JP4233296B2 - 前駆体電池、リチウム二次電池、及びリチウム二次電池の製造方法 - Google Patents

前駆体電池、リチウム二次電池、及びリチウム二次電池の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、前駆体正極活物質を含む前駆体正極を備えた前駆体電池、この前駆体電池を用いたリチウム二次電池、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子部品をプリント基板等に装着する際には、クリームはんだをプリント基板に付着させた後、プリント基板上に電子部品を載置し、さらに、プリント基板をリフロー炉内を通過させることにより自動的にはんだ付けを行う、リフローはんだ法が提案されている。近年、このようなリフローはんだ法をリチウム二次電池にも応用することにより、省スペース化やはんだ付けの省力化を図るような提案がなされている。ここで、上記リフローはんだ付け可能なリチウム二次電池の正極活物質としては、MnO2や、Li2MnO3を含有するMnO2などが使われている。一方、負極活物質としては、電池を製造した段階で放電容量を有する(換言すれば充電された状態である)ことを前提としているため、放電可能なリチウム金属やリチウム合金(代表的にはリチウム−アルミニウム合金)が用いられていた。
【0003】
しかしながら、上記構造のリチウム二次電池では、リフローはんだ付け時に、電池温度が250℃から270℃程度に加熱されるということに起因して、以下に示すような課題を有していた。
【0004】
一般にマンガン化合物はMnの価数が高いほど酸化力が強くなるが、上記正極活物質ではMnが4価であり価数が高いため(但し、マンガンは不定比化合物を作り易いため、化学式上4価の化合物でも価数が厳密に4.0ということではなく、3.8から4.2程度の値をとり得る)、酸化力が強くなる。このため、加熱されたマンガン酸化物が、電解液を酸化分解して、電池の膨れ、電池内部抵抗の上昇を招く他、電池の充放電容量が減少してしまうという課題を有していた。
【0005】
一方、負極に用いられるリチウム金属やリチウム合金は反応性が高いため、上記の如く加熱されると、リチウム金属等が電解液を還元分解して、電池内部抵抗の上昇を招く他、電池の充放電容量が減少してしまうという課題を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の課題を考慮してなされたものであって、電池温度が上昇した場合であっても、電解液が酸化分解したり還元分解したりするのを抑制することにより、電池の膨れ、電池内部抵抗の上昇、及び、電池の充放電容量の減少を抑えることができる前駆体電池、リチウム二次電池、及びリチウム二次電池の製造方法の提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の前駆体電池は、前駆体正極活物質を含む前駆体正極と、前駆体負極と、非水電解質とを備えた前駆体電池において、上記前駆体正極活物質は、マンガン価数が2.6価から3.4価の範囲にあるリチウムマンガン複合酸化物と、酸化ホウ素とからなり、上記酸化ホウ素の含有量は、リチウムマンガン複合酸化物と酸化ホウ素の合計の1質量%以上20質量%以下である、ことを特徴とする。
【0008】
上記構成の如く、前駆体正極活物質として、マンガン価数が2.6価から3.4価の範囲であるリチウムマンガン複合酸化物が含まれると、マンガンの価数が従来の正極より低いため、リフローはんだ付けする際に前駆体電池が高温状態に曝されても、電解液の分解が抑制される。したがって、電池の膨れ、電池の内部抵抗上昇、電池の充放電容量が減少してしまうのを抑制することができる。
また、上記構成の如く、正極活物質中に酸化ホウ素が含まれると、正極の表面に酸化ホウ素による皮膜が生成される。この結果、マンガンの価数が従来の正極より低いことによる効果に加え、正極付近での電解液の酸化分解が一層抑制されるため、電池の膨れ、電池の内部抵抗上昇、電池の充放電容量が減少してしまうのを一層顕著に防止することができる。
この酸化ホウ素の含有量は、1質量%以上20質量%以下とし、好ましくは3質量%以上20質量%以下とし、さらに好ましくは5質量%以上15質量%以下とし、最も好ましくは10質量%とする。
【0009】
ここで、マンガンは不定比酸化物を作り易いため、化学式上3価の化合物でも価数が厳密に3.0ということではなく、2.6価から3.4価程度の範囲になる。そこで、本発明では、マンガンの価数を2.6価から3.4価の範囲に規定した。
【0010】
上記本発明の前駆体電池においては、上記リチウムマンガン複合酸化物として、LiMnO2及び/又はLi2Mn24を用いることができる。LiMnO2には、斜方晶と単斜晶の2種類の結晶形態があるが、どちらも使用可能である。
【0011】
【0012】
上記構成の前駆体電池において、上記前駆体負極が、リチウムを吸蔵可能なリチウム非含有物質である構成とすることができる。
【0013】
上述のように、正極活物質として、マンガン価数が2.6価から3.4価の範囲にあるリチウムマンガン複合酸化物を用いた場合、初期状態では放電容量を有しておらず、電池作製後に一度充電する必要がある。したがって、負極にはリチウムを含まず、充電によって正極に含まれるリチウムを吸蔵する物質を用いることも可能である。このように、負極にリチウムが含まれていない状態で、リフローはんだ付けを行うと、従来のリチウムを含有した負極に比べて、リフローはんだ付けによる高温加熱時でも、電解液を還元分解するのが抑制される。したがって、電池膨れ、内部抵抗の上昇、及び放電容量の低下を抑えることができる。
【0014】
さらに、上記構成の前駆体電池においては、上記前駆体負極が、負極外部端子と一体化されており、かつ前記端子が、リチウムと合金化する物質と、リチウムと合金化しない物質と、からなるクラッド材である構成とすることができる。
【0015】
前記リチウムと合金化する物質としては、アルミニウム(Al)、すず(Sn)、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、ガリウム(Ga)、マグネシウム(Mg)、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、シリコン(Si)等があげられる。
【0016】
前記リチウムと合金化しない物質としては、ステンレス鋼、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、銅(Cu)、鉄(Fe)、銀(Ag)、金(Au)、タングステン(W)、白金(Pt)、モリブデン(Mo)等があげられる。
【0017】
上記構成であると、負極を作製する工程を簡略化できるため、電池の製造コストを削減できる。
【0018】
また、本発明のリチウム二次電池は、上記の前駆体電池が、リフローはんだ付けされた後に、充電されたことを特徴とする。
【0019】
このように、リチウムマンガン複合酸化物のマンガン価数が2.6価から3.4価の範囲である前駆体電池を用いると、リフローはんだ付けする際に高温に加熱されても、電解液の分解が抑制されるので、電池の膨れ、電池の内部抵抗上昇、電池の充放電容量が減少してしまうのを抑制することができる。一方、リフローはんだ付け後に電池を充電することにより、正極に含まれるリチウムが負極に移動するため、円滑に放電することが可能となる。
【0020】
発明のリチウム二次電池の製造方法は、正極と、負極と、非水電解質とを備えたリチウム二次電池の製造方法において、マンガン価数が2.6価から3.4価の範囲にあるリチウムマンガン複合酸化物に、当該リチウムマンガン複合酸化物と酸化ホウ素の合計質量に対し1質量%以上20質量%以下の酸化ホウ素を配合して正極活物質となし、この正極活物質を用いて前駆体正極を作製する第1の工程と上記前駆体正極と、前駆体負極と、非水電解質と、を用いて前駆体電池を作製する第2の工程と、上記前駆体電池をリフローはんだ付けする第3の工程と、上記リフローはんだ付けした前駆体電池を充電する第4の工程と、を備えることを特徴とするリチウム二次電池の製造方法である。
【0021】
この方法により、リフローはんだへの耐性に優れたリチウム二次電池を作製することができる。
【0022】
また、本発明のリチウム二次電池の製造方法は、前駆体正極活物質として、LiMnO 2 及び/又はLi 2 Mn 2 4 を用いることを特徴とする。
【0023】
【0024】
また、本発明のリチウム二次電池の製造方法は、上記前駆体負極として、リチウムを吸蔵可能なリチウム非含有物質を用いることを特徴とする。
【0025】
この方法により、負極の製造工程を簡略化し、電池の製造コストを削減することが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下のような製造方法にて、参考例としてのコイン型のリチウム二次電池を作製した。
〔前駆体正極参考例の作製〕
まず、水酸化リチウム(LiOH)と三二酸化マンガン(Mn23)とを、Li:Mnの原子比率が1:1となるように混合した後、真空中で800℃で6時間焼成することにより、前駆体正極活物質の主原料を作製した。この前駆体正極活物質主原料をX線回折測定法により測定したところ、斜方晶LiMnO2であることが判明した。
【0027】
次に、前駆体正極活物質主原料としての上記斜方晶LiMnO2を100質量部と、導電剤としてカーボンブラック10質量部と、結着剤としてポリテトラフルオロエチレン樹脂5質量部とを混合した後、圧縮成型して、前駆体正極ペレットを得た。
しかる後、上記前駆体正極ペレットを、250℃で2時間、真空乾燥し水分を除去することにより前駆体正極参考例を作製した。
【0028】
〔前駆体負極の作製〕
まず、リチウム金属板とアルミニウム板とを、Al:Liの原子比が1:1の割合となるようにして両者を張り合わせた後、これを後述する電池用電解液と同一組成の液に浸し、室温で3日間放置した。これにより、リチウム金属とアルミニウムが電気化学的に反応し、リチウムーアルミニウム合金が生成された。こうして作製したリチウムーアルミニウム合金を所定寸法の円盤状に打ち抜くことにより、前駆体負極を作製した。
【0029】
〔電解液の調製〕
プロピレンカーボネート(PC)と1,2−ジメトキシエタン(DME)とを体積比4:6で混合した溶媒に、溶質としてのリチウムビストリフルオロメタンスルホンイミド〔LiN(CF3SO22〕を0.75モル/リットルの濃度になるように溶解させて、電解液を調製した。
【0030】
〔前駆体電池の組立〕
上記前駆体正極参考例、前駆体負極、及び電解液を組み合わせ、直径6.8mm、高さ2.1mmのコイン型の前駆体電池を組み立てた。なお、セパレータとしては耐熱性の高いポリフェニレンスルフィド樹脂(融点287℃)製の微多孔膜を用い、ガスケットにもポリフェニレンスルフィド樹脂成型品を用いた。また、正極缶及び負極キャップにはステンレス製のものを用いた。
【0031】
〔電池の作製〕
上記前駆体電池を、プリント基板等の基板にリフローはんだ付けを行った後、充電することにより、参考例としてのリチウム二次電池が作製される。
【0032】
〔その他の事項〕
(1)前駆体負極の材料としては、上記リチウム−アルミニウム合金に限定するものではなく、アルミニウム、天然黒鉛、人造黒鉛、コークスなどの炭素材料、ウッドメタル(ビスマス、鉛、スズ、カドミウムの合金)、五酸化ニオブ、リチウムチタンスピネル(Li4Ti512)などの金属酸化物、或いはポリアニリンなどの導電性高分子材料を用いることができる。
【0033】
(2)電解液としては上記のものに限定されるものではなく、溶質としては、例えばLiClO4 、LiBF4 、LiN(SO2252 、LiPF6-X(Cn2n+1)x 〔但し、0≦x≦6で、n=1又は2〕等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を混合して使用できる。リチウム塩の濃度は特に限定されないが、電解液1リットル当り0.2〜1.5モルであることが望ましい。また、電解液の溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトンなどが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を混合して使用できる。
【0034】
【実施例】
参考例1〕
参考例1としては、上記発明の実施の形態に示した方法と同様の方法にて作製した参考例としてのリチウム二次電池を用いた。
このようにして作製した電池を、以下参考例電池A1と称する。
【0035】
参考例2〕
以下のようにして、前駆体正極活物質主原料を作製した他は、上記参考例1と同様にして参考例にかかる前駆体参考例電池を作製した。
水酸化リチウム水和物(LiOH・H2O)1.1gと水酸化カリウム(KOH)70gを水100ccに溶解させた溶液に、三二酸化マンガン(Mn23)1gを加え、これを水熱反応炉内で、220℃、8時間反応させた。次に、生成粉末をメタノールで洗浄して過剰の水酸化リチウムと水酸化カリウムを除去した後、乾燥させることにより前駆体正極活物質主原料を作製した。この前駆体正極活物質主原料をX線回折測定法により測定したところ、単斜晶LiMnO2であることが判明した。
このようにして作製した電池を、以下参考例電池A2と称する。
【0036】
参考例3〕
以下のようにして、前駆体正極活物質主原料を作製した他は、上記参考例1と同様にして前駆体参考例電池を作製した。
水酸化リチウム(LiOH)と二酸化マンガン(MnO2)とを、Li:Mn原子比が1:2となるように混合した後、空気中850℃で20時間焼成し、立方晶スピネル型構造LiMn24を得た。次に、前記立方晶スピネル型LiMn24と水酸化リチウム(LiOH)とを、質量比LiMn24:LiOH=1:1で混合し、窒素気流中600℃で6時間焼成することにより前駆体正極活物質主原料を作製した。この前駆体正極活物質主原料をX線回折測定法により測定したところ、正方晶Li2Mn24であることが判明した。
このようにして作製した電池を、以下参考例電池A3と称する。
【0037】
参考例4〕
以下のようにして、前駆体正極活物質主原料を作製した他は、上記参考例1と同様にして前駆体参考例電池を作製した。
水酸化リチウム(LiOH)と三二酸化マンガン(Mn23)とを、Li:Mn原子比率が1:1となるように混合した後、真空中で600℃で6時間焼成することにより前駆体正極活物質主原料を作製した。この前駆体正極活物質主原料をX線回折測定法により測定したところ、斜方晶LiMnO2と正方晶Li2Mn24との複合体であることが判明した。
このようにして作製した電池を、以下参考例電池A4と称する。
【0038】
参考例5〕
前駆体負極として、リチウム−アルミニウム合金に代えてアルミニウムを用いた他は、参考例4と同様にして前駆体参考例電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下参考例電池A5と称する。
【0039】
参考例6〕
前駆体負極として、リチウム−アルミニウム合金に代えて下記のようにして作製したものを用いた他は、参考例4と同様にして前駆体参考例電池を作製した。
負極活物質として天然黒鉛90質量部と、導電材としてアセチレンブラック(AB) 5質量部と、結着材としてポリテロラフルオロエチレン樹脂5質量部を混合し、所定寸法の円盤状に加圧成型することにより、前駆体負極を作製した。
このようにして作製した電池を、以下参考例電池A6と称する。
【0040】
〔実施例7〕
以下のような、前駆体正極活物質、前駆体負極を用いて、前駆体電池を以下のように作製した他は、上記参考例1と同様にして前駆体電池を作製した。
上記斜方晶LiMnO2と、酸化ホウ素(B23)とを、それぞれ90質量部と10質量部との割合で混合し、前駆体正極活物質を作製した。
前駆体負極として、ステンレス板とアルミニウム板とを貼り合わせ、内面がアルミニウム板になるようにしたクラッド材を用いた。この前駆体負極は、外部負極端子である負極キャップを兼ねる。
この負極キャップ内にポリフェニレンスルフィド製の微多孔膜からなるセパレータを載置させ、このセパレータに上記電解液を注液し、その後、セパレータ上に前記正極を載置させ、さらにその上にステンレス製の正極缶を被せた。この正極缶と前記負極キャップとを、ポリフェニレンスルフィド樹脂成型品の絶縁ガスケットを介してかしめ封口し、直径6.8mm、高さ2.1mmのコイン型の前駆体電池を組み立てた。
このようにして作製した電池を、以下本発明電池A7と称する。
【0041】
〔実施例8〕
前駆体正極活物質として、上記斜方晶LiMnO2と、酸化ホウ素(B23)とを、それぞれ90質量部と10質量部との割合で混合したものを用いた他は、上記参考例1と同様にして前駆体電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下本発明電池A8と称する。
【0042】
〔実施例9〕
前駆体正極活物質として、上記斜方晶LiMnO2と、酸化ホウ素(B23)とを、それぞれ97質量部と3質量部との割合で混合したものを用いた他は、上記実施例7と同様にして前駆体電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下本発明電池A9と称する。
【0043】
〔実施例10〕
前駆体正極活物質として、上記斜方晶LiMnO2と、酸化ホウ素(B23)とを、それぞれ80質量部と20質量部との割合で混合したものを用いた他は、上記実施例7と同様にして前駆体電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下本発明電池A10と称する。
【0044】
〔実施例11〕
前駆体正極活物質として、上記斜方晶LiMnO2と、酸化ホウ素(B23)とを、それぞれ99質量部と1質量部との割合で混合したものを用いた他は、上記実施例7と同様にして前駆体電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下本発明電池A11と称する。
【0045】
〔比較例1〕
正極活物質(参考例1における前駆体正極活物質主原料)として、二酸化マンガン(MnO2)を空気中375℃で20時間焼成することにより作製したものを用いた他は、上記参考例1と同様にして電池を作製した。なお、比較例1において、前駆体正極活物質、前駆体電池とはならず、正極活物質、電池となるのは、マンガンの価数が4価であるため、充電を行うことなく放電可能だからである。これは、下記比較例2、3においても同様である。
このようにして作製した電池を、以下比較電池X1と称する。
【0046】
〔比較例2〕
以下のようにして、正極活物質を作製した他は、上記参考例1と同様にして電池(参考例1における前駆体電池)を作製した。
水酸化リチウム(LiOH)と二酸化マンガン(MnO2)とをLi:Mn原子比率が3:7となるように混合し、空気中375℃で20時間焼成することにより、正極活物質を作製した。この正極活物質をX線回折測定法により測定したところ、Li2MnO3とMnO2との複合体であることが判明した。
このようにして作製した電池を、以下比較電池X2と称する。
【0047】
〔比較例3〕
正極活物質として、上記斜方晶LiMnO2と、酸化ホウ素(B23)とを、それぞれ90質量部と10質量部との割合で混合したものを用いた他は、上記比較例1と同様にして前駆体電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下比較電池X3と称する。
【0048】
〔比較例4〕
正極活物質として、上記斜方晶LiMnO2と、酸化ホウ素(B23)とを、それぞれ70質量部と30質量部との割合で混合したものを用いた他は、上記比較例1と同様にして前駆体電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下比較電池X4と称する。
【0049】
〔実験〕
上記参考例電池A1〜A6及び本発明電池A7〜A11及び比較電池X1〜X4を、180℃で一分間予備加熱した後、最高温度250℃、出入り口付近の最高温度が180℃のリフロー炉内を1分間かけて通過させ、その後電池を室温まで自然冷却した後、電池の厚み増加と、電池の内部抵抗とを測定した。それらの結果を表1および表2に示す。なお、電池の内部抵抗の測定は1kHz交流インピーダンス法で行った。
【0050】
また、上記リフローを終えた各電池を、充放電試験装置に接続し、0.1mAの電流値で電池電圧が4.2Vに達するまで充電した後、0.1mAの電流値で電池電圧が2.0Vに達するまで放電し、このときの放電容量を測定した。その結果も表1および表2に併せて示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
上記表1から明らかなように、比較電池X1〜X3ではマンガンの価数が4価であるため、熱されたマンガン酸化物により電解液が酸化分解され、電池の内部抵抗が大きく上昇する他、電池の膨れが大きく、しかも放電容量が低下していることが認められる。
【0054】
これに対して、表1および表2から、参考例電池A1〜A6及び本発明電池A7〜A11ではマンガンの価数が3価であるため、熱されたマンガン酸化物による電解液の酸化分解が抑制され、電池の内部抵抗の上昇が抑えられる他、電池の膨れが小さく、しかも放電容量の低下も抑えられることが認められる。
【0055】
さらに、参考例電池A1と本発明電池A8とを比較した場合、前駆体正極活物質主原料に酸化ホウ素を加えた本発明電池A8の方が、内部抵抗と電池膨れが小さく、放電容量の低下も抑えられることが認められる。これは酸化ホウ素が正極粒子の表面に皮膜を生成し、電解液の酸化分解をさらに抑制することに起因しているものと考えられる。
【0056】
参考例電池A4と参考例電池A5とを比較した場合、前駆体負極にアルミニウム金属を用いた参考例電池A5の方が、前駆体負極にリチウム−アルミニウム合金を用いた参考例電池A4より、内部抵抗が小さくなっていることが認められる。同様のことは、本発明電池A7と本発明電池A8とを比較した場合にも認められる。これは前駆体負極にリチウムが含まれていない方が、リフロー加熱時に前駆体負極による電解液の還元分解が抑制されるということに起因しているものと考えられる。
【0057】
その一方、参考例電池A4と参考例電池A5とを比較した場合、参考例電池A5の方が参考例電池A4より放電容量が小さくなっていることが認められる。これは、参考例電池A5では負極をアルミニウム金属だけで構成しているため、放電反応に使われるリチウムイオンは、充電時に正極から引き抜かれたリチウムイオンだけになるが、このような状態でのアルミニウム合金の初期充放電効率は低くなるため、充電で負極に移動したリチウムの一部は負極に取り込まれたままとなり、放電時反応で使われないということに起因するものと考えられる。
【0058】
本発明電池A7と本発明電池A8とを比較した場合、同様の放電容量が得られることが認められる。これは、上記放電時反応で使われない負極に取り込まれたままのリチウムの存在によるマイナス効果を、酸化ホウ素の混合によって正極内の格子エネルギーが上昇し、正極電位が増加することによるプラス効果が上回ったことに起因すると考えられる。
【0059】
参考例電池A4と参考例電池A6とを比較した場合、前駆体負極に天然黒鉛を用いた参考例電池A6の方が、前駆体負極にリチウム−アルミニウム合金を用いた参考例電池A4より、放電容量が小さくなっていることが認められる。これは、充電反応により正極から引き抜かれ、天然黒鉛に進入したリチウムイオンの内、放電に供されない不可逆容量分が存在するということに起因するものと考えられる。
【0060】
また、表2から、酸化ホウ素の添加量が、1質量%〜20質量%の範囲である本発明電池A7、A9〜A11と、その添加量が30質量%である比較電池X4とを比較した場合、本発明電池A7、A9〜A11の方が、内部抵抗が低く、放電容量の低下も抑えられることが認められる。このことから、上記酸化ホウ素による正極粒子表面への皮膜生成に起因した効果が顕著である電池を実現するには、酸化ホウ素の添加量が、好ましくは1質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは3質量%以上20質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以上15質量%以下であり、最も好ましくは10質量%であることが判る。
【0061】
【発明の効果】
以上で説明したように本発明によれば、電池温度が上昇した場合であっても、電解液が酸化分解したり還元分解したりするのを抑制することにより、電池の膨れ、電池内部抵抗の上昇、及び、電池の充放電容量の減少を抑えることができるといった優れた効果を奏する。

Claims (9)

  1. 前駆体正極活物質を含む前駆体正極と、前駆体負極と、非水電解質とを備えた前駆体電池において、
    上記前駆体正極活物質は、マンガン価数が2.6価から3.4価の範囲にあるリチウムマンガン複合酸化物と、酸化ホウ素とからなり、
    上記酸化ホウ素の含有量は、リチウムマンガン複合酸化物と酸化ホウ素の合計質量に対し1質量%以上20質量%以下である、前駆体電池。
  2. 上記リチウムマンガン複合酸化物が、LiMnO2及び/又はLi2Mn24である、請求項1記載の前駆体電池。
  3. 上記前駆体負極が、リチウムを吸蔵可能なリチウム非含有物質である、請求項1または2記載の前駆体電池。
  4. 上記前駆体負極が、負極外部端子と一体化されており、
    かつ前記端子が、リチウムと合金化する物質と、リチウムと合金化しない物質と、からなるクラッド材である、請求項3記載の前駆体電池。
  5. 請求項1、2、3、または4のいずれかに記載の前駆体電池が、リフローはんだ付けされた後に、充電されて得られたリチウム二次電池。
  6. 正極と、負極と、非水電解質とを備えたリチウム二次電池の製造方法において、
    マンガン価数が2.6価から3.4価の範囲にあるリチウムマンガン複合酸化物に、当該リチウムマンガン複合酸化物と酸化ホウ素の合計質量に対し1質量%以上20質量%以下の酸化ホウ素を配合して正極活物質となし、この正極活物質を用いて前駆体正極を作製する第1の工程と
    上記前駆体正極と、前駆体負極と、非水電解質と、を用いて前駆体電池を作製する第2の工程と、
    上記前駆体電池をリフローはんだ付けする第3の工程と、
    上記リフローはんだ付けした前駆体電池を充電する第4の工程と、
    備えることを特徴とするリチウム二次電池の製造方法。
  7. 上記前駆体正極活物質として、LiMnO2及び/又はLi2Mn24を用いることを特徴とする、請求項6記載のリチウム二次電池の製造方法。
  8. 上記前駆体負極として、リチウムを吸蔵可能なリチウム非含有物質を用いることを特徴とする、請求項6または7記載のリチウム二次電池の製造方法。
  9. 上記前駆体負極として、負極外部端子と一体化され、かつ前記端子がリチウムと合金化する物質とリチウムと合金化しない物質とからなるクラッド材を用いることを特徴とする、請求項8記載のリチウム二次電池の製造方法。
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