JP4223717B2 - 高濃度アブラムシ忌避剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は桂皮酸の高濃度アブラムシ忌避剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
桂皮酸、コーヒー酸などのリグニン生合成経路中間物質が、セントポーリアなどの開花促進効果を有することが明らかにされ、本物質を開花促進剤として使用することが提案されている(特開平8−259408号公報、特開平10−273404号公報)。
【0003】
又、上記の桂皮酸、コーヒー酸などのリグニン生合成経路中間物質は、種々な生理活性作用を有しており、例えば、害虫忌避剤、抗菌剤、防黴剤などとして種々な用途に利用されている。
桂皮酸やコーヒー酸などを実際に使用する場合、それらの使用形態は作業効率の点から液状タイプが圧倒的に有利である。従来からよく用いられている液状タイプの栄養剤や肥料液などの植物賦活剤は、通常、濃縮された原液を使用に際して、適宜希釈して鉢植えなどの植物に散布して使用されている。従って、できるだけ濃縮度の高い原液を使うことが、保管スペースを少なくし、輸送効率を高めるだけでなく、使用者の使い勝手を向上させるなど、多くのメリットがある。又、溶剤としては水の使用が望まれる。
【0004】
しかしながら、桂皮酸、コーヒー酸などの生理活性物質は、水への溶解性は極めて低く(例えば、桂皮酸の水への溶解度は0.546g/リットル(25℃)である。)、これらの物質を使用した液状タイプの各種生理活性剤を製造する際には、希薄な溶液を大量に作ることを強いられると同時に、これらの製品を保管するための広大なスペースが必要であった。又、実用的に有効な生理活性を発揮させためには、桂皮酸、コーヒー酸などの生理活性物質の飽和水溶液以上の濃度が必要な場合があり、そのような場合に安全で有効な手段が無かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は保管スペースが削減され、輸送効率や作業効率が向上し、安全で、種々の農業・園芸用の高濃度アブラムシ忌避剤を提供することである。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、水酸化カリウム、炭酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなどの水に溶解してアルカリ性を呈する物質が桂皮酸を水に高濃度で溶解させるための溶解助剤として作用し、これらの溶解助剤を用いて調製した桂皮酸の高濃度水溶液(溶解助剤との混合水溶液)がアブラムシ忌避剤として有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる本発明によれば、桂皮酸が、溶解してアルカリ性を呈する溶解助剤の水溶液に0.5〜25重量%の濃度に溶解してなることを特徴とする高濃度アブラムシ忌避剤が提供される。
【0007】
本発明の桂皮酸の高濃度アブラムシ忌避剤は、希釈用原液とし、これを適当な濃度に希釈した場合にも、溶解助剤が存在するにも拘らず、桂皮酸の有するアブラムシ忌避活性は保持されるので、セントポーリアなどの花卉に対するアブラムシ忌避剤として、桂皮酸と水のみからなる極めて低濃度の水溶液に代わって使用することにより、使用効率を大幅に改善することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に本発明について詳細に説明する。
本発明で使用するリグニン生合成経路中間物質は、桂皮酸である。
【0009】
本発明の桂皮酸の高濃度アブラムシ忌避剤は、溶解助剤を用いて調製されることが特徴であり、一般的な溶解法により製造することができる。
本発明で使用する溶解助剤は、その水溶液がアルカリ性を呈する弱酸と強塩基の塩又は塩基であればいずれも使用可能であるが、pH緩衝作用を示し、環境汚染の恐れが少なく、人体に安全であるものが好ましい。弱酸と強塩基の塩としては、例えば、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウム、ポリリン酸カリウム、リン酸3ナトリウム、リン酸3カリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素2ナトリウムなどのリン酸塩、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等が、塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが好ましいものとして挙げられる。特に好ましい溶解助剤としては、食品添加物に指定されているトリポリリン酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウムなどが用いられる。
【0010】
桂皮酸の高濃度アブラムシ忌避剤を製造するに際しては、溶解助剤の水溶液を予め調製し、これに桂皮酸を加え充分に撹拌して溶解させることにより容易に桂皮酸の高濃度アブラムシ忌避剤を得ることができる。溶解助剤の使用量は、特に限定されないが、桂皮酸に対して35〜300重量%の範囲が好ましい。
このようにして桂皮酸の含有量が、室温での水に対する溶解度を超え、0.5〜25重量%の高濃度アブラムシ忌避剤が得られる。該濃度は、高濃度アブラムシ忌避剤の安定性、保管スペース、輸送効率などの点から好ましい。
【0011】
製造方法の一例を挙げると、溶解助剤が弱酸と強塩基の塩である場合、例えば、1Nの酢酸ナトリウム水溶液(pH8.9)100mlに0.5gの桂皮酸を溶解させると、0.5重量%の桂皮酸水溶液(pH6.1)のアブラムシ忌避剤を得ることができる。又、溶解助剤が塩基である場合、例えば、0.5Nの水酸化ナトリウム水溶液100mlに7.3gの桂皮酸を溶解させることで7.3重量%の桂皮酸水溶液(pH7.2)のアブラムシ忌避剤を得ることができる。使用に際しては、これを例えば10倍に希釈して約0.7重量%の桂皮酸水溶液(pH6.6)のアブラムシ忌避剤としたり、100倍に希釈し約0.07重量%の桂皮酸水溶液(pH6.3)のアブラムシ忌避剤として使用する。
【0012】
溶解助剤が、例えば、炭酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなどの弱酸と強塩基の塩である場合、これらの塩の水溶液中では、これらの塩は陽イオンと陰イオンに電離している。ここに、例えば、桂皮酸が加えられると桂皮酸由来のプロトンが溶解助剤由来の陰イオンに消費され、水溶液中の桂皮酸の電離が促進される方向に動き、桂皮酸イオンが生じて、これが水溶液中に溶け出し、桂皮酸全体の溶解量が増加する。
【0013】
例えば、酢酸ナトリウムを例に示すと、酢酸ナトリウム(CH3COONa)は水溶液中で下記の式(1)のように電離し、平衡は右に偏っている。
Figure 0004223717
又、水溶液中で桂皮酸(C65−CH=CH−COOH)は下記の式(2)のように電離するが、平衡は左に偏っている。
Figure 0004223717
桂皮酸由来のH+は、酢酸イオンCH3COO-と反応して酢酸CH3COOHを生じる。その結果、桂皮酸由来のH+は、酢酸イオンにより消費され、その濃度が減少するので、式(2)式の平衡は右に動き、桂皮酸は桂皮酸イオンC65−CH=CH−COO-となって水中に溶け出す。
【0014】
本発明の桂皮酸の高濃度のアブラムシ忌避剤の使用に際しては、一応の目安として、例えば純分10重量%程度に調製した高濃度のアブラムシ忌避剤を、10〜20,000倍程度に希釈して使用する。
本発明の桂皮酸の高濃度のアブラムシ忌避剤の使用形態は、特に制限されず、例えば、希釈高濃度のアブラムシ忌避剤のままで使用したり、必要により、肥料や他の植物活性剤やその他の添加剤等と混合して用いることができる。
【0015】
本発明の桂皮酸高濃度アブラムシ忌避剤を使用する場合には、桂皮酸の含有量が0.01〜0.5重量%の水溶液として使用することが効果的である。桂皮酸の含有量が少なすぎると十分な効果が発揮されない場合があり、多すぎると植物体に悪影響を与えることがある。又、花の種類にもよるが、切花用の花瓶内容液では0.01〜0.05重量%程度の水溶液が好ましく、散布用では0.1〜0.5重量%程度の水溶液が好ましい。
【0016】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、文中の部又は%は重量基準であり、アブラムシ忌避剤の使用量は培地(土壌も含めて)の合計量100重量部に対する量である。
【0017】
参考例1
(1)桂皮酸高濃度水溶液の製造
20℃にて蒸留水400mlに炭酸カリウム50gを溶解し、これに桂皮酸50gを加えて攪拌、溶解した。蒸留水にて全量を500mlとし、桂皮酸純分10%の桂皮酸/炭酸カリウム混合水溶液を得た。
次に、この混合水溶液を蒸留水にて20,000倍に希釈し、桂皮酸純分0.0005%の混合水溶液の希釈液を得た。この希釈液のpHを測定したところ8.9であった。
【0018】
(2)セントポーリアの開花促進試験
人工気象器内で育成したセントポーリア(ノースカロライナ)の苗を小鉢(直径11cm、深さ8cm)に植え替え、液体肥料を加えて、25℃、2,000ルックス、16時間照射/日の条件の人工気象器内に2週間放置した。その後、鉢の受皿(3ポット)に上記の桂皮酸純分0.0005%の希釈混合水溶液を流し込み、受皿に常にこの溶液が満ちている状態に保つように時々液を補充しながら栽培した。希釈混合水溶液の代わりに水を用いた場合を対照として同時に栽培した。栽培26日目に希釈混合水溶液希釈液を添加した3ポットのいずれの苗にも花芽が確認された。しかしながら、対照苗の3ポットのセントポーリアにはいずれも花芽は確認されなかった。更に栽培を継続したところ、希釈混合水溶液を添加した苗の花芽は3ポット共成長を続け、55日目には開花株が得られたが、3ポットのコントロール苗のいずれにもそのような兆候は認められなかった。この結果から明らかなように、希釈桂皮酸/炭酸カリウム混合水溶液によりセントポーリアの開花が促進されることが確認された。結果を表1にまとめて示す。
【0019】
Figure 0004223717
【0020】
参考例2
(1)p−クマル酸高濃度水溶液の製造
桂皮酸をp−クマル酸に代える以外は参考例1と同様にしてp−クマル酸の濃度が10%であるp−クマル酸/炭酸カリウム混合水溶液を製造した。これを蒸留水で20,000倍に希釈し、p−クマル酸の濃度が0.0005%である希釈p−クマル酸/炭酸カリウム混合水溶液を得た。
(2)コーヒー酸高濃度水溶液の製造
桂皮酸をコーヒー酸に代える以外は参考例1と同様にしてコーヒー酸の濃度が10%であるコーヒー酸/炭酸カリウム混合水溶液を製造した。これを蒸留水で20,000倍に希釈しコーヒー酸の濃度が0.0005%である希釈コーヒー酸/炭酸カリウム混合水溶液を得た。
【0021】
(3)セントポーリア開花促進試験
セントポーリア(スージー)の苗を小鉢(直径10cm、深さ7cm)に植え付け、セントポーリア用温室内(約20℃、自然光)で2週間栽培した。その後受皿に小鉢を取り付け、参考例1の希釈桂皮酸/炭酸カリウム混合水溶液及び上記の2種の希釈混合水溶液を試験液(表2に記載)として、それぞれを各受皿(3ポット)に流し込み、試験液が常に満ちているように適宜供給した。試験開始から28日後に各株の花芽の形成を観察した。結果を表2に示す。表2の結果から、桂皮酸の希釈高濃度混合水溶液が添加されたセントポーリア株にのみ花芽が確認され、これらの希釈高濃度混合水溶液が明らかにセントポーリアの花芽形成促進に効果を有することが確認された。
【0022】
Figure 0004223717
(注)上記の各酸の濃度は0.0005%である。
【0023】
(4)大輪菊のアブラムシ忌避効果確認試験
25℃の組立式室内用アルミ温室(440×840×1500mm)内にアブラムシを着生させたフェリーチェマル(鉢花)の鉢(直径12cm)を置き、7日間放置後、この鉢の周辺に、参考例2の希釈桂皮酸混合水溶液の入った花瓶(高さ21cm、直径6cm、500ml容)に挿した大輪菊(丈:約50cm、径:約7cm)を配置した。そのまま温室内に14日間放置後、この大輪菊の表面へのアブラムシの着生を観察したところ表3に示す結果を得た。この結果から、桂皮酸純分0.05%の希釈混合水溶液の大輪菊上のアブラムシ忌避効果が明らかになった。
【0024】
Figure 0004223717
【0025】
参考例3
(1)高濃度桂皮酸水溶液の製造
20℃にて蒸留水400mlにトリポリリン酸ナトリウム50gを溶解し、これに桂皮酸17.5gを加えて攪拌、溶解した。蒸留水にて全量を500mlとし、桂皮酸純分3.5%の桂皮酸/トリポリリン酸ナトリウム混合水溶液を得た。
次に、この混合水溶液を蒸留水にて700倍に希釈し、桂皮酸純分0.005%の希釈桂皮酸/トリポリリン酸ナトリウム混合水溶液を得た。この希釈混合水溶液のpHは8.3であった。
【0026】
(2)セントポーリア開花促進試験
60日齢のセントポーリア(タカコ)の苗、150鉢をセントポーリア用温室内の開花用ベンチに置き、1週間後に桂皮酸純分0.005%の上記希釈混合水溶液を1鉢当り50ml散布し、栽培を続けた。対照区として通常の水やりのみの苗を150鉢用意し、桂皮酸純分0.005%の希釈混合水溶液添加区と同様にして栽培を続けた。2つの区のセントポーリア鉢について、出荷に適当となる開花状態(3咲き)になるまでの栽培日数を比較した。この結果を表4に示す。表の結果より桂皮酸純分0.005%の希釈混合水溶液はセントポーリア(タカコ)の開花促進に有効であることが明らかになった。
【0027】
Figure 0004223717
1)苗を開花用ベンチに置いてから出荷(3咲き)までの栽培日数
【0028】
(3)クリサンセマムムルチコーレのアブラムシ避効果確認試験
20℃の温室内で栽培中のアブラムシの着生したクリサンセマムムルチコーレの植物体全体に、上記の桂皮酸純分0.5%及び0.05%の高濃度桂皮酸溶液希釈液及び桂皮酸の飽和水溶液を霧吹きにて散布(0.003ml/葉cm2)し、1時間放置後、このクリサンセマムムルチコーレ表面のアブラムシの着生を観察したところ表5に示す結果を得た。この結果から、桂皮酸飽和溶液より濃厚な桂皮酸濃度0.5%の希釈混合水溶液を散布した時のクリサンセマムムルチコーレ上のアブラムシ忌避効果が明らかになった。
【0029】
Figure 0004223717
【0030】
参考例4
(1)高濃度桂皮酸水溶液の製造
参考例1と同様にして桂皮酸純分10%の桂皮酸/炭酸カリウム混合水溶液を作製し、これを蒸留水にて200倍及び2,000倍に希釈して、桂皮酸純分濃度0.05%及び0.005%の希釈混合水溶液を作製した。
(2)小菊のアブラムシ忌避効果確認試験
農家より入手の出荷前の小菊を40cmの丈に揃え、上記の希釈液170mlを入れた花瓶(高さ21cm、直径6cm、200ml容)に挿した。21℃の室内に14日間放置後、この小菊の表面へのアブラムシの着生を観察したところ表6に示す結果を得た。この結果により、桂皮酸濃度0.05%の希釈混合水溶液の小菊上のアブラムシ忌避効果が明らかになった。
【0031】
Figure 0004223717
【0032】
参考例5
(1)高濃度桂皮酸水溶液の製造
20℃にて蒸留水400mlに水酸化カリウム18.4gを溶解し、これに桂皮酸50gを加えて撹拌し、蒸留水にて全量を500mlとし、桂皮酸純分10%の桂皮酸/水酸化カリウム混合水溶液(pH8.8)を得た。
次に、この混合水溶液を蒸留水にて20倍及び200倍に希釈して、桂皮酸純分濃度0.5%及び0.05%の希釈混合水溶液を作製した。
(2)ブーゲンビレアのアブラムシ忌避効果確認試験
20℃の温室内で栽培中のアブラムシの着生したブーゲンビレアの植物体全体に、上記0.5%及び0.05%の希釈桂皮酸混合水溶液並びに桂皮酸飽和水溶液(約0.05%)を霧吹きにて散布(0.003ml/葉cm2)し、1時間放置後、このブーゲンビレアの表面のアブラムシの着生を観察したところ表7に示す結果を得た。この結果により、桂皮酸飽和溶液より濃厚な、桂皮酸純分0.5%の希釈液を散布した時のブーゲンビレア上のアブラムシ忌避効果が明らかになった。
【0033】
Figure 0004223717
【0034】
(3)デージーのアブラムシ忌避効果確認試験
20℃の温室内で栽培中のアブラムシの着生したデージーの植物体全体に、上記の桂皮酸純分0.5%及び0.05%の希釈桂皮酸/水酸化カリウム混合水溶液及び桂皮酸飽和水溶液を霧吹きにて散布(0.003ml/葉cm2)し、1時間放置後、このデージーの表面のアブラムシの着生を観察したところ表8に示す結果を得た。この結果から、桂皮酸飽和溶液より濃厚な桂皮酸濃度0.5%の希釈液を散布した時のデージー上のアブラムシ忌避効果が明らかになった。
【0035】
Figure 0004223717
【0036】
【発明の効果】
以上の本発明によれば、セントポーリアなどの植物体のアブラムシ忌避活性を有する桂皮酸を高濃度で含むアブラムシ忌避剤が提供される。この高濃度アブラムシ忌避剤を原液として、使用に際して適宜希釈して植物体に接触する希釈液となすことにより、桂皮酸のリグニン生合成経路代謝中間物質のアブラムシ忌避活性効果はそのまま保持されるので利用効率を改善することができる。又、桂皮酸が、通常の条件下での飽和溶液の濃度以上で実用的なアブラムシ忌避活性を示す場合、溶解助剤を用いて調製した桂皮酸の高濃度アブラムシ忌避は、その桂皮酸のアブラムシ忌避活性を実際に具現化できる有効な手段となる。

Claims (2)

  1. 桂皮酸が、溶解してアルカリ性を呈する溶解助剤の水溶液に0.5〜25重量%の濃度に溶解してなることを特徴とする高濃度アブラムシ忌避剤。
  2. 溶解助剤がトリポリリン酸ナトリウム、水酸化カリウム及び炭酸カリウムから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の高濃度アブラムシ忌避剤。
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