JP4232180B2 - 主軸装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、2本の主軸を共通の主軸ヘッドに装架した主軸装置に関し、特に、2本の主軸間の熱によるピッチ変動を補正して、一方の主軸で加工した孔に対して、他方の主軸を正確に対向させて孔加工する軸間距離の補正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特許文献1,2に示される熱変位の補正装置が知られている。これらのものでは、熱膨張率の小さい基準バーを用いて磁気検出式の検出ヘッドで熱膨張を検知して主軸軸線位置を補正するようにしているが、本願で対象とするような2軸の主軸間のピッチ補正を示唆するところはない。また、これらの特許文献1,2では、熱膨張率の小さな材質の例えば石英ガラスなどが基準バーとして使用されており、切削時に発生する切粉などで破損し易いなどの欠点がある。
特許文献3は、複数の主軸を1つの主軸ヘッドに装架し、そのうちの1つの主軸で孔加工する主軸装置の例である。特許文献3では冷却装置で主軸を冷却して熱の影響を抑える方式であり、熱による軸間ピッチを補正するというものではない。特許文献4は2つの主軸が並設されている工作機械が開示され、その一方の主軸が他方の主軸に対して軸間距離を変更できるようにして多様な孔ピッチに対応するものが開示してある。
【0003】
【特許文献1】
特公平7−115282号公報
【特許文献2】
特開昭57−48448号公報
【特許文献3】
特開平9−300173号公報
【特許文献4】
特開平5−277857号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献4に示されるような、1つの主軸ヘッドに2つの主軸を装架した工作機械において、特許文献4では、2つの主軸で同時に2つの孔加工を行なうことが開示されているが、加工方法として、このような2軸の主軸のうちの一方で例えばある孔の入り口部分を加工し、次いで、他方の主軸を前記孔に対向させて孔の奥部分を加工する、というような加工方法を実現しようとする場合、次のような問題が発生する。即ち、主軸が回転することで発生する熱により主軸ヘッドが主軸の軸間ピッチ方向に熱変位し、一方の主軸で孔加工後、予め設定されている軸間ピッチだけ軸間ピッチ方向に主軸ヘッドを移動させても他方の主軸は、前記一方の主軸で加工した孔の軸心と正確に一致せず、そのまま加工すると、芯ずれを起こしてしまう。
この発明は、1つの主軸ヘッドに2つの主軸を装架した工作機械において、このような芯ずれを起こさずに、一方の主軸で開けた孔に他方の主軸を正確に対向させて精度よく孔孔明けできるようにした主軸装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願は、1つの主軸ヘッドに2つの主軸を所定の軸間ピッチで回転可能に並設した主軸装置において、主軸ヘッドの側面には各主軸と対応して断熱支持部材を固着し、一方の断熱支持部材に前記軸間ピッチ方向に伸びる基準バーの一端を固定し、基準バーの他端を他方の断熱支持部材に軸線方向移動可能に案内させ、他方の断熱支持部材には前記基準バーの他端と対向して距離センサを取り付け、距離センサから出力される基準バー先端との距離に基づいて、一方の主軸で加工した孔に、他方の主軸を対向させる時の主軸ヘッドの前記ピッチ方向の移動量を補正するように構成したことを特徴とする。
断熱支持部材は、断熱支持部材は、主軸ヘッド側面への取付部と、少なくとも基準バーを支持する支持部とを、両部分の間に外気に連通する冷却空間を形成するように脚部で繋いだことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1において、ベッド1上に前後(Z軸)移動ベース2がZ軸モータ3と送りネジ機構4によりZ軸方向に移動するようになっている。前後移動ベース2の上には、移動コラム5がX軸モータ6と送りネジ機構7により左右(X軸)方向(紙面と直交する方向)に移動するようにしてある。移動コラム5の前面には、主軸ヘッド8が上下(Y軸)方向に昇降案内され、Y軸モータ9と送りねじ機構10により昇降するようになっている。
図2、3において、主軸ヘッド8には2つの主軸11,12がY軸方向に所定のピッチPで設けてあり、夫々図示しない主軸モータにより回転するようになっている。主軸11,12先端には夫々加工工具T1、T2が取り付けてあり、この加工工具T1、T2により、コラム5前方に配置されるワークWに対して、一方の主軸11により孔Hの入り口部分を加工し、その後、他方の主軸12で前記入り口を加工した孔Hの孔奥部分を加工する。
【0007】
図2〜4に示すように、主軸ヘッド8の一方の側面には、前記各主軸11,12に対応して断熱支持部材20,20Aが固着されている。上側の主軸11側方に配置される断熱支持部材20は、主軸ヘッド8側面に固着される取付部21と、その取付部21から側方に立ち上がった4本の脚部22と、脚部21先端の支持部23とから成る。4本の脚部22先端は、支持部23の受け部24に連続しており、受け部24には円弧受け面25が形成されている。受け部24に固着される蓋部26とにより前記支持部23が構成され、蓋部26の円弧受け面27と前記受け部24の円弧受け面25との間に、基準バー30の一端を挟んでねじ28で蓋部26を受け部24に一体固着し、蓋部26に押しねじ29を螺合して基準バー30を受け部24の円弧受け面25に押し付け固定している。基準バー30は、上下の主軸11,12の軸心をつなぐ線Lと平行に配置され、他方(下側)の主軸12側方に向けてY軸下方に延設されている。4本の脚部22の間は空気通過孔31になっており、受け部24と取付部21との間の空間は、これらの空気通過孔31により絶えず外気と連通される冷却空間Sとなっている。従って、主軸ヘッド8側からの熱が基準バー30に伝播しようとしても、この断熱構造(取付部23と支持部21との間に空気による冷却空間Sがある)によって、殆ど伝播されることがない。従って、基準バー30には、熱膨張率に関して考慮することなく通常の鋼材を用いることができる。
【0008】
同様な断熱構造は、下側の主軸12側方に取り付けられる断熱支持部材20Aにも採用されている。下側の断熱支持部材20Aにおいても、主軸ヘッド8側面への取付部21Aと、基準バー30、センサ40を支持する支持部23Aとの間は、4本の脚部22Aでつながれており、脚部22Aの間は空気通過孔31になっており、支持部23Aと取付部21Aとの間の空間は、これらの空気通過孔31により絶えず外気と連通されている冷却空間Sとなっている。下側の断熱支持部材20Aの支持部23Aは、脚部22Aの先端と一体の支持基部24Aと、その支持基部24Aに対して、前記上側の断熱支持部材21側から、間にセンサ40の取り付けフランジ41を挟んでねじ28Aで一体固着される案内支持部材26Aとから構成されている。案内支持部材26Aは、前記上側の断熱支持部材20に一端を固着した基準バー30の他端をY軸方向(基準バー30の軸線方向)に移動可能に支持している。センサ40は基準バー30の下端面30aとの距離(隙間)を測定するものであり、センサ40と一体の取り付けフランジ41が支持基部24Aと案内支持部材26Aとの間に挟持されて、基準温度(例えば20度C)では、センサ40が前記基準バー30の下端面30aと所定隙間αを持って対向している。上下の断熱支持部材20,20Aは、夫々位置決めピン45により各対応する主軸11,12に対して位置決めされている。上側の断熱支持部材20から下方に突出している部分の基準バー30の長さは、ちょうど軸間ピッチPと一致しており、基準バー30下端面30aは、下側の主軸12の軸心を含む水平面に含まれる。
【0009】
X,Y,Z軸モータ6,9,3を制御して、上側の主軸11をワークWの所望の孔加工位置に位置させて目的とする孔Hの入り口部分を加工する。このとき、下側の主軸12はワークWと干渉しない位置関係に設定してあり、回転していない。すると、加工している側の主軸回転により熱が発生し、その熱により主軸ヘッド8が2つの主軸11,12のピッチ方向(Y軸方向)に熱変位する。例えば、主軸間ピッチが熱変位前にはピッチPであったものが(図2)、熱変位後にはピッチP+βとなったとすると、主軸ヘッド8が熱変位することで主軸ヘッド8に固着された両断熱支持部材20,20Aの間の距離が変化する。このとき、基準バー30は、主軸ヘッド8側からの熱が断熱支持部材20,20Aにより殆ど伝わらないから熱による変位は殆ど無視でき、その結果、前記センサ40と基準バー30下端面30aとの隙間が隙間αから隙間α+βに変化する(図6)。この変位量βをセンサ40で検出し、その変位量βを制御装置50に伝達してY軸送り量に加味する。制御装置50では、上側の主軸11で加工後、Y軸方向上方に主軸ヘッド8を移動させる時に、そのY軸送り量を送り量P+βとする。すると、下側の主軸12は熱変位した分だけ余分にY軸方向に送られて、先に加工された孔Hに精度よく対向する。その後、Z軸送りにより、前記孔Hの奥部分を加工する。このような熱による補正を行なわずに、予め定めたピッチPでY軸送りをすると、熱変位分だけ下側の主軸12の、孔Hに対する位置がずれることになり、正確な孔加工ができないのである。
【0010】
【発明の効果】
以上のように本願では、主軸回転で主軸ヘッド側に熱が発生すると、2本の主軸間のピッチが変動し、これにより、断熱支持部材がピッチ方向に移動して、基準バー先端とセンサとの隙間が変化するため、その変化分を、軸間ピッチの変化分として主軸ヘッドを位置制御して、一方の主軸で加工した孔に対して、他方の主軸を正確に芯合わせできる。また、基準バーとセンサとは、夫々対応する主軸に、断熱支持部材で熱が伝わりにくくして支持されているので、基準バーに熱膨張率の小さな特殊な材質のものを使わなくてもよく、安価に実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願主軸装置を装架した横型工作機械の側面図である。
【図2】図1のII視図である。
【図3】図2の側面図である。
【図4】図2のIV視図である。
【図5】図2のV視図である。
【図6】作用説明図である。
【符号の説明】
8 主軸ヘッド
11・12 主軸
20・20A 断熱支持部材
21・21A 取付部
22・22A 脚部
23・23A 支持部
30 基準バー
40 距離センサ
P 軸間ピッチ
S 冷却空間
Claims (2)
- 1つの主軸ヘッドに2つの主軸を所定の軸間ピッチで回転可能に並設した主軸装置において、主軸ヘッドの側面には各主軸と対応して断熱支持部材を固着し、一方の断熱支持部材に前記軸間ピッチ方向に伸びる基準バーの一端を固定し、基準バーの他端を他方の断熱支持部材に軸線方向移動可能に案内させ、他方の断熱支持部材には前記基準バーの他端と対向して距離センサを取り付け、距離センサから出力される基準バー先端との距離に基づいて、一方の主軸で加工した孔に、他方の主軸を対向させる時の主軸ヘッドの前記ピッチ方向の移動量を補正するように構成したことを特徴とする主軸装置。
- 断熱支持部材は、主軸ヘッド側面への取付部と、少なくとも基準バーを支持する支持部とを、両部分の間に外気に連通する冷却空間を形成するように脚部で繋いだことを特徴とする請求項1記載の主軸装置。
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