JP4227926B2 - 水路内周面の更生工法 - Google Patents

水路内周面の更生工法 Download PDF

Info

Publication number
JP4227926B2
JP4227926B2 JP2004107571A JP2004107571A JP4227926B2 JP 4227926 B2 JP4227926 B2 JP 4227926B2 JP 2004107571 A JP2004107571 A JP 2004107571A JP 2004107571 A JP2004107571 A JP 2004107571A JP 4227926 B2 JP4227926 B2 JP 4227926B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lining plate
water channel
inner peripheral
peripheral surface
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004107571A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005290847A (ja
Inventor
裕英 中川
隆善 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2004107571A priority Critical patent/JP4227926B2/ja
Publication of JP2005290847A publication Critical patent/JP2005290847A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4227926B2 publication Critical patent/JP4227926B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Sewage (AREA)

Description

本発明は、老朽化した水路内周面の更生工法に関する。
コンクリートで形成された上方に開放された水路いわゆる三面水路等は、気候や長期の使用により老朽化し、浸食やひび割れで漏水が生じることが多く、補修が必要となる。
水路内周面の改修や補修の方法としては、水路内周面の不良部分を除去し、その除去部分に新たなコンクリートを打ち直すという、いわゆるコンクリート打ち替え工法が一般的である。しかし、この工法は、既設コンクリートの不良部分を削り、搬出、新コンクリートの打ち込みといった作業があって、工事期間が長くなるという問題があった。
また、水路内周面に固定部材をアンカーボルトで固定し、この固定部材にFRPライニング板(繊維補強合成樹脂板)を貼設し、水路内周面とFRPライニング板との間隙に、流動性を有する未硬化のセメント等を打設する工法も行われている。この工法では、セメント等を水路開口部の間隙より注入して水路底面の間隙にまで至るようにするには、高い注入圧を必要とするが、注入圧が高いとFRPライニング板および固定部材もその注入圧に耐える強度が必要となり、固定部材の数量も多く必要となり、補修費用が高くつく。また、注入圧を低くするためには間隙を広くすればよいが、間隙を広くすると水路の断面積が小さくなり、流水量確保の点から好ましくない。
そこで、これらの課題を解消するべく、断面凹状の老朽化した既設水路内周面にスペーサを介在してライニング板を貼設し、そのライニング板と既設水路内周面との間に前記内周面とライニング板とを一体化する充填材を打設して水路内周面のライニングを行う工法であって、上記既設水路内周面の底面に上記スペーサを埋設して上記充填材を打設し、その後、その底面充填材層に上記ライニング板を敷設するか、もしくは上記既設水路の底面に上記スペーサを介在してライニング板を貼設し、そのライニング板と既設水路底面との間に充填材を打設し、その後、既設水路内周面の両側面にスペーサを介在してライニング板を貼設し、その両側ライニング板と既設水路内側面との間に充填材を打設することを特徴とする水路内周面のライニング工法、即ち、底面のライニングを行った後で両側面のライニングを行うようにして充填材の注入圧を高くしなくても注入可能とした工法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、既設水路の内周面に表裏面に凹凸が設けられて水路が形成された漏水防止シートを介在してライニング板(FRPライニング板)を直接にアンカー止めしたことを特徴とする水路内周面のライニング構造が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2002−294665号公報(特許請求の範囲、図1、4参照)。 特開2002−266337号公報(特許請求の範囲、図1、2参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の水路内周面のライニング工法においては、ライニング材と既設水路内周面との間に充填材を打設するための隙間を設ける必要があり、このためのスペーサーがライニング材の裏面に固定される。この固定方法は、ライニング材裏面に配置されたスペーサーに、ライニング材の表面から、ライニング材に開けられた貫通孔を通して頭が皿形状とされたボルトを挿通してこれに螺結して固定されている。この場合、ライニング材の貫通孔は、ボルト頭側を面取りしてあるので、ボルト頭はライニング材面上に突出しないが、ボルトのねじ山を伝って水が既設水路側に浸入するという問題点がある。
また、特許文献2記載の水路内周面のライニング構造においては、既設水路内周面に設けられたアンカーボルトが、ライニング材及び/又は漏水防止シートを貫通して突出し、突出したボルトの先端部にナットが螺結されて、ライニング材を水路内周面に固定している。従って、この固定ボルトの頭は、水流の抵抗になるばかりでなく、ボルト山を伝って水がシート材側に浸入するという問題点がある。
更に、上記何れの文献においても、予めライニング材を固定するためのアンカーボルトを既設水路内周面に設けておかねばならず、しかもライニング材には、確実にアンカーボルトを挿通するためにアンカーボルト位置に対応した正確な位置に貫通孔等を設けるか、若干貫通孔を大きく開けておかねばならず、上記水漏れ等の問題点が発生し易いものである上、工事の手間が掛かるものであった。
加えて、ライニング材が、ガラス繊維等の補強繊維で強化された繊維強化合成樹脂の場合では、成形時に製品表面にゲルコート又はトップコートが掛かっていたとしても、長期に渡って屋外で使用された場合、紫外線を受けて劣化したり風等により吹かれた砂等が衝突してサンディングされたりし、ガラス繊維等が露出して見苦しくかつ露出したガラス繊維の先端が損壊して飛散するという問題点がある。
このために、紫外線防止や表面保護の為の保護層等が設けられることがあるが、保護層自体が経時劣化すると外観が変化して、劣化したことが目で見て直ちに分かり、外観が悪くなると同時に、更生水路の耐久性が悪くなった印象を見る人に与えて、不安にさせてしまうという問題点がある。
本発明は、更生後の内周面が平滑でかつ水漏れがなく、工事手間がかからず、経時的に劣化しても外観の変化が少ない水路内周面の更生工法を提供することを目的とする。
請求項1記載の水路内周面の更生工法(発明1)は、繊維強化合成樹脂板からなるライニング板と老朽化した水路内周面との間に裏込め材を充填する老朽化した水路の更生工法であって、水路内周面に貼設されるライニング板に、頂上が平らな円錐形の突起部が水路内周面側に突出して設けられ、その中央に穿孔機で貫通孔が開けられて水路内周面にホールインアンカー穴が開けられ、該貫通孔に止水リングを介してアンカーボルトが挿通されてホールインアンカー穴に螺結され、ライニング板と水路内周面との間に突起部の突出高さだけの隙間を有するようにライニング板が水路内周面に固定され、上記隙間に未硬化の液状モルタルを充填してこれを硬化させ、次いで、上記突起部を流水面側から見た時の凹部に充填性接着剤を充填し、その上に蓋体を接着固定して蓋表面をライニング材表面と略面一とすることを特徴とする。
請求項2記載の発明(発明2)は、ライニング板が、該水路の長さ方向に沿って少なくとも二部材以上に分割され、分割されたライニング板の併設部が水平方向となるように併設して水路内周面を覆い、水路内周面の側面位置で、下方に配置されるライニング板の上端辺が上方に配置されるライニング板の下端辺の水路内周面側になるように、分割されたライニング板同士が重ね合わされることを特徴とする発明1の水路内周面の更生工法である。
請求項3記載の発明(発明3)は、ライニング板が、該水路の長さ方向に沿って少なくとも二部材以上に分割され、分割されたライニング板併設部が水平方向となるように併設して水路内周面を覆い、水路内周面の底面位置で、隣り合う一方のライニング板の端辺と他方のライニング板の端辺とが重ね合わされ、重ね合わせ部に帯状の止水パッキンが設けられることを特徴とする発明1又は発明2の水路内周面の更生工法である。
請求項4記載の発明(発明4)は、ライニング板の流水面が珪砂又は目開き0.2mm〜1.2mmの篩を通過する小石を混合した合成樹脂で被覆されていることを特徴とする発明1から発明3のいずれか一項に記載の水路内周面の更生工法である。
発明1は、FRPライニング板と老朽化した水路内周面との間に裏込め材を充填する水路の更生工法である。本発明では、老朽化した既設水路の内周面にFRPライニング板が貼設されるが、そのFRPライニング板に、頂上が平らな円錐形の突起部が水路内周面側に突出して設けられてその中央に貫通孔が設けられている。
突起部の突出高さは、FRPライニング板と老朽化した水路内周面との間に裏打ち剤を充填する隙間を構成する高さとされる。突起頂上部の平らな部分の大きさは、FRPライニング板を固定する(固定方法は、後述する。)ために用いられるボルト又はナットを締めるための工具(ソケット)が入る大きさとされれば良く、通常は直径約20mm〜30mm程度とされることが多い。又、突起の形状は、FRPライニング板製造時の脱型を容易にするために、円錐形状とされると良い。
突起部の頂上には、施工時に貫通孔が開けられ、止水リングを介してアンカーボルトが挿通され、水路内周面にホールインアンカー穴を設けて螺結される。なお、アンカーボルトを水路内周面に設けて、アンカーナットを締め込むようにしても良い。FRPライニング板は、FRPライニング板と水路内周面との間に突起部の突出高さだけの隙間を有するように水路内周面に固定される。
例えば、アンカーボルトでFRPライニング板を固定する方法は、まず、FRPライニング板を、既設水路の内周面に沿って組み立てて仮更生水路を仮配置し、FRPライニング板の突起部の平らな頂上から、ホールソー等でFRPライニング板を貫通して既設水路内周面に穴を開けてその穴にホールインアンカーを打ち込む。次いで、ボルトに座金と止水パッキンを装着し、ホールインアンカーに螺結してFRPライニング板を固定して、仮更生水路の配置を固定する。
仮更生水路が配置されたら、突起によりできた、FRPライニング板と既設水路の内周面との隙間に、未硬化の液状モルタル等を充填してこれを硬化させる。
次に、ボルトに座金と止水パッキンを装着し、ホールインアンカーに螺結してFRPライニング板を固定した後、ボルト頭が入っている凹部に充填性接着剤を充填し、その上に蓋体を接着固定して蓋表面をライニング材表面と略面一とする。
充填性接着剤は、ボルトの弛み防止を兼ねて凹部に充填される。従って、フィラー入り水硬化性エポキシ系樹脂、ウレタン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤等、充填性接着剤やコーキング剤等が好適に用いられる。
蓋体はその表面を水が流下する。従って、耐水性と耐摩耗性に優れた材料であることが好ましく、同時に上記充填性接着剤と確実に接着されるものであることが必要である。このような樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂等の合成樹脂類;これらを繊維補強した繊維強化合成樹脂類;ステンレススチール、防食鉄、防食アルミニウム、真鍮等の金属類が挙げられる
蓋体は、上部に厚さが薄い鍔が張り出し、下方がすぼまった円錐台形状とされ、充填性接着剤が満たされた凹部に、空気が残らないように被せられ、凹部を完全に覆う。蓋の表面はFRPライニング板面より若干上方に盛り上がるが、鍔の厚さが薄いので略面一となり水の流れを阻害しない。なお、蓋の色は、FRPライニング板の表面色と同色とされると、見かけが良い。
このように、本発明においては、FRPライニング板で貫通孔が設けられる個所は、接着剤で充填されて該当個所と他の内周面との凹凸が少なくなるように矯正され、更に蓋が設けられるので確実に防水される。
発明2又は発明3においては、FRPライニング板が、該水路の長さ方向に沿って少なくとも二部材以上に分割されている。分割されたFRPライニング部材は、平板状又は浅いU字形状又はL字形状となる。従って、断面U字形状の型物FRPライニング板の更生水路と比較して運搬しやすく、かつ一度に多くの部材を運搬できるので、作業効率が良くなる。また、三面水路の様々な形状、大きさへの対応力が良く、更に共通部材化することで、安価にすることができる。
発明2では、分割されたFRPライニング板は、並設部が水平方向となるように上下に並設して水路内周面を覆うように配置される。並設部が水路内周面の側面位置である場合は、下方に配置されるFRPライニング板の上端辺が上方に配置されるFRPライニング板の下端辺の水路内周面側になるように、分割されたFRPライニング板同士を重ね合わせる。
重ね合わせ部には帯状止水材が挿入されて挟み込まれると良く、更に重ね合わせ部が解けないように、平頭のボルトを貫通させて止水リングを介してナットで固定されたり、リベット等で固定されたり、水中硬化型接着剤等で接着固定されても良い。帯状止水材は一般的な止水用ゴムシートや発泡樹脂製パッキン、水膨張性合成樹脂、充填性弾性接着剤等が用いられればよく、水中硬化形接着剤は、例えばフィラー入り水硬化性エポキシ系樹脂等が用いられればよい。なお、重ね合わせたFRPライニング板の辺部を係止しても良い。
発明3では、併設部が水路内周面の底面位置で連接される。隣り合う一方のライニング板の端辺と他方のライニング板の端辺とが重ね合わされ、重ね合わせ部に帯状の止水パッキンが設けられてライニング板の互いの辺部先端が重ね合わされている。
なお、発明2又は発明3においては、何れも、既設水路の底面と側面の角部近傍で分割されたFRPライニング板を連接しないようにする。また、何れの発明においても、重ね合わせ部が解けないように、平頭のボルトを貫通させて止水リングを介してナットで固定されたり、リベット等で固定されたり、水中硬化型接着剤等で接着固定されても良い。
発明4においては、ライニング板の流水面が珪砂又は目開き0.2mm〜1.2mmの篩を通過する小石を混合した合成樹脂で被覆されている。この合成樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂等の一般的な二液混合硬化型合成樹脂が好適に適用される。
これら樹脂の原料液には、上記珪砂等の他に、硬化剤や着色剤、反応速度調節剤等が混合され、混合液をライニング板に塗布してこれを硬化させ、固着させる。珪砂等の含有量は、樹脂原料混合液の総重量の20重量%〜87重量%とされ、好ましくは40重量%から60重量%である。20重量%より少なければ珪砂の量が少なすぎて耐摩耗性が向上せず、87重量%より多ければ珪砂等の砂粒の隙間に樹脂が回りきらず、硬すぎて面への塗膜性が不均一となる。
FRPライニング板の表面に塗膜を被覆する方法は、先ずFRPライニング板の表面を紙ヤスリやグラインダー等で粗面化し、有機溶剤等で拭って表面に浮いている内部離型剤や成形離型剤、或いは研磨残留粉等を除去する。ここに上記珪砂等を混合した樹脂原料混合液を塗布し所定の条件で硬化させる。又は、珪砂等以外を混合した原料液を塗布し、この上から所定量の珪砂等を散布して硬化させる。珪砂等は自重で樹脂原料混合液中に沈降する。又は、通常のFRP板の製造方法と同じく、FRP成形用型板にゲルコート層として砂入樹脂を吹き付け、その層がゲル化しはじめた頃にFRPの積層を行う方法であって良い。
従って、ライニング板の外観が石目調となると共に、混合されている珪砂等により耐摩耗性が向上する。更に、塗膜の厚さが1mm以上とされている事が好ましい。1mm以上であれば、珪砂の混合量によっても変わるが、最小の混合量であっても珪砂の頭が僅かに塗膜表面に突出する程度となり、経時的紫外線劣化や流水に含まれる土砂等によって、ライニング板の流水面が劣化又は損傷されて表面が削れても、石目調の外観が変化せず、自然な風合いが保たれる。従って、この工法で更生された水路は、長期に渡って使用した後でも劣化した様子が見え難く、見かけが良いので安心感がある。
発明1の水路内周面の更生工法においては、FRPライニング板自体の一部に円錐台形状の突起部が設けられ、突起高さによってFRPライニング板と既設水路の内周面との間に隙間が設けられるので、スペーサー使わずに液状モルタル等で裏打ちできる。そして、FRPライニング材に開けられたボルト穴を接着剤で充填し、更に蓋を設けるので確実に止水が出来る。
又、仮更生水路を既設水路中に仮配置してから、突起部の反対側からFRPライニング板固定用のアンカー穴を開けボルトで止めるので、従来の様な予め設けられたアンカー位置に合わせてライニング板を配置する必要がなく、位置あわせの必要がない。
発明2又は3においては、FRPライニング部材が分割されているので部材の運搬が容易で、かつ一度に大量に運搬できる。
発明4においては、ライニング板の流水面が珪砂又は目開き0.2mm〜1.2mmの篩を通過する小石を混合した合成樹脂で被覆されるので、更生後の水路内周面が経時的に劣化しても外観の変化が少なく見栄えが良い。
次に、図面を参照して本発明を説明する。図1は本発明の更生工法にて用いられるFRPライニング板の一例の断面図である。図2は発明1発明4の水路内周面の更生工法を適用して更生された水路の一例の斜視図である。図3は図2の突起部を含む断面図である。図4は図2のアンカー部の拡大断面図である。
FRPライニング板1は、厚さ2mmのガラス繊維強化ポリエステル樹脂であり、その一方の面の表面を、アセトンを含ませた布で拭いて清浄にし、1号珪砂21を全重量中の60重量%混合したウレタン樹脂原料の混合液22を、乾燥後平均厚さ2mmとなるように塗布して硬化して珪砂入り塗膜2を設けたものである。他方の面はグラインダーで粗面化し、アセトンで拭いて研削粉を除くと共に表面を清浄化させてある。
珪砂入り塗膜2を設けられた面は石目調の外観となり、更生後の水路の内周面となる。珪砂が混合されており、かつ該塗膜2の厚さが厚いので、仮に塗膜2が紫外線で劣化したり、水中の土砂等で塗膜2の表面が損耗しても、石目調の外観が長く損なわれない。
発明1から発明4の水路内周面の更生工法では、図2に示されるように、FRPライニング板1を老朽化した既設水路の内周面3に貼設し、FRPライニング板1と老朽化した水路内周面3との間に裏込め材4が充填される。貼設されるFRPライニング板1には、頂上51が平らな円錐形の突起部5が水路内周面3側に突出して設けられてその中央に貫通孔52が設けられている。
突起部5の突出高さは、FRPライニング板1と老朽化した既設水路3の内周面との間に裏打ち剤4を充填する隙間を構成する高さとされ、通常は20mmから30mm程度とされる。但し、この高さは、老朽化した既設水路3の内側寸法や勾配などを考慮して適宜変更されるものであるので、これに限ったものではない。
突起頂上部51の平らな部分の直径は、FRPライニング板1を固定する(固定方法は、後述する。)固定ボルト6又はナットを締めるためのソケット等の工具(図示せず。)が入る大きさとされれば良く、通常は直径約20mm〜30mm程度とされることが多い。又、突起部5の形状は、FRPライニング板1の製造時の脱型を容易にするために、円錐形状とされると良い。
FRPライニング板1は、FRPライニング板1を既設水路3の内周面に沿って組み立て、仮更生水路として所定の位置に仮配置し、FRPライニング板1の突起部5の平らな頂上51の内側から、ホールソー(図示せず。)等でFRPライニング板1を貫通して既設水路3の内周面に穴53を開けてその穴53にホールインアンカー62を打ち込む。次いで、ボルト61に座金611と止水パッキン612を装着し、ホールインアンカー52に螺結してFRPライニング板1を固定して、仮更生水路の配置を固定する。
仮更生水路が固定されたら、FRPライニング板1と既設水路3の内周面との隙間に未硬化の液状モルタル4を充填し、これが硬化したら更生工事が完了する。液状モルタル4は、送りホースの先端を該隙間の仮更生水路の中央部近傍において、圧送ポンプにより液状モルタルを圧送する通常の方法で充填されれば良い。
突起部5の更生後の水路側は凹部5となっている。固定ボルト6の頭は座金611、止水リング612と共にこの凹部5内でホールインアンカー62に螺結されている。この凹部5には、充填性接着剤7(本例では尿素樹脂系接着剤)がFRPライニング板1と同じ高さになるまで充填され、防水と共に固定ボルト61の弛み防止がなされる。なお、この充填性接着剤7は、FRPライニング板1の表面と同色に着色されていると、見かけが良い。
凹部5は、充填性接着剤7が充填された上に、更に蓋体8が設けられても良い。蓋体8は、上部に厚さが薄い鍔81が張り出し下方がすぼまった円錐台形状のFRP製であり、充填性接着剤7が満たされた凹部5に、空気が残らないように被せられ、凹部5を完全に覆う。蓋体8の表面はFRPライニング板1の面より若干上方に盛り上がるが、鍔81の厚さが薄いので略面一となり水の流れを阻害しない。
蓋体8は必ずしも全ての凹部5に設けられる必要はない。例えば、通常時には既設水路3を流れる水が接することがない水路側面の最上方の固定個所の凹部5等においては、状況に応じて適宜設けられなくても良い。なお、蓋体8の色は、FRPライニング板1の表面色と同色とされると見かけが良い。
FRPライニング板1は、既設水路3の長さ方向に沿って少なくとも二部材以上に分割されていても良い。分割されたライニング板11、12、・・は、併設部が水平方向となるように併設して組み立てられ、更生水路として老朽化した既設水路3の内周面を覆う。
ホールインアンカーによる固定は、入隅には施工し難いため、FRPライニング板1の併設部は、既設水路3の内周面の側面又は底面とされることが好ましい。従って、併設個所が底面に一個所であれば2分割、両側面の各1個所づつであれば3分割、底面に一個所と両側面に各一個所であれば四分割に分割されることになる。この時、どのような分割であっても、FRPライニング板1の、既設水路3の底面と側面との角となる個所は、水路の角に沿って曲げられた形状となる。従って、突起部5は、この角部でFRPライニング板1を既設水路3の内周面に固定しないように、角部を外して設けられなければならない。
併設部が既設水路3の内周面の側面位置となる場合は、水路の下方に配置されるFRPライニング板11の上端辺が、上方に配置されるFRPライニング板12の下端辺の既設水路3の内周面側になるように、分割されたFRPライニング板11、12同士が重ね合わされる。重ね合わせ部9には、帯状止水パッキン92が挟み込まれて重ね合わされても良く、必要があればリベット91等で重ね合わせ部9が解けないように固定されても良い。
併設部が既設水路3の内周面の底面位置である場合は、隣り合う一方のFRPライニング板11の端辺と他方のFRPライニング板13の端辺とを重ね合わせ、重ね合わせ部9に帯状の止水パッキン92が設けられている。FRPライニング板13、14の重ね合わせ部9は、重ね合わせが解けないように平頭のリベット91等で固定される。
更に、FRPライニング板1の流水面が珪砂等を混合した合成樹脂で被覆されていれば、長期間経過後にも、劣化が目立たない水路の更生工法となる。
本発明の活用例として、三面水路の構成が可能であれば、断面形状が四角形(矩形)であっても構成できる。これによって貯水槽を初めとする漏水が問題となる場合にも充分対応できる。更に円形、矩形、馬蹄形の管渠やマンホールの構成も可能となる。
本発明の更生工法にて用いられるFRPライニング板の一例の断面図である。 発明1発明4の水路内周面の更生工法を適用して更生された水路の一例の斜視図である。 図2の突起部を含む断面図である。 図2のアンカー部の拡大断面図である。
符号の説明
1 FRPライニング板
11、12、13、・・ 分割されたFRPライニング板
2 珪砂入り塗膜
21 珪砂
22 ウレタン樹脂原料の混合液
既設水路
4 裏込め材(未硬化の液状モルタル)
5 突起部、または反対面から見た場合の凹部
51 突起部頂上
52 貫通孔
61 固定ボルト
611 座金
612 止水パッキン
62 ホールインアンカー
7 充填性接着剤
8 蓋体
9 重ね合わせ部
91 リベット
92 帯状止水パッキン

Claims (4)

  1. 繊維強化合成樹脂板からなるライニング板と老朽化した水路内周面との間に裏込め材を充填する老朽化した水路の更生工法であって、水路内周面に貼設されるライニング板に、頂上が平らな円錐形の突起部が水路内周面側に突出して設けられ、その中央に穿孔機で貫通孔が開けられて水路内周面にホールインアンカー穴が開けられ、該貫通孔に止水リングを介してアンカーボルトが挿通されてホールインアンカー穴に螺結され、ライニング板と水路内周面との間に突起部の突出高さだけの隙間を有するようにライニング板が水路内周面に固定され、上記隙間に未硬化の液状モルタルを充填してこれを硬化させ、次いで、上記突起部を流水面側から見た時の凹部に充填性接着剤を充填し、その上に蓋体を接着固定して蓋表面をライニング材表面と略面一とすることを特徴とする水路内周面の更生工法。
  2. ライニング板が、該水路の長さ方向に沿って少なくとも二部材以上に分割され、分割されたライニング板の併設部が水平方向となるように併設して水路内周面を覆い、水路内周面の側面位置で、下方に配置されるライニング板の上端辺が上方に配置されるライニング板の下端辺の水路内周面側になるように、分割されたライニング板同士が重ね合わされることを特徴とする請求項1に記載の水路内周面の更生工法。
  3. ライニング板が、該水路の長さ方向に沿って少なくとも二部材以上に分割され、分割されたライニング板併設部が水平方向となるように併設して水路内周面を覆い、水路内周面の底面位置で、隣り合う一方のライニング板の端辺と他方のライニング板の端辺とが重ね合わされ、重ね合わせ部に帯状の止水パッキンが設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水路内周面の更生工法。
  4. ライニング板の流水面が珪砂又は目開き0.2mm〜1.2mmの篩を通過する小石を混合した合成樹脂で被覆されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の水路内周面の更生工法。
JP2004107571A 2004-03-31 2004-03-31 水路内周面の更生工法 Expired - Fee Related JP4227926B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004107571A JP4227926B2 (ja) 2004-03-31 2004-03-31 水路内周面の更生工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004107571A JP4227926B2 (ja) 2004-03-31 2004-03-31 水路内周面の更生工法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005290847A JP2005290847A (ja) 2005-10-20
JP4227926B2 true JP4227926B2 (ja) 2009-02-18

Family

ID=35324093

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004107571A Expired - Fee Related JP4227926B2 (ja) 2004-03-31 2004-03-31 水路内周面の更生工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4227926B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008095896A (ja) * 2006-10-13 2008-04-24 Kurimoto Kasei Kogyo Kk アンカー
JP5106835B2 (ja) * 2006-11-21 2012-12-26 ジオスター株式会社 水路の補修方法および水路の補修用パネル
JP4823082B2 (ja) * 2007-01-24 2011-11-24 クボタシーアイ株式会社 更生パネル、それを用いた更生方法、および更生された構造物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005290847A (ja) 2005-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6039503A (en) Expansion joint system
US5190395A (en) Expansion joint method and system
CN207527149U (zh) 一种地下结构预埋穿墙管防水装置
JP4299715B2 (ja) 人孔内周面の更生工法
JP6592297B2 (ja) スラブ式軌道の補修構造およびスラブ式軌道の補修構造に用いられる粘着シート、ならびにスラブ式軌道の補修方法
JP4227926B2 (ja) 水路内周面の更生工法
JP3228524U (ja) 防食鋼管柱
KR100377269B1 (ko) 투명(透明) 레진 패널을 이용한 콘크리트 구조물의 보수.보강공
JP4582585B2 (ja) 目地部材用止め金具
JP2015016898A (ja) 屋外タンク設備の防水構造
KR101303659B1 (ko) 수로교의 개거 보수공법
JPH0827822A (ja) マンホール補修方法及びマンホール補修材
CN212175527U (zh) 一种伸缩缝修补结构
JP4978171B2 (ja) 新規誘発目地構造
JP5878316B2 (ja) 鋼橋の部分複合構造および部分複合構造化工法
JP4844863B2 (ja) 水路の更生構造およびその施工方法
JP4759683B1 (ja) 既設コンクリート製u字溝を補強又は再活用する方法及びその方法に用いる構造体
JPH0154487B2 (ja)
JP2011032737A (ja) 目地補修構造および目地補修方法
KR200333765Y1 (ko) 구조물 틈새 이음 구조
KR102028867B1 (ko) 누수방지가 가능한 지상 및 지중 매설용 시설물 보호구조와 보호커버의 부착방법
JP3908416B2 (ja) 高水圧対応暗渠の継手
JP2003245912A (ja) 土木構造物用耐摩耗プレキャストコンクリート部材
JP3920709B2 (ja) トンネル覆工セグメント、及びトンネル覆工方法
CN219240182U (zh) 一种沥青路面裂缝贴

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080725

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080806

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081006

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081105

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081201

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111205

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4227926

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111205

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111205

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121205

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121205

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131205

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees