JP4227709B2 - リンク機構のレバー構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空気調和ユニットのダンパ操作系等に適用されるリンク機構のレバー構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は車両用空気調和ユニットにおける内外気導入部の概要を示す斜視図であって、10はケーシング、11は外気導入口、12及び12aは内気導入口、13及び13aは2分割された板状の内外気切換ダンパ、14は従動レバー、15は駆動レバー、16はアクチュエータ連結部、17は連結ロッドをそれぞれ示している。
【0003】
この場合、従動レバー14は、内外気切換ダンパ13と同軸の支点14aを中心に回動可能に支持されている。一方、駆動レバー15は、アクチュエータ連結部16と一体に回転駆動するようになっている。そして、従動レバー14と駆動レバー15との間は、従動レバー14側に設けたガイド溝18に対して駆動レバー15側のピン部19が摺動可能に支持された状態で連結されている。
なお、従動レバー14のガイド溝18は樹脂製であり、また、駆動レバー15のピン部19は金属製である。
【0004】
このようなリンク機構としてあるので、アクチュエータ連結部16と一体に駆動レバー15が回転駆動されると、ピン部19がガイド溝18に沿って摺動しながら従動レバー14を回転させ、内気導入口12を閉じる外気導入位置(図示の状態)と、外気導入口11を閉じる内気導入位置との間を揺動して、内外気の導入モードを切り換えることができる。
なお、図示の例では、内外気切換ダンパ13,13aが2分割された観音開きの構造となっているため、もう一方の内外気切換ダンパ13aは、従動レバー14の端部(支点14aを挟んでガイド溝18の反対側)と連結ロッド17を介して連結されることによって、内外気ダンパ13とリンクして開閉作動する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の従動レバー14のガイド溝18と駆動レバー15のピン部19との間において、図5に示すように、ガイド溝18の幅寸法D1をピン部19の外形寸法D2より大きめに、すなわちD1>D2となるように設定するのが一般的である。これは、樹脂製のガイド溝18に沿って金属製のピン部19がスムーズに摺動できるようにしたためであり、この結果ガイド溝18とピン部19との間には隙間が生じることになる。この隙間が大きすぎるとガタが発生し、走行振動などによって生じる干渉音がノイズの原因となるため、フィーリングが悪化するなど商品性に問題がある。
また、上述した隙間が小さいと、摺動時の摩擦抵抗が大きくなって操作性に問題が生じる。そして、最悪の場合には、成形条件によってはガイド溝18にピン部19を組み込むことができなくなることも考えられる。
このことは、従動レバー14のガイド溝18が樹脂成形部品であるため、成形できる寸法精度がそれほど高くないことに起因しており、従って、樹脂製のレバーにおいて、ガタがなくスムーズな摺動を低コストで可能にするのは困難なことである。
【0006】
このような問題に対応する従来技術としては、図6に示すように、ピン部として先端部が2分割された割ピン20を採用したものもあるが、溝21の存在により割ピン20の拘束力が一方向に限られたり、あるいは、剛性及び強度の確保が困難であるなどの問題を有している。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、作動時においてガタのないスムーズな摺動が可能になるリンク機構のレバー構造を低コストで提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため以下の手段を採用した。
請求項1に記載のリンク機構のレバー構造は、係合するリンク部材のピン部を摺動可能に支持する樹脂製のガイド溝が設けられたリンク機構のレバー構造であって、前記ガイド溝の周囲に補助溝を形成して両溝間に可撓性部材よりなる壁面部を設け、前記壁面部の幅を負荷の大きい折曲部近傍で広げるとともに、前記壁面部が前記ピン部により弾性変形するように構成したことを特徴とするものである。
【0009】
この場合、前記補助溝を前記ガイド溝の片側に形成してもよいし、あるいは、前記補助溝を前記ガイド溝の両側に形成してもよい。
そして、前記壁面部の幅は、負荷が大きくなる折曲部近傍で広げるとよい。
なお、好適な可撓性部材としては、ポリアセタール(POM)やポリプロピレン(PP)などの樹脂がある。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るリンク機構のレバー構造の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
第1の実施形態を示す図1において、符号の1は従動レバー、2はガイド溝、3は補助溝、4は壁面部、5は駆動レバー、6はピン部であり、従来技術で説明したように、ピン部6がガイド溝2に挿入されて摺動可能に支持されている。
【0011】
本発明によるレバー構造の具体例である従動レバー1は、中央部にガイド溝2が設けられ、かつ、その周囲に補助溝3,3を設けることにより、ガイド溝2と補助溝3との間に壁面部4が形成されてなる樹脂の成形部品である。図示の例では、ガイド溝2の両側にそれぞれ補助溝3を設けてあり、結果として、2本の壁面部4が形成されている。
【0012】
この従動レバー1は、ポリアセタール(POM)やポリプロピレン(PP)のような可撓性を有する樹脂を一体的に成形したものである。ここで、ガイド溝2の幅d1はピン部6の外径d2より若干小さくなるように、すなわちd1<d2となるように設定してある。また、補助溝3,3は、ガイド溝2の摺動方向両端部を除く全周囲に設けられており、摺動方向両端部では2本の壁面部4,4が合流して一本の連結部4a,4aになる。なお、補助溝3,3の幅は、可撓性を有する壁面部4,4がある程度自由に移動できるものであればよく、従ってそれほど大きな幅は不要である。
【0013】
このように、ガイド溝2の両側に補助溝3,3を設けると、可撓性を有する壁面部4,4の弾性変形が可能になる。このため、ピン部6の外径より狭いガイド溝2を形成している両側の壁面部4,4には、ピン部6に対する溝幅方向の適度な保持力が生じる。この保持力を受けることにより、ピン部6がガイド溝2の内部でがたつくことはなくなるので、ピン部6と従動レバー1との干渉によるノイズの発生を防止することができる。また、ピン部6を摺動させる際には、壁面部4,4がその可撓性により弾性変形して広がるので、剛性のある金属間とは異なり、スムーズな摺動が妨げられることはない。すなわち、ピン部6は常に適度な保持力を受けた状態で摺動するので、がたつきのないスムーズな摺動が可能になるのである。
【0014】
そして、壁面部4,4の保持力とスムーズな摺動との関係は、ガイド溝2の幅d1、ピン部6の外径d2、使用する樹脂の特性及び壁面部4の幅などにより変化するものであるから、耐久性などの要因も考慮してそれぞれの実施形態毎に最適の値を試験等により選定する必要がある。この時、壁面部4の幅を調整して保持力を最適化するとよい。
なお、前述したように樹脂成形品の寸法精度はそれほど高くないが、この寸法精度が大きく影響する可撓性のない従来のガイド溝とは異なり、本発明のレバー構造は、溝幅以外の要素も含めてがたつきのないスムーズ摺動を可能にするものであるから、一般的な樹脂成形の寸法精度で十分対応することができ、特別なコストアップを伴うようなことはない。
【0015】
図2に示した第2の実施形態では、ガイド溝2の片側にのみ補助溝3を設けてある。このようにしても、可撓性を有する1本の壁面部4が弾性変形してピン部6の保持力を発生するので、がたつきのないスムーズな摺動が可能になる。
このように補助溝3及び壁面部4が共に1本しかない構成は、レバーの幅が狭い場合に有効である。
【0016】
図3に示した第3の実施形態では、従動レバー1が略L字状に折曲された形状のものに適用してある。
この場合、ガイド溝2及びその両側に設けられた補助溝3,3も略L字状に曲がっているので、ピン部6がこの折曲部を通過するときには急激な方向転換を伴う。このため、折曲部近傍の壁面部4に対して、直線部を摺動する場合と比較して大きな負荷が作用するので、弾性変形量が大きくなりすぎて安定した摺動ができなくなることも考えられる。
【0017】
そこで、大きな負荷が作用すると考えられる折曲部近傍においては、壁面部4の幅を広げて直線部よりも適度に剛性を高めてある。このようにすれば、折曲部近傍を通過する際もピン部6が安定した状態に保持され、がたつくことなくスムーズに摺動できる。
【0018】
以上説明したような本発明によるリンク機構のレバー構造を、たとえば図4に示した車両用空気調和ユニットのダンパ操作に採用すれば、ガイド溝とピン部との間に隙間がないため、走行振動等でがたつきによる干渉音(ノイズ)が発生するのを防止でき、フィーリングを向上させることができ、また、適度な保持力を受けた状態でスムーズに摺動するので、良好な操作性を得ることができる。
なお、本発明によるリンク機構のレバー構造は、図4に示した内外気切換ダンパ13,13aの他にも、エアミックスダンパ及び各吹出口のダンパなどにも適用可能である。
【0019】
以上の説明では、本発明のレバー構造を従動レバーに適用して説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、駆動側を含むリンク機構のレバー部材への適用が可能であることはいうまでもない。また、車両用空気調和ユニットのダンパ操作系以外のリンク機構においても、適用可能なことはもちろんである。
【0020】
【発明の効果】
本発明によるリンク機構のレバー構造によれば、以下の効果を奏する。
(1) ガイド溝の周囲に補助溝を形成して設けられた壁面部が弾性変形してピン部を保持するので、ピン部との間の隙間をなくすことができる。このため、振動等によるがたつき音(ノイズ)の発生を防止でき、しかもピン部が適度な保持力を受けてスムーズに摺動することができるので、フィーリングや操作性を向上させることができる。
(2) 通常の樹脂成形で容易に製造できるので、コスト面でも安価にできる。(3) 上述したリンク機構のレバー構造を車両用空気調和ユニットのダンパ構造に採用すれば、走行中のノイズ発生を防止できてフィーリングが向上し、また、スムーズな摺動により操作性が向上するので、低コストで商品性を向上させる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るリンク機構のレバー構造の一実施形態を示す図で、(a)は第1の実施形態としてレバーの外観形状を示す斜視図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図2】 本発明に係る第2の実施形態として、リンク機構のレバー構造を示す断面図である。
【図3】 本発明に係る第3の実施形態として、レバー形状を示す平面図である。
【図4】 リンク機構のレバー構造を適用した具体例として、車両用空気調和ユニットの内外気導入部概要を示す斜視図である。
【図5】 従来のリンク機構のレバー構造を示す図で、(a)はレバーの外観形状を示す斜視図、(b)は(a)のB−B断面図である。
【図6】 従来のピン部構造例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 従動レバー(レバー)
2 ガイド溝
3 補助溝
4 壁面部
5 駆動レバー
6 ピン部
7 拡幅部
Claims (3)
- 係合するリンク部材のピン部を摺動可能に支持する樹脂製のガイド溝が設けられたリンク機構のレバー構造であって、
前記ガイド溝の周囲に補助溝を形成して両溝間に可撓性部材よりなる壁面部を設け、前記壁面部の幅を負荷の大きい折曲部近傍で広げるとともに、前記壁面部が前記ピン部により弾性変形するように構成したことを特徴とするリンク機構のレバー構造。 - 前記補助溝を前記ガイド溝の両側に形成したことを特徴とする請求項1に記載のリンク機構のレバー構造。
- 前記補助溝を前記ガイド溝の片側に形成したことを特徴とする請求項1に記載のリンク機構のレバー構造。
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