JP4226594B2 - モード切換弁及びこれを備えたアクチュエーションシステム - Google Patents

モード切換弁及びこれを備えたアクチュエーションシステム Download PDF

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Description

本発明は、油圧アクチュエータ及び電油圧サーボ弁を用いて航空機の舵面を制御するアクチュエーションシステムに関し、特にフライ・バイ・ワイヤ方式の舵面制御装置に機械的なバックアップ機構を併設したアクチュエーションシステムに関する。
従来、航空機の舵面(昇降舵、方向舵、補助翼等の飛行制御翼面)を機械的リンケージに頼らないで制御するフライ・バイ・ワイヤ(Fly-By-Wire:以下、FBWという)方式の自動飛行制御システムが実現されているが、航空機には人命尊重のため高度な安全性と信頼性が要求されることから、FBW制御が不可能になるような電気系の故障が生じた場合でも操縦桿からの手動操作入力に応じた舵面制御を可能にする必要がある。そこで、舵面制御アクチュエータの給排制御機構に設けたインプットリンク(機械的入力部)と操縦桿とを比較的簡素な機械的リンケージにより結合させ、機械的に操縦制御を行うことができるバックアップ機構を併設したものがある。
この種のアクチュエーションシステムにおいては、正常時の舵面制御は、パイロットからの信号をFCC(Flight control Computer)を介してアクチュエータに伝達しコントロールするFly By Wire制御(以下、FBWモードと称す)にて行うが、そのFly By Wire制御装置の故障等の緊急時には、パイロットからの機械的信号をリンク等を介しアクチュエータに伝達するメカニカル制御(以下、この動作モードをメカニカルモードという)にて舵面を制御する。また、一系統で油圧失陥等の故障が生じたときには、その故障系統のアクチュエータが他の正常系統の作動を阻害しないよう、故障系統のアクチュエータの一方の室と他方の室とを直接連通(バイパス)させるようになっている(以下、この動作モードをバイパスモードという)。すなわち、上述したFBWモードと機械的に操縦制御(以下、メカニカルモードという)の切換えのみならず、様々な故障モードに応じて流体回路の切換制御を行う舵面制御を行うようになっている(例えば、特許文献1参照)。
なお、前記機械的リンケージを利用してバックドライブ機構を構成することで、FBWモードにおいても舵面位置に応じて操縦桿を揺動させ、コックピット内のパイロットが舵面位置やその位置変化等を視認できるようにすることができる。
特開平10−230898号公報
上述したような従来のモード切換弁及びアクチュエーションシステムにあっては、モード切換弁内のスプールを移動することによりモードの切換えを行っているが、例えば3つのモードを有するモード切換弁では、バイパスモードのスプール位置はFBWモードとメカニカルモードの間にあったため、モード切換え中(スプールの移動中)にスプールがハウジングに固着すると、バイパスモード位置、あるいはバイパスモードとFBWモードの重なる位置、又は、バイパスモードとメカニカルモードの重なる位置でモード切換え弁が切換えできなくなり、その場合、操縦不能となったり操縦性が著しく低下したりする可能性があった。
そこで本発明は、メカニカルモードとFBWモードの間のモード切換え途中でモード切換弁が固着しても、操縦不能状態等に陥ることがないアクチュエーションシステムを提供するものである。
本発明のモード切換え弁は、上記課題を解決するため、複数組の供給圧ポート及びリターンポートと該複数組の供給圧ポート及びリターンポートのうちいずれか一組の供給圧ポート及びリターンポートに選択的に接続される一方及び他方の制御圧ポートとが形成されたハウジングと、前記複数組のうちいずれか一組の供給圧ポート及びリターンポートを選択して前記一方及び他方の制御圧ポートに接続する複数の給排モード位置と前記一方及び他方の制御圧ポートを連通させるバイパス通路を形成するバイパスモード位置とのうち任意の切換え位置をとり得るようハウジング内に移動可能に収納された弁体と、を備えたモード切換弁において、前記弁体が一方側のストロークエンドに位置するとき前記給排モード位置のいずれかに切り換わり、前記弁体が他方側のストロークエンドに位置するときバイパスモード位置に切り換わることを特徴とする。
この発明のモード切換え弁では、複数の給排モード位置のいずれかに切り換わるときには、弁体がバイパスモード位置となるストロークエンドに移動することがなく、バイパスモードへの切換え時のみ、該弁体がこのストロークエンドに移動する。したがって、モード切換えの途中でスプールがハウジングに固着するようなことがあっても、バイパスモードの位置になったり、FBWモード又はメカニカルモードのいずれかとバイパスモードとが部分的に重なったりするといった不具合がなくなる。
本発明においては、前記弁体を前記移動方向の一方側に付勢して該弁体を前記一方側の最端位置に位置させる付勢手段と、該付勢手段の付勢力に抗して前記弁体を前記一方側の最端位置から前記移動方向の他方側に向かって所定位置まで移動させ、前記給排モード位置を切換えることができる第1の移動手段と、前記弁体を前記移動方向の他方側に付勢し、該弁体を前記所定位置より移動方向の他方側に移動させる第2の移動手段と、を備え、前記第1及び第2の移動手段を選択的に作動させるようにするのが好ましい。
さらに、本発明のアクチュエーションシステムは、シリンダ内に収納されたピストンの両側に一方及び他方の流体室を形成し、両流体室への作動流体の供給及び排出によりピストンを移動させるアクチュエータと、機械的操作入力に応じて作動する機械式制御弁及び電気制御信号入力に応じて作動する電気式制御弁を有し、両制御弁のうち何れかにより前記一方及び他方の流体室への作動流体の供給及び排出を制御する給排制御機構と、前記機械式制御弁及び電気式制御弁のうちいずれかを切換え操作圧に応じ選択して前記アクチュエータへの作動流体の給排通路に挿入するモード切換弁と、外部からの機械的操作入力を前記機械式制御弁に伝達する操作力伝達部材を有し、前記モード切換弁によって前記機械式制御弁が前記アクチュエータへの作動流体の給排通路に挿入されたとき、該操作力伝達部材を介した操作入力により前記機械式制御弁を作動させるバックアップ機構と、を備えたアクチュエーションシステムにおいて、前記モード切換弁が、複数組の供給圧ポート及びリターンポートと該複数組の供給圧ポート及びリターンポートのうちいずれか一組の供給圧ポート及びリターンポートに選択的に接続される一方及び他方の制御圧ポートとが形成されたハウジングと、前記複数組のうちいずれか一組の供給圧ポート及びリターンポートを選択して前記一方及び他方の制御圧ポートに接続する複数の給排モード位置と前記一方及び他方の制御圧ポートを連通させるバイパス通路を形成するバイパスモード位置とのうち任意の切換え位置をとり得るようハウジング内に移動可能に収納された弁体と、前記弁体を前記移動方向の一方側に付勢して該弁体を前記一方側の最端位置に位置させる付勢手段と、該付勢手段の付勢力に抗して前記弁体を前記一方側の最端位置から前記移動方向の他方側に向かって所定位置まで移動させ、前記給排モード位置を切換えることができる第1の移動手段と、前記弁体を前記移動方向の他方側に付勢し、該弁体を前記所定位置より移動方向の他方側に移動させる第2の移動手段と、を備えたことを特徴とするものである。
この発明では、例えば電気式制御弁による制御モードと機械式制御弁による制御モードとの間(メカニカルモードとFBWモードの間)の切換え途中でモード切換弁が固着してしまっても、バイパスモードの位置、あるいはバイパスモードとFBWモードの重なる位置、又は、バイパスモードとメカニカルモードの重なる位置でスプールが停止することがなくなり、操縦不能となったり操縦性が著しく低下するといった問題が解消される。
また、前記弁体の位置を検出する弁体位置検出手段を設け、該弁体位置検出手段の検出情報に基づいて前記第1及び第2の移動手段を選択的に作動させるようにすると、現在の弁体位置に応じたより好ましい切換え操作を行い、多くの故障モードに対応することができる。
本発明によれば、複数の給排モード位置のいずれかに切り換わるときに弁体がバイパスモード位置となるストロークエンドに移動することがなく、バイパスモードへの切換え時のみ該弁体がこのストロークエンドに移動するように構成しているので、モード切換えの途中でスプールがハウジングに固着するようなことがあっても、バイパスモードの位置になったり、FBWモード又はメカニカルモードのいずれかとバイパスモードとが部分的に重なったりするといった不具合をなくすことができる。その結果、操縦不能状態等に陥ることがないアクチュエーションシステムを提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
図1〜図6は、本発明の第1実施形態に係るモード切換弁及びアクチュエーションシステムを示す図である。なお、この実施形態は本発明を並列する多重液圧制御系統のそれぞれに適用したものであるが、図面にはその1系統のみの構成を図示している。また、以下に説明する構成は同一の舵面を駆動する各制御系統について共通するものである。
まず、構成を説明する。
図1〜図3において、10は油圧アクチュエータであり、アクチュエータ10はシリンダ11及びピストン12を有している。
このアクチュエータ10は、シリンダ11内に収納されたピストン12の軸方向両側に一方及び他方の油室13,14(流体室)を画成したものであり、これら二つの油室13,14のうち一方に作動油(作動流体)を供給し他方から排出することにより、ピストン12に油圧力を作用させ、ピストン12を移動させるようになっている。
また、アクチュエータ10はそのブラケット部10aで図示しない航空機の機体側構造部材に揺動自在に支持されており、ピストン12のロッド部12eは航空機の舵面の駆動部材(図示していない)に連結されている。
また、アクチュエータ10の油室13,14には後述する給排制御機構20を介して作動油が供給及び排出され、給排制御機構20には供給圧Pの作動油を供給する図示しない流体供給源と、アクチュエータ10から排出される作動油を蓄えて流体供給源側に戻すリザーバ回路とが接続されている。21は給排制御機構20の供給通路であり、この供給通路21には逆止弁23と図示しないフィルタが設けられている。
25は機械的操作入力に応動するインプットリンクであり、このインプットリンク25は図1中の上下両端側の何れからも操作力を入力し得る揺動式の操作力伝達部材として構成されている。すなわち、インプットリンク25の第1移動端部25a(図1中の上端部)はパイロットによって操作される図外の操縦桿若しくはペダル等の手動操作部材に機械的リンケージを介して連結されており、インプットリンク25の第2移動端部25b(図1中の下端部)はピストン12のロッド部12eに揺動可能に支持されている。
また、インプットリンク25は、両移動端部25a,25bの間にサミングポイント25c(弁操作点部)を有し、第1移動端部25aからの手動操作量と第2移動端部25bからの機械的フィードバック量との偏差に相当する機械的変位を、弁操作量としてサミングポイント25cから出力するようになっている。
31は、インプットリンク25により4ポートを開閉操作及び開度調節される3位置切換え可能な機械式制御弁であり、機械式制御弁31は供給通路21の分岐路21aに接続された供給圧ポート31aと、油路28(排出通路)を介して前記リザーバ回路に接続されるリターンポート31bと、操作入力に応じて両ポートに接続される一対の制御圧ポート31c,31dとを有している。この機械式制御弁31は、供給圧ポート31aと制御圧ポート31c又は31dとを通して、油室13又は14に流体圧供給源からの作動油を供給するとともに、油室14又は13からの作動油をリターンポート31bを通して排出させることができ、さらに、供給圧ポート31a及びリターンポート31bと制御圧ポート31c,31dとの接続を遮断して両油室13,14への作動油の供給及び排出を停止することができる。なお、図1において、31eは機械式制御弁31の弁体、31f,31gはそれぞれ機械式制御弁31を中立位置に付勢する付勢手段、例えばセンタリングスプリングであり、31hは各ポート31a,31b,31c及び31dが形成された略スリーブ状の操作入力部であり、パイロット圧導入部31hはインプットリンク25からの操作入力に応じて弁体31eと相対移動し、各ポート31a,31b,31c及び31dの開度を変化させることができる。また、油路28には前記リザーバ回路から所定値の背圧が付与されている。
32は、図外のFCCからの電気制御信号Sa,Sbにより4ポートを開閉操作及び開度調節するよう電磁駆動される3位置切換え可能な電気式制御弁であり、電気式制御弁32は、流体圧供給源からの作動油を導入する供給圧ポート32aと、リザーバ回路に作動油を排出するリターンポート32bと、制御信号Sa,Sbの入力に応じて両ポート32a,32bに接続される一対の制御圧ポート32c,32dとを有している。この電気式制御弁32は、例えば電気制御信号Sa,Sbに応じ弁体32eを電磁駆動することにより、電気制御信号Sa又はSbの信号レベルに応じ一対の制御圧ポート32c,32dを通して油室13又は14に前記流体圧供給源からの作動油を供給するとともに、油室14又は13からの作動油をリターンポート32bを通して前記リザーバ回路に排出させることができる。さらに、電気式制御弁32は、供給圧ポート32a及びリターンポート32bと制御圧ポート32c,32dとの接続を遮断して油室13,14への作動油の供給及び排出を停止することができる。なお、前記電気制御信号Saは例えば舵角増加方向の信号、前記電気制御信号Sbは例えば舵角減少方向の信号であり、それぞれ操舵量に応じた電気制御信号として電気式制御弁32の電磁駆動部32j,32kに入力される。
アクチュエータ10の一方及び他方の油室13,14は、6ポート3位置切換弁であるモード切換弁33の切換えにより、制御弁31,32のうち何れか一方の制御圧ポート31c,31d又は32c,32dに接続されるようになっている。
モード切換弁33は、アクチュエータ10への作動油の供給・排出通路である油路21及び28のうち少なくとも一方、例えば両方の油路に設けられており、このモード切換弁33は、制御弁31,32のそれぞれの制御圧ポート31c,31d及び32c,32dに接続される各一対の制御弁側ポート33a,33b及び33c,33dと、一方及び他方の油室13,14に接続された一対のアクチュエータ側ポート33f,33gと、弁体33jと、弁体33jをその移動方向の片側(移動方向の他方側)に付勢して給排モード位置を切換えることができるパイロット圧導入部33h,33iとを有している。また、モード切換弁33は、パイロット圧導入部33h,33iからの付勢力に応じて変位する弁体33jと、この弁体33jをパイロット圧導入部33h,33iとは逆の方向に付勢してその移動方向一方側の最端位置に位置させるスプリング33k(付勢手段)とを備えており、これら付勢力により、制御弁31,32のうち任意の一方の制御圧ポート31c,31d又は32c,32dを油室13,14に接続することができる。
具体的には、モード切換弁33のパイロット圧導入部33hには供給通路21からFBWソレノイドバルブ35を介してパイロット圧Pa1が供給され、モード切換弁33のパイロット圧導入部33iには供給通路21からバイパスソレノイドバルブ36を介してパイロット圧Pa2が供給されるようになっており、これらソレノイドバルブ35,36のON/OFFによってパイロット圧Pa1,Pa2が切換え制御され、弁体33jに対しスプリング33kからの一方側への付勢力とパイロット圧Pa1,Pa2に基づく逆向きの付勢力とが作用することによって、モード切換弁33は図1〜図3にそれぞれ示した異なる3つ(複数)の給排モード位置に切り換えられるようになっている。なお、図1は弁体33jがFBWモード位置に切り換えられている状態を示し、図2は弁体33jがメカニカルモード位置に、図3は弁体33jがバイパスモード位置に、それぞれ切り換えられている状態を示している。さらに、モード切換弁33は、図3に示すように、弁体33が移動方向他方側の最端位置に位置するときには、油室13,14に接続するアクチュエータ側ポート33f,33gを互いに連通させ、制御弁31,32をバイパスして油室13,14を油路28に接続することができる。そして、弁体33jが一方側のストロークエンド(一方側の移動端)に位置するときには給排モード位置のいずれか、例えばメカニカルモード位置に切り換わり、弁体33jが他方側のストロークエンドに位置するときにはバイパスモード位置に切り換わるようになっている。
パイロット圧導入部33hへのパイロット圧Pa1は、FBWソレノイドバルブ35がON(図1)の状態では流体圧供給源からの供給圧Pとなり、ソレノイドバルブ35がOFF(図2)の状態では戻り側の低圧(前記リザーバ回路による背圧)まで低下する。このソレノイドバルブ35は、制御弁31,32の供給圧ポート31a,32aに接続された高圧側入口ポート35aと、制御弁31,32のリターンポート31b,32bに接続された低圧側入口ポート35bと、FCCからのモード切換制御信号Sc1に応じて両入口ポート35a,35bのうち何れか一方に接続される出口ポート35cとを有している。また、バイパスソレノイドバルブ35は、弁体35d、スプリング35e及び電磁駆動部35fを有し、電磁駆動部35fに切換制御信号Sc1が入力されるときに弁体35dを図1に示すON位置に変位させて、出口ポート35cを通しモード切換弁33にパイロット圧Pa1を加えるようになっている。すなわち、ソレノイドバルブ35は、前記FCCからのモード切換制御信号Sc1に応じて、前記流体圧供給源及びリザーバ回路のうち何れか一方側の作動油圧を、パイロット圧Pa1としてモード切換弁33のパイロット圧導入部33hに供給する。
また、パイロット圧導入部33iへのパイロット圧Pa2は、バイパスソレノイドバルブ36がON(図3)となるとき、流体圧供給源からの供給圧Pとなり、通常は、バイパスソレノイドバルブ36がOFF(図1)の状態となることにより、戻り側の低圧(前記リザーバ回路による背圧)まで低下している。ソレノイドバルブ36は、ソレノイドバルブ35と同様に、制御弁31,32の供給圧ポート31a,32aに接続された高圧側入口ポート36aと、制御弁31,32のリターンポート31b,32bに接続された低圧側入口ポート36bと、FCCからのモード切換制御信号Sc1に応じて両入口ポート36a,36bのうち何れか一方に接続される出口ポート36cとを有している。
また、バイパスソレノイドバルブ36は、弁体36d、スプリング36e及び電磁駆動部36fを有し、電磁駆動部36fに切換制御信号Sc2が入力されるときに弁体36dを図1に示すON位置に変位させて、出口ポート36cを通しモード切換弁33にパイロット圧Pa2を加えることができる。すなわち、ソレノイドバルブ36は、前記FCCからのモード切換制御信号Sc2に応じて、前記流体圧供給源及びリザーバ回路のうち何れか一方側の作動油圧を、パイロット圧Pa2としてモード切換弁33のパイロット圧導入部33iに供給する。
図4〜図6に基づいてより詳述すると、モード切換弁33は、ハウジング61内にスリーブ62を設け、このスリーブ62内にスプール63を摺動自在に収納して構成されており、スプール63はばね受けを兼ねた拡径部63aと弁体133jとからなる。また、スリーブ62には図5に示すように制御弁側ポート33a〜33d、リターンポート33e、アクチュエータ側ポート33f,33g及びパイロット圧ポート62h,62iが形成されている。ハウジング61には、これらのポート33a〜33g及び62h,62iに対応して、複数の油路61a,61b,61c,61d,61e,61f,61g,61h,61iが形成されるとともに、スプール63(弁体33j)の位置を検出する差動変圧器等の位置検出器34が取り付けられている。さらに、スプール63の内部にはバイパス通路63bが形成されており、このバイパス通路63bはスプール63が図7に示す右側の移動端に位置するとき、ポート33e,33f,33gを互いに連通させることができ、制御弁31,32をバイパスしてアクチュエータ10の油室13,14を直接に接続することができる。
また、スリーブ62の図4中の左端側には、パイロット圧ポート62hと共にパイロット圧導入部31hを構成するピストン65が摺動自在に収納されている。このピストン65は、パイロット圧ポート62hを通してFBWソレノイドバルブ35からの高圧のパイロット圧Pa1を受圧するとき、スリーブ62の段付き部62mに突き当たる所定位置まで移動し、その移動に伴ってスプール63を図4及び図5に示す位置に移動させることができる。このときのモード切換弁33の切換え位置は、電気式制御弁32に接続する制御弁側ポート33a,33bがアクチュエータ側ポート33f,33gに連通するFBWモード位置であり、電気式制御弁32の作動によりアクチュエータ10の作動が制御される。
ピストン65は、FBWソレノイドバルブ35がOFFとなってパイロット圧ポート62hが戻り側の油路28に通じたときには、スプリング33kの付勢力によって図6に示すように同図中の左側の移動端に復帰し、スプール63を図6に示す位置に移動させる。このときのモード切換弁33の切換え位置は、機械式制御弁31に接続する制御弁側ポート33c,33dがアクチュエータ側ポート33f,33gに連通するメカニカルモード位置であり、機械式制御弁31の作動によりアクチュエータ10の作動が制御される。
さらにバイパスソレノイドバルブ36がONとなり、パイロット圧ポート62iを通してピストン65とスプール63の間のバイパス操作圧室66に高圧のパイロット圧Pa2が導入されたときには、図7に示すように、その油圧力によりスプール63はスプリング33kに抗して同図中の右側の移動端に移動する。このときのモード切換弁33の切換え位置は、スプール63がバイパス通路63bを通してアクチュエータ10の油室13,14を連通させるバイパスモード位置である。
前記ピストン65及びパイロット圧ポート61h、すなわちパイロット圧導入部31hは、スプリング33kの付勢力に抗して弁体33jを図4及び図5中の左側の移動端(一方側の最端位置)から同図中の右側(移動方向の他方側)に向かって所定位置まで移動させ、給排モード位置を切換えることができる第1の移動手段を構成しており、パイロット圧導入部31iを構成するパイロット圧ポート61i及びバイパス操作圧室66は、スプリング33kに抗して弁体33jを移動方向の他方側に付勢し、この弁体33jを前記所定位置より移動方向の他方側に移動させる第2の移動手段を構成している。これら第1及び第2の移動手段は位置検出器34の検出情報に基づいてソレノイドバルブ35,36を適宜ON/OFFさせることにより選択的に作動させることができ、モード切換弁33の切換え操作をなすことができる。
前記機械式制御弁31、インプットリンク25及び操縦桿までの機械的リンケージは、FCCによるFBW制御が実行できない電気系統の故障時に、操縦桿からの手動操舵を可能にするバックアップ機構30を構成しており、FCCからの電気制御信号Sa、Sbにより電気式制御弁32を作動させることができなくなるような何らかの故障が生じた場合には、操縦桿からの操作入力を給排制御機構20の機械式制御弁31に伝達し、機械的リンケージを介した手動操縦入力により給排制御機構20を作動させるようになっている。また、FCCは、FBW制御を実行する間、舵面位置(舵角)センサからのフィードバック信号や航空機の応答(ピッチ、ロール及びヨーの応答)を観測する図示しない運動センサ等からの信号により、多重化されたそれぞれの制御系が正常に作動しているか否かを常時チェックし、後述するような舵面制御を実行する。
以下、作用を説明する。
(1)通常のFBWモード
通常のFBWモードにおいては、パイロットによる操縦桿の手動操作量又は自動操縦のための必要操舵量に応じてパイロットコマンドが生成される。そして、この入力コマンドと舵面位置センサからのフィードバック信号等との偏差に応じた電気制御信号Sa又はSbが生成され、各制御系統の電気式制御弁32に入力される。このとき、FBWソレノイドバルブ35はパイロット圧供給位置に電磁駆動するための切換制御信号Sc1が入力され、ON状態となっているが、バイパスソレノイドバルブ36はOFF状態となっている。
前記入力コマンドと位置センサからのフィードバック信号とに差が生じると、その偏差に応じた電気制御信号(以下、偏差信号という)Sa又はSbにより電気式制御弁32が弁体32eを中立位置から変位させるように駆動され、制御圧ポート32c,32dが開かれることで、一方の油室13又は14に流体圧供給源からの作動油が供給されるとともに、他方の油室14又は13からの作動油がリターンポート32bを通して排出される。したがって、ピストン12が油室13,14の間の差圧に応じた推力を発生して、舵面を入力コマンドに対応する舵角位置へと制御する。次いで、前記パイロットコマンドと舵面位置センサからの信号との差がほぼゼロになると、偏差信号Sa又はSbが初期値(例えばゼロ)となり、供給圧ポート32a及びリターンポート32bと制御圧ポート32c及び32dとの接続が遮断されて、油室13,14への作動油の供給及び排出が停止される。
なお、所定の操作がされると、自動操縦モードから手動操縦モードに切り換えられる。例えば自動操縦モードでの飛行中に危険回避等のために手動操舵がなされたとき、パイロットの手動操縦入力を確実に優先させる状態とする。
(2)1系統が故障した場合のFBWモード
多重化した複数の制御系統のうち何れかの制御系統の電気回路に故障が生じると、故障の生じた制御系統では、ソレノイドバルブ35が正常に電磁駆動されないため、パイロット圧Pa1が低下する。したがって、故障系統では、モード切換弁33が機械式制御弁31による給排制御位置に切り換えられる(図6参照)。
このとき、パイロット圧Pa1の低下(切換え操作圧の所定の変化)に応じて、モード切換弁33が図4に示すFBWモード位置から図6に示すメカニカルモード位置に切り換わるが、弁体33jが他方側のストロークエンドに移動することがない。したがって、モード切換の途中でスプール63がハウジングに固着するようなことがあっても、バイパスモードの位置になったり、FBWモード又はメカニカルモードのいずれかとバイパスモードとが部分的に重なったりするといった問題が生じない。
ところで、メカニカルモードにおいては、インプットリンク25から機械式制御弁31に操作力が伝達可能になる。したがって、一系統のみが故障した状態においては、他の制御系統からの操舵力で駆動されるインプットリンク25により機械式制御弁31を操作し、故障系統におけるアクチュエータ10を他系統のアクチュエータ動作に追従させることができるから、故障の生じた制御系統では機械的リンケージを介した制御を行いながら、正常な制御系統でのFBW制御を行うことができ、パイロットの操縦負荷を軽減できる。
もちろん、正常な制御系統を手動操縦モードに切り換えて全制御系統を操縦桿の手動操作に応じて作動させ、手動操縦による正常な飛行をすることもできる。
(3)メカニカルモード
多重化した全制御系統に影響する電気回路の故障が生じた場合、FBW制御はできなくなり、各制御系統においてFBWソレノイドバルブ35が正常に電磁駆動されないため、パイロット圧Pa1が低下する。
したがって、上述の場合と同様に、パイロット圧Pa1の低下に応じて、モード切換弁33が機械式制御弁31をアクチュエータ10への作動油の供給通路及び排出通路に挿入する。
このとき、パイロット圧Pa1の低下に応じて、モード切換弁33が図4に示すFBWモード位置から図6に示すメカニカルモード位置に切り換わるが、上述のように弁体33jが他方側のストロークエンドに移動することがないから、モード切換の途中で弁体33jを構成するスプール63がハウジングに固着するようなことがあっても、バイパスモードになったり、FBWモード又はメカニカルモードのいずれかとバイパスモードとが部分的に重なったりするといった問題が生じない。
モード切換え後は、操縦桿からの手動操作入力によりインプットリンク25を介して機械式制御弁31が操作され、その手動操作に応じた開度で制御圧ポート31c,31dが開かれ、片方の油室13又は14に流体圧供給源からの作動油が供給されるとともに、残りの油室14又は13からの作動油がリターンポート31bを通してリザーバ回路に排出される。これにより、各制御系統のアクチュエータ10内でピストン12が油室13,14の間の差圧に応じた推力を発生し、ピストン12のロッド部12eが舵面を操縦桿の手動操作量(パイロットコマンド)に対応する舵角位置へと制御する。
(4)バイパスモード
一方、多重化した複数の制御系統のうち何れかの制御系統に所定レベルの油圧が供給されなくなるような油圧失陥が生じた場合、FBWソレノイドバルブ35が正常状態と同様に電磁駆動されていても故障系統においてはパイロット圧Pa1が低下する。
このとき、バイパスソレノイドバルブ36にパイロット圧供給位置に電磁駆動するための切換制御信号Sc2が入力され、バイパスソレノイドバルブ36がON状態とされる。したがって、パイロット圧ポート62iを通してバイパス操作圧室66に高圧のパイロット圧Pa2が導入され、図7に示すように、モード切換弁33がスプール63のバイパス通路63bを通してアクチュエータ10の油室13,14を連通させるバイパスモードとなる。
この状態においては,FBWモード若しくはメカニカルモードでの動作が可能な他の制御系統のアクチュエータ10に対してバイパスモードのアクチュエータ10をほぼ無抵抗として、他の制御系統によるFBWモード若しくはメカニカルモードでの操縦制御ができる。
上述のように、本実施形態においては、バイパスモードを弁体33jのストロークエンドに設定することにより、弁体33jの固着等によってFBWモードとメカニカルモードの間でのモード切換時にバイパス(直接連通)モードになってしまうおそれがない。また、スプール63とピストン65を用いた程度の簡素な構造でそのような3位置切換えができるから、信頼性が高くかつ安価なモード切換え弁とし、アクチュエーションシステムの信頼性を高めることができる。
なお、上述の説明においては、バイパスモード位置と反対のストロークエンドをメカニカルモード位置に設定したが、図8に示すようにハウジング61の通路配置を異ならせる等して、FBWモード位置とすることができることはいうまでもない。
(第2実施形態)
図9〜図18は本発明の第2実施形態に係るモード切換弁及びアクチュエーションシステムを示す図である。なお、この実施形態は、タンデム型のアクチュエータとそれに対応する電気式制御弁及び機械式制御弁を採用したものであるが、その各制御系は上述の実施形態と類似する構成を有するので、上述例との相違点のみについて説明する。
図9〜図11において、110はタンデム型のアクチュエータであり、このアクチュエータ110は各一対の油室113A,113B及び114A,114Bを有している。また、131は機械式制御弁で、インプットリンク25により8ポートを開閉操作及び開度調節される3位置切換え可能な構造になっている。この機械式制御弁131は、2つの油圧系統A,Bの供給通路211,212の分岐路211a,221aに接続された各一対の供給圧ポート131aと、2つの油圧系統A,Bの戻り側の油路281,282を介して前記リザーバ回路に接続される各一対のリターンポート131bと、インプットリンク25の機械的操作入力に応じて両ポート131a,131bに接続される各一対の制御圧ポート131c,131dとを有している。また、機械式制御弁131は、供給圧ポート131aと制御圧ポート131c又は131dとを通して、油室113A,113B又は114A,114Bに流体圧供給源からの作動油を供給するとともに、油室114A,114B又は113A,113Bからの作動油をリターンポート131bを通して排出させることができ、さらに、供給圧ポート131a及びリターンポート131bと制御圧ポート131c,131dとの接続を遮断して両油室113A,113B,114A,114Bへの作動油の供給及び排出を停止することができる。なお、131eは機械式制御弁131の弁体、131f,131gはそれぞれ機械式制御弁131を中立位置に付勢する付勢手段、例えばセンタリングスプリングであり、131hは各ポート131a〜131dが形成された略スリーブ状の操作入力部である。操作入力部131hは、インプットリンク25からの操作入力に応じて弁体131eと相対移動し、各ポート131a〜131dの開度を変化させることができる。
132は、図外のFCCからの電気制御信号Sa,Sbにより8ポートを開閉操作及び開度調節するよう電磁駆動される3位置切換え可能な電気式制御弁であり、電気式制御弁132は、流体圧供給源からの作動油を導入する各一対の供給圧ポート132aと、リザーバ回路に作動油を排出する各一対のリターンポート132bと、制御信号Sa,Sbの入力に応じて両ポート132a,132bに接続される各一対の制御圧ポート132c,132dとを有している。この電気式制御弁132は、例えば電気制御信号Sa,Sbに応じ弁体132eを電磁駆動することにより、電気制御信号Sa又はSbの信号レベルに応じ制御圧ポート132c,132dを通して油室113A,113B又は114A,114Bに前記流体圧供給源からの作動油を供給するとともに、油室114A,114B又は113A,113Bからの作動油をリターンポート132bを通して前記リザーバ回路に排出させることができる。さらに、電気式制御弁132は、供給圧ポート132a及びリターンポート132bと制御圧ポート132c,132dとの接続を遮断して油室113A,113B及び114A,114Bへの作動油の供給及び排出を停止することができる。なお、第1実施形態と同様に、前記電気制御信号Saは舵角増加方向の信号、前記電気制御信号Sbは舵角減少方向の信号であり、それぞれ操舵量に応じた電気制御信号として電気式制御弁132の電磁駆動部132j,132kに入力される。
一方、アクチュエータ110のA系統の油室113A,114A及びB系統の油室113B,114Bは、それぞれ7ポート3位置切換弁である一対のモード切換弁133A,133Bの切換えにより、制御弁131,132のうち何れか一方の制御圧ポート131c,131d又は132c,132dに接続されるようになっている。これらのモード切換弁133A,133Bは、制御弁131,132のそれぞれの制御圧ポート131c,131d及び132c,132dに接続される各一対の制御弁側ポート133a,133b及び133c,133dと、リターンポート133eと、それぞれ油室113A,114A若しくは油室113B,114Bに接続された各一対のアクチュエータ側ポート133f,133gと、パイロット圧導入部133ha,133hb及び133iとを有している。また、モード切換弁133A,133Bは、それぞれパイロット圧導入部133ha,133hbからの付勢力に応じて変位する弁体133jと、この弁体133jをパイロット圧導入部133ha,133hbとは逆の方向に付勢するスプリング133kとを備えており、これら付勢力により、制御弁131,132のうち任意の一方の制御圧ポート131c,131d又は132c,132dを油室113A,113B又は114A,114Bに接続することができるよう、モード切換弁133A,133Bはそれぞれ異なる二つの給排モード位置に切り替え可能になっている。
モード切換弁133A,133Bへのパイロット圧Pa1,Pb1は、一対のソレノイドバルブ35A,35BがそれぞれONの状態では流体圧供給源からの供給圧Pとなり、ソレノイドバルブ35A,35BがそれぞれOFFの状態ではリザーバ回路側の背圧(低圧)まで低下する。ソレノイドバルブ35A,35Bは、上述の実施形態におけるFBWソレノイドバルブ35と同様に構成されたものであるので、詳細な説明は省略するが、切換制御信号Sc1又はSd1が入力されるときに弁体を図中に示すON位置に変位させる。すなわち、ソレノイドバルブ35A,35Bは、前記FCCからのモード切換制御信号Sc1,Sd1に応じて、前記流体圧供給源及びリザーバ回路のうち何れか一方側の作動油圧を、パイロット圧Pa1,Pb1としてモード切換弁133A,133Bのパイロット圧導入部133ha,133hbに供給する。
一方、モード切換弁133A,133Bのパイロット圧導入部133iには、それぞれバイパスソレノイドバルブ36A,36Bが接続されており、これらバイパスソレノイドバルブ36A,36BはFBWモードにはOFFされ、油圧失陥時等に駆動信号Sdを受けてパイロット圧導入部133iにパイロット圧Pa2,Pb2を付与する。パイロット圧Pa2,Pb2は、バイパスソレノイドバルブ36A,36BがON(図11)となるときには流体圧供給源からの供給圧Pとなり、通常は、バイパスソレノイドバルブ36A,36BがOFF(図9又は図10)の状態となることにより、戻り側の低圧(背圧)まで低下している。ソレノイドバルブ36A,36Bの構成は上述の実施形態におけるバイパスソレノイドバルブ36と同様であり、切換制御信号Sc2,Sd2が入力されるときに弁体を図11に示すON位置に変位させる。すなわち、ソレノイドバルブ35は、前記FCCからのモード切換制御信号Sc2,Sd2に応じて、前記流体圧供給源及びリザーバ回路のうち何れか一方側の作動油圧を、パイロット圧Pa2,Pb2としてモード切換弁133のパイロット圧導入部133iに供給する。
図12〜図14に基づいてより詳述すると、モード切換弁133A,133Bは、上述の実施形態におけるスリーブ62、スプール63及びピストン65と同様に構成されたスリーブ62A,62B、スプール63A,63B及びピストン65A,65Bを有し、ハウジング161内に対向して配置されている。また、モード切換弁133A,133Bの間には、センタースリーブ166とその内部に摺動自在に収納された中間ピストン167とが設けられており、中間ピストン167とモード切換弁133A,133Bのピストン65A,65Bの間には油室68A,68Bが形成されている。したがって、中間ピストン167は油室68A,68Bの差圧に応じて軸方向一方に変位することができる。
また、ハウジング161には、各モード切換弁133のポート133a〜133g及び62h,62iに対応して、各一対の油路161a,161b,161c,161d,161e,161f,161g,161h,161iが形成されるとともに、スプール63(弁体133j)の位置を検出する差動変圧器等の位置検出器34A,34Bが取り付けられている。さらに、各スプール63の内部には上述と同様にバイパス通路63bが形成されており、このバイパス通路63bは各スプール63が図14に示す外側の移動端に位置するとき、ポート133e,133f,133gを互いに連通させることができ、制御弁131,132をバイパスしてアクチュエータ110の油室113A及び114Aを連通させるとともに、油室113B及び114Bを連通させることができる。
本実施形態においては、図12に示すように、FBWソレノイドバルブ35A,35Bからのパイロット圧Pa1,Pb1が共に高圧で、バイパス・ソレノイドバルブ36A,36Bからのパイロット圧Pa2,Pb2が共に低圧のとき、中間ピストン167の両側の油室68A,68Bに共に同一圧力の高圧が導かれ、モード切換弁133A,133Bのピストン65A,65Bがそれぞれスプリング133kの力に打ち勝ってそのストロークエンドまで移動し、スプール63A,63BをFBWモード位置に移動させて保持する。この状態においては、モード切換弁133A,133Bが、機械式制御弁131とアクチュエータ110の間の流体回路を遮断し、電気式制御弁132とアクチュエータ110の間の流体回路を開く状態、すなわちFBWモードとなる。
また、図13に示すように、FBWソレノイドバルブ35A,35Bからのパイロット圧Pa1,Pb1と、バイパス・ソレノイドバルブ36A,36Bからのパイロット圧Pa2,Pb2とが共に低圧のとき、スプール63A,63Bはスプリング133kによって内方側のストロークエンドに付勢され保持される。この状態においては、モード切換弁133A,133Bが機械式制御弁131とアクチュエータ110の間の流体回路を開く状態、すなわち、メカニカルモードとなる。
また、図14に示すように、FBWソレノイドバルブ35A,35Bからのパイロット圧Pa1,Pb1が低圧で、バイパス・ソレノイドバルブ36A,36Bからのパイロット圧Pa2,Pb2が高圧のとき、ピストン65A,65Bとスプール63A,63Bの間の油室68A,68Bに高圧が導かれ、スプールはスプリング133kの付勢力に打ち勝ってスプール63A,63Bの外側のストロークエンドまで移動し、スプール63A,63Bをバイパスモード位置に保持する。この状態においては、モード切換弁133A,133Bが機械式制御弁131及び電気式制御弁132とアクチュエータ110との間の流体回路を遮断し、アクチュエータ110の一方の室113A,113B及び他方の室114A,114B並びにリターンポート33eをスプール63A,63B内を通じて連通させる状態、すなわち、バイパスモードとなる。
さらに、図15に示すように、いずれか1系統のFBWソレノイドバルブ、例えばFBWソレノイドバルブ35Aからのパイロット圧Pa1のみが高圧のときには、その片側のピストン65Aと中間ピストン167の間に高圧が導かれ、一方側のピストンはスプリング力に打ち勝ってそのストロークエンドまで移動し、スプール63AをFBWモード位置に移動させて保持する。一方、この状態においては、中間ピストン167が他方側に移動して他方側のピストン65Bをそのストロークエンドまで移動させる。したがって、スプール63BがFBWモード位置に移動され保持されることになり、両系統共にスプール63A,63BがFBWモード位置で保持され、電気式制御弁132とアクチュエータ110の間の流体回路が開かれる。他系統側のFBWソレノイドバルブ35Aからのパイロット圧Pa2のみが高圧のときも、同様である。
一方、図16に示すように、片側の系統のバイパス・ソレノイドバルブ、例えばバイパス・ソレノイドバルブ36Aからのパイロット圧Pa2のみ高圧のときには、この片側のピストン65Aとスプール63Aの間に高圧が導かれ、スプール63Aはスプリング力に打ち勝ってスプール63Aの外側ストロークエンドまで移動し、モード切換弁133Aがバイパスモード位置に保持される。また、外側ピストン65Aはその内側ストロークエンドで保持されるため,他方側のスプール63Bはメカニカルモード位置で保持される。この状態においては、一系統はバイパスモードと他系統はメカニカルモードとなるから、バイパスモードの系統がメカニカルモードの系統に従って動くことになる。なお、バイパス・ソレノイドバルブ36Bからのパイロット圧Pb2のみ高圧のときも同様である。
本実施例においても、上述例と同様な効果が得られる。
なお、図17に示すように、電気式制御弁132の給排通路と機械式制御弁131の給排通路を入れ換えることによって、メカニカルモードとFBWモードの切換順序を上述した第2実施形態の場合と異ならせることもできる。
また、図18に示すように、上述例とは形状の異なるスプール、例えばバイパス通路263A,263Bbによりアクチュエータ側ポート133f,133gを連通させることができるスプール263A,263Bを用いることにより、スプール位置が内側ストロークエンドに保持された状態でバイパスモードとなるようしておき、次にメカニカルモード、次いでFBWモードというように切換えの順序を変えることも可能である。また、このモード切換弁に対する電気式制御弁と機械式制御弁の接続経路を入れ替えて、図18のモード切換え弁によるメカニカルモードとFBWモードの切換えの順序を変えることも可能である。
このアクチュエーションシステムにおいても、2つの油圧系統A,Bにおいてそれぞれ上述の実施形態と同様な動作がされ、一系統のみの電気故障又は油圧失陥時には他方の油圧系統でFBWモードの制御を継続することができ、FWBモードとメカニカルモードとの切換えに際して、バイパスモードを間に挟まずにモード切換えすることができる。
なお、上述した各実施形態においては航空機の舵面制御用アクチュエータとして説明したが、FBW制御される他用途の液圧アクチュエータ等であってもよいことはいうまでもなく、本発明は、メカニカルバックアップ機構付きFBW制御の流体圧アクチュエータシステム全般について広く適用することができるものである。また、弁体位置検出用の位置検出器をなくすことができることはいうまでもない。
本発明の第1実施形態に係るモード切換弁及びアクチュエーションシステムを示すその概略構成図であり、フライバイワイヤモードの状態を示している。 第1実施形態に係るモード切換弁及びアクチュエーションシステムのメカニカルモードの状態を示す概略構成図である。 第1実施形態に係るモード切換弁及びアクチュエーションシステムのバイパスモードの状態を示す概略構成図である。 第1実施形態におけるモード切換弁の概略構成を示す断面図で、フライバイワイヤモードの状態を示している。 第1実施形態のモード切換弁の詳細構成を示す拡大縦断面図であって、フライバイワイヤモードの状態を示す図である。 第1実施形態におけるモード切換弁の概略構成を示す断面図で、メカニカルモードの状態を示している。 第1実施形態におけるモード切換弁の概略構成を示す断面図で、バイパスモードの状態を示している。 第1実施形態におけるモード切換弁の電気式制御弁及び機械式制御弁との接続経路を入れ替えた場合の変形態様を示す断面図で、メカニカルモードの状態を示している。 本発明の第2実施形態に係るモード切換弁並びにこれとタンデムアクチュエータを用いたアクチュエーションシステムを示すその概略構成図であり、フライバイワイヤモードの状態を示している。 第2実施形態に係るモード切換弁及びアクチュエーションシステムのメカニカルモードの状態を示す概略構成図である。 第2実施形態に係るモード切換弁及びアクチュエーションシステムのバイパスモードの状態を示す概略構成図である。 第2実施形態におけるモード切換弁の概略構成を示す断面図で、フライバイワイヤモードの状態を示している。 第2実施形態におけるモード切換弁の概略構成を示す断面図で、メカニカルモードの状態を示している。 第2実施形態におけるモード切換弁の概略構成を示す断面図で、バイパスモードの状態を示している。 第2実施形態におけるモード切換弁の概略構成を示す断面図で、一系統のみにフライバイワイヤモードへの切換え操作圧が供給され、他系統がバイパスモードに切換えられた状態を示している。 第2実施形態におけるモード切換弁の概略構成を示す断面図で、一系統のみにバイパスモードへの切換え操作圧が供給され、他系統がメカニカルモードに保持されている状態を示している。 第2実施形態におけるモード切換弁の電気式制御弁及び機械式制御弁との接続経路を入れ替えた場合の変形態様を示す断面図で、メカニカルモードの状態を示している。 第2実施形態におけるモード切換弁のスプール形状を異ならせた場合の変形態様を示す断面図で、バイパスモードの状態を示している。
符号の説明
10 アクチュエータ
11 シリンダ
12 ピストン
13,113A,113B 室
14,114A,114B 油室
20 給排制御機構
21,211 供給通路
25 インプットリンク
28 油路(排出通路)
30 バックアップ機構
31,131 機械式制御弁
32,132 電気式制御弁
33,133 モード切換弁
34,34A,34B 位置検出器
35,35A,35B FBWソレノイドバルブ
36,36A,36B バイパスソレノイドバルブ
61,161 ハウジング
62,62A,62B スリーブ
63,63A,63B,263A,263B スプール
63a 拡径部
63b バイパス通路
65,65A,65B ピストン(外側ピストン)
66 バイパス操作圧室
68,68A,68B 油室(FBW切換え操作圧室)
110 アクチュエータ
166 センタースリーブ
167 中間ピストン

Claims (3)

  1. 一方及び他方の流体室への流体の供給及び排出により作動するアクチュエータと、
    それぞれ前記アクチュエータへの流体供給源に接続され、前記アクチュエータへの流体の供給及び排出を制御する第1制御弁及び第2制御弁と、
    前記第1制御弁及び第2制御弁のそれぞれと前記アクチュエータとの間に設けられるとともにパイロット圧で切換え操作され、前記アクチュエータと前記第1制御弁の間で前記第1制御弁による流体の供給及び排出を許容する第1の給排モード位置、前記アクチュエータと前記第2制御弁の間で前記第2制御弁による流体の供給及び排出を許容する第2の給排モード位置、及び、前記アクチュエータの一方及び他方の流体室を互いに連通させるバイパスモード位置に切換可能なモード切換弁と、
    それぞれ電磁切換弁で構成され、前記モード切換弁に前記パイロット圧を選択的に供給する第1パイロット圧制御弁及び第2パイロット圧制御弁と、を備えたアクチュエーションシステムにおいて、
    前記第2パイロット圧制御弁がオフ状態の場合であって前記第2制御弁が正常に作動し得るときには、第1の切換制御信号を受けた前記第1パイロット圧制御弁がオン状態となって第1のパイロット圧により前記モード切換弁が前記第2の給排モード位置に切り換えられる一方、前記第2パイロット圧制御弁がオフ状態の場合であって前記第2制御弁が正常に作動し得ないときには、前記第1の切換制御信号を受けない前記第1パイロット圧制御弁がオフ状態となって前記モード切換弁が前記第1の給排モード位置に復帰し、
    前記第2パイロット圧制御弁がオン状態の場合には、前記第1パイロット圧制御弁がオン状態であるかオフ状態であるかにかかわらず、前記モード切換弁が前記バイパスモード位置に切り換えられ、
    前記モード切換弁の各モード位置は、前記第1の給排モード位置と前記第2の給排モード位置とが隣接し、前記バイパスモードが前記第1の給排モード位置及び前記第2の給排モード位置より切換操作量が大きいストロークエンド側に配置されていることを特徴とするアクチュエーションシステム。
  2. 前記第2制御弁が正常に作動し得るときには、前記第2制御弁への制御信号を出力するとともに前記第1の切換制御信号を出力して前記第1パイロット圧制御弁をオン状態とする一方、
    前記第2制御弁が正常に作動し得ないときには、前記第2制御弁への制御信号及び前記第1の切換制御信号の出力を停止して前記第1パイロット圧制御弁をオフ状態とし、
    前記第1制御弁及び第2制御弁のうちいずれも正常に作動し得ないときには、前記第2の切換制御信号を出力して前記第2パイロット圧制御弁をオン状態にする制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のアクチュエーションシステム。
  3. 前記第1制御弁が前記機械式制御弁であるとともに、前記第2制御弁が前記電気式制御弁であり、
    前記アクチュエータは航空機の操縦翼面の一部を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のアクチュエーションシステム。
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