JPH1180030A - 局所麻酔薬水溶液および局所麻酔薬の溶解性改善方法 - Google Patents
局所麻酔薬水溶液および局所麻酔薬の溶解性改善方法Info
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- JPH1180030A JPH1180030A JP9244093A JP24409397A JPH1180030A JP H1180030 A JPH1180030 A JP H1180030A JP 9244093 A JP9244093 A JP 9244093A JP 24409397 A JP24409397 A JP 24409397A JP H1180030 A JPH1180030 A JP H1180030A
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Abstract
て包接された局所麻酔薬を局所麻酔薬自体の濃度で0.
02%以上含有し、pH6.5〜8.5である局所麻酔
薬水溶液、前記局所麻酔薬水溶液にさらにサリチル酸ま
たはその塩を配合してなる局所麻酔薬水溶液、および局
所麻酔薬をシクロデキストリンまたはその誘導体にて包
接することを特徴とするpH6.5〜8.5における局
所麻酔薬の水に対する溶解性改善方法。 【効果】 本発明の局所麻酔薬水溶液は、そのpHが
6.5〜8.5であり、生体に近いpHで使用すること
が可能であるため、生体組織が酸性側に傾いている場合
にも有効であり、また、酸性溶液に溶解された従来の局
所麻酔薬の注入部位にみられる局所アシドーシスによる
痛みが軽減されうる。
Description
薬を含有する局所麻酔薬水溶液および局所麻酔薬の水に
対する溶解性改善方法に関する。より詳細には、シクロ
デキストリンまたはその誘導体にて包接された局所麻酔
薬を局所麻酔薬自体の濃度で0.02%以上含有し、p
H6.5〜8.5である局所麻酔薬水溶液、および局所
麻酔薬をシクロデキストリンまたはその誘導体にて包接
することを特徴とする、pH6.5〜8.5における局
所麻酔薬の水に対する溶解性改善方法に関する。
カリ性では溶解し難い。このため、一般的に局所麻酔薬
は酸性に製剤化されている。このような局所麻酔剤で
は、組織がアルカリ性でない場合、例えば炎症により組
織が酸性側に傾いている時などは、その局所麻酔効果が
発揮されにくい。また、酸性溶液に溶解された局所麻酔
薬を生体に注入すると、注入部位において局所性アシド
ーシスによる強い痛みを引き起こすという難点がある。
このため、中性〜アルカリ性でも溶解し、生体と同じよ
うな弱アルカリ性で使用することが可能な局所麻酔剤の
開発が待ち望まれていた。
は、局所麻酔薬において、中性〜アルカリ性でも溶解
し、生体と同じような弱アルカリ性で使用することがで
きる薬剤を提供することである。また、本発明の他の課
題は、局所麻酔薬の水に対する溶解性改善方法を提供す
ることである。
決すべく種々研究を重ねた結果、驚くべきことにシクロ
デキストリン(以後、CDとも称する)あるいはその誘
導体にて局所麻酔薬を包接することによって溶解性が顕
著に改善され、中性〜アルカリ性においても水によく溶
解するため、生体と同じpH7.4付近で使用すること
のできる局所麻酔薬水溶液を提供することが可能である
ことを見い出した。
たものであり、下記の特徴を有するものである。 (1)シクロデキストリンまたはその誘導体にて包接さ
れた局所麻酔薬を局所麻酔薬自体の濃度で0.02%以
上、好ましくは0.05%以上含有し、pH6.5〜
8.5である局所麻酔薬水溶液。 (2)局所麻酔薬がリドカインまたはその塩であり、リ
ドカインまたはその塩をリドカインまたはその塩自体の
濃度で0.1%以上含有する上記(1)に記載の局所麻
酔薬水溶液。 (3)局所麻酔薬がブピバカインまたはその塩であり、
ブピバカインまたはその塩をブピバカインまたはその塩
自体の濃度で0.1%以上含有する上記(1)に記載の
局所麻酔薬水溶液。 (4)局所麻酔薬がジブカインまたはその塩であり、ジ
ブカインまたはその塩をジブカインまたはその塩自体の
濃度で0.02%以上、好ましくは0.05%以上含有
する上記(1)に記載の局所麻酔薬水溶液。 (5)局所麻酔薬がテトラカインまたはその塩であり、
テトラカインまたはその塩をテトラカインまたはその塩
自体の濃度で0.02%以上、好ましくは0.05%以
上含有する上記(1)に記載の局所麻酔薬水溶液。 (6)さらにサリチル酸またはその塩を配合してなる上
記(1)〜(5)のいずれかに記載の局所麻酔薬水溶
液。 (7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の局所麻酔
薬水溶液を用いて調製された外用剤。 (8)軟膏剤、貼付剤、坐剤のいずれかの態様である上
記(7)に記載の外用剤。 (9)局所麻酔薬をシクロデキストリンまたはその誘導
体にて包接することを特徴とする、pH6.5〜8.5
における局所麻酔薬の水に対する溶解性改善方法。 (10)局所麻酔薬がリドカイン、ブピバカイン、ジブ
カイン、テトラカイン、およびそれらの塩からなる群か
ら選ばれる少なくとも一種である、上記(9)に記載の
局所麻酔薬の水に対する溶解性改善方法。
酔薬は特に限定されないが、好ましくはリドカイン、ブ
ピバカイン、ジブカイン、テトラカイン等が挙げられ
る。また、これらの局所麻酔薬の塩を用いてもよく、好
ましくは塩酸塩等が用いられる。
しては、例えばα−シクロデキストリン、β−シクロデ
キストリン、γ−シクロデキストリン等が挙げられる。
また、これらのシクロデキストリンの誘導体を用いても
よい。本発明で用いられるシクロデキストリンの誘導体
としては、例えば、グルコシル−α−シクロデキストリ
ン、ジグルコシル−α−シクロデキストリン、マルトシ
ル−α−シクロデキストリン、ジマルトシル−α−シク
ロデキストリン、ヒドロキシプロピル−α−シクロデキ
ストリン等のグルコースが6個以上結合した環状構造に
水酸基含有置換基を有する化合物、グルコシル−β−シ
クロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキスト
リン、マルトシル−β−シクロデキストリン、ジマルト
シル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−
β−シクロデキストリン等のグルコースが7個結合した
環状構造に水酸基含有置換基を有する化合物、ヒドロキ
シプロピル−γ−シクロデキストリン等のグルコースが
8個結合した環状構造に水酸基含有置換基を有する化合
物等が挙げられる。
のシクロデキストリンあるいはその誘導体による包接化
合物を、pH6.5〜8.5、好ましくはpH7.4程
度の水に溶解させることにより製造することができる。
シクロデキストリンあるいはその誘導体による局所麻酔
薬の包接化合物の製造方法は、自体既知の手法に従えば
よく、例えば次の通りである。局所麻酔薬とシクロデキ
ストリンあるいはその誘導体とを水の存在下に接触させ
ることによって得られる。接触時の温度は、通常60〜
70℃、好ましくは65℃である。また、シクロデキス
トリンまたはその誘導体の添加量は、局所麻酔薬1モル
に対し、通常0.2モル以上、好ましくは0.5モル〜
3モルである。
ストリンあるいはその誘導体で包接することにより局所
麻酔薬の溶解性が著しく改善されるため、当該包接化合
物はpH6.5〜8.5において水に溶解させることが
できる。
6.5〜8.5、好ましくはpH7.4程度の水に溶解
させることによって、本発明の局所麻酔薬水溶液が得ら
れる。
導体を直接、pH6.5〜8.5、好ましくはpH7.
4程度の局所麻酔薬の含有液に添加し、60〜70℃、
好ましくは65℃で超音波にかけることにより溶解させ
ても、本発明の局所麻酔薬水溶液が得られる。この場
合、シクロデキストリンまたはその誘導体の添加量は、
局所麻酔薬1モルに対し、通常0.2モル以上、好まし
くは0.5モル〜3モルである。
ストリンまたはその誘導体にて包接された局所麻酔薬
を、局所麻酔薬自体の濃度で0.02%以上、好ましく
は0.05%以上含有する。
液は、そのpHが6.5〜8.5であり、生体と同じ弱
アルカリ性で使用することが可能であるため、例えば炎
症などによって生体組織が酸性側に傾いている場合にも
局所麻酔効果を充分発揮することができる。また、本発
明の局所麻酔薬水溶液は、そのpHが6.5〜8.5で
あるため、酸性溶液に溶解された従来の局所麻酔薬の注
入時にみられる局所アシドーシスによる強い痛みも軽減
され、臨床上有益である。
にサリチル酸またはその塩を配合してもよい。この場合
におけるサリチル酸またはその塩の添加濃度は、通常
0.01重量%以上、好ましくは0.05〜5重量%で
ある。サリチル酸またはその塩を配合することによっ
て、麻酔効果が増強され、しかも麻酔作用の発現が速や
かで麻酔効果の持続時間が延長された局所麻酔薬水溶液
を得ることができる。
容される添加剤を配合してもよい。この添加剤として、
例えば担体、安定化剤(クレアチニン等)、溶解補助剤
(グリセリン、グルコース等)、懸濁剤(CMC等)、
緩衝化剤(クエン酸、炭酸水素ナトリウム等)、乳化剤
(脂肪酸モノグリセライド、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等)、防腐剤
(パラオキシ安息香酸メチルまたはプロピル等)、酸化
防止剤(BHA、BHT等)などが挙げられる。また、
用時溶解により注射剤または液剤になりうる粉末状製剤
に製剤化し、用時に溶解して当該局所麻酔薬水溶液を製
造することもできる。このような粉末状製剤にはさらに
適当な賦形剤を添加することもできる。
膏剤、貼付剤、坐剤等の外用剤に製剤化して用いてもよ
い。軟膏剤としては、例えばゲル剤、油性軟膏剤、乳剤
性軟膏剤、水性軟膏剤などが挙げられ、例えば、脂肪、
脂肪油、ラノリン、ワセリン、パラフィン、ろう、樹
脂、グリコール類、高級アルコール、グリセリン、アル
コール類、水等の基剤に当該局所麻酔薬水溶液を混合
し、常法に従って製造することができる。坐剤は、例え
ば、カカオ脂、ラウリン脂、マクロゴール、カルボキシ
メチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、グリ
セリン等の基剤に当該局所麻酔薬水溶液を混合し、常法
に従って製造することができる。貼付剤は、当該局所麻
酔薬水溶液に、例えば、グリセリン、ポリエチレングリ
コール、カルボニールビニールポリマー、ゼラチン、酸
化亜鉛、カオリン、ポリアクリル酸ナトリウム等を配合
し、常法に従って製造することができる。外用剤におい
ても、必要に応じて前記の、例えば安定化剤等を配合さ
せることができる。
はその誘導体にて包接された局所麻酔薬を、局所麻酔薬
自体の濃度で0.1%以上、好ましくは0.2〜10%
含有する。
スタミン剤、非ステロイド性抗炎症剤、副腎皮質ステロ
イド剤、芳香剤、血行改善剤、鎮痒剤等の他の薬効を有
する成分をさらに配合してもよい。
は、患者の年齢、症状、投与部位、使用薬物等により異
なるが、シクロデキストリンまたはその誘導体にて包接
された局所麻酔薬を含有する局所麻酔薬水溶液を成人に
用いる場合、1回当たりの投与量は、含有される局所麻
酔薬として0.2〜300mg、好ましくは0.5〜2
00mg、使用濃度は0.01〜5%、好ましくは0.
03〜3%である。例えば、ジブカインをα−シクロデ
キストリンで包接した包接化合物を含有する局所麻酔薬
水溶液を例にとると、浸潤麻酔に使用する場合の使用濃
度はジブカインとして0.01〜0.3%、好ましくは
0.03〜0.1%である。また、脊髄麻酔に使用する
場合の投与量は、成人1回当たり、ジブカインとして1
〜15mg、好ましくは2〜10mg、使用濃度は0.
05〜0.5%、好ましくは0.1〜0.3%である。
また、例えば、塩酸リドカインをシクロデキストリン又
はその誘導体で包接した包接化合物を含有する局所麻酔
薬水溶液をリドカインとしての濃度で1〜5%程度含有
する軟膏剤として使用する場合には、症状に応じて1日
1〜3回投与することが好ましい。
より詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。
も称する)の各種濃度(0,0.425,1.05,
2.06,3.96,7.35,10.29,15.1
3mM)を、0.25mMのジブカイン溶液に溶解させ
(pH7.4)、60〜65℃で2〜3分間超音波にか
けることによって、溶液が完全に透明化したことを確か
めた後に、この溶液をそれぞれ2.4mlの測定用セル
に入れて、分光光度計を用いて差スペクトル法で測定し
分析を行った。測定により得られた吸収スペクトルを図
1に、また吸収スペクトルの変化を拡大してみるために
差スペクトル法で分析した結果を図2に示す。この結果
より、吸収スペクトルの変化が見られることから、上記
各種濃度のα−シクロデキストリンによるジブカインの
包接化合物が得られたことが示された。図2の〜
は、以下の包接化合物についての分析結果を表す。 :0.25mM ジブカイン+0.425mM α−
シクロデキストリン :0.25mM ジブカイン+ 1.05mM α−
シクロデキストリン :0.25mM ジブカイン+ 2.06mM α−
シクロデキストリン :0.25mM ジブカイン+ 3.96mM α−
シクロデキストリン :0.25mM ジブカイン+ 7.35mM α−
シクロデキストリン :0.25mM ジブカイン+10.29mM α−
シクロデキストリン :0.25mM ジブカイン+15.13mM α−
シクロデキストリン
後、β−CDとも称する)の各種濃度(0,0.11,
0.54,1.06,2.04,3.78,5.29,
7.78mM)を、0.25mMのジブカイン溶液に溶
解させ(pH7.4)、参考例1と同じ手法を用い、得
られた溶液について分光光度計を用いて差スペクトル法
で分析した。測定により得られた吸収スペクトルを図3
に、また吸収スペクトルの変化を拡大してみるために差
スペクトル法で分析した結果を図4に示す。この結果よ
り、吸収スペクトルの変化が見られることから、上記各
種濃度のβ−シクロデキストリンによるジブカインの包
接化合物が得られたことが示された。図4の〜は、
以下の包接化合物についての分析結果を表す。 :0.25mM ジブカイン+ 0.11mM β−
シクロデキストリン :0.25mM ジブカイン+ 0.54mM β−
シクロデキストリン :0.25mM ジブカイン+ 1.06mM β−
シクロデキストリン :0.25mM ジブカイン+ 2.04mM β−
シクロデキストリン :0.25mM ジブカイン+ 3.78mM β−
シクロデキストリン :0.25mM ジブカイン+ 5.29mM β−
シクロデキストリン :0.25mM ジブカイン+ 7.78mM β−
シクロデキストリン
後、γ−CDとも称する)の各種濃度(0,1.10,
2.16,4.16,7.72,10.80,15.8
9mM)を、0.25mMのジブカイン溶液に溶解させ
(pH7.4)、参考例1、2と同じ手法を用い、得ら
れた溶液について分光光度計を用いて差スペクトル法で
分析した。その結果を図5に示す。この結果より、吸収
スペクトルの変化が見られることから、上記各種濃度の
γ−シクロデキストリンによるジブカインの包接化合物
が得られたことが示された。図5の〜は、以下の包
接化合物についての分析結果を表す。 :0.25mM ジブカイン+ 1.10mM γ−
シクロデキストリン :0.25mM ジブカイン+ 2.16mM γ−
シクロデキストリン :0.25mM ジブカイン+ 4.16mM γ−
シクロデキストリン :0.25mM ジブカイン+ 7.72mM γ−
シクロデキストリン :0.25mM ジブカイン+10.80mM γ−
シクロデキストリン :0.25mM ジブカイン+15.89mM γ−
シクロデキストリン
濃度(0,0.425,1.05,2.06,3.9
6,7.35,10.29,15.13mM)を、0.
05mMのテトラカイン溶液に溶解させ(pH7.
4)、参考例1と同じ手法を用い、得られた溶液につい
て分光光度計を用いて差スペクトル法で分析した。測定
により得られた吸収スペクトルを図6に、また吸収スペ
クトルの変化を拡大してみるために差スペクトル法で分
析した結果を図7に示す。この結果より、吸収スペクト
ルの変化が見られることから、上記各種濃度のα−シク
ロデキストリンによるテトラカインの包接化合物が得ら
れたことが示された。図7の〜は、以下の包接化合
物についての分析結果を表す。 :0.05mMテトラカイン+0.425mM α−
シクロデキストリン :0.05mMテトラカイン+ 1.05mM α−
シクロデキストリン :0.05mMテトラカイン+ 2.06mM α−
シクロデキストリン :0.05mMテトラカイン+ 3.96mM α−
シクロデキストリン :0.05mMテトラカイン+ 7.35mM α−
シクロデキストリン :0.05mMテトラカイン+10.29mM α−
シクロデキストリン :0.05mMテトラカイン+15.13mM α−
シクロデキストリン
濃度(0,0.22,0.54,1.06,2.04,
3.78,6.61mM)を、0.05mMのテトラカ
イン溶液に溶解させ(pH7.4)、参考例1と同じ手
法を用い、得られた溶液について分光光度計を用いて差
スペクトル法で測定し分析を行った。測定により得られ
た吸収スペクトルを図8に、また吸収スペクトルの変化
を拡大してみるために差スペクトル法で分析した結果を
図9に示す。この結果より、吸収スペクトルの変化が見
られることから、上記各種濃度のβ−シクロデキストリ
ンによるテトラカインの包接化合物が得られたことが示
された。図9の〜は、以下の包接化合物についての
分析結果を表す。 :0.05mM テトラカイン+0.22mM β−
シクロデキストリン :0.05mM テトラカイン+0.54mM β−
シクロデキストリン :0.05mM テトラカイン+1.06mM β−
シクロデキストリン :0.05mM テトラカイン+2.04mM β−
シクロデキストリン :0.05mM テトラカイン+3.78mM β−
シクロデキストリン :0.05mM テトラカイン+6.61mM β−
シクロデキストリン
結合した環状構造物であるが、その空洞の中に各種局所
麻酔薬が包接されて、新たなる複合体を形成しているこ
とは、参考例1〜5の吸収スペクトルの変化より明らか
になった。
する。
する。
度のα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリ
ン、γ−シクロデキストリンをそれぞれ添加し、参考例
1と同じ手法を用いて包接化合物の溶液を調製した。得
られたジブカインのα−シクロデキストリン、β−シク
ロデキストリン、γ−シクロデキストリンによる包接化
合物の溶液、および0.2%ジブカイン単独溶液につい
て、UV−可視分光光度計検出器(UV−2100、島
津製)を用いて波長620nmにおける吸光度〔OD
(620nm)〕を測定した。得られた吸光度の値か
ら、各包接化合物の溶液の混濁度および透明度を算出し
た。この結果を表1に示す。次に、0.5%テトラカイ
ン溶液(pH7.75)、0.5%ブピバカイン溶液
(pH7.25)、2.0%リドカイン溶液(pH7.
75)について、等モル濃度のα−シクロデキストリ
ン、β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β
−シクロデキストリン(以後、HP−β−CDとも称す
る)、あるいはヒドロキシプロピル−γ−シクロデキス
トリン(以後、HP−γ−CDとも称する)をそれぞれ
添加し、参考例1と同じ手法を用いて包接化合物の溶液
を調製した。得られた各局所麻酔薬のシクロデキストリ
ンまたはその誘導体による包接化合物の溶液、および各
局所麻酔薬の単独溶液について、上記と同様にOD(6
20nm)を測定した。得られた吸光度の値から、各包
接化合物の溶液の混濁度および透明度を算出した。この
結果も表1に示す。
ロデキストリンまたはその誘導体で包接して調製した包
接化合物の溶液では、局所麻酔薬単独溶液と比べて、混
濁度は低く、透明度は高くなっている。このことから、
局所麻酔薬をシクロデキストリンまたはその誘導体で包
接することによって、生体に近いpHにおける溶解度が
著しく上昇することが示された。
計検出器(UV−2100、島津製)を用いて波長62
0nmにおける吸光度〔OD(620nm)〕およびp
Hを測定した。次いでこの溶液を攪拌し、5分後、24
時間後、48時間後、72時間後のOD(620nm)
およびpHを測定した。その結果を表2に示す。0.4
%ジブカイン溶液に、等モル濃度のα−シクロデキスト
リンを添加して参考例1と同じ手法を用いて包接化合物
の溶液を調製した。得られた包接化合物の溶液につい
て、上記と同様に、OD(620nm)およびpHを測
定し、さらに溶液を攪拌した後のOD(620nm)お
よびpHも測定した。その結果も表2に示す。
%テトラカイン溶液に等モル濃度のヒドロキシプロピル
−β−シクロデキストリンを添加して調製した包接化合
物の溶液について、上記と同様にしてOD(620n
m)およびpHを測定し、さらに溶液を攪拌した後のO
D(620nm)およびpHも測定した。その結果も表
2に示す。
%ブピバカイン溶液に等モル濃度のα−シクロデキスト
リンを添加して調製した包接化合物の溶液について、上
記と同様にしてOD(620nm)およびpHを測定
し、さらに溶液を攪拌した後のOD(620nm)およ
びpHも測定した。その結果も表2に示す。
リドカイン溶液に等モル濃度のヒドロキシプロピル−β
−シクロデキストリンを添加して調製した包接化合物の
溶液について、上記と同様にしてOD(620nm)お
よびpHを測定し、さらに溶液を攪拌した後のOD(6
20nm)およびpHも測定した。その結果も表2に示
す。
液では、攪拌後ただちに沈殿を生じて混濁し、吸光度が
上昇する。一方、シクロデキストリンまたはその誘導体
で包接した局所麻酔薬の溶液では、48時間〜72時間
を経ても溶液の透明性が保たれることが判明した。この
ことから、局所麻酔薬をシクロデキストリンまたはその
誘導体により包接することによって、溶解性が改善さ
れ、かつ長時間にわたってその高い溶解性が持続するこ
とが示された。
変化させ、各pHにおける溶液の透明性を観察した。そ
の結果を表3および表4に示す。
キストリンまたはその誘導体にて包接し、さらにサリチ
ル酸またはその塩を配合することにより、生体と同じ弱
アルカリ性における溶解性が顕著に改善されることが判
明した。
局所麻酔薬はシクロデキストリンあるいはその誘導体に
て包接することにより溶解性が改善されているため、生
体と同じようなpHにおいても溶解性が高い。このた
め、本発明の局所麻酔薬水溶液は、そのpHが6.5〜
8.5であり、生体に近いpHで使用することが可能で
ある。従って本発明の局所麻酔薬水溶液は、生体組織が
酸性側に傾いている場合にも有効であり、また、当該局
所麻酔薬水溶液を用いることにより、酸性溶液に溶解さ
れた従来の局所麻酔薬の注入部位にみられる局所アシド
ーシスによる痛みが軽減されうる。
添加して得られた溶液について測定した吸収スペクトル
を示す図である。
添加して得られた溶液について差スペクトル法で分析し
た結果を示す図である。
添加して得られた溶液について測定した吸収スペクトル
を示す図である。
添加して得られた溶液について差スペクトル法で分析し
た結果を示す図である。
添加して得られた溶液について差スペクトル法で分析し
た結果を示す図である。
を添加して得られた溶液について測定した吸収スペクト
ルを示す図である。
を添加して得られた溶液について差スペクトル法で分析
した結果を示す図である。
を添加して得られた溶液について測定した吸収スペクト
ルを示す図である。
を添加して得られた溶液について差スペクトル法で分析
した結果を示す図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 シクロデキストリンまたはその誘導体に
て包接された局所麻酔薬を局所麻酔薬自体の濃度で0.
02%以上含有し、pH6.5〜8.5である局所麻酔
薬水溶液。 - 【請求項2】 局所麻酔薬がリドカインまたはその塩で
あり、リドカインまたはその塩をリドカインまたはその
塩自体の濃度で0.1%以上含有する請求項1記載の局
所麻酔薬水溶液。 - 【請求項3】 局所麻酔薬がブピバカインまたはその塩
であり、ブピバカインまたはその塩をブピバカインまた
はその塩自体の濃度で0.1%以上含有する請求項1記
載の局所麻酔薬水溶液。 - 【請求項4】 局所麻酔薬がジブカインまたはその塩で
あり、ジブカインまたはその塩をジブカインまたはその
塩自体の濃度で0.02%以上含有する請求項1記載の
局所麻酔薬水溶液。 - 【請求項5】 局所麻酔薬がテトラカインまたはその塩
であり、テトラカインまたはその塩をテトラカインまた
はその塩自体の濃度で0.02%以上含有する請求項1
記載の局所麻酔薬水溶液。 - 【請求項6】 さらにサリチル酸またはその塩を配合し
てなる請求項1〜5のいずれかに記載の局所麻酔薬水溶
液。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の局所麻
酔薬水溶液を用いて調製された外用剤。 - 【請求項8】 軟膏剤、貼付剤、坐剤のいずれかの態様
である請求項7記載の外用剤。 - 【請求項9】 局所麻酔薬をシクロデキストリンまたは
その誘導体にて包接することを特徴とする、pH6.5
〜8.5における局所麻酔薬の水に対する溶解性改善方
法。 - 【請求項10】 局所麻酔薬がリドカイン、ブピバカイ
ン、ジブカイン、テトラカイン、およびそれらの塩から
なる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項9記
載の局所麻酔薬の水に対する溶解性改善方法。
Priority Applications (6)
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---|---|---|---|
JP9244093A JPH1180030A (ja) | 1997-09-09 | 1997-09-09 | 局所麻酔薬水溶液および局所麻酔薬の溶解性改善方法 |
EP97118411A EP0838225A3 (en) | 1996-10-25 | 1997-10-23 | Aqueous local anesthetic solution |
KR1019970054561A KR19980033113A (ko) | 1996-10-25 | 1997-10-23 | 국소 마취제 수용액, 국소 마취제의 용해도를 개선시키는 방법, 신경독성이 감소된 국소 마취제 및 국소 마취제의 신경 독성을 감소시키는 방법 |
CN97125269A CN1201695A (zh) | 1996-10-25 | 1997-10-24 | 局部麻药及改善水溶性法、减轻神经中毒法和局部麻醉剂 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2005068139A (ja) * | 2003-08-05 | 2005-03-17 | Tendou Seiyaku Kk | 安定な局所麻酔組成物 |
-
1997
- 1997-09-09 JP JP9244093A patent/JPH1180030A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10039449A1 (de) * | 2000-08-11 | 2003-07-24 | Id Pharma Gmbh I Ins | Verwendung einer lokalanästhetikumhaltigen Zusammensetzung zur Behandlung von Hyperalgesien |
JP2005068139A (ja) * | 2003-08-05 | 2005-03-17 | Tendou Seiyaku Kk | 安定な局所麻酔組成物 |
JP4672302B2 (ja) * | 2003-08-05 | 2011-04-20 | 天藤製薬株式会社 | 安定な局所麻酔組成物 |
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