JP4223149B2 - 中空構造物における中空室遮断具とその製造方法 - Google Patents

中空構造物における中空室遮断具とその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、中空構造物における中空室遮断具とその製造方法に関し、主として複数枚のパネルによって中空の箱形閉じ断面に構成された車両ボディの中空パネル(例えば、ピラー、ロッカーパネル、ルーフサイドパネル等)のような中空構造物の制振、防音等を高めるために、その中空室を遮断する中空構造物における中空室遮断具とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の中空構造物における中空室遮断具には、例えば、特開平10−91170号公報に開示されている。
これにおいては、図13に示すように、中空構造物の中空室に取り付けられるホルダ体120と、そのホルダ体120に保持されかつ外部加熱によって発泡して発泡体となることで中空室を遮断する発泡性基材111とを備えて中空室遮断具110が構成されている。
また、ホルダー体120は、中空室の長手方向にそれぞれ直交する一対のホルダプレート130、160を有し、一方のホルダプレート130の一側面には、そのホルダプレート130の周縁部近傍に沿って略環状をなす環状保持壁141が突設されている。また、一対のホルダプレート130、160の一側周縁部はヒンジ部121によって開閉可能に連結され、これら一対のホルダプレート130、160の他側には、閉止爪153と閉止孔161とが係合可能に設けられている。
一方、環状保持壁141の外周に沿って環状の板状をなす発泡性基材111は、射出成形用の成形金型内に発泡剤混入の発泡性材料が射出されて所要とする形状に形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来の中空室遮断具110において、発泡性基材111を所要とする形状に形成するために、射出成形用の成形型を製作しなければならない。
また、中空構造物としての車両ボディの中空パネルには、例えば、ピラー、ロッカーパネル、ルーフサイドパネル等があり、これら中空パネルの断面形状大きさも多種多様である。
このため、多種多様の中空パネルの断面形状に対応する発泡性基材111を製作するためには、その数に相当する分だけ射出成形用の成形金型を製作しなければならず、その成形金型の製作費が膨大となるという問題点があった。
【0004】
この発明の目的は、前記問題点に鑑み、発泡性基材に対応する射出成形用の成形金型を製作する必要性を解消することができ中空室遮断具を安価に提供することができる中空構造物における中空室遮断具とその製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に係る中空構造物における中空室遮断具は、請求項1に記載のとおりの構成を要旨とする。
したがって、予め押出成形によって保持溝の長さに相当する長さに形成された発泡性材料よりなる押出し品がホルダプレートの略環状の保持溝の溝内に嵌込まれて保持されることで発泡性基材を容易に構成することができる。
このため、従来と異なり、多種多様の中空パネルの断面形状に対応する発泡性基材を製作するために、その数に相当する分だけ射出成形用の成形金型を製作する必要性を解消することができる。
請求項2に係る中空構造物における中空室遮断具は、請求項2に記載のとおりの構成を要旨とするもので、ホルダ体は、ホルダプレートと取付用クリップをそれぞれ一体に備え、かつ耐熱性合成樹脂の射出成形によって一体成形され、ホルダプレートは、中空室の長手方向に直交する方向に平板状をなしかつ中空室の横断面形状よりも適宜に小さく形成されている。
請求項3に係る中空構造物における中空室遮断具は、請求項3に記載のとおりの構成を要旨とするもので、ホルダプレートの外周部には、取付用クリップの座部が一体に形成され、ホルダプレートの外周面には、座部の部分を除く略全周にわたって略環状をなす保持溝が形成されている。
請求項4に係る中空構造物における中空室遮断具は、請求項4に記載のとおりの構成を要旨とするもので、押出し品が硬化する前で柔らかいうちに保持溝内に嵌込まれて保持されることで発泡性基材が構成されている。
請求項5に係る中空構造物における中空室遮断具は、請求項5に記載のとおりの構成を要旨とするもので、押出し品が硬化する前で柔らかく粘性を有するうちに保持溝内に嵌込まれて保持されることで発泡性基材が構成されている。
【0006】
また、請求項6に係る中空構造物における中空室遮断具は、請求項6に記載のとおりの構成を要旨とするもので、ホルダプレートの略環状の保持溝には発泡性基材を抜け止めして保持するための抜止手段が設けられている。
したがって、押出成形によって形成された発泡性材料よりなる押出し品がホルダプレートの略環状の保持溝の溝内に嵌込まれて保持され発泡性基材が構成される。この際、抜止手段によって発泡性基材が抜け止めされるため、略環状の保持溝から発泡性基材が不測に抜け出る不具合が防止される。
【0007】
請求項7に係る中空構造物における中空室遮断具は、請求項7に記載のとおりの構成を要旨とするもので、抜止手段は、ホルダプレートの略環状の保持溝の底部に断面蟻溝状に形成された抜止溝によって構成されている。
したがって、断面蟻溝状の抜止溝によって発泡性基材が強固に抜け止めされるため、略環状の保持溝から発泡性基材が不測に抜け出る不具合がより一層確実に防止される。
【0008】
請求項8に係る中空構造物における中空室遮断具は、請求項8に記載のとおりの構成を要旨とするもので、ホルダプレートの略環状の保持溝は断面蟻溝状に形成され、その保持溝によって抜止手段が構成されている。
したがって、断面蟻溝状に形成された略環状の保持溝によって発泡性基材を強固に抜け止めすることができ、略環状の保持溝の溝底部や側壁部に対し抜止溝や抜止孔等の抜止手段を形成する必要性を解消することができる。
請求項9に係る中空構造物における中空室遮断具は、請求項9に記載のとおりの構成を要旨とするもので、抜止手段は、ホルダプレートの略環状の保持溝の溝底部の所定位置に突設された抜止突起によって構成されている。
請求項10に係る中空構造物における中空室遮断具は、請求項10に記載のとおりの構成を要旨とするもので、抜止手段は、ホルダプレートの保持溝の両側壁部のうち、一方の側壁部又は双方の側壁部に形成された抜止孔によって構成されている。
【0009】
請求項11に係るに係る中空構造物における中空室遮断具の製造方法は、請求項11に記載のとおりの構成を要旨とする。
したがって、一側面の周縁部近傍に沿って略環状をなす略環状の保持溝が突設されたホルダプレートを有するホルダ体を形成する工程と、押出成形用ダイから押し出され、かつ 前記保持溝の外周長の相当する長さをもつ発泡性材料よりなる押出し品を用意し、前記押出し品を前記略環状の保持溝の外周に沿って嵌込んで保持することで発泡性基材を構成する工程との順によって請求項1に記載の中空室遮断具を容易にかつ安価に製造することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を図1〜図12にしたがって説明する。
図4と図5において、中空構造物としての車両ボディの中空パネル1は、インナパネル2とアウタパネル4とが、これら相互のフランジ3、5においてスポット溶接されることで、中空の箱形閉じ断面に形成されている。前記インナパネル2の所定位置には、ホルダ体20を回り止めして取り付けるための長円形、楕円形、四角形等の非円形の取付孔7が貫設されている。
【0011】
中空パネル1の中空室6を遮断する中空室遮断具10は、発泡性基材11とホルダ体20とを備えている。
この実施の形態において、ホルダ体20は、ホルダプレート30と取付用クリップ60をそれぞれ一体に備え、かつ耐熱性合成樹脂の射出成形によって一体成形されている。
ホルダプレート30は、中空パネル1の中空室6の長手方向に直交する方向にそれぞれ平板状をなしかつ中空室6の横断面形状よりも適宜に小さく形成されている。そして、ホルダプレート30の外周縁と、中空室6の内周面との間には、所定の隙間(中空パネル1が塗料槽に浸漬されたときに、その塗料槽の塗料が通過可能な程度の隙間)が設けられるようになっている。
【0012】
ホルダプレート30の外周部の一側中央部には、取付用クリップ60が一体に形成されている。この取付用クリップ60は、ホルダプレート30の外周部の一側中央部に形成された座部61と、その座部61から一体に突設されかつインナパネル2の取付孔7に差し込まれる脚部62と、その脚部62の先端から延出され、かつ取付孔7に弾性的に係合する一対の弾性係止片63とを備えている。
前記ホルダプレート30の外周面には、その取付用クリップ60の座部61の部分を除く略全周にわたって略環状をなす保持溝33が形成されている。
【0013】
図1〜図3に示すように、前記ホルダプレート30の保持溝33には、押出成形によって形成された発泡性材料よりなる押出し品11aが嵌込まれて保持されることで、発泡性基材11が構成されている。
また、この実施の形態において、略環状の保持溝33の溝底部のうち、取付用クリップ60が設けられる一側と、その反対側の溝底部には、抜止手段としての断面蟻溝状をなす抜止溝41が形成されている(図2参照)。
そして、抜止溝41に対し発泡性基材11の一部が押し込まれることで発泡性基材11が抜け止めされて保持されるようになっている。
【0014】
前記発泡性基材11は、110℃〜190℃前後の温度で発泡、硬化され、独立気泡の発泡体15となって金属面や塗装面に密着状態で接着する発泡剤混合の合成樹脂、ゴム等の発泡性材料より形成されている。
すなわち、図8に示すように、発泡性材料が押出成形機70の成形ダイ71の押出口から所要とする長さ(ホルダプレート30の保持溝33の外周長さに相当する長さ)だけ押し出された押出し品11aが硬化する前で柔らかくかつ粘性を有するうちに、保持溝33の溝内に嵌込まれて保持され、これによって発泡性基材11が構成される。
なお、押出成形機70の成形ダイ71の押出口から押し出されて得られた押出し品11aの断面形状は、略円形であってもよく、楕円、四角形、台形等の非円形であってもよい。
【0015】
前記したように、押出成形機70の成形ダイ71の押出口から発泡性材料が所要とする長さだけ押し出されて得られた押出し品11aが粘性を有するうちに、ホルダプレート30の外周縁の保持溝33の溝内に嵌込まれて装着されることで発泡性基材11が容易に構成される。
したがって、中空パネル1の断面形状や大きさが多種多様に異なる場合においても、まず、ホルダ体20のホルダプレート30の保持溝33の外周長さに対応して、押出成形機70の成形ダイ71の押出口から発泡性材料が押出れることで、所要とする長さの押出し品11aが容易に形成される。その後、所要とする長さの押出し品11aが粘性を有するうちに、ホルダプレート30の保持溝33の溝内に嵌込まれて装着されることで発泡性基材11が容易に構成される。
このため、従来と異なり、多種多様の中空パネルの断面形状に対応する発泡性基材を製作するためには、その数に相当する分だけ射出成形用の成形金型を製作する必要性を解消することができ、中空室遮断具10を安価に提供することができる。
【0016】
また、ホルダプレート30の保持溝33の溝内に押出し品11aが粘性を有するうちに嵌込まれて装着され発泡性基材11が構成される際、発泡性基材11の一部が抜止溝41内に押し込まれ、これによって発泡性基材11の一部が抜止溝41の溝側面に係合して抜け止め保持される。このため、保持溝33から発泡性基材11が不測に抜け出て外れる不具合が防止される。
特に、ホルダプレート30の保持溝33の溝底部のうち、取付用クリップ60が設けられる一側に形成された抜止溝41に対し、押出し品11aよりなる発泡性基材11の両端末部が押し込まれて抜け止めされている。このため、保持溝33の溝底部から発泡性基材11の両端末部が浮き上がる不具合も防止することができる。
【0017】
図4と図5に示すように、前記したように構成された中空室遮断具10は、そのホルダ体20の取付用クリップ60においてインナパネル2の取付孔7に取り付けられ、中空パネル1の中空室6内に配設される。
すなわち、中空パネル1を構成するインナパネル2とアウタパネル4とが、その相互のフランジ3、5においてスポット溶接される前に、インナパネル2の取付孔7に中空室遮断具10のホルダ体20が、その取付用クリップ60によって回り止めされて取り付けられる。その後、インナパネル2とアウタパネル4とが、その相互のフランジ3、5においてスポット溶接され、中空の箱形閉じ断面をなす中空パネル1が構成される。
【0018】
ここで、外部からの加熱、例えば、中空パネル1を有する車両ボディの焼き付け塗装の際の外部加熱によって、図6と図7に示すように、発泡性基材11が発泡して発泡体15となる。
発泡性基材11が発泡する際、その発泡性基材11の両側部はホルダプレート30の保持溝33の両側壁部に保持され、同発泡性基材11の内周面は保持溝33の底部において支持される。このため、中空室6の長手方向に対しては発泡性基材11の発泡が制限され、中空室6の長手方向に直交しかつ中空室6の内周壁面に向かう方向に対しては発泡性基材11の発泡が効果的に促進される。これによって、発泡性基材11の発泡による発泡体15の周縁部が中空室6の内周壁面に密着(接着)し、中空室6が塞ぎ不良なく確実に遮断される。この結果、中空パネル1の制振、防音等が効率良く高められる。
【0019】
なお、前記実施の形態では、ホルダプレート30の外周部に、そのホルダプレート30の肉厚内において保持溝33が形成される場合を例示したが、これに限定しない。
例えば、図9の(A)に示すように、ホルダプレート30の両側面のうち、片側面に凹部35を形成してホルダプレート30の肉厚を薄くしてもよい。
また、図9の(B)に示すように、ホルダプレート30の両側面に凹部36をそれぞれ形成してホルダプレート30の肉厚を薄くしてもよい。
図9の(A)あるいは(B)に示すように、ホルダプレート30の片側面あるいは両側面に凹部35、36を形成して肉厚を薄くすることで、ホルダプレート30の重量軽減や材料費の節減を図ることができる。
また、ホルダプレート30の片側面あるいは両側面の凹部35、36に対し縦横方向のリブを設けることで、ホルダプレート30の肉厚を可及的に薄くすることも可能である。
【0020】
また、前記実施の形態においては、ホルダプレート30の保持溝33の溝底部のうち、取付用クリップ60が設けられる一側と、その反対側の溝底部に対し、抜止手段を構成する断面蟻溝状の抜止溝41が形成される場合を例示したが、これに限定しない。
例えば、ホルダプレート30の保持溝33の溝底部のうち、取付用クリップ60が設けられる一側に対してのみ抜止手段を構成する断面蟻溝状の抜止溝41が形成されてもよい。
【0021】
また、図10に示すように、ホルダプレート30の保持溝33の溝底部の所定位置に、発泡性基材11に対する抜止手段を構成する抜止突起42が突設されてもよい。
この場合、ホルダプレート30の保持溝33の溝内に押出し品11aが粘性を有するうちに嵌込まれて装着され発泡性基材11が構成される際、発泡性基材11の一部に抜止突起42が差し込まれ、これによって発泡性基材11が保持溝33内に抜け止め保持される。このため、保持溝33から発泡性基材11が不測に抜け出て外れる不具合が防止される。
【0022】
また、図11の(A)〜(C)に示すように、ホルダプレート30の保持溝33の両側壁部のうち、一方の側壁部又は双方に抜止手段を構成する抜止孔43が形成されてもよい。
この場合、ホルダプレート30の保持溝33の溝内に押出し品11aが粘性を有するうちに嵌込まれて装着され発泡性基材11が構成される際、発泡性基材11の一部が抜止孔43内に押し込まれ、これによって発泡性基材11の一部が抜止孔43に係合して抜け止め保持される。このため、保持溝33から発泡性基材11が不測に抜け出て外れる不具合が防止される。
また、図11の(C)に示すように、保持溝33の側壁部の外側が大径で、内側が小径のテーパ孔に抜止孔43が形成される場合には、発泡性基材11の一部が抜止孔43に強固に係合して抜け止め保持されるため、保持溝33から発泡性基材11が不測に抜け出て外れる不具合がより一層確実に防止される。
また、図12の(A)及び(B)に示すように、ホルダプレート30の保持溝33が断面蟻溝状に形成されその保持溝33において抜止手段を構成することも可能である。
【0023】
また、前記実施の形態においては、中空構造物が車両ボディのピラー、ロッカパネル、ルーフパネル等の中空パネル1である場合を例示したが、これに限るものではない。例えば、中空構造物が車両ボディ以外、例えば、建築物、船舶等の建造物を構成する中空構造物であってもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、多種多様の中空パネル等の中空構造物の断面形状に対応する発泡性基材を製作するために、その数に相当する分だけ射出成形用の成形金型を製作する必要性を解消することができ、中空室遮断具を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態に係る中空構造物における中空室遮断具におけるホルダ体のホルダプレートに発泡性基材が装着された状態を一部破断して示す斜視図である。
【図2】 同じく図1のII−II線に基づく中空室遮断具の断面図である。
【図3】 同じく図1のIII−III線に基づく中空室遮断具の断面図である。
【図4】 同じく中空パネルの中空室に中空室遮断具が取り付けられた状態を示す縦断面である。
【図5】 同じく中空パネルの中空室に中空室遮断具が取り付けられた状態を示す横断面図である。
【図6】 同じく発泡性基材が発泡して発泡体となり中空室が遮断された状態を示す縦断面である。
【図7】 同じく発泡性基材が発泡して発泡体となり中空室が遮断された状態を示す横断面図である。
【図8】 同じく押出成形機の成形ダイから発泡性基材を構成する押出し品が押出された状態を示す説明図である。
【図9】 同じくホルダプレートの片側面あるいは両側面に凹部を形成して肉厚を薄くした実施態様を示す断面図である。
【図10】 同じくホルダプレートの略環状の保持溝の底部に抜止手段としての抜止突起を設けた実施態様を示す断面図である。
【図11】 同じくホルダプレートの略環状の保持溝の側壁部に抜止手段としての抜止孔を設けた実施態様を示す断面図である。
【図12】 同じくホルダプレートの略環状の保持溝を断面蟻溝状に形成して抜止手段を構成した実施態様を示す断面図である。
【図13】 従来の中空室遮断具におけるホルダ体の一対のホルダプレートが開いた状態を示す斜示図である。
【符号の説明】
1 中空パネル(中空構造物)
2 インナパネル
4 アウタパネル
6 中空室
10 中空室遮断具
11 発泡性基材
20 ホルダ体
30 ホルダプレート
33 略環状の保持溝
41 抜止溝(抜止手段)
60 取付用クリップ

Claims (11)

  1. 中空構造物の中空室に取り付けられるホルダ体と、そのホルダ体に保持されかつ外部加熱によって発泡して発泡体となることで前記中空室を遮断する発泡性基材とを備えた中空構造物における中空室遮断具であって、
    前記ホルダ体は、前記中空室の長手方向に直交するホルダプレートを有し、そのホルダプレートの周縁部には略環状の保持溝が形成され、その保持溝の溝内には、予め押出成形によって前記保持溝の長さに相当する長さに形成された発泡性材料よりなる押出し品が嵌込まれて保持されることで、発泡性基材が構成されている中空構造物における中空室遮断具。
  2. 請求項1に記載の中空構造物における中空室遮断具であって、
    ホルダ体は、ホルダプレートと取付用クリップをそれぞれ一体に備え、かつ耐熱性合成樹脂の射出成形によって一体成形され、
    前記ホルダプレートは、前記中空室の長手方向に直交する方向にそれぞれ平板状をなしかつ前記中空室の横断面形状よりも適宜に小さく形成されている中空構造物における中空室遮断具。
  3. 請求項2に記載の中空構造物における中空室遮断具であって、
    ホルダプレートの外周部には、取付用クリップの座部が一体に形成され、
    前記ホルダプレートの外周面には、前記座部の部分を除く略全周にわたって略環状をなす保持溝が形成されている中空構造物における中空室遮断具。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の中空構造物における中空室遮断具であって、
    押出し品が硬化する前で柔らかいうちに保持溝内に嵌込まれて保持されることで発泡性基材が構成されている中空構造物における中空室遮断具。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の中空構造物における中空室遮断具であって、
    押出し品が硬化する前で柔らかく粘性を有するうちに保持溝内に嵌込まれて保持されることで発泡性基材が構成されている中空構造物における中空室遮断具。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の中空構造物における中空室遮断具であって、
    ルダプレートの略環状の保持溝には発泡性基材を抜け止めして保持するための抜止手段が設けられている中空構造物における中空室遮断具。
  7. 請求項6に記載の中空構造物における中空室遮断具であって、
    止手段は、ホルダプレートの略環状の保持溝の底部に断面蟻溝状に形成された抜止溝によって構成されている中空構造物における中空室遮断具。
  8. 請求項6に記載の中空構造物における中空室遮断具であって、
    抜止手段は、ホルダプレートの略環状の保持溝が断面蟻溝状に形成されることによって構成されている中空構造物における中空室遮断具。
  9. 請求項6に記載の中空構造物における中空室遮断具であって、
    抜止手段は、ホルダプレートの略環状の保持溝の溝底部の所定位置に突設された抜止突起によって構成されている中空構造物における中空室遮断具。
  10. 請求項6に記載の中空構造物における中空室遮断具であって、
    抜止手段は、ホルダプレートの保持溝の両側壁部のうち、一方の側壁部又は双方の側壁部に形成された抜止孔によって構成されている中空構造物における中空室遮断具。
  11. 中空構造物の中空室に取り付けられるホルダ体と、そのホルダ体に保持されかつ外部加熱によって発泡して発泡体となることで前記中空室を遮断する発泡性基材とを備えた中空構造物における中空室遮断具を製造する方法であって、
    中空室の長手方向に直交しかつ周縁部に略環状の保持溝が形成されたホルダプレートを有するホルダ体を形成する工程と、
    押出成形用ダイから押し出され、かつ前記保持溝の外周長の相当する長さをもつ発泡性材料よりなる押出し品を用意し、前記押出し品を前記略環状の保持溝の溝内に嵌込んで保持することで発泡性基材を構成する工程とを備えている中空構造物における中空室遮断具の製造方法。
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