JP4223261B2 - 圧力分布パターンによる駆動制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、人間の感覚に合致した運転操作で容易且つ安定した走行を可能とする圧力分布パターンによる駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両等の人間を乗せて運ぶ手段としての走行装置を有人で運転する場合には、ハンドル、アクセル、ブレーキ等をそれぞれ操作しなければならず、操作に習熟が必要であるばかりでなく、運転状態に左右される場合がある。
【0003】
このため、従来から運転操作を支援するための各種技術が提案されており、例えば、特開平11−326084号公報には、車両のシート座面及びシート背面にマトリクス状に圧力センサを配置するとともに車体振動成分を検出するための加速度センサを車体内に配置し、圧力センサの出力信号から車体振動成分をキャンセルしたシート座面及びシート背面の体圧分布を求め、この体圧分布の時間変化を検出してドライバの覚醒度や疲労度を求め、必要に応じて警報を発する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−326084号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術では、運転操作の負担を軽減するに止まり、運転操作そのものは同じであるため、必ずしも人間の感覚に一致しない操作を強いられることにかわりはない。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、人間の感覚に合致した容易な運転操作で、且つ運転状態に左右されない安定した走行を可能とする圧力分布パターンによる駆動制御装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、運転者が走行装置に対する運転操作として所定の部位に作用させる力の圧力分布パターンを検出する手段と、上記圧力分布パターンから運転者の運転操作意図に対応する基準制御モードと該基準制御モードでの制御量とを決定する手段と、上記基準制御モードでの制御量を、上記走行装置に作用する前後加速度を変数とする補正係数で補正し、補正した制御量で上記走行装置を駆動して急減速時或いは急加速時ほど上記走行装置の加速と減速を緩和させる手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明は、運転者が走行装置に対する運転操作として所定の部位に作用させる力の圧力分布パターンを検出する手段と、上記圧力分布パターンから運転者の運転操作意図に対応する基準制御モードと該基準制御モードでの制御量とを決定する手段と、上記基準制御モードでの制御量を、上記走行装置に作用する横加速度を変数とする補正係数で補正し、補正した制御量で上記走行装置を駆動して上記走行装置の一方側への旋回時に急旋回時ほど他方側への旋回を緩和させる手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
すなわち、本発明は、運転者が運転操作として所定の部位に作用させる力の圧力分布パターンを検出し、検出した圧力分布パターンから運転者の運転操作意図に対応する基準制御モードと該基準制御モードでの制御量とを決定する。そして、基準制御モードにおける制御量を走行装置に作用する前後加速度を変数とする補正係数で補正し、補正した制御量で走行装置を駆動して急減速時或いは急加速時ほど走行装置の加速と減速を緩和させる、或いは、基準制御モードでの制御量を走行装置に作用する横加速度を変数とする補正係数で補正し、補正した制御量で走行装置を駆動して走行装置の一方側への旋回時に急旋回時ほど他方側への旋回を緩和させることで、人間の感覚に合致した容易な操作とし、且つ運転状態に左右されない安定した走行を可能とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1〜図5は本発明の実施の第1形態に係わり、図1は駆動制御システムの構成図、図2は圧力値の分布と圧力分布パターンを示す説明図、図3は足圧力分布パターンと制御モードとの関連を示す説明図、図4は駆動制御のフローチャート、図5は基準制御モードに対する補正を示す説明図である。
【0010】
本発明は、電動モータやエンジン等によって駆動される走行装置において、運転者が所定の部位に作用させる力の圧力分布から操作意図を認識し、前進、後退、旋回、停止等の駆動制御を行うものであり、本形態においては、電動モータを走行駆動源とする例について説明する。
【0011】
図1において、符号1は、走行駆動源としての電動モータを含む駆動装置であり、コントローラ2によって制御される。尚、駆動装置1は、例えば、2つの車輪が進行方向に左右並行に配置され、左右2つの車輪の上部に設けた運転台に立ち姿勢で搭乗し、固定ハンドルを把持しながら走行する2輪車(並行2輪電動車)に適用する場合、左右の車輪に、それぞれ独立して設けられる。
【0012】
コントローラ2には、運転者が作用させる力の圧力分布を測定するための圧力分布センサ3、車体の傾斜を検出するための傾斜センサ4、始動直後の経過時間を計時するためのタイマ5、車体の加減速状態を検出するための加速度センサ(Gセンサ)6等からの信号が入力され、これらの信号に基づいて、運転者の手や足の押付け方、体重移動等を認識し、前進、後退、旋回、停止等の駆動制御を行う。尚、タイマ5は、コントローラ2に内蔵されるタイマでも良い。
【0013】
以下においては、運転者の足の踏み付け力の圧力分布を足形を含んで認識し、この認識結果に基づいて駆動制御を行う例について説明するが、足の踏付け力の代わりに、ハンドルを握る手の握力、シートへの座り方等の体を壁に押付ける力等で置き換えることも可能である。
【0014】
足の踏付け力の圧力分布測定には、シート面圧力分布測定等に使用されるシート状の圧力センサ(センサシート)を圧力分布センサ3として用い、例えば、運転台に配設されたセンサシート(圧力分布センサ)3上に運転者が足を乗せると、この足の押付け力がセンシングされ、足の押付け力の圧力分布パターン(足圧力分布パターン)が得られる。
【0015】
この足圧力分布パターンは、例えば、図2(a)に示すように、低から高の圧力値を複数の段階に区分した場合、図2(b)に示すように、各圧力値の区分に対応した階調での濃度分布パターンの画像データとして得ることができる。尚、図2(b)に示す圧力分布パターンは、乗車した直後の初期パターンを示し、この初期パターンを基準として走行時の足圧分布をパターンを判断する。
【0016】
測定した足圧力分布パターンはコントローラ2に送られ、コントローラ2で、足圧力分布パターンの認識処理が実行される。コントローラ2には、足圧力分布パターンと左右の駆動装置3,3の制御モードとの関係を事前に学習してあるニューラルネットワークが組み込まれており、このニューラルネットワークを用いてセンシングした足圧力分布パターンから運転者の操作意図を認識する。事前に構築された足圧力分布パターンと制御モードとの相関関係は、予め複数用意されており、適宜選択可能とされている。
【0017】
図3は、左右の足圧力分布パターンと駆動制御との関連付けを示す例であり、この例では、ニューラルネットワークによる足圧力分布パターンの認識結果により、以下の(1)〜(7)に示す制御モードが決定される。
【0018】
(1)前進モード
両足のつま先側に力を入れることで、図3(a)に示すように両足のつま先側に体重が掛かった足圧力分布パターンとなり、このパターンを認識すると、電動モータを前進方向に制御する。この場合、つま先側の圧力分布の大きさで、電動モータの回転速度を変化させ、前進走行時の走行速度を変化させる(加速或いは減速モード)。
【0019】
(2)後退モード
両足のかかと側に力を入れることで、図3(b)に示すように両足のかかと側に体重が掛かった足圧力分布パターンとなり、このパターンを認識すると、電動モータを後退方向に制御する。この場合、かかと側の圧力分布の大きさで、電動モータの回転速度を変化させ、後退速度を変化させる。尚、この圧力分布パターンは、減速モード或いは停止モードとしても良く、かかと側の圧力分布の強弱により、減速度(ブレーキ力)を変化させる。
【0020】
(3)停止モード
図3(c)に破線で示すように、両足の足圧力分布パターンが検出されない状態、すなわち、両足をセンサシート3から降ろした状態では、電動モータを停止させる。
【0021】
(4)ニュートラルモード
初期パターンと同じ姿勢を取ることで、図3(d)に示すような足圧力分布パターンとなり、この分布パターンを認識すると、電動モータをニュートラル状態とする。
【0022】
(5)右折(左折)モード
右折モードは、右つま先側に力を入れることで、図3(e)に示すような圧力分布パターンに対応するモードであり、右車輪をニュートラル状態として左車輪を前進方向に回転するように電動モータを制御する。一方、左折モードは、右折モードと逆のパターン、すなわち左つま先側に力を入れた圧力分布パターンに対応し、左車輪をニュートラル状態として右車輪を前進方向に回転するように電動モータを制御する。この場合、右(左)つま先側の圧力分布の大きさで、左(右)車輪側の電動モータの回転速度を変化させ、速度を変化させる。
【0023】
(6)右旋回(左旋回)モード
右旋回モードは、図3(f)に示すように、右折モードの足圧力分布パターンに対し、左足をセンサシート3から離した状態のパターンに対応するモードであり、右車輪を停止させた状態で左車輪を前進方向に回転させる。一方、左旋回モードは、左折モードの足圧力分布パターンに対し、右足をセンサシート3から離した状態のパターンに対応し、左車輪を停止させた状態で右車輪を前進方向に回転させる。この右旋回或いは左旋回モードでは、右折或いは左折モードよりも急激に曲がる。
【0024】
(7)右回転(左回転)モード
右回転モードは、図3(g)に示すように、右つま先側と左かかと側とに力を入れた足圧力分布パターンに対応するモードであり、右車輪は後退方向、左車輪は前進方向に回転するように電動モータを制御し、この結果、両車輪の中心に対して右回転する。一方、左回転モードは、右回転モードと逆のパターン、すなわち左つま先側と右かかと側とに力を入れた足圧力分布パターンに対応し、右車輪は前進方向、左車輪は後退方向に回転するように電動モータを制御し、その結果、両車輪の中心に対して左回転する。この場合においても、当然、足圧力の強弱によって回転速度が変化する。
【0025】
尚、簡易的には、運転台に複数個のスイッチを配設して圧力分布センサ3として用い、複数個のスイッチのON,OFFパターンを圧力分布パターンとして運転者の操作意図を認識し、予め関連付けられた制御モードを実行するようにしても良い。
【0026】
以下、コントローラ2による電動モータの駆動制御について、図4に示すフローチャートを用いて説明する。
【0027】
この駆動制御のプログラムがスタートすると、先ず、ステップS1において、走行装置を使用可能とするメインのスイッチがONされているか否かを調べる。そして、スイッチがOFFの場合、ステップS1で処理を終了して停止状態とし、スイッチがONされている場合、ステップS2へ進んで、圧力分布センサ3からの信号を取込んで足圧力分布パターンをセンシングする。
【0028】
次いで、ステップS3へ進み、始動後(スイッチON後)の経過時間Timeが設定時間T0に達しているか否かを調べる。この設定時間T0は、足圧力分布の基準パターンを求めるための準備時間であり、Time<T0のとき、ステップS3からステップS4へ進んで時間経過毎に得られる足圧力分布パターンを時間平均し、ステップS1へ戻る。
【0029】
そして、スイッチON後、Time≧T0となり、設定時間T0までの足圧力分布パターンの平均化を完了すると、ステップS3からステップS5へ進み、時間平均した足圧力分布パターンを、乗車した直後のニュートラル状態(無操作状態)を定める基準パターンとし、体重(=足圧力分布の積分値)の相違による誤認識を防止するため、基準パターンの積分値で圧力値を標準化(例えば、0〜256に数値化)する。この基準パターンは、当初、図2(b)に示すような左右両足の足形を含む初期圧力状態のパターン(初期パターン)であるが、走行時に適宜変更可能である。
【0030】
ステップS5に続くステップS6では、標準化された足圧力分布パターンをニューラルネットワークでパターン認識する。すなわち、ニューラルネットワークの学習データから現在の足圧力分布パターンに最も近い足形を探し出し、現時刻の基準制御モードを決定する。すなわち、前述の図3で説明したように、ニューラルネットワークに事前に構築された足圧力分布パターンと制御モードとの相関関係から決定される制御モード、例えば、現在の足圧力分布パターンが図3(c)に示すパターンであると認識されたときには、前進走行モードを基準制御モードとして決定する。
【0031】
その後、ステップS7へ進み、始動後の経過時間Timeが設定時間T2を越えたか否かを調べる。そして、Time<T2の場合には、ステップS7からステップS8へ進み、基準制御モードを補正するための補正係数αを1.0以下の値として求める。このときの補正係数αは、始動後の経過時間Timeを変数とする関数f(T2)により求め、始動後の時間経過と共に徐々に1.0に近づける。一方、ステップS7において、Time≧T2になった場合には、ステップS9へ進み、補正係数αをα=1.0とする。
【0032】
そして、ステップS8或いはステップS9で補正係数αを求めた後、ステップS10へ進んで基準制御モードでのモータ制御量を補正係数αで補正し、ステップS11で駆動装置1を制御してステップS1へ戻る。
【0033】
すなわち、図5に示すように、始動後時間が設定時間T2を経過するまでは、足圧力分布パターンの認識結果に基づいて決定した基準制御モードを実行するのではなく、基準制御モードでのモータ回転数N0を補正係数α(<1.0)で減少補正したモータ回転数Ns(=α×N0)で制御を行う緩和モードとし、始動後の経過時間に応じて徐々に補正係数αを1.0に近づけてゆくことで、徐々にモータ回転数を上げていく。そして、設定時間T2を越えたとき、α=1.0として基準制御モードに移行する。これにより、乗車して間もない不慣れな状態での急発進を防止することができ、安全性を向上することができる。
【0034】
尚、勾配の強い登り坂での発進等においては、始動後時間が設定時間T2を経過するまでは、α≧1.0として、図5に示すように、基準制御モードでのモータ回転数を増加補正する増加モードとすることも可能であり、円滑な発進を可能とすることができる。
【0035】
次に、本発明の実施の第2形態について説明する。図6は本発明の第2形態に係わり、駆動制御のフローチャートである。
【0036】
第2形態は、2つの車輪が進行方向に左右並行に配置され、各車輪に独立した電動モータを備える走行装置に対し、車体の傾斜に応じて基準制御モードを補正するものであり、第1形態で説明した駆動制御のステップ6以下の処理を変更する。
【0037】
すなわち、図6に示すように、ステップS6で足圧力分布パターンを認識して基準制御モードを決定した後、ステップS6からステップS20−1へ進み、傾斜センサ4からの信号に基づいて左右と前後の傾斜角度を算出し、ステップS20−2で左右の補正係数α1を算出する。この補正係数α1は、傾斜角度を変数とする関数によって求められ、1.0未満の値を取る。
【0038】
次に、ステップS20−2からステップS20−3へ進み、右側の傾斜角度と左側の傾斜角度とを比較して左右何れの側に傾斜しているかを判断する。その結果、右側に傾斜している場合には、ステップS20−3からステップS20−4へ進んで、左モータ制御量を右の傾斜角度による補正係数α1で補正し、ステップS20−6へ進む。一方、左側に傾斜している場合には、ステップS20−3からステップS20−5へ進んで、右モータ制御量を左の傾斜角度による補正係数α1で補正し、ステップS20−6へ進む。
【0039】
すなわち、右側に傾斜している場合には、右足に体重が掛かるため、右折モードと同様の状態となり、坂下に向かって右側に大きく旋回してしまう。従って、左側モータ制御量を、右傾斜角度による1.0未満の補正係数α1で補正することにより、右側への旋回を緩和させ、走行安定性を向上することができる。右側へ曲がることを意図して右足に体重をかけた場合にも、坂下への急旋回を防止することができ、安全を確保することができる。
【0040】
また、左側に傾斜している場合には、右側へ傾斜している場合とは逆に、右モータ制御量を、左傾斜角度による1.0未満の補正係数α1で補正することにより、左側への旋回を緩和させ、走行安定性を向上することができる。左側へ曲がることを意図して左足に体重をかけた場合においても、同様に、坂下への急旋回を防止することができ、安全を確保することができる。
【0041】
その後、ステップS20−4或いはステップS20−5からステップS20−6へ進むと、前後の傾斜角度から下り坂か否かを判断する。そして、下り坂でない場合、ステップS20−6からステップS11へ進んで駆動装置1を制御し、ステップS1へ戻る。一方、下り坂である場合には、ステップS20−6からステップS20−7へ進み、補正係数α2を算出する。この補正係数α2は、前方への傾斜角度の関数によって求められ、1.0未満の値を取る。
【0042】
次に、ステップS20−7からステップS20−8へ進み、左右のモータ制御量を補正係数α2で補正してステップS11で駆動装置1を制御し、ステップS1へ戻る。すなわち、下り坂では、つま先に体重が掛かって下降速度が増える虞があるため、左右のモータ制御量を前方の傾斜角度に応じて1.0未満の補正係数α2で補正し、基準制御モードよりも速度を抑制する。
【0043】
尚、登り坂である場合には、後方への傾斜角度の関数により補正係数α2を1.0以上の値として求め、この補正係数α2により左右のモータ制御量を補正し、基準制御モードよりも増速することも可能であり、これにより、登坂性能を向上することができる。
【0044】
第2形態では、左右或いは前後に傾斜している傾斜路での走行において、運転者の意図しない方向への旋回や思わぬ速度上昇を防止することができ、走行安定性を高めることができる。
【0045】
次に、本発明の実施の第3形態について説明する。図7は本発明の第3形態に係わり、駆動制御のフローチャートである。
【0046】
第3形態は、第2形態での車体の傾斜に代えて、車体に作用する加速度に応じて基準制御モードを補正するものであり、第1形態で説明した駆動制御のステップ6以下の処理を変更する。
【0047】
すなわち、図7に示すように、ステップS6で足圧力分布パターンを認識して基準制御モードを決定した後、ステップS6からステップS30−1へ進み、加速度センサ6からの信号に基づいて左右の横加速度(横G)と前後の加速度(前後G)を算出し、ステップS30−2で左右の補正係数β1を算出する。この補正係数β1は、横Gを変数とする関数によって求められ、1.0未満の値を取る。
【0048】
次に、ステップS30−2からステップS30−3へ進み、右側横Gと左側横Gとを比較して左右何れの側に旋回しているかを判断する。その結果、右側横G>左側横Gであり、左側に旋回している場合には、ステップS30−3からステップS30−4へ進んで、左モータ制御量を、右横Gの関数による補正係数β1で補正し、ステップS30−6へ進む。一方、右側に旋回している場合には、ステップS30−3からステップS30−5へ進んで、右モータ制御量を、左横Gの関数による補正係数β1で補正し、ステップS30−6へ進む。
【0049】
すなわち、左足に体重を掛けて左側に急に曲がった場合、右側に横Gが発生して右足に体重が移ってしまい、その結果、車両挙動が左右にふらつく可能性がある。従って、左側に旋回している場合には、左側のモータ制御量を、右横Gの関数による1.0未満の補正係数β1Lで補正することにより、左右のふらつきを緩和させ、走行安定性を向上することができる。逆に、右足に体重を掛けて右側に曲がる場合は、右モータ制御量を、左横Gの関数による1.0未満の補正係数β1で補正することにより左右のふらつきを緩和する。
【0050】
その後、ステップS30−4或いはステップS30−5からステップS30−6へ進むと、前後Gを設定加速度G0と比較する。そして、前後Gが設定加速G0以下の場合には、ステップS30−6からステップS11へ進んで駆動装置1を制御し、ステップS1へ戻る。一方、前後Gが設定加速度G0を越えている場合には、ステップS30−6からステップS30−7へ進み、補正係数β2を算出する。この補正係数β2は前後Gを変数とする関数によって求められ、1.0未満の値を取る。次に、ステップS30−7からステップS30−8へ進み、左右のモータ制御量を補正係数β2で補正してステップS11で駆動装置1を制御し、ステップS1へ戻る。
【0051】
すなわち、かかと側に体重を移してつま先側の荷重を減少させ、急減速を行った場合、前後Gにより次の瞬間につま先側に体重が移動して加速されるといったように、体重移動が前後に繰返されて車体がスナッチング状態になる可能性がある。このため、左右のモータ制御量を前後Gに応じて1.0未満の補正係数β2で補正することで、スナッチング状態を抑制する。急加速の場合も、同様であり、前後の体重移動の繰返しによるスナッチング状態を抑制することができる。
【0052】
第3形態では、急旋回時における左右のふらつきや、急減速・急加速時におけるスナッチングを抑制することができ、走行安定性を高めることができる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、運転者が所定の部位に作用させる力の圧力分布パターンから運転者の運転操作意図に対応する基準制御モードと該基準制御モードでの制御量とを決定し、この基準制御モードでの制御量を、走行装置に作用する前後加速度を変数とする補正係数、或いは走行装置に作用する横加速度を変数とする補正係数で補正し、急減速時或いは急加速時ほど走行装置の加速と減速を緩和させる、或いは、走行装置の一方側への旋回時に急旋回時ほど他方側への旋回を緩和させるので、運転者が作用させる力と走行状態とを人間の感覚に一致させて容易な操作とすることができ、且つ運転状態に左右されない安定した走行制御を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態に係わり、駆動制御システムの構成図
【図2】同上、圧力値の分布と圧力分布パターンを示す説明図
【図3】同上、足圧力分布パターンと制御モードとの関連を示す説明図
【図4】同上、駆動制御のフローチャート
【図5】同上、基準制御モードに対する補正を示す説明図
【図6】本発明の実施の第2形態に係わり、駆動制御のフローチャート
【図7】本発明の実施の第3形態に係わり、駆動制御のフローチャート
【符号の説明】
1 駆動装置
2 コントローラ
3 圧力分布センサ
4 傾斜センサ
5 タイマ
6 加速度センサ
Claims (2)
- 運転者が走行装置に対する運転操作として所定の部位に作用させる力の圧力分布パターンを検出する手段と、
上記圧力分布パターンから運転者の運転操作意図に対応する基準制御モードと該基準制御モードでの制御量とを決定する手段と、
上記基準制御モードでの制御量を、上記走行装置に作用する前後加速度を変数とする補正係数で補正し、補正した制御量で上記走行装置を駆動して急減速時或いは急加速時ほど上記走行装置の加速と減速を緩和させる手段とを備えたことを特徴とする圧力分布パターンによる走行制御装置。 - 運転者が走行装置に対する運転操作として所定の部位に作用させる力の圧力分布パターンを検出する手段と、
上記圧力分布パターンから運転者の運転操作意図に対応する基準制御モードと該基準制御モードでの制御量とを決定する手段と、
上記基準制御モードでの制御量を、上記走行装置に作用する横加速度を変数とする補正係数で補正し、補正した制御量で上記走行装置を駆動して上記走行装置の一方側への旋回時に急旋回時ほど他方側への旋回を緩和させる手段とを備えたことを特徴とする圧力分布パターンによる走行制御装置。
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