図1は、本発明の一実施形態の遊技機1の外観を示す斜視図である。遊技機1は、いわゆる「パチスロ機」である。この遊技機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークンなどの他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
遊技機1の全体を形成しているキャビネット2の正面には、略垂直面としてのパネル表示部2aが形成され、その中央には縦長矩形の表示窓4L,4C,4Rが設けられる。表示窓4L,4C,4Rには、入賞ラインとして水平方向にトップライン8b,センターライン8c及びボトムライン8d、斜め方向にクロスアップライン8a及びクロスダウンライン8eが設けられている。これらの入賞ラインは、後述の1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13を操作すること、或いはメダル投入口22にメダルを投入することにより、それぞれ1本、3本、5本が有効化される。どの入賞ラインが有効化されたかは、後で説明するBETランプ9a,9b,9cの点灯で表示される。
ここで、入賞ライン8a〜8eは、役の入賞の成否に関わる。具体的には、所定の役(例えば、後述の「ベルの小役」)に対応する一の図柄(所定の役に対応する図柄組合せを構成する図柄がいずれかの有効ラインに対応する所定の位置に並んで停止表示されることにより、所定の役が入賞することとなる。
キャビネット2の内部には、各々の外周面に複数種類の図柄によって構成される図柄列が描かれた3個のリール3L,3C,3Rが回転自在に横一列に設けられ、変動表示手段を形成している。各リールの図柄は表示窓4L,4C,4Rを透して観察できるようになっている。各リールは、定速回転(例えば80回転/分)で回転する。
表示窓4L,4C,4Rの左側には、1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c、情報表示部18が設けられる。1−BETランプ9a、2−BETランプ9b及び最大BETランプ9cは、一のゲームを行うために賭けられたメダルの数(以下「BET数」という)に応じて点灯する。
1−BETランプ9aは、BET数が“1”で1本の入賞ラインが有効化されたとき(1本の有効ラインが設定されたとき)に点灯する。2−BETランプ9bは、BET数が“2”で3本の入賞ラインが有効化されたとき(3本の有効ラインが設定されたとき)に点灯する。最大BETランプ9cは、BET数が“3”で全て(5本)の入賞ラインが有効化されたとき(全て(5本)の有効ラインが設定されたとき)に点灯する。情報表示部18は、7セグメントLEDから成り、貯留(クレジット)されているメダルの枚数、入賞時のメダルの払出枚数などを表示する。
表示窓4L,4C,4Rの下方には水平面の台座部10が形成され、その台座部10と表示窓4L,4C,4Rとの間には液晶表示装置5が設けられている。この液晶表示装置5の表示画面5aには、遊技に関連する情報、例えば、後述のレギュラーボーナスに内部当選したことなどを内容とする情報などが表示される。液晶表示装置5の右側にはメダル投入口22が設けられ、液晶表示装置5の左側には、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、及び最大BETスイッチ13が設けられる。
1−BETスイッチ11は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの1枚がゲームに賭けられ、2−BETスイッチ12は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの2枚がゲームに賭けられ、最大BETスイッチ13は、1回のゲームに賭けることが可能な最大枚数のメダルが賭けられる。これらのBETスイッチ11,12,13を操作することで、前述のとおり、所定の入賞ラインが有効化される。以下、遊技者によって一のゲームに賭けられたメダルの枚数をBET数という。
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。C/Pスイッチ14の右側には、遊技者の操作により上記リールを回転させ、表示窓4L,4C,4R内での図柄の変動表示を開始するためのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。
台座部10の前面部中央で、液晶表示装置5の下方位置には、3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個の停止ボタン(停止操作手段)7L,7C,7Rが設けられている。メダル受け部16の上方の左右には、スピーカ21L,21Rが設けられている。なお、実施形態では、一のゲーム(単位遊技)は、基本的にスタートレバー6が操作されることにより開始し、全てのリール3L,3C,3Rが停止したときに終了する。
ここで、実施形態では、いずれの遊技状態においても、滑りコマ数の最大値を“4”に設定している。「滑りコマ数」は、基本的に、停止ボタン7L,7C,7Rが操作されてから(操作を検出してから)、リール3L,3C,3Rを停止させるまでの間に表示させる図柄の数である。また、停止ボタン7L,7C,7Rが操作された後、対応するリール3L,3C,3Rが停止するまでの間に移動した図柄の数(図柄の移動量)である。具体的には、滑りコマ数は、停止ボタン7L,7C,7Rが操作された後、対応するリール3L,3C,3Rが停止するまでの間に図柄中央がセンターライン8cなどの所定の入賞ラインを横切った図柄の数と一致する。
図2は、各リール3L,3C,3Rに表わされた複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には00〜20のコードナンバーが付され、データテーブルとして後で説明するROM32(図10)に格納(記憶)されている。各リール3L,3C,3R上には、“赤7(図柄91)”、“青7(図柄92)”、“BAR(図柄93)”、“ベル(図柄94)”、“スイカ(図柄95)”、“Replay(図柄96)”、及び“チェリー(図柄97)”の図柄で構成される図柄列が表わされている。各リール3L,3C,3Rは、図柄列が図2の矢印方向に移動するように回転駆動される。
ここで、実施形態の役には、RB、リプレイ、ベルの小役があるが、図2に示される“スイカ(図柄95)”および“チェリー(図柄97)”の図柄は、入賞役の成立に関係しない図柄である。なお、RBは、第1種特別役物である。
図3を参照して、役と図柄組合せと払出枚数について説明する。
遊技機1が取り得る遊技状態には、一般遊技状態、持越状態、高確率再遊技状態(非持越)、高確率再遊技状態(持越)、RB遊技状態の5種類がある。
RBの入賞は、“赤7−赤7−赤7”、“青7−青7−青7”、または“BAR−BAR−BAR”が有効ラインに沿って並ぶことにより実現する。RBは、入賞することによって、遊技状態がRB遊技状態へ移行し、このRB遊技状態において8回のベルの小役が入賞することによりRB遊技状態は終了し、高確率再遊技状態(非持越)へ移行する。高確率再遊技状態(非持越)は、ベルの小役が内部当選すると終了する。なお、図3では、一般遊技状態および高確率再遊技状態(非持越)において、BET数が2、3枚のとき、RBが入賞すると、それぞれ88枚、72枚としているが、これらの枚数は、移行したRB遊技状態を通じてベルの小役の入賞により遊技者に払出されるメダル枚数の合計値の平均値(期待値)である。なお、RBが入賞した場合、メダルの払出し枚数は0枚である。
リプレイの入賞は、“Replay−Replay−Replay”が有効ラインに沿って並ぶことにより実現する。リプレイが入賞すると、投入したメダルの枚数と同数のメダルが自動投入されるので、遊技者はメダルを消費することなく次のゲームを行うことができる。すなわち、リプレイは、入賞することにより、投入したメダルの枚数と同数のメダルが遊技者に付与される役でありかつ遊技価値の投入をすることによらずに遊技を行うことができる役である。一般遊技状態または高確率再遊技状態(非持越および持越)において、リプレイに入賞すると、BET数が2のときは2枚のメダルが自動投入によって遊技者に付与され、BET数が3のときは3枚のメダルが自動投入によって遊技者に付与される。
ベルの小役の入賞は、“ベル−ベル−ベル”が有効ラインに沿って並ぶことにより実現する。遊技状態、BET枚数を問わず、ベルの小役が入賞すると、遊技者に対して15枚のメダルが付与される。
一般遊技状態および高確率再遊技状態(非持越)では、ベルの小役、リプレイ、RBが入賞する可能性がある。また、高確率再遊技状態(持越)では、ベルの小役、リプレイが入賞する可能性がある。また、RB遊技状態中は、ベルの小役のみ入賞する可能性がある。いずれの役も入賞しない場合は、ハズレであり、遊技者に対してメダルの付与、払出しは行われない。
なお、本実施形態では、高確率再遊技状態(非持越)への移行の条件(すなわち、高確率再遊技状態(非持越)の発生条件)は、上記の通り、(1)RB遊技状態の終了としているが、これに限らず、次の条件を移行条件としてもよい。
(2) RBが内部当選すること。または、RBが内部当選したゲームで遊技者がRBを取りこぼしたため、RBの成立フラグが次ゲームに持越されること。
(3) RBが入賞すること。
(4) RBが内部当選していないまたはRB遊技状態でない場合に、特定の図柄の組合せが停止表示されること。
(5) (3)または(4)の条件の成立の後に、所定の遊技結果が所定回数得られること。
(6) 上記(1)から(5)の条件を適宜組合せた条件。
なお、本実施形態では、高確率再遊技状態(非持越および持越)からの移行条件(すなわち、高確率再遊技状態(非持越および持越)の終了条件)は、上記の通り、(1´)ベルの小役が内部当選することとしているが、これに限らず、次の条件を移行条件としてもよい。
(2´) RBが内部当選すること。
(3´) 所定の役(RB、ベルの小役など)が内部当選した後に所定回数(例えば100)のゲームを消化したこと。
(4´) (3´)を前提として、消化するゲームの所定回数を抽選により決定し、この決定結果の回数分のゲームを消化したこと。
(5´) 所定の役(RB、ベルの小役など)が内部当選したとき、一般遊技状態に移行させるか否かを抽選により決定し、この決定結果が一般遊技状態に移行させるものであること。
(6´) (5´)を前提として、一般遊技状態に移行し易い期間と、一般遊技状態に移行し難い期間とを設けて、一般遊技状態への移行を抽選により決定し、この決定結果が一般遊技状態に移行させるものであること。
(7´) 上記(1´)から(6´)の条件を適宜組合せた条件。
一般遊技状態は、高確率再遊技状態(非持越)にあるゲームおいて、ベルの小役が内部当選することによって移行する。
持越状態は、一般遊技状態の状態にあるゲームにおいて、RBが内部当選したものの遊技者が取りこぼしたために入賞しなかったときに、RBが内部当選した情報が保存されこのゲームの次回以降のゲームに持越された遊技状態である。または、高確率再遊技状態(持越)にあるゲームにおいて、ベルの小役が内部当選することによって、持越状態へ移行する。
高確率再遊技状態(持越)は、高確率再遊技状態(非持越)にあるゲームにおいて、RBが内部当選したものの遊技者が取りこぼしたために入賞しなかったときに、RBが内部当選した情報が保存されこのゲームの次回以降のゲームに持越された遊技状態である。
高確率再遊技状態(非持越)は、RB遊技状態が終了することによって移行する遊技状態である。
RB遊技状態は、一般遊技状態、持越状態、高確率再遊技状態(持越)のいずれかの遊技状態において、RBが入賞することによって移行する遊技状態である。
なお、上記持越状態および高確率再遊技状態(持越)において持越される、RBが内部当選した情報は1つである。すなわち、RBは、1回の入賞分しか持越されない。
次に、図4を参照して、遊技状態ごとおよびBET数ごとの、各内部当選役が内部抽選によって当選する当選確率を管理する確率抽選テーブルについて説明する。なお、各確率抽選テーブルの乱数抽出範囲は0〜16383である。これらのテーブルは、後述のROM32(図10参照)に格納され、後述する図11のステップS12の確率抽選処理で参照される。
図4(1−1)は、一般遊技状態用確率抽選(BET数2)テーブルである。このテーブルは、一般遊技状態でBET数が2(投入されたメダルの所定数量)のときの確率抽選で参照されるテーブルである。このテーブルに基づくと、RB、リプレイ、ベルの小役、ハズレの各内部当選役の当選確率は、1/13.54、1/6.69、1/12.51、1/1.44である。
図4(1−2)は、一般遊技状態用確率抽選(BET数3)テーブルである。このテーブルは、一般遊技状態でBET数が3(投入されたメダルの特定数量)のときの確率抽選で参照されるテーブルである。このテーブルに基づくと、RB、リプレイ、ベルの小役、ハズレの各内部当選役の当選確率は、1/17.25、1/6.69、1/2.03、1/3.33である。
図4(2−1)は、高確率再遊技状態(非持越)用確率抽選(BET数2)テーブルである。このテーブルは、高確率再遊技状態でBET数が2(投入されたメダルの所定数量)のときの確率抽選で参照されるテーブルである。このテーブルに基づくと、RB、リプレイ、ベルの小役、ハズレの各内部当選役の当選確率は、1/13.54、1/1.18、1/23.08、1/25.76である。
図4(2−2)は、高確率再遊技状態(非持越)用確率抽選(BET数3)テーブルである。このテーブルは、高確率再遊技状態でBET数が3(投入されたメダルの特定数量)のときの確率抽選で参照されるテーブルである。このテーブルに基づくと、RB、リプレイ、ベルの小役、ハズレの各内部当選役の当選確率は、1/17.25、1/6.30、1/2.03、1/3.43である。
なお、投入されたメダルの所定数量は、BET数が2のときに限らず、1あるいは3のときでもよく、複数でもよい。また、投入されたメダルの特定数量は、BET数が3のときに限らず、1あるいは2のときでもよく、複数でもよい。ただし、投入されたメダルの所定数量と投入されたメダルの特定数量は、互いに異なるように設定される。
図4(3)は、RB遊技状態用確率抽選テーブルである。このテーブルは、RB遊技状態のときの確率抽選で、BET数にかかわらず参照されるテーブルである。このテーブルに基づくと、ベルの小役、ハズレの各内部当選役の当選確率は、1/1.00、1/16384である。
なお、一般遊技状態用および高確率再遊技状態(非持越)用の確率抽選テーブルには、BET数が1のときに使用されるものがあるが、本実施形態では、説明を省略する。また、持越状態、高確率再遊技状態用(持越)確率抽選テーブルにも、BET数が1、2、3のときにそれぞれ使用されるものがある。これらの確率抽選テーブルは、確率抽選で参照することによってもボーナス(RBなど)が抽選されないように構成されている点が特徴であるが、本実施形態では、詳細な説明を省略する。
次に、図5を参照して、図4の確率抽選テーブルを使用した場合に一のゲームで遊技者が獲得するメダルの獲得期待枚数(遊技者が獲得するメダルの枚数の平均値)に基づき、本発明の遊技機1が備える遊技性の特徴について説明する。
図5(1)は、BET数が2の場合の、遊技状態および内部当選役ごとの、一のゲームにおけるメダルの払出し枚数、当選確率、メダルの期待獲得枚数を示す。ここで、メダルの期待獲得枚数は、内部当選役に基づいて遊技者に付与されるメダルの払出し枚数にこの内部当選役の当選確率を乗じた結果からBETされた2枚のメダルを差し引いた枚数である。すなわち、一のゲームあたり、遊技者が獲得することができるメダルの期待枚数を示す。
図5(1)において、一般遊技状態のとき、内部当選役がベルの小役の期待獲得枚数は、15×(1/12.51)−2=−0.80である。同様に、その他の内部当選役の期待獲得枚数も、対応する払出し枚数と当選確率を乗じて2を減じることによって、リプレイ、RB、ハズレはそれぞれ−1.70、4.50、−2.00となる。ここで、これら内部当選役の期待獲得枚数の和は、−0.80−1.70+4.50−2.00=0となる。すなわち、一般遊技状態でBET数2のときは、一のゲームあたり、遊技者が獲得することができるメダルの期待枚数は、長期的にみて0枚に収束する様にしている。
同じく、図5(1)において、高確率再遊技状態(非持越)のとき、内部当選役がベルの小役の期待獲得枚数は、15×(1/23.08)−2=−1.35である。同様に、その他の内部当選役の期待獲得枚数も、対応する払出し枚数と当選確率を乗じて2を減じることによって、リプレイ、RB、ハズレはそれぞれ−0.31、4.50、−2.00となる。ここで、これら内部当選役の期待獲得枚数の和は、−1.35−0.31+4.50−2.00=0.84となる。すなわち、高確率再遊技状態(非持越)でBET数2のときは、一のゲームあたり、遊技者が獲得することができるメダルの期待枚数は、長期的にみて0.84枚に収束する様にしている。
同じく、図5(1)において、RB遊技状態のとき、内部当選役がベルの小役の期待獲得枚数は、15×(1/1.00)−2=13.00である。ハズレの期待獲得枚数は、−2.00である。ここで、これら内部当選役の期待獲得枚数の和は、13.00−2.00=11.00となる。すなわち、RB遊技状態でBET数2のときは、一のゲームあたり、遊技者が獲得することができるメダルの期待枚数は、長期的にみて11.00枚に収束する様にしている。
なお、BET数が2のとき、RBの内部当選役の払出し枚数は、一回のRB遊技状態が8回のベルの小役の内部当選によって終了するため、RB遊技状態中の一のゲームの期待獲得枚数11.00枚に、一回のRB遊技状態中にベルの小役が内部当選する回数である8回を乗じた結果の88に等しい。
また、図5(2)は、BET数が3の場合の、遊技状態および内部当選役ごとの、一のゲームにおけるメダルの払出し枚数、当選確率、メダルの期待獲得枚数を示す。
図5(2)において、一般遊技状態のとき、内部当選役がベルの小役の期待獲得枚数は、15×(1/2.03)−3=4.38である。同様に、その他の内部当選役の期待獲得枚数も、対応する払出し枚数と当選確率を乗じて3を減じることによって、リプレイ、RB、ハズレはそれぞれ−2.55、1.17、−3.00となる。ここで、これら内部当選役の期待獲得枚数の和は、4.38−2.55+1.17−3.00=0となる。すなわち、一般遊技状態でBET数3のときも、一のゲームあたり、遊技者が獲得することができるメダルの期待枚数は、長期的にみて0枚に収束する様にしている。
同じく、図5(2)において、高確率再遊技状態(非持越)のとき、内部当選役がベルの小役の期待獲得枚数は、15×(1/2.03)−3=4.38である。同様に、その他の内部当選役の期待獲得枚数も、対応する払出し枚数と当選確率を乗じて3を減じることによって、リプレイ、RB、ハズレはそれぞれ−2.52、1.17、−3.00となる。ここで、これら内部当選役の期待獲得枚数の和は、4.38−2.52+1.17−3.00=0.03となる。すなわち、高確率再遊技状態(非持越)でBET数3のときは、一のゲームあたり、遊技者が獲得することができるメダルの期待枚数は、長期的にみて0.03枚に収束する様にしている。
同じく、図5(2)において、RB遊技状態のとき、内部当選役がベルの小役の期待獲得枚数は、15×(1/1.00)−3=12.00である。ハズレの期待獲得枚数は、−3.00である。ここで、これら内部当選役の期待獲得枚数の和は、12.00−3.00=9.00となる。すなわち、RB遊技状態でBET数3のときは、一のゲームあたり、遊技者が獲得することができるメダルの期待枚数は、長期的にみて9.00枚に収束する様にしている。
なお、BET数が3のときもBET数が2のときと同様に、RBの内部当選役の払出し枚数は、一回のRB遊技状態が8回のベルの小役の内部当選によって終了するため、RB遊技状態中の一のゲームの期待獲得枚数9.00枚に、一回のRB遊技状態中にベルの小役が内部当選する回数である8回を乗じた結果の72に等しい。
ここで、図5(1)と(2)を比較すると、一般遊技状態の場合は、BET数が2のときおよび3枚のときは、ともに、一のゲームで遊技者が獲得する期待獲得枚数は0である。ここで、遊技者が例えば50枚のメダルで遊技を行うとすると、一般遊技状態の場合に、BET数が2のとき、この50をRB以外の内部当選役の期待獲得枚数の和の絶対値4.5で割った商は、約11である。一方、一般遊技状態の場合に、BET数が3の場合に、この50をRB以外の内部当選役の期待獲得枚数の和の絶対値1.17で割った商は、約42である。このことから、遊技者が50枚のメダルで、RBに内部当選しなくとも最低限継続することができる遊技の回数は、BET数が2のとき11回であり、BET数が3のとき42回である。よって、一般遊技状態のとき、BET数が2のときよりもBET数が3のときの方が遊技者にとって有利であると言い得る。
一方、高確率再遊技状態(非持越)の場合は、BET数が2のとき一のゲームで遊技者が獲得する期待獲得枚数は0.84であり、BET数が3のとき一のゲームで遊技者が獲得する期待獲得枚数は0.03であるため、BET数が3よりも2枚の方が、遊技者にとって有利であると言い得る。
このように、遊技状態およびBET数に応じて各内部当選役が当選する確率を異ならせることにより、遊技者にとっての有利さの度合いを異ならせることができる場合があり、遊技の多様性を高め、遊技者の興趣を向上させる場合がある。
図6を参照して、停止用当選役選択テーブルについて説明する。このテーブルは、後述する図10のROM32に格納され、図11のステップS14の停止用当選役決定処理で参照される。なお、このテーブルの乱数抽出範囲は、0〜127である。図6に示す様に、100%の確率で、いずれの内部当選役も、そのまま停止用当選役に採用される。
図7を参照して、停止テーブル群決定テーブルについて説明する。このテーブルは、後述する図10のROM32に格納され、図11のステップS14の停止用当選役決定処理で参照される。図7に示す様に、遊技状態と停止用当選役とに基づいて、各停止テーブル群が選択される。停止テーブル群とは、特定の役がいずれかの有効ラインに沿って入賞する、または入賞可能とする様に、リール3L,3C,3Rの変動を停止制御するために使用される停止テーブルの集合である。ここで、RB入賞成立可能停止テーブル群が選択されると、RBの入賞が可能となる。また、リプレイ入賞成立可能停止テーブル群が選択されると、必ずリプレイが入賞する。また、ベルの小役入賞可能停止テーブル群が選択されると、必ずベルの小役が入賞する。ただし、入賞不可能停止テーブル群が選択されると、遊技者のいかなる停止操作の態様によっても、いずれの役も入賞しない。
図8および図9は、図7に示した各停止テーブル群に含まれる停止テーブルの一例を示す図である。各停止テーブルは、停止操作位置を示す00から20までのコードナンバーと、この停止操作位置に対応するリール3L,3C,3Rの停止制御位置と、の対応の情報が格納されるテーブルである。
停止テーブルには、各リール3L,3C,3Rの停止操作位置と停止制御位置とが示されている。停止操作位置は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられた停止ボタン7L,7C,7Rが操作された場合に、センターライン8cに位置していた図柄(具体的には、図柄の中心がセンターライン8cの上方に位置し、その中心がセンターライン8cの位置に最も近い図柄)のコードナンバーを表わす。停止制御位置とは、停止操作が行われたリールが停止したとき、センターライン8cの位置に停止表示される図柄のコードナンバーを表わす。
ここで、本実施形態では、いわゆる滑りコマ数を最大“4コマ”としている。例えば、右のリール3Rの回転中において、コードナンバー09の“ベル”がセンターライン8cの位置に到達したとき、停止ボタン7Rが操作された場合、コードナンバー07の“ベル”をセンターライン8cの位置に停止表示するように右のリール3Rを停止制御することができる。
図8(1)は、RB入賞成立可能停止テーブル群に含まれるRB入賞成立可能停止テーブルの一例である。このテーブルは、RBの入賞が実現するようにリールを停止制御する際に使用される。
図8(1)において、リール3Lの停止制御位置は、コードナンバー01、05、08、13、14、または16のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄の1つ上の図柄は、それぞれ“赤7”、“ベル”、“BAR”、“ベル”、“青7”、“BAR”である。
図8(1)において、リール3Cの停止制御位置は、コードナンバー00、02、07、08、13、16、または19のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、それぞれ“赤7”、“ベル”、“ベル”、“青7”、“BAR”、“ベル”、“ベル”である。
図8(1)において、リール3Rの停止制御位置は、コードナンバー00、04、08、12、17、または20のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄の1つ下の図柄は、それぞれ“赤7”、“Replay”、“青7”、“BAR”、“Replay”、“赤7”である。
以上のように、図8(1)に示すRB入賞可能停止テーブルが各リール3L,3C,3Rの停止制御に使用された場合には、クロスダウンライン8eの位置に“赤7−赤7−赤7”、“青7−青7−青7”、または“BAR−BAR−BAR”、が並んで停止表示され、RBの入賞が実現する場合がある。
図8(2)は、リプレイ入賞成立可能停止テーブル群に含まれるリプレイ入賞成立可能停止テーブルの一例である。このテーブルは、リプレイの入賞が実現するようにリールを停止制御する際に使用される。
図8(2)において、リール3Lの停止制御位置は、コードナンバー02、07、10、15、または19のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄の1つ上の図柄は、いずれも“Replay”である。
図8(2)において、リール3Cの停止制御位置は、コードナンバー01、06、10、15、または18のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、いずれも“Replay”である。
図8(2)において、リール3Rの停止制御位置は、コードナンバー01、04、09、13、または17のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄の1つ下の図柄は、いずれも“Replay”である。
以上のように、図8(2)に示すRB入賞可能停止テーブルが各リール3L,3C,3Rの停止制御に使用された場合には、クロスダウンライン8eの位置に“Replay−Replay−Replay”、が並んで停止表示され、リプレイの入賞が必ず実現する。
図9(1)は、ベルの小役入賞成立可能停止テーブル群に含まれるベルの小役入賞成立可能停止テーブルの一例である。このテーブルは、ベルの小役の入賞が実現するようにリールを停止制御する際に使用される。
図9(1)において、リール3Lの停止制御位置は、コードナンバー02、05、10、13、15、または19のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄の1つ上の図柄は、いずれも“ベル”である。
図9(1)において、リール3Cの停止制御位置は、コードナンバー02、07、09、12、16、または19のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、いずれも“ベル”である。
図9(1)において、リール3Rの停止制御位置は、コードナンバー03、06、11、15、または19のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄の1つ下の図柄は、いずれも“ベル”である。
以上のように、図9(1)に示すベルの小役入賞可能停止テーブルが各リール3L,3C,3Rの停止制御に使用された場合には、クロスダウンライン8eの位置に“ベル−ベル−ベル”、が並んで停止表示され、ベルの小役の入賞が必ず実現する。
図9(2)は、入賞不可能停止テーブル群に含まれる入賞不可能停止テーブルの一例である。このテーブルは、いずれの役の入賞も実現しないようにリールを停止制御する際に使用される。
図9(2)において、リール3Lの停止制御位置は、コードナンバー02、05、10、13、15、または19のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄の1つ上の図柄は、いずれも“ベル”である。
図9(2)において、リール3Cの停止制御位置は、コードナンバー02、07、09、12、16、または19のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、いずれも“ベル”である。
図9(2)において、リール3Rの停止制御位置は、コードナンバー01、04、09、13、または17のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄の1つ下の図柄は、いずれも“Replay”である。
以上のように、図9(2)に示す入賞不可能停止テーブルが各リール3L,3C,3Rの停止制御に使用された場合には、クロスダウンライン8eの位置に“ベル−ベル−Replay”、が並んで停止表示され、いずれの役の入賞も実現しない。
図10は、本実施形態の遊技機1における遊技処理動作を制御する主制御回路71と、主制御回路71に電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)と、主制御回路71から送信される制御指令に基づいて液晶表示装置5、スピーカ21L,21R、LED類101及びランプ類102を制御する副制御回路72とを含む回路構成を示す。
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU31と、記憶手段であるROM32及びRAM33を含む。
CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器36及びサンプリング回路37とが接続されている。尚、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、即ちCPU31の動作プログラム上で、乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
マイクロコンピュータ30のROM32には、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数サンプリングの判定に用いられる確率抽選テーブル(図5)、停止ボタンの操作に応じてリールの停止態様を決定するための停止テーブル群(図8)、副制御回路72へ送信するための各種制御指令(コマンド)、各種テーブル等が格納されている。副制御回路72が主制御回路71へコマンド、情報等を入力することはなく、主制御回路71から副制御回路72への一方向で通信が行われる。RAM33には、種々の情報が格納される。例えば、フラグ、遊技状態の情報等が格納される。
図10の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、BETランプ(1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c)と、情報表示部18と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出すホッパー(払出しのための駆動部を含む)40と、リール3L,3C,3Rを回転駆動するステッピングモータ49L,49C,49Rとがある。
更に、ステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動制御するモータ駆動回路39、ホッパー40を駆動制御するホッパー駆動回路41、BETランプ9a,9b,9cを駆動制御するランプ駆動回路45、及び情報表示部18を駆動制御する表示部駆動回路48がCPU31の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU31から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
また、マイクロコンピュータ30が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ6S、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13、C/Pスイッチ14、メダルセンサ22S、リール停止信号回路46、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51がある。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出する。メダルセンサ22Sは、メダル投入口22に投入されたメダルを検出する。リール停止信号回路46は、各停止ボタン7L,7C,7Rの操作に応じて停止信号を発生する。リール位置検出回路50は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L,3C,3Rの位置を検出するための信号をCPU31へ供給する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの計数値(ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達した時、メダル払出完了を検知するための信号を発生する。
図10の回路において、乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数及びROM32内に格納されている確率抽選テーブルに基づいて、当選役が決定される。
リール3L,3C,3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ49L,49C,49Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM33の所定エリアに書き込まれる。リール3L,3C,3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路50を介してCPU31に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM33で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これにより、RAM33内には、各リール3L,3C,3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
上記のようなリール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄テーブル(図示せず)が、ROM32内に格納されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
更に、ROM32内には、入賞図柄組合せテーブル(図示せず)が格納されている。この入賞図柄組合せテーブルでは、入賞となる図柄の組合せと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞を表わす入賞判定コードとが対応づけられている。上記の入賞図柄組合せテーブルは、左のリール3L,中央のリール3C,右のリール3Rの停止制御時、及び全リール3L,3C,3Rの停止後の入賞確認を行う場合に参照される。
上記乱数サンプリングに基づく抽選処理(確率抽選処理)により当選した場合には、CPU31は、遊技者が停止ボタン7L,7C,7Rを操作したタイミングでリール停止信号回路46から送られる操作信号、及び選択された停止テーブルに基づいて、リール3L,3C,3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路39に送る。
当選した役の入賞を示す停止態様(入賞態様)となれば、CPU31は、払出指令信号をホッパー駆動回路41に供給してホッパー40から所定個数のメダルの払出を行う。その際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達した時に、メダル払出完了信号がCPU31に入力される。これにより、CPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止し、メダル払出処理を終了する。
図11から図13に示すメインフローチャートを参照して、主制御回路71のCPU31の制御動作について説明する。
初めに、CPU31は、遊技開始時の初期化を行う(ステップS1)。具体的には、RAM33の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行う。続いてゲーム終了時のRAM33の所定の記憶内容を消去する(ステップS2)。具体的には、前回のゲームに使用されたRAM33の書き込み可能エリアのデータの消去、RAM33の書き込みエリアへの次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定等を行う。次に、前回のゲーム終了後、すなわち全リール3L,3C,3R停止後から“30秒”経過したか否かを判別する(ステップS3)。この判別が“YES”であれば、副制御回路72に対し、客待ちであることを遊技者に報知するためのデモ画像の表示を要求するデモ表示コマンドを送信し(ステップS4)、“NO”であれば、ステップS5へ処理を移す。
ステップS5では、CPU31は、メダルの自動投入の要求があるか、すなわち前回のゲームでリプレイの入賞が成立したか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、投入要求分のメダルを自動投入し(ステップS6)、ステップS8に移る。ステップS5の判別が“NO”のときは、メダルセンサ22S又はBETスイッチ11,12,13からの入力があるか否かを判別する(ステップS7)。この判別が“YES”のときは、ステップS8に移り、“NO”のときは、ステップS3に移る。ステップS8では、メダルが投入されたこと(賭けられたこと)を示す情報を含むメダル投入コマンドを副制御回路72へ送信し、ステップS9に移る。
ステップS9では、スタートレバー6の操作に基づくスタートスイッチ6Sからの入力があるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、後述のステップS12などで使用される抽選用の乱数を抽出し(ステップS10)、ステップS11に移る。ステップS9の判別が“NO”のときは、ステップS9を繰り返す。ステップS11では、遊技状態監視処理を行い、ステップS12に移る。遊技状態監視処理では、前述の遊技状態移行条件が満たされているかどうかを判定し、遊技状態移行条件が満たされていると判定するときに遊技状態を移行し、遊技状態移行条件が満たされていると判定しないときに現在の遊技状態を維持する。例えば、前回のゲームで、RBが内部当選したにもかかわらず取りこぼしが発生した場合、このRBが内部当選した情報に基づいて、今回のゲーム以降、所定の条件が成立するまで、遊技状態を一般遊技状態から持越状態へ、または高確率再遊技状態(非持越)から高確率再遊技状態(持越)へ移行する。
ステップS12では、確率抽選処理を行い、ステップS15に移る。確率抽選処理では、BET枚数および現在の遊技状態に応じた確率抽選テーブル(ROM32(図10参照)に格納されている)を参照し、ステップS10で抽出された抽出乱数値に基づき一の内部当選役を決定する。例えば、遊技状態が一般遊技状態であれば、BET数に応じて一般遊技状態用(BET数2またはBET数3)確率抽選テーブル(図4(1−1)または(1−2))を参照して内部当選役を決定する。また、遊技状態が持越状態であれば、BET数に応じて持越状態用(BET数2またはBET数3)確率抽選テーブル(図示せず)を参照して内部当選役を決定する。また、遊技状態が高確率再遊技状態(非持越)であれば、BET数に応じて高確率再遊技状態(非持越)用(BET数2またはBET数3)確率抽選テーブル(図4(2−1)または(2−2))を参照して内部当選役を決定する。また、遊技状態が高確率再遊技状態(持越)であれば、BET数に応じて高確率再遊技状態用(持越)(BET数2またはBET数3)確率抽選テーブル(図示せず)を参照して内部当選役を決定する。
ステップS15では、ゲーム開始時のコマンド生成処理を行い、ステップS16に移る。ステップS16では、遊技状態、内部当選役、停止用当選役などの情報を含むスタートコマンドを副制御回路72へ送信し、ステップS17に移る。
ステップS17では、前回のゲームが開始してから“4.1秒”経過しているか否かを判別し、この判別が“YES”のときはステップS19に移り、“NO”のときはステップS18に移る。ステップS18では、ゲーム開始待ち時間消化処理を行い、ステップS19に移る。具体的には、前回のゲームが開始してから“4.1秒”経過するまでの間、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理を行う。
ステップS19では、リールの回転処理を行い、ステップS20に移る。ステップS20では、リール3L,3C,3Rの回転速度が一定速回転に到達した場合に、リール停止許可コマンドを副制御回路72へ送信し、図12のステップS21に移る。リール停止許可コマンドは、遊技者の停止ボタン7L,7C,7Rの操作が有効になったことを示す情報である。
ステップS21では、CPU31は、停止ボタンが“オン”かどうかを判別する。具体的には、いずれかの停止ボタン7L,7C,7Rが操作されたかどうかを判別する。この判別が“YES”のときは、ステップS23に移り、“NO”のときは、ステップS22に移る。ステップS22では、自動停止タイマの値が“0”であるか否かを判別し、この判別が“YES”のときは、ステップS23に移り、“NO”のときは、ステップS21に移る。
ステップS23では、CPU31は、滑りコマ数を決定するための滑りコマ数決定処理を行う。具体的には、決定(選択)された停止用当選役に対応する停止テーブルを選択し、選択した停止テーブルに基づいて滑りコマ数を決定する。すなわち、内部当選役及び持越役の入賞が許可されているか否か(例えば、入賞許可決定手段の決定結果)に基づいて決定される停止用当選役により滑りコマ数を決定する。続いて、滑りコマ数分、停止操作された停止ボタンに対応するリールを回転させてから停止させ(ステップS24)、停止制御の対象であるリールの情報を含むリール停止コマンドを副制御回路72へ送信する(ステップS25)。
続いて、全てのリール3L,3C,3Rが停止したかどうかを判別する(ステップS26)。この判別が“YES”のときは、ステップS27に移り、“NO”のときは、ステップS21に移る。ステップS27では、全てのリール3L,3C,3Rが停止したことを示す全リール停止コマンドを送信し、ステップS28に移る。ここで、全リール停止コマンドを受信した副制御回路72は、各リール3L,3C,3Rの裏側に設けられたバックランプ、スピーカ21L,21Rなどを制御する。
ステップS28では、入賞検索を行う。入賞検索は、表示窓4L,4C,4Rの図柄の停止態様に基づいて入賞役(入賞が成立した役)を識別するための入賞フラグをセットすることである。具体的には、センターライン8cに沿って並ぶ図柄のコードナンバー及び入賞判定テーブルに基づいて入賞役を識別する。続いて、入賞フラグが正常であるか否かを判別する(ステップS29)。この判別が“YES”のときは、図13のステップS31に移り、“NO”のときはイリーガルエラーの表示を行う(ステップS30)。この場合、遊技は中止となる。
図13のステップS31では、入賞役の情報を含む入賞コマンドをセット(送信)し、ステップS32に移る。ステップS32では、入賞役がRBであるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ステップS33に移り、“NO”のときは、ステップS34に移る。
ステップS33では、持越役(RB)の情報をクリア(消去)し、ステップS34に移る。ステップS34では、遊技状態に応じてメダルのクレジット又は払出しを行うとともに、入賞役に応じて遊技状態をRB遊技状態へ移行させ、ステップS35に移る。
ステップS35では、RB遊技状態であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ステップS36に移り、“NO”のときは、図11のステップS2に移る。ステップS36では、RB遊技数チェック処理を行い、ステップS37に移る。ステップS37では、RB遊技状態の終了か否かを判別し、この判別が“YES”のときは、ステップS38に移り、“NO”のときは、図11のステップS2に移る。ステップS38では、遊技状態を高確率再遊技状態へ移行させるなどのRB終了時処理を行い、図11のステップS2に移る。
ここで、RB遊技状態において、ベルの小役の入賞回数が8回又はゲーム回数が12回である場合には、ステップS37の判別が“YES”となる。
本実施形態は、本発明の特徴を端的に説明するため、遊技機1の遊技性を最も単純化した。例えば、遊技機1に設定される役の種類は、RB、リプレイ、ベルの小役、ハズレの4種類としたが、これに限らず、更に多くの役を設定することも可能である。また、本実施形態では、遊技機1は、第1種特別役物(RB)のみが設定されるとしたが、この第1種特別役物を連続して作動させる役物連続作動装置(ビッグボーナス、BB)を備えることもできる。なお、役物連続作動装置であるBB(BB遊技状態)は、所定枚数のメダル(例えば、361枚)の払出しを以って終了する。
さらに、第2種特別役物(チャレンジゲーム、CG、および/または、シングルチャレンジゲーム、SCG)およびこの第2種特別役物を連続して作動させる役物連続作動装置(チャレンジタイム、CT)を備えることもできる。また、普通役物(シングルボーナス、SB)を備えることもできる。
本実施形態の遊技機1は、停止制御手段(例えば、図12のステップS24を実行する主制御回路71など)を備える。遊技機1は、CTが設定されている場合、この停止制御手段が所定の初期停止制御を行ってからリール3L,3C,3Rの変動表示を停止させるまでの間に、リール3L,3C,3Rなどの変動表示手段に表示させる識別情報(例えば、図2に示す各種図柄など)の数である滑り表示数(例えば、滑りコマ数)を、所定の最大滑り表示数(例えば、4コマ)以下の数のうちから決定する滑り表示数決定手段を有する。そして、遊技状態が特定の遊技状態(例えば、CT遊技状態)であることを条件に、前記滑り表示数決定手段が、特定の最大滑り表示数以下の数のうちから前記滑り表示数(例えば、0、1、または2)を決定するように構成される。この様にして、CTの遊技性は実現される。
すなわち、CTとは、遊技機1は、CT遊技状態を備え、この遊技状態にあるとき、基本的に一又は複数のリールについて、滑りコマ数の最大値(最大滑り表示数)は例えば1に設定されている。一方、CT遊技状態以外の遊技状態における滑りコマ数の最大値は4に設定されている。滑りコマ数は、基本的に、停止ボタン7L,7C,7Rが操作されてから(操作信号の入力を検出してから)、リール3L,3C,3Rを停止させるまでの間に移動表示させる図柄の数である。また、停止ボタン7L,7C,7Rが操作された後、対応するリール3L,3C,3Rが停止するまでの間に移動した図柄の数(図柄の移動量)である。具体的には、滑りコマ数は、停止ボタン7L,7C,7Rが操作された後、対応するリール3L,3C,3Rが停止するまでの間にセンターライン8cなどの所定の入賞ラインを横切った図柄の数と一致する。このように、遊技機1の遊技状態がCT遊技状態にあると、その他の遊技状態にあるときよりも滑りコマ数が少なく、引き込み制御を比較的行わないので、遊技者の目押しの技術介入性の余地を大きくし、遊技の興趣を高める場合がある。
上記のように、遊技機1に設定される役の種類を本実施形態よりも多くした場合であっても、当選確率管理手段および払出枚数管理手段により管理される内部当選役の当選確率およびこの内部当選役に応じて遊技者に払出されるメダルの枚数を、BET数に応じて管理することによって、本発明は実施可能である。すなわち、BET数ごとに異なる確率抽選テーブルを用意し、さらにこの確率抽選テーブルは、遊技状態ごとに内部当選役が当選する確率が異なる。例えば、一般遊技状態において、BET数が2のときのボーナス(BB、RB、CTなど)以外の内部当選役の期待獲得枚数の和の絶対値と、BET数が3のときのボーナス以外の内部当選役の期待獲得枚数の和の絶対値と、を比較したとき、後者の方が小さい値となるように、内部当選役の当選確率およびこの内部当選役に応じて遊技者に払出されるメダルの枚数を管理する。また、高確率再遊技状態において、BET数が2のときの期待獲得枚数の和と、BET数が3のときの期待獲得枚数の和と、を比較したとき、前者の方が大きい値となるように、内部当選役の当選確率およびこの内部当選役に応じて遊技者に払出されるメダルの枚数を管理する。このように、BET数に応じて当選確率管理手段が内部当選役の当選確率を管理し、払出枚数管理手段がこの内部当選役に応じて遊技者に払出されるメダルの枚数を管理するように遊技機1を構成することによって、例えば、一般遊技状態では、BET数が2よりも3である方が、遊技者にとって有利となり、高確率再遊技状態では、BET数が3よりも2である方が、遊技者にとって有利となる。このことによって、遊技機1の遊技性が多彩となる場合があり、遊技の興趣が向上する場合がある。
本実施形態では、一般遊技状態用および高確率再遊技状態用の確率抽選テーブルで、BET数が2および3のときに使用されるもののみを説明し、BET数が1のときに使用されるものの説明を省略した。しかし、例えば、一般遊技状態では、BET数が2の方が遊技者にとって有利であり、高確率再遊技状態では、BET数が1の方が遊技者にとって有利である様に、当選確率管理手段および払出枚数管理手段が、BET数が1のときの内部当選役の当選確率、およびこの内部当選役に応じて遊技者に払出されるメダルの枚数を管理するよう適宜設計変更可能である。
遊技状態が高確率再遊技状態へ移行する条件は、次の(a)から(e)を含む。
(a) 第1種特別役物(RB、または、CGおよび/またはSCG)又は役物連続作動装置(BB、または、CT)の作動に係る条件装置が作動(ボーナスフラグがオン)したとき。
(b) 第1種特別役物又は役物連続作動装置が作動することとなる図柄の組合せ(“BAR−BAR−BAR”、または、“赤7−赤7−赤7”、“青7−青7−青7”)が表示されたとき。
(c) 第1種特別役物又は役物連続作動装置の作動が終了したとき。
(d) 第1種特別役物又は役物連続作動装置の作動に係る条件装置、第1種特別役物又は役物連続作動装置が作動していない場合において、特定の図柄の組合せが表示されたとき。
(e) (c)又は(d)のいずれかに掲げるときの後に行われた予め定められた回数の遊技の結果が得られたとき。
本実施形態では、特別遊技状態は、高確率再遊技状態であるとしたが、これに限らず、BB遊技状態、RB遊技状態、CT遊技状態などであってもよい。
本実施形態のような遊技機1の他、パチンコ遊技機、パチロット等の他の遊技機にも本発明を適用できる。さらに、上述の遊技機1での動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。