JP2009170035A - 光ディスク装置及び対物レンズ制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光ディスクに設けられた位置決め層を利用して記録層内の目標位置に光ビームを集光する際の焦点位置を高精度に制御し得るようにする。
【解決手段】光ディスク装置20は、トラッキングチルトエラー信号生成回路23Fによって(6)式に従いトラッキングシフトエラー信号STE1及びSTE2を目標位置PGの深さdに応じた比率で加算することによりトラッキングチルトエラー信号SLE1を算出し、第1トラッキングチルト制御回路22Fによって当該トラッキングチルトエラー信号SLE1を基にトラッキングチルト駆動信号SLD1を生成し、アクチュエータ13によってトラッキングチルト駆動信号SLD1に基づき対物レンズ11をトラッキングチルト方向へ回転駆動することにより、青色光ビームLb1の焦点Fb1をトラッキングシフト方向へ移動させて目標位置PGに合わせることができる。
【選択図】図12

Description

本発明は光ディスク装置及び対物レンズ制御方法に関し、例えば光ディスクにおける1層の記録層に微小なビットパターンをホログラムとして記録する光ディスク装置に適用して好適なものである。
従来、光ディスク装置においては、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)及びBlu−ray Disc(登録商標、以下BDと呼ぶ)等、光ディスクに対して光ビームを照射し、その反射光を読み取ることにより情報を再生するようになされたものが広く普及している。
またかかる従来の光ディスク装置では、当該光ディスクに対して光ビームを照射し、当該光ディスクの局所的な反射率等を変化させることにより、情報の記録を行うようになされている。
この光ディスクに関しては、当該光ディスク上に形成される光スポットの大きさは、およそλ/NA(λ:光ビームの波長、NA:開口数)で与えられ、記録密度はこの値に反比例することが知られている。例えば、BD方式では、直径120[mm]の光ディスクにおよそ25[GB]のデータを記録することができる。
ところで光ディスクには、音楽コンテンツや映像コンテンツ等の各種コンテンツ、或いはコンピュータ用の各種データ等のような種々の情報が記録されるようになされている。特に近年では、映像の高精細化や音楽の高音質化等により情報量が増大し、また1枚の光ディスクに記録するコンテンツ数の増加が要求されているため、当該光ディスクのさらなる大容量化が要求されている。
そこで光ディスク装置のなかには、ホログラムを利用して光ディスクの一様な記録層内に定在波を多層構造で記録することにより大容量化を図ったものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−220206公報(第24図)
ところで、かかる構成の光ディスク装置に対応した光ディスクでは、記録層内が一様であるため、トラック等が形成された位置決め層を別途設け、当該位置決め層を利用して当該記録層内における記録位置を特定させるようになされている。
例えば図1に示すように、光ディスク装置1は、所定の位置制御光ビームL1をビームスプリッタ3により透過させ、対物レンズ4により光ディスク2の位置決め層2Aに集光させる。
光ディスク装置1は、光ディスク2の位置決め層2Aにおいて位置制御光ビームL1が反射されてなる戻り光を検出し、その検出結果に応じて対物レンズ4のフォーカス制御及びトラッキング制御といった位置制御を行うことにより、位置制御光ビームL1を位置決め層2Aの目標トラックTGに合焦させる。
この状態で光ディスク装置1は、位置制御光ビームL1と異なる記録再生光ビームL2をビームスプリッタ3により反射させ、位置制御された対物レンズ4を介して光ディスク2の記録層2B内の目標位置PGに合焦させて記録マークRMを形成し、情報の記録を行うようになされている。
すなわち光ディスク2では、図2(A)に示すように、記録層2B内の目標位置PGは、目標トラックTGから位置決め層2A(及び光ディスク2の表面等)の法線方向へ所定距離だけ移動した位置となる。
このとき光ディスク装置1は、位置制御光ビームL1及び記録再生光ビームL2の光軸を一致させ、当該光軸を位置決め層2Aに垂直に入射させている(すなわち法線と一致させている)ため、目標トラックTGの真下に目標位置PGを位置させることができる。
因みに光ディスク装置1は、記録再生光ビームL2の収束・発散状態を変化させることにより、サーボ面2Aからの当該記録再生光ビームL2の焦点F2までの距離(以下、これを深さdと呼ぶ)を調整し得るようになされている。
しかしながら光ディスク装置1は、光ディスク2自体の反りや光ディスク装置1に対する傾き等の要因により、図2(B)に示すように、位置制御光ビームL1を位置決め層2Aに垂直に入射させ得ない場合がある。
ここで位置決め層2Aの法線と位置制御光ビームL1の光軸とのなす角をθ[°]とすると、光ディスク装置1は、記録再生光ビームL2の焦点F2を正しい目標位置PGからずれ量E=d×sinθだけ相違させてしまう。
規格上、DVD方式におけるトラックピッチは約0.74[μm]、BD方式におけるトラックピッチは約0.32[μm]である。ここで、例えば深さd=400[μm]、傾き角度θ=0.1[°]とすると、焦点F2と目標位置PGとのずれ量Eは、d×sinθ≒0.7[μm]となり、DVD方式の1トラック分、あるいはBD方式の2トラック分に相当する。
すなわち光ディスク装置1は、単に記録マークRMの形成位置が目標位置PGからずれるのみでなく、光ディスク装置2の記録層内における、目標位置PGと異なるトラックに記録マークRMを形成してしまう恐れがある。
このように光ディスク装置1は、光ディスク2の傾き等が生じた場合、誤った位置に記録再生光ビームL2の焦点F2を合焦させて結果的に記録精度を大幅に低下させてしまう恐れがあるという問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、光ディスクに設けられた位置決め用のサーボ層を利用して記録層内の目標位置に光ビームを集光する際の焦点位置を高精度に制御し得る光ディスク装置及び対物レンズ制御方法を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明の光ディスク装置においては、略ディスク状でなり、情報を表す記録マークにより内部にディスク面と略平行な1層以上のマーク層を形成する記録層と、ディスク面上における位置を特定するためのサーボ層とを有する光ディスクに対し、同一の光源から出射される第1光ビーム及び第2光ビームを第1対物レンズ及び第2対物レンズにより記録層内における同一の焦点位置にそれぞれ集光し情報を記録する光ディスク装置において、所定の第3光ビームが第1対物レンズによりサーボ層に集光された際に反射されてなる反射光ビームを検出する反射光検出部と、反射光ビームの検出結果を基に第3光ビームをサーボ層の目標サーボ位置に合焦させるよう、第1の対物レンズを光ディスクに近接又は離隔させるフォーカス方向及び光ディスクの内周又は外周へ向かうトラッキングシフト方向に位置制御する第1制御部と、第1光ビーム又は第3光ビームがサーボ層を透過し第2対物レンズにより収束されてなる透過光ビームを検出する透過光検出部と、透過光ビームの検出結果に基づき第2光ビームの焦点を第1光ビームの焦点に一致させるよう第2対物レンズをフォーカス方向及びトラッキングシフト方向に位置制御する第2制御部と、トラッキングシフト方向に関する反射光ビーム及び透過光ビームの検出結果を基に、目標サーボ位置と対応する目標位置に第1光ビームを合焦させるよう、第1対物レンズのトラッキングシフト方向への傾きを制御する第3制御部とを設けるようにした。
この光ディスク装置では、トラッキング方向に関する第1対物レンズ及び第2対物レンズの移動量の差異を基に、第1光ビームの焦点と目標位置との距離を間接的に求めることができ、当該距離に応じて第1対物レンズをトラッキングシフト方向へ傾けることができる。
また本発明の対物レンズ制御方法においては、略ディスク状でなり、情報を表す記録マークにより内部にディスク面と略平行な1層以上のマーク層を形成する記録層と、ディスク面上における位置を特定するためのサーボ層とを有する光ディスクに対し、同一の光源から出射される第1光ビーム及び第2光ビームを第1対物レンズ及び第2対物レンズにより記録層内における同一の焦点位置にそれぞれ集光し情報を記録する光ディスク装置の対物レンズ制御方法において、所定の第3光ビームが第1対物レンズによりサーボ層に集光された際に反射されてなる反射光ビームを検出する反射光検出ステップと、反射光ビームの検出結果を基に第3光ビームをサーボ層の目標サーボ位置に合焦させるよう、第1の対物レンズを光ディスクに近接又は離隔させるフォーカス方向及び光ディスクの内周又は外周へ向かうトラッキングシフト方向に位置制御する第1制御ステップと、第1光ビーム又は第3光ビームがサーボ層を透過し第2対物レンズにより収束されてなる透過光ビームを検出する透過光検出ステップと、透過光ビームの検出結果に基づき第2光ビームの焦点を第1光ビームの焦点に一致させるよう第2対物レンズをフォーカス方向及びトラッキングシフト方向に位置制御する第2制御ステップと、トラッキングシフト方向に関する反射光ビーム及び透過光ビームの検出結果を基に、目標サーボ位置と対応する目標位置に第1光ビームを合焦させるよう、第1対物レンズのトラッキングシフト方向への傾きを制御する第3制御ステップとを設けるようにした。
この対物レンズ制御方法では、トラッキング方向に関する第1対物レンズ及び第2対物レンズの移動量の差異を基に、第1光ビームの焦点と目標位置との距離を間接的に求めることができ、当該距離に応じて第1対物レンズをトラッキングシフト方向へ傾けることができる。
本発明によれば、トラッキング方向に関する第1対物レンズ及び第2対物レンズの移動量の差異を基に、第1光ビームの焦点と目標位置との距離を間接的に求めることができ、当該距離に応じて第1対物レンズをトラッキングシフト方向へ傾けることができ、かくして光ディスクに設けられた位置決め用のサーボ層を利用して記録層内の目標位置に光ビームを集光する際の焦点位置を高精度に制御し得る光ディスク装置及び対物レンズ制御方法を実現できる。
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)第1の実施の形態
(1−1)光ディスクの構成
まず、本実施の形態において情報記録媒体として用いられる光ディスク100について説明する。図3に外観図を示すように、光ディスク100は、全体として従来のCD、DVD及びBDと同様に直径約120[mm]の円盤状に構成されており、中央部分に孔部100Hが形成されている。
また光ディスク100は、図4に断面図を示すように、情報を記録するための記録層101を中心に有しており、基板102及び103により当該記録層101を両面から挟むように構成されている。
基板102及び103は、例えばポリカーボネイトやガラス等の材料により構成されており、いずれも一面から入射される光をその反対面へ高い透過率で透過させるようになされている。また基板102及び103は、ある程度の強度を有しており、記録層101を保護する役割も担うようになされている。
記録層101は、照射された光強度によって屈折率が変化するフォトポリマ等でなり、波長約405[nm]でなる青色光ビームに反応するようになされている。図4に示したように、比較的強い強度でなる2本の青色光ビームLb1及びLb2が記録層101内において干渉した場合、当該記録層101には定在波が生成されることになり、図5に示すようなホログラムとしての性質を有する干渉パターンが形成される。
また光ディスク100は、記録層101と基板102との境界面に反射透過膜層としてのサーボの位置決めのための層(以下これをサーボ層と呼ぶ)104を有している。サーボ層104は、誘電体多層膜等でなり、波長405[nm]でなる青色光ビームLb1、Lb2及び青色再生光ビームLb3を透過すると共に、波長650[nm]でなる赤色光ビームを反射するといった波長選択性を有している。
またサーボ層104は、トラッキングサーボ及びフォーカスサーボに用いられる案内溝を形成しており、具体的には、一般的なBD−R(Recordable)ディスク等と同様のランド及びグルーブにより螺旋状のトラックを形成している。このトラックには、所定の記録単位ごとに一連の番号でなるアドレスが付されており、情報を記録又は再生するトラックを当該アドレスにより特定し得るようになされている。
なおサーボ層104(すなわち記録層101と基板102との境界面)には、案内溝に代えてピット等が形成され、或いは案内溝とピット等とが組み合わされていても良く、要は光ビームによりアドレスを認識し得れば良い。
このサーボ層104は、基板102側から赤色光ビームLr1が照射された場合、これを当該基板102側へ反射する。以下、このとき反射された光ビームを赤色反射光ビームLr2と呼ぶ。
この赤色反射光ビームLr2は、例えば光ディスク装置において、目標とするトラック(目標案内位置に相当、以下これを目標トラックと呼ぶ)に対して、対物レンズ11により集光された赤色光ビームLr1の焦点Frを合わせるための、当該対物レンズ11の位置制御(すなわちフォーカス制御及びトラッキング制御)に用いられることが想定されている。
因みに以下では、光ディスク100の基板102側の面を第1面100Aと呼び、当該光ディスク100の基板103側の面を第2面100Bと呼ぶ。また、記録層101内における記録反射膜104からの距離を深さdと呼ぶ。
実際上、光ディスク100に情報が記録されるとき、図4に示したように、位置制御された対物レンズ11により赤色光ビームLr1が集光され、サーボ層104の目標トラックに合焦される。
また、赤色光ビームLr1と光軸Lxを共有し対物レンズ11により集光された青色光ビームLb1が、基板102及びサーボ層104を透過し、記録層101内における当該目標トラックの裏側(すなわち基板103側)の深さd1となる位置に合焦される。このとき青色光ビームLb1の焦点Fb1は、対物レンズ11を基準として、共通の光軸Lx上における焦点Frよりも遠方に位置することになる。
さらに、青色光ビームLb1と同一波長でなり光軸Lxを共有する青色光ビームLb2が、当該青色光ビームLb1の反対側(すなわち基板103側)から、対物レンズ11と同等の光学特性を有する対物レンズ12により集光され、照射されるようになされている。
このとき青色光ビームLb2の焦点Fb2は、対物レンズ12が位置制御されることにより、青色光ビームLb1の焦点Fb1と同一の位置となるようになされている。すなわち焦点Fb2の深さd2は、焦点Fb1の深さd2と一致する。
この結果、光ディスク100には、記録層101内における目標トラックTGの裏側に相当する焦点Fb1及びFb2の位置に、図5に示したような比較的小さい干渉パターンでなる記録マークRMが記録される。
また光ディスク100は、焦点Fb1の深さd1及び焦点Fb2の深さd2を維持したまま対物レンズ11及び12又は光ディスク100自体が移動され、あるいは光ディスク100が回転等されることにより、サーボ層104から一定の距離(すなわち深さd1=d2)となる箇所に記録マークRMが面状に配置される。以下、このように形成される記録マークRMの層をマーク層Yと呼ぶ。
さらに光ディスク100は、図6に示すように、記録層101の厚さt1が記録マークRMの高さ(すなわち光ディスク100の厚さ方向に関する大きさ)RMhよりも充分に大きくなるよう設計されている。このため光ディスク100は、焦点Fb1の深さd1及び焦点Fb2の深さd2が切り換えられながら記録マークRMが記録されることにより、複数のマーク層Yを当該光ディスク100の厚さ方向に重ねた多層記録(体積型記録とも呼ぶ)を行い得るようになされている。
例えば光ディスク100は、記録マークRM同士の相互干渉等を考慮してマーク層Y同士の距離が約15[μm]に設定されれば、厚さt1が約300[μm]の記録層101内に約20層のマーク層Yを形成することができる。なおマーク層Y同士の距離については、記録マークRM同士の相互干渉等を考慮した上で他の種々の値としても良い。
一方、光ディスク100は、情報が再生されるとき、当該情報を記録したときと同様に、対物レンズ11により集光された赤色光ビームLr1がサーボ層104の目標トラックに合焦されるよう、当該対物レンズ11が位置制御されるようになされている。
さらに光ディスク100は、同一の対物レンズ11を介し基板102及びサーボ層104を透過した青色光ビームLb1の焦点Fb1が、記録層101内における当該目標トラックの「裏側」に相当し、かつ目標深さとなる位置(目標記録位置に相当、以下これを目標位置PGと呼ぶ)に合焦されるようになされている。
このとき焦点Fb1の位置に記録されている記録マークRMは、ホログラムとしての性質により、当該目標位置PGに記録されている記録マークRMから青色再生光ビームLb3を発生する。この青色再生光ビームLb3は、記録マークRMの記録時に照射された青色光ビームLb2と同等の光学特性を有しており、当該青色光ビームLb2と同じ方向へ、すなわち記録層101内から基板102側へ発散しながら進むことになる。
このように光ディスク100は、情報が記録される場合、位置制御用の赤色光ビームLr1、情報記録用の青色光ビームLb1及びLb2が用いられることにより、記録層101内において焦点Fb1及びFb2が重なる位置、すなわちサーボ層104における目標トラックの裏側となり且つ目標深さとなる目標位置PGに、当該情報として記録マークRMが形成されるようになされている。
また光ディスク100は、記録済みの情報が再生される場合、位置制御用の赤色光ビームLr1及び情報再生用の青色光ビームLb1が用いられるようになされている。光ディスク100は、青色光ビームLb1の焦点Fb1の位置、すなわち目標位置PGに記録マークRMが記録されていた場合、当該記録マークRMのホログラムとしての作用により青色光ビームLb1を反射し、青色再生光ビームLb3を発生させるようになされている。
因みに光ディスク100は、例えば情報を2値符号化したときの符号が値「1」のときには光ディスク100の記録層101内の目標位置PGに記録マークRMが形成され、当該符号が値「0」のときには当該目標位置PGに当該記録マークRMが形成されない、といった対応付けが想定されている。これにより光ディスク100は、記録マークRMの有無により目標位置PGに符号の値「1」又は「0」を表すことができ、結果的に情報を記録層101に保持することができる。
(1−2)光ディスク装置の構成
次に、上述した光ディスク100に対応した光ディスク装置20について説明する。光ディスク装置20は、図7に示すように、制御部21により全体を統括制御するようになされている。
制御部21は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROM(Read Only Memory)から基本プログラムや情報記録プログラム等の各種プログラムを読み出し、これらを図示しないRAM(Random Access Memory)に展開することにより、情報記録処理等の各種処理を実行するようになされている。
因みに制御部21としては、上述したCPUに代えて、当該CPUよりも簡易な構成でなるFPGA(Field Programmable Gate Array)やLSI(Large Scale Integration)等を用いることもできる。これにより光ディスク装置20は、制御部21として必要な機能を果たしながらコストダウン等を図ることができる。
例えば制御部21は、光ディスク100が装填された状態で、図示しない外部機器等から情報記録命令、記録情報及び記録アドレス情報を受け付けると、駆動命令及び記録アドレス情報を駆動制御部22へ供給すると共に、記録情報を信号処理部23へ供給する。因みに記録アドレス情報は、光ディスク100の記録層101に付されたアドレスのうち、記録情報を記録すべきアドレスを示す情報である。
駆動制御部22は、制御部21と同様に図示しないCPUなどを中心に構成されており、図示しないROMからトラッキングシフト制御プログラム等の各種プログラムを読み出し、これらを図示しないRAMに展開することにより、トラッキングシフト制御処理等の各種処理を実行するようになされている。
駆動制御部22は、駆動命令に従い、スピンドルモータ24を駆動制御することにより光ディスク100を所定の回転速度で回転させる。また駆動制御部22は、スレッドモータ25を駆動制御することにより、光ピックアップ26を移動軸25A及び25Bに沿って光ディスク100の径方向(すなわち内周方向又は外周方向)における記録アドレス情報に対応した位置へ移動させる。
信号処理部23は、供給された記録情報に対して所定の符号化処理や変調処理等の各種信号処理を施すことにより記録信号を生成し、これを光ピックアップ26へ供給する。
光ピックアップ26は、図8に示すように、側面略コ字状に構成されており、図4に示したように、光ディスク100に対して両面から焦点を合わせて光ビームを照射し得るようになされている。
また光ピックアップ26は、光ディスク100により透過又は反射された光ビームを検出し、その検出結果を信号処理部23(図7)へ供給する。信号処理部23は、この検出結果を基に、フォーカスエラー信号やトラッキングシフトエラー信号等の位置制御信号を生成し、駆動制御部22へ供給する。
光ピックアップ26は、駆動制御部22の制御に基づいてフォーカス制御及びトラッキングシフト制御等の位置制御を行うことにより、光ディスク100の記録層101における記録アドレス情報により示されるトラック(以下、これを目標トラックと呼ぶ)に合わせて光ビームの照射位置を制御し、信号処理部23からの記録信号に応じた記録マークRMを記録するようになされている(詳しくは後述する)。
因みにフォーカス方向とは、光ディスク100に対し近接又は離隔する方向を表し、トラッキングシフト方向とは当該光ディスク100の径方向(すなわち内周側又は外周側へ向かう方向)を表すものとする。また当該トラッキングシフト方向と直交する方向をタンジェンシャル方向と呼ぶ。
また制御部21は、例えば外部機器(図示せず)から情報再生命令及び当該記録情報のアドレスを示す再生アドレス情報を受け付けると、駆動制御部22に対して駆動命令を供給すると共に、再生処理命令を信号処理部23へ供給する。
駆動制御部22は、情報を記録する場合と同様、スピンドルモータ24を駆動制御することにより光ディスク100を所定の回転速度で回転させると共に、スレッドモータ25を駆動制御することにより光ピックアップ26を再生アドレス情報に対応した位置へ移動させる。
光ピックアップ26は、駆動制御部22(図7)の制御に基づいてフォーカス制御及びトラッキングシフト制御等を行うことにより、光ディスク100の記録層101における再生アドレス情報により示されるトラック(すなわち目標トラックTG)に合わせて光ビームの照射位置を制御し、所定光量の光ビームを照射する。このとき光ピックアップ26は、光ディスク100における記録層101の記録マークRMから発生される再生光ビームを検出し、その光量に応じた検出信号を信号処理部23へ供給するようになされている(詳しくは後述する)。
信号処理部23は、供給された検出信号に対して所定の復調処理や復号化処理等の各種信号処理を施すことにより再生情報を生成し、この再生情報を制御部21へ供給する。これに応じて制御部21は、この再生情報を外部機器(図示せず)へ送出するようになされている。
このように光ディスク装置20は、制御部21によって光ピックアップ26を制御することにより、光ディスク100の記録層101における目標トラックに情報を記録し、また当該目標トラックから情報を再生するようになされている。
(1−3)光ピックアップの構成
次に、光ピックアップ26の構成について説明する。図9に模式的に示すように、光ピックアップ26は、多数の光学部品が設けられており、大きく分けて第1面位置制御光学系30、第1面情報光学系50及び第2面情報光学系70により構成されている。
(1−3−1)第1面位置制御光学系の構成
第1面位置制御光学系30は、光ディスク100の第1面100Aに対して赤色光ビームLr1を照射し、当該光ディスク100により当該赤色光ビームLr1が反射されてなる赤色反射光ビームLr2を受光するようになされている。
図10において第1面位置制御光学系30のレーザダイオード31は、波長約650[nm]の赤色レーザ光を射出し得るようになされている。実際上レーザダイオード31は、制御部21(図7)の制御に基づいて発散光でなる所定光量の赤色光ビームLr1を発射し、コリメータレンズ33へ入射させる。
コリメータレンズ33は、赤色光ビームLr1を発散光から平行光に変換し、1/2波長板34へ入射させる。1/2波長板34は、赤色光ビームLr1の偏光方向を所定角度回転させることによりP偏光とし、これを偏光ビームスプリッタ35へ入射させる。
偏光ビームスプリッタ35は、光ビームの偏光方向に応じて反射率が異なる偏光反射面35Sを有しており、当該偏光反射面35Sにおいて、例えばS偏光でなる光ビームをほぼ100%の割合で反射すると共に、P偏光でなる光ビームをほぼ100%の割合で透過するようになされている。
実際上、偏光ビームスプリッタ35は、P偏光でなる赤色光ビームLr1を反射透過面35Sにおいてほぼ100%の割合で透過し、1/4波長板36へ入射させる。
1/4波長板36は、光ビームを直線偏光又は円偏光に相互変換するようになされている。実際上、1/4波長板36は、赤色光ビームLr1をP偏光(直線偏光)から例えば左円偏光に変換し、これを補正レンズ37へ入射させる。
補正レンズ37及び38は、赤色光ビームLr1を一度発散させてから収束させ、ダイクロイックプリズム39へ入射させる。
ダイクロイックプリズム39の反射透過面39Sは、光ビームの波長により透過率及び反射率が異なる、いわゆる波長選択性を有しており、波長約650[nm]でなる赤色光ビームをほぼ100%の割合で透過し、波長約405[nm]でなる青色光ビームをほぼ100%の割合で反射するようになされている。このためダイクロイックプリズム39は、当該反射透過面39Sにおいて赤色光ビームLr1を透過し、対物レンズ11へ入射させる。
対物レンズ11は、赤色光ビームLr1を集光し、光ディスク100の第1面100Aへ向けて照射する。このとき赤色光ビームLr1は、図4に示したように、基板102を透過しサーボ層104において反射され、赤色光ビームLr1と反対方向へ向かう赤色反射光ビームLr2となる。また赤色反射光ビームLr2は、反射時に円偏光における回転方向が反転され、例えば左円偏光から右円偏光に反転される。
因みに対物レンズ11は、青色光ビームLb1に最適化されて設計されており、赤色光ビームLr1に関しては、補正レンズ37及び38との光学的な距離等の関係により、開口数(NA:Numerical Aperture)が0.41の集光レンズとして作用することになる。また対物レンズ11は、正しい光ディスク100が正常に装填されている場合には、その光軸が当該光ディスク100のサーボ層104に垂直となるようになされている。
この後、赤色反射光ビームLr2は、対物レンズ11、ダイクロイックプリズム39、補正レンズ38及び37を順次透過して平行光にされた後、1/4波長板36へ入射される。1/4波長板36は、赤色反射光ビームLr2を右円偏光からS偏光(直線偏光)に変換し、これを偏光ビームスプリッタ35へ入射させる。
偏光ビームスプリッタ35は、S偏光でなる赤色反射光ビームLr2を偏光反射面35Sにおいてほぼ100%の割合で反射することによりミラー40へ照射し、当該ミラー40により当該赤色反射光ビームLr2を再度反射させた後、集光レンズ41へ入射させる。
集光レンズ41は、赤色反射光ビームLr2を収束させ、シリンドリカルレンズ42により非点収差を持たせた上で当該赤色反射光ビームLr2をフォトディテクタ43へ照射する。
ところで光ディスク装置20では、回転する光ディスク100における面ブレ等が発生する可能性があるため、第1面位置制御光学系30に対する目標トラックの相対的な位置が変動する可能性がある。
そこで対物レンズ11は、アクチュエータ13によってフォーカス方向及びトラッキングシフト方向の2軸方向へ駆動され、赤色光ビームLr1の焦点Fr(図4)を目標トラックTGに追従させるようになされている。
因みにアクチュエータ13は、例えば対物レンズ11を保持するレンズホルダ(図示せず)に取り付けられたVCM(Voice Coil Motor)に電気信号を供給することにより磁力を発生させ、光ピックアップ26に取り付けられた永久磁石との間で所望の方向へ推力を発生させることにより、当該レンズホルダごと対物レンズ11を駆動するようになされている。
第1面位置制御光学系30(図9)では、対物レンズ11により赤色光ビームLr1が集光され光ディスク100のサーボ層104へ照射されるときの合焦状態が、集光レンズ41により赤色反射光ビームLr2が集光されフォトディテクタ43に照射されるときの合焦状態に反映されるよう、各種光学部品の光学的位置が調整されている。
フォトディテクタ43は、図11(A)に示すように、赤色反射光ビームLr2が照射される面上に、格子状に分割された4つの検出領域43A、43B、43C及び43Dを有している。因みに矢印a1により示される方向(図中の縦方向)は、赤色光ビームLr1がサーボ層104(図3)に照射されるときの、トラックの走行方向に対応している。
フォトディテクタ43は、検出領域43A、43B、43C及び43Dにより赤色反射光ビームLr2の一部をそれぞれ検出し、このとき検出した光量に応じて検出信号U1A、U1B、U1C及びU1D(以下、これらをまとめてU1A〜U1Dと呼ぶ)をそれぞれ生成して、これらを信号処理部23(図7)へ送出する。
ここで光ピックアップ26は、対物レンズ11について、いわゆる非点収差法によるフォーカス制御を行うようになされている。
すなわち信号処理部23は、図12に示すように、第1フォーカスエラー信号生成回路23Aにより、次に示す(1)式に従って検出信号U1A〜U1Dを基にフォーカスエラー信号SFE1を算出し、これを駆動制御部22の第1フォーカス制御回路22Aへ供給する。
このフォーカスエラー信号SFE1は、赤色光ビームLr1の焦点Frと光ディスク100のサーボ層104とのフォーカス方向に関するずれ量を表すことになる。
駆動制御部22の第1フォーカス制御回路22Aは、図13に示すように、ローパスフィルタ(LPF)22A1、位相補償回路22A2及びアンプ回路22A3を有している。
まずローパスフィルタ(LPF)22A1は、フォーカスエラー信号SFE1から低域成分を抽出することにより、アドレス信号や光ディスク100の傷等に起因した高域成分を除去する。次に位相補償回路22A2は、フォーカスエラー信号SFE1の位相を調整することにより、制御系の安定性を向上させる。
さらにアンプ回路22A3は、フォーカスエラー信号SFE1の振幅を増幅することによりフォーカス駆動信号SFD1を生成し、これをアクチュエータ13へ供給する。アクチュエータ13は、フォーカス駆動信号SFD1に従い対物レンズ11をフォーカス方向へ駆動する。
かくして光ピックアップ26は、赤色光ビームLr1が光ディスク100のサーボ層104に合焦するよう、対物レンズ11をフィードバック制御(すなわちフォーカス制御)する。
また光ピックアップ26は、対物レンズ12について、いわゆるプッシュプル法によるトラッキングシフト制御を行うようになされている。
すなわち信号処理部23は、第1トラッキングシフトエラー信号生成回路23B(図12)により、次に示す(2)式に従って検出信号U1A〜U1Dを基にトラッキングシフトエラー信号STE1を算出し、これを駆動制御部22の第1トラッキングシフト制御回路22Bへ供給する。
このトラッキングシフトエラー信号STE1は、赤色光ビームLr1の焦点Frと光ディスク100のサーボ層104における目標トラックとのずれ量を表すことになる。
第1トラッキングシフト制御回路22Bは、第1フォーカス制御回路22A(図13)と同様に構成されており、トラッキングシフトエラー信号STE1を基にトラッキングシフト駆動信号STD1を生成し、アクチュエータ13へ供給する。アクチュエータ13は、トラッキングシフト駆動信号STD1に従い対物レンズ11をトラッキングシフト方向へ駆動する。
かくして光ピックアップ26は、赤色光ビームLr1が光ディスク100のサーボ層104における目標トラックに合焦するよう、対物レンズ11をフィードバック制御(すなわちトラッキングシフト制御)する。
このように光ピックアップ26の第1面位置制御光学系30は、赤色光ビームLr1を光ディスク100のサーボ層104に照射し、その反射光である赤色反射光ビームLr2の受光結果を基に、信号処理部23及び駆動制御部22の制御に基づいて対物レンズ11のフォーカス制御及びトラッキングシフト制御を行い、赤色光ビームLr1をサーボ層104の目標トラックTGに合焦させるようになされている。
(1−3−2)第1面情報光学系の構成
第1面情報光学系50は、光ディスク100の第1面100Aに対して青色光ビームLb1を照射するようになされており、また当該光ディスク100から入射される青色光ビームLb2又は青色再生光ビームLb3を受光するようになされている。
図14において第1面情報光学系50のレーザダイオード51は、波長約405[nm]の青色レーザ光を射出し得るようになされている。実際上レーザダイオード51は、制御部21(図7)の制御に基づいて発散光でなる青色光ビームLb0を射出し、コリメータレンズ52へ入射させる。コリメータレンズ52は、青色光ビームLb0を発散光から平行光に変換し、1/2波長板53へ入射させる。
このとき青色光ビームLb0は、1/2波長板53により偏光方向が所定角度回転され、アナモプリズム54により強度分布が成形された後、偏光ビームスプリッタ55の面55Aに入射される。
偏光ビームスプリッタ55は、反射透過面55Sにおいて、光ビームの偏光方向により異なる割合で当該光ビームを反射又は透過するようになされている。例えば反射透過面55Sは、P偏光の光ビームをほぼ100%の割合で透過し、S偏光の光ビームをほぼ100%の割合で反射するようになされている。
実際上、偏光ビームスプリッタ55は、反射透過面55Sにより、青色光ビームLb0のS偏光成分を反射し面55Bから1/4波長板56へ入射させると共に、P偏光成分を透過し面55Dからシャッタ71へ入射させる。以下では、反射透過面55Sにより反射された青色光ビームを青色光ビームLb1、反射透過面55Sを透過した青色光ビームを青色光ビームLb2と呼ぶ。
因みに青色光ビームLb0は、1/2波長板53において偏光方向が回転されることにより、P偏光成分とS偏光成分との割合が調整されることになる。すなわち光ピックアップ26では、1/2波長板53により青色光ビームLb0の偏光方向を回転させる度合いに応じて、青色光ビームLb1と青色光ビームLb2との光量比を調整し得るようになされている。
1/4波長板56は、青色光ビームLb1を直線偏光から円偏光に変換して可動ミラー57へ照射し、また当該可動ミラー57により反射され青色光ビームLb1を円偏光から直線偏光に変換し、再度偏光ビームスプリッタ55の面55Bへ入射させる。
このとき青色光ビームLb1は、例えば1/4波長板56によりS偏光から右円偏光に変換され、可動ミラー57により反射された際に右円偏光から左円偏光に変換された後、再度1/4波長板56により左円偏光からP偏光に変換される。すなわち青色光ビームLb1は、面55Bから出射されたときと可動ミラー57により反射された後に当該面55Bに入射されるときとで、互いの偏光方向が異なることになる。
このため青色光ビームLb1は、P偏光にされた状態で反射透過面55Sへ入射されることになり、当該反射透過面55Sをほぼ100%の割合で通過し、面55Cから出射される。
この場合、光ピックアップ26は、青色光ビームLb1を偏光ビームスプリッタ55から可動ミラー57までの間で往復させることにより、青色光ビームLb1及びLb2における光路長の差をコヒーレント長以下に抑えるようになされている。因みに可動ミラー57の位置は、制御部21により制御される。
偏光ビームスプリッタ55は、面55Bから入射された青色光ビームLb1の偏光方向(P偏光)に応じて、反射透過面55Sにより当該青色光ビームLb1をそのまま透過させ、面55Cから偏光ビームスプリッタ58へ入射させるようになされている。
この結果、第1面情報光学系50は、偏光ビームスプリッタ55、1/4波長板56及び可動ミラー57により、青色光ビームLb1の光路長を引き延ばすことになる。
偏光ビームスプリッタ58の反射透過面58Sは、例えばS偏光の光ビームをほぼ100%の割合で反射し、P偏光の光ビームをほぼ100%の割合で透過するようになされている。実際上、偏光ビームスプリッタ58は、反射透過面58Sにおいて青色光ビームLb1をそのまま透過させ、1/4波長板59によりP偏光(直線偏光)から左円偏光に変換させた上で、リレーレンズ60へ入射させる。
リレーレンズ60は、可動レンズ61により青色光ビームLb1を平行光から収束光に変換し、収束後に発散光となった当該青色光ビームLb1を固定レンズ62により再度収束光に変換し、ダイクロイックプリズム39へ入射させる。
ここで可動レンズ61は、アクチュエータ61Aにより青色光ビームLb1の光軸方向に移動されるようになされている。実際上、リレーレンズ60は、制御部21(図7)の制御に基づきアクチュエータ61Aによって可動レンズ61を移動させることにより、固定レンズ62から出射される青色光ビームLb1の収束状態を変化させ得るようになされている。
ダイクロイックプリズム39は、青色光ビームLb1の波長に応じて、反射透過面39Sにより当該青色光ビームLb1を反射し、これを対物レンズ11へ入射させる。因みに青色光ビームLb1は、反射透過面39Sにおいて反射されるときに円偏光における偏光方向が反転され、例えば左円偏光から右円偏光に変換される。
対物レンズ11は、青色光ビームLb1を集光し、光ディスク100の第1面100Aへ照射する。因みに対物レンズ11は、青色光ビームLb1に関しては、リレーレンズ60との光学的な距離等の関係により、開口数(NA)が0.5の集光レンズとして作用することになる。
このとき青色光ビームLb1は、図4に示したように、基板102及びサーボ層104を透過し、記録層101内に合焦する。ここで当該青色光ビームLb1の焦点Fb1の位置は、リレーレンズ60の固定レンズ62から出射される際の収束状態により定められることになる。すなわち焦点Fb1は、可動レンズ61の位置に応じて記録層101内の第1面100A側又は第2面100B側へ移動することになる。
実際上、第1面情報光学系50は、制御部21(図7)によって可動レンズ61の位置が制御されることにより、光ディスク100の記録層101内における青色光ビームLb1の焦点Fb1(図4)の深さd1(すなわちサーボ層104からの距離)を調整するようになされている。
青色光ビームLb1は、焦点Fb1に収束した後に発散光となり、記録層101及び基板103を透過し、第2面100Bから出射されて、対物レンズ12へ入射される。
このように第1面情報光学系50は、青色光ビームLb1を光ディスク100の第1面100A側から照射して記録層101内に当該青色光ビームLb1の焦点Fb1を位置させ、さらにリレーレンズ60における可動レンズ61の位置に応じて、当該焦点Fb1の深さd1を調整するようになされている。
ところで光ディスク100は、記録層101に記録マークRMが記録されていた場合、上述したように、青色光ビームLb1の焦点Fb1が当該記録マークRMに合焦されると、ホログラムとしての性質により、当該記録マークRMから青色再生光ビームLb3を発生することになる。因みに青色光ビームLb2は、円偏光(例えば左円偏光)となる。
このとき第1面情報光学系50では、図15に示すように、青色再生光ビームLb3が対物レンズ11によりある程度収束された後、ダイクロイックプリズム39により反射され、リレーレンズ60へ入射される。因みに青色再生光ビームLb3は、反射透過面39Sにおいて反射される際、円偏光における偏光方向が反転され、例えば左円偏光から右円偏光に変換される。
続いて青色再生光ビームLb3は、リレーレンズ60の固定レンズ62及び可動レンズ61によって平行光に変換され、さらに1/4波長板59により右円偏光からS偏光(直線偏光)に変換された上で、偏光ビームスプリッタ58へ入射される。
このとき1/4波長板59は、例えば青色光ビームLb1をP偏光から右円偏光に変換するときの右円偏光を最大化するような角度で配置されている場合、青色再生光ビームLb3を左円偏光からS偏光に変換することになる。
偏光ビームスプリッタ58は、入射される青色再生光ビームLb3がS偏光であることからこれをほぼ100%の割合で反射し、集光レンズ63へ入射させる。集光レンズ63は、青色再生光ビームLb3を集光し、フォトディテクタ64へ照射させる。
因みに第1面情報光学系50内の各光学部品は、青色再生光ビームLb3がフォトディテクタ64に合焦するよう配置されている。
フォトディテクタ64は、図11(B)に示すように、検出領域64Aにより青色再生光ビームLb3の光量を検出し、このとき検出した光量に応じて再生検出信号SDpを生成し、これを信号処理部23(図7)へ供給する。
この再生検出信号SDpは、青色再生光ビームLb3に基づいた光ディスク100に記録されている情報を表すものとなる。このため信号処理部23は、青色再生光ビームLb3が検出されたか否かをそれぞれ値「1」又は「0」に対応付け、所定の復調処理や復号化処理等を施すことにより再生情報を生成し、この再生情報を制御部21へ供給するようになされている。
これにより光ディスク装置20では、光ディスク100の記録層101内の目標位置PGに記録マークRMが形成されているときには青色再生光ビームLb3を受光し、当該目標位置PGに当該記録マークRMが形成されていないときには青色再生光ビームLb3を受光しないことにより、目標位置PGに値「1」又は「0」のいずれが記録されているかを認識することができ、結果的に光ディスク100の記録層101に記録された情報を再生することができる。
このように第1面情報光学系50は、光ディスク100の第1面100Aから対物レンズ11へ入射される青色光ビームLb2又は青色再生光ビームLb3を受光し、その受光結果を信号処理部23へ供給するようになされている。
(1−3−3)第2面情報光学系の構成
第2面情報光学系70(図9)は、光ディスク100の第2面100Bに対して青色光ビームLb2を照射するようになされており、また第1面情報光学系50から照射され光ディスク100を透過した青色光ビームLb1を受光するようになされている。
図15において第1面情報光学系50の偏光ビームスプリッタ55は、上述したように、反射透過面55SにおいてP偏光でなる青色光ビームLb0をほぼ100%の割合で透過し、これを青色光ビームLb2として面55Dからシャッタ71へ入射させる。
シャッタ71は、制御部21(図7)の制御に基づいて青色光ビームLb2を遮断又は透過するようになされており、当該青色光ビームLb2を透過した場合、偏光ビームスプリッタ72へ入射させる。
偏光ビームスプリッタ72の反射透過面72Sは、例えばP偏光の光ビームを約100%の割合で透過し、S偏光の光ビームを約100%の割合で反射するようになされている。実際上、偏光ビームスプリッタ72は、P偏光でなる青色光ビームLb2をそのまま透過させ、ミラー73により反射させた後、1/4波長板74により直線偏光(P偏光)から円偏光(左円偏光)に変換させた上で、リレーレンズ75へ入射させる。
リレーレンズ75は、リレーレンズ60と同様に構成されており、可動レンズ61、アクチュエータ61A及び固定レンズ62とそれぞれ対応する可動レンズ76、アクチュエータ76A及び固定レンズ77を有している。
リレーレンズ75は、可動レンズ76により青色光ビームLb2を平行光から収束光に変換し、収束後に発散光となった当該青色光ビームLb2を固定レンズ77により再度収束光に変換し、ガルバノミラー78へ入射させる。
またリレーレンズ75は、リレーレンズ60と同様、制御部21(図7)の制御に基づきアクチュエータ76Aによって可動レンズ76を移動させることにより、固定レンズ77から出射される青色光ビームLb2の収束状態を変化させ得るようになされている。
ガルバノミラー78は、青色光ビームLb2を反射し、対物レンズ12へ入射させる。因みに青色光ビームLb2は、反射されるときに円偏光における偏光方向が反転され、例えば左円偏光から右円偏光に変換される。
またガルバノミラー78は、リニアモータやピエゾ素子等によって反射面78Aの角度を変化し得るようになされており、制御部21(図7)の制御に従い反射面78Aの角度を調整することにより、青色光ビームLb2の進行方向を調整し得るようになされている。
対物レンズ12は、アクチュエータ14と一体に構成されており、当該アクチュエータ14により、対物レンズ11と同様、光ディスク100への近接方向又は離隔方向であるフォーカス方向と、光ディスク100の内周側方向又は外周側方向であるトラッキングシフト方向との2軸方向へ駆動され得るようになされている。
この対物レンズ12は、青色光ビームLb2を集光し、光ディスク100の第2面100Bへ照射する。対物レンズ12は、対物レンズ11と同様の光学特性を有しており、当該青色光ビームLb2に関して、リレーレンズ75との光学的な距離等の関係により、開口数(NA)が0.5の集光レンズとして作用することになる。
このとき青色光ビームLb2は、図14に示したように、基板103を透過して記録層101内に合焦する。ここで当該青色光ビームLb2の焦点Fb2の位置は、リレーレンズ75の固定レンズ77から出射される際の収束状態により定められることになる。すなわち当該焦点Fb2は、青色光ビームLb1の焦点Fb1と同様、可動レンズ76の位置に応じて記録層101内の第1面100A側又は第2面100B側へ移動することになる。
実際上、第2面情報光学系70は、制御部21(図7)によってリレーレンズ60における可動レンズ61の位置と共にリレーレンズ75における可動レンズ76の位置が制御されることにより、光ディスク100の記録層101内における青色光ビームLb2の焦点Fb2(図4)の深さd2を調整するようになされている。
このとき光ディスク装置20では、制御部21(図7)により、光ディスク100に面ブレ等が発生していないと仮定したときの(すなわち理想的な状態の)記録層101内における、対物レンズ11が基準位置にあるときの青色光ビームLb1の焦点Fb1に対して、対物レンズ12が基準位置にあるときの青色光ビームLb2の焦点Fb2を合わせるようになされている。
このように第2面情報光学系70は、青色光ビームLb2を光ディスク100の第2面100B側から照射して記録層101内に当該青色光ビームLb2の焦点Fb2を位置させ、さらにリレーレンズ75における可動レンズ76の位置に応じて、当該焦点Fb2の深さd2を調整するようになされている。
ところで、第1面情報光学系50(図14)の対物レンズ11から照射された青色光ビームLb1は、上述したように、光ディスク100の記録層101内において一度収束した後、発散光となり対物レンズ12へ入射される。
このとき第2面情報光学系70では、青色光ビームLb1が対物レンズ12によりある程度収束された後、ガルバノミラー78により反射されて、リレーレンズ75へ入射される。因みに青色光ビームLb1は、反射面78Sにおいて反射される際、円偏光における偏光方向が反転され、例えば左円偏光から右円偏光に変換される。
続いて青色光ビームLb1は、リレーレンズ75の固定レンズ77及び可動レンズ76によって平行光に変換され、さらに1/4波長板74により円偏光(右円偏光)から直線偏光(S偏光)に変換された後、ミラー73により反射されてから、偏光ビームスプリッタ72へ入射される。
偏光ビームスプリッタ72は、青色光ビームLb1がS偏光であるため、当該青色光ビームLb1を反射して集光レンズ80へ入射させる。集光レンズ80は、青色光ビームLb1を収束させ、シリンドリカルレンズ81により非点収差を持たせた上でフォトディテクタ82へ照射する。
ところで対物レンズ11は、上述したように、光ディスク100が面ブレ等を生じる場合に備え、第1面位置制御光学系30及び駆動制御部22(図7)等によりフォーカス制御及びトラッキングシフト制御されるようになされている。
このとき青色光ビームLb1の焦点Fb1は、対物レンズ11の移動に伴って移動することになるため、対物レンズ12が基準位置にあるときの青色光ビームLb2における焦点Fb2の位置からずれることになる。
そこで第2面情報光学系70では、記録層101内における青色光ビームLb1の焦点Fb1に対する青色光ビームLb2の焦点Fb2のずれ量が、集光レンズ80により青色光ビームLb1が集光されフォトディテクタ82へ照射されるときの照射状態に反映されるよう、各種光学部品の光学的位置が調整されている。
フォトディテクタ82は、図11(C)に示すように、フォトディテクタ43と同様、青色光ビームLb1が照射される面上に、格子状に分割された4つの検出領域82A、82B、82C及び82Dを有している。因みに矢印a2により示される方向(図中の縦方向)は、青色光ビームLb1が照射されるときの、サーボ層104(図4)におけるトラックの走行方向に対応している。
フォトディテクタ82は、検出領域82A、82B、82C及び82Dにより青色光ビームLb1の一部をそれぞれ検出し、このとき検出した光量に応じて検出信号U2A、U2B、U2C及びU2D(以下、これらをまとめてU2A〜U2Dと呼ぶ)をそれぞれ生成して、これらを信号処理部23(図7)へ送出する。
ここで光ピックアップ26は、対物レンズ12について、いわゆる非点収差法によるフォーカス制御を行うようになされている。
すなわち信号処理部23は、図12に示した第2フォーカスエラー信号生成回路23Cにより、次に示す(3)式に従って検出信号U2A〜U2Dを基にフォーカスエラー信号SFE2を算出し、これを駆動制御部22の第2フォーカス制御回路22Cへ供給する。
このフォーカスエラー信号SFE2は、青色光ビームLb1の焦点Fb1と青色光ビームLb2の焦点Fb2とのフォーカス方向に関するずれ量を表すことになる。
第2フォーカス制御回路22Cは、第1フォーカス制御回路22A(図13)と同様に構成されており、フォーカスエラー信号SFE2を基にフォーカス駆動信号SFD2を生成し、アクチュエータ14へ供給する。アクチュエータ14は、フォーカス駆動信号SFD2に従い対物レンズ12をフォーカス方向へ駆動する。
かくして光ピックアップ26は、青色光ビームLb1の焦点Fb1に対する青色光ビームLb2の焦点Fb2のフォーカス方向に関するずれ量を減少させるよう、対物レンズ12をフォーカス制御する。
また光ピックアップ26は、対物レンズ12について、プッシュプル信号を用いたトラッキングシフト制御を行うようになされている。
すなわち信号処理部23は、図12に示した第2トラッキングシフトエラー信号生成回路23Dにより、次に示す(4)式に従って検出信号U2A〜U2Dを基にトラッキングシフトエラー信号STE2を算出し、これを駆動制御部22の第2トラッキングシフト制御回路22Dへ供給する。
このトラッキングシフトエラー信号STE2は、青色光ビームLb1の焦点Fb1と青色光ビームLb2の焦点Fb2とのトラッキングシフト方向に関するずれ量を表すことになる。
第2トラッキングシフト制御回路22Dは、第1フォーカス制御回路22A(図13)と同様に構成されており、トラッキングシフトエラー信号STE2を基にトラッキングシフト駆動信号STD2を生成し、これをアクチュエータ14へ供給する。アクチュエータ14は、トラッキングシフト駆動信号STD2に従い対物レンズ12をトラッキングシフト方向へ駆動する。
かくして光ピックアップ26は、青色光ビームLb1の焦点Fb1に対する青色光ビームLb2の焦点Fb2のトラッキングシフト方向に関するずれ量を減少させるよう、対物レンズ12をトラッキングシフト制御する。
さらに光ピックアップ26は、ガルバノミラー78の反射面78Aの角度を変化させることにより、青色光ビームLb2の焦点Fb2をタンジェンシャル方向(すなわちトラックの接線方向)に関して移動させるタンジェンシャル制御を行うようになされている。
すなわち信号処理部23は、図12に示した第2タンジェンシャルエラー信号生成回路23Eにより、次に示す(5)式に従って検出信号U2A〜U2Dを基にタンジェンシャルエラー信号SNE2を算出し、これを駆動制御部22のガルバノミラー制御回路22Eへ供給する。
このタンジェンシャルエラー信号SNE2は、いわゆるプッシュプル信号となっており、青色光ビームLb1の焦点Fb1と青色光ビームLb2の焦点Fb2とのタンジェンシャル方向に関するずれ量を表すことになる。
ガルバノミラー制御回路22Eは、第1フォーカス制御回路22A(図13)と同様に構成されており、タンジェンシャルエラー信号SNE2を基にタンジェンシャル駆動信号SND2を生成し、これをガルバノミラー78へ供給する。ガルバノミラー78は、タンジェンシャル駆動信号SND2に従い反射面78Aの角度をタンジェンシャル方向に調整する。
かくして光ピックアップ26は、青色光ビームLb1の焦点Fb1に対する青色光ビームLb2の焦点Fb2のタンジェンシャル方向に関するずれ量を減少させるよう、ガルバノミラー78をタンジェンシャル制御する。
このように第2面情報光学系70は、光ディスク100の第2面100Bから対物レンズ12へ入射される青色光ビームLb1を受光し、その受光結果を信号処理部23へ供給するようになされている。これに応じて駆動制御部22は、青色光ビームLb2の焦点Fb2を青色光ビームLb1の焦点Fb1に合わせるよう、対物レンズ12のフォーカス制御及びトラッキングシフト制御、並びにガルバノミラー78によるタンジェンシャル制御(以下、これらをまとめて位置制御と呼ぶ)を行うようになされている。
これにより光ディスク装置20は、青色光ビームLb2の焦点Fb2を青色光ビームLb1の焦点Fb1に合わせることができるので、光ディスク100における記録層101内の目標位置PGに対して、良好な記録マークRMを形成させることができる。
(1−3−4)トラッキングチルト制御
ところで光ディスク装置20では、光ディスク100が傾いていない場合(以下、これを標準状態と呼ぶ)、図16に示すように、青色光ビームLb1をサーボ層104に対し垂直に入射させる。
このとき青色光ビームLb1の光軸Xbは、対物レンズ11の中心軸XL11及び対物レンズ12の中心軸XL12を通ることになる。
しかしながら光ディスク100は、反りを有すること等により、図17に示すように、標準状態から傾く場合がある。(以下、この状態を傾斜状態と呼ぶ)。
光ディスク装置20は、この傾斜状態であっても、位置制御部30によって対物レンズ11のフォーカス制御及びトラッキングシフト制御を行うことにより、赤色光ビームLr1を目標トラックTGに合焦させる。
このとき青色光ビームLb1は、光ディスク100の基板102や記録層101に対して垂直には入射しない。このため光ピックアップ26は、仮に対物レンズ12を標準状態と同一の箇所に位置させた場合、図17に示したように、対物レンズ12の中心軸XL12を青色光ビームLb1の光軸Xbからずらすことになる。
これに対し光ディスク装置20は、上述したように対物レンズ12の位置制御を行った場合、図18(A)に示すように、対物レンズ12の中心軸XL12を青色光ビームLb1の光軸Xbに一致させることができる。
ここで図18(B)に示すように、光ディスク100の記録層101内において赤色光ビームLr1の焦点Fr(すなわち目標トラックTG)を通るサーボ層104の法線を、仮想的に目標法線NGと定義する。この目標法線NGは、目標トラックTGと目標位置PGとの相対的な位置関係により、当該目標位置PGを通過することになる。
このとき青色光ビームLb1の光軸Xbは、傾斜状態では目標法線NGから離隔してしまっている。従って青色光ビームLb1の焦点Fb1は、目標位置PGから外れてしまっている。このことは、光ディスク装置20が目標位置PGに記録されている所望の情報を読み出し得ず、また当該目標位置PGに情報を記録し得ないことを意味している。
ところで光ディスク装置20では、対物レンズ11により集光される赤色光ビームLr1の焦点Fr1と青色光ビームLb1の焦点Fb1とが互いに異なる位置にある。
このため光ディスク装置20は、対物レンズ11をトラッキングチルト方向に傾けることにより、第1面位置制御光学系30によって赤色光ビームLr1を目標トラックTGに追従させたまま、青色光ビームLb1の焦点Fb1をトラッキングシフト方向へ移動させることができる。
また光ディスク装置20において、標準状態(図16)から傾斜状態(図18(A))に遷移する際、対物レンズ12のトラッキングシフト方向への移動量は、それぞれの幾何学的な位置関係により、光ディスク100の標準状態からの傾きθの大きさ(すなわちチルト量)と比例関係又はこれに類似した相関的な関係があると考えられる。因みに光ディスク装置20では、対物レンズ11を基準とした対物レンズ12のトラッキングシフト方向に関する移動量を、トラッキングシフトエラー信号STE1及びSTE2の差分により表すことができる。
さらに図18(B)における目標位置PGと焦点Fb1との距離(すなわちずれ量)は、目標位置PGの深さdに応じて異なる値となる。
すなわち光ディスク装置20では、対物レンズ11及び対物レンズ12のトラッキングシフト方向に関する移動量と目標位置PGの深さdとに基づき、当該対物レンズ11をトラッキングチルト方向に傾ければ、目標位置PGに対する焦点Fb1のずれ量を補正することが可能となる。
そこで光ディスク装置20は、対物レンズ11用のトラッキングシフトエラー信号STE1に対する対物レンズ12用のトラッキングシフトエラー信号STE2の差分を基にトラッキングチルト制御を行うことにより、図19(A)及び(B)に示すように、対物レンズ11をトラッキングチルト方向に傾ける。
具体的に信号処理部23は、第1トラッキングシフトエラー信号生成回路23Bからトラッキングシフトエラー信号STE1をトラッキングチルトエラー信号生成回路23Fへ供給すると共に、第2トラッキングシフトエラー信号生成回路23Dからトラッキングシフトエラー信号STE2をトラッキングチルトエラー信号生成回路23Fへ供給する。
トラッキングチルトエラー信号生成回路23Fは、次に示す(6)式に従ってトラッキングチルトエラー信号SLE1を算出し、これを駆動制御部22の第1トラッキングチルト制御回路22Fへ供給する。
因みにトラッキングシフトエラー信号STE1及びSTE2は、対物レンズ11及び12が光ディスク100を挟んで対向する構成であることから、互いに反対方向を正としている。このため信号処理部23は、(6)式において両者を加算することにより差分値を算出するようになされている。
また係数α1は、目標位置PGの深さdに応じて定められる値であり、予めシミュレーション等により算出され、図示しない記憶部に記憶されているものである。すなわち(6)式では、トラッキングシフトエラー信号STE1及びSTE2を目標位置PGの深さdに応じた比率で加算している。
このため光ディスク装置20は、トラッキングシフトエラー信号STE1及びSTE2並びに係数α1を用いることにより、焦点Fb1と目標位置PGとの距離を間接的に算出し、当該距離を利用することになる。このことは、当該距離と深さdとの幾何学的関係から、光ディスク100の傾きθを間接的に算出することにもなる。
トラッキングチルト制御回路22Fは、第1フォーカス制御回路22A(図13)と同様に構成されており、トラッキングチルトエラー信号SLE1を基にトラッキングチルト駆動信号SLD1を生成し、これをアクチュエータ13へ供給する。アクチュエータ13は、トラッキングチルト駆動信号SLD1に基づき対物レンズ11をトラッキングチルト方向に傾けるよう回転駆動する。
この結果、光ディスク装置20は、青色光ビームLb1の焦点Fb1を目標法線NG上の目標位置PGに合わせることができる。
このように光ディスク装置20は、トラッキングシフトエラー信号STE1及びトラッキングシフトエラー信号STE2及び目標位置PGの深さdを用いて対物レンズ11をトラッキングチルト制御することにより、青色光ビームLb1を目標位置PGに合焦させるようになされている。
(1−4)動作及び効果
以上の構成において、第1の実施の形態による光ディスク装置20は、信号処理部23のトラッキングチルトエラー信号生成回路23Fによって(6)式に従いトラッキングシフトエラー信号STE1及びSTE2を目標位置PGの深さdに応じた比率で加算することによりトラッキングチルトエラー信号SLE1を算出し、これを駆動制御部22の第1トラッキングチルト制御回路22Fへ供給する。
第1トラッキングチルト制御回路22Fは、トラッキングチルトエラー信号SLE1を基にトラッキングチルト駆動信号SLD1を生成し、これをアクチュエータ13へ供給する。
アクチュエータ13は、トラッキングチルト駆動信号SLD1に基づき対物レンズ11をトラッキングチルト方向へ傾けることにより、青色光ビームLb1の焦点Fb1をトラッキングシフト方向へ移動させる。
従って光ディスク装置20は、対物レンズ11をトラッキングチルト制御することにより、青色光ビームLb1の焦点Fb1をトラッキングシフト方向に移動させることができ、青色光ビームLb1の焦点Fb1を適切に目標位置PGに合わせることができる。
これにより光ディスク装置20は、光ディスク100が標準状態(図16)から傾きを有していたとしても、目標位置PGに正しく記録マークRMを形成し、また当該目標位置PGにおける記録マークRMの有無を正しく読み出すことができる。
このとき光ディスク装置20は、対物レンズ11及び12のトラッキングシフト方向に関する移動量の差が光ディスク100の標準状態(図16)からのチルト量と関係することを利用しているため、(6)式の演算において間接的に光ディスク100の傾きθを算出し利用することができる。
このため光ディスク装置20は、例えば光ディスク100の傾きθを検出するためのチルトセンサ等を設ける必要なく、構成を複雑化せずに済む。
また光ディスク装置20は、対物レンズ11のトラッキングチルト制御においてトラッキングシフトエラー信号STE1及びSTE2を利用しているものの、当該トラッキングチルト制御を他の位置制御、すなわち対物レンズ11のフォーカス制御及びトラッキングシフト制御、対物レンズ12のフォーカス制御及びトラッキングシフト制御並びにガルバノミラー78のタンジェンシャル制御から独立させている。このため光ディスク装置20は、トラッキングチルト制御における制御処理を比較的単純に行うことができる。
以上の構成によれば、光ディスク装置20は、トラッキングチルトエラー信号生成回路23Fによって(6)式に従いトラッキングシフトエラー信号STE1及びSTE2を目標位置PGの深さdに応じた比率で加算することによりトラッキングチルトエラー信号SLE1を算出し、第1トラッキングチルト制御回路22Fによって当該トラッキングチルトエラー信号SLE1を基にトラッキングチルト駆動信号SLD1を生成し、アクチュエータ13によってトラッキングチルト駆動信号SLD1に基づき対物レンズ11をトラッキングチルト方向へ回転駆動することにより、青色光ビームLb1の焦点Fb1をトラッキングシフト方向へ移動させて目標位置PGに合わせることができる。
(2)第2の実施の形態
(2−1)光ディスクの構成
第2の実施の形態では、第1の実施の形態における光ディスク100に代えて、光ディスク200が用いられるようになされている。この光ディスク200は、図20に示すように、サーボ層104に代わるサーボ層204が設けられており、他は光ディスク100と同様に構成されている。
サーボ層204は、サーボ層104と同様に案内溝を形成しており、また青色光ビームLb1及び青色再生光ビームLb3をほぼ100%の割合で透過するものの、赤色光ビームLr1に関する反射率が当該サーボ層104と異なっている。
すなわちサーボ層204は、赤色光ビームLr1を約50%の割合で反射し赤色反射光ビームLr2とすると共に、当該赤色光ビームLr1のうち残りの約50%を透過して赤色透過光ビームLr3とするようになされている。
この赤色透過光ビームLr3は、対物レンズ12の位置制御に利用されるようになされている(詳しくは後述する)。
(2−2)光ディスク装置の構成
次に、上述した光ディスク200に対応した光ディスク装置120について説明する。光ディスク装置120(図7)は、第1の実施の形態における光ディスク装置20と比較して、制御部21、駆動制御部22、信号処理部23及び光ピックアップ26に代わる制御部121、駆動制御部122、信号処理部123及び光ピックアップ126が設けられている点が異なっているものの、他は同様に構成されている。
光ピックアップ126は、図9と対応する図21に示すように、光ピックアップ26と比較して、偏光ビームスプリッタ72、集光レンズ80、シリンドリカルレンズ81及びフォトディテクタ82が省略される一方、第2面位置制御光学系90が設けられている。
すなわち光ピックアップ126では、光ディスク200におけるサーボ層204の性質により、当該サーボ層204において赤色光ビームLr1の約50%が透過されてなる赤色透過光ビームLr3を基に、対物レンズ12の位置制御を行うようになされている。
赤色透過光ビームLr3は、光ディスク200の記録層201及び基板203を透過した後、発散光となり対物レンズ12へ入射される。赤色透過光ビームLr3は、当該対物レンズ12によりほぼ平行光に変換され、ガルバノミラー78により反射された後、リレーレンズ75へ入射される。
続いて赤色透過光ビームLr3は、リレーレンズ75の固定レンズ77によりある程度収束光に変換され、ダイクロイックプリズム91へ入射させる。
ダイクロイックプリズム91の反射透過面91Sは、ダイクロックプリズム37の反射透過面39Sとは反対の波長選択性を有しており、波長約650[nm]の赤色光ビームをほぼ100%の割合で反射し、波長約405[nm]の青色光ビームをほぼ100%の割合で透過するようになされている。このためダイクロイックプリズム91は、反射透過面91Sにおいて赤色透過光ビームLr3を反射し、集光レンズ92へ入射させる。
集光レンズ92は、赤色透過光ビームLr3を収束させ、シリンドリカルレンズ93により非点収差を持たせた上でフォトディテクタ94へ照射する。
ところで対物レンズ11は、上述した第1の実施の形態と同様、第1面位置制御光学系30及び駆動制御部122(図7)等により位置制御されるようになされている。
実際上、第2面位置制御光学系90では、対物レンズ12の赤色光ビームに関する焦点と、サーボ層204における赤色光ビームLr1の焦点Fr1とのずれ量が、集光レンズ92により赤色透過光ビームLr3が集光されフォトディテクタ94へ照射されるときの照射状態に反映されるよう、各種光学部品の光学的位置が調整されている。
フォトディテクタ94は、図22に示すように、フォトディテクタ43と同様、赤色透過光ビームLr3が照射される面上に、格子状に分割された4つの検出領域94A、94B、94C及び94Dを有している。因みに矢印a3により示される方向(図中の縦方向)は、赤色透過光ビームLr3が照射されるときの、サーボ層204(図20)におけるトラックの走行方向に対応している。
フォトディテクタ94は、検出領域94A、94B、94C及び94Dにより赤色透過光ビームLr3の一部をそれぞれ検出し、このとき検出した光量に応じて検出信号U3A、U3B、U3C及びU3Dをそれぞれ生成して、これらを信号処理部123(図7)へ送出する。
光ピックアップ126は、第1の実施の形態における第2面情報光学系70の場合と同様、対物レンズ12について、いわゆる非点収差法によるフォーカス制御を行うようになされている。
すなわち信号処理部123は、図12に示した第2フォーカスエラー信号生成回路23Cにより、次に示す(7)式に従って検出信号U3A〜U3Dを基にフォーカスエラー信号SFE3を算出し、これを駆動制御部122の第2フォーカス制御回路22Cへ供給する。
このフォーカスエラー信号SFE3は、第1の実施の形態におけるフォーカスエラー信号SFE2と同様に、対物レンズ12の赤色光ビームに関する焦点と、サーボ層204における赤色光ビームLr1の焦点Fr1とのフォーカス方向に関するずれ量を表している。またフォーカスエラー信号SFE3は、光ディスク200に傾きがない状態における青色光ビームLb1の焦点Fb1と青色光ビームLb2の焦点Fb2とのフォーカス方向に関するずれ量を表すことにもなる。
第2フォーカス制御回路22Cは、フォーカスエラー信号SFE3を基にフォーカス駆動信号SFD3を生成し、アクチュエータ14へ供給する。アクチュエータ14は、フォーカス駆動信号SFD3に従い対物レンズ12をフォーカス方向へ駆動する。
かくして光ディスク装置120は、第1の実施の形態と同様に、対物レンズ12の赤色光ビームに関する焦点と、サーボ層204における赤色光ビームLr1の焦点Frとのずれ量を減少させるよう、対物レンズ12をフォーカス制御する。これに伴い光ピックアップ126は、青色光ビームLb1の焦点Fb1に対する青色光ビームLb2の焦点Fb2のフォーカス方向に関するずれ量を減少させることができる。
また光ピックアップ126は、対物レンズ12について、プッシュプル信号を用いたトラッキングシフト制御を行うようになされている。
すなわち信号処理部123は、図12に示した第2トラッキングシフトエラー信号生成回路23Dにより、次に示す(8)式に従って検出信号U3A〜U3Dを基にトラッキングシフトエラー信号STE3を算出し、これを駆動制御部122の第2トラッキングシフト制御回路22Dへ供給する。
このトラッキングシフトエラー信号STE3は、第1の実施の形態におけるトラッキングシフトエラー信号STE2と同様に、対物レンズ12の赤色光ビームに関する焦点と、サーボ層204における赤色光ビームLr1の焦点Fr1とのトラッキングシフト方向に関するずれ量を表している。またトラッキングシフトエラー信号STE3は、光ディスク200に傾きがない状態における青色光ビームLb1の焦点Fb1と青色光ビームLb2の焦点Fb2とのトラッキングシフト方向に関するずれ量を表すことにもなる。
第2トラッキングシフト制御回路22Dは、トラッキングシフトエラー信号STE3を基にトラッキングシフト駆動信号STD3を生成し、これをアクチュエータ14へ供給する。アクチュエータ14は、トラッキングシフト駆動信号STD3に従い対物レンズ12をトラッキングシフト方向へ駆動する。
かくして光ディスク装置120は、対物レンズ12の赤色光ビームに関する焦点と、サーボ層204における赤色光ビームLr1の焦点Frとのずれ量を減少させるよう、対物レンズ12をトラッキングシフト制御する。これに伴い光ピックアップ126は、青色光ビームLb1の焦点Fb1に対する青色光ビームLb2の焦点Fb2のトラッキングシフト方向に関するずれ量を減少させることができる。
さらに光ピックアップ126は、ガルバノミラー78の反射面78Aの角度を変化させることにより、青色光ビームLb2の焦点Fb2についてタンジェンシャル制御を行う。
すなわち信号処理部123は、図12に示した第2タンジェンシャルエラー信号生成回路23Eにより、次に示す(9)式に従って検出信号U3A〜U3Dを基にタンジェンシャルエラー信号SNE3を算出し、これを駆動制御部122のガルバノミラー制御回路22Eへ供給する。
ガルバノミラー制御回路22Eは、タンジェンシャルエラー信号SNE3を基にタンジェンシャル駆動信号SND3を生成し、これをガルバノミラー78へ供給する。ガルバノミラー78は、タンジェンシャル駆動信号SND3に従い反射面78Aの角度をタンジェンシャル方向に調整する。
かくして光ディスク装置120は、対物レンズ12の赤色光ビームに関する焦点と、サーボ層204における赤色光ビームLr1の焦点Frとのずれ量を減少させるよう、対物レンズ12をタンジェンシャル制御する。これに伴い光ピックアップ126は、青色光ビームLb1の焦点Fb1に対する青色光ビームLb2の焦点Fb2のタンジェンシャル方向に関するずれ量を減少させることができる。
このように第2面位置制御光学系90は、光ディスク100の第2面100Bから対物レンズ12へ入射される赤色透過光ビームLr3を受光し、その受光結果を信号処理部123へ供給するようになされている。これに応じて駆動制御部122は、対物レンズ12の赤色光ビームに関する焦点を、サーボ層204における赤色光ビームLr1の焦点Frと一致させるよう、対物レンズ12のフォーカス制御及びトラッキング制御、並びにガルバノミラー78によるタンジェンシャル制御(すなわち位置制御)を行うようになされている。
(2−3)トラッキングチルト制御
光ディスク装置120は、第1の実施の形態における光ピックアップ26と同様に対物レンズ11のトラッキングチルト制御を行うようになされている。
この第2の実施の形態では、トラッキングチルトエラー信号生成回路23F(図12)において、フォトディテクタ82(図9)による青色光ビームLb1の検出結果を基に生成したトラッキングシフトエラー信号STE2に代えて、フォトディテクタ94(図21)による赤色光ビームLr3の検出結果を基に生成したトラッキングシフトエラー信号STE3を用いるようになされている。
すなわちトラッキングチルトエラー信号生成回路23Fは、次に示す(10)式に従ってトラッキングチルトエラー信号SLE3を算出しトラッキングチルト制御回路22Fへ供給する。
この(10)式における係数α2は、(6)式における係数α1と同様、目標位置PGの深さdに応じて定められる値であり、予めシミュレーション等により算出され、図示しない記憶部に記憶されているものである。すなわち(10)式では、トラッキングシフトエラー信号STE1及びSTE3を目標位置PGの深さdに応じた比率で加算している。
トラッキングチルト制御回路22Fは、トラッキングチルトエラー信号SLE3を基にトラッキングチルト駆動信号SLD3を生成し、これをアクチュエータ13へ供給する。アクチュエータ13は、トラッキングチルト駆動信号SLD3に基づき対物レンズ11をトラッキングチルト方向に傾けるよう回転駆動する。
この結果、光ディスク装置120は、光ディスク装置20と同様、青色光ビームLb1の焦点Fb1を目標法線NG上の目標位置PGに合わせることができる。
このように第2の実施の形態による光ディスク装置120は、トラッキングシフトエラー信号STE2に代えてトラッキングシフトエラー信号STE3を用いて対物レンズ11をトラッキングチルト制御することにより、青色光ビームLb1を目標位置PGに合焦させるようになされている。
(2−4)動作及び効果
以上の構成において、第2の実施の形態による光ディスク装置120は、信号処理部23のトラッキングチルトエラー信号生成回路23Fによって(10)式に従いトラッキングシフトエラー信号STE1及びSTE3を目標位置PGの深さdに応じた比率で加算することによりトラッキングチルトエラー信号SLE3を算出し、これを駆動制御部22の第1トラッキングチルト制御回路22Fへ供給する。
第1トラッキングチルト制御回路22Fは、トラッキングチルトエラー信号SLE3を基にトラッキングチルト駆動信号SLD3を生成し、これをアクチュエータ13へ供給する。
アクチュエータ13は、トラッキングチルト駆動信号SLD3に基づき対物レンズ11をトラッキングチルト方向へ回転駆動することにより、青色光ビームLb1の焦点Fb1をトラッキングシフト方向へ移動させる。
従って光ディスク装置120は、光ディスク装置20と同様、対物レンズ11をトラッキングチルト制御することにより、青色光ビームLb1の焦点Fb1をトラッキングシフト方向に移動させることができ、青色光ビームLb1の焦点Fb1を適切に目標位置PGに合わせることができる。
その他、光ディスク装置120は、第1の実施の形態における光ディスク装置20と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、光ディスク装置120は、トラッキングチルトエラー信号生成回路23Fによって(10)式に従いトラッキングシフトエラー信号STE1及びSTE3を目標位置PGの深さdに応じた比率で加算することによりトラッキングチルトエラー信号SLE3を算出し、第1トラッキングチルト制御回路22Fによって当該トラッキングチルトエラー信号SLE3を基にトラッキングチルト駆動信号SLD3を生成し、アクチュエータ13によってトラッキングチルト駆動信号SLD3に基づき対物レンズ11をトラッキングチルト方向へ回転駆動することにより、青色光ビームLb1の焦点Fb1をトラッキングシフト方向へ移動させて目標位置PGに合わせることができる。
(3)他の実施の形態
なお上述した第1の実施の形態においては、トラッキングチルトエラー信号生成回路23Fによってトラッキングシフトエラー信号STE1と係数α1を乗じたトラッキングシフトエラー信号STE2とを加算することによりトラッキングチルトエラー信号SLE1を算出するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば所定の係数を乗じたトラッキングシフトエラー信号STE1とトラッキングシフトエラー信号STE2とを加算することによりトラッキングチルトエラー信号SLE1を算出するようにしても良い。
ただし、係数α1は対物レンズ11の制御特性に影響を与えるものであり、当該係数α1とローパスフィルタ22A1、位相補償回路22A2及びアンプ回路22A3との間には密接な関係がある。このため、係数α1の値に応じて、当該ローパスフィルタ22A1、位相補償回路22A2及びアンプ回路22A3の特性を調整することが望ましい。第2の実施の形態における係数α2ついても同様である。
また上述した第1の実施の形態においては、(6)式における係数α1を目標位置PGの深さdに応じて設定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば深さdに加えて、第1対物レンズ及び第2対物レンズのトラッキングシフト制御系における応答速度や第1対物レンズのトラッキングチルト制御系における応答速度等に応じて係数α1を定めるようにしても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した実施の形態においては、図13に示したように第1フォーカス制御回路22Aをローパスフィルタ22A1、位相補償回路22A2及びアンプ回路22A3の組み合わせにより実現するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、各種フィルタ回路やイコライザ回路等の組み合わせや、ディジタル化し演算処理によって各種フィルタと同様の効果を与え、あるいは現代制御理論に基づく状態方程式にて算出したモデルを用いることにより第1フォーカス制御回路22Aを実現するようにしても良い。第1トラッキングシフト制御回路22B等についても同様である。
さらに上述した実施の形態においては、フォーカスエラー信号SFE1及びSFE2を非点収差法に基づいて算出するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、他の種々のフォーカスエラー信号生成手法に従い算出するようにしても良い。この場合、光ディスク100に対する光ビーム照射パターンやフォトディテクタ43等における検出領域の配置パターン等が当該フォーカスエラー信号生成手法に対応したものであれば良い。
さらに上述した実施の形態においては、トラッキングシフトエラー信号STE1、STE2及びSTE3をプッシュプル法に基づいて算出するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば3スポット法やDPP(Differential Push Pull)法といった他の種々のトラッキングシフトエラー信号生成手法に従い算出するようにしても良い。この場合、光ディスク100に対する光ビーム照射パターンやフォトディテクタ43等における検出領域の配置パターン等が当該トラッキングシフトエラー信号生成手法に対応したものであれば良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、レーザダイオード31から出射される赤色光ビームLr1の波長を約650[nm]とし、レーザダイオード51から出射される光ビームの波長を約405[nm]とするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば赤色光ビームLr1の波長を約780[nm]とする等、各光ビームを他の任意の波長(すなわち他の色)としても良い。
この場合、ダイクロイックプリズム39及び58の波長選択性を当該波長に対応させることにより、サーボ層104において赤色光ビームLr1が反射され、青色光ビームLb1及びLb2により記録層101内に記録マークRMを形成でき、且つ当該青色光ビームLb1が当該記録マークRMにより反射された青色再生光ビームLb3を検出し得れば良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、対物レンズ11と対物レンズ12との光学特性を揃えて両者の開口数(NA)を一致させるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば対物レンズ11と対物レンズ12との光学特性を相違させ両者の開口数(NA)を相違させるようにしても良い。この場合、当該開口数に応じて第1面位置制御光学系30、第1面情報光学系50及び第2面情報光学系70の各種光学部品や配置等を適宜調整すれば良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、記録層101と基板102との境界にサーボ層104を設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれらに限らず、例えば記録層101と基板102との境界や記録層101の内部等、種々の位置にサーボ層104を設けるようにしても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、光ディスク100の記録層101を樹脂材料に所定の光重合開始剤が混合され硬化されたものとするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば記録層101を光重合型フォトポリマにより構成し、その内部にモノマが均一に分散している構成であっても良い。この場合、記録層101は、光が照射されると照射箇所においてモノマが光重合や光架橋等を生じることによりポリマ化し、これに伴い屈折率が変化する。記録層101は、このように屈折率が変化した箇所が記録マークRMとなる。
さらに上述した第1の実施の形態においては、光ディスク100に基板102及び103を設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば記録層101の強度が十分である場合などに、当該基板102及び103の一方又は両方を省略しても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した実施の形態においては、反射光検出部としてのフォトディテクタ43と、第1制御部としての第1トラッキングシフトエラー信号生成回路23B及び第1トラッキングシフト制御回路22Bと、透過光検出部としてのフォトディテクタ82と、第2制御部としての第2トラッキングシフトエラー信号生成回路23D及び第2トラッキングシフト制御回路22Dと、第3制御部としてのトラッキングチルトエラー信号生成回路23F及び第1トラッキングチルト制御回路22Fとによって光ディスク装置としての光ディスク装置20を構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の回路構成でなる反射光検出部と、第1制御部と、透過光検出部と、第2制御部と、第3制御部とによって光ディスク装置を構成するようにしても良い。
本発明は、映像や音声、或いはコンピュータ用のデータ等の情報を光ディスクに記録し、また当該光ディスクから当該情報を再生する光ディスク装置でも利用できる。
2種類の光ビームを用いる光ディスク装置の構成を示す略線図である。 光ディスクの傾きによる焦点位置のずれの説明に供する略線図である。 光ディスクの外観構成を示す略線的斜視図である。 光ディスクの内部構成(1)を示す略線的断面図である。 記録マークの構成を示す略線図である。 マーク層の形成の説明に供する略線図である。 本発明の位置実施形態による光ディスク装置の構成を示す略線図である。 光ピックアップの外観構成を示す略線的斜視図である。 第1の実施の形態による光ピックアップの構成を示す略線図である。 第1の実施の形態における赤色光ビームの光路を示す略線図である。 フォトディテクタにおける検出領域の構成(1)を示す略線図である。 信号処理部及び駆動制御部の構成を示す略線的ブロック図である。 制御回路の構成を示す略線的ブロック図である。 第1の実施の形態による青色光ビームの光路(1)を示す略線図である。 第1の実施の形態による青色光ビームの光路(2)を示す略線図である。 トラッキングチルト制御(1)の説明に供する略線的断面図である。 トラッキングチルト制御(2)の説明に供する略線的断面図である。 トラッキングチルト制御(3)の説明に供する略線的断面図である。 トラッキングチルト制御(4)の説明に供する略線的断面図である。 光ディスクの内部構成(2)を示す略線的断面図である。 第2の実施の形態による光ピックアップの構成を示す略線図である。 フォトディテクタにおける検出領域の構成(2)を示す略線図である。
符号の説明
1、20、120……光ディスク装置、2、100、200……光ディスク、11、12……対物レンズ、13、14……アクチュエータ、21、121……制御部、22、122……駆動制御部、22A……第1フォーカス制御回路、22B……第1トラッキングシフト制御回路、22C……第1トラッキングチルト制御回路、22D……第2フォーカス制御回路、22E……第2トラッキングシフト制御回路、22F……ガルバノミラー制御回路、22G……第2トラッキングチルト制御回路、23、123……信号処理部、23A……第1フォーカスエラー信号生成回路、23B……第1トラッキングシフトエラー信号生成回路、23C……第2フォーカスエラー信号生成回路、23D……第2トラッキングシフトエラー信号生成回路、23E……第2タンジェンシャルエラー信号生成回路、23F……トラッキングチルトエラー信号生成回路、26、126……光ピックアップ、31、51……レーザダイオード、43、82、94……フォトディテクタ、78……ガルバノミラー、U1A、U1B、U1C、U1D、U2A、U2B、U2C、U2D、U3A、U3B、U3C、U3D……検出信号、SFE1、SFE2……フォーカスエラー信号、STE1、STE2、STE3……トラッキングシフトエラー信号、SLE1、SLE3……トラッキングチルトエラー信号、SNE2、SNE3……タンジェンシャルエラー信号、SFD1、SFD2……フォーカス駆動信号、STD1、STD2、STD3……トラッキングシフト駆動信号、SLD1、SLD3……トラッキングチルト駆動信号、SND2、SND3……タンジェンシャル駆動信号。

Claims (7)

  1. 略ディスク状でなり、情報を表す記録マークにより内部にディスク面と略平行な1層以上のマーク層を形成する記録層と、上記ディスク面上における位置を特定するためのサーボ層とを有する光ディスクに対し、同一の光源から出射される第1光ビーム及び第2光ビームを第1対物レンズ及び第2対物レンズにより上記記録層内における同一の焦点位置にそれぞれ集光し上記情報を記録する光ディスク装置において、
    所定の第3光ビームが上記第1対物レンズにより上記サーボ層に集光された際に反射されてなる反射光ビームを検出する反射光検出部と、
    上記反射光ビームの検出結果を基に上記第3光ビームを上記サーボ層の目標サーボ位置に合焦させるよう、上記第1の対物レンズを上記光ディスクに近接又は離隔させるフォーカス方向及び上記光ディスクの内周又は外周へ向かうトラッキングシフト方向に位置制御する第1制御部と、
    上記第1光ビーム又は上記第3光ビームが上記サーボ層を透過し上記第2対物レンズにより収束されてなる透過光ビームを検出する透過光検出部と、
    上記透過光ビームの検出結果に基づき上記第2光ビームの焦点を上記第1光ビームの焦点に一致させるよう上記第2対物レンズをフォーカス方向及びトラッキングシフト方向に位置制御する第2制御部と、
    トラッキングシフト方向に関する上記反射光ビーム及び上記透過光ビームの検出結果を基に、上記目標サーボ位置と対応する目標位置に上記第1光ビームを合焦させるよう、上記第1対物レンズのトラッキングシフト方向への傾きを制御する第3制御部と
    を具えることを特徴とする光ディスク装置。
  2. 上記第3制御部は、
    トラッキングシフト方向に関する上記反射光ビームの検出結果又はトラッキングシフト方向に関する上記透過光ビームの検出結果のうち少なくとも一方に所定係数を乗じ、両者の差分値を基に上記第1対物レンズのトラッキングシフト方向への傾きを制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  3. 上記第3制御部は、
    上記光ディスクにおける上記サーボ層から上記目標位置までの距離に応じて上記所定係数を設定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の光ディスク装置。
  4. 上記透過光ビームは、
    上記第1光ビームが上記第1対物レンズにより集光され上記サーボ層を透過し上記第2対物レンズを通過してなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  5. 上記透過光ビームは、
    上記第3光ビームが上記第1対物レンズにより集光され上記サーボ層を透過し上記第2対物レンズを通過してなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  6. 角度調整可能な反射面により上記第2光ビームを反射して上記第2対物レンズへ入射させるガルバノミラー
    をさらに具え、
    上記第3制御手段は、
    上記ガルバノミラーにおける上記反射面の角度を制御し、上記第2対物レンズに対する上記第2光ビームの入射角度を調整することにより、当該第2光ビームの上記位置決め層に対する入射角度を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  7. 略ディスク状でなり、情報を表す記録マークにより内部にディスク面と略平行な1層以上のマーク層を形成する記録層と、上記ディスク面上における位置を特定するためのサーボ層とを有する光ディスクに対し、同一の光源から出射される第1光ビーム及び第2光ビームを第1対物レンズ及び第2対物レンズにより上記記録層内における同一の焦点位置にそれぞれ集光し上記情報を記録する光ディスク装置の対物レンズ制御方法において、
    所定の第3光ビームが上記第1対物レンズにより上記サーボ層に集光された際に反射されてなる反射光ビームを検出する反射光検出ステップと、
    上記反射光ビームの検出結果を基に上記第3光ビームを上記サーボ層の目標サーボ位置に合焦させるよう、上記第1の対物レンズを上記光ディスクに近接又は離隔させるフォーカス方向及び上記光ディスクの内周又は外周へ向かうトラッキングシフト方向に位置制御する第1制御ステップと、
    上記第1光ビーム又は上記第3光ビームが上記サーボ層を透過し上記第2対物レンズにより収束されてなる透過光ビームを検出する透過光検出ステップと、
    上記透過光ビームの検出結果に基づき上記第2光ビームの焦点を上記第1光ビームの焦点に一致させるよう上記第2対物レンズをフォーカス方向及びトラッキングシフト方向に位置制御する第2制御ステップと、
    トラッキングシフト方向に関する上記反射光ビーム及び上記透過光ビームの検出結果を基に、上記目標サーボ位置と対応する目標位置に上記第1光ビームを合焦させるよう、上記第1対物レンズのトラッキングシフト方向への傾きを制御する第3制御ステップと
    を具えることを特徴とする対物レンズ制御方法。
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