JP4227287B2 - 医薬品用容器兼注射器用ピストン離脱防止ストッパー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、薬液が充填され、打栓された医薬品用容器兼注射器からのピストンの離脱を防止するストッパー及び薬液の高速充填が可能な医薬品用容器兼注射器と、それに装着、固定されるピストン離脱防止ストッパーとがセットになったピストン離脱防止ストッパー付き医薬品用容器兼注射器に関する。
【0002】
【従来の技術】
注射器は、通常、密封性を確保し、内溶液の漏れを防止するために注射筒の内径よりもわずかに大きい径を有するピストンを注射筒に挿入して使用される。
近年、取扱や管理の容易さから、予め薬液等を充填した医薬品用容器兼注射器(pre-filled syringe) の使用が増加している。医薬品用容器兼注射器の構造は、基本的に通常の注射器と同じである。
従来から、薬液が充填された医薬品用容器兼注射器は、下記のようにして製造されている。
【0003】
先ず、薬液をピストン挿入口と同一内径の薬液充填部(注射筒)に充填し、ピストン打栓装置からピストンはピストン挿入口の適度な丸みを有する肩部に、その正常な姿勢を保った状態で単に載置(この状態を本発明では『半打栓』と称する。)される。次に、減圧下に脱気(図1(1)参照)した後、常圧に戻すと容器兼注射器の本体内外の圧力差によってピストンは該本体内に吸引され、いわゆる打栓状態となる(図1(2)参照)。最後に加熱滅菌処理することで薬液が充填された医薬品用容器兼注射器が製造される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
加熱滅菌処理に際しては、注射筒内の脱気後の残存空気及び/又は充填された薬液が膨張し、ピストンが注射筒から離脱する(抜け落ちる)ことがあった。このピストンの離脱は、薬液が充填された医薬品用容器兼注射器の貯蔵・保管中や輸送中にも発生することがあり、ピストンの離脱防止が要望されている。
【0005】
特開平7−313598号公報には、残留加圧空気によるピストンの押し戻しを防止するために、注射筒の薬液充填部のピストン挿入口寄りの内壁面に環状等の凸状突起を設け、ピストンを該突起より下方(注射器型容器の薬液吐出部を下にした状態で)に押し込むことでピストンが所定の位置に挿入されるとともに、ピストンの戻り(離脱)を防止するようにした注射器型容器が開示されている。環状等の凸状突起の設置は、ピストンの戻りを防止するには有効であるが、ピストンを該突起と接触させて無理に該突起を通過させるために、樹脂フィルムラミネートピストンでは樹脂フィルムが破れたり、ピストンの微細な擦過物が薬液に混入する恐れがある。薬液内の不溶性微粒子の存在は、薬液の人体投与により生命を左右する危険性を有しており、薬液中の不溶性微粒子の個数が我が国及び諸外国においても厳しく規制されている。
【0006】
又、ピストン打栓後に注射筒のピストン挿入口全体をプラスチック製やアルミニウム製等のキャップで覆い、端部をフランジの周縁に固定することでピストンの戻りを防止する方法も提案されている。ピストン離脱には効果的であるが、キャップの取り付け及び取り外しが面倒であり、更に、アルミニウム微粉が飛散するという問題がある。
【0007】
従って、本発明の目的は、加熱滅菌後及び貯蔵・保管中や輸送中の注射筒からのピストンの離脱が、衛生上安全に、かつ、簡単な操作で防止される医薬品用容器兼注射器用のピストン離脱防止ストッパーを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、注射筒の一端に吐出口を、他端にフランジ(A)のあるピストン挿入口を有する医薬品用容器兼注射器に薬液を充填し、ピストンを打栓した後ピストン挿入口に装着してピストンの離脱を防止するストッパーであって、上記ストッパーは、ピストン押し棒が挿入可能な円筒状ガイドとその一端の周縁に形成されたフランジ(B)とからなり、上記フランジ(B)には、上記フランジ(A)に設けた孔に嵌合させ、該孔から頭部が出っ張らない突起が形成され、上記フランジ(A)には凹部が形成され、該凹部に上記フランジ(B)を嵌装して、上記フランジ(B)を上記フランジ(A)と同一面とし、上記ストッパーは、その円筒状ガイド又はフランジ(B)で上記医薬品用容器兼注射器のピストン挿入口に固定されることを特徴とするピストン離脱防止ストッパーが提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に好ましい発明の実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
本発明の注射筒の一端に吐出口を、他端にフランジのあるピストン挿入口を有する医薬品用容器兼注射器のピストン挿入口に装着、固定されるピストン脱離防止ストッパー(以下では単にストッパーと称することがある。)は、薬液が充填され、打栓後の加熱滅菌による、あるいは貯蔵・保管中及び輸送中のピストンの離脱を防止するために使用される。
【0010】
本発明が対象とする医薬品用容器兼注射器について図1を参照して説明する。現在広く使用されている医薬品用容器兼注射器1は、従来の円筒状注射器と構造は基本的に同じであり、薬液が充填される注射筒兼容器(注射筒本体)2とその一端に吐出部(ノズル部)3が、他端にフランジ5を有するピストン挿入口4が設けられている。
【0011】
注射筒本体2に薬液を充填するに際しては、吐出部3をゴム製等のキャップ等6で密封し、ピストン挿入口4から所定量の薬液7を充填し、打栓装置でピストン挿入口4にピストン8を載置(半打栓)する(図1(1)参照)。減圧脱気後、常圧に戻すとピストンは注射筒内に吸引され、いわゆる打栓状態となる(図1(2)参照)。この状態で加熱滅菌され、包装後、使用に供されるが、保管・貯蔵中や輸送中に残存空気の膨張等によってピストンが注射筒から抜け落ちるピストン離脱が生じることがある。これを防止するために打栓後にピストン挿入口に装着されるのが本発明のピストン離脱防止ストッパーである。
【0012】
本発明のピストン離脱防止ストッパーは、一例を図3に示すが、その部分が注射筒本体のピストン挿入口に装着される円筒状ガイド12と、その端部の周縁部に形成されたフランジ13とからなり、円筒状ガイド12はピストン押棒(プランジャー)が挿入できる内径を有している。この例では、フランジ12には、注射筒本体のフランジ5に開けた孔9に嵌合させてストッパー11を注射筒本体に固定するためのきのこ様の頭部が平坦な脱着防止突起14が一体に形成されている(図4参照)。円筒状ガイド12は、ピストン挿入口4への装着が容易となるように、外径はピストン挿入口4の内径D1よりやや小さく、内径はピストン8に螺合させるピストン押棒(プランジャー:図4の10)が挿入可能で、ピストン押棒の押し込みに支障をきたさない径であれば特に限定されない。又、円筒状ガイド12の長さは、ストッパー11が、安全、確実に装着される長さであればよく、特に限定されない。フランジ13は、形状は注射筒本体のフランジ5と同じでも異なっていてもよく、大きさは該フランジ5と同じか、それよりも小さいものが好ましい。図3の例では相似形である。又、ストッパー11の円筒状ガイド12の先端部外面は、ピストン挿入口4への装着(挿入)を容易にするためにテーパーに形成されている。図4には、ピストン挿入口4にストッパー11を装着、固定し、ピストン8にピストン押し棒10を連結した状態を示す。
【0013】
ところで、前記の医薬品用容器兼注射器への薬液の充填、脱気、打栓及び滅菌の工程は、全て連続した流れ作業で行われるため、薬液が充填された従来の医薬品用容器兼注射器(図1参照:注射筒本体の内径は一様である)のピストン挿入口へのピストンの載置は、ピストンが正常位から外れて傾いたり、ピストンはその先端部の一部だけがピストン挿入口の肩部にわずかに掛かっているだけの極めて不安定な状態にあるために落下する等の不具合を生じることがある。ピストンの落下は該医薬品用容器兼注射器の脱気工程への移送中及び脱気工程においても生じる。ピストンが傾いた状態で吸引(打栓)されると、このものは製品として使用できず、歩留を低下させる。流れ速度を遅くすれば、上記の不具合を無くすことは可能であるが、生産性は低下し、製造コストは高くなる。現実は、流れ速度を従来よりも早くした高速充填へ移行しつつあり、上記のような不具合を生じない高速充填に対応できるピストンの載置が可能な医薬品用容器兼注射器が必要となっている。
【0014】
本発明者は鋭意検討の結果、図2に一例を示す注射筒本体のピストン挿入口の内径D1を注射筒本体の内径D2よりもやや拡げることで高速充填が可能となることを見いだした。拡径の程度は大きいほどピストン載置時のピストン挿入口への滑り込みは容易、確実となるが、この部分の肉圧が薄くなるので、強度、脱気性、ストッパーの装着及び固定の安定性等を考慮して最適な大きさを決めればよく、拡径の程度は特に限定されない。注射筒本体の内径の10%増以下で十分である。
又、ピストン挿入口の長さH1は、ピストン挿入口の肩部からピストン挿入口内へのピストンの滑り込みを容易にし、同時に注射筒本体2の脱気に支障とならない長さであれば特に制限されないが、好ましくは挿入されるピストン8の長さH2の少なくとも50%、更に好ましくはピストン8と同じ長さ(H2)である。
【0015】
本発明のピストン離脱防止ストッパーは、ピストン挿入口が拡径されていない従来の医薬品用容器兼注射器及びピストン挿入口が拡径された医薬品用容器兼注射器のいずれにも適用することができる。高速充填の観点からは、本発明のピストン離脱防止ストッパーは、ピストン挿入口が拡径された医薬品用容器兼注射器と組合わせて使用することが好ましい。
【0016】
本発明の医薬品用容器兼注射器の材質は、プラスチックが好ましい。プラスチックとしては、従来から注射器及び医薬品用容器兼注射器の製造に使用されているプラスチックがいずれも使用でき、特に制限されない。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ−4−メチル−ペンテン−1、ポリエステル、環状ポリオレフィン等が挙げられる。
【0017】
医薬品用容器兼注射器のピストンは、通常の注射器のピストンとして使用されているものがいずれも使用でき、特に限定されない。例えば、薬液と接触する先端部は円錐状で、注射筒本体の内壁面と接触する慴動部が円柱状に形成されているもの、全体が円柱状に形成されているもの等がある。又、慴動部は全周面が一様に平滑なもの、円周に沿って複数本の襞(突起)を有するもの等がある。これらのピストンは、その全表面、薬液と接触する面等がフッ素樹脂やその他のプラスチックのフィルムでラミネートされたものもある。通常、ピストンの後端部には、ピストン押し棒(プランジャー)を連結する雌ねじ等を有する連結部が形成されている。
【0018】
ピストンの材質は、通常の注射器のピストンの製造に使用されているものがいずれも使用でき、耐薬液性を有するものであれば特に限定されない。例えば、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、部分架橋ブチルゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンモノマ−三元共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、水素化NBR、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、水素化SBR、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)、水素化SBS(SEBSとも称される)等のエラストマーやこれらと樹脂とのポリマーアロイ等が挙げられる。これらは、通常、安全衛生上問題のない架橋剤やその他の配合剤を配合してなる組成物を加熱下のプレス成形等の従来公知の成形手段及び架橋手段で架橋した架橋物として使用される。
【0019】
ピストンは、本発明の医薬品用容器兼注射器の使用に際して、通常、押棒(プランジャー)と連結される。ピストン押棒は、材質はプラスチックが好ましく、プラスチックとしては前記の医薬品用容器兼注射器の製造に使用されるものが挙げられる。ピストン押棒の形状も多様で、特に限定されず、例えば、円筒状、断面がH形状、X形状等がある。押棒の一端にはピストンと連結するための雄ねじ等を有する連結部が、他端にはピストン押棒を加圧するための任意形状のフランジ(ヘッド)が設けられている。
【0020】
ピストン離脱防止ストッパーの材質もプラスチックが好ましく、プラスチックとしては前記の医薬品用容器兼注射器の製造に使用されるものが挙げられる。
該ストッパーを注射筒本体のピストン挿入口に固定する方法は、上記例の突起の嵌合に限られず、他の方法であってもよい。例えば、注射筒本体のピストン挿入口内面に雌ネジを形成し、ストッパーの円筒状ガイド部の外周面に雄ネジを形成し、これらを螺合させる方法(図5);ストッパーの円筒状ガイド部の外周先端部に1個又は2個の突起を設け、ピストン挿入口内面には、その長さ方向のガイド溝及びその先端に円周に沿ったガイド溝をそれぞれ設け、該突起をガイド溝に沿わせて円筒状ガイド部を挿入し、到達点で左又は右方向に回転させることで挿入された円筒状ガイド部をピストン挿入口に固定する方法(図6);ピストン挿入口のフランジに該ストッパーのフランジ部が嵌装可能な凹部を設け、その周壁面に設けた複数の突起でフランジ部を抑え固定する方法(図7);
【0021】
図7同様に注射筒本体のフランジに凹部を形成し、これに該ストッパーのフランジ部を嵌装して、注射筒本体のフランジと同一面とする方法、特に好ましいのは、該ストッパーのフランジ部の突起をピストン挿入口のフランジに開けた孔に嵌合させるが、ピストン挿入口のフランジから突起の頭部が出っ張らないように突起頭部を該フランジに埋め込み式とし、該ストッパーのフランジ部を該フランジに設けた凹部に嵌装して同一面とする方法(図8);図8と類似しているが、ストッパーの円筒状ガイドの内径は注射筒本体の内径と同じ(即ち、ピストン挿入口の肉厚と円筒状ガイドの肉厚の合計が、注射筒本体の肉厚と同じである)で、円筒状ガイドの内面に設けた環状突起でピストン押棒先端の円板を受け止めてピストンの離脱を防止する方法(図9)等が挙げられる。特に好ましいのは図8及び図9の方法である。
【0022】
本発明においては、薬品用容器兼注射器として、その注射筒本体のピストン挿入口内径を注射筒本体の内径よりも大きく形成したものを使用することにより、薬液充填後にピストンを打栓装置からピストン挿入口へ、正常位状態で、且つ安定して載置することができ、減圧下の脱気も支障なく行うことができる。最後にピストンが打栓され、ピストン挿入口にピストン離脱防止ストッパーを装着することで薬品用容器兼注射器の加熱滅菌中や薬品用容器兼注射器の貯蔵中(在庫中及び医療機関における保管中)や輸送中のピストン戻りによるピストンの離脱が防止される。又、本発明では、ピストン挿入口内面には、ピストン戻り防止用の環状等の突起は形成されていないので、ピストン挿入によるラミネート樹脂フィルムの破れやピストンの微細擦過粒子の生成もなく、衛生上も安全である。
本発明の薬品用容器兼注射器は、液状製剤や溶液状態の製剤等を充填して使用されるが、これらの使用態様に限定されるものではない。
【0023】
【実施例】
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。
実施例1、比較例1
ピストン離脱防止ストッパーによるピストン離脱防止効果を以下に示す。
使用した薬品用容器兼注射器は、環状オレフィン樹脂製の図1に示す形状のピストン挿入口が注射筒の内径と同じである従来のものを使用した。内径7mm、長さ70mmでフランジの形状は、ほぼ楕円形(短径15mm、長径28mm)である。フランジには下記のピストン離脱防止ストッパーの突起と嵌合させる孔が開けられている
【0024】
ピストンはブチルゴム製の、先端部が円錐の円柱形状で、摺動面及び先端部がフッ素樹脂フィルムでラミネートされたものであり、外径は注射筒の内径よりやや大きめに形成され、摺動部の長さ(H2)は3mmである。
一方、ピストン離脱防止ストッパーは、環状オレフィン樹脂製の図3に示す形状のものであり、円筒状ガイド部は、外径7mm、内径6mm、長さ5mm、フランジ部は楕円形状(短径12mm、長径24mm、肉厚1.5mm)で、長径線上の対称の位置にそれぞれ頭部平端のきのこ様突起が形成されている。
【0025】
上記の薬品用容器兼注射器にプランジャーを連結したピストンを挿入し、蒸留水を3ml吸引した後、プランジャーを外し、フランジに上記のピストン離脱防止ストッパーを装着し固定した。ノズルに、空気を吸引した注射器(容量10ml)をゴム管で繋ぎ、注射器のピストンを摺動させて薬品用容器兼注射器を加圧したところ、薬品用容器兼注射器のピストンは該ストッパー先端まで押し下げられ、更に加圧してもピストンはピストン離脱防止ストッパーによって離脱は防止され、ゴム管が外れ、加圧は中断された。
一方、ピストン離脱防止ストッパーを装着しない以外は上記と同様にして薬品用容器兼注射器を加圧したところ、薬品用容器兼注射器のピストンは押し下げられてピストン挿入口から抜け落ちた。
【0026】
実施例2
ピストン挿入口をフランジ面より5mmの長さの部分、内径を10.5mmに拡げた以外は実施例1と同じ医薬品用容器兼注射器を作製した。ピストン及びピストン離脱防止ストッパーは実施例1と同じものを用いた。実施例1と同様にしてピストン離脱性を評価したが、実施例1の医薬品用容器兼注射器の場合と同様の結果であった。このピストン挿入口が拡径された医薬品用容器兼注射器と実施例1の薬品用容器兼注射器を用い、通常の充填速度(100本/分)及び高速充填速度(500本/分)時の半打栓時の医薬品用容器兼注射器のピストン挿入口へのピストンの載置状態及び落下を観察した。各医薬品用容器兼注射器を100本用いて比較した。拡径した医薬品用容器兼注射器ではいずれの場合も正常であった。一方、実施例1で用いた医薬品用容器兼注射器では通常の充填速度では正常であったが、高速充填時には30%の不具合が認められた。ピストン挿入口が拡径された医薬品用容器兼注射器では、その部分の内径はピストン径よりも大きく、そのままではピストンは容易に離脱してしまうので、ピストン離脱防止ストッパーの装着は不可欠である。
【0027】
【発明の効果】
以上の本発明によれば、薬液充填後の注射筒内の残留空気等によるピストンの脱離が確実且つ安全に防止される医薬品用容器兼注射器のピストン離脱防止ストッパーが提供される。本発明のピストン離脱防止ストッパーは、ピストン挿入口が注射筒本体の内径よりも大きく形成された医薬品用容器兼注射器と組合せて使用すると、高速充填時のピストン挿入口へのピストンの載置が安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の医薬品用兼注射器を説明する概略断面図。
【図2】 改良された医薬品用兼注射器を説明する概略断面図。
【図3】 本発明のピストン離脱防止ストッパーの一例の斜視図。
【図4】 本発明のピストン離脱防止ストッパーの装着を説明する概略断面図。
【図5】 本発明のピストン離脱防止ストッパーの装着の一例を説明する概略断面図。
【図6】 本発明のピストン離脱防止ストッパーの装着の一例を説明する概略断面図。
【図7】 本発明のピストン離脱防止ストッパーの装着の一例を説明する概略断面図。
【図8】 本発明のピストン離脱防止ストッパーの装着の一例を説明する概略断面図。
【図9】 本発明のピストン離脱防止ストッパーの装着の一例を説明する概略断面図。
【符号の説明】
1:医薬品用兼注射器
2:注射筒本体
3:ノズル
4:ピストン挿入口
5:フランジ
6:ノズルキャップ
7:薬液
8:ピストン
11:ピストン離脱防止ストッパー
12:円筒状ガイド部
13:フランジ部
14:固定用突起
D1:ピストン挿入口の内径
D2:注射筒の内径
H1:ピストン挿入口の長さ
H2:ピストンの長さ
Claims (4)
- 注射筒の一端に吐出口を、他端にフランジ(A)のあるピストン挿入口を有する医薬品用容器兼注射器に薬液を充填し、ピストンを打栓した後ピストン挿入口に装着してピストンの離脱を防止するストッパーであって、上記ストッパーは、ピストン押し棒が挿入可能な円筒状ガイドとその一端の周縁に形成されたフランジ(B)とからなり、上記フランジ(B)には、上記フランジ(A)に設けた孔に嵌合させ、該孔から頭部が出っ張らない突起が形成され、上記フランジ(A)には凹部が形成され、該凹部に上記フランジ(B)を嵌装して、上記フランジ(B)を上記フランジ(A)と同一面とし、上記ストッパーは、その円筒状ガイド又はフランジ(B)で上記医薬品用容器兼注射器のピストン挿入口に固定されることを特徴とするピストン離脱防止ストッパー。
- 上記の医薬品用容器兼注射器が、そのピストン挿入口の内径が注射筒の内径よりも大きく形成されている医薬品用容器兼注射器である請求項1に記載のピストン離脱防止ストッパー。
- ピストン挿入口の肉厚と請求項1に記載のストッパーの円筒状ガイドの肉厚の合計が、上記の医薬品用容器兼注射器の注射筒の肉厚と同じであり、円筒状ガイドの上部内面にはピストン離脱防止突起が形成されている請求項2に記載のピストン離脱防止ストッパー。
- ピストン挿入口の内径が注射筒の内径よりも大きく形成されている請求項1に記載の医薬品用容器兼注射器と、そのピストン挿入口に装着、固定される請求項1に記載のピストン離脱防止ストッパーとからなることを特徴とするピストン離脱防止ストッパー付き医薬品用容器兼注射器。
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