JP4224965B2 - 放電制御装置、放電制御方法及びプログラム - Google Patents

放電制御装置、放電制御方法及びプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電制御装置、放電制御方法及びプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電動車両においては、回転自在に配設され、磁極対を備えたロータ、及び該ロータより径方向外方に配設され、U相、V相及びW相のコイルを備えたステータから成る駆動モータが使用される。そして、駆動モータ制御装置によって発生させられたU相、V相及びW相の電流を前記ステータコイルに供給し、かつ、所定の電圧を印加することにより、前記駆動モータを駆動し、駆動モータのトルク、すなわち、駆動モータトルクを発生させ、該駆動モータトルクを駆動輪に伝達して電動車両を走行させるようになっている。そのために、バッテリとインバータとが接続され、バッテリから直流の電流がインバータに供給され、前記駆動モータ制御装置によって、前記インバータを構成するスイッチング素子が適宜オン・オフさせられ、前記各相の電流が発生させられる。
【0003】
ところで、前記電動車両の走行が終了し、イグニッションキーがオフにされると、それに連動して、バッテリからインバータへの電流の供給が遮断され、駆動モータの駆動が停止させられる。このとき、前記バッテリとインバータとの間に配設されたコンデンサに、静電容量に対応する電荷が蓄積されている。そして、前記コンデンサに電荷が蓄積されたままで、前記駆動モータ制御装置の電源がオフになると、スイッチング素子に送られる駆動信号が過渡的に無制御状態になってしまう。その結果、スイッチング素子が、オンになり、短絡電流が流れて破損してしまうことがある。
【0004】
そこで、コンデンサに蓄積された電荷を放電させるためのスイッチ手段を配設し、イグニッションキーがオフにされるのに伴って、駆動モータの位相に対して非同期でスイッチ手段をオン・オフさせ、駆動モータに定電流を供給することによって、フリーラン状態を形成し、コンデンサに蓄積された電荷を消費し、コンデンサに蓄積された電荷を放電させるようにしている(特開平9−215102号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の電動車両においては、スイッチ手段をオン・オフさせられるのに伴って騒音、振動等が発生する可能性がある。したがって、駆動モータトルクの目標値を表す駆動モータ目標トルク、スイッチ手段をオン・オフさせるためのクロック信号の周波数等を、特定の値に設定することによって騒音、振動等が発生するのを抑制する必要があり、コンデンサに蓄積された電荷を放電させるための作業が煩わしい。
【0006】
本発明は、前記従来の電動車両の問題点を解決して、騒音、振動等を発生させることなく容易にコンデンサに蓄積された電荷を放電させることができる放電制御装置、放電制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の放電制御装置においては、ロータ及びステータを備えた電動機械と、直流電源から直流の電流を受け、前記電動機械に供給される交流の電流を発生させるインバータと、前記直流電源とインバータとの間に配設されたコンデンサと、前記電動機械の運転周波数と異なる任意の複数の周波数で磁極位置を順次疑似的に発生させる疑似磁極位置発生手段と、前記コンデンサに蓄積された電荷を電動機械によって放電させる際に、前記ロータが順次疑似的に発生させられた磁極位置にあると仮定して前記交流の電流を発生させる電流制御処理手段とを有する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
図1は本発明の実施の形態における放電制御装置の機能ブロック図である。
【0020】
図において、31は図示されないロータ及びステータを備えた電動機械としての駆動モータ、40は直流電源としてのバッテリ14から直流の電流を受け、前記駆動モータ31に供給される交流の電流を発生させるインバータ、17は前記バッテリ14とインバータ40との間に配設されたコンデンサ、92は任意の複数の周波数で磁極位置を順次疑似的に発生させる疑似磁極位置発生手段、90は、前記コンデンサ17に蓄積された電荷を駆動モータ31によって放電させる際に、前記ロータが順次疑似的に発生させられた磁極位置にあると仮定して前記交流の電流を発生させる電流制御処理手段である。
【0021】
図2は本発明の実施の形態における電動車両の制御装置の概略図、図3は本発明の実施の形態におけるモータ制御部のブロック図、図4は本発明の実施の形態における電流の波形図、図5は本発明の実施の形態における磁極位置の波形図、図6は本発明の実施の形態における電流指令値を説明する図、図7は本発明の実施の形態における駆動モータの停止状態における電流の例を示す波形図、図8は本発明の実施の形態における駆動モータの停止状態における磁極位置の例を示す波形図である。
【0022】
図において、10は各種のプログラム、データ等に従ってコンピュータとして機能する駆動モータ制御装置であり、該駆動モータ制御装置10はモータ制御部45及びドライブ回路51を備える。また、31は電動機械としての駆動モータであり、該駆動モータ31としてDCブラシレス駆動モータが使用される。前記駆動モータ31は、回転自在に配設された図示されないロータ、及び該ロータより径方向外方に配設されたステータを備える。前記ロータは、前記駆動モータ31の図示されないシャフトに取り付けられたロータコア、及び該ロータコアの円周方向における複数箇所に配設された永久磁石を備える。本実施の形態においては、前記ロータコアの円周方向における12箇所にN極及びS極を交互に外周面に向けて永久磁石が配設され、6個の磁極対が形成される。
【0023】
また、前記ステータは、図示されないステータコア、及び該ステータコアに巻装されたU相、V相及びW相のステータコイル11〜13を備え、前記ステータコアの円周方向における複数箇所には、径方向内方に向けて突出させてステータポールが形成される。
【0024】
そして、前記駆動モータ31を駆動して電動車両を走行させるために、直流電源としてのバッテリ14、及び該バッテリ14から直流の電流が供給され、該直流の電流を交流の電流としてのU相、V相及びW相の電流Iu、Iv、Iwに変換するインバータ40が配設され、図4に示されるような、各相の電流Iu、Iv、Iwが駆動モータ31に、すなわち、それぞれ各ステータコイル11〜13に供給される。
【0025】
そのために、前記インバータ40は、6個のスイッチング素子としてのトランジスタTr1〜Tr6を備え、各トランジスタTr1〜Tr6が選択的にオン・オフさせられることによって、前記各相の電流Iu、Iv、Iwが発生させられる。なお、インバータ40とバッテリ14との間に平滑用のコンデンサ17が配設され、コンデンサ17には、静電容量に対応する電荷が蓄積されている。
【0026】
また、前記シャフトに磁極位置検出部としてのレゾルバ43が取り付けられ、該レゾルバ43によって、図5に示されるような波形で表されるロータの磁極位置θが検出される。なお、本実施の形態においては、前記磁極位置検出部としてレゾルバ43が使用されるようになっているが、該レゾルバ43に代えて図示されないホール素子を使用することもできる。その場合、該ホール素子は、前記ロータの回動に伴って、所定の角度ごとに位置検出信号を発生させ、図示されない磁極位置検出回路は、前記位置検出信号を受けると、位置検出信号の信号レベルの組合せに基づいて磁極位置θを検出する。
【0027】
ところで、前記ステータコイル11〜13はスター結線されているので、各相のうちの二つの相の電流の値が決まると、残りの一つの相の電流の値も決まる。したがって、各相の電流Iu、Iv、Iwを制御するために、例えば、ステータコイル11、12のリード線にU相及びV相の電流Iu、Ivを検出する電流検出手段としての電流センサ33、34が配設され、該電流センサ33、34は、検出された電流Iu、Ivをモータ制御部45に送る。
【0028】
そして、該モータ制御部45は図示されないCPU、記録装置等から成り、モータ制御部45の図示されない駆動モータ回転速度算出処理手段は、駆動モータ回転速度算出処理を行い、前記磁極位置θに基づいて駆動モータ31の回転速度、すなわち、駆動モータ回転速度NMを算出する。また、前記モータ制御部45の図示されない車速検出処理手段は、車速検出処理を行い、前記駆動モータ回転速度NMに対応する車速Vを検出し、検出された車速Vを、電動車両の全体の制御を行う図示されない車両制御回路に送る。
【0029】
該車両制御回路の指令値発生部は、前記車速V、及び図示されないアクセルセンサによって検出されたアクセル開度αに基づいて車両要求トルクを算出し、該車両要求トルクに対応させて駆動モータトルクTMの目標値を表す駆動モータ目標トルクTM* を発生させ、該駆動モータ目標トルクTM* を前記モータ制御部45に送る。
【0030】
該モータ制御部45の図示されない駆動モータ制御処理手段は、駆動モータ制御処理を行い、前記駆動モータ目標トルクTM* を読み込むと、前記記録装置に記録された図示されない電流指令値マップを参照し、図6に示されるように、ベクトル表示された電流指令値isのd軸成分を表すd軸電流指令値ids、及びq軸成分を表すq軸電流指令値iqsを決定するとともに、前記電流Iu、Ivを読み込み、前記d軸電流指令値ids及びq軸電流指令値iqs並びに電流Iu、Ivに基づいて、電圧指令値Vu* 、Vv* 、Vw* を算出し、該電圧指令値Vu* 、Vv* 、Vw* に基づいて所定のパルス幅を有するU相、V相及びW相のパルス幅変調信号SU、SV、SWを発生させ、該パルス幅変調信号SU、SV、SWをドライブ回路51に送る。該ドライブ回路51は、前記パルス幅変調信号SU、SV、SWを受けて、トランジスタTr1〜Tr6を駆動するための6個の駆動信号をそれぞれ発生させ、該駆動信号をインバータ40に送る。該インバータ40は、前記駆動信号がオンの間だけトランジスタTr1〜Tr6をオンにして各相の電流Iu 、Iv 、IW を発生させ、該電流Iu 、Iv 、IW を前記各ステータコイル11〜13に供給する。このように、駆動モータ31を駆動することによって電動車両を走行させることができる。
【0031】
ところで、前記モータ制御部45においては、ロータの磁極対の方向にd軸を、該d軸と直角の方向にq軸をそれぞれ採ったd−q軸モデル上でベクトル制御演算によるフィードバック制御が行われるようになっている。
【0032】
そのために、前記モータ制御部45内において、前記電流センサ33、34によって検出された電流Iu、Ivが、レゾルバ43によって検出された磁極位置θがUV−dq変換器61に送られる。該UV−dq変換器61は、電流Iu、Iv及び前記磁極位置θに基づいて三相/二相変換を行い、電流Iu、Ivをd軸電流id及びq軸電流iqに変換する。
【0033】
そして、d軸電流idは減算器62に送られ、該減算器62において前記d軸電流idと前記d軸電流指令値idsとのd軸電流偏差Δidが算出され、該d軸電流偏差Δidがd軸電圧指令値発生部64に送られる。一方、q軸電流iqは減算器63に送られ、該減算器63において前記q軸電流iqと前記q軸電流指令値iqsとのq軸電流偏差Δiqが算出され、該q軸電流偏差Δiqがq軸電圧指令値発生部65に送られる。なお、d軸電圧指令値発生部64及びq軸電圧指令値発生部65によって電圧指令値発生処理手段が構成される。
【0034】
そして、前記d軸電圧指令値発生部64及びq軸電圧指令値発生部65は、パラメータ演算部71から送られたq軸インダクタンスLq及びd軸インダクタンスLd、並びに前記d軸電流偏差Δid及びq軸電流偏差Δiqに基づいて、d軸電流偏差Δid及びq軸電流偏差Δiqが零(0)になるように、2軸上のインバータ出力としてのd軸電圧指令値Vd* 及びq軸電圧指令値Vq* を発生させ、該d軸電圧指令値Vd* 及びq軸電圧指令値Vq* をdq−UV変換器67に送る。
【0035】
続いて、該dq−UV変換器67は、前記d軸電圧指令値Vd* 、q軸電圧指令値Vq* 及び磁極位置θに基づいて二相/三相変換を行い、d軸電圧指令値Vd* 及びq軸電圧指令値Vq* をU相、V相及びW相の電圧指令値Vu* 、Vv* 、Vw* に変換し、該電圧指令値Vu* 、Vv* 、Vw* をPWM発生器68に送る。該PWM発生器68は、前記各相の電圧指令値Vu *、Vv *、Vw* 及び前記コンデンサ17の端子間に印加され、図示されない直流電圧検出回路によって検出されたバッテリ14の電圧VBに基づいて各相のパルス幅変調信号SU、SV、SWを発生させ、ドライブ回路51に送る。なお、前記UV−dq変換器61、減算器62、63、d軸電圧指令値発生部64、q軸電圧指令値発生部65、dq−UV変換器67、PWM発生器68、パラメータ演算部71、ドライブ回路51等によって電流制御処理手段90(図1)が構成される。
【0036】
ところで、前記電動車両の走行が終了し、図示されないイグニッションキーがオフにされると、それに連動して、バッテリ14からインバータ40への電流の供給が遮断され、駆動モータ31の駆動が停止させられる。それに伴って、各相の電流Iu、Iv、Iwは、図7に示されるように一定になる。また、磁極位置θは、図8に示されるように所定の値になる。
【0037】
このとき、前記コンデンサ17に、静電容量に対応する電荷が蓄積されている。そして、前記コンデンサ17に電荷が蓄積されたままで、前記駆動モータ制御装置10の図示されない電源がオフになると、トランジスタTr1〜Tr6に送られる駆動信号が過渡的に無制御状態になってしまう。その結果、トランジスタTr1〜Tr6がオンになり、短絡電流が流れて破損してしまうことがある。
【0038】
そこで、前記モータ制御部45の図示されない放電制御処理手段は、放電制御処理を行い、駆動モータ31を高速脱調させることによって、駆動モータトルクTMを発生させることなく、各相の電流Iu、Iv、Iwを駆動モータ31に供給し、コンデンサ17の電荷を消費し、コンデンサ17に蓄積された電荷を放電させるようにしている。
【0039】
そのために、前記放電制御処理手段の図示されない放電電流指令値発生処理手段は、放電電流指令値発生処理を行い、放電電流指令値iαを発生させるようにしている。また、前記放電制御処理手段の疑似磁極位置発生処理手段92は、疑似磁極位置発生処理を行い、疑似磁極位置θαを発生させるようにしている。
【0040】
図9は本発明の実施の形態における電動車両の動作を示すメインフローチャート、図10は本発明の実施の形態における放電電流指令値発生処理のサブルーチンを示す図、図11は本発明の実施の形態における疑似磁極位置発生処理のサブルーチンを示す図、図12は本発明の実施の形態における放電電流指令値の概念図、図13は本発明の実施の形態における疑似磁極位置の波形図である。
【0041】
本実施の形態においては、前記放電電流指令値発生処理手段は、図12に示されるように、d軸電流指令値idsを表す放電電流指令値iαをd軸上で発生させ、離散的(段階的)に変更し、任意の可変の値にするとともに、q軸電流指令値iqsを表すq軸上の放電電流指令値を一定、又は零にする。この場合、放電電流指令値発生処理手段は、駆動モータ制御装置10(図2)の記録装置に記録された乱数列(例えば、3、6、3、2、7、1、8、4、6、…)からM(M:0、1、…、Mmax)番目の乱数fm(M)を読み出し、前記記録装置の放電電流マップを参照し、前記乱数fm(M)に対応する放電電流指令値iαを読み出す。このようにして放電電流指令値iαを変更することができる。
【0042】
なお、放電電流指令値iαを変更する周期は、変更に伴って駆動モータ31が回転させられることがないように、疑似磁極位置θαの周期の整数倍にされる。
【0043】
また、放電電流指令値iαの大きさは、必要放電エネルギー(コンデンサ17の端子間の電圧Vconの二剰に比例する。)、電圧Vcon、コンデンサ17に蓄積された電荷を放電させるのに必要な放電時間等に基づいて決定される。そして、放電電流指令値iαの最大値(各相の電流Iu、Iv、Iwの最大値)を、騒音、振動等を発生させない範囲で大きく設定することによって、放電時間を短くすることができる。また、コンデンサ17の放電を開始する際には、放電電流指令値iαを小さくすることによって、コンデンサ17にラッシュ電流(突出電流)が流れないようにする。したがって、初期振動が発生するのを抑制することができるだけでなく、コンデンサ17の寿命を長くすることができる。
【0044】
また、前記疑似磁極位置発生処理手段92は、実際の駆動モータ31の運転周波数(回転速度)と異なる非同期の任意の複数の周波数fcで疑似磁極位置θαを発生させる。そのために、前記疑似磁極位置発生処理手段92の図示されない周波数変更処理手段は、周波数変更処理を行い、周波数fcを任意に変更する。該周波数fcは、駆動モータ31のロータの可動(共振)周波数以上、ステータの共振周波数以下の範囲で適宜設定され、駆動モータ31の電気角の1周の整数倍、及び機械角の整数倍のうちのいずれか一方で変更される。
【0045】
ところで、1周期の疑似磁極位置θαを、値n(n:1、2、…)の関数で表したとき、疑似磁極位置θα(n)は、
θα(n)=θα(n−1)+Δθ
にされ、図13に示されるように変化させられる。なお、Δθは疑似磁極位置θαの微小変化量を表す加算値である。この場合、疑似磁極位置θα(n)が360〔°〕を超えて、
θα(n)≧360〔°〕
になると、疑似磁極位置θα(n)は、
θα(n)=θα(n)−360〔°〕
にされる。また、前記疑似磁極位置発生処理手段92は、前記疑似磁極位置θα(n)が360〔°〕を超えるたびに、駆動モータ制御装置10の記録装置に記録された乱数列からN(N:0、1、…、Nmax)番目の乱数fn(N)を読み出し、前記記録装置の加算値マップを参照し、該乱数fn(N)に対応する加算値Δθを読み出し、現在の磁極位置θに加算値Δθを加算する。このようにして周波数fcを変更することができる。なお、値Nの最大値Nmaxを設定し、前記乱数列の所定の個数の乱数fn(N)を繰り返し読み出すことができる。また、一般的な乱数発生ロジックを使用して乱数列を発生させることもできる。
【0046】
このように、放電電流指令値iαを任意の可変の値にするとともに、駆動モータ31の運転周波数(回転速度)と異なる非同期の任意の複数の周波数fcで疑似磁極位置θαを可変させることによって発生させることにより、各相の電流Iu、Iv、Iwが、前記ロータが疑似磁極位置θαにあると仮定されて発生させられ、駆動モータ31に供給されるようになっているので、駆動モータトルクTMを発生させることなく、容易にコンデンサ17に蓄積された電荷を放電させることができる。しかも、放電電流指令値iαが任意の可変の値にされ、疑似磁極位置θαが任意の複数の周波数fcで発生させられるので、騒音、振動等が発生させられることがない。したがって、騒音、振動等を発生させるのを防止するために、駆動モータ目標トルクTM* 、クロック信号の周波数等を特定の値に設定する必要がなくなるので、コンデンサ17に蓄積された電荷を放電させるための作業を簡素化することができる。
【0047】
また、放電電流指令値iαはd軸及びq軸のうちの一つの軸上で変更され、しかも、他の軸上の放電電流指令値が一定、又は零にされるので、電流制御処理手段90における各種の計算処理を簡素化することができる。
【0048】
次に、図9のフローチャートについて説明する。
ステップS1 放電電流指令値発生処理を行う。
ステップS2 疑似磁極位置発生処理を行い、処理を終了する。
【0049】
次に、図10のフローチャートについて説明する。
ステップS1−1 値Mが最大値Mmaxより大きいかどうかを判断する。値Mが最大値Mmaxより大きい場合はステップS1−2に、値Mが最大値Mmax以下である場合はステップS1−3に進む。
ステップS1−2 値Mに零をセットする。
ステップS1−3 乱数fm(M)に対応する放電電流指令値iαを読み出す。
ステップS1−4 q軸電流指令値iqsに0をセットし、リターンする。
【0050】
次に、図11のフローチャートについて説明する。
ステップS2−1 疑似磁極位置θα(n)が360〔°〕以上であるかどうかを判断する。疑似磁極位置θα(n)が360〔°〕以上である場合はステップS2−2に、疑似磁極位置θα(n)が360〔°〕より小さい場合はステップS2−3に進む。
ステップS2−2 疑似磁極位置θα(n)から360〔°〕を減算した値を疑似磁極位置θα(n)にセットする。
ステップS2−3 値Nが最大値Nmaxより大きいかどうかを判断する。値Nが最大値Nmaxより大きい場合はステップS2−5に、値Nが最大値Nmax以下である場合はステップS2−4に進む。
ステップS2−4 値Nに零をセットする。
ステップS2−5 乱数fn(N)に対応する加算値Δθを読み出す。
ステップS2−6 実際の磁極位置θに加算値Δθを加算した値を実際の磁極位置θにセットし、リターンする。
【0051】
次に、放電電流指令値iα及び疑似磁極位置θαを変更する手法の例について説明する。
【0052】
図14は本発明の実施の形態における放電電流指令値及び疑似磁極位置を変更する第1の手法を説明する図、図15は本発明の実施の形態における放電電流指令値及び疑似磁極位置を変更する第2の手法を説明する図、図16は本発明の実施の形態における放電電流指令値及び疑似磁極位置を変更する第3の手法を説明する図、図17は本発明の実施の形態における放電電流指令値及び疑似磁極位置を変更する第4の手法を説明する図である。
【0053】
第1の手法においては、放電時間における前半と後半とで放電量が変化させられ、図11に示されるように、放電時間の前半で放電電流指令値iαが大きく、疑似磁極位置θαを発生させるための周波数fcが低くされ、放電時間の後半で放電電流指令値iαが小さく、前記周波数fcが高くされる。
【0054】
したがって、放電時間の前半でコンデンサ17(図2)の電圧Vconを50〔V〕位まで急激に低くすることができる。
【0055】
なお、この場合、電圧Vconが低くなりすぎると、放電時間の後半で、放電電流指令値iα及び電流センサ33、34によって検出される電流Iu、Ivによるフィードバック制御が破綻してしまうので、放電電流指令値iαが大きくなりすぎないように、かつ、周波数fcが低くなりすぎないようにされる。
【0056】
また、放電時間の前半で放電電流指令値iαを小さく、周波数fcを高くし、放電時間の後半で放電電流指令値iαを大きく、周波数fcを低くすることもできる。
【0057】
この場合、放電が開始されたときの放電量が多く、その後、放電量が少なくされるので、騒音、振動等による違和感を少なくすることができる。また、騒音の音域を分散させることによって、可聴ノイズの官能値を小さくすることができる。
【0058】
なお、電圧Vconが低くなるのに伴って、放電電流指令値iαを小さくしないと、コンデンサ17から流れる電流の値が大きくなりすぎてしまうので、放電電流指令値iαを小さくするのが好ましい。
【0059】
また、第2の手法においては、図15に示されるように、疑似磁極位置θαの周期ごとに放電電流指令値iα及び周波数fcが変更される。
【0060】
この場合、ロータ、ステータ等の共振による騒音、振動等が発生するのを防止することができる。
【0061】
そして、第3の手法においては、図16に示されるように、放電電流指令値iα及び周波数fcをランダムに変更することができる。
【0062】
この場合も、ロータ、ステータ等の共振による騒音、振動等が発生するのを防止することができる。
【0063】
また、第4の手法においては、図17に示されるように、放電電流指令値iαが最初に緩やかに大きくされ、続いて緩やかに小さくされる。この場合、放電時間の前半の放電量を多くすることができる。
【0064】
本実施の形態においては、放電電流指令値iαをd軸上で発生させるようにしているが、放電電流指令値をq軸上で発生させ、かつ、時間の経過と共に離散的に変更し、d軸上の放電電流指令値を一定、又は零にすることもできる。また、放電電流指令値をd−q軸上で発生させることもできる。さらに、放電電流指令値及び周波数を連続的に変更することもできる。
【0065】
そして、駆動モータ目標トルクTM* を時間の経過と共に離散的又は連続的に変更することによって放電電流指令値を変更し、該放電電流指令値に基づいて各相の電流Iu、Iv、Iwを発生させることもできる。この場合、駆動モータ31に印加される電圧が変化するので、放電電流指令値を固定する方が好ましい。
【0066】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0067】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、放電制御装置においては、ロータ及びステータを備えた電動機械と、直流電源から直流の電流を受け、前記電動機械に供給される交流の電流を発生させるインバータと、前記直流電源とインバータとの間に配設されたコンデンサと、前記電動機械の運転周波数と異なる任意の複数の周波数で磁極位置を順次疑似的に発生させる疑似磁極位置発生手段と、前記コンデンサに蓄積された電荷を電動機械によって放電させる際に、前記ロータが順次疑似的に発生させられた磁極位置にあると仮定して前記交流の電流を発生させる電流制御処理手段とを有する。
【0068】
この場合、電動機械の運転周波数(回転速度)と異なる任意の複数の周波数で疑似磁極位置を発生させることによって、交流の電流が電動機械に供給されるので、電動機械のトルクを発生させることなく、容易にコンデンサに蓄積された電荷を放電させることができる。しかも、疑似磁極位置が任意の複数の周波数で発生させられるので、騒音、振動等が発生させられることがない。したがって、騒音、振動等を発生させるのを防止するために、電動機械の目標値を表すトルク、クロック信号の周波数等を特定の値に設定する必要がなくなるので、コンデンサに蓄積された電荷を放電させるための作業を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における放電制御装置の機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における電動車両の制御装置の概略図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるモータ制御部のブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態における電流の波形図である。
【図5】本発明の実施の形態における磁極位置の波形図である。
【図6】本発明の実施の形態における電流指令値を説明する図である。
【図7】本発明の実施の形態における駆動モータの停止状態における電流の例を示す波形図である。
【図8】本発明の実施の形態における駆動モータの停止状態における磁極位置の例を示す波形図である。
【図9】本発明の実施の形態における電動車両の動作を示すメインフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態における放電電流指令値発生処理のサブルーチンを示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における疑似磁極位置発生処理のサブルーチンを示す図である。
【図12】本発明の実施の形態における放電電流指令値の概念図である。
【図13】本発明の実施の形態における疑似磁極位置の波形図である。
【図14】本発明の実施の形態における放電電流指令値及び疑似磁極位置を変更する第1の手法を説明する図である。
【図15】本発明の実施の形態における放電電流指令値及び疑似磁極位置を変更する第2の手法を説明する図である。
【図16】本発明の実施の形態における放電電流指令値及び疑似磁極位置を変更する第3の手法を説明する図である。
【図17】本発明の実施の形態における放電電流指令値及び疑似磁極位置を変更する第4の手法を説明する図である。
【符号の説明】
10 駆動モータ制御装置
14 バッテリ
17 コンデンサ
31 駆動モータ
40 インバータ
90 電流制御処理手段
92 疑似磁極位置発生処理手段

Claims (9)

  1. ロータ及びステータを備えた電動機械と、直流電源から直流の電流を受け、前記電動機械に供給される交流の電流を発生させるインバータと、前記直流電源とインバータとの間に配設されたコンデンサと、前記電動機械の運転周波数と異なる任意の複数の周波数で磁極位置を順次疑似的に発生させる疑似磁極位置発生手段と、前記コンデンサに蓄積された電荷を電動機械によって放電させる際に、前記ロータが順次疑似的に発生させられた磁極位置にあると仮定して前記交流の電流を発生させる電流制御処理手段とを有することを特徴とする放電制御装置。
  2. 前記コンデンサに蓄積された電荷を電動機械によって放電させるための放電電流指令値を任意の可変の値にする放電電流指令値発生処理手段を有するとともに、前記電流制御処理手段は、前記磁極位置及び放電電流指令値に基づいて交流の電流を発生させる請求項1に記載の放電制御装置。
  3. 前記放電電流指令値発生処理手段は、電荷が放電させられている間、連続的に放電電流指令値を変更する請求項2に記載の放電制御装置。
  4. 前記疑似磁極位置発生処理手段は、電荷が放電させられている間、連続的に周波数を変更する請求項1又は2に記載の放電制御装置。
  5. 前記放電電流指令値は、d軸及びq軸のうちの一方の軸上で変更される請求項2又は3に記載の放電制御装置。
  6. 前記放電電流指令値発生処理手段は、前記疑似磁極位置の周期の整数倍の周期で放電電流指令値を変更する請求項2、3又は5のいずれか1項に記載の放電制御装置。
  7. 前記疑似磁極位置発生処理手段は、周波数を電動機械の電気角の1周の整数倍、及び機械角の整数倍のうちのいずれか一方で変更する周波数変更処理手段を備える請求項1〜6のいずれか1項に記載の放電制御装置。
  8. 直流電源とインバータとの間に配設されたコンデンサに蓄積された電荷を放電させる放電制御方法において、電動機械の運転周波数と異なる任意の複数の周波数で磁極位置を順次疑似的に発生させ、前記コンデンサに蓄積された電荷を前記電動機械によって放電させる際に、前記ロータが順次疑似的に発生させられた磁極位置にあると仮定して交流の電流を発生させることを特徴とする放電制御方法。
  9. ロータ及びステータを備えた電動機械、直流電源から直流の電流を受け、前記電動機械に供給される交流の電流を発生させるインバータ、並びに前記直流電源とインバータとの間に配設されたコンデンサを有する放電制御装置において、コンピュータを、前記電動機械の運転周波数と異なる任意の複数の周波数で磁極位置を順次疑似的に発生させる疑似磁極位置発生手段と、前記コンデンサに蓄積された電荷を電動機械によって放電させる際に、前記ロータが順次疑似的に発生させられた磁極位置にあると仮定して交流の電流を発生させる電流制御処理手段として機能させることを特徴とするプログラム。
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