JP4232702B2 - 複数燃料内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、低オクタン価燃料と高オクタン価燃料とを運転状態に応じた供給割合で供給し、運転を行う複数燃料内燃機関の制御装置に関する。
オクタン価の異なる複数種類の燃料を任意の供給割合で燃焼室に供給する燃料供給装置を備え、これらの燃料を機関運転状態に応じて予め定めた供給割合で機関に供給し、運転を行う複数内燃機関が知られている。
この種の複数燃料内燃機関としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1は、燃焼室内に高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とのそれぞれの予混合気を供給し、高オクタン価燃料の予混合気を点火プラグで着火して燃焼を行わせた後に低オクタン価燃料の予混合気を時間差をおいて自着火させて燃焼を行う機関を記載しており、この機関では、高オクタン価燃料と低オクタン価燃料との供給割合と点火時期とが燃焼時のノッキング発生限界以下になるように設定されている。
特開2001−254660号公報
機関運転条件に応じて高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリンとの供給割合を変えて運転する機関では、運転条件に応じて機関に供給される燃料の全体としてのオクタン価を変更することが可能となるため、それぞれの運転条件に応じた最適な燃料オクタン価を設定することできる。
例えば、機関低温始動後の運転時等では、着火性の良好な低オクタン価ガソリンの供給割合を増大して機関の燃焼を安定させたり、或いは機関の高負荷運転時に高オクタン価ガソリンの供給割合を増大して燃料のオクタン価を上げ、点火時期を進角させて機関出力を増大させる、等のそれぞれの運転条件に適したオクタン価を有する燃料を機関に供給することが可能となるのである。
ところが、高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とを比較すると、通常高オクタン価燃料は低オクタン価燃料よりも高価である。このため、高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とを外部から補給する場合には、運転コストを低減するためにはできるだけ高オクタン価燃料の消費を抑制することが好ましい。
また、市販の通常の燃料(ガソリン等)を分離して比較的オクタン価の高い燃料と比較的オクタン価の低い燃料とを生成する燃料分離装置を有する機関では、生成される燃料の価格には差は生じないものの、分離後の高オクタン価燃料のオクタン価が高くなるようにするほど分離により生成される低オクタン価燃料のオクタン価は低くなり、しかも生成量は高オクタン価燃料に比較して多くなる。
このため、燃料分離装置を有する機関の場合も、できるだけ高オクタン価燃料の消費を抑制し、低オクタン価燃料の使用量を増大することが燃料消費バランスを維持するうえで必要となる。
ところが、特許文献1の機関では高オクタン価燃料と低オクタン価燃料との供給割合はノッキング限界のみを考慮して決定されているため、必ずしも高オクタン価燃料の消費を抑制する上で適切なものとは言えない。
一方、複数燃料内燃機関で単に低オクタン価燃料の供給割合を増大させたのでは、運転条件によってはノッキングが発生する問題がある。
本発明は、上記問題に鑑み、ノッキングを防止しつつ高オクタン価燃料の消費を抑制し低オクタン価燃料の消費を増大することが可能な複数燃料内燃機関の制御装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明によれば、高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とを任意の割合で機関に供給可能な手段を備え、前記高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とを機関運転状態に応じた供給割合で機関に供給する複数燃料内燃機関の制御装置であって、前記機関の点火時期が、燃料の前記供給割合から定められる基本点火時期に対して遅角設定されているときに、該遅角設定がノック抑制を目的とする遅角設定であるか否かを判断し、ノック抑制の目的以外の遅角設定の場合には、前記遅角設定された点火時期の前記基本点火時期に対する遅角量に応じて低オクタン価燃料の供給割合を増大する、複数燃料内燃機関の制御装置が提供される。
すなわち、請求項1の発明では、高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とが機関運転状態に応じた供給割合で機関に供給され、機関の基本点火時期はこの供給割合に応じて設定される。
点火時期を進角させていくと、ある点火時期でノッキング(ノック)が生じるが、上記基本点火時期は通常、運転状態と燃料の供給割合(オクタン価)から定まるノック限界(ノッキングが生じない範囲で最も進角した点火時期)近傍に設定されている。
実際の運転では、機関の点火時期は上記基本点火時期に対してノック抑制のための点火時期遅角や、例えば触媒暖機時の排気温度上昇を行うための点火時期遅角などのノック抑制目的以外の点火時期遅角が行われ、実際の点火時期が上記基本点火時期に対して遅角設定される場合がある。
ノック抑制のための点火時期遅角が行われている場合には、現在の基本点火時期で運転を行うとノッキングが生じること、すなわち機関の運転状態の影響で実際のノック限界が遅角側に移動しており現在の点火時期は実際のノック限界付近まで遅角されていることを意味する。このため、この場合は燃料のオクタン価を低下させて更にノック限界が遅角側に移動するとノッキングが生じる可能性が高い。
一方、ノック抑制目的以外の点火時期遅角が行われている場合には、現在の機関運転状態では、基本点火時期での運転を行ってもノッキングが生じないこと、すなわちノック限界は変化していないにもかかわらず点火時期の遅角が行われていることを意味する。このため、実際の点火時期は実際のノック限界よりかなり遅角側になっており、オクタン価を低下させて実際のノック限界をもっと遅角側に移行させてもノッキングは生じない。
そこで、本発明ではノック抑制目的以外の点火時期遅角が行われている場合には、低オクタン価燃料の供給割合を増大して燃料オクタン価を低下させた運転を行うようにしている。
これにより、ノッキングの発生を抑制しつつ低オクタン価燃料の使用量を増大することが可能となり、それに応じて高オクタン価燃料の消費が抑制されるようになる。
請求項2に記載の発明によれば、前記ノック抑制目的以外の点火時期の遅角設定が行われている場合には、実際のノック限界点火時期が前記遅角設定された点火時期近傍になるまで前記低オクタン価燃料の供給割合を増大する、請求項1に記載の複数燃料内燃機関の制御装置が提供される。
すなわち、請求項2の発明では、ノック抑制目的以外の点火時期遅角設定が行われている場合には、低オクタン価燃料の供給割合を増大してのノック限界点火時期が遅角設定された実際の点火時期近傍になるまで遅角ノック限界点火時期を遅角させる。
ノック限界点火時期は燃料のオクタン価が低下するほど(低オクタン価燃料の供給割合が増加するほど)遅角側に移行する。このため、現実の点火時期近傍までノック限界を低下させることにより、現状の運転状態では最大限に低オクタン価燃料の供給割合を増大させることができ、ノッキングの発生を防止しつ高オクタン価燃料の消費を最小に抑制することが可能となる。
各請求項に記載の発明によれば、高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とを運転状態に応じて機関に供給する場合に、ノッキングの発生を防止しながら高オクタン価燃料の消費を抑制することが可能となる共通の効果を奏する。
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明を自動車用内燃機関に適用した場合の実施形態の概略構成を説明する図である。
図1において、100は車両用内燃機関であり、本実施形態では4気筒ガソリンエンジンが使用されている。また図1、110H、110Lは内燃機関1の各気筒にそれぞれ設けられた燃料噴射弁を示す。本実施形態では、燃料噴射弁110Hは各気筒の吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射弁、燃料噴射弁110Lは各気筒内に直接燃料を噴射する筒内噴射弁とされている。
後述するように、本実施形態の内燃機関1は燃料噴射弁110Hと110Lとからオクタン価の異なる燃料を機関運転条件に応じた供給割合で噴射する複数燃料供給内燃機関とされている。具体的には、本実施形態では燃料噴射弁110Hから高オクタン価ガソリンを吸気ポートに、燃料噴射弁110Lからは低オクタン価ガソリンを気筒内に直接、それぞれ噴射するとともに、燃料噴射弁110Hと110Lからの燃料噴射量の比率(供給割合)を機関運転条件(例えば機関負荷)に応じて変更する制御を行う。
高オクタン価ガソリン用噴射弁110Hと低オクタン価ガソリン用噴射弁110Lは、それぞれ高オクタン価ガソリン用デリバリパイプ20Hと低オクタン価ガソリン用デリバリパイプ20Lに接続されており、デリバリパイプ20H、20L内の燃料を各気筒にそれぞれ噴射する。
なお、図1の実施形態では高オクタン価ガソリンをポート噴射弁110Hから、低オクタン価ガソリンを筒内噴射弁110Lから、それぞれ個別に各気筒に噴射しているが、燃料噴射弁110Hと110Lとの両方ともにポート噴射弁または筒内噴射弁とすることも可能である。また、この両方をポート噴射弁または筒内噴射弁とする場合に高オクタン価ガソリン用燃料噴射弁110Hと低オクタン価ガソリン用燃料噴射弁110Lとを個別に設けずに、デリバリパイプ20Hと20Lとを単一の筒内燃料噴射弁に接続し、燃料噴射弁供給前に、或いは燃料噴射弁供給後に燃料噴射弁内で、高オクタン価ガソリンと低オクタン価燃料とを所定の割合で混合するようにしても良い。
図1において、11H、11Lで示すのは機関1の燃料タンクである。本実施形態では、オクタン価の異なる2つの燃料油を燃料噴射弁110Hと110Lとから機関に噴射するために、それぞれの燃料タンクを別個に設けている。
図1において、燃料タンク11Hには高オクタンガソリンが、11Lには低オクタンガソリンがそれぞれ貯留されている。高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリンとは、それぞれ外部からタンク11Hと11Lとに別々に補給するようにしても良いが、本実施形態では車両上に配置した燃料分離装置250を用いて燃料タンク11G内の市販の通常ガソリンを分離することにより、高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリンとを生成し、タンク11Hと11Lとに貯留するようにしている。
本実施形態の分離装置250としては、市販のガソリンを高オクタン価成分を多く含むガソリンと低オクタン価成分を多く含むガソリンとに分離することが可能なものであればいかなる型式のものも使用可能であり、例えばパーベーパレーション膜を用いた分離膜方式のもの、或いは分留式のもの等のうち適宜な型式のものとすることができる。
燃料タンク11Hと11Lとに貯留された燃料は、吐出容量制御機構を備えた燃料噴射ポンプ21H、21Lにより昇圧されて燃料噴射弁110H、110Lに供給され、それぞれの燃料噴射弁から機関100の各気筒に噴射される。
すなわち、本実施形態では、高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリンとは、互いに独立した供給経路を通って機関100の各気筒に供給され、それぞれの燃料噴射弁の燃料噴射量を個別に制御することにより、機関に供給する高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリンとの供給割合を任意に設定することができる。
図1に30で示すのは機関100の電子制御ユニット(ECU)である。本実施形態では、ECU30は、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、演算ユニット(CPU)及び入出力ポートを双方向性バスで接続した公知の構成のマイクロコンピュータとして構成され、例えば機関の空燃比制御、各気筒の点火時期、燃料噴射量の制御、などの基本制御を行っている他、本実施形態では、後述するように機関運転条件に応じて供給する高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリンとの比率(供給割合)を設定するとともに、ノック抑制の目的以外の点火時期遅角時に燃料の供給割合を変えて低オクタン価ガソリンの供給割合を増大する制御を行う。
これらの制御のため、ECU30の出力ポートは、図示しない駆動回路を介して各気筒の燃料噴射弁110H、110Lに接続されそれぞれの燃料噴射弁の燃料噴射量を制御している他、図示しない点火回路を介して各気筒の点火プラグ(図示せず)に接続され、機関の点火時期を制御している。また、ECU30の入力ポートには、回転数センサ33から機関1の回転数が、機関吸気通路3に設けられたエアフローメータ35から機関の吸入空気量が、それぞれ入力されている。
本実施形態では、ECU30は、エアフローメータ35で検出した機関吸入空気量と回転数センサ33で求めた機関回転数とに基づいて機関1回転当たりの吸入空気量Gaを算出し、この吸入空気量Gaに基づいて燃料噴射弁110H、110Lからの燃料噴射量(燃料噴射弁開弁字間)QH及びQLを以下の式に基づいて算出する。
QH=Q0×(1−R)
QL=Q0×R
ここで、Q0は、吸入空気量Gaに対して燃焼室内の混合気の空燃比を目標空燃比(例えば理論空燃比)に維持するために必要とされる燃料噴射量である。
また、Rは高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリンとの燃料噴射量合計に占める低オクタン価ガソリンの割合(低オクタン価ガソリンの供給割合)である。
供給割合Rは、予め機関運転状態に応じて最適な値が実験などにより設定されており、例えば機関回転数NEと負荷(合計燃料噴射量Q0)とを用いた二次元数値マップの形でECU30のROMに格納されている(以下、この機関回転数と負荷とから定まる供給割合を基本供給割合と呼ぶ)。
本実施形態では、基本供給割合Rの値が大きい程低オクタン価ガソリンの供給割合が大きくなるため燃料全体としてのオクタン価は低下する。そこで、基本供給割合Rの値はノッキングの発生を考慮して回転数が同一であれば機関負荷が高いほど(合計燃料噴射量Q0の値が大きい程)高オクタン価ガソリンの供給割合が大きく(すなわちRの値が小さく)なるように設定されており、高負荷になるほど燃料全体としてのオクタン価が大きくなるようにされている。
また、本実施形態では機関の基本点火時期IG0がRの値に対応して設定される。
機関の最適点火時期は、機関回転数、負荷及び燃料のオクタン価(基本供給割合R)に応じて変化する。本実施形態では、各機関回転数と負荷及びそれにより定まる燃料オクタン価(基本供給割合R)とで機関を運転した場合のノック限界(ノッキングが生じない範囲で最も進角させた点火時期)とMBT(Minimum Spark Advance for Best Torque)とのうち、遅角側の値を基本点火時期として採用している。
MBTは、機関の点火時期が最大出力トルク発生領域(最大出力トルク近傍で点火時期を変化させても出力トルクが変動しなくなる点火時期領域)の最も遅角側の値であり、実用上は最大出力トルクを発生させることのできる範囲で最も遅角した点火時期と考えることができる。
図2は、基本供給割合Rにおけるノック限界とMBT、及び基本点火時期IG0の負荷による変化を示す図である。
図2は回転数を一定に維持した場合を示しており、横軸は機関負荷、縦軸は点火時期を示している。図2に示すように負荷が小さい領域ではMBTはノック限界より遅角側になり、負荷が比較的大きい領域ではノック限界より進角側になる。このため、基本点火時期IG0は、図2に太線で示したように変化する。
なお、図2にKHで示したカーブは高オクタン価ガソリンのみの場合(R=0に相当)のノック限界、KLで示したのは低オクタン価ガソリンのみの場合(R=1に相当)のノック限界である。
上述したように、機関100の基本点火時期IG0は機関回転数と負荷(及び機関回転数、負荷により定まる低オクタン価ガソリンの基本供給割合R)により定まる。
しかし、実際の運転では機関は常に基本点火時期IG0で運転されるわけではなく、種々の要因により点火時期が基本点火時期IG0より遅角される場合がある。
例えば、機関加速時などの過渡運転時には一時的にノック限界が遅角側に移動するためノック抑制のために点火時期は基本点火時期よりも遅角される。また、KCS(ノックコントロールシステム)を備えた機関では、ノックセンサーで各気筒のノッキング発生を検出し、ノッキングが発生しなくなるまで点火時期を遅角させる制御が行われる。
一方、上記のようなノック抑制目的の点火時期遅角以外にも、例えば機関低温時に排気温度を上げて触媒床温を上昇させる触媒暖機操作に置いても点火時期は基本点火時期より遅角設定される。
また、点火時期を遅角させると機関出力トルクが低下するため、例えば機関減速時のフュエルカット前後や、機関急加速時、自動変速機の変速操作時などのトルク変動を抑制するために、或いはTRC(トラクションコントロールシステム)を備えた車両では駆動輪のスリップを制御するために、それぞれ機関点火時期を基本点火時期から遅角させて機関出力トルクを低下させる操作が行われる。
上記のように、点火時期を遅角設定する場合、ノック抑制のための遅角(機関過渡運転時の遅角、KCS制御の要求による遅角)の場合にはノック限界そのものが遅角側にシフトしており、遅角設定された点火時期はノック限界近傍になっている。このため、遅角設定された実際の点火時期と実際のノック限界との間にはほとんど余裕がなくなっている。
一方、ノック抑制目的以外の点火時期遅角(触媒暖機、加速時トルク変動抑制、変速操作時など)では、実際のノック限界自体は変化しておらず他の要因で点火時期の遅角が行われるため遅角設定した点火時期と実際のノック限界との間には比較的大きな間隔が生じている。
そこで、本実施形態ではノック抑制目的以外の点火時期遅角が行われている場合には、燃料のオクタン価を低下させて(すなわち、低オクタン価ガソリンの供給割合を基本供給割合より増大させて)ノック限界を実際の点火時期に近づけるようにしている。
本実施形態のように、燃料分離装置250を用いて市販の通常ガソリンをオクタン価の高いガソリンと低いガソリンとに分離する場合には、高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリンとは必ずある比率で生成されることになる。また、通常、高オクタン価ガソリンのオクタン価を高くするほど、高オクタン価ガソリンに較べて生成される低オクタン価ガソリンの量は増大する。
一方、機関運転状態から定まる基本供給割合Rでは、前述したように高負荷側になるほど低オクタン価ガソリンの供給割合が低下し、高オクタン価ガソリンの消費量が増大する。このため、通常の運転では低オクタン価ガソリンの消費量より高オクタン価ガソリンの消費量の方が多くなる場合が多い。
このように低オクタン価ガソリンと高オクタン価ガソリンとの消費バランスがとれない状態が長く続くと、分離装置250で生成された分離ガソリンのうち低オクタン価ガソリンが余ってしまい、燃料タンク11Lの許容貯蔵量を越えてしまう場合がある。この場合には、タンク11L内の低オクタン価ガソリンを外部に移送しない限り燃料分離装置250を運転することができなくなる問題がある。
また、外部から高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリンとを個別に補給する場合には、このような問題は生じないものの、高オクタン価ガソリンは低オクタン価ガソリンに較べて高価であるため、高オクタン価ガソリンの消費をできるだけ抑制して低オクタン価ガソリンの消費を増大しないと機関の運転コストが増大する問題がある。
本実施形態では、上記したようにノック抑制目的以外の点火時期遅角が行われている場合には、基本供給割合Rよりも低オクタン価ガソリンの供給割合を増加させ、燃料のノック限界を遅角設定された実際の点火時期近傍まで遅角側に移動させるようにしている。
これにより、ノック抑制目的以外の点火時期遅角が行われている場合には、基本供給割合の場合に較べて低オクタン価ガソリンの供給割合が増大するため、全体として低オクタン価ガソリンの消費量を増大させて高オクタン価ガソリンの消費を抑制することが可能となる。また、このようにノック限界を遅角側に移行させた場合でも実際の点火時期はもともと遅角設定されているため、ノッキングが発生するおそれはない。
すなわち、本実施形態によればノッキング発生を防止しつつ高オクタン価ガソリンの消費を抑制することが可能となる。
図3は上記低オクタン価ガソリン供給割合調整操作を具体的に説明するフローチャートである。図3の操作はECU30により一定時間毎に繰り返し実行されるルーチンとして行われる。
図3の操作がスタートすると、まずステップ301では現在の機関回転数と負荷とが読み込まれる。ここで、機関回転数は回転数センサ33出力に基づいて別途算出され、機関負荷としては機関吸気量Gaに基づいて別途ECU30により算出される燃料噴射量合計量Q0が使用される。
次いで、ステップ303では上記により読み込んだ機関回転数と負荷とを用いて予めECU30のROMに格納された数値マップから基本供給割合Rと基本点火時期IG0とが読み出される。
そして、ステップ305では現在設定されている実際の点火時期IGが基本点火時期IG0に対して遅角設定されているか否かが判断される。なお、本実施形態では機関の点火時期は、各気筒の上死点までのクランク角度(上死点前クランク角)で表されるため、点火時期IGの値は遅角される程小さな値となる。
従って、ステップ305でIG<IG0は、現在基本点火次期IG0に対して実際の点火時期IGが遅角設定されていることを表している。
ステップ305で現在点火時期IGが遅角設定されている場合(IG<IG0)には、次いでステップ307に進み、この遅角設定がノック抑制目的の遅角設定を含んでいるか否かが判定される。
ステップ305で現在点火時期IGが遅角設定されていない場合、またはステップ307で現在の遅角設定がノック抑制目的のもののみであった場合には、本操作の今回の実行は終了する。この場合、低オクタン価ガソリンの供給割合Rの値としてはステップ303で設定された基本供給割合がそのまま保持される。
ステップ305で現在点火時期IGが遅角設定されており、ステップ307でこの遅角設定がノック抑制目的以外のものを含んでいると判断された場合には、ステップ309に進み、基本点火時期に対する遅角量のうち、ノック抑制目的以外の遅角量の合計ΔIGが算出される。
本実施形態では、基本点火時期IG0に対する実際の点火時期IGの遅角量(IG0−IG)は、例えば過渡運転時やKCSの要求に基づくノック抑制のための遅角量と、触媒暖機やTRC装置の要求などに基づくノック抑制目的以外の遅角量との合計として算出されており、ステップ309では、この遅角量合計のうち、ノック抑制のための遅角量を除いた遅角量の合計がΔIGとして算出される。
次いで、ステップ311ではステップ301で読み込んだ機関回転数と負荷とに基づいて、高オクタン価ガソリンのノック限界IGHと低オクタン価ガソリンのノック限界IGLとがそれぞれ求められる。ここで、IGH、IGLはECU30のROMに、機関回転数と負荷とをパラメータとした数値マップの形で予め格納されている。
ステップ313では上記により読み出した低オクタン価ガソリンのノック限界IGLを用いて、現在の基本点火時期IG0に対してノック抑制目的以外の遅角のみを行ったとした場合の点火時期(IG0−ΔIG)が低オクタン価ガソリンのノック限界IGLより遅角側にあるか否か、すなわち(IG0−ΔIG)がIGLより小さくなるか否かが判定される。
ここで、(IG0−ΔIG)<IGLであった場合には、ノック抑制目的以外の遅角だけで、既に点火時期が低オクタン価ガソリンのノック限界IGLより遅角されていることを意味している。従ってこの場合には実際のノック限界を低オクタン価ガソリンのノック限界IGLに一致させてもノッキングは生じない。
従って、この場合にはステップ313からステップ315に進み、供給割合Rの値を1.0に設定して今回の操作を終了する。これにより、機関には低オクタン価ガソリンのみが供給されるようになり高オクタン価ガソリンの供給は停止される。
ステップ313で(IG0−ΔIG)≧IGLであった場合には、低オクタン価ガソリンのノック限界まで実際のノック限界を低下させたのでは、実際の点火時期がノック限界より進角側に設定されてしまうことになる。
このため、この場合にはステップ317で、実際のノック限界を現在の点火時期と一致させるのに必要とされる低オクタン価ガソリンの供給割合の増量分ΔRが、ステップ311で算出した高オクタン価ガソリンのノック限界IGHと低オクタン価ガソリンのノック限界IGLとを用いて、ΔR=ΔIG/(IGH−IGL)として算出される。
図4は、増量分ΔRの算出原理を説明する図である。
図4は、図2の一部を拡大した図である。図4に置いて、現在の基本点火時期IG0を現在の供給割合の混合燃料におけるノック限界と仮定すると、実際にはこのノック限界IG0に対して更にΔIGだけノック抑制目的以外の遅角が行われていることになる。
従って、ノック限界をIG0より更にΔIGだけ遅角させてもノッキングは生じない。
ここで、現在のノック限界IG0は高オクタン価ガソリンのノック限界IGHと低オクタン価ガソリンのノック限界IGL、及び供給割合がRを用いて、概略次のように表すことができる。
(IGH−IG0)/(IGH−IGL)=R
すなわち、高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリン混合後のノック限界は、ほぼ高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリン双方のノック限界との間隔を低オクタン価ガソリン供給割合Rと高オクタン価ガソリン供給割合(1−R)とで比例配分した位置にある。つまり、図4においてR≒A/Bとなる。
従って、現在のノック限界を更にΔIGだけ遅角側に移動させるためには、低オクタン価ガソリンの供給量を更にΔR=ΔIG/(IGH−IGL)=ΔIG/Bだけ増大させれば良いことになる。
図3ステップ317では、上記により現在のノック限界をΔIGだけ遅角側に移行させるのに必要な低オクタン価ガソリン供給割合の増大分ΔRを、ΔR=ΔIG/(IGH−IGL)として算出する。
そして、ステップ319では、低オクタン価ガソリンの供給割合Rをステップ303で算出された基本供給割合の値に対してΔRだけ増大設定して今回の操作の実行を終了する。
これにより、ノッキングが発生することを防止できる範囲で最大限低オクタン価ガソリンの供給割合が増大されるため、低オクタン価ガソリンの消費量を増大し、その分だけ高オクタン価ガソリンの消費を抑制することが可能となる。
本発明を自動車用内燃機関に適用した場合の、実施形態の概略構成を説明する図である。 図1の実施形態の基本点火時期の設定を説明する図である。 図1の実施形態の燃料の供給割合調整操作を具体的に説明するフローチャートである。 図4の供給割合調整の原理を説明する図である。
符号の説明
30 ECU(電子制御ユニット)
31 空燃比センサ
100 内燃機関
110H 高オクタン価ガソリン用燃料噴射弁
110L 低オクタン価ガソリン用燃料噴射弁
250 燃料分離装置

Claims (2)

  1. 高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とを任意の割合で機関に供給可能な手段を備え、前記高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とを機関運転状態に応じた供給割合で機関に供給する複数燃料内燃機関の制御装置であって、
    前記機関の点火時期が、燃料の前記供給割合から定められる基本点火時期に対して遅角設定されているときに、該遅角設定がノック抑制を目的とする遅角設定であるか否かを判断し、ノック抑制の目的以外の遅角設定の場合には、前記遅角設定された点火時期の前記基本点火時期に対する遅角量に応じて低オクタン価燃料の供給割合を増大する、複数燃料内燃機関の制御装置。
  2. 前記ノック抑制目的以外の点火時期の遅角設定が行われている場合には、実際のノック限界点火時期が前記遅角設定された点火時期近傍になるまで前記低オクタン価燃料の供給割合を増大する、請求項1に記載の複数燃料内燃機関の制御装置。
JP2004205856A 2004-07-13 2004-07-13 複数燃料内燃機関の制御装置 Expired - Fee Related JP4232702B2 (ja)

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