JP4227675B2 - 神経毒軽減麻酔剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、神経毒を軽減させた局所麻酔剤、局所麻酔剤の神経毒軽減方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
理想的な局所麻酔薬とは、言うまでもなく、麻酔効果の発現が速やかで、しかも麻酔持続時間が長いという特徴を有する麻酔薬である。そのため、各種の麻酔薬が種々開発されている。例えば、30分から1時間近くの短い時間ではあるが麻酔作用のあるプロカインが合成されてからは局所麻酔薬は大きく進歩し、さらに麻酔作用が強力で長時間作用するジブカイン、テトラカインなどがそれぞれ開発され、現在広く用いられている。
「麻酔」とは、神経機能が一時的に停止した後、正常に回復する状態を言う。ところが、強力で長時間作用する麻酔薬を高濃度で用いると神経細胞に不可逆的な変化がみられ、神経機能は回復しないことが知られている。すなわち、麻酔作用の強い局所麻酔薬は注入局所の組織に毒性を持ち、ことに高濃度で神経細胞を破壊することから、ジブカイン、テトラカインなどは特に注意を要することが指摘されている。実際に局所麻酔薬による顔面神経ブロックで前庭機能廃絶を起こした例、あるいは脊髄麻酔において脳機能障害を起こした例などが報告されている。
このため、上述したような毒性が軽減され、かつ麻酔効果の発現は速やかである局所麻酔剤の開発が待ち望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、麻酔作用の強い局所麻酔薬においても神経毒を軽減させた薬剤を提供することであり、また、麻酔効果の発現が速やかである局所麻酔剤を提供することである。
また、本発明の他の課題は、局所麻酔薬における神経毒の軽減方法を提供することである。
さらにまた、本発明の課題は新規包接化合物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく種々研究を重ねた結果、α−シクロデキストリンあるいはその誘導体を局所麻酔薬に添加して得られる新規な包接化合物を含有してなる局所麻酔剤を使用することにより、良好な麻酔作用は保持されたまま、神経毒性が軽減されることを見い出した。
【0005】
また、局所麻酔薬は酸性において水に溶解し、中性〜アルカリ側では溶解し難い。このため、局所麻酔薬は通常酸性状態で製剤化されている。ところが、驚くべきことにシクロデキストリンの中でも特にα−シクロデキストリン(以後、α−CDとも称する)あるいはその誘導体にて局所麻酔薬を包接した場合には水によく溶解し、特に中性、就中生体と同じpH7.4付近において高濃度に溶解させたものを使用した場合においても局所麻酔作用は良好に保たれたままで、神経毒性のみが軽減されることを見い出した。
【0006】
さらに本発明者らは、α−シクロデキストリンあるいはその誘導体を局所麻酔薬に添加して得られる包接化合物に、さらにサリチル酸またはその塩を配合することにより、局所麻酔薬の麻酔効果が増強されて、麻酔発現に要する時間が短縮され、しかも麻酔からの回復時間が延長されることを見出した。すなわち、α−シクロデキストリンあるいはその誘導体による局所麻酔薬の包接化合物にさらにサリチル酸またはその塩を配合することによって、麻酔効果が増強され、しかも麻酔作用の発現が速やかで麻酔効果の持続時間が延長された局所麻酔剤を提供することが可能であることを見出したのである。
【0007】
本発明はかかる新知見に基づいて完成されたものであり、下記の特徴を有するものである。
(1)局所麻酔薬のα−シクロデキストリンあるいはその誘導体による包接化合物を含有してなることを特徴とする局所麻酔剤。
(2)神経毒を軽減させた、上記(1)に記載の局所麻酔剤。
(3)局所麻酔薬が、ジブカイン、テトラカインおよびそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも一種である上記(1)に記載の局所麻酔剤。
(4)さらにサリチル酸またはその塩を配合してなる上記(1)〜(3)のいずれかに記載の局所麻酔剤。
(5)局所麻酔薬をα−シクロデキストリンあるいはその誘導体にて包接することを特徴とする局所麻酔剤の神経毒軽減方法。
(6)局所麻酔薬のα−シクロデキストリンあるいはその誘導体による包接化合物。
(7)局所麻酔薬が、ジブカイン、テトラカインおよびそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも一種である上記(6)に記載の包接化合物。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられる局所麻酔薬としては、例えばジブカイン、テトラカイン、リドカイン、メピバカイン、プピバカイン等が挙げられる。
また、これらの局所麻酔薬の塩を用いてもよく、好ましくは塩酸塩等が用いられる。
【0009】
また、本発明で用いられるα−シクロデキストリンの誘導体としては、例えば、グルコシルα−シクロデキストリン、ジグルコシルα−シクロデキストリン、マルトシルα−シクロデキストリン、ジマルトシルα−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルα−シクロデキストリン等のグルコースが6個以上結合した環状構造に水酸基含有置換基を有する化合物が挙げられる。
【0010】
本発明の、α−シクロデキストリンあるいはその誘導体による局所麻酔薬の包接化合物の製造方法は、自体既知の手法に従えばよく、例えば次の通りである。
局所麻酔薬とα−シクロデキストリンあるいはその誘導体とを水等の溶媒の存在下に接触させることによって得られる。接触時の温度は、通常60〜70℃、好ましくは65℃である。また、α−シクロデキストリンまたはその誘導体の添加量は、局所麻酔薬1モルに対し、通常0.5モル以上、好ましくは等モル〜3モルである。
当該包接化合物は、好適にpH6.0〜8.6、好ましくはpH7.4程度の溶液に溶解させることによって、好適な態様の本発明局所麻酔剤が得られる。
【0011】
また、α−シクロデキストリンあるいはその誘導体を直接、pH6.0〜8.6、好ましくはpH7.4程度の局所麻酔薬の溶液に添加し、60〜70℃、好ましくは65℃で超音波にかけることにより溶解させても好適な態様の本発明の局所麻酔剤が得られる。この場合、α−シクロデキストリンまたはその誘導体の添加量は、局所麻酔薬1モルに対し、通常0.5モル以上、好ましくは等モル〜3モルである。
【0012】
かくして得られた本発明の局所麻酔剤は、従来の局所麻酔薬と比べて神経毒性が顕著に軽減されており、また中性付近のpH(例えば、pH6.5〜7.5)においてもよく水に溶解し良好な製剤を得ることができる。
【0013】
局所麻酔薬のα−シクロデキストリンあるいはその誘導体による包接化合物に、さらにサリチル酸またはその塩を配合してもよい。この場合におけるサリチル酸またはその塩の添加濃度は、通常0.01〜4重量%、好ましくは0.05〜1重量%である。サリチル酸またはその塩を配合することによって、麻酔効果が増強され、しかも麻酔作用の発現が速やかで麻酔効果の持続時間が延長された局所麻酔剤を得ることができる。
【0014】
当該局所麻酔剤には、通常製剤上許容される添加剤を配合してもよい。この添加剤として、例えば担体、安定化剤(クレアチニン等)、溶解補助剤(グリセリン、グルコース等)、懸濁剤(CMC等)、緩衝化剤(クエン酸、炭酸水素ナトリウム等)、乳化剤(脂肪酸モノグリセライド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等)、防腐剤(パラオキシ安息香酸メチルまたはプロピル等)、酸化防止剤(BHA、BHT等)などが挙げられる。また、粉末状治療剤にはさらに適当な賦形剤を添加することもできる。
諸成分を配合した後、その混合物を公知の方法に従って、例えば溶液状、懸濁液状あるいは乳濁状の注射剤、液剤、スプレー、ゼリー、または、用時溶解あるいは懸濁、乳濁等の処理により注射剤または液剤になりうる粉末状製剤等の、投与に適した剤型に製剤化できる。
【0015】
当該局所麻酔剤の投与量、使用濃度は、患者の年齢、症状、投与部位、使用薬物等により異なる。例えば、ジブカインをα−シクロデキストリンで包接した包接化合物を含有する局所麻酔剤を例にとると、浸潤麻酔に使用する場合の使用濃度はジブカインとして0.01〜0.3%、好ましくは0.03〜0.1%である。また、脊髄麻酔に使用する場合の投与量は、成人1回当たり、ジブカインとして1〜15mg、好ましくは2〜10mg、使用濃度は0.05〜0.5%、好ましくは0.1〜0.3%である。
【0016】
以下、実施例及び試験例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0017】
【実施例】
実施例1.
α−シクロデキストリンの各種濃度(0,0.425,1.05,2.06,3.96,7.35,10.29,15.13mM)を、0.25mMのジブカイン溶液に溶解させ(pH7.4)、60〜65℃で2〜3分間超音波にかけることによって、溶液が完全に透明化したことを確かめた後に、この溶液をそれぞれ2.4mlの測定用セルに入れて、分光光度計を用いて差スペクトル法で測定し分析を行った。測定により得られた吸収スペクトルを図1に、また吸収スペクトルの変化を拡大してみるために差スペクトル法で分析した結果を図2に示す。この結果より、吸収スペクトルの変化が見られることから、上記各種濃度のα−シクロデキストリンによるジブカインの包接化合物が得られたことが示された。
図2の▲1▼〜▲7▼は、以下の包接化合物についての分析結果を表す。
▲1▼:0.25mM ジブカイン+0.425mM α−シクロデキストリン
▲2▼:0.25mM ジブカイン+ 1.05mM α−シクロデキストリン
▲3▼:0.25mM ジブカイン+ 2.06mM α−シクロデキストリン
▲4▼:0.25mM ジブカイン+ 3.96mM α−シクロデキストリン
▲5▼:0.25mM ジブカイン+ 7.35mM α−シクロデキストリン
▲6▼:0.25mM ジブカイン+10.29mM α−シクロデキストリン
▲7▼:0.25mM ジブカイン+15.13mM α−シクロデキストリン
【0018】
実施例2.
β−シクロデキストリン(以後、β−CDとも称する)の各種濃度(0,0.11,0.54,1.06,2.04,3.78,5.29,7.78mM)を、0.25mMのジブカイン溶液に溶解させ(pH7.4)、実施例1と同じ手法を用い、得られた溶液について分光光度計を用いて差スペクトル法で分析した。測定により得られた吸収スペクトルを図3に、また吸収スペクトルの変化を拡大してみるために差スペクトル法で分析した結果を図4に示す。この結果より、吸収スペクトルの変化が見られることから、上記各種濃度のβ−シクロデキストリンによるジブカインの包接化合物が得られたことが示された。
図4の▲1▼〜▲7▼は、以下の包接化合物についての分析結果を表す。
▲1▼:0.25mM ジブカイン+ 0.11mM β−シクロデキストリン
▲2▼:0.25mM ジブカイン+ 0.54mM β−シクロデキストリン
▲3▼:0.25mM ジブカイン+ 1.06mM β−シクロデキストリン
▲4▼:0.25mM ジブカイン+ 2.04mM β−シクロデキストリン
▲5▼:0.25mM ジブカイン+ 3.78mM β−シクロデキストリン
▲6▼:0.25mM ジブカイン+ 5.29mM β−シクロデキストリン
▲7▼:0.25mM ジブカイン+ 7.78mM β−シクロデキストリン
【0019】
実施例3.
γ−シクロデキストリン(以後、γ−CDとも称する)の各種濃度(0,1.10,2.16,4.16,7.72,10.80,15.89mM)を、0.25mMのジブカイン溶液に溶解させ(pH7.4)、実施例1、2と同じ手法を用い、得られた溶液について分光光度計を用いて差スペクトル法で分析した。その結果を図5に示す。この結果より、吸収スペクトルの変化が見られることから、上記各種濃度のγ−シクロデキストリンによるジブカインの包接化合物が得られたことが示された。
図5の▲1▼〜▲6▼は、以下の包接化合物についての分析結果を表す。
▲1▼:0.25mM ジブカイン+ 1.10mM γ−シクロデキストリン
▲2▼:0.25mM ジブカイン+ 2.16mM γ−シクロデキストリン
▲3▼:0.25mM ジブカイン+ 4.16mM γ−シクロデキストリン
▲4▼:0.25mM ジブカイン+ 7.72mM γ−シクロデキストリン
▲5▼:0.25mM ジブカイン+10.80mM γ−シクロデキストリン
▲6▼:0.25mM ジブカイン+15.89mM γ−シクロデキストリン
【0020】
実施例4.
α−シクロデキストリンの各種濃度(0,0.425,1.05,2.06,3.96,7.35,10.29,15.13mM)を、0.05mMのテトラカイン溶液に溶解させ(pH7.4)、実施例1と同じ手法を用い、得られた溶液について分光光度計を用いて差スペクトル法で分析した。測定により得られた吸収スペクトルを図6に、また吸収スペクトルの変化を拡大してみるために差スペクトル法で分析した結果を図7に示す。この結果より、吸収スペクトルの変化が見られることから、上記各種濃度のα−シクロデキストリンによるテトラカインの包接化合物が得られたことが示された。
図7の▲1▼〜▲7▼は、以下の包接化合物についての分析結果を表す。
▲1▼:0.05mMテトラカイン+0.425mM α−シクロデキストリン
▲2▼:0.05mMテトラカイン+ 1.05mM α−シクロデキストリン
▲3▼:0.05mMテトラカイン+ 2.06mM α−シクロデキストリン
▲4▼:0.05mMテトラカイン+ 3.96mM α−シクロデキストリン
▲5▼:0.05mMテトラカイン+ 7.35mM α−シクロデキストリン
▲6▼:0.05mMテトラカイン+10.29mM α−シクロデキストリン
▲7▼:0.05mMテトラカイン+15.13mM α−シクロデキストリン
【0021】
実施例5.
シクロデキストリンはブドウ糖分子が数個結合した環状構造物であるが、その空洞の中に各種局所麻酔薬が包接して、新たなる複合体を形成していることは、実施例1〜4の吸収スペクトルの変化より明らかになった。この包接複合体の化学的性状を知るために、ジブカインの0.25mM溶液に実施例1〜3における各種濃度のシクロデキストリン(α−CD、β−CD、γ−CD)を添加したときに得られた差スペクトルの波長313nmにおける吸光度の大きさを実施例1〜3の結果から読み取り、グラフにしたものが図8である。
ジブカインはシクロデキストリンと包接することによって新たなる複合体を形成していること、また形成の程度がα−CD、β−CD、γ−CDの違いによってそれぞれ異なることが判る。
【0022】
製剤処方例1.(注射剤処方 100ml中)
塩酸ジブカイン 300mg
α−シクロデキストリン 1000mg
塩化ナトリウム(等張化剤) 適量
水酸化ナトリウム(pH調整剤) 適量
注射用水 適量
【0023】
製剤処方例2.(注射剤処方 100ml中)
塩酸ジブカイン 100mg
サリチル酸ナトリウム 300mg
α−シクロデキストリン 500mg
塩化ナトリウム 適量
水酸化ナトリウム(pH調整剤) 適量
塩酸(pH調整剤) 適量
注射用水 適量
【0024】
試験例1.
アメリカザリガニの腹部巨大神経線維を摘出し、この神経をそれぞれ、ハルベルト液(pH6.5)に溶解した各種濃度の局所麻酔薬単独溶液(α−シクロデキストリンあるいはその誘導体を含まない)、具体的には0.03%ジブカイン溶液、0.5%テトラカイン溶液に2時間浸した後、各々の摘出神経の一端より電気刺激を与え、他端から活動電位を記録し、その活動電位が麻酔作用によって完全に消失していることを確かめた。次に、その神経から麻酔薬を除去するために局所麻酔薬を含まない正常ハルベルト液(アメリカザリガニの生理的リンガー液)に神経を浸しながら活動電位の回復を8時間にわたって観察したが、使用した局所麻酔薬溶液のいずれについても神経機能の回復は見られなかった。
使用した各局所麻酔薬についての神経機能の回復状態を表1に示す。
【0025】
【表1】
Figure 0004227675
【0026】
表1が示すように、使用濃度はすべて低濃度を用いているにも拘わらず、ジブカイン溶液、テトラカイン溶液のいずれについても機能回復はみられなかった。特に局所麻酔薬としての効力の強いジブカインの場合は、実際に臨床的に使用されている濃度の10分の1の低い濃度を用いているが回復は見られず、神経毒性の強い物質であることがわかる。
【0027】
試験例2.
pH6.5のジブカイン溶液に、α−シクロデキストリン、その誘導体(ヒドロキシプロピルα−シクロデキストリン)又はβ−シクロデキストリンをそれぞれ添加し、実施例1と同じ方法で包接化合物の溶液を調製した。
得られたジブカインのα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン又はヒドロキシプロピルα−シクロデキストリンによる包接化合物の溶液を用いて、麻酔作用発現の有無と回復状態を試験例1と同じ方法で調べた神経毒性試験の結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
Figure 0004227675
【0029】
pH6.5のジブカインに上述の添加物を加えることによって新たに生成された包接化合物は、麻酔作用を失うことなく保持されていることが判明した。次にジブカインを洗浄除去して神経機能の回復をみると、表2に示されているように機能が回復している。上記ジブカインの包接化合物の溶液を用いた場合、機能の回復がみられ、その回復に要する時間はジブカイン濃度を高めるにつれて延長している。このことは、麻酔薬濃度あるいはその投与量の増減によって局所麻酔薬の持続時間を自由に調節可能であることを示しており、特記に値するα−シクロデキストリンの効果であると言える。
【0030】
試験例3.
局所麻酔薬は、酸性で溶解しアルカリ側では溶け難いため、局所麻酔薬の製品は酸性になっている。例えば、ジブカインはpH3.5〜5.5、リドカインはpH3.5〜5.0などである。図9に、ジブカインの濃度を0.03〜1.0%に変化させた場合のpH依存性の溶解度を示す。濃度が低い場合、例えばジブカイン0.1%では弱アルカリのpH7.25に溶解するが、高濃度の1%ではpH6.7の酸性でなければ溶解しない。
次に、0.03%、0.1%、0.5%および1%のジブカインにそれぞれ添加するα−シクロデキストリンの混合の割合(α−CD/ジブカイン)をモル比濃度で0〜3に変化させ調製した局所麻酔剤について、pH依存性の溶解度の変化を調べた。その結果を図10に示す。この結果から、ジブカインを包接するα−シクロデキストリンのモル比濃度が増大するのに伴って、溶液のpHを上げても溶解させ得ることが示され、高濃度の麻酔薬をα−シクロデキストリンで包接して用いるとアルカリ側でも溶解することが判明した。図10から、例えば、生体と同じpH7.4で0.1%のジブカインを使用するのであれば、ジブカイン量1に対してα−シクロデキストリンは1/4のモル比で添加させればよく、0.5%の場合にはジブカイン量1に対してα−シクロデキストリンはその1.7倍量のモル比が必要なことが判る。
【0031】
試験例4.
ジブカインを水に溶解した時の溶解度と、ジブカインに等モル濃度のα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンをそれぞれ添加した場合の溶解度を、分光光度計を使って波長660nmにおける吸光度(OD)で調べた。この結果を表3に示す。
【0032】
【表3】
Figure 0004227675
【0033】
即ち、0.2%(pH7.4)のジブカイン単独ではほとんど溶けず、その吸光度はOD=3.03であったが、これと等モル濃度のα−シクロデキストリン(0.2%,pH7.4)を添加するとジブカインの溶解性はOD=0.022と格段に上昇した。ところが、β−シクロデキストリン(0.6%,pH7.4)、あるいはγ−シクロデキストリン(0.7%,pH7.4)を添加しても溶解性はα−シクロデキストリンほどには改善されず、それぞれOD=0.944、2.276であった。このことを溶液の透明度からみるとα−シクロデキストリンを添加した場合では136倍に改善されたことになるが、β−シクロデキストリンでは3.19倍、γ−シクロデキストリンでは1.36倍であり、ジブカインに対するα−シクロデキストリンの有効性は明らかである。
尚、660nmにおける吸光度は、完全に溶解している時のジブカイン、シクロデキストリンともにほとんど0となる。
同じようにして、0.5%テトラカイン(pH8.0)の溶解度と、テトラカインに等モル濃度のα−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンをそれぞれ添加した場合の溶解度を測定し、その結果も表3に示した。
以上の結果から、ジブカインをα−シクロデキストリンにて包接した場合には、β−シクロデキストリンあるいはγ−シクロデキストリンで包接した場合に比べて、生体に近いpHにおける溶解度が著しく上昇することが示された。すなわちこの効果は、シクロデキストリンの中でもα−シクロデキストリンに特に顕著に認められるものであることが明らかになった。
また、テトラカインの溶解性改善効果は、α−CDで包接した場合には認められるが、γ−CDは逆に溶解性を悪くしている。
【0034】
試験例5.
局所麻酔作用は、pHの高いアルカリ性の方が効果が大きいことが知られている。アメリカザリガニの腹部巨大神経線維を摘出し、この神経をpH6.5のリドカイン溶液に浸し、リドカイン濃度を2〜5%に変化させて、リドカイン濃度と活動電位の消失時間の関係を調べた。次に、前記と同様にして摘出した神経をpH7.5のリドカイン溶液に浸し、リドカイン濃度を0.2〜1%に変化させて、リドカイン濃度と活動電位の消失時間の関係を調べた。以上の結果を図11に示す。通常、リドカイン濃度が低ければ、神経の活動電位が麻酔作用によって消失するのに要する時間が長く、濃度が高ければ速く消失する。ところが図11にみられるようにpH6.5、2%のリドカインを用いた場合には麻酔作用の発現に80分かかったが、pH7.5では逆に前者よりも低い0.4%の濃度においても2分以内に活動電位が消失し麻酔作用が発現していることから、アルカリ性の方が麻酔効果の大きいことが示されている。
【0035】
さらに、1%サリチル酸ナトリウムを添加したリドカイン溶液(pH7.5)に、前記と同様にして摘出した神経を浸し、濃度を0.05〜0.3%に変化させた場合についてリドカイン濃度と活動電位の消失時間の関係を調べ、この結果も図11に示す。この結果は、サリチル酸塩を添加すると麻酔作用の発現時間がさらに短縮され、麻酔薬濃度がより低くても麻酔作用のあることを示している。
【0036】
さらに、サリチル酸塩の局所麻酔薬増強効果とα−シクロデキストリンの麻酔回復改善効果を併用した場合の麻酔作用をみるために、ジブカインにα−CD、サリチル酸ナトリウムを添加した場合について、試験例1と同じ手法を用い、pH7.4でジブカイン濃度と神経活動電位の消失時間の関係を調べた。その結果を図12に示す。また、ジブカイン濃度と神経活動電位の回復時間の関係をpH7.4で調べた結果を図13に示す。pH7.4でのジブカイン単独投与ではジブカイン濃度が0.008%〜0.05%の間で活動電位の消失と回復があったものが、ジブカイン濃度と等モルのα−CDを添加することによって活動電位の消失と回復に要するジブカイン濃度は0.01%〜0.1%と高濃度側に移行し、これに0.05%のサリチル酸ナトリウムをさらに添加するとジブカインの濃度は0.002〜0.05%と低濃度に移行した。単に0.05%のサリチル酸ナトリウムをジブカインに添加した時は、ジブカイン濃度は0.0006%〜0.03%と、極めて低い濃度においても活動電位の消失と回復がみられた。
この結果、サリチル酸は麻酔作用を速め、回復を遅らせているが、α−シクロデキストリンの方は逆に麻酔作用を遅らせ回復を速めることが判明し、両者を混合して使用した場合には、α−シクロデキストリンの麻酔発現時間の遅延作用をサリチル酸が補い、サリチル酸の麻酔回復時間の遅延作用をα−シクロデキストリンが補うという両者の好ましい関係が明らかにされた。このことは、強力な麻酔薬を用いると神経機能は回復しないと言われてきた神経毒の改善に役立つことになる。
【0037】
試験例6.
局所麻酔薬は、中枢神経細胞に対しては高濃度において抑制作用を示すが、低濃度では刺激作用のあることが知られている。この作用を利用して本発明の神経毒軽減麻酔剤の効果を確かめるため、マウスを使って次のような急性毒性試験を行った。生理的食塩水に溶解したジブカイン0.5%をマウスの背側部に0.3ml皮下注入(40mg/kg体重)したものを11匹作製し、次に0.5%ジブカインに等モルのα−シクロデキストリンを添加したものを0.3ml皮下注入(40mg/kg体重)した11匹と比較検討した。前者マウスは、注入後、間もなく飛び跳ね興奮状態を起こし、頻脈、呼吸促迫の症状が見られ、その後四肢の痙攣が発生するとともに呼吸困難となりやがてチアノーゼを呈して注入後約20分で死亡に至ったが、その中の1匹は死を免れた。一方、α−シクロデキストリン含有ジブカインを注入したマウスの症状は、軽度とは言え前者マウスとほぼ同様な経過を辿ったものの、チアノーゼまでには至らず注入後約1時間30分すると正常状態に回復した。しかし、その中で死亡したマウスが4匹いた。以上の急性毒性の試験結果から、ジブカイン単独投与においては死亡率91%であったものが、α−シクロデキストリンを添加することによって36%にまで改善されることが判明し、局所麻酔薬の神経毒軽減におけるα−シクロデキストリンの有効性が確かめられた。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、α−シクロデキストリンあるいはその誘導体を局所麻酔薬に添加して得られる包接化合物を含有してなる局所麻酔剤を用いた場合、麻酔薬作用で神経機能を一時的に停止させた後も確実に機能を回復させることが可能となる。このことは患者のみならず医師の側にとっても臨床上非常に有益である。また、強い局所麻酔薬の神経毒を軽減させることによって麻酔薬の濃度あるいはその投与量は安心して増減可能となることから、麻酔持続時間を自由に調節することができる。さらに、局所麻酔薬を生体と同じ弱アルカリ側で使用することが可能となるため、炎症によって生体組織が酸性側に傾き麻酔作用が弱まっている状態の場合には本発明の局所麻酔剤は特に有効であると期待される。また、酸性溶液に溶解された局所麻酔薬の注入時にみられる局所アシドーシスによる強い痛みも、弱アルカリ溶液にすることにより軽減されることが期待できる。
また、本発明によれば、α−シクロデキストリンあるいはその誘導体を局所麻酔薬に添加して得られる包接化合物に、さらにサリチル酸またはその塩を配合することによって、麻酔効果が増強され、しかも麻酔作用の発現が速やかで麻酔効果の持続時間が延長された局所麻酔剤を提供することが可能となる。
本発明で用いる、局所麻酔薬のα−シクロデキストリンあるいはその誘導体による包接化合物を含有してなる局所麻酔剤は、いずれも熱に強く、加熱滅菌が可能であることから十分に臨床で用いられる条件は揃っており、単に注射液のみならずスプレー状、ゼリー状にして使用することも可能で、眼科用、歯科用など幅広い適用範囲がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ジブカイン溶液にα−シクロデキストリンを添加して得られた溶液について測定した吸収スペクトルを示す図である。
【図2】 ジブカイン溶液にα−シクロデキストリンを添加して得られた溶液について差スペクトル法で分析した結果を示す図である。
【図3】 ジブカイン溶液にβ−シクロデキストリンを添加して得られた溶液について測定した吸収スペクトルを示す図である。
【図4】 ジブカイン溶液にβ−シクロデキストリンを添加して得られた溶液について差スペクトル法で分析した結果を示す図である。
【図5】 ジブカイン溶液にγ−シクロデキストリンを添加して得られた溶液について差スペクトル法で分析した結果を示す図である。
【図6】 テトラカイン溶液にα−シクロデキストリンを添加して得られた溶液について測定した吸収スペクトルを示す図である。
【図7】 テトラカイン溶液にα−シクロデキストリンを添加して得られた溶液について差スペクトル法で分析した結果を示す図である。
【図8】 0.25mMジブカインに各種濃度のシクロデキストリン(α−CD、β−CD、γ−CD)を添加したときに得られた差スペクトルの波長313nmにおける吸光度の大きさを示す図である。
【図9】 ジブカインの濃度を変化させ、pH依存性の溶解度を調べた結果を示す図である。
【図10】 ジブカインを包接するα−シクロデキストリンのモル比濃度を変化させ、pH依存性の溶解度を調べた結果を示す図である。
【図11】 異なるpHのリドカイン溶液、および、1%サリチル酸ナトリウムを添加したリドカイン溶液を用いた場合の、リドカイン濃度とアメリカザリガニの腹部巨大神経の活動電位の消失時間の関係を示す図である。
【図12】 ジブカイン単独の場合およびジブカインにサリチル酸ナトリウム、α−CDを添加した場合について、ジブカイン濃度とアメリカザリガニの腹部巨大神経の活動電位の消失時間の関係を示す図である。
【図13】 ジブカイン単独の場合、およびジブカインにサリチル酸ナトリウム、α−CDを添加した場合における、ジブカイン濃度とアメリカザリガニの腹部巨大神経の活動電位の回復時間の関係を示す図である。

Claims (6)

  1. ジブカイン及びテトラカイン並びにそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも一種である局所麻酔薬のα−シクロデキストリン又はその誘導体による包接化合物を含有してなることを特徴とする局所麻酔剤。
  2. さらにサリチル酸又はその塩を配合してなる請求項に記載の局所麻酔剤。
  3. 弱アルカリ溶液である、請求項1又は2に記載の局所麻酔剤。
  4. 弱アルカリ溶液のpH値が7.0を超え7.5以下である、請求項3に記載の局所麻酔剤。
  5. ジブカイン及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である化合物の、α−シクロデキストリン又はその誘導体による包接化合物。
  6. テトラカイン及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である化合物の、α−シクロデキストリン又はその誘導体による包接化合物。
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