JP4223210B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゲームの結果を表示する表示手段と、その表示を制御するマイクロコンピュータ等の制御手段とを備えたスロットマシン、パチンコ機その他の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、停止ボタンを備えたスロットマシン、いわゆるパチスロ機は、正面の表示窓内に複数の図柄を変動表示する回転リールを複数配列して構成した機械的変動表示装置、或いはリール上の図柄を画面に表示する電気的変動表示装置を有する。遊技者のスタート操作に応じて、制御手段が変動表示装置を駆動制御して各リールを回転させることにより、図柄を変動表示させ、一定時間後自動的に或いは遊技者の停止操作により、各リールの回転を順次停止させる。このとき、表示窓内に現れた各リールの図柄が特定の組合せ(入賞図柄)になった場合にメダル又はコイン等の遊技媒体を払出すことで遊技者に利益を付与する。
【0003】
現在主流の機種は、複数種類の入賞態様を有するものである。特に、所定の役の入賞が成立したときは、1回のメダルの払出しに終わらず、所定期間、通常の状態よりも条件の良い遊技状態となる。このような役として、遊技者に相対的に大きい利益を与えるゲームを所定回数行える役(「ビッグボーナス」と称し、以下「BB」と略記する)と、遊技者に相対的に小さい利益を与えるゲームを所定回数行える役(「レギュラーボーナス」と称し、以下「RB」と略記する)がある。
【0004】
また、現在主流の機種においては、有効化された入賞ライン(以下「有効ライン」という)に沿って所定の図柄の組合せが並び、メダル、コイン等が払出される入賞が成立するためには、内部的な抽選処理(以下「内部抽選」という)により役に当選(以下「内部当選」という)し、且つその内部当選した役(以下「内部当選役」という)の入賞成立を示す図柄組合せを有効ラインに停止できるタイミングで遊技者が停止操作を行うことが要求される。つまり、いくら内部当選したとしても、遊技者の停止操作のタイミングが悪いと入賞を成立させることができない。すなわち、停止操作をタイミングよく行う技術が要求される(「目押し」といわれる技術介入性の比重が高い)遊技機が現在の主流である。
【0005】
このような遊技機では、一般に“6段階”の設定値のいずれかを選択することにより、払出されたメダルの総数を遊技機に投入された(遊技に賭けられた)メダルの総数で割算した値(以下「ペイアウト率」という)を調整するようにしている。具体的には、設定値毎に、複数の役の各々に内部当選することとなる乱数範囲が定められた確率抽選テーブルが設けられており、この確率抽選テーブルと抽出した乱数値に基づいて、内部当選役を決定する。確率抽選テーブルは、一般に設定値が大きいほど、BB或いはRBに内部当選する確率が高くなっている。このため、大きな設定値を選択した場合には、ペイアウト率を高くすることができる。また、小さな設定値を選択した場合には、ペイアウト率を低く抑えることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような遊技機では、当選役が乱数抽選の結果により決定されることに起因して、例えばBBに連続して内部当選する等の面白みのある状況が発生し難いので、遊技者が遊技に対する興味を失う場合がある。また、遊技店の営業形態は必ずしも一律ではなく、例えば新装開店時等、営業時間が短い場合には、遊技店側が短時間にBBの入賞を複数回実現させることを希望する場合があるが、このような希望を意図的に実現することはできない。また、遊技者の少ない時間帯、例えば午前中等の一定の区間においてBBの入賞が成立するゲームを意図的に多くして、集客力を高めることを希望する遊技店もある。
【0007】
また、内部当選役は、設定値に対応した確率抽選テーブル及び乱数抽選の結果に基づいて、ゲーム毎に決定されるので、実際のペイアウト率が設定値に対応した値に収束するまでには、数日から十数日必要となる。このため、所望の設定値を選択したとしても、ペイアウト率が設定値に対応した値と大きく異なったものとなり、遊技店側にとって不都合な事態が生じる場合がある。さらに、遊技店側は、所望のペイアウト率を確実に実現するためには、数日から十数日の間、設定値を変更することができず、不便である。
【0008】
本発明の目的は、面白みがあって集客力の高い遊技機を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の遊技機は、遊技者がゲームを任意回数行うことができる遊技機において、遊技者に付与される遊技価値が定められた役(例えば、BB、後述のベルの小役等)のいずれかを当選役として決定する当選役決定手段(例えば、後述のCPU31)と、当選役決定手段の決定結果に基づいて(例えば、後述の入賞検索の結果(図16のST26)に基づいて)、ゲームの結果を表示する表示手段(例えば、後述のリール3L,3C,3R)と、表示手段の表示内容に基づいて、遊技者に遊技価値を付与する(例えば、後述の図16のST29の処理を行う)遊技価値付与手段(例えば、後述のホッパー40)とを備え、当選役決定手段は、役のうちの特定の役を当選役とするゲームの度合いがある区間で高くなるように上記決定を行う(例えば、後述の図19のST61の処理を行う)ことを特徴とする。
【0010】
本発明の具体的態様では、特定の役を当選役とするゲームの度合いが高い区間を設定可能な区間設定手段(例えば、後述の液晶表示装置5及びスタートレバー6からの入力に応じて区間を設定するCPU31)を備え、当選役決定手段は、区間設定手段で設定された区間に基づいて上記決定を行う(例えば、後述の図20のST72の処理を行う)ことを特徴とする。
【0011】
本発明の具体的態様では、区間は、ゲームの回数に基づいて区分されていることを特徴とする。
【0012】
本発明の具体的態様では、区間は、時刻で又は所定の時点からの経過時間に基づいて区分されていることを特徴とする。
【0013】
本発明の具体的態様では、当選役決定手段は、予め定められた期間に対応する当選役を決定し、ゲームの開始時が属する期間に対応する当選役を当該ゲームの当選役とすることを特徴とする。
【0014】
本発明の具体的態様では、所定回数又は所定時間のゲームにわたって遊技者に付与する遊技価値の度合いを設定することが可能な価値設定手段(例えば、後述の液晶表示装置5及びスタートレバー6からの入力に応じて遊技価値の度合いを設定するCPU31)を備え、当選役決定手段は、価値設定手段で設定された遊技価値の度合いに基づいて当選役を決定する(例えば、後述の当選回数決定処理(図18)を行う)ことを特徴とする。
【0015】
本発明の具体的態様では、遊技価値の度合いは、遊技者に付与する遊技価値を遊技者が遊技のために要する遊技価値で割算することにより得られる付与率(例えば、ペイアウト率)であることを特徴とする。
【0016】
本発明の具体的態様では、当選役決定手段は、価値設定手段による設定に基づいて、所定回数(例えば、後述の規定回数)のゲームを通じて役が当選役となる回数を決定する(例えば、後述の当選回数決定処理(図18)を行う)ことを特徴とする。
【0017】
本発明の具体的態様では、当選役決定手段は、役が当選役となる回数の決定に基づいて、所定回数のゲーム毎の当選役を決定する(例えば、後述の当選順序決定処理(図19)を行う)ことを特徴とする。
【0018】
【作用及び効果】
本発明の遊技機では、当選役決定手段は、役のうちの特定の役を当選役とするゲームの度合いがある区間で高くなるように当選役の決定を行う。従って、例えばBBに連続して内部当選する等の面白みのある状況が発生する頻度が高くなり、遊技の面白みが増す。これにより、集客力が向上する遊技機が提供される。
【0019】
また、区間設定手段により特定の役を当選役とするゲームの度合いが高い区間を設定することができる。また、当選役決定手段は、区間設定手段で設定された区間に基づいて上記決定を行う。従って、遊技店側は、希望する区間において特定の役を当選役とするゲームの度合いを高くすることができる。例えば、営業時間が短い場合には、遊技店側が短時間にBBの入賞を複数回実現させたり、午前中等の一定の区間においてBBの入賞が成立するゲームを意図的に多くすることができる。
【0020】
また、区間は、ゲームの回数に基づいて区分することができる。ここで、例えば単位時間当りに消化するゲームの回数が一定である場合には、特定の役を当選役とするゲームの度合いが高い区間(ゲームの回数に基づいて区分された区間)を設定することにより、所望の期間(例えば、時刻又は時間)において特定の役を当選役とするゲームの度合いを高くすることができる。
【0021】
また、区間は、時刻で又は所定の時点からの経過時間に基づいて区分することができる。
【0022】
また、当選役決定手段は、予め定められた期間に対応する当選役を決定し、ゲームの開始時が属する期間に対応する当選役を当該ゲームの当選役とすることができる。例えば、数秒間の期間毎に当選役を決定し、スタート操作が行われた期間の当選役をそのゲームの当選役とすることができる。
【0023】
また、価値設定手段により所定回数又は所定時間のゲームにわたって遊技者に付与する遊技価値の度合いを設定することができる。また、当選役決定手段は、価値設定手段で設定された遊技価値の度合いに基づいて当選役を決定する。このため、例えば遊技店では、遊技者に付与する遊技価値の度合いを設定し、所定回数又は所定時間のゲームにおいて所望の遊技価値の度合いを実現することができる。
【0024】
また、遊技価値の度合いとして、遊技者に付与する遊技価値を遊技者が遊技のために要する遊技価値で割算することにより得られる付与率を採用することができる。
【0025】
また、当選役決定手段は、価値設定手段による設定に基づいて、所定回数のゲームを通じて役が当選役となる回数を決定することができる。また、例えば、価値設定手段により所定回数のゲームを通じて特定役が当選役となる回数を設定可能とした場合には、一日の中で、時間帯毎にBB等の大当りの回数を設定することができ、しかも一日を通してペイアウト率等の付与率を設定することができる。
【0026】
また、当選役決定手段は、役が当選役となる回数の決定に基づいて、所定回数のゲーム毎の当選役を決定することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例の遊技機の外観を示す斜視図である。遊技機1は、いわゆる「パチスロ機」である。この遊技機1は、コイン、メダル又はトークンなどの他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
【0028】
遊技機1の全体を形成しているキャビネット2の正面には、略垂直面としてのパネル表示部2aが形成され、その中央には縦長矩形の表示窓4L,4C,4Rが設けられる。表示窓4L,4C,4Rには、入賞ラインとして水平方向にトップライン8b,センターライン8c及びボトムライン8d、斜め方向にクロスダウンライン8a及びクロスアップライン8eが設けられている。これらの入賞ラインは、後述の1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13を操作すること、或いはメダル投入口22にメダルを投入することにより、それぞれ1本、3本、5本が有効化される。どの入賞ラインが有効化されたかは、後で説明するBETランプ9a,9b,9cの点灯で表示される。
【0029】
キャビネット2の内部には、各々の外周面に複数種類の図柄によって構成される図柄列が描かれた3個のリール3L,3C,3Rが回転自在に横一列に設けられ、変動表示手段を形成している。各リールの図柄は表示窓4L,4C,4Rを通して観察できるようになっている。各リールは、定速回転(例えば80回転/分)で回転する。
【0030】
表示窓4L,4C,4Rの左側には、1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c、クレジット表示部19が設けられる。1−BETランプ9a、2−BETランプ9b及び最大BETランプ9cは、一のゲームを行うために賭けられた(投入された)メダルの数(以下「BET数」という)に応じて点灯する。ここで、本実施例では、一のゲームは、BET数が“3”の状況において後述のスタートレバー6が操作されたとき開始(いわゆる「3BET専用」)し、全てのリールが停止したとき、又はそのゲームの液晶表示装置5における演出表示が終了したときに終了する。1−BETランプ9aは、BET数が“1”で1本の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。2−BETランプ9bは、BET数が“2”で3本の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。最大BETランプ9cは、BET数が“3”で全て(5本)の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。クレジット表示部19は、7セグメントLEDから成り、貯留されているメダルの枚数を表示する。
【0031】
表示窓4L,4C,4Rの右側には、WINランプ17及び払出表示部18が設けられる。WINランプ17は、後述の当選役がBB又はRBであるゲームで点灯する。払出表示部18は、7セグメントLEDから成り、入賞成立時のメダルの払出枚数を表示する。各役の払出枚数は、後で図3を参照して説明する。
【0032】
表示窓4L,4C,4Rの下方には水平面の台座部10が形成され、その台座部10と表示窓4L,4C,4Rとの間には液晶表示装置5が設けられている。この液晶表示装置5の表示画面5aには、後で図4及び図5を参照して説明する型選択画像及びペイアウト率設定画像等が表示される。
【0033】
液晶表示装置5の右側にはメダル投入口22が設けられ、液晶表示装置5の左側には、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、および最大BETスイッチ13が設けられる。1−BETスイッチ11は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの1枚がゲームに賭けられ、2−BETスイッチ12は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの2枚がゲームに賭けられ、最大BETスイッチ13は、1回のゲームに賭けることが可能な最大枚数のメダルが賭けられる。これらのBETスイッチを操作することで、前述のとおり、所定の入賞ラインが有効化される。
【0034】
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。C/Pスイッチ14の右側には、遊技者の操作により上記リールを回転させ、表示窓4L,4C,4R内での図柄の変動表示を開始するためのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。後で図4及び図5を参照して説明する型選択画像及びペイアウト率設定画像が表示されているとき、スタートレバー6を操作することにより所望の型及びペイアウト率を選択(設定)できるようになっている。「型」とは、BBを当選役とするゲームの発生時期の偏りの態様(後述の図6)をいう。当選役とは、そのゲームにおいて入賞成立を実現することが可能な役をいう。すなわち、実施例では、後述の型及びペイアウト率設定処理(図13のST3)が行われた後に計数が開始されるゲーム回数カウンタの値(ゲーム回数)に対して、BBを当選役とするゲームの発生時期に偏りを持たせることができるようになっている。この偏りにより、BBを当選役とするゲームの度合いが或る区間で高くなる。
【0035】
ここで、ゲーム回数に対して、BBを当選役とするゲームの発生時期に偏りがあるとき、一定の速度でゲームを消化(例えば、1時間当り“500回”のゲームを消化)することにより、BBを当選役とするゲームが行われる時間帯に偏りが発生する。そこで、実施例では、BBを当選役とするゲームの偏りの態様として、「開店型」、「午前型」、「昼型」、「午後型」、又は「閉店型」のいずれかを選択することができる。例えば、「開店型」が選択された場合には、遊技を開始した直後にBBを当選役とするゲームが偏るようになっている。
【0036】
台座部10の前面部中央で、液晶表示装置5の下方位置には、3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個の停止ボタン7L,7C,7Rが設けられている。キャビネット2の上方の左右には、スピーカ21L,21Rが設けられ、その2台のスピーカ21L,21Rの間には、入賞図柄の組合せ及びメダルの配当枚数等を表示する配当表パネル23が設けられている。
【0037】
図2は、各リール3L,3C,3Rに表わされた複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には“00”〜“20”のコードナンバーが付され、データテーブルとして後で説明するROM32(図7)に格納されている。各リール3L,3C,3R上には、“白7(図柄91)”、“青7(図柄92)”、“大鷲(図柄93)”、“ベル(図柄94)”、“スイカ(図柄95)”、及び“チェリー(図柄96)”の図柄で構成される図柄列が表わされている。各リール3L,3C,3Rは、図柄列が図2の矢印方向に移動するように回転駆動される。
【0038】
図3は、役と図柄組合せと払出枚数との関係を示す。
【0039】
BBの入賞は、有効ラインに沿って“白7−白7−白7”、“青7−青7−青7”又は“大鷲−大鷲−大鷲”が並んだときに成立する。BBの入賞が成立したとき、350枚のメダルが払出される(いわゆる「純増枚数」は、“347枚”)。RBの入賞は、有効ラインに沿って“白7−白7−青7”が並んだときに成立する。RBの入賞が成立したとき、100枚のメダルが払出される(いわゆる「純増枚数」は、“97枚”)。なお、実施例のBB及びRBは、メダルの払出しが一回である点において一般にBB及びRBと称されれるものと異なる。
【0040】
ベルの小役の入賞は、有効ラインに沿って“ベル−ベル−ベル”が並んだときに成立する。ベルの小役の入賞が成立したとき、15枚のメダルが払出される。スイカの小役の入賞は、有効ラインに沿って“スイカ−スイカ−スイカ”が並んだときに成立する。スイカの小役の入賞が成立したとき、10枚のメダルが払出される。チェリーの小役の入賞は、左のリール3L上に配置された“チェリー”がセンターライン8cを除くいずれかの有効ライン上に停止したときに成立する。チェリーの小役の入賞が成立したとき、4枚のメダルが払出される。
【0041】
図4は、型選択画像を示す。この画像は、後述のように、設定用鍵型スイッチ27が“ON”の状態において電源メインスイッチ25が投入されたときに表示される。型選択画像が表示されているとき、BBを当選役とするゲームの度合いが高い区間を設定することができる。
【0042】
型選択画像の中央には、開店型を表す開店型表示領域101、午前型を表す午前型表示領域102、昼型を表す昼型表示領域103、午後型を表す午後型表示領域104、閉店型を表す閉店型表示領域105、型の選択を行わないことを示す「なし」表示領域106、後述のリセットスイッチ26を操作することにより選択(設定)される型を表す表示領域を示す枠107及びポインタ108が示されている。枠107及びポインタ108は、スタートレバー6を上下方向或いは左右方向へ操作することにより、各表示領域を移動するようになっている。
【0043】
型選択画像の下方には、「選択後、リセットスイッチを押してください。」と表示され、後述のリセットスイッチ26を操作することにより枠107及びポインタ108により示された表示領域が表す型を選択できることを報知している。上述のように、実施例では、所望の型を選択することができるが、各型の特徴については、後で図6を参照して説明する。なお、BBを当選役とするゲームは、後述の図20の処理で決定される。
【0044】
図5は、ペイアウト率設定画像を示す。ペイアウト率設定画像が表示されているとき、規定回数のゲームにわたって遊技者に付与する遊技価値の度合いを設定することができる。この画像は、型選択画像が表示されている状況において後述のリセットスイッチ26が操作された場合に表示される。ペイアウト率設定画像の上方には、「PAYOUT率を設定してください。」と表示され、その下方には、「95.8%」と表示されている。スタートレバー6を上下方向に操作することによりペイアウト率が増減し、所望の値を設定することができる。実施例では、ペイアウト率は、80.0%〜120.0%の範囲内で設定することができる。後述のリセットスイッチ26を操作してペイアウト率を設定することもできる。
【0045】
ここで、実施例では、上述のように型の設定によりBBを当選役とするゲームの偏りが発生するが、設定されたペイアウト率は、規定回数のゲームが終了したときに実現するようになっている。つまり、規定回数(実施例では、“6000回”)のゲームにおけるメダルの払出枚数の合計をメダルの投入枚数の合計で割算した値が、設定されたペイアウト率に一致するようになっている。また、後述の当選役一括決定処理(後述の図17)では、規定回数分のゲーム毎に予め当選役が決定される。具体的には、後述の図17〜図20に示す処理により、設定されたペイアウト率に基づいて各役を当選役とする回数を決定し、各当選役をいずれのゲームの当選役とするかを決定するようにしている。なお、BBを当選役とするゲームの決定(図20)において、BBを当選役とするゲームの偏りを発生させるようにしている。以下、規定回数分のゲームのうち所定の役を当選役とするゲームの数を「当選回数」という。なお、実施例では、リール3L,3C,3Rの引込み制御を無制限に行うので、当選役は常に入賞役となる。
【0046】
図6は、各型について、BBを当選役とするゲームが行われる時間帯の偏りの特徴を示す。この図では、BBの当選回数として“11回”が選択され、1時間当り “500回”のゲームを消化した場合の例を示す。また、遊技者が遊技を開始する時刻(遊技店の開店時刻)を“10時”とし、遊技者が遊技を終了する時刻(遊技店の終了時刻)を“23時”としている。
【0047】
図6(1)は、開店型の特徴を示す。開店型では、10時〜11時(“1回目”〜“500回目”のゲーム)において、BBを当選役とするゲームが“8つ”設けられている。
【0048】
図6(2)は、午前型の特徴を示す。午前型では、10時〜12時(“1回目”〜“1000回目”のゲーム)において、BBを当選役とするゲームが“8つ”設けられている。
【0049】
図6(3)は、昼型の特徴を示す。昼型では、12時〜13時(“1000回目”〜“1500回目”のゲーム)において、BBを当選役とするゲームが“8つ”設けられている。
【0050】
図6(4)は、午後型の特徴を示す。午後型では、18時〜19時(“4000回目”〜“4500回目”のゲーム)において、BBを当選役とするゲームが“8つ”設けられている。
【0051】
図6(5)は、閉店型の特徴を示す。閉店型では、20時24分〜21時24分(“5200回目”〜“5700回目”のゲーム)において、BBを当選役とするゲームが“8つ”設けられている。
【0052】
以上のようなBBを当選役とするゲームの偏りは、後述の図11に示すテーブル、及び図20のST72の処理に基づいて発生する。なお、型の選択において「なし(「なし」表示領域106)」が選択されたとき、又は規定回数のゲームが終了したとき、新たに規定回数分のゲームの当選役が決定されるが、この決定の際、図20のST72の処理は行われない(後述の図20のST71の判別が“NO”)。すなわち、規定回数のゲームが終了した後、新たに型の設定が行われるまでの間、BBを当選役とするゲームの意図的な偏りは発生しないようになっている。
【0053】
図7は、遊技機1における遊技処理動作を制御する主制御回路71と、主制御回路71に電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)と、主制御回路71から送信される制御指令に基づいて液晶表示装置5及びスピーカ21L,21Rを制御する副制御回路72とを含む回路構成を示す。
【0054】
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU31と、記憶手段であるROM32及びRAM33を含む。
【0055】
CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器36及びサンプリング回路37とが接続されている。なお、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、すなわちCPU31の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
【0056】
マイクロコンピュータ30のROM32には、BB当選回数選択テーブル(後述の図9)、RB当選回数選択テーブル(後述の図10)、BBを当選役とするゲームを決定するためのテーブル(後述の図11)、小役の当選回数を決定するための数式(後述の図12)、副制御回路72へ送信するための各種制御指令(コマンド)等が格納されている。また、RAM33には、当選役記憶領域(後述の図8)及びゲーム回数カウンタが設けられている。当選役記憶領域及びゲーム回数カウンタの記憶内容は、後述の電源メインスイッチ25を“OFF”にした場合であっても保持される。
【0057】
図7の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各種ランプ(1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c、WINランプ17)と、各種表示部(払出表示部18、クレジット表示部19)と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出す遊技価値付与手段としてのホッパー(払出しのための駆動部を含む)40と、リール3L,3C,3Rを回転駆動するステッピングモータ49L,49C,49Rとがある。
【0058】
更に、ステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動制御するモータ駆動回路39、ホッパー40を駆動制御するホッパー駆動回路41、各種ランプを駆動制御するランプ駆動回路45、及び各種表示部を駆動制御する表示部駆動回路48がI/Oポート38を介してCPU31の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU31から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
【0059】
また、マイクロコンピュータ30が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ6S、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13、C/Pスイッチ14、投入メダルセンサ22S、電源メインスイッチ25、リセットスイッチ26、設定用鍵型スイッチ27、リール停止信号回路46、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51がある。これらも、I/Oポート38を介してCPU31に接続されている。
【0060】
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出する。投入メダルセンサ22Sは、メダル投入口22に投入されたメダルを検出する。リール停止信号回路46は、各停止ボタン7L,7C,7Rの操作に応じて停止信号を発生する。リール位置検出回路50は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L,3C,3Rの位置を検出するための信号をCPU31へ供給する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの計数値(ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達した時、メダル払出完了を検知するための信号を発生する。
【0061】
電源メインスイッチ25は、遊技機1に電源を投入するためのものである。なお、各アクチュエータ等へ電力を供給する電源回路については省略している。リセットスイッチ26及び設定用鍵型スイッチ27は、型の選択、及びペイアウト率の設定を行うために設けられている。設定用鍵型スイッチ27を“ON”した後、電源メインスイッチ25を“ON”すると、表示画面5aに型選択画像が表示される。スタートレバー6を操作して所望の表示領域を選択した後、リセットスイッチ26を操作することにより、ペイアウト率設定画像が表示される。そして、スタートレバー6又はリセットスイッチ26を操作する毎にペイアウト率設定画像に表示されたペイアウト率が増減し、任意のペイアウト率を設定することができる。所望の型及びペイアウト率を選択した後、設定用鍵型スイッチ27を“OFF”とすることにより、通常の遊技を開始できる状態となる。なお、主制御回路71は、スタートレバー6又はリセットスイッチ26の操作の情報を副制御回路72へ送信する。副制御回路72は、受信した情報に基づいて液晶表示装置5を制御する。
【0062】
図7の回路において、乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数を用いて、ROM32内に格納されているBB当選回数選択テーブル(図9)、及びRB当選回数選択テーブル(図10)からBB及びRBの当選回数が決定される。また、図11に示すテーブル等からBBを当選役とするゲームが決定される。
【0063】
リール3L,3C,3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ49L,49C,49Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM33の所定エリアに書き込まれる。リール3L,3C,3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路50を介してCPU31に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM33で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これにより、RAM33内には、各リール3L,3C,3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
【0064】
上記のようなリール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄テーブルが、ROM32内に格納されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
【0065】
更に、ROM32内には、入賞図柄組合せテーブルが格納されている。この入賞図柄組合せテーブルでは、入賞成立となる図柄の組合せと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞を表わす入賞判定コードとが対応づけられている。上記の入賞図柄組合せテーブルは、左のリール3L,中央のリール3C,右のリール3Rの停止制御時、及び全リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。
【0066】
リール3L,3C,3Rが回転しているとき、停止ボタン7L,7C,7Rが操作された場合には、CPU31は、リール停止信号回路46から送られる操作信号、及び当選役の図柄組合せに基づいて、リール3L,3C,3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路39に送る。これにより、当選役の入賞が成立することとなる。
【0067】
当選役の入賞成立を示す停止態様となれば、CPU31は、払出し指令信号をホッパー駆動回路41に供給してホッパー40から所定個数のメダルの払出しを行う。その際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達した時に、メダル払出完了信号がCPU31に入力される。これにより、CPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止し、「メダルの払出し処理」を終了する。
【0068】
図8は、RAM33の当選役記憶領域を示す。当選役記憶領域には、“1回目”〜“6000回目”のゲーム(規定回数分のゲーム)毎に当選役が記憶されている。当選役記憶領域の記憶内容は、型及びペイアウト率が設定されたとき(後述の図13のST4の判別が“YES”)、又は規定回数分のゲームが終了したとき(後述の図16のST32の判別が“YES”)、当選役一括決定処理(後述の図17)により更新される。この当選役一括決定処理の後、ゲーム回数カウンタによりゲーム回数が計数される。各ゲームでは、当選役記憶領域に格納された当選役のうち、ゲーム回数カウンタの値に対応する役を当選役とする(後述の図15のST19)。そして、その当選役の入賞が成立することとなる。なお、当選役としての「なし」は、いずれの役にも当選していないことを示し、当選役が「なし(はずれ)」のゲームでは、入賞が成立することはない。なお、図8に示す当選役記憶領域は、開店型が選択された場合における各ゲームの当選役を示しており、BBを当選役とするゲームに偏りが生じている。具体的には、ゲーム回数が“5”、“11”、及び“22”のゲームの当選役がBBとなっている。
【0069】
図9は、BB当選回数選択テーブルを示す。このテーブルでは、一定の範囲のペイアウト率毎に、“10回”〜“20回”の各々の当選回数に当選となる乱数範囲が示されている。BB当選回数選択テーブルは、後述の図18のST51の処理で使用され、BBの当選回数の決定に用いられる。ここで、“10回”〜“20回”の当選回数のうち、所定回数(実施例では“8回”)のBBが、選択された型に応じた範囲内(開店型では“1回”〜“500回”)のゲームの当選役となる(後述の図20のST72)。
【0070】
図10は、RB当選回数選択テーブルを示す。このテーブルでは、一定の範囲のペイアウト率毎に、“2回”〜“12回”の各々の当選回数に当選となる乱数範囲が示されている。RB当選回数選択テーブルは、後述の図18のST52の処理で使用され、RBの当選回数の決定に用いられる。
【0071】
図11は、型に応じてBBを当選役とするゲームを決定するためのテーブルを示す。このテーブルには、各型に対応して、乱数範囲が定められている。この乱数範囲に含まれる乱数値は、ゲーム回数に対応するものである。後述の図20のST72では、各型に対応する乱数範囲から異なる“8個”の乱数値が抽出され、BBを当選役とするゲームが決定される。例えば、開店型が選択されている場合には、“1”〜“500”の範囲から異なる“8個”の乱数が抽出され、その抽出した乱数値に対応する回数のゲームの当選役がBBとなるので、図6(1)に示すような偏りが生じることとなる。つまり、BBを当選役とするゲームの度合いが高い区間は、ゲームの回数に基づいて区分されている。
【0072】
図12は、設定されたペイアウト率、BBの当選回数及びRBの当選回数に基づいて、小役の当選回数を決定するために用いられる数式を示す。ここでの小役は、前述の「ベル」、「スイカ」及び「チェリー」であり、各小役の成立によって払い出されるメダルの枚数は、それぞれ15枚、10枚、4枚である。
【0073】
実施例において、上記のように設定されたペイアウト率pを実現する規定回数をgとすれば、この遊技機は3BET専用であることから、規定回数gのゲームにおいて遊技者が遊技機に投入する(遊技に賭ける)メダルの合計枚数(予定総投入枚数)iは、
i=3g …(1)
と表わされる。また、規定回数gのゲームを通じて、設定されたペイアウト率pを実現するメダル払出枚数の合計(予定総払出枚数)hは、
h=[i×p] …(2)
と表わされる。ここで、[x](xは実数)は、xの整数部分(xを越えない最大整数)を表わす。つまり、(2)式の場合、予定総払出枚数hは、予定総投入枚数iにペイアウト率pを掛けて得られる値を越えない最大枚数である。
【0074】
次に、BB,RBの成立によって払い出されるメダルの枚数はそれぞれ350枚,100枚であるから、BBの当選回数をb、RBの当選回数をr、小役による予定総払出枚数をkとすれば、予定総払出枚数hは次式で表わされる。
【0075】
h=350b+100r+k
この式より、上記の小役による予定総払出枚数kは、
k=h−350b−100r …(3)
となる。
【0076】
この予定総払出枚数kにおける各小役「ベル」、「スイカ」、「チェリー」の総払出枚数の割合をそれぞれ10%,30%,60%とすれば、小役毎の払出枚数は、15枚、10枚、4枚であるから、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」の当選回数α、β、γは、それぞれ次のようになる。
【0077】
15α=[k×0.1] ∴ α=[k×0.1÷15] …(4)
10β=[k×0.3] ∴ β=[k×0.3÷10] …(5)
k=15α+10β+4γ ∴ γ=[(k−15α−10β)÷4] …(6)
式(6)は、払出枚数が最も少ない小役「チェリー」の当選回数γの調整により、小役による実際の総払出枚数を小役による予定総払出枚数kに近づけることで、設定されたペイアウト率pを実現することを意味している。
【0078】
次に、主制御回路71のCPU31の制御動作について、図13〜図20に示すフローチャートを参照して説明する。
【0079】
初めに、CPU31は、設定用鍵型スイッチ27が“ON”されたかどうかを判別する(ステップ[以下、STと表記する]1)。この判別が“YES”のときは、電源メインスイッチ25が“ON”されたかどうかを判別し(ST2)、この判別が“YES”のときは、ST3の処理に移り、“NO”のときは、ST1処理に移る。ST3の処理では、CPU31は、型及びペイアウト率設定処理を行う。具体的には、スタートレバー6、或いはリセットスイッチ26の操作に応じて、表示画面5aに型選択画像(図4)を表示したり、その表示をペイアウト率設定画像(図5)に切替えたり、各画像の表示内容を変化させるように副制御回路72を制御する。続いて、CPU31は、設定用鍵型スイッチ27が“OFF”とされたかどうかを判別する(ST4)。この判別が“YES”のときは、選択された型及びペイアウト率を記憶するとともに、後で図17を参照して説明する当選役一括決定処理を行い(ST5)、ST7の処理に移る。ST4の判別が“NO”のときは、ST3の処理に移る。
【0080】
ST1の判別が“NO”のときは、電源メインスイッチ25が“ON”とされたかどうかを判別し(ST6)、この判別が“YES”のときは、ST7の処理に移り、“NO”のときは、ST1の処理に移る。ST7の処理では、CPU31は、ゲーム開始時の初期化を行う。具体的には、RAM33の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行う。なお、ST7の処理により当選役記憶領域及びゲーム回数カウンタの値がクリアされることはない。
【0081】
次に、図14のST8の処理では、CPU31は、ゲーム終了時のRAM33の記憶内容を消去する。具体的には、前回のゲームに使用されたRAM33の書き込み可能エリアのデータの消去、RAM33の書き込みエリアへの次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定等を行う。なお、ST8の処理により当選役記憶領域及びゲーム回数カウンタの値がクリアされることはない。
【0082】
次に、CPU31は、メダルの自動投入の要求があるか否かを判別する(ST9)。この判別が“YES”のときは、投入要求分のメダルを自動投入し(ST10)、ST13の処理に移る。ST9の判別が“NO”のときは、投入メダルセンサ22S又はBETスイッチ11,12,13からの入力があるか否かを判別する(ST11)。この判別が“YES”のときは、ST12の処理に移り、“NO”のときは、ST9の処理に移る。ST12の処理では、BET数が“3”であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST13の処理に移り、“NO”のときは、ST9の処理に移る。
【0083】
次に、CPU31は、スタートレバー6の操作に基くスタートスイッチ6Sからの入力があるか否かを判別する(ST13)。この判別が“YES”のときは前回のゲームが開始してから“4.1秒”経過しているか否かを判別し(ST14)、この判別が“YES”のときはST16の処理に移り、“NO”のときはST15の処理に移る。ST15の処理では、「ゲーム開始待ち時間消化処理」を行う。具体的には、前回のゲームが開始してから“4.1秒”経過するまでの間、遊技者のゲームを開始する操作に基く入力を無効にする処理を行う。
【0084】
次に、CPU31は、リールの回転処理を行い(ST16)、ゲーム回数カウンタの値に“1”加算し(ST17)、1ゲーム監視用タイマをセットする(ST18)。ST18の処理の1ゲーム監視用タイマには、遊技者の停止ボタンの停止操作によらずに自動的にリールを停止させるための自動停止タイマが含まれる。
【0085】
次に、図15のST19の処理では、CPU31は、ゲーム回数カウンタの値に対応して当選役記憶領域に記憶された当選役をRAM33内の所定の記憶領域にセットする。例えば、当選役記憶領域の記憶内容が図8に示すものであり、ゲーム回数カウンタの値が“22”であるとき、当選役としてBBをセットする。次に、当選役の情報を含む当選役コマンドを副制御回路72へ送信し(ST20)、いずれかの停止ボタンが操作されたかどうかを判別する(ST21)。この判別が“YES”のときは、ST23の処理に移り、“NO”のときは、ST22の処理に移る。
【0086】
ST22の処理では、自動停止タイマの値が“0”であるか否かを判別し、この判別が“YES”のときは、ST23の処理に移り、“NO”のときは、ST21の処理に移る。ST23の処理では、当選役に応じて停止操作が行われた停止ボタンに対応するリールを停止させる。具体的には、停止ボタンの操作タイミングに拘らず、当選役の図柄組合せがいずれかの有効ラインに沿って並ぶようにリールを停止制御する。ST24の処理では、全てのリールが停止したか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST25の処理に移り、“NO”のときは、ST21の処理に移る。ST25の処理では、全てのリールが停止したことを示す全リール停止コマンドを副制御回路72へ送信し、図16のST26の処理に移る。
【0087】
図16のST26の処理では、CPU31は入賞検索を行う。入賞検索とは、表示窓4L,4C,4Rの図柄の停止態様に基づいて入賞役を識別するための入賞フラグをセットすることである。具体的には、センターライン8cに沿って並ぶ図柄のコードナンバー及び入賞判定テーブルに基づいて入賞役を識別する。続いて、入賞フラグが正常であるか否かを判別する(ST27)。この判別が“NO”のときはイリーガルエラーの表示を行う(ST28)。この場合、遊技は、中止となる。ST27の判別が“YES”のときは、入賞役に応じてメダルのクレジット、又は払出しを行う(ST29)。続いて、入賞役を示す「入賞役コマンド」を送信し(ST30)、「ロック時間処理」を行う(ST31)。この「ロック時間処理」では、全リールが停止した後、一定時間が経過するまでの間、次のゲームを開始するための操作を無効とする。具体的には、スタートレバー6の操作を無効とする。次に、ゲーム回数カウンタの値が規定回数に到達したか否かを判別する(ST32)。この判別が“YES”のときは、ST33の処理に移り、“NO”のときは、図14のST8の処理に移る。ST33の処理では、後で図17を参照して説明する当選役一括決定処理を行い、図14のST8の処理に移る。このST33の処理では、規定回数のゲームが終了したとき、規定回数のゲームを通じて役が当選役となる回数(当選回数)を新たに決定する。
【0088】
次に、図17を参照して、当選役一括決定処理について説明する。当選役一括決定処理は、型或いはペイアウト率の設定が変更されたとき(図13のST5)、又は規定回数のゲームが終了したとき(図16のST33)に行われる。
【0089】
初めに、CPU31は、ゲーム回数カウンタの値を“0”とする(ST41)。次に、後で図18を参照して説明する当選回数決定処理を行う(ST42)。当選回数決定処理では、各役の当選回数を決定する。次に、後で図19を参照して説明する当選順序決定処理を行う(ST43)。当選順序決定処理では、各ゲームの当選役を決定する。続いて、図13のST7又は図14のST8の処理に移る。
【0090】
次に、図18を参照して、当選回数決定処理について説明する。当選回数決定処理では、設定されたペイアウト率に基づいて各役の当選回数を決定する。
【0091】
初めに、CPU31は、“0”〜“16383”の範囲から抽出した乱数、設定されているペイアウト率、及びBB当選回数選択テーブル(図9)に基づいて、BBの当選回数bを決定する(ST51)。次に、“0”〜“16383”の範囲から抽出した乱数、設定されているペイアウト率、及びRB当選回数選択テーブル(図10)に基づいて、RBの当選回数rを決定する(ST52)。次に、ST51の決定結果、ST52の決定結果、及び数式1〜数式4に基づいてベルの小役の当選回数αを決定する(ST53)。次に、ST51の決定結果、ST52の決定結果、数式1〜数式3、及び数式5に基づいてスイカの小役の当選回数βを決定する(ST54)。次に、ST51の決定結果、ST52の決定結果、及び数式1〜数式6に基づいてチェリーの小役の当選回数γを決定する(ST55)。続いて、図17のST43の処理に移る。
【0092】
ここで、ST51〜ST55の処理の結果、規定回数のゲームにおいて設定されたペイアウト率を実現可能であるか否かを確認するために、次式(7)が成立するか否かを判別するようにしてもよい。これにより、設定されたペイアウト率を確実に実現することができる。
【0093】
350b+100r+15α+10β+4γ≦h …(7)
次に、図19を参照して、当選順序決定処理について説明する。当選順序決定処理では、当選回数の範囲内において各役を当選役とするゲームを決定する(当選役記憶領域(図8)の記憶内容を更新する)。
【0094】
初めに、CPU31は、BBを当選役とするゲームを決定する(ST61)。この決定の具体的な処理については、後で図20を参照して説明する。次に、RBの当選回数rの範囲内でRBを当選役とするゲームを決定する(ST62)。具体的には、“1”〜“6000”の乱数範囲からRBの当選回数rと同数の乱数値を抽出する。同一の乱数値を抽出した場合、又は後述の図20のST72、ST74又はST75の処理で抽出した乱数値と同一の乱数値を抽出した場合には、一のゲームにおいて一の当選役を決定するために(複数の当選役を決定しないために)、異なる乱数値を抽出するまで乱数値の抽出を行う。抽出した乱数値の各々に対応するゲーム回数の当選役を記憶する記憶領域(当選役記憶領域内の領域)に、当選役としてRBを示す情報を記憶する。
【0095】
次に、ベルの小役の当選回数αの範囲内でベルの小役を当選役とするゲームを決定する(ST63)。決定方法は、基本的にST62の場合と同様であるが、抽出した乱数がST62の処理で抽出したものと同一である場合にも、それと異なる乱数を抽出するまで乱数の抽出を行う。次に、スイカの小役の当選回数βの範囲内でスイカの小役を当選役とするゲームを決定する(ST64)。決定方法は、基本的にST63の場合と同様であるが、抽出した乱数がST63の処理で抽出したものと同一である場合にも、それと異なる乱数を抽出するまで乱数の抽出を行う。
【0096】
次に、チェリーの小役の当選回数γの範囲内でチェリーの小役を当選役とするゲームを決定する(ST65)。決定方法は、基本的にST64の場合と同様であるが、抽出した乱数がST64の処理で抽出したものと同一である場合にも、それと異なる乱数を抽出するまで乱数の抽出を行う。次に、残りのゲームの当選役を「なし(はずれ)」とする(ST66)。具体的には、当選役記憶領域(図8)において当選役が記憶されていないゲーム回数に対応する領域に当選役が「なし」であることを示す情報を格納し、図13のST7又は図14のST8の処理に移る。以上の処理により、当選役記憶領域の記憶内容が更新される。この更新の後、規定回数分のゲームが終了したときのペイアウト率(規定回数分のゲームにおける総払出枚数を総投入枚数で割算した値)は、設定されたものと同一となる。
【0097】
次に、図20を参照して、BBを当選役とするゲームを決定するための処理について説明する。
【0098】
初めに、CPU31は、型の選択があるか否かを判別する(ST71)。具体的には、型及びペイアウト率設定処理(図13のST3)が行われたか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST72の処理に移る。ここで、型及びペイアウト率設定処理において、型の選択を行わないことを示す「なし」表示領域106が選択された場合には、ST71の判別は、“NO”となる。ST71の判別が“NO”のとき、すなわち規定回数のゲームが終了したとき(図16のST32の判別が“YES”)、又は「なし」表示領域106が選択された場合には、ST75の処理に移る。
【0099】
ST72の処理では、選択された型に応じて特定の乱数範囲からBBを当選役とするゲームを決定する。具体的には、型に応じてテーブル(図11)に示された乱数範囲から“8個”の異なる乱数値を抽出し、BBを当選役とするゲームを決定する。すなわち、抽出した乱数の各々に対応するゲーム回数の当選役を記憶する記憶領域(当選役記憶領域内の領域)に、当選役としてBBを示す情報を記憶する。例えば、閉店型が選択されている場合、“5200”〜“5700”の範囲から“8個”の乱数を抽出し、その乱数値に対応する回数のゲームの当選役をBBとする。つまり、BBを当選役とするゲームの度合いがある区間で高くなるようにBBを当選役とするゲームが決定される。また、設定された区間(型)に基づいて当選役の決定が行われる。
【0100】
次に、BBを当選役とするゲームを“8個分”決定したか否かを判別する(ST73)。この判別が“YES”のときは、ST74の処理に移り、“NO”のときは、ST72の処理に移る。ST74の処理では、通常の乱数範囲から乱数を抽出し、BBを当選役とする残りのゲームを決定する。残りのゲーム数とは、BBの当選回数から“8”を減算した値である。具体的には、“1”〜“6000”の範囲から乱数を抽出し、BBを当選役とするゲームを決定する。決定結果は、当選役記憶領域内に格納する。同一の乱数を抽出した場合、又はST74の処理で抽出した乱数値と同一の乱数値を抽出した場合には、異なる乱数を抽出するまで乱数の抽出を行う。
【0101】
ST71の判別が“NO”のときは、すなわち規定回数のゲームが終了したとき、又は「なし」表示領域106が選択された場合には、通常の乱数範囲から乱数を抽出し、BBの当選回数の範囲内でBBを当選役とするゲームを決定する。具体的には、“1”〜“6000”の範囲から乱数を抽出し、BBを当選役とするゲームを決定する。決定結果は、当選役記憶領域内に格納する。同一の乱数を抽出した場合には、異なる乱数を抽出するまで乱数の抽出を行う。このST71の処理により、例えば遊技店が開店した後、“6001回”以上のゲームが行われた場合には、BBを当選役とするゲームに偏りが発生しないが、遊技店側が設定したペイアウト率は実現することとなる。
【0102】
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
【0103】
実施例では、BBを当選役とするゲームの度合いが高い区間をゲーム回数で区分するようにしているが、時刻で又は所定の時点からの経過時間に基づいて区分することができる。具体的には、予め定められた期間に対応する当選役を決定すると共に、時刻で又は所定の時点からの経過時間に基づく区分に含まれる複数の期間に対応する当選役がBBとなる頻度を高める。そして、ゲームの開始時が属する期間に対応する当選役を当該ゲームの当選役とすることもできる。また、所定時間(例えば、12時間)のゲームにわたって遊技者に付与する遊技価値の度合いを設定できるようにしてもよい。また、所定の時点としては、遊技機に電源を投入したとき等、任意の時点を採用することができる。
【0104】
実施例では、予めBB等の当選回数を決定し、BBを当選役とするゲームの決定により、BBを当選役とするゲームの度合いがある区間で高くなるようにしているが、これに限られるものではない。当選役毎に予め当選となる乱数範囲が定められた確率抽選テーブルを用いて当選役を決定する。ある区間においてBBに当選しやすい確率抽選テーブルを用いることにより、BBを当選役とするゲームの度合いがある区間で高くなるようにしてもよい。また、遊技店側がBBを当選役とするゲームを設定できるようにしてもよい。
【0105】
また、実施例では、液晶表示装置5の表示内容に従って「型」を選択するようにしているが、これに限られるものではない。遊技機が乱数抽選により「型」を選択するようにしてもよい。
【0106】
実施例では、所定回数のゲームを通じて遊技者に付与する遊技価値の度合いとして、ペイアウト率を採用しているが、これに限られるものではなく、払出枚数、所定の役の当選回数、所定の役の入賞回数等、任意の度合いを採用することができる。また、実施例では、ペイアウト率を直接設定できるようにしているが、ペイアウト率に対応した文字、数字等を選択することによりペイアウト率を間接的に設定できるようにしてもよい。また、一定の範囲のペイアウト率と対応した文字、数字等を選択できるようにしてもよい。
【0107】
実施例では、ペイアウト率は、80.0%〜120.0%の範囲内で設定できるようにしているが、これに限られず、任意の範囲で設定できるようにすることができる。例えば、0%〜300%の範囲で設定できるようにしてもよい。なお、ペイアウト率の下限は、当選役を「なし(はずれ)」とすることにより実現可能であるが、ペイアウト率の上限は、規定回数、或いは役の払出枚数との兼ね合いで一定の制限が課される場合がある。なお、上記の度合いとして払出枚数、所定の役の当選回数、所定の役の入賞回数等を採用した場合には、任意の範囲で払出枚数、当選回数、入賞回数等を設定できるようにしてもよい。
【0108】
実施例では、小役によるペイアウト率の最終調整を払出枚数が最も少ないチェリーの小役で行い(数式6)、実際のペイアウト率を設定されたもの近づけるようにしているが、これに限られるものではない。小役の当選回数の決定順序を任意に定めることもできる。また、小役による予定総払出枚数kのうち、ベルの小役による総払出枚数が占める割合(実施例では、1割)、スイカの小役による総払出枚数が占める割合(実施例では、3割)、及びチェリーの小役による総払出枚数が占める割合(実施例では、6割)は、任意に定めることができる。例えば、この割合を乱数抽選等により定めることもできる。また、BB及びRBの当選回数は、当選回数決定テーブルにより決定するようにしているが、これに限られるものではない。例えば、小役の場合と同様に決定することもできる。また、任意の役の当選回数を遊技店側が設定できるようにしてもよい。例えば、BB及びRBの当選回数を設定できるようにした場合においては、ST63〜ST66の処理により、小役の当選回数等が決定されるので、所望のペイアウト率を実現することができる。また、予定総払出枚数hのうち、各役(BB及びRBを含む)の総払出枚数が占める割合を乱数抽選等により定めることもできる。
【0109】
実施例では、各役の当選回数を決定した後、規定回数のゲーム毎の当選役を決定するようにしているが、これに限られるものではない。例えば、各役の当選回数を決定した後、各ゲーム毎に、各役の当選回数を限度として当選役を乱数抽選により決定するようにしてもよい。この場合、各役の当選回数が予め決定されているので、規定回数のゲームが終了したときの実際のペイアウト率は、設定されたものと一致することとなる。
【0110】
実施例では、当選役は常に入賞役となるようにしているが、これに限られるものではない。例えば、遊技者の遊技操作(例えば、リールの停止操作(停止ボタンの停止操作の順序、或いは停止操作のタイミング))に基づいて、当選役の入賞の成否を変化させることもできる。この場合、当選役を遊技者に報知して、いわゆる「取りこぼし」を防ぐこともできる。また、実際のペイアウト率は、設定したペイアウト率を越えることがないので遊技店側が不利益を受けることはない。他方、遊技者に対しては、いわゆる「目押し」等の必要性を認識させると共に、遊技本来の面白さを認識させることができる。
【0111】
実施例では、当選役一括決定処理の決定タイミングは、ペイアウト率の変更の際、及び規定回数のゲームが終了したときに行うようにしているが、これに限られるものではない。例えば遊技機に電源が投入されたとき等、任意の時点で決定するようにしてもよい。
【0112】
実施例では、本発明をスロットマシンに適用して説明しているが、これに限られるものではない。スロットマシンの他、パチンコ機、ルーレットゲーム、競馬ゲーム等の他の遊技機にも本発明を適用できる。さらに、上述のスロットマシンでの動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。
【0113】
実施例では、役として、BB、RB等を採用しているが、これに限られるものではない。例えば、パチンコ機では、いわゆる「大当り」、ルーレットゲームでは、遊技者に払出されるメダル数が定められた役、競馬ゲームでは、オッズ(倍率)、或いはそれが定められた馬の組合せ(いわゆる「馬番連勝」等)を採用することもできる。また、役には、遊技者に付与される遊技価値として、正の遊技価値(15枚等)が定められているが、“0”又は負の遊技価値を定めるようにしてもよい。すなわち、ある役が当選役、或いは入賞役となったとき、遊技者が保有する遊技価値が変化しない、又は減少するようにしてもよい。また、実施例では、役を“5種類”設けるようにしているが、これに限られるものではない。一又は二以上の任意の役を設けることができる。
【0114】
実施例では、表示手段として平面的な液晶表示装置を採用しているが、これに限られるものではない。例えば、演出用のリール、模型等の動作物のような立体的なもの、或いは音、光、LEDドットマトリクス等を用いるようにしてもよい。
【0115】
実施例では、ペイアウト率の表示は、液晶表示画面5a上で行うようにしているが、これに限られず、払出表示部18等、任意の表示手段に表示するようにしてもよい。
【0116】
また、これから行われ得る複数のゲームを、所定回数のゲームに区切り、所定回数のゲームの各々について異なるペイアウト率を設定できるようにしてもよい。すなわち、規定回数のゲームの塊毎に、各々ペイアウト率を設定できるようにしてもよい。これにより、遊技者に付与される遊技価値に対して意図的に「波」を持たせ、遊技者が保有する遊技価値の増加率或いは減少率を制御して、面白みのある遊技機を提供することもできる。
【0117】
実施例では、所定の役を当選役とするゲームは、乱数抽選により決定するようにしているが、これに限られず、遊技店側が設定できるようにしてもよい。例えば、BBの当選回数の範囲内で、BBを当選役とするゲームを遊技店側が決定できるようにしてもよい。
【0118】
また、規定回数を遊技店側が設定できるようにしてもよい。この場合、規定回数を短くすることにより、遊技者の保有する遊技価値の増加率或いは減少率を一定に保つことができる。他方、長く設定した場合には、短く設定した場合と比較してその増加率或いは減少率が変化するので、遊技者の期待感が高まる。
【0119】
また、当選役記憶領域に記憶された情報を遊技機がホールコンピュータ等の任意の機器に送信するようにしてもよい。この情報と各ゲームの入賞役とを比較することにより、遊技店側は、不正行為を防止することができる。
【0120】
また、当選役記憶領域に記憶された記憶内容に基づいて、複数回先のゲームの当選役(例えば、BB或いはRB)を報知する演出を液晶表示装置、或いは演出用リール等の報知手段を用いて行うこともできる。この報知により、遊技者は、複数回のゲームにわたり、BB等の入賞が成立することに対する期待感を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のスロットマシンの斜視図。
【図2】リール上に配列された図柄の例を示す図。
【図3】役と図柄組合せと払出枚数との関係を示す図。
【図4】型選択画像を示す図。
【図5】ペイアウト率設定画像を示す図。
【図6】BBを当選役とするゲームの偏りを示す図。
【図7】実施例の電気回路の構成を示すブロック図。
【図8】当選役記憶領域を示す図。
【図9】BB当選回数選択テーブルを示す図。
【図10】RB当選回数選択テーブルを示す図。
【図11】BBを当選役とするゲームを決定するためのテーブルを示す図。
【図12】小役の当選回数を決定する数式等を示す図。
【図13】主制御回路のメインフローチャート。
【図14】図13に続くフローチャート。
【図15】図14に続くフローチャート。
【図16】図15に続くフローチャート。
【図17】当選役一括決定処理を示すフローチャート。
【図18】当選回数決定処理を示すフローチャート。
【図19】当選順序決定処理を示すフローチャート。
【図20】BBを当選役とするゲームを決定するための処理順序を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…遊技機、2…キャビネット、2a…パネル表示部、3L,3C,3R…リール、4L,4C,4R…表示窓、5…液晶表示装置、5a…液晶表示画面、6…スタートレバー、7L,7C,7R…停止ボタン、8a…クロスダウンライン、8b…トップライン、8c…センターライン、8d…ボトムライン、8e…クロスアップライン、9a…1−BETランプ、9b…2−BETランプ、9c…最大BETランプ、10…台座部、11…1−BETスイッチ、12…2−BETスイッチ、13…最大BETスイッチ、14…C/Pスイッチ、15…メダル払出口、16…メダル受け部、17…WINランプ、18…払出表示部、19…クレジット表示部、21L,21R…スピーカ、22…メダル投入口、22S…投入メダルセンサ、23…配当表パネル、25…電源メインスイッチ、26…リセットスイッチ、27…設定用鍵型スイッチ、30…マイクロコンピュータ、31…CPU、32…ROM、33…RAM、34…クロックパルス発生回路、35…分周器、36…乱数発生器、37…サンプリング回路、38…I/Oポート、39…モータ駆動回路、40…ホッパー、41…ホッパー駆動回路、45…ランプ駆動回路、46…リール停止信号回路、48…表示部駆動回路、49L,49C,49R…ステッピングモータ、50…リール位置検出回路、51…払出完了信号回路、71…主制御回路、72…副制御回路。
Claims (2)
- 遊技媒体の投入操作を検出する投入操作検出手段と、
前記投入操作検出手段による投入操作の検出に基づいて遊技者による開始操作の検出を行う開始操作検出手段と、
複数の表示列によって構成され、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて遊技に必要な図柄を変動表示する変動表示手段と、
前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて内部当選役を決定する内部当選役決定手段と、
前記内部当選役決定手段の決定結果に基づいて、前記図柄の変動表示を停止制御する停止制御手段と、
前記複数の表示列に停止表示された図柄の組合せに基づいて遊技者に遊技媒体を付与する遊技媒体付与手段と、
前記開始操作検出手段による開始操作の検出から前記遊技媒体付与手段による図柄の組合せに基づく遊技媒体の付与までを一回の遊技とする遊技機において、遊技の回数によって区分される区間を特定し、所定区間として設定することが可能な区間設定手段と、
所定回数の遊技の間に前記遊技媒体付与手段により遊技者に付与する遊技媒体の総数を前記所定回数の遊技を行うために要する遊技媒体の総数で割算することにより得られる付与率を設定することが可能な設定手段と、を備え、
前記所定回数の遊技を開始する前に、前記内部当選役決定手段は、前記設定手段によって設定された付与率に基づいて前記所定回数の遊技の間において内部当選役ごとに内部当選する回数を決定することを特徴とする遊技機。 - 請求項1記載の遊技機において、前記内部当選役決定手段は、前記内部当選する回数に基づいて、前記所定回数の遊技毎の内部当選役を決定することを特徴とする遊技機。
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