JP4232021B2 - 内燃機関における可変動弁装置の故障検出装置 - Google Patents

内燃機関における可変動弁装置の故障検出装置 Download PDF

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Description

本発明は内燃機関(以下、エンジンという)における可変動弁装置の故障検出装置に関するものである。
運転領域に応じた最適なエンジン出力特性を実現するために、吸排気弁の開弁時期やリフト量を切換可能な可変動弁装置を備えたエンジンが提案されている(例えば、特許文献1参照)。当該特許文献1に記載されたエンジンは、カムスプロケットに内蔵したカム位相可変機構によりクランクシャフトに対する吸気側や排気側のカムシャフトの位相を変更可能なように構成され、エンジンの運転領域に応じてカムシャフトの位相を調整して吸気弁や排気弁の開弁時期を制御している。
カム位相可変機構はエンジンの潤滑用オイルを作動油として作動するが、作動油に含まれる不純物や切削加工時の切り粉等(以下、異物という)が油圧経路を閉塞させたり、或いは異物が摺動部分に噛み込んだりして作動不良を生じる虞がある。そこで、上記特許文献1に記載されたエンジンでは、車両減速に伴うF/C(燃料カット)中のように吸排気弁の開弁時期が変化してもエンジントルクが変動しない運転状態のときに、カム位相可変機構を最進角位置と最遅角位置との間で強制的に往復動させるクリーニング処理を実施して、異物の詰まりや噛み込みの低減を図っている。
特開2003−83131号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されたエンジンが実施するクリーニング処理では、異物の詰まりや噛み込みの予防効果はあるものの、実際に異物の詰まりや噛み込みが発生した場合の対策にはなり得ない。従って、異物の詰まりや噛み込みが生じた場合には、当該クリーニング処理を実施しない可変動弁装置と同様に、正常なカム位相制御を継続不能になることから、例えば不適切なカム位相制御の継続によりエンジンの排ガス特性が悪化する等のトラブルが避けられなかった。
本発明の目的は、作動油に含まれる異物の詰まりや噛み込みに起因する作動不良を的確に検出し、もって、不適切なカム位相制御の継続によるトラブルを確実に回避することができる内燃機関における可変動弁装置の故障検出装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、カムシャフトにより駆動されて吸気弁又は排気弁の少なくとも一方を開閉駆動する動弁機構と、油圧供給源から供給される作動油を切換える作動油切換手段と、内燃機関の運転状態に基づいて作動油切換手段を制御する制御手段と、カムシャフトとクランクシャフトとの間に設けられて、作動油切換手段から作動油の供給を受けてクランクシャフトに対するカムシャフトの位相を変更すると共に、作動油切換手段からの作動油の供給を受けてシリンダ内で切換えられるロックピンを備え、ロックピンによりカムシャフトを機関始動時に相当する所定位相で固定し得るカム位相可変機構とを備えた可変動弁装置において、シリンダ内のロックピンの切換位置に応じて該シリンダ内の作動油の油圧を検出可能または検出不能となる切換位置検出手段と、作動油切換手段が切換えられたにも拘わらず、切換位置検出手段が作動油切換手段の切換状態に対応する油圧検出状態にならなかったときに故障判定を下す故障判定手段とを備えたものである。
従って、内燃機関の運転状態に基づいて制御手段に制御された作動油切換手段により油圧供給源からの作動油が切換えられ、その切換状態に応じてカム位相可変機構によりクランクシャフトに対するカムシャフトの位相が変更されて、動弁機構を介して吸気弁や排気弁の開弁時期が調整される。一方、機関停止時にはカムシャフトが所定位相に変更されてロックピンにより固定され、その後の始動時には、油圧供給源の油圧が上昇するまでロックピンによりカムシャフトが始動時に相当する位相を固定されることで円滑な始動が図られる。
そして、このように内燃機関の運転中には作動油切換手段の切換に応じてロックピンが切換えられ、このロックピンの切換位置に応じて切換位置検出手段がシリンダ内の作動油の油圧を検出可能または検出不能となり、作動油切換手段が切換えられたにも拘わらず、切換位置検出手段が作動油切換手段の切換状態に対応する油圧検出状態にならなかったときには、故障判定手段により故障判定が下される。
つまり、このときにはロックピンの摺動部分に作動油中の異物が噛み込んでロックピンの摺動を妨げていると考えられ、ロックピンの切換不能により不適切なカム位相制御が継続されると、内燃機関の排ガス特性を悪化させる等のトラブルの要因となる。このような故障が判定されることにより、例えばカム位相可変機構によるカム位相制御を中止したり、或いはカム位相可変機構の修理を実施する等の対処が可能となるため、不適切なカム位相制御の継続によるトラブルを回避可能となる。
請求項の発明は、請求項1において、制御手段が、内燃機関の燃料カット中、若しくはカムシャフトの位相変化に伴う機関トルクの変化量が小さい領域での運転中に、内燃機関の運転状態に関わらず作動油切換手段を切換制御してカム位相可変機構によりカムシャフトを強制的に所定の位相に駆動する強制駆動処理を実行し、故障判定手段が、制御手段により強制駆動処理が実行されて作動油切換手段が切換えられたときに、切換位置検出手段の油圧検出状態に基づいて故障の有無を判定するものである。
従って、内燃機関の燃料カット中、若しくはカムシャフトの位相変化に伴う機関トルクの変化量が小さい領域での運転中に、制御手段が実行する強制駆動処理により内燃機関の運転状態に関わらず作動油切換手段が切換制御されて、カム位相可変機構によりカムシャフトが強制的に所定の位相に駆動される。そして、このときの切換位置検出手段の油圧検出状態に基づいて故障の有無が判定される。
強制駆動処理は、カムシャフトの位相変化が機関トルクに影響しない燃料カット中、若しくはカムシャフトの位相変化に伴う機関トルクの変化量が小さい運転領域で行われるため車両の走行状態への影響は小さく、ドライバビリティを悪化させることなく実行可能であり、しかも、カム位相可変機構が強制的に駆動されることから、異物による油圧経路の閉塞やロックピンの摺動部分への異物の噛み込みが発生し難くなり、これらのトラブルの予防効果が得られる。
以上説明したように請求項1の発明の内燃機関における可変動弁装置の故障検出装置によれば、ロックピンの切換不能に起因するカム位相可変機構の作動不良を的確に検出し、もって、不適切なカム位相制御の継続によるトラブルを確実に回避することができる
求項の発明の内燃機関における可変動弁装置の故障検出装置によれば、請求項1に加えて、ドライバビリティを悪化させることなく故障判定を実施できると共に、カム位相可変機構の強制駆動により、異物による油圧経路の閉塞やロックピンの摺動部分への異物の噛み込み等のトラブルを予防することができる。
[第1実施形態]
以下、本発明を吸気側のカム位相を制御するカム位相可変機構を備えた可変動弁装置の故障検出装置に具体化した第1実施例を説明する。
図1は本実施形態のカム位相可変機構を示す側断面図、図2は同じくカム位相可変機構を示す断面図である。
エンジンのシリンダヘッド1上には動弁機構1aが設けられ、当該動弁機構1aにより各気筒の図示しない吸気弁及び排気弁が開閉駆動されるように構成されている。シリンダヘッド1上の軸受部2には吸気側のカムシャフト3が回転可能に支持され、カムシャフト3の回転に伴って吸気弁が開閉駆動される。カムシャフト3の前端にはタイミングプーリ4が回動可能に嵌め込まれ、タイミングプーリ4はタイミングベルト5を介して図示しないクランクシャフトにより図2の矢印方向に同期して回転駆動される。
タイミングプーリ4にはカム位相可変機構13が設けられ、当該カム位相可変機構13により吸気側のカム位相が変更される。以下、カム位相可変機構13の構成を説明すると、カム位相可変機構13のハウジング6及びハウジングカバー7はタイミングプーリ4の前面に固定され、これらの部材6,7の内部にはカムシャフト3の軸心を中心とした略一文字状をなす油圧室8が形成されている。油圧室8内にはベーンロータ9が配設され、ベーンロータ9の中心部はカムシャフト3の前端に対してカムボルト10で固定され、カムボルト10の頭部10aはハウジングカバー7により形成された油分配室11内に位置している。
ベーンロータ9は円弧状をなす中心部9aの両側にベーン9bを形成してなり、中心部9aを油圧室8に形成した円弧状の摺接面8aに当接させると共に、両ベーン9bの先端を油圧室8の外周面8bに当接させている。このベーンロータ9により油圧室8は計4つに区画され、以下の説明では、両ベーン9bのスプロケット回転側の油圧室8をそれぞれ遅角油圧室12a、両ベーン9bのスプロケット反回転側の油圧室8をそれぞれ進角油圧室12bと称する。
そして、ベーンロータ9は、図2に実線で示すように遅角油圧室12aの容積を最大とする最遅角位置と、図示しない進角油圧室12bの容積を最大とする最進角位置との間で、カムシャフト3の軸線を中心として回動し得る。その結果、タイミングプーリ4に対するカムシャフト3の位相が変化して、吸気弁の開弁時期が変更される。
尚、図示はしないが、タイミングベルト5には排気側のタイミングプーリも連結されており、排気側ではタイミングプーリに対してカムシャフトが固定されて、所期の固定されたタイミングで排気弁が開閉駆動される。
ベーンロータ9の一方のベーン9bには、ハウジングカバー7側に開口するシリンダ15が形成され、シリンダ15内にはロックピン16が摺動可能に配設されて、スプリング17により常にハウジングカバー7側に付勢されている。ハウジングカバー7には、ベーンロータ9の最遅角位置においてロックピン16が嵌合可能なようにロック凹部18が形成され、ロックピン16は、先端をロック凹部18内に嵌合させる図1に示すロック位置と、先端をロック凹部18内から離脱させる図示しないロック解除位置との間で切換え得る。
シリンダ15内は、ベーンロータ9に形成された第2ロック油路19、及びタイミングプーリ4に形成された第1ロック油路20を介して遅角油圧室12a内と連通し、ベーンロータ9の遅角側への回動時には、遅角油圧室12a内の油圧が第2ロック油路19及び第1ロック油路20を経てシリンダ15内に作用し、ロックピン16をロック位置に切換える。又、ロック凹部18内は、ハウジングカバー7に形成されたロック解除油路21を介して油分配室11内と連通し、ベーンロータ9の進角側への回動時には、進角油圧室12b内の油圧がロック解除油路21を経てロック凹部18内に作用し、ロックピン16をロック解除位置に切換える。
一方、各進角油圧室12b内はベーンロータ9に形成された第4進角油路24を介して上記油分配室11内と連通し、油分配室11内は、カムボルト10を貫通する第3進角油路25、カムシャフト3に形成された第2進角油路26及び第1進角油路27を介して、カムシャフト3の外周全周に形成されたオイル溝28内と連通し、オイル溝28は軸受部2に形成された進角供給油路29を介してオイルコントロールバルブ30(作動油切換手段であり、以下、OCVという)に対してカムシャフト3の回転角度に関わらず常に連通している。
又、各遅角油圧室12a内は、ベーンロータ9に形成された第2遅角油路31、カムシャフト3に形成された第1遅角油路32を介して、カムシャフト3の外周全周に形成されたオイル溝33内と連通し、オイル溝33は軸受部2に形成された遅角供給油路34を介して上記OCV30に対してカムシャフト3の回転角度に拘わらず常に連通している。
OCV30の切換に応じてエンジン潤滑用のオイルポンプ35から吐出される作動油(エンジンオイル)が進角供給油路29又は遅角供給油路34の一方に選択的に供給されると共に、他方から排出される作動油がオイルパン36に戻される。
ベーンロータ9には第2遅角油路31と隣接するように第1油圧センサ40(油圧検出手段)が配設され、第1油圧センサ40により第2遅角油路31内の油圧P1が検出される。又、ベーンロータ9にはロックピン16のシリンダ15と隣接するように第2油圧センサ41(位置検出手段)が配設され、第2油圧センサ41は、ロックピン16がロック解除位置のときにはロックピン16に遮られてシリンダ15内の油圧P2を検出不能となり、ロックピン16がロック位置になるとシリンダ15内と連通して油圧P2を検出可能となる。これらの第1及び第2油圧センサ40,41の信号線40a,41aはベーンロータ9内を経てカムシャフト3の外周に形成されたスリップリング42に接続され、カムシャフト3の回転中でもスリップリング42を介して各油圧センサ40,41からの検出信号を出力可能となっている。
車室内には、図示しない入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM,RAM,BURAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えたECU(電子制御ユニット)44が設置されている。ECU44の入力側には、上記スリップリング42を介して第1及び第2油圧センサ40,41が接続されると共に、エンジン回転速度Neを検出する回転速度センサ45、エンジンの吸気負圧Pbを検出する吸気圧センサ46等の各種センサ類が接続され、ECU44の出力側には、上記OCV30及び車両の運転席に設けられた警告灯47(報知手段)等のデバイス類が接続されている。
そして、ECU44は各種センサ類からの検出情報に基づいて燃料噴射制御や点火時期制御を実行してエンジンを運転すると共に、上記OCV30を駆動してカム位相可変機構13により吸気側のカム位相を制御する(制御手段)。更に、本実施形態では油圧経路に起因するカム位相可変機構13の故障を判定しており、以下、ECU44によって実行されるカム位相可変機構13の制御状況及びその故障判定処理について説明する。
まず、通常時のカム位相可変機構13の作動状況を述べると、ECU44は図示しないマップに従ってエンジン回転速度Neや吸気負圧Pbから設定された進角量(最遅角位置を基準とした進角量)を算出し、算出した進角量に基づいてOCV30を駆動制御する。例えば、車両発進時には、吸気負圧Pbの増加に伴って最遅角位置より大きな進角量が設定され、ECU44によりOCV30は図1とは逆位置に切換えられる。その結果、オイルポンプ35からの作動油は進角供給油路29、第1進角油路27、第2進角油路26、第3進角油路25、油分配室11、第4進角油路24を経て進角油圧室12b内に導入され、その油圧によりベーンロータ9は進角側に回動する。
ベーンロータ9が目標の進角量に達したとき、ECU44はOCV30を中立位置に切換えて進角油圧室12bへの作動油の供給を中止し、その時点のベーンロータ9の回動位置を保持する。エンジンの運転中は、以上のようにOCV30の切換制御が繰り返されて、ベーンロータ9と共にカムシャフト3の位相が変更され、吸気弁の開弁時期が調整される。
一方、エンジン停止の際には、エンジン回転速度Neの低下に基づいてマップから最遅角位置に相当する進角量(即ち、進角量0)が設定される。OCV30の切換に伴って、オイルポンプ35からの作動油は遅角供給油路34、第1遅角油路32、第2遅角油路31を経て遅角油圧室12a内に導入され、更に第1及び第2ロック油路20,19を経てシリンダ15内に導入される。遅角油圧室12a内の油圧によりベーンロータ9が最遅角位置まで回動すると共に、シリンダ15内の油圧とスプリング17の付勢力によりロックピン16がロック位置に切換えられて、ベーンロータ9は最遅角位置に保持されて次回の始動に備える。
その後の始動時には、ECU44によりOCV30は図1に示す位置に切り換えられる。オイルポンプ35の吐出圧が低いクランキング当初、ベーンロータ9はロックピン16によって最遅角位置に保持され続け、遅角側に設定された吸気弁の開弁時期によって始動性の向上が図られる。クランキングの継続によってオイルポンプ35の油圧が立ち上げられると、その作動油は遅角供給油路34、第1遅角油路32、第2遅角油路31を経て遅角油圧室12a内に導入され、更に第1及び第2ロック油路20,19を経てシリンダ15内に導入される。
その後、上記した車両発進時等のように最遅角位置より進角側の進角量が設定されると、オイルポンプ35からの作動油が進角油圧室12b内に導入され、更にロック解除油路21を経てロック凹部18内に導入される。ロック凹部18内の油圧によりスプリング17の付勢力に抗してロックピン16がロック解除位置に切換えられると共に、進角油圧室12b内の油圧によりベーンロータ9が進角側に回動され、以降は上記のようにマップから求めた進角量に基づいてカム位相の制御が継続される。
一方、エンジン運転中においてECU44は図3に示す故障判定ルーチンを所定の制御インターバルで実行しており、まず、ステップS2で燃料噴射制御で燃料カットを実行中か否かを判定し、判定がNO(否定)のときには一旦ルーチンを終了する。又、車両減速に伴って燃料カットが行われると、ECU44はステップS2でYES(肯定)の判定を下してステップS4に移行し、カム位相可変機構13の強制駆動処理を実行する。
強制駆動処理は、マップから求めた進角量に関わらずカム位相可変機構13を強制的に駆動する処理であり、本実施形態では強制駆動処理として、マップに基づく現在の進角量から一旦最遅角位置まで駆動した後に元の進角量に戻す処理を行っている。これにより強制駆動処理時には、オイルポンプ35からの作動油が遅角供給油路34、第1遅角油路32、第2遅角油路31を経て遅角油圧室12a内に導入されて、ベーンロータ9を最遅角位置に回動させると共に、更に作動油は第1及び第2ロック油路20,19を経てシリンダ15内に導入されて、ロックピン16をロック位置に切換える。
次いで、ECU44はステップS6に移行して第1油圧センサ40により検出された油圧P1が予め設定された所定値P0以上であるか否かを判定する。遅角側への位相制御に伴ってオイルポンプ35から遅角油圧室12bまでの油圧経路、及びシリンダ15までの油圧経路は油圧上昇するが、上昇時の油圧より若干低い値に上記所定値P0が設定されている。従って、油圧経路を経て正常に作動油が供給されているときには、ECU44はステップS6でYESの判定を下してステップS8に移行する。
ステップS8では第2油圧センサ41により検出された油圧P2が上記所定値P0以上であるか否かを判定する。ロックピン16が正常にロック位置に切換えられたときには、第2油圧センサ41はロックピン16に遮られることなくシリンダ15内の油圧を検出可能となるため、油圧P2は所定値P0以上となり、ECU44はステップS8でYESの判定を下した後にルーチンを終了する。尚、油圧P1,P2に対して共通の所定値P0を適用せずに、異なる値として所定値P0を設定してもよい。
ここで、燃料カット中のエンジンはトルクを発生しないため、このようにカム位相可変機構13の強制駆動処理によりカム位相が一時的に最遅角位置まで制御されても、何ら支承なく通常通りの車両減速が行われる。
一方、ECU44は上記ステップS6の判定がNOのときには故障判定を下し(故障判定手段)、ステップS10に移行してカム位相制御の禁止処理を行う。具体的には、OCV30を中立位置に切換えて、その時点のベーンロータ9の回動位置を保持したままカム位相制御を中止させる。続くステップS12では警告灯47を点灯表示し、その後にルーチンを終了する。これらの処理の結果、以降は吸気側のカム位相を固定したままエンジンが運転されると共に、このようなカム位相可変機構13の故障が運転者に報知されることになる。又、ECU44は上記ステップS8の判定がNOのときにも故障判定を下して(故障判定手段)ステップS10に移行するため、この場合も上記と同じくカム位相制御が中止されると共に、運転者への報知が行われる。
ここで、強制駆動処理にも拘わらず第2遅角油路31の油圧P1が所定値P0に達しない要因としては、オイルポンプ35の故障により正常な吐出量が得られなかったり、或いはオイルポンプ35から第2遅角油路31までの油圧経路にオイル漏れや作動油中の異物による閉塞等が生じていることが考えられ、この場合には必然的に正常なベーンロータ9の回動に基づくカム位相制御が期待できなくなる。
又、強制駆動処理にも拘わらずシリンダ15の油圧P2が所定値P0に達しないのは、ロックピン16がロック位置に切換不能であることを意味する。その要因としては、シリンダ15とロックピン16との摺動部分に作動油中の異物が噛み込んでロックピン16の摺動を妨げていることが考えられ、この場合には必然的に正常なロックピン16の切換が期待できなくなる。
そして、上記何れの場合でも結果としてカム位相制御が不適切に実施されてしまい、この不適切なカム位相制御の継続によりエンジンの排ガス特性が悪化する等の不具合が生じてしまう。本実施形態のカム位相可変機構13の故障検出装置では、このような状況を的確に検出してカム位相制御を中止することから、エンジン性能の若干の低下はあるものの上記排ガス特性の悪化のような深刻な事態を確実に回避することができる。又、警告灯47の表示に基づいて運転者はカム位相可変機構13の故障を確実に把握できるため、修理等の対処を速やかに実施して本来のエンジン性能を逸早く回復させることができる。
一方、強制駆動処理時に故障が検出されない場合であっても、燃料カットの度に強制駆動処理が実行されることから、異物による油圧経路の閉塞、或いはシリンダ15とロックピン16との摺動部分への異物の噛み込みが発生し難くなり、これらのトラブルの予防効果を得ることもできる。
[第2実施形態]
次に、本発明を吸気側のカムを切換制御するカム切換機構を備えた可変動弁装置の故障検出装置に具体化した第2実施例を説明する。
図4は本実施形態のカム切換機構を示す断面図、図5は同じくカム切換機構を示す図4のV−V線断面図、図6はカム切換機構の低速モード時を示す部分拡大断面図、図7はカム切換機構の高速モード時を示す部分拡大断面図、図8はカム切換機構の油圧経路を示す断面図、図9は低速モード及び高速モードでの吸気弁の開弁特性を示す図である。
図4,5に示すように、エンジンの各気筒上方のシリンダヘッド51には、各気筒毎に各々リターンスプリング(図示せず)により常閉とされる2つの吸気弁52,53と2つの排気弁54,55とが備えられており、これら吸気弁52,53、排気弁54,55を駆動するために動弁機構56が備えられている。
この動弁機構56は、吸気弁52,53を駆動する吸気弁駆動系と、排気弁54,55を駆動する排気弁駆動系とに分けられる。吸気弁駆動系は、カムシャフト57と、カムシャフト57に固設されたカム57a〜57cと、ロッカシャフト58と、ロッカシャフト58に揺動自在に軸支されてカム57a,57bによって揺動するロッカアーム59,60(被動ロッカアーム)と、同じくロッカシャフト58に揺動自在に軸支されてカム57cによって揺動するロッカアーム61(駆動ロッカアーム)とを備えている。
一方、排気弁駆動系は、吸気系と共用のカムシャフト57と、カムシャフト57に固設されたカム57d,57eと、ロッカシャフト62と、ロッカシャフト62に揺動自在に軸支されてカム57d,57eによって揺動するロッカアーム63,64とを備えている。
そして、動弁機構56の上記吸気弁駆動系の部分に、カムを切換えるためのカム切換機構65が設けられている。以下カム切換機構65の構成の詳細について説明する。
吸気弁駆動用のロッカアーム59〜61のうちロッカアーム59,60は、一端のアジャストスクリュ59a、60aを吸気弁52,53のステム端部に当接させており、吸気弁52はロッカアーム59の揺動に応じて開閉し、吸気弁53はロッカアーム60の揺動に応じて開閉するよう構成されている。
詳しくは、ロッカアーム59は、他端のローラ59bがエンジンの低速回転時に対応した低速カムプロフィルの形成された低速カム57aに当接しており、当該低速カム57aに倣い揺動することで、吸気弁52を図9に一点鎖線で示すような特性で開閉するよう構成されている。また、ロッカアーム60は、他端のローラ60bがエンジンの低速回転時に対応した低速カムプロフィルの形成された低速カム57bに当接しており、当該低速カム57bに倣い揺動することで、吸気弁53をやはり図9に実線で示すような特性で開閉するよう構成されている。
一方、ロッカアーム61は、一端に形成された一対の当接突起61a,61a(係合突起)がロッカアーム59,60に向けて延びており、他端に設けられたローラ61bがエンジンの高速回転時に対応した高速カムプロフィル(つまり、低速カム57a,57bより作動角及びリフト量が大きい)の形成された高速カム57cに当接している。即ち、ロッカアーム61は当該高速カム57cに倣い揺動し、これにより、当接突起61a,61aの先端部61c,61cの先端面61d,61dがロッカアーム59,60と当接可能である。
ロッカアーム61は、当該ロッカアーム61がカム57cから離間しないようにアームスプリング66によって付勢されている。詳しくは、図4に示すように、アームスプリング66はスプリング本体66aとスプリング本体66aを内蔵するケーシング66bとから構成されており、ロッカアーム61がケーシング66bを介してスプリング本体66aの付勢力により押されることによりローラ61bがカム57cと当接している。なお、アームスプリング66はロッカシャフト58回りに取り付けられたホルダ67の先端67aに支持されており、一方ホルダ67の後端67bはシリンダヘッド51に立設されたリブ68の上端と当接している。これにより、ホルダ67のロッカシャフト58回りの回転が抑止され、スプリング本体66aの付勢力がロッカアーム61に良好に伝達される。
当接突起61aの先端面61dがロッカアーム59,60と当接する位置には、それぞれシリンダ69,69が形成されており、シリンダ69の内部には上方位置(第1切換位置)と下方位置(第2切換位置)との間で摺動自在にピストン70が内装され、当該ピストン70は磁気を有する材料で製作されている。
詳しくは、シリンダ69のうち当接突起61aの先端面61dがロッカアーム59,60と当接する位置には、摺動面の一部が開口してそれぞれ開口部71が形成されており、当接突起61aは、当該開口部71からシリンダ69の内部に挿入可能である。
シリンダ69内には、ピストン70の側面70aが開口部71を封鎖しないようにピストン70をシリンダ69の下方位置側に付勢するスプリング72が設けられている。又、シリンダ69内は油路58bを介してロッカシャフト58内に形成された油路58aと連通し、油路58a,58bを通じてエンジン潤滑用のオイルポンプから作動油が供給されるように構成されている。
従って、作動油の供給によりシリンダ69内の油圧が高められると、図7に示すように、ピストン70は、一端に油圧を受けてスプリング72の付勢力に抗して開口部71を封鎖するようにシリンダ69の上方位置側に向けてシリンダ69内を摺動する。一方、シリンダ69内の油圧が低められると、図6に示すように、ピストン70は、スプリング72の付勢力により、ピストン70の側面70aが開口部71を封鎖しないようにシリンダ69内の下方位置側に戻される。
詳しくは、ロッカシャフト58の油路58aの上流側には、シリンダ69内に供給する作動油の油圧を調整する油圧調整装置73が設けられており、当該油圧調整装置73の切換に伴って油圧が高められると、ピストン70がシリンダ69の上方位置側に摺動して開口部71を封鎖し、油圧調整装置73の切換に伴って油圧が低められると、ピストン70がスプリング72の付勢力によってシリンダ69内の下方位置側に戻される。
油圧調整装置73は、図8に示すように、オイルポンプからの作動油をロッカシャフト58内の油路58aに供給する第1乃至第3油路73a〜73cと、第3油路73cに介装されたOCV73d(作動油切換手段)と、フィルタ73eとから構成されている。
オイルポンプからの作動油はOCV73dの開度に応じてシリンダ69内に供給され、シリンダ69内の作動油の油圧が高められると、ピストン70は側面70aが開口部71を封鎖するように摺動し、一方、シリンダ69内の作動油の油圧が低められると、ピストン70の側面70aが開口部71を封鎖しないように戻される。
一方、第3油路73cのOCV73dより上流側箇所には第3油圧センサ74(油圧検出手段)が配設され、第3油圧センサ74により第3油路73c内の油圧P3が検出される。ロッカアーム59,60の上方位置には磁気センサ75(位置検出手段)が配設され、磁気センサ75はシリンダヘッド51上を隠蔽している図示しないヘッドカバーの内壁からブラケットを介して支持されている。図6,7に示すように、吸気弁52,53の閉弁時に対応するロッカアーム59,60の揺動位置(以下、検出揺動位置と称する)において磁気センサ75はロッカアーム59,60のシリンダ69と相対向するように位置決めされており、シリンダ69内のピストン70が上方位置に摺動して磁気センサ75に接近しているときには当該ピストン70の磁気を検出し、ピストン70が下方位置に戻されて磁気センサ75から離間しているときには当該ピストン70の磁気を検出しなくなる。
第1実施形態と同様に可変動弁装置の制御はECU76により行われ、ECU76の入力側には、上記第3油圧センサ74及び磁気センサ75が接続されると共に、エンジン回転速度Neを検出する回転速度センサ77、エンジンの吸気負圧Pbを検出する吸気圧センサ78等の各種センサ類が接続され、ECU76の出力側には、上記OCV73d及び車両の運転席に設けられた警告灯79(報知手段)等のデバイス類が接続されている。
そして、ECU76は上記OCV73dを駆動してカム切換機構65により吸気側のカム57a〜57cを切換制御すると共に(制御手段)、油圧経路に起因するカム切換機構65の故障を判定している。
まず、通常時のカム切換機構65の作動状況を述べると、ECU76は図示しないマップに従ってエンジン回転速度Neや吸気負圧Pbから運転モード(低速モード及び高速モード)を設定し、設定した運転モードに基づいてOCV73dを駆動制御する。
例えば、エンジン回転速度Ne及び吸気負圧Pbが共に低い領域では運転モードとして低速モードが設定され、図8に示すように、OCV73dは小径通路を連通させるように切換えられる。小径通路は、主にロッカシャフト58の軸受部の潤滑を目的とした小断面積の通路のため、シリンダ69内の油圧が低められる。よって、このときのピストン70はスプリング72の付勢力により側面70aが開口部71を封鎖しないようにシリンダ69内に埋没してシリンダ69内の下方位置に戻されて、開口部71からシリンダ69内に向けて空間69aが形成される(図6参照)。このように開口部71からシリンダ69内に向けて空間69aが形成されると、ロッカアーム61の揺動時において、図6中に二点鎖線で示すように、ロッカアーム61の上記当接突起61aの先端部61cが一切ロッカアーム59,60と当接することなく当該空間69a内に出没することになり、この場合には、ロッカアーム59,60は各々対応する低速カム57a,57bに倣い揺動して吸気弁52,53を開閉駆動する。つまり、吸気弁52,53が図9(a)に実線と一点鎖線で示すようなバルブリフトでそれぞれ開閉する。
一方、エンジン回転速度Ne及び吸気負圧Pbが共に高い領域では運転モードとして高速モードが設定され、OCV73dは図示しない大径通路を連通させるように切換えられる。大径通路は、潤滑に加えてシリンダ69への油圧付加を目的とした大断面積の通路のため、シリンダ69内の油圧が高められる。よって、このときのピストン70はスプリング72の付勢力に抗して上方位置に摺動して側面70aが開口部71を封鎖し当該開口部71を塞ぐように作動する(図7参照)。このようにピストン70が開口部71を塞ぐように作動すると、ロッカアーム61の揺動時において、ロッカアーム61の上記当接突起61aの先端面61dがピストン70の側面70aと当接することになり、この場合には、ロッカアーム59,60のローラ59b,60bは、各々対応する低速カム57a,57bからは離間し、ロッカアーム59,60はロッカアーム61を介して高速カム57cに倣いロッカアーム61と一体に揺動して吸気弁52,53を共に開閉駆動する。つまり、吸気弁52,53が図9(b)に実線で示すようなバルブリフトで同時に開閉する。
一方、エンジン運転中においてECU76は図10に示す故障判定ルーチンを所定の制御インターバルで実行しており、まず、ステップS22で燃料噴射制御で燃料カットを実行中か否かを判定する。車両減速に伴って燃料カットが行われると、YESの判定を下してステップS24に移行し、カム切換機構65の強制駆動処理を実行する。本実施形態では強制駆動処理として高速モードへの切換を行っている。燃料カット時にはアクセルオフによる吸気負圧Pbの低下に基づいて低速モードが設定されるが、強制駆動処理の実行によりOCV73dが一時的に大径通路側に切換えられ、動弁機構56は低速モードから一旦高速モードに切換えられ、その後に低速モードに戻される。
ECU76は続くステップS26で、強制駆動処理時に第3油圧センサ74により検出された油圧P3が予め設定された所定値P0以上であるか否かを判定する。高速モードへの切換時には、OCV73dの大径通路を経た作動油の供給を受けてシリンダ69内の油圧が高められるため、同時に第3油路73c内の油圧P3も上昇して所定値P0以上となり、ECU76はステップS26でYESの判定を下してステップS28に移行する。
ステップS28では磁気センサ75によりピストン70の磁気が検出されたか否かを判定する。ピストン70が正常に上方位置に切換えられたときには、ロッカアーム59,60が検出揺動位置に達する度に磁気センサ75によりピストン70が検出されるため、ECU76はステップS28でYESの判定を下した後にルーチンを終了する。第1実施形態で述べたように、このときのエンジンはトルクを発生しない燃料カット中のため、カム切換機構65の強制駆動処理により高速モードに切換えられても車両減速への影響はない。
一方、ECU76は上記ステップS26の判定がNOのときには故障判定を下し(故障判定手段)、ステップS30に移行してカム切換制御の禁止処理を行う。具体的には、OCV73dを小径通路側に戻した上で、カム切換制御を中止させる。続くステップS32では警告灯79を点灯表示し、その後にルーチンを終了する。これらの処理の結果、以降は吸気側を低速モードに固定したままエンジンが運転されると共に、このようなカム切換機構65の故障が運転者に報知されることになる。又、ECU76は上記ステップS28の判定がNOのときにも故障判定を下して(故障判定手段)ステップS30に移行するため、この場合も上記と同じくカム切換制御が中止されると共に、運転者への報知が行われる。
ここで、強制駆動処理にも拘わらず第3油路73c内の油圧P3が所定値P0に達しない要因としては、オイルポンプの故障により正常な吐出量が得られなかったり、或いはオイルポンプから第3油路73cまでの油圧経路にオイル漏れや作動油中の異物による閉塞等が生じていることが考えられ、この場合には必然的に正常な高速モードへの切換が期待できなくなる。
又、強制駆動処理にも拘わらず磁気センサ75によりピストン70の磁気が検出されないのは、ピストン70が上方位置に切換不能であることを意味する。その要因としては、シリンダ69とピストン70との摺動部分に作動油中の異物が噛み込んでピストン70の摺動を妨げていることが考えられ、この場合には必然的に正常なピストン70の切換が期待できなくなる。
そして、上記何れの場合でも結果としてカム切換制御が不適切に実施されてしまい、この不適切なカム位相制御の継続によりエンジンの排ガス特性が悪化する等の不具合が生じてしまう。本実施形態のカム切換機構65の故障検出装置では、このような状況を的確に検出して低速モードに固定した上でカム切切換制御を中止することから、エンジン性能の若干の低下はあるものの上記排ガス特性の悪化のような深刻な事態を確実に回避することができる。又、警告灯79の表示に基づいて運転者はカム切換機構65の故障を確実に把握できるため、修理等の対処を速やかに実施して本来のエンジン性能を逸早く回復させることができる。
一方、強制駆動処理時に故障が検出されない場合であっても、燃料カットの度に強制駆動処理が実行されることから、異物による油圧経路の閉塞、或いはシリンダ69とピストン70との摺動部分への異物の噛み込みが発生し難くなり、これらのトラブルの予防効果を得ることもできる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記第1実施形態では吸気側のカムシャフト3の位相を変更するカム位相可変機構13に適用し、第2実施形態では吸気側のカム57a〜57cを切換えるカム切換機構65に適用したが、適用対象となる可変動弁装置の構成はこれらに限ることはなく、例えば排気側に設けられたカム位相可変機構31やカム切換機構65に適用してもよい。
又、第2実施形態のカム切換機構65のように低速モードと高速モードとの間で運転モードを切換える代わりに、休筒モードを実行するようにカム切換機構65を構成してもよい。即ち、カム切換機構65の低速カム57a,57bを廃止すると、ピストン70が上方位置のときには、高速カム73cによりロッカアーム59〜61が揺動されて吸気弁52,53を開閉駆動し、ピストン70が下方位置のときには、ロッカアーム59,60の揺動が中止されて吸気弁52,53を閉弁保持する構成が得られる。よって、当該構成をエンジンの特定気筒に適用すれば、通常の運転域ではピストン70を上方位置に保持してエンジンを運転し、低回転域等ではピストン70を下方位置に切換えて吸気弁の閉弁保持により休筒運転を実現できる。そして、このように構成された休筒運転用のカム切換機構においても、上記第2実施形態と同様の故障判定の実施すれば、油圧不足やピストン70の切換不能に起因するカム切換機構の作動不良を的確に検出して、不適切なカム切換制御の継続によるトラブルを回避することができる。
又、上記第1実施形態では、強制駆動処理としてカム位相を一時的に最遅角位置まで駆動すると共に、遅角側への駆動に伴う油圧上昇やロックピン16の切換状態を検出可能なように第1及び第2油圧センサ40,41を設けたが、逆に強制駆動処理として最進角位置まで駆動し、進角側への駆動に伴う油圧上昇やロックピン16の切換状態を検出可能なように第1及び第2油圧センサ40,41を設けてもよい。同様に上記第2実施形態では、強制駆動処理として運転モードを一時的に高速モードに切換えると共に、高速モードへの切換に伴う油圧上昇やピストン70の切換状態を検出可能なように第3油圧センサ74及び磁気センサ75を設けたが、逆に強制駆動処理として低速モードに切換え、低速モードへの切換に伴う油圧上昇やピストン70の切換状態を検出可能なように第3油圧センサ74及び磁気センサ75を設けてもよい。
一方、上記各実施形態では、燃料カットを実行する毎(図3のステップS2、図10のステップS22)に強制駆動処理を実行したが、強制駆動処理の実行タイミングはこれに限定されるものではなく、例えばエンジン始動から停止までの1ドライブサイクル中において、初回の燃料カット時のみに強制駆動処理を実行するようにしてもよい。
更に、燃料カット以外の運転中に強制駆動処理を実行してもよく、例えばカム位相制御による吸気側のカム位相の変化、或いはカム切換制御による運転モードの切換が行われても、それに起因するトルク変化が小さい運転領域であれば、燃料カット以外のときに強制駆動処理を実行してもよい。
又、強制駆動処理を行うことなく、通常のエンジン運転中に行われるカム位相制御やカム切換制御に基づいて故障検出を行ってもよい。即ち、この場合には図3のステップS2,4、若しくは図10のステップS22,24の燃料カット判定及び強制駆動処理に代えて、図11に示すように、ステップS42でカム位相可変機構13の駆動要求、或いはカム切換機構65の駆動要求があるか否かを判定する。カム位相制御やカム切換制御においてマップ設定値に基づいてカム位相や運転モードを切換えるべく駆動要求があったときには、ステップS42でYESの判定を下して図3のステップS6或いは図10のステップS26に移行する。そして、駆動要求に応じた方向へのカム位相や運転モードの切換が行われなかった場合には故障判定を下して、カム位相制御やカム切換制御の中止及び運転者への報知で対処する。
このように構成した場合には、上記各実施形態と同様に不適切なカム位相制御やカム切換制御の継続によるトラブルを回避できる一方、強制駆動処理による異物に起因するトラブルの予防効果は得られないものの、故障判定のために特別に強制駆動処理を実施する必要がないことから、カム位相可変機構13やカム切換機構65の消耗を軽減できるという別の効果を得ることができる。
第1実施形態のカム位相可変機構を示す側断面図である。 同じくカム位相可変機構を示す断面図である。 第1実施形態のECUが実行する故障判定ルーチンを示すフローチャートである。 第2実施形態のカム切換機構を示す断面図である。 同じくカム切換機構を示す図4のV−V線断面図である。 カム切換機構の低速モード時を示す部分拡大断面図である。 カム切換機構の高速モード時を示す部分拡大断面図である。 カム切換機構の油圧経路を示す断面図である。 低速モード及び高速モードでの吸気弁の開弁特性を示す図である。 第2実施形態のECUが実行する故障判定ルーチンを示すフローチャートである。 故障判定ルーチンの別例を示すフローチャートである。
符号の説明
1a,56 動弁機構
3,57 カムシャフト
13 カム位相可変機構
16 ロックピン
30,73d OCV(作動油切換手段)
40 第1油圧センサ(油圧検出手段)
41 第2油圧センサ(位置検出手段)
44,76 ECU(制御手段、故障判定手段)
47,79 警告灯(報知手段)
52,53 吸気弁
54,55 排気弁
59,60 ロッカアーム(被動ロッカアーム)
61 ロッカアーム(駆動ロッカアーム)
61a 当接突起(係合突起)
65 カム切換機構
70 ピストン
74 第3油圧センサ(油圧検出手段)
75 磁気センサ(位置検出手段)

Claims (2)

  1. カムシャフトにより駆動されて吸気弁又は排気弁の少なくとも一方を開閉駆動する動弁機構と、
    油圧供給源から供給される作動油を切換える作動油切換手段と、
    内燃機関の運転状態に基づいて上記作動油切換手段を制御する制御手段と、
    上記カムシャフトとクランクシャフトとの間に設けられて、上記作動油切換手段から作動油の供給を受けて上記クランクシャフトに対する上記カムシャフトの位相を変更すると共に、該作動油切換手段からの作動油の供給を受けてシリンダ内で切換えられるロックピンを備え、該ロックピンにより上記カムシャフトを機関始動時に相当する所定位相で固定し得るカム位相可変機構と
    を備えた可変動弁装置において、
    上記シリンダ内の上記ロックピンの切換位置に応じて該シリンダ内の作動油の油圧を検出可能または検出不能となる切換位置検出手段と、
    上記作動油切換手段が切換えられたにも拘わらず、上記切換位置検出手段が上記作動油切換手段の切換状態に対応する油圧検出状態にならなかったときに故障判定を下す故障判定手段と
    を備えたことを特徴とする内燃機関における可変動弁装置の故障検出装置。
  2. 上記制御手段は、上記内燃機関の燃料カット中、若しくは上記カムシャフトの位相変化に伴う機関トルクの変化量が小さい領域での運転中に、該内燃機関の運転状態に関わらず上記作動油切換手段を切換制御して上記カム位相可変機構により上記カムシャフトを強制的に所定の位相に駆動する強制駆動処理を実行し、
    上記故障判定手段は、上記制御手段により強制駆動処理が実行されて上記作動油切換手段が切換えられたときに、上記切換位置検出手段の油圧検出状態に基づいて故障の有無を判定することを特徴とする請求項1記載の内燃機関における可変動弁装置の故障検出装置。
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