ch1´の間隔で示しており、図6中の記号「×」で示した点をつないだ線が、つなぎ部の間隔の像高による変化を示す。図6に示すように、間隔は像高0で最も広くなり、像高±150で最も狭くなる。
【0041】
このように構成すると、つなぎ部の走査線間隔は、狙いの走査線間隔、つまり所望の間隔21.2μm(ここでは1200dpiであるため)に対して、変化量は−4.7〜+2.7μmであり、狙い値に対してマイナス側に偏っている。この場合、実際に試作すると加工誤差や組み付け誤差の影響により、つなぎ部の走査線間隔は狙い値に対して−12.7〜+9.1μmとなり、やはり狙い値に対してマイナス側に偏ってしまい、走査線間隔のばらつきにより、濃度ムラを引き起こし、出力画像の劣化が生じた。
【0042】
そこで、本発明では、像高±150mmにおけるP1〜P7の走査線間隔と、つなぎ部の走査線間隔の差を低減することにより、つなぎ部の走査線間隔の偏りの低減を図り、出力画像の劣化の防止を図った。
図8と図9は、そのときの各走査線間隔を示した線図と図表である。
つなぎ部の走査線間隔の差を低減するのは、走査像高0における光源LDA1とLDA2による結像スポットの中心点の間隔Pcを狭くすることで実現することができる。間隔Pcを狭くするのは、前述の通り、光源同士の間隔を狭めることで実現することができる。図8に示した例では、走査像高0における各LDAによる結像スポットの中心点の間隔Pcは18.4μmである。
【0043】
つなぎ部の走査線間隔の差を低減する配置としたため、各走査線間隔P1〜P7は均等ではなくなり、間隔の広い部分と狭い部分が交互に現れる。このとき、つなぎ部の走査線間隔の設計値は-2.3〜+5.1μmである。この状態で試作すると、やはり加工誤差や組み付け誤差の影響を受け、つなぎ部の走査線間隔は狙い値に対して-7.2〜+7.8μmと、ばらつきは大きくなり、偏りを完全に取ることはできなかったが、狙い値に対して略バランスよく間隔の広い部分と狭い部分を発生させることができた。中央像高(走査像高0)において、狙いの走査線間隔より広くなっているが、中央像高近傍は、加工誤差や組み付け誤差等の影響を受けにくいので、試作結果は上記の範囲に収まった。
【0044】
これは、つなぎ部の走査線間隔が、加工誤差や組み付け誤差等により狭い方に変動しやすいことが原因である。このことは、図3における基準走査位置Aより離れた位置を走査する走査線ほど変動量が大きいことによる。本発明は、これを逆手にとり、予めつなぎ部の走査線間隔を広めにシフトさせて構成することで、加工ばらつき等の影響が加味されても、狙いの走査線間隔から大きく狂わず、上記のように狙い値に対して略バランスよく走査線間隔の広い部分と狭い部分を発生させることができた。これは、走査光学系A,Bが、走査像高0における各LDAにより形成される結像スポットの中心点の間隔が狙いの走査線間隔より狭くなるように設定されていることにより達成している。
なお、このことは、走査有効範囲における最終端、つまり主走査方向端部における光束同士のつなぎ部の走査線間隔と、つなぎ部の前後の走査線間隔(図4におけるP1とP7)との差が小さくなるように設定されている、とも言うことができる。本例では、最終端でのつなぎ部とその前後の走査線の間隔の差(偏差)が大きいため、そこの部分の差が小さくなる様に設定したが、走査光学系の設計によっては収差の発生状態が異なり、中間像高で偏差が大きくなる走査光学系もあり、偏差が大きい像高の差が小さくなる様に設定することが本発明の意図である。
【0045】
以上説明した実施の形態によれば、中央像高(走査像高0)における各LDAにより形成される結像スポットの中心点の間隔が狙いの走査線間隔より狭くなるように走査光学系A,Bを設定することで、加工誤差や組み付け時のばらつき等が生じた場合であっても、つなぎ部における走査線や静電潜像の間隔と狙いとする間隔との誤差量を低減することができる。
【0046】
なお、以上説明した実施の形態において、走査線間隔に代えて、被走査媒体上に形成される静電潜像の間隔を前述の条件となるように設定することによっても、前述の効果を得ることができる。
【0047】
次に、走査線の副走査方向のピッチ間隔を等間隔とする光走査装置について説明する。
図10は、光源を1A,1Bに代えて、1A´、1B´とした場合の被走査面上に形成される結像スポットの位置関係を示す模式図である。光源1A´と1B´は、半導体レーザ(Laser Diode:LD)である。
光源1A´,1B´により形成される結像スポット7A´,7B´は、主走査方向にピッチ間隔Pmを有しており、また、副走査方向にピッチ間隔Psを有している。書込密度により画像のピッチ(本発明の課題がない場合はピッチ間隔と置き換えられる)は一義的、たとえば、600dpiの場合は42.3μm、1200dpiの場合は21.2μm、に決まる。被走査媒体7は、結像スポット7A´と7B´が被走査媒体7上を主走査方向に走査する際に、副走査方向に移動速度V(mm/s)で移動している。
【0048】
図11は、図10に示した位置関係にある結像スポットにより、被走査媒体7上に形成される静電潜像(画像)の位置関係を示す模式図である。
光源1A´から射出された光束は、同期検知信号およびそれに伴ってあるタイミングの後に発信される書込開始信号により、データ書込開始位置から被走査媒体7上に結像スポット7A´として集光され、結像スポットの光エネルギーにより光電変換が行われて、それが走査されることにより図に示すデータ書込開始位置から被走査媒体7上に静電潜像9Aを形成する。
光源1B´から射出された光束は、主走査方向のピッチ間隔Pmにより起こるタイミングの遅れの後、被走査媒体7上をデータ書込開始位置から結像スポット7B´が光走査され、結像スポット7A´と同様に被走査媒体7上に静電潜像を形成する。
【0049】
このとき、被走査媒体7は、図に示す矢印の方向に移動しているものとする。被走査媒体7が移動していないとき、光源1B´による静電潜像は、図に示すデータ書込開始位置から9B1のように被走査媒体7上に形成される。被走査媒体7が移動している場合、その移動に伴い静電潜像が形成される位置は9B1から9B2にずれて、その位置から静電潜像が形成される。この現象により、副走査方向の静電潜像のピッチは、被走査媒体が移動していないときにPsgであったものが、Psg´になり、静電潜像の副走査ピッチは広がる。
一方、被走査媒体の移動方向が図11に示した方向と逆方向であった場合には、被走査媒体が移動していないときに対して静電潜像の副走査ピッチは狭まる。したがって、被走査媒体7上での副走査方向の光束のピッチPsは、被走査媒体7の移動速度V(mm/s)および移動方向について考慮し設定しなければならない。
【0050】
図12は、被走査媒体7が副走査方向に移動する場合の静電潜像の形成される位置(方向)を示した模式図である。被走査媒体7の移動方向は、図11に示した例と同じである。被走査媒体7が移動しない場合(停止時)は、静電潜像9Aおよび9B2(9B1)は図12中の実線のように形成される。しかし、被走査媒体7が移動すると、移動により静電潜像は、図12中の点線のように移動方向に対して斜めに形成される。静電潜像9B2が形成されるとき、9Aは9A´の位置にあり、主走査方向の間隔Pmと副走査方向の間隔Psgは保たれて静電潜像が形成される。
【0051】
図14(a)は、静電潜像の副走査ピッチが等間隔(均一)に形成された場合の画像の模式図である。このように静電潜像が形成される場合、各ドットが均一に重なり合うため、濃度ムラは発生しない。しかし、静電潜像の副走査ピッチが不均一になった場合(被走査媒体の移動方向は図10と同じ場合)は、図14(b)に示すように各ドットの重なり合いにムラが生じ、画像に濃度ムラが発生する。図14(b)の例では、光源1A´による光束による静電潜像と光源1B´による光束による静電潜像の間隔が、被走査媒体の移動と主走査方向のピッチ間隔により広がった場合である。光源1A´および光源1B´による光束は、同一の周期で走査するため、静電潜像A1,A2、および、静電潜像B1,B2の副走査方向ピッチは、被走査媒体7の移動の有無に関わらず変化しない。このことは、図14(a)も図14(b)も同じである。副走査ピッチ間隔に影響を与えるのは、前述した被走査媒体7の移動に伴う光源1B´による光束の位置のズレによる静電潜像の位置ズレの影響のみである。
【0052】
ここで、この主走査方向の間隔Pmと被走査媒体の移動に伴う光源1A´および光源1B´による光束の静電潜像の間隔のズレ量、つまり図12における「Psg´−Psg」の関係を導く。なお、各記号の意味は以下の通りである。
Rm:偏向器の1分間の回転数(rpm)
n:偏向器の面数
θ:被走査媒体上の画像形成範囲を結像スポットが走査するときの偏向器の回転角(deg)
Er:θと偏向反射面の分割角度θ0との比
L :画像形成範囲(走査長)(mm)
Pm:2つの光束の主走査方向のピッチ間隔(mm)
V :被走査媒体の副走査方向移動速度(mm/s)
ρ:副走査方向の1インチ幅の走査本数(dot or line)
τ:画像形成範囲(走査長)Lを結像スポットが走査するのにかかる時間
【0053】
結像スポットの1走査にかかる時間t0は、
t0=60/(Rm*n) (sec)
である。また、偏向器の1つの偏向反射面の分割角度θ0(図1参照)は、
θ0=360/n (deg)
であるため、画像形成範囲Lを走査するための偏向器の回転角との比Erは、
Er=θ/θ0=θ/(360/n)
で求めることができる。
【0054】
画像形成範囲Lを結像スポットが走査するのにかかる時間τは、
τ=60/(Rm*n)*Er (sec)
となり、主走査ピッチPmを結像スポットが走査するのにかかる時間tは、
t=Pm/L*τ=Pm/L*60/(Rm*n)*Er (sec)
である。この間の被走査媒体の副走査方向の移動量が副走査ピッチの変化量になるため、静電潜像の間隔のズレ量ΔP(図12におけるPsg´−Psg)は、
ΔP=V*t=V*Pm/L*60/(Rm*n)*Er (mm) (式1)
により求めることができる。
一方、結像スポットの走査周波数fvは、
fv=(Rm/60)*n=ρ/25.4*V (1/s)
である。これより、副走査方向の走査位置(静電潜像の間隔)のズレ量ΔPは、
ΔP=Pm/L*25.4/ρ*Er (mm)
より求めることもできる。
【0055】
次に、1つの偏向反射面で同時に偏向走査する結像スポットの発光点の合計がN個からなる場合、結像スポットの走査周波数fvNは、
fvN=fv/N=ρ/25.4*V/N (1/s)
である。よって、副走査方向の走査位置(静電潜像の間隔)のズレ量ΔPは、
ΔP=Pm/L*25.4/ρ*N*Er (mm) (式2)
ここで、Rm=29527rpm、n=6、Er=0.7、L=300mm、Pm=20mm、V=500mm/s、ρ=1200、N=8の書込光学系で検討したところ、式1または式2より、
ΔP=7.9 (μm)
と求まる。この書込光学系の副走査方向は1200dpiであるため、画像ピッチは、
21.2 (μm)
であり、上記検討結果から、静電潜像のピッチが約1/3ほどずれる。
【0056】
これを補正するためには、2つの結像スポットの副走査方向の間隔を下記の通り設定するとよい。なお、被走査媒体の副走査方向の移動を考慮した場合の結像スポットの副走査ピッチをPs0とする。また、下記の「先行する結像スポット」とは、同一偏向反射面により偏向走査される光束のうち、同期検知素子による検出が先である光束により形成される結像スポットのことである。
【0057】
(1)先行する結像スポットと後行する結像スポットの位置関係が、図10に示すように、被走査媒体の移動方向と同じ側に先行する結像スポットが配置される場合(先行する結像スポットの走査線により形成される静電潜像が先行画像の場合)には、
Ps0=Ps−ΔP (式3)
とする。
【0058】
(2)先行する結像スポットと後行する結像スポットの位置関係が、図10に示す例と逆で、被走査媒体の移動方向と反対側に先行する結像スポットが配置される場合(後行する結像スポットの走査線により形成される静電潜像が先行画像の場合)には、
Ps0=Ps+ΔP (式4)
とする。
【0059】
このように設定することにより、被走査媒体を照射している結像スポットの副走査方向のピッチ間隔Psは、画像の副走査ピッチ間隔と異なるが、静電潜像の副走査ピッチ間隔を画像としての所望の間隔とすることができる。
【0060】
ここで、画像形成範囲を結像スポットが走査するときの各走査位置(像高)における副走査方向のピッチについて説明する。
電子写真等では、被走査媒体面上を結像スポットが走査して画像を形成する際、各走査位置における結像スポットの間隔にムラがあると、トナーまたはインク等の画像を形成する物質の副走査方向における重なり度合いが位置によって差が生じて、出力画像に濃度ムラが発生する。本願発明者の実験結果から、隣り合った走査線間隔の偏差(間隔の差、幅)δを、
δ<0.36*√{W^2−Ps^2}
となるように構成することで、人間の目には濃度ムラとして識別されないことが判っている。ここで、Wは被走査面上の副走査方向のビームスポット径をガウシャンビームに近似させ、強度分布のピークを1に規格化したときの1/e2のビームスポット径であり、Psは副走査方向の画像ピッチである。
【0061】
たとえば、
W=85μm、Ps=42.3μm(600dpi)の場合、
δ<26.5 (μm)
W=60μm、Ps=21.2μm(1200dpi)の場合、
δ<20.2 (μm)
と求まる。
上記の例は、偏差(幅)であるので、狙い値に対しては±δ/2となる。よって、上記(1)(2)の場合において、結像スポットの各走査位置(像高)における結像スポットの間隔のムラが以下の関係式を満足するように構成した場合、走査線間隔の偏差(ムラ)が発生しても人間の目には濃度ムラとして識別されない。なお、δ=0.36*√{W^2−Ps^2}とする。
【0062】
(1) の場合
Ps−ΔP−δ/2 < Ps0 < Ps−ΔP+δ/2 (式5)
よって、式1より、
Ps0 > Ps−V*Pm/L*60(Rm*n)*Er−0.18*√{W^2−Ps^2}
Ps0 < Ps−V*Pm/L*60(Rm*n)*Er+0.18*√{W^2−Ps^2}
また、式2より、
Ps0 > Ps−Pm/L*25.4/ρ*N*Er−0.18*√{W^2−Ps^2}
Ps0 < Ps−Pm/L*25.4/ρ*N*Er+0.18*√{W^2−Ps^2}
【0063】
(2)の場合
Ps+ΔP−δ/2 < Ps0 < Ps+ΔP+δ/2 (式6)
よって、式1より、
Ps0 > Ps+V*Pm/L*60(Rm*n)*Er−0.18*√{W^2−Ps^2}
Ps0 < Ps+V*Pm/L*60(Rm*n)*Er+0.18*√{W^2−Ps^2}
また、式2より、
Ps0 > Ps+Pm/L*25.4/ρ*N*Er−0.18*√{W^2−Ps^2}
Ps0 < Ps+Pm/L*25.4/ρ*N*Er+0.18*√{W^2−Ps^2}
【0064】
次に、光源を半導体レーザアレイ(LDA)とした場合について説明する。
図13は、光源1Aおよび1Bにより被走査面上に形成される結像スポットの位置関係を示す模式図である。光源1Aによる結像スポット7A1〜7A4は、副走査方向においてピッチ間隔PA1〜PA3で並んでいる。同様に光源1Bによる結像スポット7B1〜7B4は、副走査方向においてピッチ間隔PB1〜PB3で並んでいる。この場合も主走査方向に間隔Pmを有しているため、被走査媒体の移動により静電潜像の副走査ピッチ間隔はズレてしまうため、前述の光源をLDとした場合と同様の補正を行う必要がある。
その場合、光源1Bによる結像スポット7B1〜7B4は、光源1Aによる結像スポット7A1〜7A4に対して、一様に位置ズレを起こし、副走査ピッチ間隔P11,P21,P31,P41は、光源1Bによる結像スポットにより同じ量だけずれる。よって、副走査ピッチ間隔P12,P22,P32も同じ量だけずれて、P11,P21,P31,P41が広がればP12,P22,P32が狭まることは、LDA内部ではピッチ間隔は動かないことと図13とから明らかである。
【0065】
以上説明した実施の形態によれば、光源により形成される結像スポットの副走査方向の間隔を画像としての所望の間隔と異ならせることで、被走査面上に形成される静電潜像の副走査方向の間隔を画像としての所望の間隔となるようにすることができる。
【0066】
また、光源により形成される結像スポットの副走査方向の間隔を不均一にすることで、被走査面上に形成される静電潜像の副走査方向の間隔が均一になるようにすることができる。
【0067】
なお、これまで説明した実施の形態では、光走査装置が備える光源部の数は2であったが、本発明にかかる光走査装置が備える光源部の数は2に限定するものではない。図15は、本発明にかかる光走査装置の別の実施の形態を示す偏向回転面(走査平面)に平行な平面内に展開した光学配置図であり、3つの走査光学系を備えた場合の例である。光源1A,1B,1Cから射出された光束は、主走査平面、ここでは偏向器5の偏向反射面5A近傍で交差するように配置されており、偏向反射面5Aによりそれぞれ別の方向(8A,8B,8C)に偏向され、各結像スポットは被走査媒体7上を主走査方向においてそれぞれ間隔を有して走査する。このような場合も同様に、主走査方向における各結像スポットの間隔と被走査媒体の移動により、静電潜像の副走査ピッチはズレてしまうため、やはり上記のような補正を行う必要がある。
【0068】
次に、本発明にかかる画像形成装置と画像情報処理システムについて説明する。
図16は、本発明にかかる画像形成装置の実施の形態を示す中央断面図であり、符号30は本発明にかかる画像形成装置を示す。画像形成装置30は、本発明にかかる光走査装置、光走査装置によって露光され静電潜像が形成される感光体ドラム、静電潜像をトナーで顕像化する現像手段、顕像化されたトナー像を記録紙に転写する転写手段、などの電子写真プロセスを実行する手段を有してなる。
感光体ドラム20の周囲には、帯電器45、現像器37、転写器40、除電・クリーナー等の電子写真プロセスにしたがうプロセス部材が順に配置されている。前述の光走査装置は、電子写真プロセスの露光プロセスを実行するもので、帯電器45で均一に帯電された感光体ドラム20の表面を光走査して静電潜像を形成する。
【0069】
以下、画像形成装置30による画像形成について説明する。
ランプ33が、コンタクトガラス32上に置かれた原稿31を照らす。照射された原稿31による画像は、ミラーM1,M2,M3でスキャナレンズブロック34へ導かれ、電荷結合素子(Charge Coupled Device:CCD)により画像データ35として処理されて、光書込光学装置36に転送される。光書込光学装置36は、画像データ35に基づいてON/OFFを繰り返し、帯電器45により一様に帯電した感光体ドラム20上に光スポットを照射する。照射された光スポットの走査により感光体ドラム20の表面に静電潜像が形成され、現像器37により感光体ドラム20上の静電潜像にトナーを付着させてトナー像をつくる。次に、転写器40により、給紙トレイ38から給紙ローラー39により感光体ドラム20に導かれた記録紙に感光体ドラム20上のトナー像を転写し、定着器41により記録紙に融解固着する。その後、記録紙は、排紙ローラー44により排紙トレイ42に排出される。
除電・クリーナー43は、感光体ドラム20上の残留トナーを除去し、感光体ドラム20を除電する。
【0070】
画像形成装置30は、本発明にかかる光走査装置を備えているため、加工誤差や組み付け時のばらつき等が生じた場合であっても、つなぎ部における走査線や静電潜像の間隔と狙いとする間隔との誤差量を低減することができ、出力画像の高品質化を図ることができる。また、走査線の副走査方向のピッチ間隔を等間隔とすることで、出力画像の高品質化を図ることもできる。
【0071】
なお、本発明にかかる画像形成装置と、図示しないコンピュータなどの電子演算装置やファクシミリなどの機器とを、LAN(Local Area Network)やインターネットなどの通信ネットワークを介して接続することにより、複数の機器から通信ネットワークを介して入力される画像出力の要求を1台の画像形成装置で処理することができる画像情報処理システムを形成することができる。
また、通信ネットワーク上に複数の画像形成装置を接続すれば、通信ネットワークに接続された各機器から各画像形成装置の状態、たとえば、ジョブの混み具合、電源が入っているかどうか、故障しているかどうか、等を知ることができ、一番状態の良い、つまり使用者の希望に一番適した画像形成装置を選択して、画像出力を行うことができるようになる。
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、加工誤差や組み付け時のばらつき等が生じた場合であっても、つなぎ部における走査線や静電潜像の間隔と狙いとする間隔との誤差量を低減することができる。
【0073】
また本発明によれば、被走査面上に形成される静電潜像の副走査方向の間隔を均一にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる光走査装置の実施の形態を示す偏向回転面(走査平面)に平行な面内に展開した光学配置図である。
【図2】上記光走査装置の光源から射出された複数の光束が被走査面上に形成する結像スポットの位置関係を示す模式図である。
【図3】上記光走査装置の光源から射出されて偏向反射面で偏向走査される複数の光束の被走査面上での位置関係を示す模式図である。
【図4】上記光走査装置の被走査面上における各走査線の間隔を示す模式図である。
【図5】光源が有する発光点の配置位置の関係を示す模式図であり、(a)は発光点が副走査方向に略平行に並んで配置された場合、(b)は発光点が副走査方向に傾きをもって並んで配置された場合、である。
【図6】像高と走査線間隔との関係を示す線図である。
【図7】上記像高と走査線間隔との関係を示す図表である。
【図8】つなぎ部の走査線間隔の差を低減した場合の、像高と走査線間隔との関係を示す線図である。
【図9】上記像高と走査線間隔との関係を示す図表である。
【図10】光源が半導体レーザの場合の、被走査面上に形成される結像スポットの位置関係を示す模式図である。
【図11】上記位置関係にある結像スポットにより被走査面上に形成される静電潜像の位置関係を示す模式図である。
【図12】被走査媒体が副走査方向に移動する場合の静電潜像の形成される位置(方向)を示した模式図である。
【図13】光源が半導体レーザアレイの場合の、被走査面上に形成される結像スポットの位置関係を示す模式図である。
【図14】静電潜像の副走査ピッチが均一に形成された場合の出力画像の様子を示す模式図である。
【図15】本発明にかかる光走査装置の別の実施の形態を示す偏向回転面(走査平面)に平行な面内に展開した光学配置図である。
【図16】本発明にかかる画像形成装置の実施の形態を示す中央断面図である。
【符号の説明】
1A,1B 光源(半導体レーザアレイ)
2A,2B 第1結像光学系(カップリングレンズ)
3A,3B 開口絞り
4 シリンダレンズ
5 偏向器
6 第2結像光学系
7 被走査媒体
7A,7B 結像スポット
8A,8B 光束
9A,9B 静電潜像
100 同期検知光学系
ch 発光点
L 走査線の番号
X 基準走査位置
s 走査線の曲がり量
P 発光点の間隔
Pm 結像スポットの主走査方向の間隔
Ps 結像スポットの副走査方向の間隔

Claims (3)

  1. 複数の発光点が副走査方向に並んで配置されて構成された光源を複数備えた光走査装置であって、
    副走査方向にある任意の間隔を有して配置された複数の光源と、上記光源から射出された光束を偏向走査する偏向器と、上記光源から射出された光束を上記偏向器に導く第1結像光学系と、上記偏向器により偏向された光束を上記被走査面に集光する第2結像光学系、とを有してなり、
    それぞれの光源により形成される結像スポットが互いに補完する位置関係になるように設定されていて、
    中央像高におけるそれぞれの光源により形成される結像スポットの中心点の間隔が書込密度により一義的に決定される走査線の間隔より狭くなるように上記複数の光源の位置関係が設定されていることを特徴とする光走査装置。
  2. 光走査装置により被走査面に静電潜像が形成される画像形成装置であって、
    上記光走査装置が請求項記載の光走査装置であることを特徴とする画像形成装置。
  3. 画像形成装置と、この画像形成装置に画像出力の要求を通信ネットワークを介して入力する複数の機器とで構成された画像情報処理システムであって、
    上記画像形成装置が請求項記載の画像形成装置であることを特徴とする画像情報処理システム。
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