JP4225701B2 - 要約映像特定装置、および要約映像特定方法 - Google Patents

要約映像特定装置、および要約映像特定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、要約映像特定装置、および要約映像特定方法に関し、さらに詳しくは、時系列的に配置される複数のフレームを含むビデオシーケンスを映像として出力することが可能な映像端末に回線を介して接続可能な要約映像特定装置、および要約映像特定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プロフェッショナル用途から一般の消費者用途まで映像データのソースは大量に存在する。これら大量の映像データから視聴したいものを見つけるには、多大な時間と労力を要する。たとえば、ビデオテープレコーダの早送り再生で、見たい番組を見つける場合は思ったよりも時間を要する。
【0003】
この問題に対処するため、要約映像を作成し、要約映像の再生を通じて大まかな映像の内容を把握するような方法や装置が提案されている。
【0004】
このうち、重要なフレームを時系列的に表示する技術として、特開平11−176038号公報に開示されているように、重要度の高いキーフレームのみを早送り表示し、その視聴中にいずれかのキーフレームを選択する操作を行なうと、そのキーフレームに対応した個所から通常再生に入る方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このキーフレームは、映像データの中から重要度の高いフレームを抽出することによって得られるが、自動的にキーフレームを指定する場合には、重要度が高いと判断されるフレームの数は映像ソースごとに異なる点が問題となる。この結果、キーフレームを早送り再生する場合に、ユーザが欲するようなある決まった時間長に要約映像の再生時間を収めることが難しくなる。
【0006】
そこで、要約映像を表示する場合に、映像ソース間の違いを吸収して、ある程度決まった時間長で再生を行なえることがユーザの立場から必要となる。
【0007】
また、ある要約映像を視聴した後に、ユーザが所望の映像ソースかどうかを判断するために、さらにより詳細な内容がわかる時間の長い要約映像を視聴したいといった要求もあると思われる。そこで、1つの映像ソースから複数の指定された時間長を持つ要約映像を作り出すことが必要になってくる。
【0008】
さらに近年、映像ソースを視聴するための映像端末として、テレビジョン以外に、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant:個人用携帯型情報端末)のような携帯端末でも映像を視聴することが可能となりつつあり、その結果、携帯端末においても要約映像の視聴希望は増加すると考えられる。
【0009】
しかしながら、携帯端末のように小さな解像度の表示部や狭い通信帯域の端末を使用する場合、ユーザは外出時に映像を視聴するのであるから、自宅で視聴するテレビジョンでの場合と同じ長さの要約映像は不必要であり、テレビジョンでの要約映像よりも要約時間の短い要約映像が望まれる。
【0010】
本発明の目的は、ユーザが、要約映像の再生を通じて所望する映像に短時間でたどり着くことが可能であり、かつ映像を表示する端末の属性に応じて要約映像を迅速に編集することが可能な要約映像特定装置、および要約映像特定方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明による要約映像特定装置は、時系列的に配置される複数のフレームを含むビデオシーケンスを映像として出力することが可能な映像端末に回線を介して接続可能な要約映像特定装置であって、複数のフレームに対応する優先度を参照し、ビデオシーケンスの先頭から順に所定の優先度のフレームをキーフレームとして探索する探索手段と、ビデオシーケンスの最後まで探索が終了したか否かを判定し、ビデオシーケンスの最後まで探索が終了した場合に優先度を減じて再度探索手段に探索を行なわせる判定手段と、ビデオシーケンス中に時系列に連続して配置され、選択されたキーフレームを包含する複数のフレームであって、かつ、所定の連続再生時間に相当する複数のフレームであるフレームセットを要約映像として選択し、要約映像として選択されたフレームを特定する情報を含むシナリオを出力する選択手段と、要約映像の連続再生時間の合計が、所定の合計再生時間を超えた場合に、要約映像の作成を完了させる時間判定手段と、選択手段から出力される複数のシナリオを蓄積するシナリオ蓄積手段と、映像端末から回線を介して送信される映像端末の属性に従って、蓄積された複数のシナリオのうち属性に対応したシナリオを読出するシナリオ読出手段と、読出したシナリオを回線を介して映像端末へ送信する送信手段とを含む。
【0012】
これにより、様々な再生時間を有する要約映像を映像端末上で表示することが可能となり、さらに映像端末の属性に従って、その映像端末に最も適した要約映像を表示させることが可能となる。
【0013】
好ましくは、シナリオ読出手段は、映像端末の属性と映像端末で出力すべき要約映像の再生時間とを対応付けてテーブルに蓄積するテーブル蓄積手段と、映像端末から送信された属性とテーブルとから再生時間を特定し、特定された再生時間と等しい合計再生時間の要約映像を特定する情報を含むシナリオをシナリオ蓄積手段により蓄積された複数のシナリオから読出するシナリオ検索手段とを含む。
【0014】
これにより、映像端末のユーザは、映像端末の属性に従って、その映像端末で表示すべき最も適した再生時間を有する要約映像を表示させることが可能となる。
【0015】
さらに好ましくは、シナリオ読出手段は、複数のシナリオの合計再生時間の合計が、特定された再生時間と等しくなるように、複数のシナリオの組合せを行なうシナリオ組合せ手段を含む。
【0016】
これにより、映像端末のユーザが複数の映像内容の要約映像を視聴したい場合でも、映像端末の属性に適した再生時間を有する要約映像の視聴が可能となる。
【0017】
さらに好ましくは、映像端末の属性は映像端末の画面サイズである。
さらに好ましくは、映像端末の属性はフレームレートである。
【0018】
この発明による要約映像特定方法は、時系列的に配置される複数のフレームを含むビデオシーケンスを映像として出力することが可能な映像端末に回線を介して接続可能な要約映像特定装置を用いた要約映像特定方法であって、複数のフレームに対応する優先度を参照し、ビデオシーケンスの先頭から順に所定の優先度のフレームをキーフレームとして探索するステップと、ビデオシーケンスの最後まで探索が終了したか否かを判定し、ビデオシーケンスの最後まで探索が終了した場合に優先度を減じて再度探索を行なうよう指示するステップと、ビデオシーケンス中に時系列に連続して配置され、選択されたキーフレームを包含する複数のフレームであって、かつ、所定の連続再生時間に相当する複数のフレームであるフレームセットを要約映像として選択し、要約映像として選択されたフレームを特定する情報を含むシナリオを出力するステップと、要約映像の連続再生時間の合計が、所定の合計再生時間を超えた場合に、要約映像の作成を完了させるステップと、選択手段から出力される複数のシナリオを蓄積するステップと、映像端末から回線を介して送信される映像端末の属性に従って、蓄積された複数のシナリオのうち属性に対応したシナリオを読出するステップと、読出したシナリオを回線を介して映像端末へ送信するステップとを含む。
【0019】
これにより、様々な再生時間を有する要約映像を映像端末上で表示することが可能となり、さらに映像端末の属性に従って、その映像端末に最も適した要約映像を表示させることが可能となる。
【0020】
好ましくは、シナリオを読出するステップは、映像端末の属性と映像端末で出力すべき要約映像の再生時間とを対応付けてテーブルに蓄積するステップと、映像端末から送信された属性とテーブルとから再生時間を特定し、特定された再生時間と等しい合計再生時間の要約映像を特定する情報を含むシナリオを蓄積された複数のシナリオから読出するステップとを含む。
【0021】
これにより、映像端末のユーザは、映像端末の属性に従って、その映像端末で表示すべき最も適した再生時間を有する要約映像を表示させることが可能となる。
【0022】
さらに好ましくは、シナリオを読出するステップは、複数のシナリオの合計再生時間の合計が、特定された再生時間と等しくなるように、複数のシナリオの組合せを行なうステップを含む。
【0023】
これにより、映像端末のユーザが複数の映像内容の要約映像を視聴したい場合でも、映像端末の属性に適した再生時間を有する要約映像の視聴が可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
【0025】
[全体構成の説明]
図1は、本発明の一実施の形態である、要約映像特定システムの全体構成を示すブロック図である。
【0026】
図1を参照して、要約映像特定装置1は回線2を介してテレビジョンや携帯端末やPDA等の映像端末3に接続される。回線2は専用ケーブルのような専用回線であってもよいし、インターネットに代表されるネットワークであってもよい。また、回線2は有線、無線どちらでもよい。
【0027】
要約映像特定装置1は、放送やインターネットなどの通信手段から得られるテレビ番組等の映像やユーザがカメラなどで撮影した映像などのプログラムのデータを入力する映像入力部100と、入力されたプログラムデータを蓄積しておく映像蓄積部101と、入力されたデータに含まれる映像を分析し、映像優先度を決定する映像優先度決定部102と、映像優先度決定部102で作成された映像優先度の情報を蓄積する映像優先度情報蓄積部103とを含む。なお、映像優先度は、入力された映像の中から内容を端的に表現するのに重要と思われる部分を特定するための情報である。
【0028】
要約映像特定装置1は、さらに、映像優先度決定部102が作成した映像優先度に基づき、入力された映像のどの部分を要約映像とするかを決定する要約映像シナリオテーブル作成部104と、要約映像シナリオテーブル作成部104が出力する要約映像シナリオテーブルを蓄積しておく要約映像シナリオテーブル蓄積部105と、映像端末の属性ごとに対応した要約映像の再生時間を再生要求時間テーブルとして蓄積しておく再生要求時間テーブル蓄積部106と、映像端末から送信される映像端末の属性の情報に従って、要約映像シナリオテーブル蓄積部105と再生要求時間テーブル蓄積部106とから、複数のプログラムに対応する要約映像シナリオテーブルを読出し、必要な情報を選択して複数のプログラム分が連結されたマルチプログラムシナリオテーブルを作成するマルチプログラムシナリオテーブル作成部110と、映像端末4から送信される属性の情報を受信し、マルチプログラムシナリオテーブル作成部110で作成したマルチプログラムシナリオテーブルを映像端末4へ送信する通信部111とを含む。
【0029】
映像端末3は、回線2を介して要約映像特定装置1とプログラムのデータを映像端末へ送信する映像送信装置4とに接続可能である。
【0030】
映像端末3は、映像送信装置4および要約映像特定装置1との間で情報の送受信を行なう通信部121と、映像端末3の属性の情報と映像送信装置4から送信された映像情報とを保存するデータファイル123とを含む。
【0031】
映像端末3はさらに、要約映像を視聴しながら見たい映像をユーザが特定するために入力を行なうユーザ入力部120と、ユーザの入力に応じて通信部121から受信したマルチプログラムシナリオテーブルをもとに映像の読出しや停止を制御する映像表示制御部122と、映像表示制御部122からの指示に基づきデータファイル123から映像を読出し、必要な処理を施して再生を行なう映像再生部124と、映像再生部124で処理された映像データを表示する映像表示部125とを含む。たとえば、データがMPEG方式などにより圧縮されている場合には、映像再生部124で行なわれる処理にはデコード処理等が含まれる。
【0032】
映像送信装置4は、映像情報を保存しているデータファイル133と、映像端末3から送信される映像要求情報を受信し、要求された映像を送信する通信部402と、映像要求情報に応じた映像情報をデータファイル133から読出し、読出した映像情報の形態を映像端末の属性に応じて変換するトランスコーダ部132とを含む。
【0033】
なお、要約映像特定装置1と映像送信装置4とはそれぞれがネットワーク上のサーバであってもよいし、各家庭に配置されたビデオデッキの中に含まれるものであってもよい。
【0034】
[映像データの説明]
本明細書では、図1で示した要約映像特定システムで要約映像特定装置1および映像送信装置4に入力されるテレビ放送やインターネットなどの通信手段から得られる映像やユーザがカメラ等で撮影した映像の1単位をプログラムと称することにする。たとえば、入力データがテレビ番組の場合には、1つのテレビ番組が1つのプログラムに対応する。また、ユーザがカメラ等で撮影した映像の場合には、たとえば卒業式の映像、運動会の映像等がそれぞれのプログラムに該当する。また、映像には音声情報が付加されている場合も多く、この場合には、プログラムには映像データであるビデオシーケンスのみならず、音声データであるオーディオシーケンスも含まれる。
【0035】
図2は、本明細書におけるプログラムに含まれる映像データがどのように構造化されているかを示す図である。
【0036】
図2を参照して、ビデオシーケンス200は、先に述べた1つのプログラムに含まれる画像群である。ビデオシーケンス200は、複数のシーン、たとえば、シーン211,212を含む。
【0037】
ここで、シーンとは、意味的な内容が同じ画像群を示し、たとえば1つのニュース番組というプログラムに対応するビデオシーケンスには地震情報のニュースという1シーンと天気予報という他の1シーンとが含まれている。1つのシーンは、複数のショットを含んでいる。
【0038】
ここで、ショットとは、物理的に連続した一群の画像を示す。たとえば、同一背景に対して、人間がその背景中を移動するような映像は1ショットである。ショットとショットの境目をカットと称する。たとえば、シーン211は、ショット221〜225を含む。言い換えれば、シーン211は、カット226〜229によってショット221〜225に分割される。
【0039】
各ショットは、対応するフレームで構成される。たとえばショット221は、複数のフレーム230を含んでいる。ここで、フレームとは、画面に表示される1枚の画像データをいうことにする。
【0040】
[映像優先度の説明]
図3は、図1における要約映像特定装置1内の映像優先度決定部102の構成を示すブロック図である。
【0041】
図3を参照して、映像優先度決定部102は、図1の映像蓄積部101から蓄積されているデータを受ける入力部300と、入力部300からデータを受けて映像情報に含まれる特徴量を導出し、解析を行なう映像解析部301とを含む。映像解析部301は、テレビ番組のようにプログラムが音声情報や付加データを含む場合には、それらの解析も併せて行なう。
【0042】
映像解析部301の行なう解析の目的は、要約映像を作る際のフレームごとの優先度を求めることと、必要に応じてカット検出やシーン検出を行なうことである。これらの解析方法は、さまざまな提案がなされており、たとえば「情報の構造化と検索、西尾ら著、岩波書店、2000年3月27日発行、第157〜159頁」に記載がされている。
【0043】
ショットの特定に必要となるカット検出の方法としては、たとえば、時間的に隣接する2枚のフレーム間で対応する画素の濃淡値の差を求める方法などがある。
【0044】
また、シーンの抽出は、色等の映像情報やBGMなどの音声情報、人の話した音声情報、テロップなどのテキスト情報に含まれる重要語など、これらの情報の連続性を考慮して行なう方法が考えられる。
【0045】
映像優先度決定部102は、さらに、映像解析部301の解析結果を受けて最終的なフレームの優先度を決定するフレーム優先度決定部302と、フレーム優先度決定部302の出力を図1の映像優先度情報蓄積部103に出力する出力部303とを含む。
【0046】
図4は、映像優先度決定部102によってフレームごとに解析した優先度を示す模式図である。
【0047】
図4を参照して、フレームごとの優先度は、ビデオシーケンス400に対応してヒストグラム401で表わされる。たとえば、フレームに顔を含めば重要と判断するルールや、動物体を含めば重要と判断するルール、短いショットが連続する場合にはそれらのフレームとその直後のフレームは重要であるといったようなルールのように、優先度は複数の定義されたルールによって決定される。ビデオシーケンス400をこのようなルールで解析し、フレームごとに優先度をカウントしてヒストグラム401が求められる。複数のルールのうち、より多くのルールに適合するとされたフレームは優先度が高いと考えることができる。
【0048】
また、ここでは、フレームごとに優先度を導出したが、ショットが特定されていれば、1ショット中のたとえば最初のフレームを代表フレームとし、この代表フレームのみの優先度を計算してショット全体の優先度にすることで、演算量を削減することもできる。
【0049】
図3の映像解析部301で、ショット、カットおよびシーンが特定されている場合には、たとえばシーン単位で要約映像を視聴することが可能となる。また、フレームごとの優先度をもとにシーンの優先度を求めることも可能となり、要約映像の視聴の際に利用することができる。
【0050】
[要約映像作成の説明]
図5、図6は、図1における、要約映像特定装置1内の要約映像シナリオテーブル作成部104の動作を示すフローチャートである。
【0051】
図5を参照して、ステップS500において処理が開始される前には、予め、要約映像シナリオテーブル作成部104は、要約映像の合計再生時間と、連続再生時間とをパラメータとして保持しているものとする。
【0052】
ここで、合計再生時間は、ユーザが要約映像を全体でどれぐらいの時間に納めたいかを示すパラメータである。また、連続再生時間は、高い優先度を有する抽出されたキーフレームを動画として認識させるため、そのキーフレームを先頭に何フレーム分を連続で再生するかを示すパラメータである。
【0053】
また、この説明においては、映像優先度情報は、ショットを特定するインデックス番号を伴っているものとする。
【0054】
まず、図1の映像優先度情報蓄積部103に蓄積された映像優先度情報が要約映像シナリオテーブル作成部104に入力されて、ステップS500において処理が開始される。
【0055】
ステップS501において、要約映像シナリオテーブル作成部104は、これから処理を行なうショットを示すインデックス番号Iを0に初期化する。また、要約映像シナリオテーブル作成部104は、これから処理を行なうショットの優先度を示す変数Wを最高優先度に設定する。
【0056】
次に、ステップS502において、要約映像シナリオテーブル作成部104は、ショット番号Iの優先度が現在処理中の優先度Wと等しいか否かを判定する。ショット番号Iの優先度は、そのショットが含んでいるフレームの優先度によって定められる。一番優先度が大きいフレームの優先度をショットの優先度としてもよいし、計算の簡単のためショットの最初に位置するフレームの優先度をそのショットの優先度としてもよい。
【0057】
ショット番号Iの優先度が現在処理中の優先度Wと等しい場合には、ステップS503に進み、ショットIの代表フレームをキーフレームとしてマークしてコネクタAを介して図6のステップS504に進む。
【0058】
このとき、要約映像シナリオテーブル作成部104は、映像の先頭よりユニークに割付けたフレームのインデックス番号を格納する変数JをショットIの代表フレームの番号に設定する。
【0059】
ステップS502で優先度が等しくない場合には、ステップS512へと進む。ステップS512では、ショット番号Iがインクリメントされる。そして、ステップS509に進み、現在処理中のプログラムにおいて最後のショットまで処理したかを判別する。最後のショットまで処理した場合には、ステップS510へと進み、ショット番号Iが0に初期化され、かつ、優先度Wが1つ減らされる。ステップS510で優先度Wが減らされた後には、再びステップS502に進む。
【0060】
ステップS509で最後のショットにまで達していない場合には、ステップS510はスキップされ、再びステップS502へと進む。
【0061】
つまり、ステップS512、S509、S510では、プログラムの最後のショットまで探索したら、優先度を1だけ減ずるという処理が行なわれることになる。
【0062】
図6を参照して、ステップS504では、フレーム番号のインデックスJのインクリメントが行なわれる。続いて、ステップS505において、現在処理中のフレームがショットの先頭か、もしくはインデックスJが最後のフレームまでインクリメントされてしまったかを判別する。
【0063】
フレームがショットの先頭に該当する場合とは、インデックスJがインクリメントされることにより、現在処理中のフレームの位置が、キーフレームが属するショットの次のショットに入ってしまった場合である。ショットが異なると、たとえば連続再生時間中にスポーツ番組のフレームとコマーシャルのフレームとが含まれてしまったりする。この場合は、連続再生時間中であるのに滑らかな映像ではなくなるので、フレームのマークを中断する。
【0064】
また、インデックスJがプログラムの最後のフレームにまでインクリメントされた場合は、その後のフレームのマークが不可能であるので、やはり判断が必要である。
【0065】
したがって、これらの条件に当てはまるときにはステップS508に進む。
一方、条件に当てはまらないときにはステップS506に進み、あるキーフレームを先頭に連続してマークしたフレームの合計の再生時間が、連続再生時間を超えたか否かを判別する。マークしたフレームの合計の再生時間が連続再生時間を超えた場合には、ステップS508に進む。
【0066】
一方、超えていない場合には、ステップS507へと進み、既にマークしたキーフレームに対する付加フレームとして、フレームJが優先度の考慮を行なうことなくマークされる。
【0067】
つまり、ステップS505〜S507の処理によって、重要なキーフレームの後、連続再生時間として指定されている数フレームを連続で再生し映像として滑らかさを保つ。この数フレームの間にカットが存在する場合にはステップS505で判断することにより連続再生を打切る。
【0068】
ステップS508においては、ステップS503とステップS507でマークしたキーフレームおよび付加フレームの再生時間の合計が、この要約映像の所定の合計再生時間を超したか否かの評価が行われる。
【0069】
所定の合計再生時間を超した場合には、ステップS511に進み、要約映像シナリオテーブルの作成が終了する。超していない場合には、ステップS502へと再び進みループを繰返す。
【0070】
図7は、図5、図6に示したフローチャートによって要約映像シナリオテーブルの作成が行なわれることを説明するための図である。
【0071】
この処理の前に、予め、各ショットの中で最も優先度の高いフレームの優先度をそのショットの優先度とする処理が映像優先度決定部102で行なわれているものとする。
【0072】
図7を参照して、ショット1〜10が時系列的に1つのビデオシーケンスに表示される場合について述べる。各ショットごとに優先度が与えられており、その優先度は、10を最高優先度とする10段階であるとする。各ショットは、ショット1が優先度2であり、ショット2が優先度3であり、ショット3が優先度4であり、ショット4が優先度10である。
【0073】
さらに、ショット5が優先度9であり、ショット6が優先度8であり、ショット7が優先度3であり、ショット8が優先度10である。また、ショット9は優先度9であり、ショット10は優先度7である。
【0074】
また、図7において、1つの丸は、1秒間の再生時間に対応する複数のフレームを表わすこととする。この複数のフレームをフレームセットと呼ぶ。
【0075】
以降、要約映像に、フレームが選ばれていく過程を説明する。
ショット1〜10に含まれているフレームセットから、合計再生時間10秒間分のフレームセットを要約映像として選択する場合について述べる。このようなデータが与えられている場合に、図5、図6のフローチャートではどのように処理が行なわれるかについて一例を説明する。
【0076】
まず、ステップS501で、これからの処理にあたり、優先度Wが最高優先度である10に設定される。ショット1〜3は優先度が10より小さいので、ステップS502,S512,S509のループでスキップされる。
【0077】
続いてショット番号Iが4になると、ショット4は優先度10であるので、ステップS502,S503でショット4の先頭フレームである代表フレームが要約映像に含まれるフレームとしてマークされる。ここで、図7でわかるように、ショット4には、フレームセット551に引続くフレームセット552も含まれている。
【0078】
図8は、フレームセット551,552の構造を説明するための図である。
図8を参照して、フレームセット551の先頭フレームであるフレーム571は、ショットの先頭である代表フレームであり、かつ、ステップS503でマークされたキーフレームである。なお、キーフレームは、ショットにおいて最初にマークされるフレームである。図7で示したようにショット全体の優先度がショットに含まれる最も優先度の大きいフレームの優先度で決定されている場合や、また、最初のフレームである代表フレームの優先度で決定されている場合は、そのショットに含まれるフレームの優先度はすべて等しいので、キーフレームはマークされた代表フレームということになる。
【0079】
動画としてこのキーフレームを認識できるように、このキーフレームの後に連続する数フレームが自動的にダイジェストに含まれる。たとえば、連続再生時間2秒間分が連続してダイジェストに含められる。このように、キーフレームを先頭として連続してマークされるフレームを、連続再生フレームセットと呼ぶこととする。
【0080】
仮に、フレームレートが30フレーム/秒の場合、2秒間分のフレームは60フレームである。したがって、キーフレームに続く59フレームが要約映像に用いられる付加フレームとして選択される。この場合、フレーム571から連続して60フレーム目に当たるフレーム572までが、ステップS507でダイジェストに含まれるものとしてマークされる。
【0081】
再び図6、図7を参照して、1ショットあたり所望の連続再生フレームセットがマークされたら、ステップS506からステップS508へと進む。
【0082】
続いて、ステップS508においてこれまでにマークされたフレームの再生時間の合計が、所望要約映像の合計時間を超すか否かが判定される。現在、フレームセット551、552、すなわち図8のフレーム571〜572までの2秒間分が選ばれており、所望の合計再生時間10秒間分より少ないため、ステップS508からステップS502へと進む。
【0083】
以上の処理によって、図7の1回目のループが回った時点のフレームセットの選択がなされたことになる。この時点ではフレームセット551,552が選択されている。
【0084】
続いて、次の優先度10のショットの先頭フレームがキーフレームとして選ばれる。このフレームはフレームセット555に含まれている。
【0085】
1回目のループと同様に、2つのフレームセット555,556に含まれるキーフレームおよびその付加フレームが、要約映像に含まれるフレームとしてマークされる。これらの処理により2回目のループが終了する。
【0086】
2回目のループが終了した時点でマークされているフレームセットは、フレームセット551,552,555および556である。この時点においても、再生時間の合計は10秒には満たないので3回目のループへ進む。
【0087】
優先度10のショットはこれ以上存在しないので、最後のショット10まで処理が進み、ステップS510でショット番号Iが0に初期化される。そして、優先度が10から9に変更される。
【0088】
3回目のループでは、フレームセット553がマークされることになる。ここで、ステップS504でフレーム番号Jがインクリメントされるが、連続再生時間2秒間を満たす前に次のショットであるショット番号6に到達してしまう。そこで、ステップS505からステップS508へと進む。この時点においても再生時間の合計は10秒には満たないので、ループが繰返されることになる。3回目のループが終了した時点では、選択されたフレームセットは551,552,553,555および556である。
【0089】
このようにしてループが繰返され、最後にフレームセット558が選択され、合計再生時間が10秒を超す。このときにステップS508からステップS511へと進み要約映像シナリオレコードの作成が終了する。
【0090】
以上の処理が複数の合計再生時間に対応した複数のシナリオレコード、たとえば、30秒間、1分間用…等のシナリオレコードを作成するために繰返し実行される。
【0091】
図9は、図1の要約映像シナリオテーブル作成部104で作成された要約映像シナリオテーブルの一例を示す模式図である。
【0092】
図9を参照して、オリジナル映像600に対応して、要約映像シナリオテーブルが作成される。この要約映像シナリオテーブルは、シナリオレコード601,602,603を含む。シナリオレコード601,602,603は、それぞれ合計再生時間30秒、1分、5分に対応する長さの異なるシナリオである。
【0093】
シナリオレコード601は、連続再生時間が3秒である連続再生フレームセット601.1,601.2,…を含む。
【0094】
シナリオレコード602は、連続再生時間がそれぞれ5秒である連続再生フレームセット602.1,602.2,602.3,…を含む。
【0095】
シナリオレコード603は、連続再生時間がそれぞれ5秒である連続再生フレームセット603.1,603.3,603.4および連続再生時間が3秒である連続再生フレームセット603.2を含む。
【0096】
シナリオレコード601によって再生される内容には、ショット番号1つまりオリジナル映像の0分0秒から3秒間再生し、ショット番号29つまり通常経過時間7分23秒のところから3秒間再生するというような情報が含まれている。この情報は、図9に示したように時間情報そのものでも良いが、フレームの番号を示すポインタのようなもので指定しても良い。
【0097】
同様に、シナリオレコード602,603でも、映像の通常経過時間とその位置からの連続再生時間の組が記述され、要約映像の再生シナリオとして表現される。
【0098】
このようなシナリオレコードは、図5、図6で示したフローチャートにおいて合計再生時間と連続再生時間とをパラメータとして与えることで順次求めることができる。また、図9では、合計再生時間はすべて異なる時間長としているが、連続再生時間が互いに異なり、かつ、同じ時間長の複数のシナリオレコードを含ませてもよい。
【0099】
[要約映像特定システムの動作]
図10はこの発明の実施の形態における要約映像特定システムの動作について示したフローチャートである。
【0100】
図10を参照して、映像端末3のユーザは、ユーザ入力部120を操作し複数プログラムの要約映像の視聴要求を行なう(ステップS101)。すると、映像表示制御部122、通信部121および回線2を介してこの視聴要求が要約映像特定装置1および映像送信装置4に伝えられる(ステップS102)。このときユーザが希望する複数プログラムの要約映像の視聴要求とともに、映像端末3の画面サイズやフレームレート等の映像端末3の属性の情報についても要約映像特定装置1および映像送信装置4に送信される。
【0101】
続いて、要約映像特定装置1では、映像端末3から送信された視聴要求および属性情報を通信部111で受信する(ステップS201)。
【0102】
要約映像特定装置2は受信した視聴要求と属性情報とから再生要求時間テーブル蓄積部106に蓄積された再生要求時間テーブルと要約映像シナリオテーブル部105に蓄積されたシナリオテーブルとを用いてマルチプログラムシナリオテーブルを作成する(ステップS202)。以下、マルチプログラムシナリオテーブルの作成方法について説明する。
【0103】
図11は、図10中のステップS202におけるマルチプログラムシナリオテーブルの作成の説明をするための概念図である。
【0104】
図11を参照して、図1の要約映像特定装置1内の要約映像シナリオテーブル作成部104によって、既に各プログラムに対応する図9で示したようなシナリオテーブルが作成されているものとする。このシナリオテーブルの作成は、既に説明した図5、図6に示したフローチャートに基づいて行なわれる。
【0105】
一方、再生要求時間テーブル蓄積部106には予め、映像端末3の属性に応じて要約映像の再生すべき時間を再生要求時間として再生要求時間テーブルに保存している。
【0106】
映像端末3の画面サイズを属性とした場合の再生要求時間テーブルの一例を表1に示す。
【0107】
【表1】
Figure 0004225701
【0108】
表1を参照して、映像端末3の属性を画面サイズとした場合には、画面サイズごとに要約再生時間が定義されている。また、各画面サイズごとの再生要求時間はレベル1〜3の3階層分の要約再生時間が定義されている。なお、この要約再生時間は予め入力されたものであり、画面サイズごとの要約再生時間テーブルの他に、フレームレートごとの要約再生時間テーブル等のその他の属性における要約再生時間テーブルも存在する。
【0109】
要約映像特定装置1内のマルチプログラムシナリオテーブル作成部110は、ユーザが視聴を希望したプログラムのシナリオテーブルから必要なシナリオレコードを選択して結合し、マルチプログラムシナリオテーブルを作成する。
【0110】
具体的には、映像端末3の通信部121から送信された視聴要求情報からユーザが視聴を希望するプログラムを特定し、さらに映像端末3の通信部121から送信された属性情報から映像端末3の画像表示部125で表示すべき要約映像の再生時間を再生時間要求テーブルを用いて特定することで、マルチプログラムシナリオテーブルを作成する。作成されたマルチプログラムシナリオテーブルは再生要求時間テーブルに従って再生時間の長さが短いものから長いものまで、ダイジェストレベルがレベル1〜3の3階層分のマルチプログラムシナリオレコードを含む。
【0111】
たとえば、映像端末3から送信された視聴情報がプログラム1〜5を指定しており、さらに、映像端末3の属性情報として、画面サイズが80×100ピクセルの場合を仮定する。
【0112】
マルチプログラムシナリオテーブル作成部110は、受信した属性情報から、最も適した再生要求時間テーブルを特定する。この例の場合は、属性情報として画面サイズが80×100ピクセルという情報を受信しているから、最も適した再生要求時間テーブルとして画面サイズが80×80ピクセルの再生要求時間テーブルを特定する。なお、属性情報が複数存在する場合、たとえば属性情報として画面サイズとフレームレートを受信した場合は、画面サイズごとの再生要求時間テーブルとフレームレートごとの再生要約時間テーブルとを参照し、最も制約のきつい、すなわち、再生要求時間が短いテーブルが選択される。
【0113】
以上のように再生要求時間テーブルとして、画面サイズが80×80ピクセルの再生要求時間テーブルを選択した後、マルチプログラムシナリオテーブルの作成が行なわれる。
【0114】
すなわち、図11において、プログラム1のシナリオテーブル、プログラム2のシナリオテーブル、…、プログラム5のシナリオテーブルから、再生時間の合計が、表1に示した画面サイズが80×80ピクセルの再生要求時間テーブルにおけるレベル1の再生時間である30秒に適合するように適切なシナリオレコードの選択、組合せを行ない、レベル1のマルチプログラムシナリオレコードを作成する。
【0115】
また、レベル1よりもさらに詳細な映像を含み、再生時間が長いレベル2、レベル3のマルチプログラムシナリオレコードも同様にして作成される。そして、レベル1〜レベル3までのマルチプログラムシナリオレコードを含んだマルチプログラムシナリオテーブルが作成される。
【0116】
以上の動作により作成されたマルチプログラムシナリオテーブルは、通信部111から回線2を介して映像端末3に送信される(ステップS203)。
【0117】
送信されたマルチプログラムシナリオテーブルは、映像端末装置3の通信部121で受信され(ステップS103)、データファイル123に保存される。
【0118】
続いて、映像端末3のユーザは要約映像を視聴すべくデータファイル123に保存したマルチプログラムシナリオテーブルから現在の要約映像レベルの映像送信要求を回線2を介して映像送信装置4へ送信する(ステップS104)。
【0119】
映像送信装置4は映像端末3から送信されたマルチプログラムシナリオテーブルを受信後(ステップS302)、トランスコーダ部132で、受信したマルチシナリオテーブルとステップS301で予め受信した映像端末3の属性情報とを用いて、データファイル133から必要なプログラムの読出を行ない、映像端末3の属性情報にしたがって、要約映像の映像形態の変換を行なう(ステップS303)。映像形態の変換後、映像送信装置4は変換された要約映像を映像端末3へ送信する(ステップS304)。
【0120】
映像端末3は映像送信装置4から送信された要約映像を受信後(ステップS105)。要約映像の映像再生を行なう(ステップS106)。以下に映像再生方法について説明する。
【0121】
図12は、映像端末3の映像表示部125を説明するための表示例である。
図12を参照して、この例では、映像端末3の映像表示部125の1形態としてPDA700に映像の表示がされている場合を示している。
【0122】
PDA700には、表示エリアを兼ねたタッチパネル701と操作ボタン702〜706とが設けられている。タッチパネル701には、オリジナルの映像や要約映像がユーザの指示に従って表示される。ユーザは、タッチパネル701を操作することにより、再生開始や詳細な要約映像の視聴の指示を行なうことができる。また、ユーザは操作ボタン702〜706を用いて再生状況を制御することができる。たとえば、再生時間が短くてすむ内容が粗い要約映像から再生時間が長いがさらに詳細な内容を含む要約映像に切換えたり、詳細な要約映像から粗い要約映像に切換えたりすることができる。
【0123】
表示エリアを兼ねているタッチパネル701が図1の映像表示部125に対応する。また、タッチパネル701および操作ボタン702〜706が、図1のユーザ入力部120に対応する。
【0124】
具体的には、操作ボタン702を押すと、PDA700は、再生中の映像から要約映像の先頭まで戻り、再生時間が最も短い要約映像の再生を再開する。操作ボタン703を押すと、PDA700は、現在再生中の要約映像の1つ前のショットに戻り再生を再開する。操作ボタン704を押すと、PDA700は映像の再生を停止する。操作ボタン705を押すと、PDA700は現在視聴している要約映像のオリジナル映像を再生する。操作ボタン706を押すと、PDA700は現在再生している要約映像からより粗い要約映像に移る。これらの操作の流れをフローチャートを用いてさらに詳しく説明する。
【0125】
図13、図14は、図10中の領域700における要約映像再生の動作を説明するためのフローチャートである。
【0126】
図13、図14を参照して、ステップS801で処理ルーチンが開始される。
ステップS802では、ユーザ入力部120からユーザの再生開始の指示があるまで映像表示制御部122は待機をする。この指示は、図12のタッチパネル701に触れることで行なわれる。
【0127】
続いてステップS803では、最も粗い要約映像、すなわち、再生時間が短くて済む要約映像の再生が開始される。先程の例で言えば、図11のレベル1のマルチプログラムシナリオレコードによって指定される映像が再生されることになる。
【0128】
次に、ステップS804において、映像表示制御部122は、ユーザから現在再生中の要約映像よりも詳細な要約映像の選択指示があったか否かを確認し、選択が行なわれていればステップS805に進み、選択が行なわれていなければステップS805を飛ばしてステップS806へと進む。なお、ユーザは、図12のタッチパネル701に触れることで現階層よりもより詳細な要約映像の再生を指示することができる。
【0129】
ステップS805では、現在再生中の映像が最も詳細な要約映像か否か、すなわち、図11に示すマルチプログラムシナリオテーブルのマルチプログラムシナリオレコードがレベル3に該当するか否かが判別され、該当しなければステップS812へ進む。一方、最も詳細な要約映像である場合には、ステップS806へと進む。
【0130】
ステップS812では、図11のレベルが1階層下であるより詳細な要約映像のシナリオをもとに現在再生している同一のショットから再生を再開すべく、該当する要約映像の視聴要求を映像送信装置4へ送信する。
【0131】
映像端末3から送信された視聴要求はステップS901にて映像送信装置4で受信される。ステップS902において、要約映像特定装置1は、トランスコーダ部132で、受信した視聴要求を用いてデータファイル133から必要なプログラムの読出を行ない、要約映像の映像形態を変換後、変換した要約映像を映像端末3へ送信する。
【0132】
続いて、ステップS813にて映像端末3は映像送信装置4から送信された要約映像を受信し、ステップS814にて要約映像の再生を行なう。
【0133】
次に、ステップS806において、映像端末3の映像表示制御部122は、ユーザから現在再生中の要約映像より粗い要約映像の選択指示がなされたか否かを確認し、選択指示がされていれば、ステップS807に進む。一方、選択指示がされていなければステップS807を飛ばしてステップS808へと進む。なお、ユーザは図12の操作ボタン706に触れることで、現在再生している要約映像よりもレベルが1階層上の粗い要約映像の再生の指示を行なうことができる。
【0134】
ステップS807では、現在再生中の映像が最も粗い要約映像であるか否かの判別が行なわれる。最も粗い要約映像でない場合には、ステップS815へと進み、再生しているのが最も粗い要約映像である場合には、ステップS808へと進む。
【0135】
ステップS815では、次の階層にあたるより粗い要約映像のシナリオをもとに現在再生している同一のショットに近いショットから次の再生を再開すべく、該当する要約映像の視聴要求を映像送信装置4へ送信する。
【0136】
映像送信装置4はステップS903にて映像端末3から送信された視聴要求を受信する。ステップS904において、要約映像特定装置1は、トランスコーダ部132で、受信した視聴要求を用いてデータファイル133から必要なプログラムの読出を行ない、要約映像の映像形態を変換後、変換した要約映像を映像端末3へ送信する。
【0137】
映像端末3はステップS816にて映像送信装置4から送信された要約映像を受信し、ステップS817にて要約映像の再生を行なう。
【0138】
ステップS817の処理が終るとステップS808に進む。ステップS808では、現在再生中のプログラムの再生が終了したか否かが判断される。終了した場合にはステップS809に進む。一方終了していない場合にはステップS809を飛ばしてステップS810に進む。
【0139】
ステップS809では、次のプログラムに移り、再びレベルが1番上の最短の要約映像を再生する。
【0140】
ステップS809の処理が終るとステップS810へと進む。ステップS810では、再生すべきすべてのデータの再生処理が終ったか否かが確認される。ここで、再生すべきデータが残っていない場合には、ステップS811に進み再生の終了をする。
【0141】
また、ステップS809では、ユーザから停止の指示があったか否かの確認も行ない、停止の指示があれば、同様にステップS811へと進み終了する。
【0142】
続いて、再生の動作を、簡単な模式図を用いてフローチャートと関連して説明することにする。
【0143】
図15は、マルチプログラムシナリオテーブルとしてレベルが3階層分用意されている場合の再生を説明するための模式図である。
【0144】
図15を参照して、まず再生時間が1番短いレベル1においてプログラム1の先頭であるポイントP0から再生が開始される。ここで、仮に、ユーザがより詳細な要約映像を視聴したいというリクエストがポイントPAで発生したとする。
【0145】
すると図14のステップS804、S805、S812〜814を経由することにより再生映像のレベルがレベル1からレベル2へと遷移する。そしてより再生時間の長いダイジェストの再生が行なわれる。
【0146】
さらに、ダイジェストレベル2の要約映像の再生中に、ショット2のポイントPBにおいて同様のリクエストがあったとする。すると、ダイジェストレベルが同様なステップを経てレベル2から最も詳細なレベル3に遷移し、再生が続行される。
【0147】
そして、ダイジェストレベル3の要約映像の再生が、プログラム1の最終ショット3aの終わりであるポイントPCまで進むと、現在のプログラム1の再生が終了し、図13のステップS808からステップS809を経て、プログラム2の最短のシナリオであるレベル1の要約映像の再生が続行される。
【0148】
次に、図12の操作ボタン706の操作が行なわれた場合について説明する。
図16は、操作ボタン706が押されたときの操作を説明するための模式図である。
【0149】
図16を参照して、ユーザのリクエストによりプログラム1の最も詳細なダイジェストであるレベル3の映像のショット1が再生されているとする。
【0150】
ショット1、ショット1aと再生が終了し、続くショット2のポイントPDでユーザが図12の早送りボタン706を押したとすると、ダイジェストレベルがレベル3からレベル2に移り、次のショット3の先頭から映像の再生が続行される。
【0151】
さらに、レベル2のショット3の再生中に、ポイントPEで早送りボタンが押されると、最短のダイジェストであるダイジェストレベル1に遷移しプログラム2の先頭から再生が続行される。
【0152】
以上の動作による再生作業を終了後、図10においてユーザは映像端末3の使用を終了する。
【0153】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0154】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ユーザは、映像端末の属性に応じた際適な要約時間を有する要約映像を視聴することで、短時間で映像の概要を把握できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態である、要約映像特定システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】 本明細書におけるプログラムに含まれる映像データがどのように構造化されているかを示す図である。
【図3】 図1における要約映像特定装置1内の映像優先度決定部102の構成を示すブロック図である。
【図4】 映像優先度決定部102によってフレームごとに解析した優先度を示す模式図である。
【図5】 図1における、要約映像シナリオテーブル作成部104の動作を示すフローチャートの前半部である。
【図6】 図1における、要約映像シナリオテーブル作成部104の動作を示すフローチャートの後半部である。
【図7】 図5、図6に示したフローチャートによって要約映像シナリオテーブルの作成が行なわれることを説明するための図である。
【図8】 フレームセット551,552の構造を説明するための図である。
【図9】 図1の要約映像シナリオテーブル作成部104で作成された要約映像シナリオテーブルの一例を示す模式図である。
【図10】 この発明の実施の形態における要約映像特定システムの動作について示したフローチャートである。
【図11】 図10中のステップS202におけるマルチプログラムシナリオテーブルの作成の説明をするための概念図である。
【図12】 映像端末3の映像表示部125を説明するための表示例である。
【図13】 図10中の領域700における要約映像再生の動作を説明するためのフローチャートの前半部である。
【図14】 図10中の領域700における要約映像再生の動作を説明するためのフローチャートの後半部である。
【図15】 マルチプログラムシナリオテーブルとしてレベルが3階層分用意されている場合の再生を説明するための模式図である。
【図16】 操作ボタン706が押されたときの操作を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 要約映像特定装置、2 回線、3 映像端末、4 映像送信装置、100映像入力部、101 映像蓄積部、102 映像優先度決定部、103 映像優先度情報蓄積部、104 要約映像シナリオテーブル作成部、105 要約映像シナリオテーブル蓄積部、106 再生要求時間テーブル蓄積部、110 マルチプログラムシナリオテーブル作成部、111,121,131 通信部、120 ユーザ入力部、122 映像表示制御部、123,133 データファイル、124 映像再生部、125 映像表示部、132 トランスコーダ部、200 ビデオシーケンス、211 シーン、221 ショット、226 カット、230,571,572 フレーム、300 入力部、301 映像解析部、302 フレーム優先度決定部、303 出力部、551〜558 フレームセット、600 オリジナル映像、601〜603 シナリオレコード、601.1〜601.2,602.1〜602.3,603.1〜603.4 連続再生フレームセット、701 タッチパネル、702〜706 操作ボタン。

Claims (8)

  1. 時系列的に配置される複数のフレームを含むビデオシーケンスを映像として出力することが可能な映像端末に回線を介して接続可能な要約映像特定装置であって、
    前記複数のフレームに対応する優先度を参照し、前記ビデオシーケンスの先頭から順に所定の優先度のフレームをキーフレームとして探索する探索手段と、
    前記ビデオシーケンスの最後まで探索が終了したか否かを判定し、前記ビデオシーケンスの最後まで探索が終了した場合に前記優先度を減じて再度前記探索手段に探索を行なわせる判定手段と、
    前記ビデオシーケンス中に時系列に連続して配置され、選択された前記キーフレームを包含する複数のフレームであって、かつ、所定の連続再生時間に相当する複数のフレームであるフレームセットを要約映像として選択し、前記要約映像として選択された前記フレームを特定する情報を含むシナリオを出力する選択手段と、
    前記要約映像の連続再生時間の合計が、所定の合計再生時間を超えた場合に、要約映像の作成を完了させる時間判定手段と、
    前記選択手段から出力される複数のシナリオを蓄積するシナリオ蓄積手段と、
    前記映像端末から回線を介して送信される前記映像端末の属性に従って、前記蓄積された複数のシナリオのうち前記属性に対応したシナリオを読出するシナリオ読出手段と、
    前記読出したシナリオを回線を介して前記映像端末へ送信する送信手段とを含む、要約映像特定装置。
  2. 前記シナリオ読出手段は、
    前記映像端末の属性と前記映像端末で出力すべき要約映像の再生時間とを対応付けてテーブルに蓄積するテーブル蓄積手段と、
    前記映像端末から送信された属性と前記テーブルとから前記再生時間を特定し、前記特定された再生時間と等しい前記合計再生時間の要約映像を特定する情報を含む前記シナリオを前記シナリオ蓄積手段により蓄積された複数のシナリオから読出するシナリオ検索手段とを含む、請求項1に記載の要約映像特定装置。
  3. 前記シナリオ読出手段はさらに、
    前記複数のシナリオの合計再生時間の合計が、前記特定された再生時間と等しくなるように、前記複数のシナリオの組合せを行なうシナリオ組合せ手段を含む、請求項2に記載の要約映像特定装置。
  4. 前記映像端末の属性は前記映像端末の画面サイズである、請求項1に記載の要約映像特定装置。
  5. 前記映像端末の属性はフレームレートである、請求項1に記載の要約映像特定装置。
  6. 時系列的に配置される複数のフレームを含むビデオシーケンスを映像として出力することが可能な映像端末に回線を介して接続可能な要約映像特定装置を用いた要約映像特定方法であって、
    前記複数のフレームに対応する優先度を参照し、前記ビデオシーケンスの先頭から順に所定の優先度のフレームをキーフレームとして探索するステップと、
    前記ビデオシーケンスの最後まで探索が終了したか否かを判定し、前記ビデオシーケンスの最後まで探索が終了した場合に前記優先度を減じて再度探索を行なうよう指示するステップと、
    前記ビデオシーケンス中に時系列に連続して配置され、選択された前記キーフレームを包含する複数のフレームであって、かつ、所定の連続再生時間に相当する複数のフレームであるフレームセットを要約映像として選択し、前記要約映像として選択された前記フレームを特定する情報を含むシナリオを出力するステップと、
    前記要約映像の連続再生時間の合計が、所定の合計再生時間を超えた場合に、要約映像の作成を完了させるステップと、
    前記選択手段から出力される複数のシナリオを蓄積するステップと、
    前記映像端末から回線を介して送信される前記映像端末の属性に従って、前記蓄積された複数のシナリオのうち前記属性に対応したシナリオを読出するステップと、
    前記読出したシナリオを回線を介して前記映像端末へ送信するステップとを含む、要約映像特定方法。
  7. 前記シナリオを読出するステップは、
    前記映像端末の属性と前記映像端末で出力すべき要約映像の再生時間とを対応付けてテーブルに蓄積するステップと、
    前記映像端末から送信された属性と前記テーブルとから前記再生時間を特定し、前記特定された再生時間と等しい前記合計再生時間の要約映像を特定する情報を含む前記シナリオを前記蓄積された複数のシナリオから読出するステップとを含む、請求項6に記載の要約映像特定方法。
  8. 前記シナリオを読出するステップはさらに、
    前記複数のシナリオの合計再生時間の合計が、前記特定された再生時間と等しくなるように、前記複数のシナリオの組合せを行なうステップを含む、請求項7に記載の要約映像特定方法。
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