JP4220604B2 - 生分解性切断部材及びそれを備えた包装用容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生分解性切断部材及びそれを備えた包装用容器に関し、より詳しくは、樹脂フィルムを切断するための生分解性切断部材並びにそれを備えた包装用容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、樹脂フィルム用の切断部材としては、いわゆるラップフィルム収納ケースのような包装用容器に見られるように、金属製の切断部材が主に使用されてきた。
【0003】
一方、近年の環境問題、経済性等への配慮からプラスチック製の切断部材が検討されており、実開昭63−149834号公報にはポリスチレン、アクリルスチレン樹脂、アクリルブタジエンスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリアセタール、変性ポリフェニレンオキサイドといったロックウエル硬度が90〜130のプラスチックからなる切断部材が開示されている。
【0004】
また、特開平10−1143号公報にはポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)、ポリ(3−ヒドロキシ吉草酸)、ポリ(4−ヒドロキシ吉草酸)といった生分解性プラスチックからなる切断部材が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者らは、上記従来のプラスチック製の切断部材は下記の点で未だ十分なものではないことを見出した。すなわち、上記従来のプラスチック製の切断部材の刃先は比較的軟質であり、特に伸縮性に富んだポリエチレン、ポリプロピレン等の未延伸フィルムの切断は困難であった。
【0006】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、ポリ塩化ビニリデン等の延伸フィルムのみならず、特に伸縮性に富んだポリエチレン、ポリプロピレン等の未延伸フィルムの切断も可能であり、しかも焼却又は埋立といった最終処分を必要としない生分解性切断部材、並びにそれを備えた包装用容器を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ガラス繊維又は炭素繊維で強化したポリグリコール酸は、他のプラスチックを繊維強化したものに比べて極めて硬質な生分解性プラスチックであり、それを用いて生分解性切断部材を構成することによって上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の切断部材は、ポリグリコール酸70〜85重量部と、ガラス繊維又は炭素繊維30〜15重量部とを含有し、常温における曲げ弾性率が12GPa以上の硬質生分解性プラスチックからなることを特徴とする生分解性切断部材である。
【0009】
また、本発明の包装用容器は、(a)実質的に矩形の底面壁と、前記底面壁の互いに対向する1対の縁部にそれぞれ連設された側面壁と、前記底面壁の他の1対の縁部にそれぞれ連設され前記側面壁間で延びる前面壁及び後面壁とを有し、ロール状に巻かれた被包装物を収納する容器本体、及び、(b)前記後面壁の頂縁部に回動可能に連設されており、前記側面壁、前記前面壁及び前記後面壁の頂縁部により画成される前記容器本体の開口部を覆って閉鎖するようになっている実質的に矩形の頂面壁と、前記後面壁とは反対側の前記頂面壁の縁部に連設され、先端縁部の裏面に前記被包装物を切断するための生分解性切断部材が取り付けられた蓋体前面壁とを有する蓋体、を備える包装用容器であって、前記生分解性切断部材が、ポリグリコール酸70〜85重量部と、ガラス繊維又は炭素繊維30〜15重量部とを含有し、常温における曲げ弾性率が12GPa以上の硬質生分解性プラスチックからなることを特徴とする包装用容器である。
【0010】
上記本発明の生分解性切断部材並びに包装用容器においては、前記ガラス繊維及び/又は炭素繊維の平均直径が30μm以下、平均長さが0.1〜50mmであることが好ましい。
【0011】
また、前記切断部材は、前記硬質生分解性プラスチックからなる板状部材で構成され、該板状部材の少なくとも一辺が鋸刃形状に加工されていることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付することとする。
【0013】
先ず、本発明の生分解性切断部材について説明する。図1は、本発明の生分解性切断部材の好適な一実施形態を示す正面図である。図1に示す切断部材1は、ポリグリコール酸をガラス繊維又は炭素繊維で強化した硬質生分解性プラスチックからなる板状部材1aで構成されており、板状部材1aの二辺に鋸刃形状1bが形成されている。
【0014】
以下に、本発明にかかるポリグリコール酸をガラス繊維又は炭素繊維で強化した硬質生分解性プラスチックについて詳述する。本発明にかかるポリグリコール酸としては、以下の合成法によって得られた物が挙げられる。すなわち、グリコール酸の環状エステルであるグリコリドを開環重合してポリグリコール酸を得る合成法や、グリコール酸及び/又はそのアルキルエステルを重縮合してポリグリコール酸を得る合成法である。また、本発明にかかるポリグリコール酸の重合度は100〜20000が好ましい。これらのポリグリコール酸は単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。このようなポリグリコール酸は生分解性であり、ポリグリコール酸を用いることによって硬質な生分解性プラスチックが得られる。
【0015】
また、本発明にかかるポリグリコール酸として、ポリグリコール酸と他の樹脂とのコポリマーを使用してもよい。ポリグリコール酸とのコポリマーを形成し得る他の樹脂としては、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン等が挙げられる。
【0016】
本発明にかかる硬質生分解性プラスチックは、ポリグリコール酸をガラス繊維又は炭素繊維、好ましくはガラス繊維、で強化したものである。ポリグリコール酸をガラス繊維又は炭素繊維で強化することによって、他のプラスチックを繊維強化しても従来は得ることが困難であった曲げ弾性率が極めて高い硬質生分解性プラスチックが得られる。
【0017】
本発明で使用するガラス繊維又は炭素繊維は、平均直径が30μm以下(より好ましくは4〜30μm)、平均長さが0.1〜50mmであるものが好ましい。前記平均直径が上記上限を超えると目的とする補強効果が得られにくくなる傾向にある。また、前記平均長さが上記下限未満では目的とする補強効果が得られにくくなる傾向にあり、他方、上記上限を超えると加工成形機への供給が困難になり易く、加工性が低下する傾向にある。
【0018】
また、本発明にかかる硬質生分解性プラスチックは、前記ポリグリコール酸を70〜85重量部、前記ガラス繊維又は炭素繊維を30〜15重量部含有する。ガラス繊維又は炭素繊維の含有量が上記下限未満では充分な曲げ弾性率を得ることができず、他方、上記上限を超えると成形が困難となる。
【0019】
本発明にかかる硬質生分解性プラスチックは、ポリグリコール酸とガラス繊維又は炭素繊維とを含有するものであるが、その他の生分解性樹脂を含んでもよい。ポリグリコール酸以外に含有され得る生分解性樹脂としては、例えばポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリビニルアルコール、3−ヒドロキシブタン酸/吉草酸コポリマー、コハク酸/アジピン酸/ブタンジオール系脂肪族ポリエステル、でんぷん等が挙げられ、これらの樹脂の合計含有量は硬質生分解性プラスチック中50重量%未満が好ましい。
【0020】
また、本発明にかかる硬質生分解性プラスチックは上記の樹脂以外の成分を含んでもよい。かかる成分としては、例えば熱安定剤、光安定剤、防湿剤、防水剤、滑剤、離型剤、顔料、染料等が挙げられ、これらの成分の合計含有量は硬質生分解性プラスチック中10重量%以下が好ましい。
【0021】
本発明にかかる硬質生分解性プラスチックは、常温における曲げ弾性率が12GPa以上のもの、である。このような10GPa超という曲げ弾性率は、他のプラスチックを繊維強化しても従来は達成することが困難であった高水準の曲げ弾性率であり、曲げ弾性率が10GPa以下では特に未延伸フィルムに対する切断性能が十分に得られない。他方、曲げ弾性率の上限は特に制限はなく、本発明にかかる硬質生分解性プラスチックで達成可能な曲げ弾性率であれば高い程好ましい。なお、ここでいう曲げ弾性率は、ASTM:D790にしたがって測定した値である。また、ここでいう常温とは23℃程度をいう。
【0022】
また、本発明の生分解性切断部材1を構成する板状部材1aの形状及び寸法は特に制限されず、用途等に応じて適宜選択される。例えば、後述する包装用容器に使用する生分解性切断部材1においては、板状部材1aの厚みは0.05〜5mmが好ましい。厚みが上記下限未満では十分な強度が得られない傾向にあり、他方、上記上限を超えると包装用容器からの切断部材1のはみ出し幅が大きくなって刃が外部と接触しやすくなる傾向にある。なお、本発明にかかる硬質生分解性プラスチックは前述のように十分な硬さ(曲げ弾性率)を有しているため、上記のように板状部材1aの厚みが薄くても十分な強度が確保される。
【0023】
更に、板状部材1aには鋸刃形状1bが形成されている。鋸刃形状1bの具体的な形状及び寸法も特に制限されず、用途等に応じて適宜選択される。例えば、後述する包装用容器に使用する切断部材1においては、鋸刃形状1bのピッチ(隣接する刃の頂端と頂端との間の距離)は0.8〜5mmが好ましく、鋸刃形状1bの深さは0.6〜5mmが好ましい。また、鋸刃の具体的な形状としては、例えば三角錐状が挙げられる。
【0024】
次に、本発明の包装用容器について説明する。図2及び図3は、本発明の包装用容器の好適な一実施形態(ロール状ラップフィルムを被包装物として包装するための包装用容器2)を示す斜視図であり、図2は開封状態、図3は開封のために開封片の一部が切り離された状態を示す図である。この容器2は、1枚の厚紙、好ましくは坪量270〜600g/m2のコートボール紙から作られている。図2に示すように、容器2は、円筒状のペーパーコア4にロール状に巻き付けられたラップフィルム6を収納するための容器本体8と、この容器本体8に一体的に設けられた蓋体10とから構成されている。典型的なロール状ラップフィルム、即ち外径約40mm、肉厚約1mm、長さ約380mmのコア4に巻き付けられた幅300mm、長さ20mのラップフィルム6を包装する容器2は、一般的に、長さ約310mm、幅約46mm、高さ約46mmの外形寸法を有している。
【0025】
容器本体8は、矩形の底面壁12と、この底面壁12の各長縁部から垂直上方に延びる前面壁14及び後面壁16と、底面壁12の各短縁部から垂直上方に延び且つ前面壁14及び後面壁16の対向端部間を連結する側面壁18,18とを備えている。また、容器本体8の上部は、ラップフィルム6を引き出すための開口部20として開放されている。
【0026】
蓋体10は、容器本体8の一方の後面壁16の頂縁部から連続して延び且つ容器本体8の開口部20を実質的に覆う矩形の頂面壁22と、この頂面壁22の各短縁部から垂直に容器本体8側に延びる蓋体側面壁24,24と、頂面壁22の前側の長縁部から垂直に延び且つ蓋体側面壁24,24の前側端部間を連結する蓋体前面壁26とを備えている。蓋体10の頂面壁22により容器本体8の開口部20を閉じた場合、蓋体前面壁26及び蓋体側面壁24,24はそれぞれ容器本体8の前面壁14及び側面壁18,18の外面上に重なり合うようになっている。
【0027】
蓋体10の頂面壁22と容器本体8の後面壁16とは連続しており、両者を分ける折り線30をヒンジとして蓋体10は回動される。このヒンジ30は厚紙の特性により若干の復元性を有しているため、蓋体10は図2の矢印A方向に回動して容器本体8から浮き上がろうとする。そのため、この実施形態においては、容器本体8の各側面壁18の頂縁部に、蓋体浮上り防止用のフラップ片32が設けられると共に、開口部20の閉鎖時にこのフラップ片32と係合される段部34が対応の蓋体側面壁24の内面に設けられている。
【0028】
そして、蓋体前面壁26の先端縁部の裏面には、上記本発明の生分解性切断部材(鋸刃を有する硬質生分解性プラスチック製カッタ)1が取り付けられている。この切断部材1によって、包装用容器2から引き出されたラップフィルム6が切断される。なお、この実施形態においては、蓋体前面壁26の先端縁部はV字状をなしており、その形状に合わせて切断部材1もV字状のものが用いられている。また、切断部材1の蓋体前面壁26への取り付け方法は特に制限されず、適当な接着剤を用いる方法等が適宜選択される。
【0029】
なお、開封前にあっては、図3に示すように、蓋体前面壁26の先端縁部に第1のミシン目36を介して開封片38が連設されている。更に、開封片38の他側の縁部には、第2のミシン目40を介して接着片42が連設されている。蓋体前面壁26、開封片38及び接着片42から成る部分は容器本体8の前面壁14とほぼ同一の寸法形状を有している。従って、容器本体8の開口部20を蓋体10の頂面壁22で閉じた場合、蓋体前面壁26、開封片38及び接着片42は容器本体8の前面壁14に重ね合わされる。この重合せ状態において、接着片42は、好ましくはそのほぼ全面が、容器本体8の前面壁14の表面下部に適当な接着剤により接着される。接着片42が容器本体8の前面壁14に接着された状態では、切断部材1は開封片38により覆い隠されることとなる。
【0030】
以上、本発明の生分解性切断部材及び包装用容器の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0031】
例えば、上記実施形態においては板状部材の二辺に鋸刃形状が形成されているが、これは板状部材の切出し工程において鋸刃形状を同時に形成するといった工程上の理由に基づくものであり、鋸刃形状は板状部材の少なくとも一辺に形成されていればよい。また、上記実施形態においてはV字状に形成された切断部材について説明しているが、切断部材は直線状のものであってもよい。
【0032】
更に、上記実施形態においては包装用容器に使用する一枚刃について説明しているが、本発明の生分解性切断部材の用途はこれに限定されず、例えば粘着テープ用切断部材、紙テープ用切断部材等が挙げられる。
【0033】
更にまた、上記実施形態はラップフィルム用の包装用容器について説明しているが、本発明の包装用容器はロール状アルミニウム箔のような他の物品にも適用可能である。
【0034】
【実施例】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0035】
実施例1
精製したグリコリドを開環重合して得たポリグリコール酸(重合度:8000)70重量部を加熱により溶融状態とした後に、ガラス繊維(平均直径:13μm、平均長さ:3mm)30重量部を加えて均一に混合して樹脂組成物を得た。そして、得られた樹脂組成物を用いて溶融プレス法によって板状部材(長さ:200mm、幅:10mm、厚み:0.3mm)を得、その板状部材を切削して図1に示すようなプラスチック製切断部材(但し、直線状でかつ鋸刃は一辺にのみ形成、鋸刃のピッチ:2mm、鋸刃の深さ:2mm)を作製した。
【0036】
実施例2
前記ガラス繊維の代わりに炭素繊維(平均直径:18μm、平均長さ:0.7mm)を用い、ポリグリコール酸85重量部に対して炭素繊維15重量部を加えた以外は実施例1と同様にしてプラスチック製切断部材を作製した。
【0037】
比較例1
前記樹脂組成物の代わりに、前記ポリグリコール酸100重量部のみからなる樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様にしてプラスチック製切断部材を作製した。
【0038】
比較例2及び比較例3
前記ポリグリコール酸の代わりにポリプロピレン樹脂を用いた以外は、比較例2においては実施例1、比較例3においては比較例1と同様にしてプラスチック製切断部材を作製した。
【0039】
比較例4及び比較例5
前記ポリグリコール酸の代わりにポリエチレンテレフタレート樹脂を用いた以外は、比較例4においては実施例1、比較例5においては比較例1と同様にしてプラスチック製切断部材を作製した。
【0040】
比較例6及び比較例7
前記ポリグリコール酸の代わりにポリ乳酸樹脂を用いた以外は、比較例6においては実施例1、比較例7においては比較例1と同様にしてプラスチック製切断部材を作製した。
【0041】
比較例8
前記ポリグリコール酸の代わりにポリスチレン樹脂を用いた以外は比較例1と同様にしてプラスチック製切断部材を作製した。
(曲げ弾性率の測定)
【0042】
実施例及び比較例で作製された各プラスチック製切断部材の常温における曲げ弾性率をASTM:D790にしたがって測定した。得られた結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
PGA:ポリグリコール酸、
PP:ポリプロピレン樹脂、
PET:ポリエチレンテレフタレート樹脂、
PLA:ポリ乳酸樹脂、
PST:ポリスチレン樹脂、
GF:ガラス繊維、
CF:炭素繊維。
【0045】
(切断性能試験)
下記の市販の食品包装用ラップフィルム用紙容器(20m巻き):
(1)ポリ塩化ビニリデン(延伸、呉羽化学工業株式会社製、商品名:クレラップ)、(2)ポリエチレン(未延伸、三井東圧プラテック株式会社製、商品名:食品用ラップ)
から金属製切断部材を取り除き、その位置に実施例及び比較例で作製された各プラスチック製切断部材を取り付けた。
【0046】
そして、それぞれのラップフィルムを200mm程度ずつ紙容器から引出しては切断部材で切断するという行為を10回繰り返し、各プラスチック製切断部材の切断性能を以下の基準に基づいて評価した。得られた結果を表2に示す。
評価基準
◎:容易に切断できた、
○:切断できたがコツを要した、
△:当初は切断できたが数回繰り返すうちに切断できなくなった、
×:切断できなかった、
××:切断できず、切断部材が歯こぼれを起こした。
【0047】
【表2】
【0048】
(生分解性試験)
実施例及び比較例で作製された各プラスチック製切断部材をそれぞれ腐葉土中、深さ15cmのところに埋設し、23℃、55%RHの恒温恒湿下に放置した。12ケ月後にそれらを掘り出し、形状の保持状態で生分解性を評価した。得られた結果を表2に示す。
【0049】
表2に示した結果から明らかなように、本発明の硬質生分解性プラスチック製切断部材(実施例1〜2)は、ポリ塩化ビニリデンフィルムのみならずポリエチレンフィルムであっても容易に切断することが可能であり、なおかつ生分解性であった。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の切断部材によれば、ポリ塩化ビニリデン等の延伸フィルムのみならず、特に伸縮性に富んだポリエチレン、ポリプロピレン等の未延伸フィルムであっても容易に切断することが可能となる。しかも、本発明の切断部材は硬質生分解性プラスチックによって構成されているため、実質的に生分解性であり、焼却又は埋立といった最終処分が必要なくなる。
【0051】
従って、本発明の生分解性切断部材は、延伸フィルムのみならず未延伸フィルムを収容するための包装用容器の切断部材としても有用であり、このような延伸フィルム及び未延伸フィルムを容易に切断して提供することが可能でかつ環境にも悪影響を及ぼさない包装用容器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の生分解性切断部材の好適な一実施形態を示す正面図である。
【図2】 本発明の包装用容器の好適な一実施形態(開いた状態)を示す斜視図である。
【図3】 本発明の包装用容器の好適な一実施形態(閉じた状態)を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…生分解性切断部材、1a…板状部材、1b…鋸刃、2…包装用容器、4…コア、6…ラップフィルム、8…容器本体、10…蓋体、12…底面壁、14…前面壁、16…後面壁、18…側面壁、20…開口部、22…頂面壁、24…蓋体側面壁、26…蓋体前面壁、30…ヒンジ、32…フラップ片、34…段部、36…第1のミシン目、38…開封片、40…第2のミシン目、42…接着片。
Claims (6)
- ポリグリコール酸70〜85重量部と、ガラス繊維又は炭素繊維30〜15重量部とを含有し、常温における曲げ弾性率が12GPa以上の硬質生分解性プラスチックからなることを特徴とする生分解性切断部材。
- 前記ガラス繊維又は炭素繊維の平均直径が30μm以下、平均長さが0.1〜50mmであることを特徴とする、請求項1に記載の生分解性切断部材。
- 前記生分解性切断部材は前記硬質生分解性プラスチックからなる板状部材で構成され、該板状部材の少なくとも一辺が鋸刃形状に加工されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の生分解性切断部材。
- 実質的に矩形の底面壁と、前記底面壁の互いに対向する1対の縁部にそれぞれ連設された側面壁と、前記底面壁の他の1対の縁部にそれぞれ連設され前記側面壁間で延びる前面壁及び後面壁とを有し、ロール状に巻かれた被包装物を収納する容器本体、及び、
前記後面壁の頂縁部に回動可能に連設されており、前記側面壁、前記前面壁及び前記後面壁の頂縁部により画成される前記容器本体の開口部を覆って閉鎖するようになっている実質的に矩形の頂面壁と、前記後面壁とは反対側の前記頂面壁の縁部に連設され、先端縁部の裏面に前記被包装物を切断するための生分解性切断部材が取り付けられた蓋体前面壁とを有する蓋体、を備える包装用容器であって、
前記生分解性切断部材が、ポリグリコール酸70〜85重量部と、ガラス繊維又は炭素繊維30〜15重量部とを含有し、常温における曲げ弾性率が12GPa以上の硬質生分解性プラスチックからなることを特徴とする包装用容器。 - 前記ガラス繊維又は炭素繊維の平均直径が30μm以下、平均長さが0.1〜50mmであることを特徴とする、請求項4に記載の包装用容器。
- 前記生分解性切断部材は前記硬質生分解性プラスチックからなる板状部材で構成され、該板状部材の少なくとも一辺が鋸刃形状に加工されていることを特徴とする、請求項4又は5に記載の包装用容器。
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