以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について具体的に説明する。本発明の液処理装置は、例えば、各種基板を被処理体とする洗浄処理装置や乾燥処理装置等に適用できる。そこで、本実施形態においては、半導体ウエハ(ウエハ)の搬入、洗浄、乾燥、搬出をバッチ式に一貫して行うように構成された洗浄処理装置に本発明を適用した場合について説明する。
図1は本実施形態に係る洗浄処理装置1の外観を示す斜視図であり、図2は洗浄処理装置1の側面図であって、図2(a)は図1中の矢印Aの方向から見た側面図を示しており、図2(b)は図1中の矢印Bの方向から見た側面図を示している。
図1および図2に示されるように、洗浄処理装置1は、複数枚のウエハWを収納可能なフープ(収納容器)Fを載置するためのフープステージ2a〜2cが設けられたフープ搬入出部2と、ウエハWに対して洗浄処理を実施する洗浄処理ユニット3と、フープ搬入出部2と洗浄処理ユニット3との間に設けられ、ウエハWの搬送を行うウエハ搬送ユニット4と、洗浄処理のための薬液を貯蔵等する薬液貯蔵ユニット5と、から主に構成されている。ここで、洗浄処理ユニット3はウエハ移載室3aとチャンバ室3bおよびユーティリティ室3cから構成されている。
また、洗浄処理装置1に配設された各種の電動駆動機構や電子制御装置のための電源ボックス6と、薬液貯蔵ユニット5に貯蔵された薬液等の温度制御を主に行うための温度制御ボックス7aと、洗浄処理ユニット3におけるウエハWの処理プロセスを制御するプロセス制御ボックス7bとが洗浄処理ユニット3の上部に設けられており、ウエハ搬送ユニット4の上部には、洗浄処理装置1に設けられた各種の表示パネルを制御する表示ボックス9と、ウエハ搬送ユニット4におけるウエハWの処理プロセスを制御する搬送機構制御ボックス10が設けられている。そして、薬液貯蔵ユニット5の上部には各ボックス等からの熱排気を集めて排気する熱排気ボックス8が設けられている。
洗浄処理装置1は、図2に示されるように、ウエハ搬送ユニット4と洗浄処理ユニット3との間でフレームが分割できるようになっている。つまり、フープ搬入出部2とウエハ搬送ユニット4のフレームが一体的に構成され、洗浄処理ユニット3と薬液貯蔵ユニット5のフレームが一体的に構成されて、これらの2体のフレームを連結することで洗浄処理装置1全体のフレームが組み上がる。このように、洗浄処理装置1を複数のフレームから構成することにより、洗浄処理装置1の輸送やクリーンルーム等への搬入および組み立て等が容易に行えるようになっている。また、それぞれ別の組立工程での製造が可能となっており、装置製造期間の短縮が可能となる。さらに、洗浄処理ユニット3と薬液貯蔵ユニット5についてもフレームを分割してもよい。
図3に洗浄処理装置1の概略構造を示す平面図を、図4に洗浄処理装置1の概略構造を示す側面図を、図5に図4の側面図に示された一部の駆動機構を駆動させた状態を示した側面図を示す。ここで、図3〜図5においては、フープ搬入出部2、洗浄処理ユニット3、ウエハ搬送ユニット4、薬液貯蔵ユニット5のみを示し、洗浄処理ユニット3、ウエハ搬送ユニット4、薬液貯蔵ユニット5の上部に配設された電源ボックス6その他各種のボックスについては図示しておらず、図4および図5については、洗浄処理ユニット3においてウエハ移載室3aの概略構造を示している。以下、上記各ユニットについて詳細に説明する。
最初にフープ搬入出部2について説明する。フープステージ2a〜2cに載置されるフープFは、ウエハWを複数枚、例えば25枚を所定間隔で主面が水平になるように収納することが可能となっており、フープFの一側面にはウエハWを搬入出するためのウエハ搬入出口が設けられており、ウエハ搬入出口は蓋体11により開閉されるようになっている。
ウエハ搬送ユニット4とフープ搬入出部2との間の境界壁12には窓部12a〜12cが設けられており、フープFに形成されたウエハ搬入出口の外周部が窓部12a〜12cを閉塞し、また、蓋体11が蓋体開閉機構15a〜15cによって脱着可能な状態となるようにして、フープFはフープステージ2a〜2c上に載置される(図5参照)。
次に、ウエハ搬送ユニット4について説明する。境界壁12の内側(ウエハ搬送ユニット4側)には、窓部12a〜12cのそれぞれの位置に、窓部12a〜12cを開閉するシャッター13a〜13cとシャッター13a〜13cを昇降させる昇降機構14a〜14cとからなる蓋体開閉機構15a〜15cが配設されている。また、ウエハ搬送ユニット4には、ウエハ検査機構110と、ウエハ搬送機構16と、フィルターファンユニット(FFU)24a・24bと、ウエハ搬送ユニット4と洗浄処理ユニット3とを仕切る境界壁25に形成された窓部25aを開閉するためのシャッター26aとシャッター26aの昇降機構26bと、操作パネル4aが設けられている。
蓋体開閉機構15a〜15cは図示しない吸着パッド等の蓋体把持手段を有しており、これによりフープFの蓋体11をシャッター13a〜13cとともに昇降させることができるようになっている。フープFがフープステージ2a〜2cに載置されていないときには、シャッター13a〜13cが窓部12a〜12cを閉塞した状態にあり、外部からウエハ搬送ユニット4へのパーティクル等の侵入が防止されている。一方、ウエハWをフープFから搬出し、またはフープFへ搬入する際には、ウエハ搬送機構16の搬送アーム17a・17bがフープFにアクセスできるように、シャッター13a〜13cおよびフープFの蓋体11が蓋体開閉機構15a〜15cにより降下され、窓部12a〜12cは開口した状態とされる。
ウエハ検査機構110は窓部12a〜12cのそれぞれに対して設けられており、フープF内のウエハWの枚数を計測し、また、ウエハWの収納状態を検査する。このウエハ検査機構110は、例えば、赤外線レーザを用いた発信部と受信部を有する反射式光センサ111を、モータ113を用いてガイド112に沿ってZ方向(鉛直方向)にスキャンさせながら、ウエハWの端面からの反射光を受信し、フープFに収納されたウエハWの枚数や収納状態、例えば、ウエハWが所定のピッチで略平行に1枚ずつ収納されているかどうか、2枚のウエハWが重なって収納されていないかどうか、ウエハWが段差ずれして斜めに収納されていないかどうか、ウエハWがフープF内の所定位置から飛び出していないかどうか等を検査することができるようになっている。
なお、ウエハ搬送機構16にウエハ検査機構110を取り付けて、ウエハ検査機構110をウエハ搬送機構16とともに移動可能な構造とすれば、ウエハ検査機構110は1箇所のみの配設で済ませることが可能である。また、例えば、ウエハWの収納枚数を確認するセンサと、ウエハWの収納状態を検査するセンサを別に設けることもできる。さらに、ウエハ検査機構110を蓋体開閉機構15a〜15cに配設することも可能である。
ウエハ搬送ユニット4に配設されたウエハ搬送機構16は、リニア駆動機構19と、ウエハWを保持する搬送アーム17a・17bと、搬送アーム17a・17bをそれぞれ保持する保持部18a・18bと、搬送アーム17a・17bおよび保持部18a・18bがそれぞれ配設されたスライド機構20a・20bと、スライド機構20a・20bが配置された回転自在なテーブル21と、テーブル21を回転させる回転機構22と、回転機構22から上の部分を昇降させる昇降機構23と、を有している。
リニア駆動機構19は、X方向に延在するガイド19aと、モータ19bとモータ19bによって回転する枢軸19cを有しており、ガイド19aのベース部には排気口19dが形成されている。枢軸19cは昇降機構23と噛み合っており、枢軸の回転によって昇降機構23がX方向に移動できるようになっている。
ウエハ搬送機構16には2系統の搬送アーム17a・17bが設けられており、こうして、例えば、搬送アーム17aを未処理のウエハWを搬送するために用い、搬送アーム17bを洗浄処理済みのウエハWを搬送するために用いることができるようになっている。この場合には、1系統の搬送アームのみが配設されている場合と比較して、未処理のウエハWに付着していたパーティクル等が搬送アームに付着してさらに処理済みのウエハWに付着するといったことが有効に防止される。また、2系統の搬送アームを設けることで、洗浄処理ユニット3との間で処理済みのウエハWを受け取った直後に次の未処理のウエハWを受け渡すことができ、これにより装置の処理可動時間が有効に使えるためスループットを向上させることができる。
1個の搬送アーム17aは1枚のウエハWを搬送し、かつ、フープFに収納されている25枚のウエハWを一度に搬送可能なように、25個の搬送アーム17aが略平行に所定間隔で保持部18aに保持されており、25個の搬送アーム17bもまた略平行に所定間隔で保持部18bに保持されている。フープFまたは後述するロータ34と搬送アーム17a・17bとの間でウエハWの受け渡しを行う際には、搬送アーム17a・17bを所定距離ほど上下させる必要があるが、この搬送アーム17a・17bの昇降動作は昇降機構23より行うことができる。なお、保持部18a・18bに別途搬送アーム17a・17bを上下させる昇降機構を配設してもよい。
スライド機構20a・20bによって搬送アーム17a・17bは保持部18a・18bともに搬送アーム17a・17bの長さ方向にスライド可能となっており(図3、図5参照)、またテーブル21は回転機構22によって図3に示すθ方向における水平面内での回転ができるように構成されており、さらにリニア駆動機構19によって昇降機構23から上の部分をX方向に移動可能であることから、搬送アーム17a・17bは、フープステージ2a〜2cに載置されたいずれのフープFおよび後述するロータ34にもアクセスでき、こうしてフープステージ2a〜2cに載置されたフープFとロータ34との間で、ウエハWを水平状態に保持して搬送することができるようになっている。
なお、スライド機構20aを動作させて、搬送アーム17aおよび保持部18aをロータ34側にスライドさせ、ウエハWをロータ34に受け渡した状態は図5に示されている。また、フープF内のウエハWの高さ位置と、ロータ34においてウエハWが保持される高さ位置を合わせることで、昇降機構23による搬送アーム17a・17bの高さ合わせの工程を省略することが可能である。
上述したウエハ搬送機構16においては、搬送アーム17a・17bがテーブル21の回転中心に対して点対称な位置に配設されているので、スライド機構20a・20bが伸張していない状態でテーブル21を回転させると、搬送アーム17a・17bがウエハWを保持した状態であっても、搬送アーム17a・17bが回転時に通過する軌跡の範囲を狭くすることができる。こうして、洗浄処理装置1ではウエハ搬送ユニット4が省スペース化されている。
図6にウエハ搬送ユニット4の断面図を示す。ウエハ搬送ユニット4の天井部には段差が設けられており、天井の低い部分にはFFU24aが配設され、高い部分にはFFU24bが配設されている。FFU24aの上方には搬送機構制御ボックス10が設けられており、FFU24bの上方には表示ボックス9が配設されている。FFU24a・24bの空気取り込みはそれぞれ洗浄処理装置1の側面または上面から行うことができるようになっている。
ウエハ搬送ユニット4において天井の高い部分を設けることで、作業員等がウエハ搬送ユニット4内に入って、ウエハ搬送ユニット4内の清掃やウエハ搬送機構16等の修理、洗浄処理ユニット3内の設置物の修理、メンテナンス等を行う際の作業性が向上する。また、ウエハ搬送機構16やウエハ検査機構110をはじめとしてウエハ搬送ユニット4内に配設された各種駆動機構を制御する搬送機構制御ボックス10がウエハ搬送ユニット4と一体的に配設されていることから、搬送機構制御ボックス10とウエハ搬送ユニット4内の各駆動機構等との接続、ウエハ搬送ユニット4の組み立てが容易に行えるようになっている。
さらに、前述したように洗浄処理装置1のフレームはウエハ搬送ユニット4と洗浄処理ユニット3との間で分離可能となっており、洗浄処理装置1の輸送の際にはウエハ搬送ユニット4と洗浄処理ユニット3とは別々に輸送される。このとき、一方のフレームに係るユニットの制御装置が別のフレームに係るユニットに配設されていた場合には、両フレームにまたがる配管・配線等が必要となり、設置場所における洗浄処理装置1のインスタレーションに長時間を要する問題が生ずるが、ウエハ搬送ユニット4に配設された各種駆動機構を制御する搬送機構制御ボックス10をウエハ搬送ユニット4に配設した洗浄処理装置1ではこのような問題は発生せず、インスタレーションの時間を短縮することが可能である。なお、後に詳述する洗浄処理ユニット3もまたこのような特徴を有する。
図6には、FFU24a・24bからウエハ搬送ユニット4内に送風される清浄な空気(ダウンフロー)の流れが示されており、このダウンフローによってウエハ搬送機構16によって裸の状態で搬送されるウエハWにパーティクル等が付着することが防止され、また、ウエハ搬送機構16の駆動によって生ずるパーティクル等は、ダウンフローによってウエハ搬送ユニット4の底部に形成された図示しない排気口やリニア駆動機構19のベースに形成された排気口19dから排気される。
なお、FFU24a・24bの下方に図示しないイオナイザを設けて、ウエハWの除電を行うこともできる。また、窓部12a〜12cが開口している状態では、FFU24aからのダウンフローの一部がフープF内にも流れ込み、フープF内にパーティクル等が付着することが防止される。ここで、フープFに通気口が形成されている場合には、フープF内に流れ込んだダウンフローはフープFを通してフープ搬入出部2から排出されることとなる。
ウエハ搬送ユニット4と洗浄処理ユニット3とを仕切る境界壁25には、ウエハWの搬送のための窓部25aが形成されており、この窓部25aは、昇降機構26bにより昇降自在となっているシャッター26aによって開閉される。シャッター26aは洗浄処理装置1においては、ウエハ搬送ユニット4側に設けられているが、洗浄処理ユニット3側に設けることもできる。ウエハ搬送ユニット4と洗浄処理ユニット3との間でのウエハWの搬送はこの窓部25aを介して行われる。なお、シャッター26aにより、ウエハ搬送ユニット4と洗浄処理ユニット3の雰囲気が分離できるようになっていることから、例えば、洗浄処理ユニット3において処理液が飛散し、または処理液の蒸気が拡散等した場合でも、ウエハ搬送ユニット4にまで汚染が拡大することが防止される。
続いて、洗浄処理ユニット3について説明する。図1〜図5に示されるように、洗浄処理ユニット3は、ウエハ移載室3aとチャンバ室3bとユーティリティ室3cから構成されている。ウエハ移載室3aには、FFU24cと、ロータ回転機構27と、ロータ回転機構27の姿勢を制御する姿勢変換機構28と、ロータ回転機構27および姿勢変換機構28を垂直方向に移動させるZ軸リニア駆動機構29と、Z軸リニア駆動機構29を水平方向に移動させるX軸リニア駆動機構30と、姿勢変換機構28およびZ軸リニア駆動機構29から発生するパーティクルがロータ回転機構27側へ飛散してウエハWに付着等することを防止するためのカバー45と、X軸リニア駆動機構30から発生するパーティクルがロータ回転機構27側へ飛散してウエハWに付着等することを防止するためのカバー46と、が設けられている。
また、チャンバ室3bには、固定された外側チャンバ71aと水平方向にスライド自在な内側チャンバ71bとからなる二重構造を有するチャンバ70が配設されている。図7と図8はチャンバ室3bに配設されたチャンバ70にロータ回転機構27の有するロータ34が挿入されている状態を示した断面図であり、図7は内側チャンバ71bを外側チャンバ71aの外側に退避させた退避位置にある状態を、図8は内側チャンバ71bを外側チャンバ71aに収納した処理位置にある状態をそれぞれ示している。
外側チャンバ71aは、筒状体61aと、筒状体61aの一方の端面に配設されたリング部材62bと、リング部材62bの内周面に配設されたシール機構63bと、水平方向に多数の処理液吐出口54が形成され、筒状体61aに取り付けられた処理液吐出ノズル53と、処理液吐出ノズル53を収容するノズルケース57と、外側チャンバ71aの下部に設けられ、処理液を排出し、また排気をも行うことができる排気/排液管65aとを有している。
なお、筒状体61aの他方の端面は垂直壁62aに取り付けられており、垂直壁62aにはロータ34が進入/退出可能なロータ搬入出口62cが形成され、このロータ搬入出口62cは図3に示すように蓋体62dにより開閉可能となっている。垂直壁62aには、ロータ搬入出口62cの外周にあたる部分にシール機構63aが配設されており、また、ウエハ移載室3aとチャンバ室3bとの境界部分において通風口64a(後に示す図10参照)が形成され、ウエハ移載室3aとユーティリティ室3cとの境界部分において通風口64b(後に示す図10参照)が形成されている。
内側チャンバ71bは、筒状体61bと、筒状体61bの端面に配設されたリング部材66a・66bと、リング部材66a・66bの内周面にそれぞれ2箇所ずつ配設されシール機構67a・67bと、水平方向に多数の処理液吐出口56が形成され、筒状体61bに取り付けられた処理液吐出ノズル55と、処理液吐出ノズル55を収納したノズルケース58と、内側チャンバ71bの下部に設けられ、処理液を排出するとともに排気を行うことができる排気/排液管65bと、を有している。なお、チャンバ室3bには、円盤92aと、リング部材92bと、筒状体91が配設されており、円盤92aには洗浄液吐出ノズル73aと排気管73cが設けられ、筒状体91にはガス供給ノズル93と排気管94が設けられている。
ユーティリティ室3cには、外側チャンバ71aや内側チャンバ71bに供給する処理液の昇圧ポンプや外側チャンバ71aや内側チャンバ71bから排出される処理液等を外部へ導く配管等が配設されている。
ロータ回転機構27は、ウエハWを所定間隔で保持可能なロータ34と、ロータ34に保持されたウエハWが面内回転するようにロータ34を回転させるモータ(駆動機構)31と、姿勢変換機構28との連結部32と、ロータ34を後述する外側チャンバ71aに挿入した際に垂直壁62aに形成されたロータ搬入出口62cを閉塞する蓋体33と、連結部32と蓋体33を貫通してロータ34とモータ31を連結している回転軸50と、から構成されている。
図9はロータ34の構造を示す斜視図であり、ロータ34は、所定の間隔をおいて配置された一対の円盤35a・35bと、ウエハWを保持するための溝等が形成された係止部材36aと、係止部材36aと同様に溝等が形成され開閉可能なホルダー36bと、ホルダー36bの開閉の可不可を制御するロックピン36cと、を有する。また、このホルダー36bの開閉を行うホルダー開閉機構80が境界壁25に設けられており(図4および図5参照)、ホルダー開閉機構80は、図4に示す退避位置と図5に示す動作位置との間で移動可能となっており、ロックピン押圧シリンダ81と、ホルダー開閉シリンダ82と、を有している。なお、境界壁25においてホルダー開閉機構80が設けられている部分にはカバー40が設けられており、ウエハ搬送ユニット4と洗浄処理ユニット3を隔離している。
円盤35bの回転軸50への固定は、例えば、ネジ35cを用いて行うことができ、係止部材36aは、円盤35a・35bの外側からネジ止め等することで円盤35a・35b間に固定することができる。ロックピン36cは、例えば、通常の状態では外側に突出した状態にあり、この状態ではホルダー36bの開閉動作を行うことができず、一方、図5に示されるように、ホルダー開閉機構80がロータ34にアクセスして、ロックピン押圧シリンダ81からの押圧力によってロックピン36cがロータ34の内側に向かって押し込まれた状態となっているときには、ホルダー36bがホルダー開閉シリンダ82によって開閉自在な状態となるように設定することができる。
こうして、ホルダー36bが開かれた状態においては、ロータ34と搬送アーム17a・17bとの間でのウエハWの受け渡しが可能であり、一方、ホルダー36bが閉じた状態では、ロータ34内のウエハWはロータ34から外部に飛び出すことがない状態に維持される。
ロータ回転機構27の姿勢を制御する姿勢変換機構28は、回転機構42と回転機構42に取り付けられた回転軸41とを有しており、回転軸41はロータ回転機構27の連結部32に固定されている。回転機構42によってロータ回転機構27全体を、図4または図5に示すようにウエハWが水平状態で保持されるような姿勢(縦姿勢)に保持することができ、また、図7および図8に示すようにウエハWが垂直状態で保持されるような姿勢(横姿勢)に変換して保持することができるようになっている。
Z軸リニア駆動機構29は、モータ43と、モータ43の回転駆動力と変位を姿勢変換機構28に伝える動力伝達部44と、ガイド47と、ガイド47を支持する支持体48と、を有している。姿勢変換機構28はガイド47に沿って移動できるようにガイド47と嵌合しており、モータ43を回転させるとこの回転駆動力と変位が動力伝達部44を介して姿勢変換機構28に伝えられ、姿勢変換機構28がロータ回転機構27とともにガイド47に沿ってZ方向(垂直方向)に所定距離移動することができるようになっている。
なお、Z軸リニア駆動機構29としてモータ43の回転変位を直線変位に変換する機構を用いたが、このような機構に限定されるものではなく、例えば、モータ43の代わりに、エアーシリンダ等の直接に直線変位を生ずる駆動機構を用いても構わない。
X軸リニア駆動機構30は、ガイド49と、図示しないモータと、モータに連結されたボールネジ39aと、ボールネジ39aに噛み合わされた噛み合わせ部材39bと、ガイド49に嵌合して噛み合わせ部材39bと支持体48とを連結する連結部材38と、を有している。モータを回転させることによってボールネジ39aが動作し、ボールネジ39aの動作に従って噛み合わせ部材39bはX方向に移動する。このとき、連結部材38が噛み合わせ部材39bと支持体48を連結していることから、連結部材38と支持体48もまた噛み合わせ部材39bとともにX方向に移動する。つまり、噛み合わせ部材39bがX方向に移動する際には、ロータ回転機構27と姿勢変換機構28とZ軸リニア駆動機構29が同時にX方向に移動するようになっている。
図10は洗浄処理ユニット3の断面図であり、図10に姿勢変換機構28とZ軸リニア駆動機構29とX軸リニア駆動機構30を用いてロータ回転機構27を移動させるときの形態の一例を示した。例えば、ロータ34にウエハWを移し替えた後にロータ34を外側チャンバ71aに進入させる場合には、まず、ウエハWを搬送アーム17aからロータ34に移し替える必要があるが、このときロータ回転機構27は連結部32が位置P1に位置して縦姿勢の状態にあるものとする。
ウエハWがロータ34に収納されたらZ軸リニア駆動機構29を動作させて、ロータ回転機構27および姿勢変換機構28を連結部32が位置P2に移動するように上昇させる。そして位置P2においては、姿勢変換機構28を動作させて、ウエハWが水平保持から垂直保持の状態になるように、ロータ回転機構27全体を90°回転させ、ロータ回転機構27全体を横姿勢の状態とする。続いて、ロータ回転機構27を横姿勢の状態としたまま、連結部32が位置P3に移動するように再びZ軸リニア駆動機構29を動作させて、ロータ回転機構27を上昇させる。
このように、ロータ回転機構27を上昇させるときの中間地点でロータ回転機構27の姿勢変換を行うことにより、連結部32が位置P1や位置P3にあるときにロータ回転機構27を回転させる場合と比較して、洗浄処理ユニット3の高さを低く抑えることができ、また、ロータ回転機構27の回転と移動に必要な空間を狭く抑えて、ウエハ移載室3aの占有容積を小さくすることが可能となる。また、図10に示されるように、ウエハ移載室3aの下部にスペース3dを確保することが可能となり、例えば、スペース3dにウエハ載置室3aに配設されたロータ回転機構27を動作を制御する制御ボックスを設けることが可能となる。この場合には、制御ボックスとロータ回転機構27との接続、組み立てが容易となる。
連結部32が位置P3に到達したら、次に、X軸リニア駆動機構30を動作させて、連結部32の位置を位置P4まで水平移動させることにより、ロータ34を外側チャンバ71aに挿入することができる。なお、ウエハWの洗浄処理が終了した後は、ロータ回転機構27を前述した移動経路を逆走するように移動させることにより、洗浄処理が終了したウエハWを搬送アーム17bに移し替えることが可能となる。
さて、ウエハ移載室3aの天井部分に設けられたFFU24cからは、ウエハ移載室3aに清浄な空気(ダウンフロー)が送られ、これにより裸の状態で取り扱われるウエハWへのパーティクル等の付着が防止される。FFU24cからのダウンフローの流れは図10に併記されおり、図10に示されるように、ダウンフローの一部はウエハ移載室3aの底板に設けられた図示しない排気口から排気される。
また、洗浄処理ユニット3においては、FFU24cからのダウンフローの一部は垂直壁62aに形成された通気口64aを抜けてチャンバ室3bへ流入し、チャンバ室3bを構成する別の側壁パネル68に形成された排気口68aを通して排気管74から排気されるようになっている。さらに、FFU24cからのダウンフローの一部は垂直壁62aに形成された通気口64bを抜けてユーティリティ室3cへ流入し、ユーティリティ室3cを構成する別の側壁パネル68に形成された排気口68bを通して排気管74から排気されるようになっている。
なお、通気口64aは、例えば、チャンバ室3bにおける垂直壁62aの4隅に形成することができ、同様に通気口64bもユーティリティ室3cにおける垂直壁62aの4隅に形成することができる。また、例えば、排気口68aはチャンバ室3bにおける側壁パネル68の下部に、排気口68bはユーティリティ室3cにおける側壁パネル68の下部にそれぞれ形成することができる。
チャンバ室3bにおいてはウエハWは少なくとも外側チャンバ71a内にあり、またユーティリティ室3cではウエハWは取り扱われないために、チャンバ室3bとユーティリティ室3cはウエハ移載室3aほどの清浄度を要求されないことから、FFU24cのダウンフローの一部を取り込む構成とすることで新たにFFUを設ける必要がなくなり、こうして洗浄処理ユニット3を省スペース化して装置コストを低減することが可能となる。
続いて、チャンバ室3bの内部の構造について説明する。垂直壁62aに形成されたロータ搬入出口62cは、ロータ34が外側チャンバ71aに進入した状態では、図7および図8に示されるように、ロータ回転機構27に設けられた蓋体33により閉塞され、蓋体33の外周面とロータ搬入出口62cとの間がシール機構63aによりシールされる。こうして外側チャンバ71aから処理液がウエハ移載室3aに飛散することが防止される。なお、シール機構63aとしては、例えば、ゴム製シールリングや所定圧力の空気等を供給することによって膨張することでシール機能が生ずるゴム製チューブからなるもの等を用いることができ、このようなシール機構はシール機構63b・67a・67bについても同様に用いられる。
外側チャンバ71aを構成する筒状体61aは、リング部材62b側の外径が垂直壁62a側の外径よりも大きく設定されており、筒状体61aは垂直壁62a側の下端よりもリング部材62b側の下端が低く位置するように勾配を設けて配設されている。こうして、処理液吐出ノズル53からウエハWに向けて吐出された各種の処理液は、自然に筒状体61aの底面を垂直壁62a側からリング部材62b側に流れて、排気/排液管65aを通して外部に排出されるようになっている。
また、垂直壁62aのウエハ移載室3a側のロータ搬入出口62c下部には、ロータ34を外側チャンバ71aから退出させるようにロータ回転機構27を移動させた際に、蓋体33やシール機構63a等に付着していた洗浄液等がロータ搬入出口62cから液漏れすることを防止するために、液受け62eが設けられており、これによりウエハ移載室3aを清浄に保つことができるようになっている。
なお、処理液吐出ノズル53には、薬液貯蔵ユニット5等の処理液供給源から純水やIPA、各種薬液といった処理液や窒素(N2)ガス等の乾燥ガスが供給されて、処理液吐出口54からロータ34に保持されたウエハWに向かって、これら処理液等を吐出することができるようになっている。また、処理液吐出ノズル53は、図7と図8では1本のみ示されているが、複数個配設することも可能であり、必ずしも筒状体61aの真上に設けなければならないものでもない。このことは、処理液吐出ノズル55についても同様である。
内側チャンバを構成する筒状体61bは円筒状に形成されているが、その下部には処理液を外部に排出することを容易ならしめるために、筒状体61bから突出し、所定の勾配を有する溝部69が形成されている。こうして、例えば、内側チャンバ71bが処理位置にあるときに、処理液吐出ノズル55からウエハWに向かって吐出された処理液は、溝部69を流れて排気/排液管65bを通して外部に排出される。なお、処理液吐出ノズル55には、薬液貯蔵ユニット5等の処理液供給源から各種薬液や純水、IPAといった処理液が供給されて、処理液吐出口56からロータ34に保持されたウエハWに向かって、これら処理液等を吐出することができるようになっている。
内側チャンバ71bが処理位置にある場合には、図8に示されるように、リング部材66aの内周面と蓋体33との間はシール機構67aによってシールされ、また、リング部材66bとリング部材62bとの間がシール機構63bによってシールされ、かつ、リング部材66bと円盤92aとの間がシール機構67bによってシールされる。こうして、内側チャンバ71bが処理位置にある場合には、筒状体61b、リング部材66a・66b、円盤92a、蓋体33によって処理室52が形成される。例えば、この処理室52において、ウエハWに所定の薬液を供給する薬液処理を行うことができる。
一方、内側チャンバ71bが退避位置にある状態では、リング部材66aとリング部材62bとの間がシール機構63bによってシールされ、かつ、リング部材66aと円盤92aとの間がシール機構67aによってシールされるようになっている。また、ロータ搬入出口62cは蓋体33とシール機構63aによって閉塞されていることから、内側チャンバ71bが退避位置にあるときには、図7に示されるように、筒状体61a、垂直壁62a、リング部材62b、円盤92a、リング部材66a、蓋体33から、外側チャンバ71aによる処理室51が形成される。例えば、処理室52での薬液処理が終了した後に、処理室51において、ウエハWの水洗処理、乾燥処理をおこなうことができる。
なお、円盤92aに設けられた洗浄液吐出ノズル73aからは、円盤35aを洗浄、乾燥するための洗浄液や乾燥ガスが吐出可能となっており、また、蓋体33に設けられた洗浄液吐出ノズル73bからは円盤35bを洗浄、乾燥するための洗浄液や乾燥ガスが吐出可能となっている。さらに、洗浄液吐出ノズル73a・73bからは、処理室51・52を所定のガス雰囲気とするために、例えば、酸素(O2)ガスや二酸化炭素(CO2)ガス等を吐出することも可能であり、円盤92aに設けられた排気管73cからは処理室51・52の排気を行うことができるようになっている。
ところで、内側チャンバ71bが退避位置にある状態では、リング部材66aと円盤92aとの間がシールされ、かつ、リング部材66bとリング部材92bとの間がシール機構67bによってシールされることで、筒状体91の外周と筒状体61bの内周との間に狭い環状空間72が形成されるようになっている。こうして環状空間72に処理液吐出ノズル55から洗浄液を吐出し、その後に筒状体91において複数箇所に設けられたガス供給ノズル93と処理液吐出ノズル55から窒素ガス等の乾燥ガスを噴射し、排気管94と排気/排液管65bから排気を行うことで、内側チャンバ71bの内周面の洗浄を行うことができるようになっている。このとき、環状空間72という狭い空間を利用することで使用する洗浄液の量が低減される。なお、ガス供給ノズル93から洗浄液を吐出するように構成してもよい。
さて、洗浄処理ユニット3の上部に配設されたプロセス制御ボックス7bは、例えば、前述したウエハ載置室3aのスペース3dの配設されたロータ回転機構27の動作制御を行う制御ボックスとの間で制御信号の送受信を行いつつ、チャンバ室3bとユーティリティ室3cに配設された各種の駆動機構の動作を制御して、洗浄処理ユニット3内での一連のウエハWに対する処理動作を制御することができるようになっている。このように、洗浄処理ユニット3における各種駆動機構の動作制御を行う制御ボックスを洗浄処理ユニット3に配設することで、洗浄処理ユニット3の組み立てやメンテナンス、ひいては洗浄処理装置1全体の組み立てやメンテナンス等を容易に行うことができるようになっている。
また、前述したように、洗浄処理ユニット4と薬液貯蔵ユニット5は同じフレームで構成されていることから、薬液貯蔵ユニット5に貯蔵された薬液等の温度制御を主に行う温度制御ボックス7aを洗浄処理ユニット3に配設しても、輸送や組み立て上の不都合は生じず、温度制御ボックス7aを薬液貯蔵ユニット5に設けた場合と同様の効果、すなわち、薬液貯蔵ユニット5の組み立てやメンテナンス、ひいては洗浄処理装置1全体の組み立てやメンテナンス等を容易に行うことができるようになっている。
さらに、洗浄処理ユニット3には電源ユニット6が配設されているが、洗浄処理ユニット3に配設された温度制御ボックス7aおよびプロセス制御ボックス7bと電源ユニット6とは常に接続した状態とすることができることはいうまでもない。また、洗浄処理ユニット3とは別フレームで構成されるウエハ搬送ユニット4においては、ウエハ搬送ユニット4に配設された各種駆動機構を制御装置は搬送機構制御ボックス10にまとめられていることから、洗浄処理装置1の組み立て等にあっては、操作パネル4aおよび搬送機構制御ボックス10と電源ユニット6とを接続するだけの作業で足り、組み立て時間等を短縮することが可能となる。
薬液貯蔵ユニット5の内部には、種々の薬液を貯留するタンクや貯留された薬液を送液する送液制御機構、火災検知センサ、消火ノズル等が配設されており、壁面パネルには、内部の状態を示すモニターや内部に異常が発生したときの警告灯、チャンバ室3bまたは薬液貯蔵ユニット5の内部において火災が発生した際に消火装置を作動させる消火ボタン等が配設されている。また、薬液貯蔵ユニット5の上部には、熱排気ボックス8が設けられており、洗浄処理装置1の上部に配置された各ボックス等からの排気を集めて、一括して外部へ排気できるようになっている。
図11はこの熱排気経路を示した説明図である。図11中のルート1(R1)は搬送機構制御ボックス10からの排気ルートを示しており、ルート4(R4)はプロセス制御ボックス7bからその上部に配設された温度制御ボックス7aへの排気ルートを示している。そして、ルート2(R2)は温度制御ボックス7aからの排気ルートを示しており、ルート2(R2)はルート1(R1)に合流して熱排気ボックス8に至る構造となっている。また、ルート3(R3)は表示ボックス9からの排気ルートを、ルート5は薬液貯蔵ユニット5からの排気ルートを、ルート(R6)は電源ボックス6からの排気ルートをそれぞれ示しており、これら、ルート4(R4)〜ルート6(R6)は、直接に熱排気ボックス8に至る構造となっている。こうして、熱排気ボックス8からは1本の排気ルートにより排気が可能となっている。
このように、洗浄処理装置1の上部に制御装置等をボックス化して集中して配設することで、洗浄処理装置1の排気システムを簡易な構造とすることができ、これにより、前述したように洗浄処理装置1を構成するフレームがウエハ搬送ユニット4と洗浄処理ユニット3との間で異なる構造であっても、洗浄処理装置1の組み立てやメンテナンスの際の配管の接続、分解等が容易に行うことができる。
次に、フープステージ2aに載置されたフープFをフープF1とし、フープステージ2bに載置されたフープFをフープF2として、これら2個のフープF1・F2に収納されたウエハWの洗浄処理を行う場合を例に、その洗浄処理工程について説明する。まず、25枚のウエハWが所定の間隔で平行に収納されたフープF1・F2を、フープF1・F2においてウエハWの出し入れを行うウエハ搬入出口が窓部12a・12bと対面するように、それぞれフープステージ2a・2bに載置する。
最初にフープF1に収納されたウエハWを搬送するために、窓部12aを開口させてフープF1の内部とウエハ搬送ユニット4の内部が連通した状態とする。その後に、フープF1内のウエハWの枚数および収納状態の検査をウエハ検査機構110を用いて行う。ここで、ウエハWの収納状態に異常が検出された場合にはフープF1のウエハWについては処理を中断し、例えば、フープF2に収納されたウエハWの処理に移行する。
フープF1内のウエハWの収納状態に異常が検出されなかった場合において、例えば、搬送アーム17aを未処理のウエハWを搬送するために用いるものとしてフープステージ2aに載置されたフープF1から洗浄処理ユニット3に配設されたロータ34へ搬送するときには、最初に搬送アーム17aがフープステージ2aに載置されたフープF1にアクセスできる位置へ搬送アーム17aを移動させ、次いで、昇降機構23により搬送アーム17aの高さを調節し、スライド機構20aを動作させて搬送アーム17aおよび保持部18aをフープステージ2a側にスライドさせて搬送アーム17aにウエハWを保持させ、搬送アーム17aおよび保持部18aを元の位置に戻す。これにより、フープF1からウエハWが搬出された状態となる。
次に、テーブル21を回転機構22を動作させて180°回転させつつ、搬送アーム17aがロータ34にアクセスできる位置までウエハ搬送機構16を移動させて窓部25aを開口し、昇降機構23により高さの調節を行った後に搬送アーム17aおよび保持部18aをロータ34側にスライドさせてウエハWをホルダー36bが開いた状態に保持されたロータ34に移し替える。ホルダー36bを閉じた後に搬送アーム17aおよび保持部18aを元の位置に戻せば、ウエハWのロータ34への搬送が終了する。このようなウエハ搬送ユニット4おけるウエハWの搬送時には、FFU24a・24bからウエハWにダウンフローが供給されることから、ウエハWへのパーティクル等の付着が抑制される。
ウエハWがロータ34に保持されたら、ロータ34が外側チャンバ71a内に挿入され、かつ、ロータ搬入出口62cに蓋体33が位置するように、姿勢変換機構28、Z軸リニア移動機構29、X軸リニア駆動機構30を駆動してロータ回転機構27を移動させる。このとき、ウエハWへのパーティクル等の付着はFFU24cからのダウンフローによって抑制される。
ロータ回転機構27を所定位置で保持し、シール機構63aを動作させて蓋体33の側面とロータ搬入出口62cとの間隙部をシールし、続いて内側チャンバ71bを処理位置に移動させて、蓋体33の側面とリング部材66aの内周面と蓋体33との間隙部をシール機構67aを動作させてシールする。また、シール機構63b・67bを動作させて、リング部材62bとリング部材66bと円盤92aのそれぞれの間隙部をシールして、処理室52を形成する。なお、予め内側チャンバ71bを処理位置に移動させておき、その後にロータ34を内側チャンバ71b内に挿入してもよい。
処理室52が形成されたら、モータ31を駆動してロータ34を回転させつつ、処理液吐出ノズル55から所定の薬液をウエハWに供給し、薬液処理を行う。薬液処理の終了後は、シール機構63b・67a・67bについて動作を解除して内側チャンバ71bを退避位置に移動させる。このとき、わずかな時間ではあるが処理室52の雰囲気がチャンバ室3bに漏れることも考えられるが、チャンバ室3bにはFFU24cからのダウンフローが流入していることから、このような処理室52から漏れた薬液雰囲気はダウンフローとともに排気管74から排気され、チャンバ室3b内は清浄な状態に保持される。
内側チャンバ71bを退避位置にスライドさせた後には、シール機構63b・67aを動作させて、リング部材62bとリング部材66aと円盤92aのそれぞれの間隙部をシールし、また、シール機構67bを動作させてリング部材66bとリング部材92bと間隙部をシールする。こうして外側チャンバ71aによって形成される処理室51においては、ウエハWを回転させながら、処理液吐出ノズル53および洗浄液吐出ノズル73a・73bから純水を吐出して水洗処理を行い、次いで、例えば、窒素ガスによる乾燥処理を行う。一方、環状空間72においては、処理液吐出ノズル55から洗浄液をして内側チャンバ71bを洗浄し、その後に、ガス供給ノズル93と処理液吐出ノズル55から乾燥ガスを吐出しながら、排気管94から排気を行うことで、内側チャンバ71bを乾燥する。こうして、内側チャンバ71bを次のロットのウエハWの薬液処理に使用することが可能となる。
このように洗浄処理ユニット3においてウエハWの処理が行われている間に、ウエハ搬送ユニット4においては、ウエハWを保持していない状態となった搬送アーム17aをフープステージ2bに載置されたフープF2にアクセスさせて、フープF1からウエハWを搬出した方法と同様の方法を用いて搬送アーム17aにフープF2に収納されているウエハWを移し替え、さらに、ウエハWを保持していない搬送アーム17bがロータ34にアクセスできる状態となるように、ウエハ搬送機構16を動作させる。
洗浄処理ユニット3において洗浄処理が終了した後には、シール機構63aの動作を解除し、ロータ回転機構27を、X軸リニア駆動機構30等を駆動させて、ウエハWを搬送アーム17a・17bとロータ34との間で受け渡し可能な位置へ戻す。ホルダー開閉機構80を処理位置に移動させ、また窓部25aを開口して、搬送アーム17bをロータ34にアクセスさせてホルダー36bを開き、ロータ34に保持されたウエハWを搬送アーム17bに移し替え、続いて搬送アーム17aがロータ34にアクセスできるように回転機構22を動作させてテーブル21を180°回転させ、搬送アーム17aに保持された未処理のウエハWをロータ34へ移し替える。
ロータ34に保持されたフープF2の未処理のウエハWについては、前述したフープF1に収納されていたウエハWの洗浄処理と同様の工程により洗浄処理を施し、その後にロータ34をウエハWを搬送アーム17a・17bとの間で受け渡し可能な位置まで移動させる。その間に、搬送アーム17bをフープF1にアクセスさせて洗浄処理を終了したウエハWをフープF1に移し替え、その後にウエハ搬送機構16を搬送アーム17bがロータ34にアクセスできる状態としておく。
搬送アーム17bは洗浄処理が終了したフープF2のウエハWをロータ34から受け取り、このウエハWをフープF2に収納すれば、フープF1・F2に収納されたウエハWについての洗浄処理が終了する。なお、例えば、フープステージ2cにウエハWが収納されたフープF3が配置され、フープF2のウエハWの洗浄処理後に引き続いてフープF3のウエハWについて洗浄処理を行う場合には、フープF2のウエハWをロータ34に移し替え、また、洗浄処理が終了したフープF1のウエハWをフープF1に収納した後に、搬送アーム17aを用いてフープF3に収容されたウエハWを取り出し、さらに、洗浄処理が終了したフープF2のウエハWをロータ34から搬出した後に、搬送アーム17aに保持されたフープF3のウエハWをロータ34に移し替えることで、連続して所定の洗浄処理を行うことができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明が上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、洗浄処理ユニット3においては、チャンバ室3bとユーティリティ室3cを別室として設けることなく1室として設けてもよい。また、ロータ34がウエハWを保持することができる範囲であれば処理枚数には制限はない。さらに、チャンバ70として二重構造を有する場合を例に説明したが、チャンバは1個でもよく、三重構造であってもよい。
なお、本発明の液処理装置は、例えば、所定の塗布液を塗布する塗布処理やエッチング処理等に適用することが可能である。また、液処理装置を構成するフレームの数は2個に限られず、3個以上から構成されていてもよい。さらに、基板としては半導体ウエハを例に挙げたが、これに限らず、液晶表示装置(LCD)用基板等、他の基板の処理にも適用することができる。