JP4231280B2 - ドアロック装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、押しボタンを押して、ロックが解除されることにより、ドアが開くドアロック装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、各種のドアロックを備えたドアが提案されている。例えば、下記特許文献1に記載されている扉1の場合、扉1を押すと、受金棒5がカム斜面に力を加えるため、フック板10はフックバネ13の付勢に抗して回動し、フック部24とブラケット7の肩部27の間に、受金棒5が入り込み、板バネ6が受金棒5によって押さえ込まれ、扉1は閉鎖位置に施錠される。また、押しボタン3を押すと、連動軸8が逃げ孔20中を移動し、フック板10がフックバネ13の付勢に抗して回動し、フック板10のフック部24とブラケット7の肩部27の間にくわえ込まれている受金棒5が開放されるため、施錠が解除される。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−299753号公報((0012)、(0009)、図10)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、下記特許文献1に記載されている扉1の場合、フック板10には、フックバネ13等が必要であって、コストアップするとともに構成が複雑になるという問題点があった。
そこで、本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、安価で簡単な構成からなるドアロック装置を提供することを目的する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため請求項1に係る発明によれば、押しボタンを押すことにより、ロックが解除されるドアロック装置において、ハンドルの取付孔に前後動可能に取り付けられた押しボタンと、前記押しボタンに取り付けられた押しボタン軸と、前記押しボタンの裏面側に設けられたサポートプレートと、前記サポートプレートと前記押しボタンとの間に設けられ、前記押しボタン軸の裏面側への移動を妨げるように付勢する弾性部材と、前記押しボタン軸の先端に取り付けられ、前記サポートプレートの裏面側に位置する保持部材と、前記サポートプレートの裏面側であって、前記押しボタン軸の下方の位置に取り付けられた回転軸と、前記回転軸を中心に揺動可能に取り付けられた斜め下方に下がる下方部を備えるとともに、前記サポートプレートと前記保持部材との間で保持される上方部を備えるロックプレートと、前記下方部の先端に形成され、前記回転軸側に係合面を形成した爪部と、前記ロックプレートの対面に配置され、先端部が前記ロックプレート方向に斜め下方に所定角度で傾斜したフック部と、を有し、前記爪部の係合面と前記フック部の先端部とを当接させる位置まで前記下方部を前記回転軸を中心に回動させることにより、前記爪部と前記先端部を係合させ、ドアをロックすることを特徴とする。
【0006】
請求項1に係るドアロック装置によれば、押しボタンを押すと、押しボタン軸が弾性部材の付勢に抗して前側に移動し、押しボタン軸の先端の保持部材も前側に移動する。すると、ロックプレートの上方部は、サポートプレートと保持部材とによって保持されていたのが移動可能になって、斜め下方に下がる下方部は自重でもって下方へ揺動し、ロックプレートの下方部がフック部から離脱し、ロックが解除されてドアを開くことができる。
押しボタンの押すのを止めると、弾性部材の付勢力によって押しボタン軸が後側に移動し、押しボタン軸の先端の保持部材も後側に移動する。すると、ロックプレートの上方部は、サポートプレートと保持部材とによって保持され、ロックプレートの前方部が上方へ揺動し、フック部はロックプレートの下方部と係合して、ドアをロックすることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るドアロック装置につき具体化した実施形態に基づいて図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本実施の形態のドアロック装置を示す拡大断面図である。図2は、ドアロック装置のドアロックハンドル上部の裏面図である。図3は、ドアロック装置のドアロックハンドルの正面図である。図4は、ドアロック装置の拡大断面図であって、ドアが閉まる直前の状態である。図5は、ドアロック装置の拡大断面図であって、ドアが閉まった状態である。図6は、ドアロック装置の拡大断面図であって、押しボタンを押した状態である。
【0008】
本実施の形態のドア10は、図1に示すように、ビール、炭酸水等の清涼飲料水等の飲料を供給するディスペンサ等に用いられるものであるので、ドア10には、清涼飲料水等の飲料を保温するため、断熱パネル11が使用される。ドア10の表面側には、ドアロックとハンドルとが一体構造をなすドアロックハンドル12が取り付けられている。ドアロックハンドル12の取り付け方としては、断熱パネル11が取り付けられていない空洞部分13、14に差し込んだ2本のハンドル固定用ネジ15、16をドアロックハンドル12に締め付けることにより固定する。このように2本の上下のハンドル固定用ネジ15、16で締め付けることにより、簡単に短時間で固定することができる。また、断熱パネル11の空洞部分13、14が小さいため、断熱パネル11の断熱性は保持される。
【0009】
ドア10の裏面側には、飲料を供給するための飲料供給部(図示せず)を備える製品本体17が設けられている。製品本体17の表側においては、ドア10の空洞部分13に対向する位置に、ドア10をロックするための係合部として、先端部18が斜め下方に下がるフック部19が設けられている。この場合、先端部18は、約60度の角度に曲げ加工してあり、後述するロックプレート27の円弧状の爪部28bとかみ合うことになって、ドア10がロックされる。
ドアロックハンドル12の上方には、図3に示すように、押しボタン20用の取付孔21が設けられている。ドアロックハンドル12の押しボタン20は、押しボタン20より大きめの取付孔21に前後動可能に取り付けられている。利用者が押しボタン20を押すことにより、後述するように、フック部19のロックが解除されるようになっている。
【0010】
押しボタン20の裏側の穴部20aには、製品本体17側に延びる押しボタン軸22が、押しボタン20の前後動と連動可能となるように差し込まれている。そのため、図6に示すように、押しボタン20を押すと、押しボタン軸22が製品本体17側に押されることになる。この場合、サポートプレート23の中心を、押しボタン軸22が貫通することにより、押しボタン20及び押しボタン軸22が円滑に移動することができる。
【0011】
押しボタン20の裏面側のドアロックハンドル12の取り付け位置には、サポートプレート23が皿小ネジ24でもって固定されている。この場合、サポートプレート23は、ドアロックハンドル12の補強の役割を果たしている。
前記サポートプレート23と押しボタン20との間に、押しボタン軸22の前側(製品本体17側)への移動を妨げるように付勢するスプリング25が取り付けられている。そのため、押しボタン20を押すのを止めると、スプリング25が押しボタン20を付勢することにより、押しボタン20が後側へ移動して押す前の位置に戻るので、押しボタン軸22が後側へ移動して押す前の位置に戻る。尚、サポートプレート23は、押しボタン20、押しボタン軸22、及びスプリング25等をドアロックハンドル12に収納し動作を確認した状態で、皿小ネジ24でもって締め付けられるので、確実に固定される。
【0012】
押しボタン軸22の先端前側の、前記サポートプレート23の裏面側には、ロックプレート27(後述)を保持するための保持部材としてのナットN1が取り付けられている。そして、押しボタン軸22に対するナットN1の締め具合でもって、サポートプレート23の裏面側に設けられるロックプレート27を保持する空間の大きさL1が調節される。
サポートプレート23の裏面側であって、押しボタン軸22の下方の位置には、図2に示すように、左右の支持部26aが取り付けられ、左右の支持部26aには、ロックプレート27を保持するための左右方向に延びる回転軸26が、取り付けられている。
【0013】
ロックプレート27は、回転軸26を中心に揺動可能に取り付けられた斜め下方に下がる下方部28と、サポートプレート23とナットN1との間で保持される上方部29とを備えている。この場合、上方部29は、サポートプレート23側に折り曲げられて、サポートプレート23に当たるようにしたので、ストッパの役割を果たすことができる。下方部28は、斜め下方に下がる板部28aと、板部28aの下端に取り付けられた円弧状の爪部28bとからなる。
そして、ロックプレート27を支持する回転軸26は、押しボタン20より下方に位置するので、上方部29がサポートプレート23とナットN1との間で保持されなくなると、下方部28は回転軸26を中心に揺動して、自重により斜め下方に下がることになる。一方、上方部29がサポートプレート23とナットN1との間で保持されると、下方部28は回転軸26を中心に揺動して、上方へ上がることになる。そして、上方へ上がる下方部28の円弧状の爪部28bと、フック部19の先端部18とがかみ合うことにより、円弧状の爪部28bとフック部19の先端部18との間のクリアランスを小さくすることができ、ロックプレート27の動きもスムーズになる。
【0014】
そのため、利用者が押しボタン20を押すと、図6に示すように、押しボタン軸22の先端のナットN1が押されることにより空間L1が大きくなって、上方部29はサポートプレート23とナットN1とによって保持されていたのが移動可能になるので、円弧状の爪部28bを備える下方部28は、自重により斜め下方に下がり、円弧状の爪部28bとフック部19の先端部18との係合状態が外れることになる。そして、ドアロックハンドル12を引くと、ドア10を製品本体17より開くことができる。
それに対して、押しボタン20を押すのを止めると、ボタン20が後側へ移動して押す前の位置に戻り、押しボタン軸22が後側へ移動して押す前の位置に戻った状態となり、ナットN1でもって保持されることになるので、円弧状の爪部28bを備える下方部28は、回転軸26を中心に上方へ上がり、円弧状の爪部28bとフック部19の先端部18とは係合状態になる。そのため押しボタン20を押さない限り、ドアロックハンドル12を引いてもドア10は製品本体17より開くことはできない。
【0015】
また、ドア10が製品本体17より開いた状態で、下方部28の円弧状の爪部28bは、フック部19の先端部18から離れた状態にあるが、利用者が押しボタン20を押していないので、下方部28の円弧状の爪部28bは、回転軸26を中心に上方へ上がった状態にある。その後、図4に示すように、ドア10を製品本体17に閉じると、円弧状の爪部28bがフック部19の先端部18に当たって、円弧状の爪部28bがフック部19によって下方に下がった状態になる。そして、下方部28の円弧状の爪部28bは、図5に示すように、回転軸26を中心に上方へ上がった状態になり、爪部28bは、フック部19の先端部18と係合状態になる。そのため押しボタン20を押さない限り、ドアロックハンドル12を引いてもドア10は製品本体17より開くことはできない。
【0016】
以上上述した如く、この実施の形態の発明によれば、ドアロック装置は、ハンドル12の取付孔21に前後動可能に取り付けられた押しボタン20と、押しボタン20に取り付けられた押しボタン軸22と、押しボタン20の裏面側に設けられたサポートプレート23と、サポートプレート23と押しボタン20との間に設けられ、押しボタン軸22の裏面側への移動を妨げるように付勢するスプリング25と、押しボタン軸22の先端に取り付けられ、サポートプレート23の裏面側に位置するナットN1と、サポートプレート23の裏面側であって、押しボタン軸22の下方の位置に左右方向に取り付けられた回転軸26と、回転軸26を中心に揺動可能に取り付けられた斜め下方に下がる下方部28を備えるとともに、サポートプレート23とナットN1との間で保持される上方部29を備えるロックプレート27と、ロックプレート27の前方側に位置し、ロックプレート27の下方部28が上方へ揺動した場合に係合してドア10をロックすることができるフック部19とを備える。
【0017】
それにより、押しボタン20を押すと、押しボタン軸22の先端のナットN1も前側に移動するため、ロックプレート27の上方部29は、サポートプレート23とナットN1とによって保持されていたのが移動可能になって、斜め下方に下がる下方部28は自重でもって下方へ揺動し、ロックプレート27の下方部28の爪部28bがフック部19の先端部18から離脱し、ロックが解除されてドア10を開くことができるのに対して、押しボタン20の押すのを止めると、ロックプレート27の上方部29は、サポートプレート23とナットN1とによって保持され、ロックプレート27の下方部28の爪部28bがフック部19の先端部18が上方へ揺動し、ドア10をロックすることができるので、このドアロック装置は、極めて安価で簡単な構成からなる。
【0018】
また、ドアロックハンドル12内に、押しボタン20、押しボタン軸22、スプリング25を収納して、サポートプレート23で蓋をして、サポートプレート23とナットN1とによってロックプレート27が保持されるので、ドアロックハンドル12、押しボタン20、押しボタン軸22、スプリング25、サポートプレート23、ナットN1等は一体化して簡単な構成となって、ドアロックハンドル12はコンパクトになる。
また、ロックプレート27の回転軸26を押しボタン20より下方に配置し、ロックプレート27の下方部28を、下方から上方に向かって揺動させてフック部19の先端部18に係合させたので、ドアロックハンドル12の中心に近い位置でロックが可能となり、ドアロックハンドル12の中心とロックの位置のずれが少なくなった。
また、板部28aと円弧状の爪部28bとを別部材にすることにより、円弧状の爪部28bを取り替えることができ、ドア10の厚さに対して任意に対応することができる。
【0019】
尚、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
また、本発明の実施の形態は上述した例に限らず、様々な形態に応用が可能である。例えば図7に示すように、ナットN1のゆるみ止め防止部材N2を裏側支持板N3に設けてもよい。また、ロックプレート27の下方部28を、図8に示すように、円弧状の爪部を形成しない折り曲げ部にしてもよい。
【0020】
【発明の効果】
請求項1に係るドアロック装置によれば、押しボタンを押すと、押しボタン軸の先端の保持部材も前側に移動するため、ロックプレートの上方部は、サポートプレートと保持部材とによって保持されていたのが移動可能になって、斜め下方に下がる下方部は自重でもって下方へ揺動し、ロックプレートの下方部が係合部から離脱し、ロックが解除されてドアを開くことができるのに対して、押しボタンの押すのを止めると、弾性部材の付勢力によって押しボタン軸が後側に移動し、保持部材も後側に移動し、ロックプレートの上方部は、サポートプレートと保持部材とによって保持され、ロックプレートの下方部が上方へ揺動し、係合部はロックプレートの下方部と係合して、ドアをロックすることができるので、本発明のドアロック装置は、従来技術の特許文献に比べて、極めて安価で簡単な構成からなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態のドアロック装置の拡大断面図であって、ドアが開いた状態である。
【図2】本実施の形態のドアロック装置のドアロックハンドル上部の裏面図である。
【図3】本実施の形態のドアロック装置のドアロックハンドルの正面図である。
【図4】本実施の形態のドアロック装置の拡大断面図であって、ドアが閉まる直前の状態である。
【図5】本実施の形態のドアロック装置の拡大断面図であって、ドアが閉まった状態である。
【図6】本実施の形態のドアロック装置の拡大断面図であって、押しボタンを押した状態である。
【図7】他の実施の形態のドアロック装置の拡大断面図である。
【図8】他の実施の形態のドアロック装置の拡大断面図である。
【符号の説明】
10・・・ドア、12・・・ドアロックハンドル、17・・・製品本体
18・・・先端部、19・・・フック部
20・・・押しボタン、21・・・取付孔、22・・・押しボタン軸
23・・・サポートプレート、25・・・スプリング、N1・・・ナット
26・・・回転軸、27・・・ロックプレート、28・・・下方部
28b・・・爪部、29・・・上方部

Claims (1)

  1. 押しボタンを押すことにより、ロックが解除されるドアロック装置において、
    ハンドルの取付孔に前後動可能に取り付けられた押しボタンと、
    前記押しボタンに取り付けられた押しボタン軸と、
    前記押しボタンの裏面側に設けられたサポートプレートと、
    前記サポートプレートと前記押しボタンとの間に設けられ、前記押しボタン軸の裏面側への移動を妨げるように付勢する弾性部材と、
    前記押しボタン軸の先端に取り付けられ、前記サポートプレートの裏面側に位置する保持部材と、
    前記サポートプレートの裏面側であって、前記押しボタン軸の下方の位置に取り付けられた回転軸と、
    前記回転軸を中心に揺動可能に取り付けられた斜め下方に下がる下方部を備えるとともに、前記サポートプレートと前記保持部材との間で保持される上方部を備えるロックプレートと、
    前記下方部の先端に形成され、前記回転軸側に係合面を形成した爪部と、
    前記ロックプレートの対面に配置され、先端部が前記ロックプレート方向に斜め下方に所定角度で傾斜したフック部と、を有し、
    前記爪部の係合面と前記フック部の先端部とを当接させる位置まで前記下方部を前記回転軸を中心に回動させることにより、前記爪部と前記先端部を係合させ、ドアをロックすることを特徴とするドアロック装置。
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