JP4224795B2 - 光ディスク装置及び光収差補正方法 - Google Patents

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Description

本発明は光ディスク装置及び光収差補正方法に関し、例えば光ディスクにホログラムを記録する光ディスク装置に適用して好適なものである。
従来、光ディスク装置においては、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)及びBlu−ray Disc(登録商標、以下BDと呼ぶ)等、光ディスクに対して光ビームを照射し、その反射光を読み取ることにより情報を再生するようになされたものが広く普及している。
またかかる従来の光ディスク装置では、当該光ディスクに対して光ビームを照射することにより、当該光ディスクの局所的な反射率等を変化させることにより、情報の記録を行うようになされている。
この光ディスクに関しては、当該光ディスク上に形成される光スポットの大きさは、およそλ/NA(λ:光ビームの波長、NA:開口数)で与えられ、解像度もこの値に比例することが知られている。例えば、直径120[mm]の光ディスクにおよそ25[GB]のデータを記録し得るBDの詳細については、非特許文献1に示されている。
ところで光ディスクには、音楽コンテンツや映像コンテンツ等の各種コンテンツ、或いはコンピュータ用の各種データ等のような種々の情報が記録されるようになされている。特に近年では、映像の高精細化や音楽の高音質化等により情報量が増大し、また1枚の光ディスクに記録するコンテンツ数の増加が要求されているため、当該光ディスクのさらなる大容量化が要求されている。
そこで、1枚の光ディスク内で記録層を重ねることにより、1枚の光ディスクにおける記録容量を増加させる手法も提案されている(例えば、非特許文献2参照)。
一方、光ディスクに対する情報の記録手法として、ホログラムを用いた光ディスク装置も提案されている(例えば、非特許文献3参照)。
例えば図1に示すように、光ディスク装置1は、照射された光強度によって屈折率が変化するフォトポリマ等でなる光ディスク8中に、光学ヘッド7から一旦光ビームを集光し、その後光ディスク8の裏面側(図1では下側)に設けられた反射装置9を用いて、もう一度逆方向から光ビームを同一焦点位置に集光するようになされている。
光ディスク装置1は、レーザ2からレーザ光でなる光ビームを出射させ、音響光学変調器3によりその光波を変調し、コリメータレンズ4により平行光に変換する。続いて光ビームは、偏光ビームスプリッタ5を透過し、1/4波長板6により直線偏光から円偏光に変換されてから、光学ヘッド7へ入射される。
光学ヘッド7は、情報の記録及び再生を行い得るようになされており、光ビームをミラー7Aにより反射し、対物レンズ7Bにより集光して、スピンドルモータ(図示せず)により回転されている光ディスク8に照射する。
このとき光ビームは、光ディスク8の内部で一旦合焦されてから、当該光ディスク8の裏面側に配置された反射装置9によって反射され、当該光ディスク8の裏面側から光ディスク8の内部における同一焦点に集光される。因みに反射装置9は、集光レンズ9A、シャッタ9B、集光レンズ9C及び反射ミラー9Dにより構成されている。
この結果、図2(A)に示すように、光ビームの焦点位置に定在波が生じ、全体的に2つの円錐体を互いの底面同士で貼り合わせたような形状でなる、光スポットサイズの小さなホログラムでなる記録マークRMを形成する。かくしてこの記録マークRMが情報として記録される。
光ディスク装置1は、光ディスク8の内部にこの記録マークRMを複数記録する際、当該光ディスク8を回転させ各記録マークRMを同心円状又は螺旋状のトラックに沿って配置することにより一つのマーク記録層を形成し、さらに光ビームの焦点位置を調整することにより、マーク記録層を複数層重ねるように各記録マークRMを記録することができる。
これにより光ディスク8は、内部に複数のマーク記録層を有する多層構造となる。例えば光ディスク8は、図2(B)に示すように、記録マークRM間の距離(マークピッチ)p1が1.5[μm]、トラック間の距離(トラックピッチ)p2が2[μm]、層間の距離p3が22.5[μm]となっている。
また光ディスク装置1は、記録マークRMが記録されたディスク8から情報を再生する場合、反射装置9のシャッタ9Bを閉じ、光ディスク8の裏面側から光ビームを照射しないようにする。
このとき光ディスク装置1は、光学ヘッド7によって光ディスク8中の記録マークRMへ光ビームを照射し、当該記録マークRMから発生する再生光ビームを当該光学ヘッド7へ入射させる。この再生光ビームは、1/4波長板6により円偏光から直線偏光に変換され、偏光ビームスプリッタ5により反射される。さらに再生光ビームは、集光レンズ10により集光され、ピンホール11を介してフォトディテクタ12へ照射される。
光ディスク装置1は、このときフォトディテクタ12により再生光ビームの光量を検出し、その検出結果を基に情報を再生する。
Y.Kasami,Y.Kuroda, K.Seo, O.Kawakubo, S.Takagawa, M.Ono, and M.Yamada, Jpn. J. Appl.Phys., 39, 756(2000) I.Ichimuraet al, Technical Digest of ISOM’04, pp52, Oct.11-15, 2005, Jeju Korea R.R. McLeod et al.,"Microholographic multilayer opticaldisk data storage," Appl. Opt., Vol. 44, 2005, pp3197
ところで光ディスク装置1は、図2(C)に示すように、光ディスク8の内部に焦点を合わせるように光ビームを照射する場合、当該光ディスク8のうち表面から焦点までの部分を光ビームが透過することにより、当該光ビームに球面収差等の収差が生じることになる。
さらに光ディスク装置1は、光ディスク8に対して互いに反対方向から光ビームを同一焦点となるように照射するため、当該光ディスク8の表面から焦点までの距離(以下、これをカバー厚みと呼ぶ)が互いに異なる可能性が高く、このとき各光ビームに発生する球面収差等の程度も互いに異なることになる。
このように光ビームが球面収差を有している場合、光ディスク装置1は、良好なホログラムを形成し得なくなる。従って、適切な光学的手段によりこの球面収差を補正することが望ましい。
しかしながら光ディスク装置1は、球面収差を補正し得る具体的な光学的手段を有しておらず、さらには焦点位置に応じた球面収差等の補正量を調整することもできないため、記録マークの記録精度及び再生精度を低下させる可能性があり、実際に情報の記録や再生を正しく行い得ない可能性がある、という問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、情報を表すホログラムを光ディスクに対して高精度に記録又は再生し得る光ディスク装置及びホログラムの記録又は再生に用いる光の収差を良好に補正し得る光収差補正方法を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明の光ディスク装置においては、同一の光源から射出される第1及び第2の光をそれぞれ対応する第1及び第2の対物レンズによりディスク状でなる体積型記録媒体の両面から同一の焦点位置となるよう照射し定在波を記録する光ディスク装置において、体積型記録媒体へ入射される第1及び第2の光に対して互いに相補的な収差をそれぞれ付加する収差付加手段を設けるようにした。
この光ディスク装置では、互いに相補的な収差を付加した第1及び第2の光を体積型記録媒体の両面から同一の焦点位置へ照射することにより、当該第1及び第2の光の焦点における収差を同程度ずつ補正することができる。
また本発明の光収差補正方法においては、同一の光源から射出される第1及び第2の光をそれぞれ対応する第1及び第2の対物レンズにより所定の照射対象の両面から同一の焦点位置となるよう照射するときの光収差補正方法において、照射対象へ入射される第1及び第2の光に対して互いに相補的な収差をそれぞれ付加する収差付加ステップを設けるようにした。
この光収差補正方法では、互いに相補的な収差を付加した第1及び第2の光を照射対象の両面から同一の焦点位置へ照射することにより、当該第1及び第2の光の焦点における収差を同程度ずつ補正することができる。
本発明によれば、互いに相補的な収差を付加した第1及び第2の光を体積型記録媒体の両面から同一の焦点位置へ照射することにより、当該第1及び第2の光の焦点における収差を同程度ずつ補正することができ、かくして情報を表すホログラムを光ディスクに対して高精度に記録又は再生し得る光ディスク装置を実現できる。
また本発明によれば、互いに相補的な収差を付加した第1及び第2の光を照射対象の両面から同一の焦点位置へ照射することにより、当該第1及び第2の光の焦点における収差を同程度ずつ補正することができ、かくしてホログラムの記録又は再生に用いる光の収差を良好に補正し得る光収差補正方法を実現できる。
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)第1の実施の形態
(1−1)光ディスクの構成
まず、本発明において情報記録媒体として用いられる光ディスク100について説明する。図3(A)に外観図を示すように、光ディスク100は、全体として従来のCD、DVD及びBDと同様に直径約120[mm]の円盤状に構成されており、中央部分に孔部100Hが形成されている。
また光ディスク100は、図3(B)に断面図を示すように、情報を記録するための記録層101を中心に有しており、基板102及び103により当該記録層101を両面から挟むように構成されている。
因みに、記録層101の厚さt1は約0.3[mm]、基板102及び103の厚さt2及びt3はいずれも約0.6[mm]となるようになされており、光ディスク100全体の厚さt0は約1.5[mm]となるようになされている。
基板102及び103は、例えばポリカーボネイトやガラス等の材料により構成されており、いずれも一面から入射される光をその反対面へ高い透過率で透過させるようになされている。また基板102及び103は、ある程度の強度を有しており、記録層101を保護する役割も担うようになされている。
因みに光ディスク100は、厚さ方向に関して記録層101を中心としたほぼ対称な構造となっており、全体として経年変化等による反りや歪み等の発生を極力抑えるようにも配慮されている。なお基板102及び103の表面については、無反射コーティングにより不要な反射が防止されるようになされていても良い。
記録層101は、光ディスク8(図1)と同様、照射された光強度によって屈折率が変化するフォトポリマ等でなり、波長405[nm]でなる青色光ビームに反応するようになされている。図3(B)に示したように、比較的強い強度でなる2本の青色光ビームLb1及びLb2が記録層101内において干渉した場合、当該記録層101には定在波が生成されることになり、図2(A)に示したようなホログラムとしての性質を有する干渉パターンが形成される。
さらに記録層101は、波長405[nm]でなる青色光ビームに関して、基板102及び103と同等の屈折率を呈するようになされており、記録層101と基板103との境界面等において当該青色光ビームを殆ど屈折させないようになされている。
また光ディスク100は、記録層101と基板102との境界面に反射層としての反射透過膜104を有している。反射透過膜104は、誘電体多層膜等でなり、波長405[nm]でなる青色光ビームLb1、Lb2及び青色再生光ビームLb3を透過すると共に、波長660[nm]でなる赤色光ビームを反射するといった波長選択性を有している。
また反射透過膜104は、トラッキングサーボ用の案内溝を形成しており、具体的には、一般的なBD−R(Recordable)ディスク等と同様のランド及びグルーブにより螺旋状のトラックを形成している。このトラックには、所定の記録単位ごとに一連の番号でなるアドレスが付されており、情報を記録又は再生するトラックを当該アドレスにより特定し得るようになされている。
なお反射透過膜104(すなわち記録層101と基板102との境界面)には、案内溝に代えてピット等が形成され、或いは案内溝とピット等とが組み合わされていても良く、要は光ビームによりアドレスを認識し得れば良い。
この反射透過膜104は、基板102側から赤色光ビームLr1が照射された場合、これを当該基板102側へ反射する。以下、このとき反射された光ビームを赤色反射光ビームLr2と呼ぶ。
この赤色反射光ビームLr2は、例えば光ディスク装置において、目標とするトラック(以下、これを目標トラックと呼ぶ)に対して、所定の対物レンズOL1により集光された赤色光ビームLr1の焦点Frを合わせるための、当該対物レンズOL1の位置制御(すなわちフォーカス制御及びトラッキング制御)に用いられることが想定されている。
因みに以下では、光ディスク100の基板102側の面を案内面100Aと呼び、当該光ディスク100の基板103側の面を記録光照射面100Bと呼ぶ。
実際上、光ディスク100に情報が記録されるとき、図3(B)に示したように、位置制御された対物レンズOL1により赤色光ビームLr1が集光され、反射透過膜104の目標トラックに合焦される。
また、当該赤色光ビームLr1と光軸Lxを共有し当該対物レンズOL1により集光された青色光ビームLb1が、基板102及び反射透過膜104を透過し、記録層101内における当該目標トラックの裏側(すなわち基板103側)に相当する位置に合焦される。このとき青色光ビームLb1の焦点Fb1は、対物レンズOL1を基準として、共通の光軸Lx上における焦点Frよりも遠方に位置することになる。
さらに、青色光ビームLb1と同一波長でなり光軸Lxを共有する青色光ビームLb2が、当該青色光ビームLb1の反対側(すなわち基板103側)から、対物レンズOL1と同等の光学特性を有する対物レンズOL2により集光され、照射されるようになされている。このとき当該青色光ビームLb2の焦点Fb2は、当該対物レンズOL2が位置制御されることにより、青色光ビームLb1の焦点Fb1と同一の位置となるようになされている。
この結果、光ディスク100には、記録層101内における目標トラックの裏側に相当する焦点Fb1及びFb2の位置に、比較的小さい干渉パターンでなる記録マークRMが記録される。
このとき記録層101内には、いずれも収束光でなる青色光ビームLb1及びLb2が重なり、且つ所定強度以上となった部分に定在波が生じ、記録マークRMが形成される。このため記録マークRMは、図2(A)に示したように、全体的に2つの円錐体を互いの底面同士で貼り合わせたような形状となり、中央部(底面同士を貼り合わせた部分)が僅かにくびれている。
因みに、記録マークRMに関して、中央部におけるくびれ部分の直径RMrについては、青色光ビームLb1及びLb2の波長をλ[m]、対物レンズOL1及びOL2の開口数をNAとすると、次に示す(1)式により求められる。
Figure 0004224795
また記録マークRMの高さRMhに関しては、記録層101の屈折率をnとすると、次に示す(2)式により求められる。
Figure 0004224795
例えば、波長λを405[nm]、開口数NAを0.5、屈折率nを1.5とすると、(1)式より直径RMr=0.97[μm]、(2)式より高さRMh=9.72[μm]となる。
さらに光ディスク100は、記録層101の厚さt1(=0.3[mm])が記録マークRMの高さRMhよりも充分に大きくなるよう設計されている。このため光ディスク100は、記録層101内における記録反射膜104からの距離(以下、これを深さと呼ぶ)が切り換えられながら記録マークRMが記録されることにより、図2(B)に示したような、複数のマーク記録層を当該光ディスク100の厚さ方向に重ねた多層記録を行い得るようになされている。
この場合、光ディスク100の記録層101内において、青色光ビームLb1及びLb2の焦点Fb1及びFb2の深さが調整されることにより、記録マークRMの深さが変更されることになる。例えば光ディスク100は、記録マークRM同士の相互干渉等を考慮してマーク記録層同士の距離p3が約15[μm]に設定されれば、記録層101内に約20層のマーク記録層を形成することができる。なお距離p3については、約15[μm]とする以外にも、記録マークRM同士の相互干渉等を考慮した上で他の種々の値としても良い。
一方、光ディスク100は、情報が再生されるとき、当該情報を記録したときと同様に、対物レンズOL1により集光された赤色光ビームLr1が反射透過膜104の目標トラックに合焦されるよう、当該対物レンズOL1が位置制御されるようになされている。
さらに光ディスク100は、同一の対物レンズOL1を介し基板102及び反射透過膜104を透過した青色光ビームLb1の焦点Fb1が、記録層101内における当該目標トラックの「裏側」に相当し、かつ目標深さとなる位置(以下、これを目標マーク位置と呼ぶ)に合焦されるようになされている。
このとき焦点Fb1の位置に記録されている記録マークRMは、ホログラムとしての性質により、当該目標マーク位置に記録されている記録マークRMから、青色再生光ビームLb3を発生する。この青色再生光ビームLb3は、記録マークRMの記録時に照射された青色光ビームLb2と同等の光学特性を有しており、当該青色光ビームLb2と同じ方向へ、すなわち記録層101内から基板102側へ発散しながら進むことになる。
このように光ディスク100は、情報が記録される場合、位置制御用の赤色光ビームLr1、情報記録用の青色光ビームLb1及びLb2が用いられることにより、記録層101内において焦点Fb1及びFb2が重なる位置、すなわち反射透過膜104における目標トラックの裏側となり且つ目標深さとなる目標マーク位置に、当該情報として記録マークRMが形成されるようになされている。
また光ディスク100は、記録済みの情報が再生される場合、位置制御用の赤色光ビームLr1及び情報再生用の青色光ビームLb1が用いられることにより、焦点Fb1の位置、すなわち目標マーク位置に記録されている記録マークRMから、青色再生光ビームLb3を発生させるようになされている。
(1−2)光ディスク装置の構成
次に、上述した光ディスク100に対応した光ディスク装置20について説明する。光ディスク装置20は、図4に示すように、制御部21により全体を統括制御するようになされている。
制御部21は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROM(Read Only Memory)から基本プログラムや情報記録プログラム
等の各種プログラムを読み出し、これらを図示しないRAM(Random Access Memory)に展開することにより、情報記録処理等の各種処理を実行するようになされている。
例えば制御部21は、光ディスク100が装填された状態で、図示しない外部機器等から情報記録命令、記録情報及び記録アドレス情報を受け付けると、駆動命令及び記録アドレス情報を駆動制御部22へ供給すると共に、記録情報を信号処理部23へ供給する。因みに記録アドレス情報は、光ディスク100の記録層101に付されたアドレスのうち、記録情報を記録すべきアドレスを示す情報である。
駆動制御部22は、駆動命令に従い、スピンドルモータ24を駆動制御することにより光ディスク100を所定の回転速度で回転させると共に、スレッドモータ25を駆動制御することにより、光ピックアップ26を移動軸25A及び25Bに沿って光ディスク100の径方向(すなわち内周方向又は外周方向)における記録アドレス情報に対応した位置へ移動させる。
信号処理部23は、供給された記録情報に対して所定の符号化処理や変調処理等の各種信号処理を施すことにより記録信号を生成し、これを光ピックアップ26へ供給する。
光ピックアップ26は、図5に示すように、側面略コ字状に構成されており、図3(B)に示したように、光ディスク100に対して両面から焦点を合わせて光ビームを照射し得るようになされている。
光ピックアップ26は、駆動制御部22(図4)の制御に基づいてフォーカス制御及びトラッキング制御を行うことにより、光ディスク100の記録層101における記録アドレス情報により示されるトラック(以下、これを目標トラックと呼ぶ)に光ビームの照射位置を合わせ、信号処理部23からの記録信号に応じた記録マークRMを記録するようになされている(詳しくは後述する)。
また制御部21は、例えば外部機器(図示せず)から情報再生命令及び当該記録情報のアドレスを示す再生アドレス情報を受け付けると、駆動制御部22に対して駆動命令を供給すると共に、再生処理命令を信号処理部23へ供給する。
駆動制御部22は、情報を記録する場合と同様、スピンドルモータ24を駆動制御することにより光ディスク100を所定の回転速度で回転させると共に、スレッドモータ25を駆動制御することにより光ピックアップ26を再生アドレス情報に対応した位置へ移動させる。
光ピックアップ26は、駆動制御部22(図4)の制御に基づいてフォーカス制御及びトラッキング制御を行うことにより、光ディスク100の記録層101における再生アドレス情報により示されるトラック(すなわち目標トラック)に光ビームの照射位置を合わせ、所定光量の光ビームを照射する。このとき光ピックアップ26は、光ディスク100における記録層101の記録マークRMから発生される再生光ビームを検出し、その光量に応じた検出信号を信号処理部23へ供給するようになされている(詳しくは後述する)。
信号処理部23は、供給された検出信号に対して所定の復調処理や復号化処理等の各種信号処理を施すことにより再生情報を生成し、この再生情報を制御部21へ供給する。これに応じて制御部21は、この再生情報を外部機器(図示せず)へ送出するようになされている。
このように光ディスク装置20は、制御部21によって光ピックアップ26を制御することにより、光ディスク100の記録層101における目標トラックに情報を記録し、また当該目標トラックから情報を再生するようになされている。
(1−3)光ピックアップの構成
次に、光ピックアップ26の構成について説明する。図6に模式的に示すように、光ピックアップ26は、多数の光学部品が設けられており、大きく分けて案内面位置制御光学系30、案内面情報光学系50及び記録光照射面光学系70により構成されている。
(1−3−1)案内面赤色光学系の構成
案内面位置制御光学系30は、光ディスク100の案内面100Aに対して赤色光ビームLr1を照射し、当該光ディスク100により当該赤色光ビームLr1が反射されてなる赤色反射光ビームLr2を受光するようになされている。
図7において案内面位置制御光学系30のレーザダイオード31は、波長約660[nm]の赤色レーザ光を射出し得るようになされている。実際上レーザダイオード31は、制御部21(図4)の制御に基づいて発散光でなる所定光量の赤色光ビームLr1を射出し、コリメータレンズ32へ入射させる。コリメータレンズ32は、赤色光ビームLr1を発散光から平行光に変換しスリット33を介して無偏光ビームスプリッタ34へ入射させる。
無偏光ビームスプリッタ34は、赤色光ビームLr1を反射透過面34Aにおいて約50%の割合で透過し、補正レンズ35へ入射させる。補正レンズ35及び36は、赤色光ビームLr1を一度発散させてから収束させ、ダイクロックプリズム37へ入射させる。
ダイクロックプリズム37の反射透過面37Sは、光ビームの波長により透過率及び反射率が異なる、いわゆる波長選択性を有しており、赤色光ビームをほぼ100%の割合で透過し、青色光ビームをほぼ100%の割合で反射するようになされている。このためダイクロックプリズム37は、当該反射透過面37Sにおいて赤色光ビームLr1を透過し、対物レンズ38へ入射させる。
対物レンズ38は、赤色光ビームLr1を集光し、光ディスク100の案内面100Aへ向けて照射する。このとき赤色光ビームLr1は、図3(B)に示したように、基板102を透過し反射透過膜104において反射され、赤色光ビームLr1と反対方向へ向かう赤色反射光ビームLr2となる。
因みに対物レンズ38は、青色光ビームLb1に最適化されて設計されており、赤色光ビームLr1に関しては、スリット33、補正レンズ35及び36との光学的な距離等の関係により、開口数(NA:Numerical Aperture)が0.41の集光レンズとして作用することになる。
この後、赤色反射光ビームLr2は、対物レンズ38、ダイクロックプリズム37、補正レンズ36及び35を順次透過して平行光にされた後、無偏光ビームスプリッタ34へ入射される。
無偏光ビームスプリッタ34は、赤色反射光ビームLr2を約50%の割合で反射することによりミラー40へ照射し、当該ミラー40により当該赤色反射光ビームLr2を再度反射させた後、集光レンズ41へ入射させる。
集光レンズ41は、赤色反射光ビームLr2を収束させ、シリンドリカルレンズ42により非点収差を持たせた上で当該赤色反射光ビームLr2をフォトディテクタ43へ照射する。
ところで光ディスク装置20では、回転する光ディスク100における面ブレ等が発生する可能性があるため、案内面位置制御光学系30に対する目標トラックの相対的な位置が変動する可能性がある。
このため、案内面位置制御光学系30において赤色光ビームLr1の焦点Fr(図3(B))を目標トラックに追従させるには、当該焦点Frを光ディスク100に対する近接方向又は離隔方向であるフォーカス方向及び光ディスク100の内周側方向又は外周側方向であるトラッキング方向へ移動させる必要がある。
そこで対物レンズ38は、2軸アクチュエータ38Aにより、フォーカス方向及びトラッキング方向の2軸方向へ駆動され得るようになされている。
また案内面位置制御光学系30(図7)では、対物レンズ38により赤色光ビームLr1が集光され光ディスク100の反射透過膜104へ照射されるときの合焦状態が、集光レンズ41により赤色反射光ビームLr2が集光されフォトディテクタ43に照射されるときの合焦状態に反映されるよう、各種光学部品の光学的位置が調整されている。
フォトディテクタ43は、図8に示すように、赤色反射光ビームLr2が照射される面上に、格子状に分割された4つの検出領域43A、43B、43C及び43Dを有している。因みに矢印a1により示される方向(図中の縦方向)は、赤色光ビームLr1が反射透過膜104(図3)に照射されるときの、トラックの走行方向に対応している。
フォトディテクタ43は、検出領域43A、43B、43C及び43Dにより赤色反射光ビームLr2の一部をそれぞれ検出し、このとき検出した光量に応じて検出信号SDAr、SDBr、SDCr及びSDDrをそれぞれ生成して、これらを信号処理部23(図4)へ送出する。
信号処理部23は、いわゆる非点収差法によるフォーカス制御を行うようになされており、次に示す(3)式に従ってフォーカスエラー信号SFErを算出し、これを駆動制御部22へ供給する。
Figure 0004224795
このフォーカスエラー信号SFErは、赤色光ビームLr1の焦点Frと光ディスク100の反射透過膜104とのずれ量を表すことになる。
また信号処理部23は、いわゆるプッシュプル法によるトラッキング制御を行うようになされており、次に示す(4)式に従ってトラッキングエラー信号STErを算出し、これを駆動制御部22へ供給する。
Figure 0004224795
このトラッキングエラー信号STErは、赤色光ビームLr1の焦点Frと光ディスク100の反射透過膜104における目標トラックとのずれ量を表すことになる。
駆動制御部22は、フォーカスエラー信号SFErを基にフォーカス駆動信号SFDrを生成し、当該フォーカス駆動信号SFDrを2軸アクチュエータ38Aへ供給することにより、赤色光ビームLr1が光ディスク100の反射透過膜104に合焦するよう、対物レンズ38をフィードバック制御(すなわちフォーカス制御)する。
また駆動制御部22は、トラッキングエラー信号STErを基にトラッキング駆動信号STDrを生成し、当該トラッキング駆動信号STDrを2軸アクチュエータ38Aへ供給することにより、赤色光ビームLr1が光ディスク100の反射透過膜104における目標トラックに合焦するよう、対物レンズ38をフィードバック制御(すなわちトラッキング制御)する。
このように案内面位置制御光学系30は、赤色光ビームLr1を光ディスク100の反射透過膜104に照射し、その反射光である赤色反射光ビームLr2の受光結果を信号処理部23へ供給するようになされている。これに応じて駆動制御部22は、当該赤色光ビームLr1を当該反射透過膜104の目標トラックに合焦させるよう、対物レンズ38のフォーカス制御及びトラッキング制御を行うようになされている。
(1−3−2)案内面青色光学系の構成
案内面情報光学系50は、光ディスク100の案内面100Aに対して青色光ビームLb1を照射するようになされており、また当該光ディスク100から入射される青色光ビームLb2又は青色再生光ビームLb3を受光するようになされている。
(1−3−2−1)青色光ビームの照射
図9において案内面情報光学系50のレーザダイオード51は、波長約405[nm]の青色レーザ光を射出し得るようになされている。実際上レーザダイオード51は、制御部21(図4)の制御に基づいて発散光でなる青色光ビームLb0を射出し、コリメータレンズ52へ入射させる。コリメータレンズ52は、青色光ビームLb0を発散光から平行光に変換し、1/2波長板53へ入射させる。
このとき青色光ビームLb0は、1/2波長板53により偏光方向が所定角度回転され、アナモプリズム54により強度分布が成形された後、偏光ビームスプリッタ55の面55Aに入射される。
偏光ビームスプリッタ55は、反射透過面55Sにおいて、光ビームの偏光方向により異なる割合で当該光ビームを反射又は透過するようになされている。例えば反射透過面55Sは、p偏光の光ビームを約50%の割合で反射すると共に残りの50%を透過し、s偏光の光ビームを約100%の割合で透過するようになされている。
実際上、偏光ビームスプリッタ55は、反射透過面55Sにより、p偏光でなる青色光ビームLb0を約50%の割合で反射し、面55Bから1/4波長板56へ入射させると共に、残りの50%を透過し、面55Dからシャッタ71へ入射させる。以下では、反射透過面55Sにより反射された青色光ビームを青色光ビームLb1、反射透過面55Sを透過した青色光ビームを青色光ビームLb2と呼ぶ。
1/4波長板56は、青色光ビームLb1を直線偏光から円偏光に変換して可動ミラー57へ照射し、また当該可動ミラー57により反射され青色光ビームLb1を円偏光から直線偏光に変換し、再度偏光ビームスプリッタ55の面55Bへ入射させる。
このとき青色光ビームLb1は、例えば1/4波長板56によりp偏光から左円偏光に変換され、可動ミラー57により反射された際に左円偏光から右円偏光に変換された後、再度1/4波長板56により右円偏光からs偏光に変換される。すなわち青色光ビームLb1は、面55Bから出射されたときと可動ミラー57により反射された後に当該面55Bに入射されるときとで、互いの偏光方向が異なることになる。
偏光ビームスプリッタ55は、面55Bから入射された青色光ビームLb1の偏光方向(s偏光)に応じて、反射透過面55Sにより当該青色光ビームLb1をそのまま透過させ、面55Cから偏光ビームスプリッタ58へ入射させるようになされている。
この結果、案内面情報光学系50は、偏光ビームスプリッタ55、1/4波長板56及び可動ミラー57により、青色光ビームLb1の光路長を引き延ばすことになる。
偏光ビームスプリッタ58の反射透過面55Sは、例えばp偏光の光ビームを約100%の割合で反射し、s偏光の光ビームを約100%の割合で透過するようになされている。実際上、偏光ビームスプリッタ58は、反射透過面58Sにおいて青色光ビームLb1をそのまま透過させ、1/4波長板59により直線偏光(s偏光)から円偏光(右円偏光)に変換させた上で、リレーレンズ60へ入射させる。
リレーレンズ60は、可動レンズ61により青色光ビームLb1を平行光から収束光に変換し、収束後に発散光となった当該青色光ビームLb1を固定レンズ62により再度収束光に変換し、ダイクロックプリズム37へ入射させる。
ここで可動レンズ61は、アクチュエータ61Aにより青色光ビームLb1の光軸方向に移動されるようになされている。実際上、リレーレンズ60は、制御部21(図4)の制御に基づきアクチュエータ61Aによって可動レンズ61を移動させることにより、固定レンズ62から出射される青色光ビームLb1の収束状態を変化させ得るようになされている。
ダイクロックプリズム37は、青色光ビームLb1の波長に応じて、反射透過面37Sにより当該青色光ビームLb1を反射し、これを対物レンズ38へ入射させる。因みに青色光ビームLb1は、反射透過面37Sにおいて反射されるときに円偏光における偏光方向が反転され、例えば右円偏光から左円偏光に変換される。
対物レンズ38は、青色光ビームLb1を集光し、光ディスク100の案内面100Aへ照射する。因みに対物レンズ38は、青色光ビームLb1に関しては、リレーレンズ60との光学的な距離等の関係により、開口数(NA)が0.5の集光レンズとして作用することになる。
このとき青色光ビームLb1は、図3(B)に示したように、基板102及び反射透過膜104を透過し、記録層101内に合焦する。ここで当該青色光ビームLb1の焦点Fb1の位置は、リレーレンズ60の固定レンズ62から出射される際の収束状態により定められることになる。すなわち焦点Fb1は、可動レンズ61の位置に応じて記録層101内の案内面100A側又は記録光照射面100B側へ移動することになる。
具体的に案内面情報光学系50は、可動レンズ61の移動距離と青色光ビームLb1の焦点Fb1の移動距離とがほぼ比例関係となるように設計されており、例えば可動レンズ61を1[mm]移動させると、青色光ビームLb1の焦点Fb1が30[μm]移動するようになされている。
実際上、案内面情報光学系50は、制御部21(図4)により可動レンズ61の位置が制御されることにより、光ディスク100の記録層101内における青色光ビームLb1の焦点Fb1(図3(B))の深さd1(すなわち反射透過膜104からの距離)を調整するようになされている。
青色光ビームLb1は、焦点Fb1に収束した後に発散光となり、記録層101及び基板103を透過し、記録光照射面100Bから出射されて、対物レンズ79へ入射される(詳しくは後述する)。
このように案内面情報光学系50は、青色光ビームLb1を光ディスク100の案内面100A側から照射して記録層101内に当該青色光ビームLb1の焦点Fb1を位置させ、さらにリレーレンズ60における可動レンズ61の位置に応じて、当該焦点Fb1の深さd1を調整するようになされている。
(1−3−2−2)青色光ビームの受光
ところで光ディスク100は、記録光照射面光学系70の対物レンズ79から記録光照射面100Bへ照射される青色光ビームLb2を透過し、案内面100Aから発散光として出射するようになされている(詳しくは後述する)。因みに青色光ビームLb2は、円偏光(例えば右円偏光)となるようになされている。
このとき案内面情報光学系50では、図10に示すように、青色光ビームLb2が対物レンズ38によりある程度収束された後、ダイクロックプリズム37により反射され、リレーレンズ60へ入射される。因みに青色光ビームLb2は、反射透過面37Sにおいて反射される際、円偏光における偏光方向が反転され、例えば右円偏光から左円偏光に変換される。
続いて青色光ビームLb2は、リレーレンズ60の固定レンズ62及び可動レンズ61によって平行光に変換され、さらに1/4波長板59により円偏光(左円偏光)から直線偏光(p偏光)に変換された上で、偏光ビームスプリッタ58へ入射される。
偏光ビームスプリッタ58は、青色光ビームLb2の偏光方向に応じて当該青色光ビームLb2を反射し、集光レンズ63へ入射させる。集光レンズ63は、青色光ビームLb2を集光し、フォトディテクタ64へ照射させる。
因みに、案内面情報光学系50内の各光学部品は、青色光ビームLb2がフォトディテクタ64に合焦するよう配置されている。
フォトディテクタ64は、青色光ビームLb2の光量を検出し、このとき検出した光量に応じて再生検出信号SDpを生成し、これを信号処理部23(図4)へ供給する。
但し、このとき当該フォトディテクタ64において青色光ビームLb2の光量に応じて生成される再生検出信号SDpには、特に用途がない。このため信号処理部23(図4)は、当該再生検出信号SDpが供給されるものの、特に信号処理を行わないようになされている。
一方、光ディスク100は、記録層101に記録マークRMが記録されていた場合、上述したように、青色光ビームLb1の焦点Fb1が当該記録マークRMに合焦されると、ホログラムとしての性質により、当該記録マークRMから青色再生光ビームLb3を発生することになる。
この青色再生光ビームLb3は、ホログラムの原理上、当該記録マークRMが記録された際に青色光ビームLb1の他に照射されていた光ビーム、すなわち青色光ビームLb2を再現したものとなる。従って青色再生光ビームLb3は、案内面情報光学系50内において青色光ビームLb2と同様の光路を経ることにより、最終的にフォトディテクタ64へ照射される。
ここで案内面情報光学系50内の各光学部品は、上述したように、青色光ビームLb2がフォトディテクタ64に合焦するよう配置されている。このため青色再生光ビームLb3は、当該青色光ビームLb2と同様に当該フォトディテクタ64に合焦する。
フォトディテクタ64は、青色光ビームLb3の光量を検出し、このとき検出した光量に応じて再生検出信号SDpを生成し、これを信号処理部23(図4)へ供給する。
この場合、再生検出信号SDpは、光ディスク100に記録されている情報を表すものとなる。このため信号処理部23は、再生検出信号SDpに対して所定の復調処理や復号化処理等を施すことにより再生情報を生成し、この再生情報を制御部21へ供給するようになされている。
このように案内面情報光学系50は、光ディスク100の案内面100Aから対物レンズ38へ入射される青色光ビームLb2又は青色再生光ビームLb3を受光し、その受光結果を信号処理部23へ供給するようになされている。
(1−3−3)記録光照射面光学系の構成
記録光照射面光学系70(図6)は、光ディスク100の記録光照射面100Bに対して青色光ビームLb2を照射するようになされており、また案内面情報光学系50から照射され光ディスク100を透過した青色光ビームLb1を受光するようになされている。
(1−3−3−1)青色光ビームの照射
図10において案内面情報光学系50の偏光ビームスプリッタ55は、上述したように、反射透過面55Sにおいてp偏光でなる青色光ビームLb0を約50%の割合で透過し、これを青色光ビームLb2として面55Dからシャッタ71へ入射させる。
シャッタ71は、制御部21(図4)の制御に基づいて青色光ビームLb2を遮断又は透過するようになされており、当該青色光ビームLb2を透過した場合、偏光ビームスプリッタ72へ入射させる。
因みにシャッタ71としては、例えば青色光ビームLb2を遮断する遮断板を機械的に動かすことにより青色光ビームLb2を遮断又は透過する機械式シャッタや、液晶パネルに印加する電圧を変化することにより当該青色光ビームLb2を遮断又は透過する液晶シャッタ等を用いることができる。
偏光ビームスプリッタ72の反射透過面72Sは、例えばp偏光の光ビームを約100%の割合で透過し、s偏光の光ビームを約100%の割合で反射するようになされている。実際上、偏光ビームスプリッタ72は、p偏光でなる青色光ビームLb2をそのまま透過させ、ミラー73により反射させた後、1/4波長板74により直線偏光(p偏光)から円偏光(左円偏光)に変換させた上で、リレーレンズ75へ入射させる。
リレーレンズ75は、リレーレンズ60と同様に構成されており、可動レンズ61、アクチュエータ61A及び固定レンズ62とそれぞれ対応する可動レンズ76、アクチュエータ76A及び固定レンズ77を有している。
リレーレンズ75は、可動レンズ76により青色光ビームLb2を平行光から収束光に変換し、収束後に発散光となった当該青色光ビームLb2を固定レンズ77により再度収束光に変換し、ガルバノミラー78へ入射させる。
またリレーレンズ75は、リレーレンズ60と同様、制御部21(図4)の制御に基づきアクチュエータ76Aによって可動レンズ76を移動させることにより、固定レンズ77から出射される青色光ビームLb2の収束状態を変化させ得るようになされている。
ガルバノミラー78は、青色光ビームLb2を反射し、対物レンズ79へ入射させる。因みに青色光ビームLb2は、反射されるときに円偏光における偏光方向が反転され、例えば左円偏光から右円偏光に変換される。
またガルバノミラー78は、反射面78Aの角度を変化し得るようになされており、制御部21(図4)の制御に従い反射面78Aの角度を調整することにより、青色光ビームLb2の進行方向を調整し得るようになされている。
対物レンズ79は、2軸アクチュエータ79Aと一体に構成されており、当該2軸アクチュエータ79Aにより、対物レンズ38と同様、光ディスク100への近接方向又は離隔方向であるフォーカス方向と、光ディスク100の内周側方向又は外周側方向であるトラッキング方向との2軸方向へ駆動され得るようになされている。
この対物レンズ79は、青色光ビームLb2を集光し、光ディスク100の記録光照射面100Bへ照射する。対物レンズ79は、対物レンズ38と同様の光学特性を有しており、当該青色光ビームLb2に関して、リレーレンズ75との光学的な距離等の関係により、開口数(NA)が0.5の集光レンズとして作用することになる。
このとき青色光ビームLb2は、図3(B)に示したように、基板103を透過して記録層101内に合焦する。ここで当該青色光ビームLb2の焦点Fb2の位置は、リレーレンズ75の固定レンズ77から出射される際の収束状態により定められることになる。すなわち当該焦点Fb2は、青色光ビームLb1の焦点Fb1と同様、可動レンズ76の位置に応じて記録層101内の案内面100A側又は記録光照射面100B側へ移動することになる。
具体的に記録光照射面光学系70は、案内面情報光学系50と同様、可動レンズ76の移動距離と青色光ビームLb2の焦点Fb2の移動距離とがほぼ比例関係となるように設計されており、例えば可動レンズ76を1[mm]移動させると、青色光ビームLb2の焦点Fb2が30[μm]移動するようになされている。
実際上、記録光照射面光学系70は、制御部21(図4)によってリレーレンズ60における可動レンズ61の位置と共にリレーレンズ75における可動レンズ76の位置が制御されることにより、光ディスク100の記録層101内における青色光ビームLb2の焦点Fb2(図3(B))の深さd2を調整するようになされている。
このとき光ディスク装置20では、制御部21(図4)により、光ディスク100に面ブレ等が発生していないと仮定したときの(すなわち理想的な状態の)記録層101内における、対物レンズ38が基準位置にあるときの青色光ビームLb1の焦点Fb1に対して、対物レンズ79が基準位置にあるときの青色光ビームLb2の焦点Fb2を合わせるようになされている。
青色光ビームLb2は、焦点Fb2において合焦した後、発散しながら記録層101、反射透過膜104及び基板102を透過し、案内面100Aから出射されて、対物レンズ38へ入射されるようになされている。
このように記録光照射面光学系70は、青色光ビームLb2を光ディスク100の記録光照射面100B側から照射して記録層101内に当該青色光ビームLb2の焦点Fb2を位置させ、さらにリレーレンズ75における可動レンズ76の位置に応じて、当該焦点Fb2の深さd2を調整するようになされている。
(1−3−3−2)青色光ビームの受光
ところで、案内面情報光学系50(図9)の対物レンズ38から照射された青色光ビームLb1は、上述したように、光ディスク100の記録層101内において一度収束した後、発散光となり対物レンズ79へ入射される。
このとき記録光照射面光学系70では、青色光ビームLb1が対物レンズ79によりある程度収束された後、ガルバノミラー78により反射されて、リレーレンズ75へ入射される。因みに青色光ビームLb1は、反射面78Sにおいて反射される際、円偏光における偏光方向が反転され、例えば左円偏光から右円偏光に変換される。
続いて青色光ビームLb1は、リレーレンズ75の固定レンズ62及び可動レンズ61によって平行光に変換され、さらに1/4波長板74により円偏光(右円偏光)から直線偏光(s偏光)に変換された後、ミラー73により反射されてから、偏光ビームスプリッタ72へ入射される。
偏光ビームスプリッタ72は、青色光ビームLb1の偏光方向に応じて当該青色光ビームLb1を反射し、集光レンズ80へ入射させる。集光レンズ80は、青色光ビームLb1を収束させ、シリンドリカルレンズ81により非点収差を持たせた上で当該青色光ビームLb1をフォトディテクタ82へ照射する。
しかしながら光ディスク100は、実際には面ブレ等を生じる可能性がある。このため対物レンズ38は、上述したように、案内面位置制御光学系30及び駆動制御部22(図4)等によりフォーカス制御及びトラッキング制御されるようになされている。
このとき青色光ビームLb1の焦点Fb1は、対物レンズ38の移動に伴って移動することになるため、対物レンズ79が基準位置にあるときの青色光ビームLb2における焦点Fb2の位置からずれることになる。
そこで記録光照射面光学系70では、記録層101内における青色光ビームLb1の焦点Fb1に対する青色光ビームLb2の焦点Fb2のずれ量が、集光レンズ80により青色光ビームLb1が集光されフォトディテクタ82へ照射されるときの照射状態に反映されるよう、各種光学部品の光学的位置が調整されている。
フォトディテクタ82は、図11に示すように、フォトディテクタ43と同様、青色光ビームLb1が照射される面上に、格子状に分割された4つの検出領域82A、82B、82C及び82Dを有している。因みに矢印a2により示される方向(図中の横方向)は、青色光ビームLb1が照射されるときの、反射透過膜104(図3)におけるトラックの走行方向に対応している。
フォトディテクタ82は、検出領域82A、82B、82C及び82Dにより青色光ビームLb1の一部をそれぞれ検出し、このとき検出した光量に応じて検出信号SDAb、SDBb、SDCb及びSDDbをそれぞれ生成して、これらを信号処理部23(図4)へ送出する。
信号処理部23は、いわゆる非点収差法によるフォーカス制御を行うようになされており、次に示す(5)式に従ってフォーカスエラー信号SFEbを算出し、これを駆動制御部22へ供給する。
Figure 0004224795
このフォーカスエラー信号SFEbは、青色光ビームLb1の焦点Fb1と青色光ビームLb2の焦点Fb2とのフォーカス方向に関するずれ量を表すことになる。
また信号処理部23は、プッシュプル信号を用いたトラッキング制御を行うようになされており、次に示す(6)式に従ってトラッキングエラー信号STEbを算出し、これを駆動制御部22へ供給する。
Figure 0004224795
このトラッキングエラー信号STEbは、青色光ビームLb1の焦点Fb1と青色光ビームLb2の焦点Fb2とのトラッキング方向に関するずれ量を表すことになる。
さらに信号処理部23は、タンジェンシャル制御に必要なタンジェンシャルエラー信号も生成するようになされている。このタンジェンシャル制御とは、タンジェンシャル方向(すなわちトラックの接線方向)に関して青色光ビームLb2の焦点Fb2を目標位置へ移動させる制御である。
具体的に信号処理部23は、プッシュプル信号を用いたタンジェンシャル制御を行うようになされており、次に示す(7)式に従ってタンジェンシャルエラー信号SNEbを算出し、これを駆動制御部22へ供給する。
Figure 0004224795
このタンジェンシャルエラー信号SNEbは、青色光ビームLb1の焦点Fb1と青色光ビームLb2の焦点Fb2とのタンジェンシャル方向に関するずれ量を表すことになる。
これに応じて駆動制御部22は、フォーカスエラー信号SFEbを基にフォーカス駆動信号SFDbを生成し、当該フォーカス駆動信号SFDbを2軸アクチュエータ79Aへ供給することにより、青色光ビームLb1の焦点Fb1に対する青色光ビームLb2の焦点Fb2のフォーカス方向に関するずれ量を減少させるよう、対物レンズ79をフォーカス制御するようになされている。
また駆動制御部22は、トラッキングエラー信号STEbを基にトラッキング駆動信号STDbを生成し、当該トラッキング駆動信号STDbを2軸アクチュエータ79Aへ供給することにより、青色光ビームLb1の焦点Fb1に対する青色光ビームLb2の焦点Fb2のトラッキング方向に関するずれ量を減少させるよう、対物レンズ79をトラッキング制御するようになされている。
さらに駆動制御部22は、タンジェンシャルエラー信号SNEbを基にタンジェンシャル駆動信号SNDbを生成し、当該タンジェンシャル駆動信号SNDbをガルバノミラー78へ供給することにより、青色光ビームLb1の焦点Fb1に対する青色光ビームLb2の焦点Fb2のタンジェンシャル方向に関するずれ量を減少させるよう、ガルバノミラー78における反射面78Aの角度を調整する、タンジェンシャル制御を行うようになされている。
このように記録光照射面光学系70は、光ディスク100の記録光照射面100Bから対物レンズ79へ入射される青色光ビームLb1を受光し、その受光結果を信号処理部23へ供給するようになされている。これに応じて駆動制御部22は、青色光ビームLb2の焦点Fb2を青色光ビームLb1の焦点Fb1に合わせるよう、対物レンズ79のフォーカス制御及びトラッキング制御、並びにガルバノミラー78によるタンジェンシャル制御を行うようになされている。
(1−3−4)光路長の調整
ところで光ディスク装置20の光ピックアップ26は、情報を記録する際、上述したように、偏光ビームスプリッタ55(図9)により、青色光ビームLb0から青色光ビームLb1及びLb2を分離し、光ディスク100の記録層101内で当該青色光ビームLb1及びLb2を互いに干渉させることにより、当該記録層101内の目標マーク位置に記録マークRMを記録させるようになされている。
この青色光ビームLb0を出射するレーザダイオード51は、一般的なホログラムの形成条件に従い、光ディスク100の記録層101にホログラムとしての記録マークRMが正しく記録されるために、当該青色光ビームLb0のコヒーレント長をホログラムサイズ(すなわち記録マークRMの高さRMh)以上とする必要がある。
実際上レーザダイオード51では、一般的なレーザダイオードと同様、このコヒーレント長が、当該レーザダイオード51内に設けられた共振器(図示せず)の長さに当該共振器の屈折率を乗じた値にほぼ相当するため、およそ100[μm]から1[mm]程度であると考えられる。
一方、光ピックアップ26では、青色光ビームLb1が案内面情報光学系50(図9)内の光路を通り、光ディスク100の案内面100A側から照射されると共に、青色光ビームLb2が記録光照射面光学系70(図10)内の光路を通り、光ディスク100の記録光照射面100B側から照射される。すなわち光ピックアップ26では、青色光ビームLb1及びLb2の光路が互いに異なっているため、その光路長(すなわちレーザダイオード51から目標マーク位置までの光路の長さ)に差が生じることになる。
さらに光ピックアップ26では、上述したように、リレーレンズ60及び75における可動レンズ61及び76の位置を調整することにより、光ディスク100の記録層101内における目標マーク位置の深さ(目標深さ)を変更するようになされている。このとき光ピックアップ26は、目標マーク位置の深さを変更することにより、結果的に青色光ビームLb1及びLb2の光路長をそれぞれ変化させることになる。
しかしながら、光ピックアップ26において干渉パターンが形成されるには、一般的なホログラムの形成条件により、当該青色光ビームLb1及びLb2における光路長の差がコヒーレント長(すなわちおよそ100[μm]から1[mm])以下となる必要がある。
そこで制御部21(図4)は、可動ミラー57の位置を制御することにより、青色光ビームLb1の光路長を調整するようになされている。この場合、制御部21は、リレーレンズ60における可動レンズ61の位置と目標マーク位置の深さとの関係を利用し、当該可動レンズ61の位置に応じて可動ミラー57を移動させることにより、当該青色光ビームLb1の光路長を変化させるようになされている。
この結果、光ピックアップ26では、青色光ビームLb1及びLb2における光路長の差をコヒーレント長以下に抑えることができ、記録層101内の目標マーク位置に良好なホログラムでなる記録マークRMを記録することができる。
このように光ディスク装置20の制御部21は、可動ミラー57の位置を制御することにより、光ピックアップ26内の青色光ビームLb1及びLb2における光路長の差をコヒーレント長以下に抑え、この結果として光ディスク100の記録層101内における目標マーク位置に良好な記録マークRMを記録し得るようになされている。
(1−4)情報の記録及び再生
(1−4−1)光ディスクに対する情報の記録
光ディスク100に情報を記録する場合、光ディスク装置20の制御部21(図4)は、上述したように、外部機器(図示せず)等から情報記録命令、記録情報及び記録アドレス情報を受け付けると、駆動命令及び記録アドレス情報を駆動制御部22へ供給すると共に、記録情報を信号処理部23へ供給する。
このとき駆動制御部22は、光ピックアップ26の案内面位置制御光学系30(図7)により赤色光ビームLr1を光ディスク100の案内面100A側から照射させ、その反射光である赤色反射光ビームLr2の検出結果を基に、対物レンズ38のフォーカス制御及びトラッキング制御(すなわち位置制御)を行うことにより、赤色光ビームLr1の焦点Frを記録アドレス情報に対応した目標トラックに追従させる。
また制御部21は、案内面情報光学系50(図9)により青色光ビームLb1を光ディスク100の案内面100A側から照射させる。このとき青色光ビームLb1の焦点Fb1は、位置制御された対物レンズ38によって集光されることにより、目標トラックの裏側に位置することになる。
さらに制御部21は、リレーレンズ60における可動レンズ61の位置を調整することにより、当該焦点Fb1(図3(B))の深さd1を目標深さに調整する。この結果、青色光ビームLb1の焦点Fb1は、目標マーク位置に合わされる。
一方、制御部21は、記録光照射面光学系70(図10)のシャッタ71を制御して青色光ビームLb2を透過させ、当該青色光ビームLb2を光ディスク100の記録光照射面100B側から照射させる。
また制御部21は、リレーレンズ60における可動レンズ61の位置に合わせてリレーレンズ75における可動レンズ76の位置を調整することにより、青色光ビームLb2(図3(B))の深さd2を調整する。これにより青色光ビームLb2は、焦点Fb2の深さd2が、光ディスク100に面ブレが生じていないと仮定した場合の青色光ビームLb1における焦点Fb1の深さd1に合わされる。
さらに制御部21は、対物レンズ38及び79を介した青色光ビームLb1を記録光照射面光学系70により検出させ、その検出結果を基に、駆動制御部22により対物レンズ79のフォーカス制御及びトラッキング制御(すなわち位置制御)、並びにガルバノミラー78のタンジェンシャル制御を行わせる。
この結果、青色光ビームLb2の焦点Fb2は、青色光ビームLb1における焦点Fb1の位置、すなわち目標マーク位置に合わされる。
そのうえ制御部21は、リレーレンズ60における可動レンズ61の位置に応じて可動ミラー57の位置を調整し、青色光ビームLb1及びLb2における光路長の差をコヒーレント長以下に抑える。
かくして光ディスク装置20の制御部21は、光ディスク100の記録層101内の目標マーク位置に対して、良好な記録マークRMを形成させることができる。
ところで信号処理部23(図4)は、外部機器(図示せず)等から供給される記録情報を基に、例えば値「0」又は「1」のバイナリデータを表す記録信号を生成する。これに応じてレーザダイオード51は、例えば記録信号が値「1」である時に青色光ビームLb0を出射し、記録信号が値「0」である時に青色光ビームLb0を出射しないようになされている。
これにより光ディスク装置20では、記録信号が値「1」のときには光ディスク100の記録層101内の目標マーク位置に記録マークRMを形成し、当該記録信号が値「0」のときには当該目標マーク位置に当該記録マークRMを形成しないことになるため、当該記録マークRMの有無により当該目標マーク位置に記録信号の値「1」又は「0」を記録することができ、結果的に記録情報を光ディスク100の記録層101に記録することができる。
(1−4−2)光ディスクからの情報の再生
光ディスク100から情報を再生する場合、光ディスク装置20の制御部21(図4)は、光ピックアップ26の案内面位置制御光学系30(図7)により赤色光ビームLr1を光ディスク100の案内面100A側から照射させ、その反射光である赤色反射光ビームLr2の検出結果を基に、駆動制御部22により対物レンズ38のフォーカス制御及びトラッキング制御(すなわち位置制御)を行わせる。
また制御部21は、案内面情報光学系50(図9)により青色光ビームLb1を光ディスク100の案内面100A側から照射させる。このとき青色光ビームLb1の焦点Fb1は、位置制御された対物レンズ38によって集光されることにより、目標トラックの裏側に位置することになる。
因みに制御部21は、再生時におけるレーザダイオード51の出射パワーを抑えることにより、青色光ビームLb1による記録マークRMの誤消去を防止するようになされている。
さらに制御部21は、リレーレンズ60における可動レンズ61の位置を調整することにより、当該焦点Fb1(図3(B))の深さd1を目標深さに調整する。この結果、青色光ビームLb1の焦点Fb1は、目標マーク位置に合わされる。
一方、制御部21は、記録光照射面光学系70(図10)のシャッタ71を制御し、青色光ビームLb2を遮断することにより、当該青色光ビームLb2を光ディスク100には照射させない。
すなわち光ピックアップ26は、光ディスク100の記録層101内における目標マーク位置に記録されている記録マークRMに対して、いわゆる参照光としての青色光ビームLb1のみを照射する。これに応じて当該記録マークRMは、ホログラムとして作用し、いわゆる再生光としての青色再生光ビームLb3を案内面101A側へ発生させる。このとき案内面情報光学系50は、この青色再生光ビームLb3を検出し、その検出結果に応じた検出信号を生成する。
かくして光ディスク装置20の制御部21は、光ディスク100の記録層101内における目標マーク位置に記録されている記録マークRMから青色再生光ビームLb3を発生させ、これを受光することにより、記録マークRMが記録されていることを検出することができる。
ここで光ディスク装置20は、目標マーク位置に記録マークRMが記録されていなかった場合、当該目標マーク位置からは青色再生光ビームLb3が発生しないため、案内面情報光学系50により、当該青色再生光ビームLb3を受光しなかったことを示す検出信号を生成することになる。
これに応じて信号処理部22は、検出信号を基に、青色再生光ビームLb3が検出されたか否かを値「1」又は「0」として認識し、この認識結果を基に再生情報を生成する。
これにより光ディスク装置20では、光ディスク100の記録層101内の目標マーク位置に記録マークRMが形成されているときには青色再生光ビームLb3を受光し、当該目標マーク位置に当該記録マークRMが形成されていないときには青色再生光ビームLb3を受光しないことにより、目標マーク位置に値「1」又は「0」のいずれが記録されているかを認識することができ、結果的に光ディスク100の記録層101に記録された情報を再生することができる。
(1−5)球面収差の補正
ところで、青色光ビームLb1及びLb2は、光ディスク100に照射された際、基板102及び103の表面から焦点Fb1及びFb2までの部分(以下、この部分の厚みをカバー厚みと呼ぶ)を通過する際に球面収差が発生してしまう。
さらに光ディスク装置20は、光ディスク100の記録層101内で目標深さ(すなわち反射透過膜104から記録マーク位置までの距離)を変化させることによる多層記録を行う際、当該目標深さに応じてカバー厚みを変化させることになるため、これに応じて球面収差も変化させることになる。
しかしながら光ディスク装置20は、記録マーク位置に良好な干渉パターンを形成して記録マークRMを精度良く記録するために、このような球面収差を適切に補正することが望ましい。
(1−5−1)カバー厚みと球面収差との関係
かかる球面収差について検討するために、図12に示すように、案内面情報光学系50内の青色光ビームLb1における光路の一部に着目した。因みに図12では、説明の便宜上、図6等と異なり光路が直線状となるように各光学部品を配置してある。
また図12では、光ディスク100のうちカバー厚みtcに相当する部分(すなわち基板102及び記録層101の一部)については、対物レンズ38に当接しているものとしている。これは、球面収差の算出においては、当該カバー厚みtcに相当する部分を焦点Fb1の位置に設けた場合と等価であることを考慮したことによる。
案内面情報光学系50では、青色光ビームLb1をリレーレンズ60の固定レンズ62から出射させる段階で収束光とし、ダイクロックプリズム37を介して対物レンズ38へ入射させる。
また案内面情報光学系50は、上述したように、制御部21(図4)の制御に基づきリレーレンズ60における可動レンズ61と固定レンズ62との間隔(以下、これをレンズ間隔Dと呼ぶ)を変化させた場合、当該固定レンズ62から出射させる青色光ビームLb1の収束状態を変化させることになり、この結果、焦点位置Fb1を移動させることになる。
ところで案内面情報光学系50では、光ディスク100内のカバー厚みtcの部分に青色光ビームLb1を通過させる際、光学的な原理により当該青色光ビームLb1に球面収差を発生させてしまう。
この球面収差の値(以下、これを球面収差値WFAと呼ぶ)については、屈折率を表すN、対物レンズ38の開口数NA、青色光ビームLb1の波長λ、対物レンズ38の設計時に前提としたカバー厚みtc(以下これを設計値tc0と呼ぶ)を用いて、次に示す(8)式により算出することができる。
Figure 0004224795
(1−5−2)仮想的な光学系における球面収差
ここで、図12に示した各光学部品(リレーレンズ60及び対物レンズ38)がカバー厚みtc=0.75[mm]となるときに最適化されて設計された、仮想的な光学系を想定する。この場合、リレーレンズ60の移動レンズ61は固定されているものとする。
因みにカバー厚みtcを0.75[mm]としたのは、光ディスク100の厚さである1.5[mm]の半分、すなわち厚さ方向の中心に焦点Fb1を合わせる状況を想定していることによる。
この仮想的な光学系において、設計値tc0=0.75[mm]とした上で、カバー厚みtcを変化させたときの仮想球面収差値WFAcを(8)式に従って算出したところ、その絶対値として図14に示すような結果(図中、黒丸で示す)が得られた。
図14において、仮想球面収差値WFAcの特性曲線は、カバー厚みtcが設計値tc0と一致するtc=0.75[mm]の時に極小値となり、球面収差値がほぼ値「0」となる。
この仮想球面収差値WFAcの特性曲線は、カバー厚みtc=0.75[mm]のときを折り返し点とした折れ線を描いており、カバー厚みt=0.75[mm]未満の部分及び当該カバー厚みt=0.75[mm]以上の部分ではそれぞれほぼ直線状となり、さらに両者の傾きの絶対値がほぼ等しくなっている。
すなわちこの仮想的な光学系では、設計値tc0=0.75[mm]からのカバー厚みtcの差分値と、仮想球面収差値WFAcとがほぼ比例関係にあるといえる。
(1−5−3)球面収差の補正
ところで案内面情報光学系50では、光ディスク100に多層記録を行うため、目標深さを切り換える必要があり、このときカバー厚みtcを変化させることになるため、どうしても球面収差が発生してしまう。
そこで案内面情報光学系50では、光ディスク100に照射される段階の青色光ビームLb1に対して、カバー厚みtcの部分により生じる球面収差と逆特性の収差を予め付加しておけば、球面収差を補正することができる。
具体的に案内面情報光学系50は、リレーレンズ60により逆特性の収差を加えると共に、レンズ間隔Dを調整することにより逆特性の収差の量を調整し得るようになされている。
ここで案内面情報光学系50(図12)について、上述した(8)式に従い、カバー厚みtcを変化させて球面収差値WFAを算出すると共に、各カバー厚みtcに対して当該球面収差値WFAを最小とするようなレンズ間隔Dの最適値を算出したところ、当該カバー厚みtcと最小の球面収差値WFAとの関係について、図14に示すような結果(図中、白丸で示す)が得られた。また、当該カバー厚みtcとレンズ間隔Dの最適値との関係については、図中破線で示すような特性となった。
因みにこの場合、対物レンズ38の開口数NAを0.5、青色光ビームLb1の波長λを405[nm]、設計値tc0を0.6[mm]としている。
このように得られた球面収差値WFAの特性曲線(図14)を参照すると、リレーレンズ60におけるレンズ間隔Dを最適に調整することにより、当該球面収差値WFAを全般的に仮想球面収差値WFAcよりも小さくし得ることがわかる。
特に球面収差値WFAは、記録層101に相当する範囲、すなわちカバー厚みtcが0.6〜0.9[mm]となる範囲(以下これを記録範囲RAと呼ぶ)において、ほぼ直線状に単調増加している。またこの記録範囲RAでは、レンズの間隔Dについて、比較的小さい値となっている。
すなわちリレーレンズ60は、カバー厚みtcとレンズ間隔Dとが比例関係にあるため、当該カバー厚みtcに比例して当該レンズ間隔Dを調整することにより、球面収差値WFAを最小限に抑えることができる。
ところでリレーレンズ60は、上述したように、移動レンズ61の移動量(すなわちレンズ間隔Dの調整量)と青色光ビームLb1の焦点Fb1の移動量とについても比例関係にある。
そこで実際のリレーレンズ60は、光学的設計により、移動レンズ61の移動量に比例した距離だけ焦点Fb1を移動させたとき、当該移動後の焦点Fb1において同時に球面収差量WFAが許容量(0.02λrms)以下となるようになされている。
すなわちリレーレンズ60は、移動レンズ61を移動させることにより、当該移動レンズ61の移動量に応じた距離だけ焦点Fb1を移動させると同時に、球面収差量WFAを最小限に抑えるようになされている。
またリレーレンズ60と同様の光学特性を有するリレーレンズ75(図6)は、当該リレーレンズ60と同様、移動レンズ76を移動させることにより、当該移動レンズ76の移動量に応じた距離だけ焦点Fb2を移動させると同時に、球面収差量WFAを最小限に抑えるようになされている。
(1−5−4)2つのリレーレンズにおける移動レンズの移動
ところで光ディスク装置20は、光ディスク100の記録層101内における目標マーク位置に記録マークRMを記録する際、図13に示したように、案内面100A側及び記録光照射面100B側の両方から、当該目標マーク位置の深さ(目標深さ)に焦点Fb1及びFb2を一致させるように、青色光ビームLb1及びLb2を照射することになる。
このとき青色光ビームLb1及びLb2には、図13に示したように、それぞれカバー厚みtc1及びtc2に起因する球面収差が発生する。
ここで、光ディスク100全体の厚さt0は一定(約1.5[mm])であるため、焦点Fb1及びFb2の位置が一致していれば、目標深さに拘わらず、カバー厚みtc1とカバー厚みtc2との和は常に一定の値(すなわち光ディスク100全体の厚さt0)となる。
このことから光ディスク装置20は、目標深さを変更する場合、カバー厚みtc1の増加分(又は減少分)とカバー厚みtc2の減少分(又は増加分)が等しくなるように青色光ビームLb1及びLb2の焦点Fb1及びFb2を移動させれば良い。
ところで光ディスク装置20のリレーレンズ60は、上述したように、移動レンズ61の移動量と青色光ビームLb1の焦点Fb1の移動量とが比例関係にある。同様にリレーレンズ75は、移動レンズ76の移動量と青色光ビームLb2の焦点Fb2の移動量とが比例関係にある。
そこで光ディスク装置20の制御部21(図4)は、図15に示すように、目標深さを変更する際、駆動制御部22を介してリレーレンズ60及び75のアクチュエータ61A及び76Aを制御することにより、移動レンズ61及び76を基準となる位置x0からそれぞれ距離Δxずつ、+x方向(図の右方向)及び−x方向(図の左方向)へ移動させるようになされている。
因みに位置x0は、青色光ビームLb1及びLb2の焦点Fb1及びFb2を光ディスクの厚さ方向の中心に合わせるときの位置を表している。
このとき青色光ビームLb1及びLb2には、図14に示したように、互いに相補的な、すなわち互いの絶対値が等しく符号が反対となる球面収差値が付加されることになる。
これにより光ディスク装置20は、青色光ビームLb1及びLb2の焦点Fb1及びFb2をいずれも記録層101内の目標深さに合わせることができ、これと同時に当該青色光ビームLb1及びLb2に生じる球面収差をそれぞれ可能な限り小さくするよう補正することができる。
このように光ディスク装置20の制御部21は、目標深さを変更する際、当該目標深さの変更量に比例してリレーレンズ60及び75の移動レンズ61及び76を互いに反対方向へ同距離ずつ移動させることにより、青色光ビームLb1及びLb2の焦点Fb1及びFb2をいずれも記録層101内の目標深さに合わせると共に、当該青色光ビームLb1及びLb2に対して互いに相補的な球面収差を付加して、当該焦点Fb1及びFb2における球面収差を許容量(0.02λrms)以下に補正するようになされている。
(1−6)動作及び効果
以上の構成において、光ディスク装置20の制御部21は、光ディスク100に情報を記録する場合、案内面位置制御光学系30(図7)により赤色光ビームLr1を当該光ディスク100の案内面100A側から照射させ、その反射光である赤色反射光ビームLr2の検出結果を基に、対物レンズ38のフォーカス制御及びトラッキング制御(すなわち位置制御)を行うことにより、赤色光ビームLr1の焦点Frを記録アドレス情報に対応した目標トラックに追従させる。
その上で制御部21は、案内面情報光学系50(図9)により青色光ビームLb1を光ディスク100の案内面100A側から照射させ、対物レンズ38及び79を介した青色光ビームLb1(図9)を記録光照射面光学系70により検出させ、その検出結果を基に、駆動制御部22により対物レンズ79の位置制御(すなわちフォーカス制御及びトラッキング制御)、並びにガルバノミラー78のタンジェンシャル制御を行わせる。
また制御部21は、記録光照射面光学系70(図10)のシャッタ71を制御して青色光ビームLb2を透過させ、当該青色光ビームLb2を光ディスク100の記録光照射面100B側から照射させる。
さらに制御部21は、リレーレンズ60及び75の移動レンズ61及び76を、それぞれ光ディスク100の記録層101における目標深さに応じた位置となるよう、互いに反対方向へ同距離ずつ移動させる。
これにより制御部21は、青色光ビームLb1及びLb2の焦点Fb1及びFb2を記録層101内の目標深さ(すなわち目標マーク位置)に合わせることができ、当該目標マーク位置に記録マークRMを記録することができる。
このとき制御部21は、図14に示したように、カバー厚みtcに比例してレンズ間隔Dを調整することにより、球面収差値WFAを最小限に抑えることができる、といった性質を利用しているため、リレーレンズ60及び75の移動レンズ61及び76を目標深さに応じた移動量だけ移動させることにより、当該青色光ビームLb1及びLb2に対して互いに相補的な球面収差を付加することができ、焦点Fb1及びFb2における球面収差を極めて小さくするよう補正することができる。
特に制御部21は、記録層101に相当する記録範囲RAにおいて、球面収差値WFA(図14)を約0.02以下に抑えることができるので、光ピックアップ26内の他の光学部品による収差等を考慮しても、全体的な収差を一般的な基準値といわれている閾値0.07よりも小さい値に抑え得る可能性が高い。
この結果、光ディスク装置20は、光ディスク100の記録層101における目標マーク位置に高品質な干渉パターンでなる記録マークRMを記録することができる。
また制御部21は、リレーレンズ60及び75が、移動レンズ61及び76の移動量に比例した距離だけ焦点Fb1及びFb2を移動させたとき、同時に球面収差量WFAを最小とできるように設計されていることを利用しているため、焦点Fb1及びFb2を目標深さに合わせるよう移動レンズ61及び76を移動させるだけで、青色光ビームLb1及びLb2の球面収差を自動的に許容量(0.02λrms)以下に抑えることができる。
このため光ディスク20は、例えば液晶素子のような他の球面収差補正用の光学部品を用いる必要が無く、また制御部21は、目標深さを変更した際に、球面収差を補正するための他の制御を行う必要が無い。
さらに制御部21は、光ディスク100の記録層101において焦点Fb1及びFb2の位置が一致していれば、カバー厚みtc1とカバー厚みtc2との和が光ディスク100全体の厚さt0に常に一致することを利用しているため、リレーレンズ60及び75の移動レンズ61及び76を目標深さに応じた距離だけ互いに反対方向へ移動させることにより、青色光ビームLb1及びLb2の球面収差をいずれも許容量(0.02λrms)以下となるよう補正することができる。
さらに光ディスク装置20は、案内面位置制御光学系30と案内面情報光学系50とで変更ビームスプリッタ37及び対物レンズ38以外の光学部品を互いに独立に有しているため、制御部21により目標深さに応じてリレーレンズ60及び75を制御し青色光ビームLb1及びLb2における球面収差を補正したときに、赤色光ビームLr1及び赤色反射光ビームLr2に対して悪影響を与える危険性が無く、対物レンズ38に対する位置制御の精度を低下させずに済む。
以上の構成によれば、光ディスク装置20の制御部21は、カバー厚みtcに比例してレンズ間隔Dを調整することにより球面収差を最小限に抑えることができることと、リレーレンズ60及び75の設計により移動レンズ61及び76の移動量に比例して焦点Fb1及びFb2を移動できると同時に球面収差を最小にできることと、焦点Fb1及びFb2の位置が一致していればカバー厚みtc1とカバー厚みtc2との和が常に一定となることとを利用し、リレーレンズ60及び75の移動レンズ61及び76を目標深さに応じて互いに逆方向へ同距離ずつ移動させることにより、青色光ビームLb1及びLb2に対して互いに相補的な球面収差を付加することができ、焦点Fb1及びFb2における球面収差をいずれも許容量(0.02λrms)以下となるよう補正することができる。
(2)第2の実施の形態
(2−1)光ディスクの構成
図3(B)と対応する図16に示すように、第2の実施の形態における光ディスク200は、第1の実施の形態における光ディスク100と異なり、当該光ディスク200の一方の面からのみ光ビームを照射することにより、トラッキング制御及びフォーカス制御並びに情報の記録や再生を行うようになされている。
光ディスク200は、ベースとなる基板202と内部にホログラムを記録し得る記録層201とが張り合わされたような構成を有しており、さらに基板202と記録層201との間に光ビームを反射する反射膜204が挟まれている。因みに、以下では記録層201側の面を記録面200Aと呼ぶ。
この光ディスク200は、情報が記録される際、記録面200A側から照射され反射膜204で反射した光ビームと、当該記録面200A側から照射された光ビームとが干渉することを利用して記録マークRMを記録するようになされている。
またここで反射膜204には、光ディスク100の反射透過膜104と同様に、螺旋状又は同心円状に案内溝が配置されたトラックが形成されており、トラッキング制御を行う際の位置の指標として用いられることが想定されている。
因みに光学ディスク200では、基板202は必ずしも必要ではなく、この場合、反射膜204として当該光学ディスク200の裏面反射を用いても良い。また、ディスクの表面に無反射コーティングを行って不要な反射を防ぐことも可能である。
(2−2)光ディスク装置の構成
第2の実施の形態における光ディスク装置120は、第1の実施の形態における制御部21と対応する制御部121(図示せず)により制御されているものの、第1の実施の形態における光ディスク装置20(図4)と同様の構成を有しているため、その説明は省略する。
図6と対応する図17において、第2の実施の形態による光ピックアップ126は、光ディスク200の記録層内において光ビームの干渉により定在波を形成し比較的小さなホログラムでなる記録マークを複数層に渡って記録する点で、第1の実施の形態と一部類似した機能を実現している。
しかしながらこの光ピックアップ126は、光ディスク200の片面側からのみ光ビームを照射するようになされている点で、第1の実施の形態による光ピックアップ26(図6)と大きく異なっている。
光ピックアップ126は、記録時において、同一のレーザダイオードから出射された直線偏光でなる青色光ビームLbを、トラッキング制御及びフォーカス制御用の青色光ビームLbC、ホログラム記録用の青色光ビームLbA及びLbBという3本の光ビームに分割する。一方、光ピックアップ126は、再生時において、トラッキング及びフォーカスサーボ用の光ビームLbCと、ホログラム読み取り用の青色光ビームLbAという2本の光ビームに分割される。
まず、記録及び再生時にトラッキング制御及びフォーカス制御に用いられる青色光ビームLbCについて説明する。レーザダイオード131は、波長405[nm]の青色光ビームLbを射出してコリメータレンズ132に入射させる。コリメータレンズ132は、青色光ビームLbを平行光に変換した後、ビームスプリッタ133に入射させる。
ビームスプリッタ133は、青色光ビームLbの大部分を反射させる一方、残りの一部分を青色光ビームLbCとして透過し、ミラー134、ビームスプリッタ135及び136を介して対物レンズ137に入射させる。
対物レンズ137は、青色光ビームLbCを集光して光ディスク200(図17)の反射膜204上に照射する。さらに対物レンズ137は、反射膜204によって反射された青色光ビームLbCを受光し、元の経路を逆に辿るようにビームスプリッタ136及び135、並びにミラー134を順次介してビームスプリッタ133に入射させる。
ビームスプリッタ133は、青色光ビームLbCを反射してその角度を90°偏向させ、集光レンズ158及びシリンドリカルレンズ159を介してフォトディテクタ160に照射する。フォトディテクタ43(図8)と同様に4分割された検出領域を有するフォトディテクタ160は、青色光ビームLbCの受光量に応じた検出信号を生成し、信号処理部23に供給する。
信号処理部23は、検出信号を基に上述した(3)式及び(4)式に従いフォーカスエラー信号SFEr及びトラッキングエラー信号STErを生成し、これを駆動制御部22に送出する。駆動制御部22は、このフォーカスエラー信号SFEr及びトラッキングエラー信号STErに基づいてフォーカス駆動制御信号SFDr及びトラッキング駆動制御信号STErを生成し、これを図示しない2軸アクチュエータ137Aに供給することにより、対物レンズ137をフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動させるようになされている。
次に、定在波の記録時に用いられる青色光ビームLbAについて説明する。ビームスプリッタ133は、反射した青色光ビームLbの大部分を1/2波長板142に入射する。1/2波長板は、入射された青色光ビームLbのうち、約半分をそのまま透過させる一方、残りの約半分の偏光方向を90°変化させ、偏光ビームスプリッタ143に入射させる。
偏光ビームスプリッタ143は、青色光ビームLbAの約半分を透過させ、青色光ビームLbAの方向を偏向する可動式のガルバノミラー144に入射する。ガルバノミラー144は、青色光ビームLbAを反射することによりその角度を変化させて液晶パネル145に入射させる。
液晶パネル145は、青色光ビームLbAの球面収差やディスクの傾きに起因するコマ収差を補正し、1/4波長板146に入射させる。1/4波長板は、直線偏光を例えば右円偏光に変換し、リレーレンズ147の可動レンズ148及び固定レンズ149を順次介してビームスプリッタ136に入射させる。
リレーレンズ147は、可動レンズ148を駆動して当該可動レンズ148と固定レンズ149との間隔を制御することにより、青色光ビームLbAの焦点FbAをフォーカス方向に移動させ、反射膜204からの当該焦点FbAの距離を調整するようになされている。
ビームスプリッタ136は、青色光ビームLbAを反射し、その方向を90°偏向させ、対物レンズ137に入射させる。対物レンズ137は、青色光ビームLbAを集光し、光ディスク200記録層201内における目標マーク位置に照射する。
次に、青色光ビームLbAと同様に定在波の記録時に用いられる青色光ビームLbBについて説明する。なお、青色光ビームLbBの光路上の光学部品の殆どは上述した青色光ビームLbAと同様の役割を果たすため、重複する部分については説明を省略する。
偏光ビームスプリッタ143は、青色光ビームLbの残り半分を反射して青色光ビームLbBとし、液晶パネル150及び1/2波長板151を介して光学補償器152に入射する。光学補償器152は、屈折率の差異を利用して青色光ビームLbBの光路長を青色光ビームLbAと一致させた上で、偏光ビームスプリッタ153に入射させる。
偏光ビームスプリッタ153は、青色光ビームLbBを1/4波長板154、リレーレンズ155の可動レンズ156及び固定レンズ157を順次介してビームスプリッタ135に入射させる。
ビームスプリッタ135は、青色光ビームLbBを反射することにより、その方向を90°偏向させ、ビームスプリッタ136を介して対物レンズ137に入射させる。対物レンズ137は、青色光ビームLbBが反射膜204で反射されて折り返された後に形成される焦点FbBを、記録層201内の目標マーク位置に合致させるようになされている。
この結果、光ピックアップ126は、図16に示したように、青色光ビームLbA及び青色光ビームLbBが目標マーク位置で定在波を形成することにより、光ディスク200の記録層202に定在波の干渉パターンを記録マークRMとして記録することができる。
光ピックアップ126は、青色光ビームLbCが反射膜204における目標トラックに合焦するよう対物レンズ137を駆動し、青色光ビームLbA及びLbBの焦点FbA及びFbBの位置をそれぞれリレーレンズ147及び155によってフォーカス方向に制御する。
また光ピックアップ126は、対物レンズ137により青色光ビームLbA、LbB及びLbCをトラッキング方向に制御すると共に、スキューなどに応じて焦点ずれが生じた場合、ガルバノミラー144によって青色光ビームLbAを制御することにより、焦点FbA及びFbBを目標マーク位置に一致させる。
そして対物レンズ137は、反射膜204で反射された青色光ビームLbA(破線で示す)を集光し、ビームスプリッタ136へ入射させる。このときビームスプリッタ136は、反射膜201で反射されたことにより左円偏光となった青色光ビームLbAを透過させてビームスプリッタ135に入射させる。
ビームスプリッタ135は、青色光ビームLbAを反射し、リレーレンズ155、1/4波長板154を介してビームスプリッタ153に入射させる。ビームスプリッタ153は、青色光ビームLbAを反射し、その方向を90°変化させ、集光レンズ161及びシリンドリカルレンズ162を順次介してフォトディテクタ163に入射させる。
フォトディテクタ43(図8)と同様に4分割された検出領域を有するフォトディテクタ160は、フォトディテクタ82と同様に青色光ビームLbAの受光量に応じた検出信号を生成し、信号処理部23に供給する。
信号処理部23は、上述した(5)式、(6)式及び(7)式に従ってフォーカスエラー信号SFEb、トラッキングエラー信号STEb及びタンジェンシャルエラー信号SNEbを生成し、これらを駆動制御部22に送出する。
一方、対物レンズ137は、反射膜204で反射された青色光ビームLbB(破線で示す)を集光し、ビームスプリッタ136へ入射させる。このときビームスプリッタ136は、反射膜204で反射されたことにより右円偏光となった青色光ビームLbBを反射させてリレーレンズ147に入射させる。
リレーレンズ147は、青色光ビームLbBを透過させ、1/4波長板146、液晶パネル145、ガルバノミラー144を介して偏光ビームスプリッタ143に入射させる。偏光ビームスプリッタは、青色光ビームLbBを反射させてその方向を90°変化させ、集光レンズ164、ピンホール板165を介してフォトディテクタ166に入射させる。
なお、このフォトディテクタ166は、再生処理の際に青色光ビームLbBの受光量を検出するためのものであり、記録処理の際には信号処理を実行しない。
一方、再生処理の場合、光ピックアップ126は、光学補償器152に付加されたシャッタによって青色光ビームLbBを遮断し、青色光ビームLbAのみを光ディスク200の記録層201に照射する。このとき青色光ビームLbAは、記録マークRMに照射されることにより、再生光を発生する。この再生光は、青色光ビームLbBとして、対物レンズ137へ導かれたときと同一の光路を反対方向へ辿ってフォトディテクタ166に導かれるようになされている。
このときフォトディテクタ166の前段に設けられたピンホール板165は、記録マークRMが記録されていない場合に反射膜201によって反射される焦点のずれた戻り光を遮断し、フォトディテクタ166に記録マークRMからの青色光ビームLbBのみを入射させる。フォトディテクタ166は、青色光ビームLbBの受光量を検出し、信号処理部23によって再生RF信号を生成するようになされている。
(2−3)球面収差の補正
この第2の実施の形態におけるリレーレンズ147及び155は、第1の実施の形態におけるリレーレンズ60及び75と同様に構成されている。また光ディスク200では、記録層201の表面から反射膜204までの間隔が一定であるため、青色光ビームLbA及びLbBの焦点FbA及びFbBにおける反射膜204からの距離(すなわち目標深さ)を変更する場合、焦点FbA及びFbBの移動量は一致することになる。
このため、青色光ビームLbA及びLbBにおける焦点FbA及びFbBの位置とリレーレンズ147及び155における移動レンズ148及び156の移動量との間には、第1の実施の形態と同様の関係が成立する。
すなわち制御部121は、第1の実施の形態におけるリレーレンズ60及び75と同様、駆動制御部22を介してリレーレンズ147及び155のアクチュエータ(図示せず)を制御して移動レンズ148及び156を互いに反対方向へ同距離ずつ移動させることにより、青色光ビームLbA及びLbBの焦点FbA及びFbBを目標深さに合わせることができる。
さらにリレーレンズ147及び155は、光学的設計により、移動レンズ61の移動量に比例した距離だけ焦点FbA及びFbBを移動させたとき、当該移動後の焦点FbA及びFbBにおいて同時に球面収差が許容量(0.02λrms)以下となるようになされている。
従ってリレーレンズ147及び155は、第1の実施の形態におけるリレーレンズ60及び75と同様に、移動レンズ148及び156を移動させることにより、当該移動レンズ148及び156の移動量に応じた距離だけ焦点FbA及びFbBを移動させると同時に、青色光ビームLbA及びLbBに対して互いに相補的な球面収差を付加して、当該焦点FbA及びFbBにおける球面収差を最小限に抑えることができる。
(2−4)動作及び効果
以上の構成において、光ディスク装置120の制御部121は、光ディスク200に情報を記録する場合、当該光ディスク200により反射された青色光ビームLbCを検出して対物レンズ137のトラッキング制御及びフォーカス制御を行い、青色光ビームLbA及びLbBを光ディスク200に照射する。
さらに制御部121は、リレーレンズ147及び155の移動レンズ148及び156を、それぞれ光ディスク200の記録層201における目標深さに応じた位置となるよう、互いに相補的に移動させる。
これにより制御部121は、青色光ビームLbA及びLbBの焦点FbA及びFbBを記録層201内の目標深さ(すなわち目標マーク位置)に合わせることができ、当該目標マーク位置に記録マークRMを記録することができる。
このとき制御部121は、第1の実施の形態と同様、リレーレンズ147及び155の移動レンズ148及び156を目標深さに応じた移動量だけ移動させるだけで、青色光ビームLbA及びLbBの焦点FbA及びFbBに合わせ得ると共に、自動的に球面収差を許容量(0.02λrms)以下とするよう補正することができる。
以上の構成によれば、光ディスク装置120の制御部121は、第1の実施の形態と同様、リレーレンズ147及び155の移動レンズ148及び156を目標深さに応じて互いに反対方向へ同距離ずつ移動させることにより、青色光ビームLbA及びLbBに対して互いに相補的な球面収差を付加して、当該焦点FbA及びFbBにおける球面収差を最小限に抑えることができる。
(3)他の実施の形態
なお上述した実施の形態においては、制御部21により駆動制御部22を介してリレーレンズ60及び75のアクチュエータ61A及び76Aをそれぞれ制御することにより、移動レンズ61及び76を相補的に移動させるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば図18に示すように、回転軸Qを中心に回転され得るリンクアームARMにより移動レンズ61及び76を機械的に接続し、アクチュエータ61Aにより移動レンズ61を一方へ移動させたときに、当該リンクアームARMの作用により移動レンズ76を他方へ同じ距離だけ移動させる等、機械的な手段により移動レンズ61及び76を相補的に移動させるようにしても良い。
また上述した実施の形態においては、リレーレンズ60及び75の設計により、移動レンズ61及び76の移動量に比例した距離だけ焦点Fb1及びFb2を移動させたとき、同時に球面収差量WFAを最小とできるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばリレーレンズ60及び75では球面収差の補正を行わずに移動レンズ61及び76の位置に応じて焦点Fb1及びFb2の位置のみを調整するようにし、球面収差補正用の液晶素子等を別途設けるようにしても良い。
この場合、青色光ビームLb1及びLb2の光路上に液晶素子等をそれぞれ設け、各液晶素子における球面収差の補正量を相補的に調整するようにすれば良い。
さらに上述した実施の形態においては、リレーレンズ60及び75により、光ディスク100内における目標深さ(すなわち反射透過膜104からの距離)を調整するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば単一の集光レンズを移動させることにより当該目標深さを変更し、或いは対物レンズ38及び79のフォーカス制御を行うことにより当該目標深さを変更するなど、他の手法により当該目標深さを変更するようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、光ディスク100において反射透過膜104を記録層101と基板102との間に設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば当該反射透過膜104を記録層101と基板103との間や、基板102の内部又は記録層101の内部等のような他の箇所に設けるようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、対物レンズ38の位置制御を行うための光ビーム(これを位置制御光ビームと呼ぶ)を波長約660[nm]の赤色光ビームとし、記録マークRMを形成するための光ビーム(これを記録光ビームと呼ぶ)を波長約405[nm]の青色光ビームとするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、位置制御光ビーム及び記録光ビームをそれぞれ任意の波長としても良い。
この場合、反射透過膜104としては、位置制御光ビームをその波長に応じて反射し、記録光ビームをその波長に応じて透過する性質を有していればよい。また記録層101は、記録光ビームの波長に反応する材料であれば良い。
またこの場合、(8)式に波長λが含まれていることから、記録光ビームの波長に応じた球面収差について計算が行われた上でリレーレンズ60及び75が設計されていれば良い。
因みに記録光ビームの波長を変更した場合、上述した(1)式及び(2)式に示したように、記録マークRMのサイズが変化するため、記録マークRM間の距離p1、トラック間の距離p2及びマーク記録層同士の距離p3についても適宜変更することが好ましい。
さらに上述した第1の実施の形態においては、光ディスク100の記録層101内に微小なホログラムを新たに形成することにより情報の値「0」又は「1」を表す記録マークRMを記録する、いわゆるポジ型の記録を行うようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば光ディスク100の記録層101内に、予め当該光ディスク100のほぼ全面に渡るホログラムを所定間隔ごとに多層化して形成しておき、所定強度の青色光ビームLb1及びLb2を目標マーク位置に合焦させて当該目標マーク位置のホログラムを破壊(消去)することにより情報の値「0」又は「1」を記録する、いわゆるネガ型の記録を行うようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、光ディスク100の直径を約120[mm]、記録層101の厚さt1を約0.3[mm]、基板102及び103の厚さt2及びt3を約0.6[mm]とするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、それぞれ他の値であっても良い。この場合、記録層101並びに基板102及び103の厚さと各材料の屈折率等を考慮した上で、青色光ビームLb1及びLb2の焦点が目標マーク位置に合わされるよう、各光学部品の光学特性や配置等が設定されていれば良い。
さらに上述した実施の形態においては、収差付加手段としてのリレーレンズ60及び75並びに147及び155によって光ディスク装置としての光ディスク装置20及び120を構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の回路構成でなる収差付加手段によって光ディスク装置を構成するようにしても良い。
本発明は、記録媒体としての光ディスクに音楽コンテンツや映像コンテンツ或いは各種データ等を大量に記録する光ディスク装置において利用することができる。
従来の定在波記録型光ディスク装置の構成を示す略線図である。 ホログラムの形成の様子を示す略線図である。 本発明の一実施形態による光ディスクの構成を示す略線図である。 本発明の一実施形態による光ディスク装置の構成を示す略線図である。 光ピックアップの外観構成を示す略線図である。 光ピックアップの構成を示す略線図である。 赤色光ビームの光路を示す略線図である。 フォトディテクタにおける検出領域の構成を示す略線図である。 青色光ビームの光路(1)を示す略線図である。 青色光ビームの光路(2)を示す略線図である。 フォトディテクタにおける検出領域の構成を示す略線図である。 青色光ビームの等価的な光路を示す略線図である。 光ディスクにおける両面のカバー厚みの説明に供する略線図である。 カバー厚みと球面収差との関係を示す略線図である。 相補的なレンズの移動の様子を示す略線図である。 片面光学系による光ピックアップの構成を示す略線図である。 光ディスクに対する光ビームの照射の様子を示す略線図である。 他の実施の形態による相補的なレンズの移動の様子を示す略線図である。
符号の説明
20、120……光ディスク装置、21……制御部、22……駆動制御部、23……信号処理部、26、126……光ピックアップ、30……案内面位置制御光学系、31、51……レーザダイオード、37、55、58、72……偏光ビームスプリッタ、38、79……対物レンズ、38A、79A……アクチュエータ、43、64、82……フォトディテクタ、50……案内面情報光学系、56……1/4波長板、57……可動ミラー、60、75、147、155……リレーレンズ、61、76、148、156……可動レンズ、70……記録光照射面光学系、71……シャッタ、78……ガルバノミラー、100……光ディスク、101……記録層、102、103……基板、104……反射透過膜、Lr1……赤色光ビーム、Lr2……赤色反射光ビーム、Lb0、Lb1、Lb2……青色光ビーム、Lb3……青色再生光ビーム、Fr、Fb1、Fb2……焦点、RM……記録マーク。

Claims (7)

  1. 同一の光源から射出される第1及び第2の光をそれぞれ対応する第1及び第2の対物レンズによりディスク状でなる体積型記録媒体の両面から同一の焦点位置となるよう照射し定在波を記録する光ディスク装置において、
    上記体積型記録媒体へ入射される上記第1及び第2の光に対して互いに相補的な収差をそれぞれ付加する収差付加手段
    有する光ディスク装置。
  2. 上記収差付加手段は、
    上記第1及び第2の対物レンズに入射される上記第1及び第2の光における発散角度をそれぞれ変更することにより、当該第1及び第2の光に上記収差をそれぞれ付加する
    請求項1に記載の光ディスク装置。
  3. 上記収差付加手段は、
    上記第1の光における経路中に第1の補正レンズを有すると共に上記第2の光における経路中に第2の補正レンズを有し、
    上記第1の対物レンズに対する上記第1の補正レンズの距離及び上記第2の対物レンズに対する上記第2の補正レンズの距離のうち一方を、付加すべき収差に応じた量だけ短縮させると共に他方を同量だけ伸張させることにより、上記第1及び第2の光に上記収差をそれぞれ付加する
    請求項1に記載の光ディスク装置。
  4. 上記収差付加手段は、
    上記第1の対物レンズに対する上記第1の補正レンズの距離及び上記第2の対物レンズに対する上記第2の補正レンズの距離が変化されることにより、
    上記第1及び第2の光における上記体積型記録媒体への入射面から上記焦点までの距離をそれぞれ変化させる
    請求項3に記載の光ディスク装置。
  5. 上記収差付加手段は、
    上記第1の対物レンズに対する上記第1の補正レンズの距離及び上記第2の対物レンズに対する上記第2の補正レンズの距離が変化されることにより、上記第1及び第2の光における上記体積型記録媒体への入射面から上記焦点までの距離をそれぞれ変化させた場合、当該体積型記録媒体内部における当該第1及び第2の光の通過距離に応じて上記収差を補正するよう設計されている
    請求項4に記載の光ディスク装置。
  6. 他の光源から射出される第3の光を上記第1の光と同一の光軸で上記第1の対物レンズを介して上記体積型記録媒体へ照射する照射手段と
    上記体積型記録媒体が内部に有する反射層により上記第3の光が反射されてなる戻り光を基に上記第1の対物レンズを位置制御する位置制御手段と
    を有する請求項1に記載の光ディスク装置。
  7. 同一の光源から射出される第1及び第2の光をそれぞれ対応する第1及び第2の対物レンズにより所定の照射対象の両面から同一の焦点位置となるよう照射するときの光収差補正方法において、
    上記照射対象へ入射される上記第1及び第2の光に対して互いに相補的な収差をそれぞれ付加する収差付加ステップ
    有する光収差補正方法。
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