JP2001327600A - 医薬品用容器兼注射器用ピストン離脱防止ストッパー - Google Patents

医薬品用容器兼注射器用ピストン離脱防止ストッパー

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な操作で加熱滅菌後及び貯蔵中や輸送中
等の医薬品用容器兼注射器からのピストンの離脱を防止
するピストン離脱防止ストッパーを提供すること。 【解決手段】 医薬品用容器兼注射器のピストン挿入口
に装着、固定される、ピ、ピストン押し棒が挿入可能な
円筒状ガイドとその一端の周縁に形成されたフランジと
からなり、その円筒状ガイド又はフランジで上記ピスト
ン挿入口に固定されるピストン離脱防止ストッパー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薬液が充填され、
打栓された医薬品用容器兼注射器からのピストンの離脱
を防止するストッパー及び薬液の高速充填が可能な医薬
品用容器兼注射器と、それに装着、固定されるピストン
離脱防止ストッパーとがセットになったピストン離脱防
止ストッパー付き医薬品用容器兼注射器に関する。
【0002】
【従来の技術】注射器は、通常、密封性を確保し、内溶
液の漏れを防止するために注射筒の内径よりもわずかに
大きい径を有するピストンを注射筒に挿入して使用され
る。近年、取扱や管理の容易さから、予め薬液等を充填
した医薬品用容器兼注射器(pre-filled syringe) の使
用が増加している。医薬品用容器兼注射器の構造は、基
本的に通常の注射器と同じである。従来から、薬液が充
填された医薬品用容器兼注射器は、下記のようにして製
造されている。
【0003】先ず、薬液をピストン挿入口と同一内径の
薬液充填部(注射筒)に充填し、ピストン打栓装置から
ピストンはピストン挿入口の適度な丸みを有する肩部
に、その正常な姿勢を保った状態で単に載置(この状態
を本発明では『半打栓』と称する。)される。次に、減
圧下に脱気(図1(1)参照)した後、常圧に戻すと容
器兼注射器の本体内外の圧力差によってピストンは該本
体内に吸引され、いわゆる打栓状態となる(図1(2)
参照)。最後に加熱滅菌処理することで薬液が充填され
た医薬品用容器兼注射器が製造される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】加熱滅菌処理に際して
は、注射筒内の脱気後の残存空気及び/又は充填された
薬液が膨張し、ピストンが注射筒から離脱する(抜け落
ちる)ことがあった。このピストンの離脱は、薬液が充
填された医薬品用容器兼注射器の貯蔵・保管中や輸送中
にも発生することがあり、ピストンの離脱防止が要望さ
れている。
【0005】特開平7−313598号公報には、残留
加圧空気によるピストンの押し戻しを防止するために、
注射筒の薬液充填部のピストン挿入口寄りの内壁面に環
状等の凸状突起を設け、ピストンを該突起より下方(注
射器型容器の薬液吐出部を下にした状態で)に押し込む
ことでピストンが所定の位置に挿入されるとともに、ピ
ストンの戻り(離脱)を防止するようにした注射器型容
器が開示されている。環状等の凸状突起の設置は、ピス
トンの戻りを防止するには有効であるが、ピストンを該
突起と接触させて無理に該突起を通過させるために、樹
脂フィルムラミネートピストンでは樹脂フィルムが破れ
たり、ピストンの微細な擦過物が薬液に混入する恐れが
ある。薬液内の不溶性微粒子の存在は、薬液の人体投与
により生命を左右する危険性を有しており、薬液中の不
溶性微粒子の個数が我が国及び諸外国においても厳しく
規制されている。
【0006】又、ピストン打栓後に注射筒のピストン挿
入口全体をプラスチック製やアルミニウム製等のキャッ
プで覆い、端部をフランジの周縁に固定することでピス
トンの戻りを防止する方法も提案されている。ピストン
離脱には効果的であるが、キャップの取り付け及び取り
外しが面倒であり、更に、アルミニウム微粉が飛散する
という問題がある。
【0007】従って、本発明の目的は、加熱滅菌後及び
貯蔵・保管中や輸送中の注射筒からのピストンの離脱
が、衛生上安全に、かつ、簡単な操作で防止される医薬
品用容器兼注射器用のピストン離脱防止ストッパーを提
供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、注射筒
の一端に吐出口を、他端にフランジのあるピストン挿入
口を有する医薬品用容器兼注射器に薬液を充填し、ピス
トンを打栓した後ピストン挿入口に装着してピストンの
離脱を防止するストッパーであって、上記ストッパー
は、ピストン押し棒が挿入可能な円筒状ガイドとその一
端の周縁に形成されたフランジとからなり、上記ストッ
パーは、その円筒状ガイド又はフランジで上記医薬品用
容器兼注射器のピストン挿入口に固定されることを特徴
とするピストン離脱防止ストッパーが提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】次に好ましい発明の実施の形態を
挙げて本発明を更に詳細に説明する。本発明の注射筒の
一端に吐出口を、他端にフランジのあるピストン挿入口
を有する医薬品用容器兼注射器のピストン挿入口に装
着、固定されるピストン脱離防止ストッパー(以下では
単にストッパーと称することがある。)は、薬液が充填
され、打栓後の加熱滅菌による、あるいは貯蔵・保管中
及び輸送中のピストンの離脱を防止するために使用され
る。
【0010】本発明が対象とする医薬品用容器兼注射器
について図1を参照して説明する。現在広く使用されて
いる医薬品用容器兼注射器1は、従来の円筒状注射器と
構造は基本的に同じであり、薬液が充填される注射筒兼
容器(注射筒本体)2とその一端に吐出部(ノズル部)
3が、他端にフランジ5を有するピストン挿入口4が設
けられている。
【0011】注射筒本体2に薬液を充填するに際して
は、吐出部3をゴム製等のキャップ等6で密封し、ピス
トン挿入口4から所定量の薬液7を充填し、打栓装置で
ピストン挿入口4にピストン8を載置(半打栓)する
(図1(1)参照)。減圧脱気後、常圧に戻すとピスト
ンは注射筒内に吸引され、いわゆる打栓状態となる(図
1(2)参照)。この状態で加熱滅菌され、包装後、使
用に供されるが、保管・貯蔵中や輸送中に残存空気の膨
張等によってピストンが注射筒から抜け落ちるピストン
離脱が生じることがある。これを防止するために打栓後
にピストン挿入口に装着されるのが本発明のピストン離
脱防止ストッパーである。
【0012】本発明のピストン離脱防止ストッパーは、
一例を図3に示すが、その部分が注射筒本体のピストン
挿入口に装着される円筒状ガイド12と、その端部の周
縁部に形成されたフランジ13とからなり、円筒状ガイ
ド12はピストン押棒(プランジャー)が挿入できる内
径を有している。この例では、フランジ12には、注射
筒本体のフランジ5に開けた孔9に嵌合させてストッパ
ー11を注射筒本体に固定するためのきのこ様の頭部が
平坦な脱着防止突起14が一体に形成されている(図4
参照)。円筒状ガイド12は、ピストン挿入口4への装
着が容易となるように、外径はピストン挿入口4の内径
1よりやや小さく、内径はピストン8に螺合させるピ
ストン押棒(プランジャー:図4の10)が挿入可能
で、ピストン押棒の押し込みに支障をきたさない径であ
れば特に限定されない。又、円筒状ガイド12の長さ
は、ストッパー11が、安全、確実に装着される長さで
あればよく、特に限定されない。フランジ13は、形状
は注射筒本体のフランジ5と同じでも異なっていてもよ
く、大きさは該フランジ5と同じか、それよりも小さい
ものが好ましい。図3の例では相似形である。又、スト
ッパー11の円筒状ガイド12の先端部外面は、ピスト
ン挿入口4への装着(挿入)を容易にするためにテーパ
ーに形成されている。図4には、ピストン挿入口4にス
トッパー11を装着、固定し、ピストン8にピストン押
し棒10を連結した状態を示す。
【0013】ところで、前記の医薬品用容器兼注射器へ
の薬液の充填、脱気、打栓及び滅菌の工程は、全て連続
した流れ作業で行われるため、薬液が充填された従来の
医薬品用容器兼注射器(図1参照:注射筒本体の内径は
一様である)のピストン挿入口へのピストンの載置は、
ピストンが正常位から外れて傾いたり、ピストンはその
先端部の一部だけがピストン挿入口の肩部にわずかに掛
かっているだけの極めて不安定な状態にあるために落下
する等の不具合を生じることがある。ピストンの落下は
該医薬品用容器兼注射器の脱気工程への移送中及び脱気
工程においても生じる。ピストンが傾いた状態で吸引
(打栓)されると、このものは製品として使用できず、
歩留を低下させる。流れ速度を遅くすれば、上記の不具
合を無くすことは可能であるが、生産性は低下し、製造
コストは高くなる。現実は、流れ速度を従来よりも早く
した高速充填へ移行しつつあり、上記のような不具合を
生じない高速充填に対応できるピストンの載置が可能な
医薬品用容器兼注射器が必要となっている。
【0014】本発明者は鋭意検討の結果、図2に一例を
示す注射筒本体のピストン挿入口の内径D1を注射筒本
体の内径D2よりもやや拡げることで高速充填が可能と
なることを見いだした。拡径の程度は大きいほどピスト
ン載置時のピストン挿入口への滑り込みは容易、確実と
なるが、この部分の肉圧が薄くなるので、強度、脱気
性、ストッパーの装着及び固定の安定性等を考慮して最
適な大きさを決めればよく、拡径の程度は特に限定され
ない。注射筒本体の内径の10%増以下で十分である。
又、ピストン挿入口の長さH1は、ピストン挿入口の肩
部からピストン挿入口内へのピストンの滑り込みを容易
にし、同時に注射筒本体2の脱気に支障とならない長さ
であれば特に制限されないが、好ましくは挿入されるピ
ストン8の長さH2の少なくとも50%、更に好ましく
はピストン8と同じ長さ(H2)である。
【0015】本発明のピストン離脱防止ストッパーは、
ピストン挿入口が拡径されていない従来の医薬品用容器
兼注射器及びピストン挿入口が拡径された医薬品用容器
兼注射器のいずれにも適用することができる。高速充填
の観点からは、本発明のピストン離脱防止ストッパー
は、ピストン挿入口が拡径された医薬品用容器兼注射器
と組合わせて使用することが好ましい。
【0016】本発明の医薬品用容器兼注射器の材質は、
プラスチックが好ましい。プラスチックとしては、従来
から注射器及び医薬品用容器兼注射器の製造に使用され
ているプラスチックがいずれも使用でき、特に制限され
ない。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリス
チレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ−4−メ
チル−ペンテン−1、ポリエステル、環状ポリオレフィ
ン等が挙げられる。
【0017】医薬品用容器兼注射器のピストンは、通常
の注射器のピストンとして使用されているものがいずれ
も使用でき、特に限定されない。例えば、薬液と接触す
る先端部は円錐状で、注射筒本体の内壁面と接触する慴
動部が円柱状に形成されているもの、全体が円柱状に形
成されているもの等がある。又、慴動部は全周面が一様
に平滑なもの、円周に沿って複数本の襞(突起)を有す
るもの等がある。これらのピストンは、その全表面、薬
液と接触する面等がフッ素樹脂やその他のプラスチック
のフィルムでラミネートされたものもある。通常、ピス
トンの後端部には、ピストン押し棒(プランジャー)を
連結する雌ねじ等を有する連結部が形成されている。
【0018】ピストンの材質は、通常の注射器のピスト
ンの製造に使用されているものがいずれも使用でき、耐
薬液性を有するものであれば特に限定されない。例え
ば、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、部分架橋ブチ
ルゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、エ
チレン−プロピレン−ジエンモノマ−三元共重合ゴム、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、
水素化NBR、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SB
R)、水素化SBR、スチレン−ブタジエンブロック共
重合体(SBS)、水素化SBS(SEBSとも称され
る)等のエラストマーやこれらと樹脂とのポリマーアロ
イ等が挙げられる。これらは、通常、安全衛生上問題の
ない架橋剤やその他の配合剤を配合してなる組成物を加
熱下のプレス成形等の従来公知の成形手段及び架橋手段
で架橋した架橋物として使用される。
【0019】ピストンは、本発明の医薬品用容器兼注射
器の使用に際して、通常、押棒(プランジャー)と連結
される。ピストン押棒は、材質はプラスチックが好まし
く、プラスチックとしては前記の医薬品用容器兼注射器
の製造に使用されるものが挙げられる。ピストン押棒の
形状も多様で、特に限定されず、例えば、円筒状、断面
がH形状、X形状等がある。押棒の一端にはピストンと
連結するための雄ねじ等を有する連結部が、他端にはピ
ストン押棒を加圧するための任意形状のフランジ(ヘッ
ド)が設けられている。
【0020】ピストン離脱防止ストッパーの材質もプラ
スチックが好ましく、プラスチックとしては前記の医薬
品用容器兼注射器の製造に使用されるものが挙げられ
る。該ストッパーを注射筒本体のピストン挿入口に固定
する方法は、上記例の突起の嵌合に限られず、他の方法
であってもよい。例えば、注射筒本体のピストン挿入口
内面に雌ネジを形成し、ストッパーの円筒状ガイド部の
外周面に雄ネジを形成し、これらを螺合させる方法(図
5);ストッパーの円筒状ガイド部の外周先端部に1個
又は2個の突起を設け、ピストン挿入口内面には、その
長さ方向のガイド溝及びその先端に円周に沿ったガイド
溝をそれぞれ設け、該突起をガイド溝に沿わせて円筒状
ガイド部を挿入し、到達点で左又は右方向に回転させる
ことで挿入された円筒状ガイド部をピストン挿入口に固
定する方法(図6);ピストン挿入口のフランジに該ス
トッパーのフランジ部が嵌装可能な凹部を設け、その周
壁面に設けた複数の突起でフランジ部を抑え固定する方
法(図7);
【0021】図7同様に注射筒本体のフランジに凹部を
形成し、これに該ストッパーのフランジ部を嵌装して、
注射筒本体のフランジと同一面とする方法、特に好まし
いのは、該ストッパーのフランジ部の突起をピストン挿
入口のフランジに開けた孔に嵌合させるが、ピストン挿
入口のフランジから突起の頭部が出っ張らないように突
起頭部を該フランジに埋め込み式とし、該ストッパーの
フランジ部を該フランジに設けた凹部に嵌装して同一面
とする方法(図8);図8と類似しているが、ストッパ
ーの円筒状ガイドの内径は注射筒本体の内径と同じ(即
ち、ピストン挿入口の肉厚と円筒状ガイドの肉厚の合計
が、注射筒本体の肉厚と同じである)で、円筒状ガイド
の内面に設けた環状突起でピストン押棒先端の円板を受
け止めてピストンの離脱を防止する方法(図9)等が挙
げられる。特に好ましいのは図8及び図9の方法であ
る。
【0022】本発明においては、薬品用容器兼注射器と
して、その注射筒本体のピストン挿入口内径を注射筒本
体の内径よりも大きく形成したものを使用することによ
り、薬液充填後にピストンを打栓装置からピストン挿入
口へ、正常位状態で、且つ安定して載置することがで
き、減圧下の脱気も支障なく行うことができる。最後に
ピストンが打栓され、ピストン挿入口にピストン離脱防
止ストッパーを装着することで薬品用容器兼注射器の加
熱滅菌中や薬品用容器兼注射器の貯蔵中(在庫中及び医
療機関における保管中)や輸送中のピストン戻りによる
ピストンの離脱が防止される。又、本発明では、ピスト
ン挿入口内面には、ピストン戻り防止用の環状等の突起
は形成されていないので、ピストン挿入によるラミネー
ト樹脂フィルムの破れやピストンの微細擦過粒子の生成
もなく、衛生上も安全である。本発明の薬品用容器兼注
射器は、液状製剤や溶液状態の製剤等を充填して使用さ
れるが、これらの使用態様に限定されるものではない。
【0023】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体
的に説明する。 実施例1、比較例1 ピストン離脱防止ストッパーによるピストン離脱防止効
果を以下に示す。使用した薬品用容器兼注射器は、環状
オレフィン樹脂製の図1に示す形状のピストン挿入口が
注射筒の内径と同じである従来のものを使用した。内径
7mm、長さ70mmでフランジの形状は、ほぼ楕円形
(短径15mm、長径28mm)である。フランジには
下記のピストン離脱防止ストッパーの突起と嵌合させる
孔が開けられている
【0024】ピストンはブチルゴム製の、先端部が円錐
の円柱形状で、摺動面及び先端部がフッ素樹脂フィルム
でラミネートされたものであり、外径は注射筒の内径よ
りやや大きめに形成され、摺動部の長さ(H2)は3m
mである。一方、ピストン離脱防止ストッパーは、環状
オレフィン樹脂製の図3に示す形状のものであり、円筒
状ガイド部は、外径7mm、内径6mm、長さ5mm、
フランジ部は楕円形状(短径12mm、長径24mm、
肉厚1.5mm)で、長径線上の対称の位置にそれぞれ
頭部平端のきのこ様突起が形成されている。
【0025】上記の薬品用容器兼注射器にプランジャー
を連結したピストンを挿入し、蒸留水を3ml吸引した
後、プランジャーを外し、フランジに上記のピストン離
脱防止ストッパーを装着し固定した。ノズルに、空気を
吸引した注射器(容量10ml)をゴム管で繋ぎ、注射
器のピストンを摺動させて薬品用容器兼注射器を加圧し
たところ、薬品用容器兼注射器のピストンは該ストッパ
ー先端まで押し下げられ、更に加圧してもピストンはピ
ストン離脱防止ストッパーによって離脱は防止され、ゴ
ム管が外れ、加圧は中断された。一方、ピストン離脱防
止ストッパーを装着しない以外は上記と同様にして薬品
用容器兼注射器を加圧したところ、薬品用容器兼注射器
のピストンは押し下げられてピストン挿入口から抜け落
ちた。
【0026】実施例2 ピストン挿入口をフランジ面より5mmの長さの部分、
内径を10.5mmに拡げた以外は実施例1と同じ医薬
品用容器兼注射器を作製した。ピストン及びピストン離
脱防止ストッパーは実施例1と同じものを用いた。実施
例1と同様にしてピストン離脱性を評価したが、実施例
1の医薬品用容器兼注射器の場合と同様の結果であっ
た。このピストン挿入口が拡径された医薬品用容器兼注
射器と実施例1の薬品用容器兼注射器を用い、通常の充
填速度(100本/分)及び高速充填速度(500本/
分)時の半打栓時の医薬品用容器兼注射器のピストン挿
入口へのピストンの載置状態及び落下を観察した。各医
薬品用容器兼注射器を100本用いて比較した。拡径し
た医薬品用容器兼注射器ではいずれの場合も正常であっ
た。一方、実施例1で用いた医薬品用容器兼注射器では
通常の充填速度では正常であったが、高速充填時には3
0%の不具合が認められた。ピストン挿入口が拡径され
た医薬品用容器兼注射器では、その部分の内径はピスト
ン径よりも大きく、そのままではピストンは容易に離脱
してしまうので、ピストン離脱防止ストッパーの装着は
不可欠である。
【0027】
【発明の効果】以上の本発明によれば、薬液充填後の注
射筒内の残留空気等によるピストンの脱離が確実且つ安
全に防止される医薬品用容器兼注射器のピストン離脱防
止ストッパーが提供される。本発明のピストン離脱防止
ストッパーは、ピストン挿入口が注射筒本体の内径より
も大きく形成された医薬品用容器兼注射器と組合せて使
用すると、高速充填時のピストン挿入口へのピストンの
載置が安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の医薬品用兼注射器を説明する概略断面
図。
【図2】 改良された医薬品用兼注射器を説明する概略
断面図。
【図3】 本発明のピストン離脱防止ストッパーの一例
の斜視図。
【図4】 本発明のピストン離脱防止ストッパーの装着
を説明する概略断面図。
【図5】 本発明のピストン離脱防止ストッパーの装着
の一例を説明する概略断面図。
【図6】 本発明のピストン離脱防止ストッパーの装着
の一例を説明する概略断面図。
【図7】 本発明のピストン離脱防止ストッパーの装着
の一例を説明する概略断面図。
【図8】 本発明のピストン離脱防止ストッパーの装着
の一例を説明する概略断面図。
【図9】 本発明のピストン離脱防止ストッパーの装着
の一例を説明する概略断面図。
【符号の説明】
1:医薬品用兼注射器 2:注射筒本体 3:ノズル 4:ピストン挿入口 5:フランジ 6:ノズルキャップ 7:薬液 8:ピストン 11:ピストン離脱防止ストッパー 12:円筒状ガイド部 13:フランジ部 14:固定用突起 D1:ピストン挿入口の内径 D2:注射筒の内径 H1:ピストン挿入口の長さ H2:ピストンの長さ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 注射筒の一端に吐出口を、他端にフラン
    ジのあるピストン挿入口を有する医薬品用容器兼注射器
    に薬液を充填し、ピストンを打栓した後ピストン挿入口
    に装着してピストンの離脱を防止するストッパーであっ
    て、上記ストッパーは、ピストン押し棒が挿入可能な円
    筒状ガイドとその一端の周縁に形成されたフランジとか
    らなり、上記ストッパーは、その円筒状ガイド又はフラ
    ンジで上記医薬品用容器兼注射器のピストン挿入口に固
    定されることを特徴とするピストン離脱防止ストッパ
    ー。
  2. 【請求項2】 上記ストッパーのフランジには突起が形
    成され、上記医薬品用容器兼注射器のフランジに設けた
    孔に該突起を嵌合させて固定する請求項1に記載のピス
    トン離脱防止ストッパー。
  3. 【請求項3】 上記の医薬品用容器兼注射器が、そのピ
    ストン挿入口の内径が注射筒の内径よりも大きく形成さ
    れている医薬品用容器兼注射器である請求項1又は2に
    記載のピストン離脱防止ストッパー。
  4. 【請求項4】 ピストン挿入口の肉厚と請求項2に記載
    のストッパーの円筒状ガイドの肉厚の合計が、上記の医
    薬品用容器兼注射器の注射筒の肉厚と同じであり、円筒
    状ガイドの上部内面にはピストン離脱防止突起が形成さ
    れている請求項3に記載のピストン離脱防止ストッパ
    ー。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の医薬品用容器兼注射器
    及びそのピストン挿入口に装着、固定される請求項2又
    は1に記載のピストン離脱防止ストッパーとからなるこ
    とを特徴とするピストン離脱防止ストッパー付き医薬品
    用容器兼注射器。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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