JP4232917B2 - 管への溝加工用工具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、管を差込むだけで接続することができる差込み式管継手と鋼管等を接続する際に、管の端部に溝加工やマーキング加工などをするための溝加工用工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば水道および温水配管等における赤水対策として樹脂ライニング鋼管と管端防食管継手が多く使用されている。ところが、これらはねじ込み式あるいはナット等を用いたメカニカル式のものであったから、ねじ切り作業や部品の組み込み作業が必要となり施工性が悪かった。そこで、管を差込むだけで接続できる差込み式の管端防食管継手も提案されている。
【0003】
例えば、特開平4-203688号公報に開示された差込み式防食管継手がある。このものは図5に示すように、管継手本体4の端部内周面にテーパ内面411を有する凹溝41を形成し、ここに半径方向に拡縮自在な抜け止め用割リング42を収容し、更にその奥側に凹溝43を形成してここには管外面に圧接する環状パッキン44を収容している。管継手本体4の内周面には合成樹脂を射出成形して作った管端防食コア45が取り付けられている。この管端防食コア45は、ライニング鋼管3の内面のライニング層31に接触あるいはそれと小さな間隙を持って対向している筒状水密部451を持っており、その外周面には、ライニング鋼管3の内面に弾性的に接する複数のひだ部が形成されている。このひだ部の間にある環状溝にOリング452を装着している。
【0004】
ライニング鋼管3が同図に示すように管継手の開口から挿入差込まれると、管継手本体4のテーパ内面411を有する凹溝41に収容されている抜け止め用割リング42をライニング鋼管の端面によって拡径して、管が内部に入っていき、更に入っていくと、凹溝43に収容されている環状パッキン44と管の外周が擦れながら入っていく。更に、奥に入ると筒状水密部451に嵌着されているOリング452に管のライニング層が接触して、その後管継手本体4あるいは管端防食コア45に設けられている当接面に突き当たって止まる。このように管が管継手に挿入されると、テーパ内面411を有する凹溝41に収容されている抜け止め用割リング42が管の外周に食い込む。管が抜けようとすると、前記テーパ内面の内径の狭まったところに抜け止め用割リング42が移動しようとするので、抜け止め用割リング42の径が狭められて管の外周面に割リング42が食い込むことになって、管の抜けるのを防ぐ。
【0005】
ライニング鋼管3の内面ライニング層31と管端防食コア45の間に筒状水密部451があり、更にOリング452がその間に嵌められている。また、管継手本体4とライニング鋼管3の外周面の間に環状パッキン44が入ってシールをしている。
【0006】
ところで、このような差し込み式防食管継手の場合ライニング鋼管3を管継手に挿入する前に、管の先端付近の加工を施すことが重要である。すなわち、管の管継手内への挿入深さを表示するためのマーキング33、抜け止め用割リング42がはまり込む環状溝34及び管端の内外面の面取り35、36などの加工が必要である。
【0007】
このことはライニング鋼管3の先端37に切断による反り等が生じないようにしておくとともに、先端の内外面に面取り35、36を施しておき、管を差込み式防食管継手に挿入差し込む際に、外面が抜け止め用割リング42や環状パッキン44に引っ掛かったり傷つけたりしないようにするとともに、内面がOリング452にも引っ掛かったり傷つけたりしないようにしておくためのものである。
【0008】
挿入深さを表示するためのマーキング33は、管の管継手内への挿入の適切な深さを表示するものである。管を挿入した際に、あまりに強く押し過ぎて深く挿入してしまうと、管端防食コア45を壊してしまうことがある。また逆に、浅すぎる場合には、Oリング452が管の内面ライニング層31と接触していない状態となったり、環状パッキン44と管の外周との接触が不十分になったりするので、これらを防止するためである。もっともこのマーキングは深く付ける必要はなく罫書線程度でよい。
【0009】
また、抜け止め用割リング42がはまり込む環状溝34は、割リング42の位置に環状溝34が行くところまで挿入されると、割リング42がこの環状溝34にはまり込む。この環状溝の管端側の壁を平面すなわち管軸に対してほぼ垂直となった壁にしておき、管の挿入手前側の壁を環状溝の底に向かってテーパを付けておくことは好ましいことである。このような環状溝を付けておくことによって環状溝に嵌着した割リング42は環状溝の管軸にほぼ垂直になった壁に当接するので、容易に管が抜けないようにすることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
管の先端付近のこれらの加工は通常一般的なパイプカッターなどを用いて施されるが、加工した溝の深さにばらつきが生じたり蛇行したりすることがあった。特に管外周面からの深さが深くなり過ぎた場合、管の内面に付けられているライニング層の白化が生じることがあった。また、マーキング33や環状溝34の管端からの位置の管理が煩わしいものであった。
【0011】
また、環状溝34を加工する際に発生した鉄粉が管と環状パッキン44やOリング452との間に食い込んで水漏れの原因となることがあった。
そこで、本発明では、差込み式防食管継手に鋼管を接続する際に、管の端部の複数の必要個所を同時に所要量加工することのできる溝加工用工具を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明では、環状溝を加工する際に鉄粉の生じない溝加工用工具を提供することも目的としている。
更に、管の切断と面取りも同時に行うことのできる溝加工用工具を提供することは本発明の他の目的とするところである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の管への溝加工用工具は、工具フレームと、この工具フレームに対して前後退できるように支持されたステムと、前記ステムの一方の端に設けられた回転軸と、回転軸に軸支された加工ローラと、前記工具フレームに支持されて、前記加工ローラとの間で被加工管を保持するための受ローラとを有するものにおいて、前記加工ローラは円周面にローレットが付けられている溝付け用突部を有し、前記ステムはこの溝付け用突部と対応する位置にあることを特徴とする。このように、溝付け用突起にローレットが付いていて、ステムがこの溝付け用突起と対応した位置にあることにより、環状溝を付けるときの鉄粉の発生を防ぐことができる。
【0014】
更に、本発明の管への溝加工用工具は、工具フレームと、この工具フレームに対して前後退できるように支持されたステムと、前記ステムの一方の端に設けられた回転軸と、回転軸に軸支された加工ローラと、前記工具フレームに支持されて、前記加工ローラとの間で被加工管を保持するための受ローラとを有するものにおいて、前記加工ローラは、被加工管の先端位置を決めるためのストッパー面と、円周面にローレットが付けられている溝付け用突部と、マーキング用突部と、前記溝とマーキング深さを決めるためのストッパーとを有することを特徴とする。
【0015】
ここで、前記溝付け用突部は深さを決めるためのストッパーから約1.0mm以内の高さであることが望ましい。また、マーキング深さは0.15mm以内であることが望ましい。この突部の円周面にローレットを付けておくと、溝付け用突部が被加工管との間で滑ることを防ぐことができて、共に回転するようになるので溝の加工時に鉄粉が生じることがない。
【0016】
また本発明の管への溝加工用工具は、工具フレームと、この工具フレームに対して前後退できるように支持されたステムと、前記ステムの一方の端に設けられた回転軸と、回転軸に軸支された加工ローラと、前記工具フレームに支持されて、前記加工ローラとの間で被加工管を保持するための受ローラとを有するものにおいて、前記加工ローラは、被加工管の先端位置を決めるためのストッパー面と、一方の端面が円周面に向かってテーパが付いている溝付け用突部と、マーキング用突部と、前記溝とマーキング深さを決めるためのストッパーとを有することを特徴とする。このように突部の一方の端面にテーパを付けておくことによって、溝加工が容易になり、加工時の工具の抵抗を小さくすることができる。それに伴い溝加工時に鉄粉が生じることも防ぐことができる。
【0017】
また、本発明において、溝付け用突部の円周面にローレットを付けておくとともに、この突部の一方の端面にテーパが付いていると加工トルクが小さくなるとともに溝加工時の鉄粉の発生を更に抑えることができる。
【0018】
前記ステムは、前記溝付け用突部と対応する位置にあることが好ましい。ここで対応する位置とは、溝付け用突部の中心がステムの力の中心、軸芯にほぼ一致することをいう。しかし、完全に一致する必要はなく、ステムはある程度の太さがあるので、溝付け用突部の中心がステムの幅のなかにあれば問題がない。また、少々ずれていても、加工ローラに剛性がある場合には、ほぼ一致しているといえる。溝付け用突部で管に環状溝を付ける場合、その反作用力をステムの軸方向に作用することによって、被加工管の管軸と加工ローラの回転軸の間の傾きを防ぐことができるので、環状溝を被加工管の管軸に対して直角に付けることができる。工具の回転トルクを小さく抑えることができる上、鉄粉の発生を減らすことができる。
【0019】
前記受ローラは、少なくとも溝付け用突部と対向する部分では被加工管と接する直線を有することが好ましい。受ローラに被加工管と接する直線を有する、すなわち平面で接することによって、被加工管に環状溝を彫った部分の側部に盛り上がりが生じた場合でも、受ローラによってそれを押さえ込むことができるので、バリの発生を防ぐことができる。
【0020】
本発明の管への溝加工用工具は、工具フレームと、工具フレームに対して前後退できるように支持されたステムと、前記ステムの一方の端に設けられた回転軸と、回転軸に軸支された加工ローラと、前記工具フレームに支持されて、前記加工ローラとの間で被加工管を保持するための受ローラとを有する溝加工用工具において、前記加工ローラは、被加工管の切断を行うための切断刃と、円周状の突部の円周面にローレットが付けられている溝付け用突部と、マーキング用突部と、前記溝とマーキング深さを決めるためのストッパーとを有することを特徴とする。
【0021】
この溝加工用工具を使用することによって、被加工管の切断と、環状溝の加工と、マーキング付けとを同時に行うことができる。本発明の溝加工用工具を一般のねじ切り機等に取り付けて、被加工管の回転をねじ切り機によって行うこともできる。その場合、前記切断刃の側面が被加工管の先端位置を決めるためのストッパー面を有していることが好ましい。
【0022】
前記切断刃の側面に、被加工管の面取り刃が付いていることが好ましい。また、前記加工ローラとは別に、被加工管の面取り刃が付いていることも好適である。管端部の内外面の面取りが必要であるが、切断刃に管端部の外面取りをする刃が付けられている場合には、前記加工ローラとは別に内面取りの面取り刃を別に付けることが好ましい。また、切断刃に面取り刃が付いていない場合には、前記加工ローラとは別に外面取りおよび/あるいは内面取りの工具が付いていることが好適である。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の管への溝加工用工具の実施態様について、以下図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施態様による管への溝加工用工具の一部切り欠け側面図、図2は、それに用いている加工ローラの拡大断面図、図3はその加工用ローラの溝付け用突部の正面図、図5は、本発明の溝加工用工具で加工した管と差込み式防食管継手とを一部切り欠いて示す側面図である。
【0024】
図1の管への溝加工用工具1は、工具フレーム11を有し、工具フレームの先端部に一対の受ローラ111、111が互いに平行にかつ回転自在に支持されている。そして、これらの受ローラ111、111によって管3が工具フレーム11に対して相対回転できるように位置決めできる。工具フレーム11の根元部分に中空の支持部12が形成されている。
【0025】
13はステムで、その先端部にブラケット135を介して回転軸21によって全体として円筒形をしている加工ローラ2が回動自在にかつ上記受ローラ111、111に対向する状態で取り付けられている。そして、このステム13に摺動自在に嵌め合わされた外筒15が工具フレーム11の支持部12に貫挿され、その外筒15に形成された鋸歯部151に上記工具フレーム11にピン16を介して取り付けられたラッチ17が対応させられている。また、ステム13の後端から延出された径小部131にハンドル18の中心部に付けられた筒状部19が嵌合されているとともに、ハンドル18と上記径小部131とがねじ結合機構132によって結合されている。ここで、外筒15とステム13の一部とは角形断面形状に形成されてそれら両者が互いの嵌合によって互いに回転できないようになっている。一方、上記径小部131と上記筒状部19とは丸形断面形状に形成されていて、径小部131の周囲でハンドル18を回転させることができるようになっている。そして、上記筒状部19に形成された外ねじ191が上記外筒15の後端部に形成された内ねじ152に螺合されている。従って、ハンドル18を正方向に回転させて筒状部19を外筒15にねじ込んでいくことによりステム13が外筒15に対して前進し、ハンドル18を逆方向に回転させて筒状部19を外筒15からねじ出していくことによりステム13が外筒15に対して後退する。そのためハンドル18を回転させることによって外筒に対するステム13の前進量または後退量(前後退量)を連続的に漸次変更することができる。ここでは、ステム13の前後退量を調節するための機構が上記ハンドル18と筒状部19の外ねじ191と外筒15の内ねじ152と外筒15とねじ結合機構132とによって構成されている。また、ラッチ17はその結合爪が上記外筒15の鋸歯部151と噛み合う方向にばね171の力で常時付勢されており、係合爪が鋸歯部151に噛み合った状態(図1の実線の状態)では外筒15が支持部12に対して前進することができるが後退はその噛み合いによって阻止されるようになっている。なお、ラッチ17をばね171の力に抗して図1の仮想線のように係合爪を鋸歯部151から離脱させると、外筒15を支持部12に対して自由に前後退させることができる。
【0026】
被加工管3を2つの受ローラ111、111に接するように設置し、ステム13を外筒15とともに、被加工管3の方向に前進させて、ステム13の先端にある加工ローラ2と2つの受ローラ111、111の間で被加工管3を挟みこむ。被加工管3を回転させるか、溝加工用工具1を回転させて、被加工管3と工具1とを相対的に回転させ、この回転に伴って受ローラ111、111と加工ローラ2も被加工管とともに回転する。ハンドル18を右方向に廻して外筒15に対して筒状部19を回転させてステム13を前進させて、それとともに加工ローラ2を被加工管3に食い込ませて管3の加工を行う。加工ローラ2はブラケット135に支えられている回転軸21に回転可能に軸支されている。加工ローラ2の端部にあるローラ22の端部(図2では、加工ローラ2の右端の部分)は径が太くなっており、径の太くなった部分のブラケット135側の面が軸に垂直な平面となっていて被加工管3の先端位置を受けてその位置を決めるためのストッパー面222となっており、このローラ22のブラケット側の径の小さな部分は被加工管3の外周面に接触するストッパー223となっている。加工ローラ2のブラケット135の二つの枝の間にある部分23には、被加工管3の外周面に接するローラ、すなわちストッパー部分231、232、233が設けられている。ストッパー部分231と232の間には、径の大きくなった部分、すなわち溝付け用突部234があり、またストッパー部分232と233の間には少し径の大きくなった部分、すなわちマーキング用突部237がある。
【0027】
マーキング用突部237は、その両側のストッパー部分232、233よりも突出しておりその高さh1は0.15mm以内、好ましくは0.10〜0.15mm突き出ている。また、溝付け用突部234は、抜け止め用割リング42が引っ掛かって、滑って抜け出ない程度の深さを持った環状溝34を作れる程度に、その両端のストッパー部分231、232よりも径を大きくしておく。この環状溝34の深さh2は約1.0mm以内、好ましくは0.3〜0.7mm、更に好ましくは約0.6mmなので、溝付け用突部234の高さh3は、その両側のストッパー部分231、232よりもその環状溝の深さh2程度径を大きくしておく。
【0028】
このように溝付け用突部234がマーキング用突部237よりも大としてある。このことによって、マーキング33が付けられた管3であれば、抜け止め用割リングをはめ込むための環状溝が確実に付いていることになる。管継手に管を挿入した後で、完工検査時などに、管に環状溝がきっちりと付けられているかどうかをチェックできないことが多いが、このように溝の深さを変えることによって、管を管継手に挿入した後であっても、挿入された管の上に付いたマーキングが、管継手の端から覗いていれば、その管は適切に溝加工されたものであることがわかる。
【0029】
図3に示しているように、溝付け用突部234の円周面にローレット234Rを付けておくと、溝付け用突部234の円周面が被加工管3の外周に接触したときに、その間で滑ることがなく、加工ローラ2が管3とともに回転して、溝付け加工をする際に切り粉の発生するのを防止することができる。また、溝付け用突部234の一方の端面が円周面に向かってテーパ236が、突部234の先端に行くに従って狭まっているようにテーパが付いていると、溝の切断幅が狭いところから深くなるに従い次第に広がるので、工具に対する加工抵抗を小さくすることができて、溝加工時の回転トルクが低くなる。このように一方の端面にテーパ236が付いている場合でも他方の端面235は回転軸に垂直な平面になっていることが望ましい。溝付け用突部234の円周面にローレット234Rを付けておくことと、テーパ236のいずれか、一方が付けられていると、溝加工が容易になって切り粉の発生をある程度防止できるが、その両方が付けられていることは更に切り粉、鉄粉の発生を防ぐことができるので好ましいことである。
【0030】
溝付け用突部234は加工ローラ2の内でもっとも力のかかるところであり、ステム13に反作用力をもっとも及ぼす。そこで、ステム13がこの溝付け用突部234と対応する場所すなわち、加工ローラ2に働く反作用力がステム13にほぼまっすぐに作用するようにしておくことがよい。ステム13に対して、溝付け用突部234が、その回転軸21の上で、右あるいは左に偏っていると、溝付け用突部234に被加工管3から及ぼされる力によって、加工ローラ2が傾いて、環状溝34も傾いて彫られるので、環状溝34の溝端の部分に反りが生じることもある。ここでステム13の中心軸と溝付け用突部234が同一軸上にあることが良いが、完全に一致する必要はない。ステム13はある程度の太さがあるので、溝付け用突部234の管に溝を付ける部分がステム13の幅にあれば問題はない。また、ステム13、ブラケット135、回転軸21、加工ローラ2が剛性高く作られている場合には、ステム13の幅よりも溝付け用突部234が少々ずれても問題がない。
【0031】
被加工管3を二つの受ローラ111、111上に設置し、被加工管3の先端位置を加工ローラ2のストッパー222で決める。被加工管3を回転させると、被加工管3の回転に伴って加工ローラ2も回転する。加工ローラ2の中で最も径の大きな部分が溝付け用突部234なので、この溝付け用突部234がまず被加工管3の外周に突き当たり、被加工管3の外周に環状溝を彫り始める。環状溝が彫られていくと、加工ローラ2は被加工管に更に近づくので、次ぎにマーキング用突部237が管外周に突き当たり、マーキングを付ける。マーキングが付けられると、加工ローラ2は更に管に近づくので、加工ローラ2のストッパー部分223、231、232、233が管の外周に接触する。このストッパー部分は管の母線と平面で接するので管に加工を加えない。このストッパー部分が管の外周に接すると、それ以上に加工ローラ2は管に対して進まないので、溝付け用突部234およびマーキング用突部237もそれ以上に溝を深くしない。このようにして、所定の深さの環状溝34およびマーキング33を付けることができる。
【0032】
環状溝34は、その端部からバリを発生することがある。そこで、上で述べた受ローラ111、111の面が環状溝34の端部から発生してきたバリを押さえ込んでしまうようにしておくことが好ましい。受ローラ111、111は、少なくとも溝付け用突部と対向する部分では被加工管と接する直線、言い換えれば平面を有していると、環状溝の端部からのバリを防ぐことができる。
【0033】
管に付けられるマーキング33及び環状溝34は、その管の先端37から所定の長さの位置m2、m1に設ける必要がある。即ち、樹脂ライニング鋼管を差込み式防食管継手で接続するのに、図5に示したように管継手の中に管を挿入して管が管継手本体4の管端防食コア45に設けられている当接面に突き当たって止まったときに、マーキング33が管継手本体4の管端に丁度見える位置m2にあるのがよい。またその場合に、管に付けた環状溝34が抜け止め用割リング42がはまり込む位置m1にあるのがよい。そのため管端37から、マーキング33および環状溝34がこのように使用する管継手で決まる位置になるように、被加工管3の先端位置を決めるためのストッパー面222から、マーキング用突部237および溝付け用突部234までの距離を決めておくことになる。
【0034】
図4に、本発明の管への溝加工用工具に用いる他の実施例を示している。ここでは加工ローラ2の端部にあるローラ22の端部の径が太くなっている部分のストッパー222の底に近いところにテーパが付けられており、その部分が被加工管の面取り刃224となっている。また、この端部の径が太くなっている部分の外周に被加工管3の切断を行うための切断刃221が付いている。ここで図2の加工ローラ2に代えて図4に示す加工ローラを用いる。二つの受ローラ111、111上に被加工管3を、切断刃221よりも突き出したように設置して、被加工管3を回転させながら被加工管3の外周に、図4に示す加工ローラ2を突き当てる。すると、切断刃221がまず被加工管3に突き当たって管3の外周から切断をする。切断をした後、切断刃221の側面のストッパー222が管の先端の位置決めとなる。なおもステム13を管の方向に進めて、加工ローラ2が管に近づくと、面取り刃224が管の先端の外面取りを行う。同時に、溝付け用突部234が管外周に環状溝34を付け、そして、マーキング用突部237が管外周にマーキング33を付ける。
【0035】
本発明の管への溝加工用工具を例えばねじ切り機のような電動工作機に取り付けて、被加工管の回転を電動機によって行うこともできる。例えば電動工作機のベッドには被加工管を挟持して回転するチャック、軸線方向に摺動するスライドテーブル、スライドテーブルに支持された加工具ホルダー、別途管支持ローラ等を含む構成からなり、前記加工具ホルダーには上述した本発明の溝加工用工具を脱着自在に装着するようにする。その場合、上記のように被加工管3の外面取りをする刃を切断刃に付けることもできるが、また加工ローラ2とは別に、外面取りおよび/あるいは内面取りの工具を加工具ホルダーに取り付けて換えるか、あるいは別途スライドテーブルに装着して取り付けることもできる。
【0036】
また、他の実施例としては、上記した溝加工用工具を左右対称に構成して、左右一対の溝及びマーキング加工を施し、その後管を切断することもできる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の管への溝加工用工具では、差込み式管継手に鋼管を接続する際に、管の端部の複数個所、すなわち抜け止め用割リングの環状溝とマーキングを同時にまた所要量加工できる。
【0038】
また、本発明によれば、環状溝を加工する際に鉄粉やバリの発生を避けることができるので、パッキンなどに鉄粉が食い込んで水漏れの生じるのを防ぐことができる。
【0039】
また、環状溝とマーキングだけでなく、必要により管の切断および面取りも同時に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様による管への溝加工用工具の一部切り欠け側面図である。
【図2】本発明の実施態様による管への溝加工用工具に用いられている加工ローラの拡大断面図である。
【図3】図2の加工用ローラの溝付け用突部の正面図である。
【図4】本発明の他の実施態様による管への溝加工用工具に用いられている加工ローラの拡大断面図である。
【図5】本発明の溝加工用工具で加工した管と差込み式防食管継手とを一部切り欠いて示す側面図である。
【符号の説明】
1 管への溝加工用工具
11 工具フレーム
111 受ローラ
12 支持部
13 ステム
131 径小部
132 ねじ結合機構
135 ブラケット
15 外筒
151 鋸歯部
152 内ねじ
16 ピン
17 ラッチ
171 ばね
18 ハンドル
19 筒状部
191 外ねじ
2 加工ローラ
21 回転軸
22 ローラ
221 切断刃
222 ストッパー(面)
223 ストッパー(部分)
224 面取り刃
23 二つの枝の間にある部分
231、232、233 ストッパー部分
234 溝付け用突部
234R ローレット
235 他方の端面
236 テーパ
237 マーキング用突部
3 ライニング鋼管(被加工管、管)
31 ライニング層
33 マーキング
34 環状溝
35、36 面取り
37 管の先端(管端)
4 管継手本体
41、43 凹溝
411 テーパ内面
42 抜け止め用割リング
44 環状パッキン
45 管端防食コア
451 筒状水密部
452 Oリング
Claims (3)
- 工具フレームと、工具フレームに対して前後退できるように支持されたステムと、前記ステムの一方の端に設けられた回転軸と、回転軸に軸支された加工ローラと、前記工具フレームに支持されて、前記加工ローラとの間で被加工管を保持するための受ローラとを有する溝加工用工具において、
前記加工ローラは、被加工管の切断を行うための切断刃と、円周状の突部の円周面にローレットが付けられている溝付け用突部と、マーキング用突部と、前記溝とマーキング深さを決めるためのストッパーと、前記切断刃の側面に被加工管の先端位置を決めるためのストッパー面を有することを特徴とする管への溝加工用工具。 - 前記切断刃の側面に、被加工管の面取り刃が付いていることを特徴とする請求項1記載の管への溝加工用工具。
- 前記加工ローラとは別に、被加工管の面取り刃が付いていることを特徴とする請求項1記載の管への溝加工用工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01358398A JP4232917B2 (ja) | 1998-01-27 | 1998-01-27 | 管への溝加工用工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01358398A JP4232917B2 (ja) | 1998-01-27 | 1998-01-27 | 管への溝加工用工具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11207411A JPH11207411A (ja) | 1999-08-03 |
JP4232917B2 true JP4232917B2 (ja) | 2009-03-04 |
Family
ID=11837215
Family Applications (1)
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