JP3353432B2 - 生分解性を有するフィルムおよび積層体 - Google Patents

生分解性を有するフィルムおよび積層体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、包装材料に用いるフィ
ルムおよび積層体に関するものであり、さらに詳しくは
伸度を有し、かつ完全生分解性を有するフィルムおよび
製函適性、耐衝撃性を有し、かつ完全生分解性を有する
積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチックフィルムおよびこれ
を用いた積層体が、包装材料として広く利用されてい
る。これら包装材料は剛性、製函適性、耐衝撃性、内容
物の漏洩防止機能、内容物の衛生性保持機能、加熱融着
密封機能等を要求されるため、プラスチックの中でもポ
リエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが広く
利用されている。
【0003】前記の包装材料が使用後、廃棄されたとき
に、埋め立てられたり、ゴミとして自然環境中に散乱し
たりした場合には、ポリオレフィンは分解せずにそのま
まの形で残るため、埋立処理場の寿命短縮や環境汚染の
原因となる。
【0004】前記の問題の解決策の一つとして、ポリオ
レフィンを生分解性プラスチックに置き換えることが提
案されている。本発明者らも生分解性プラスチックであ
る3−ヒドロキシ酪酸・3−ヒドロキシ吉草酸共重合体
(以下P(3HB−3HV)とする)を用いた包装材料
およびその製造方法を特願平3−249106号で提示
している。
【0005】しかしながら、P(3HB−3HV)はポ
リエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンと比較
して伸度が少なく脆いという欠点があり、包装材料とし
て使用した場合、耐衝撃性に乏しく内容物が漏洩した
り、紙との積層体で容器を作成する際、製函適性に乏し
く罫線の部分でクラックが発生するといった問題が生じ
ていた。
【0006】前記の問題の解決策の一つとして、P(3
HB−3HV)に他の生分解性プラスチックをブレンド
したり積層したりして伸度が少なく脆いという欠点を補
う方法があり、本発明者らもP(3HB−3HV)に生
分解性プラスチックであるポリε−カプロラクトンをブ
レンドした包装材料およびその製造方法を特願平4−1
97463号で提示している。
【0007】しかしながら、微生物産生ポリエステルで
あるP(3HB−3HV)は、紙と同様の天然素材とみ
なすことができ衛生的に問題がない、ポリε−カプロラ
クトンをはじめとする他の生分解性プラスチックより分
解速度が早いという大きな長所があり、P(3HB−3
HV)単体フィルムで伸度を有するものが望まれてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
問題点に着目してなされたもので、伸度を有し、製函適
性、耐衝撃性、内容物の漏洩防止機能、内容物の衛生性
保持機能、加熱融着密封機能を全て満足する包装材料
で、使用後、埋め立てられたり、ゴミとして自然環境中
に散乱した場合でも微生物等の作用により完全に分解す
る、生分解性プラスチックを用いたことを特徴とするフ
ィルムおよび積層体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前記の課題を解
決するために、3−ヒドロキシ酪酸・3−ヒドロキシ吉
草酸共重合体よりなるフィルムか、又は紙の少なくとも
片面に3−ヒドロキシ酪酸・3−ヒドロキシ吉草酸共重
合体を積層した積層体で、成形後或いは積層後、100
℃以上融点以下、好ましくは100℃10分以上あるい
は110℃5分以上あるいは120℃2分以上あるいは
130℃1分以上、さらに好ましくは(融点−5)℃1
分以上の熱処理を行なうことを特徴とする生分解性を有
するフィルム又は積層体を提供する。
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明に用いるP(3HB−3HV)のフィルムおよび紙
の少なくとも片面にP(3HB−3HV)を積層した積
層体の製造方法としては、通常のフィルムおよび積層体
の製造に用いられている方法でよいが、発明者が特願平
3−2491006号で提示したポリオレフィンとの共
押出しコーティング法がP(3HB−3HV)の加工性
の点で望ましい。
【0011】本発明に用いるP(3HB−3HV)は押
出加工性の点から3HVの含有率が1〜20%のものが
望ましい。
【0012】前記の方法で製造されたP(3HB−3H
V)のフィルムおよび積層体に100℃以上融点以下、
好ましくは100℃10分以上あるいは110℃5分以
上あるいは120℃2分以上あるいは130℃1分以
上、さらに好ましくは(融点−5)℃1分以上の熱処理
を施すことにより各請求項記載のフィルムおよび積層体
を得る。熱処理を施す方法は、通常の熱風乾燥機であっ
ても問題なく、特に限定するものではない。
【0013】
【作用】従来の包装材料に用いられていたフィルム及び
積層体は、プラスチックとしてポリオレフィン等の非分
解性プラスチックを用いていたため、使用後、埋め立て
られ、ゴミとして自然環境中に散乱した場合、ほぼ永久
にその形態を保持していた。しかし、生分解性プラスチ
ックを用いることにより、これらからなるフィルム及び
積層体は埋立処理場や自然環境中において分解する。
【0014】しかし、生分解性プラスチックの中で微生
物産生ポリエステルであるP(3HB−3HV)は衛生
的に問題がない、分解速度が早いという長所を有する反
面、伸度に乏しく脆いという欠点があったため、単独で
包装材料に用いられることはなく、他の生分解性プラス
チックとのブレンドや積層を余儀なくされていた。
【0015】そこで本発明は、これらに100℃以上融
点以下の熱処理を施すことにより、食品用途にも使用で
き、伸度を有し、製函適性、耐衝撃性、内容物の漏洩防
止機能、内容物の衛生性保持機能、加熱融着密封機能を
全て満足する生分解性を有するフィルム及び積層体を得
ることを可能にした。
【0016】P(3HB−3HV)に生分解性樹脂に熱
処理を施すと何故伸度が増加するかについては完全な解
明には至っておらず、鋭意研究中であるが、該樹脂は溶
融した後の固化が結晶化によって行われる性質を有し、
結晶化の最適温度はおよそ60〜70℃であるといわれ
ているが、100℃以上の高温で熱処理を施すことによ
り、結晶化の進行そのものは遅れるものの、結晶化の過
程で伸度が上昇する方向に作用するものと思われる。
【0017】
【実施例】P(3HB−3HV)(ゼネカ社製:商品名
バイオポール「D610G」、HV含有率12%)とメ
ルトフローレイトが25g/10minのポリエチレン
を加工温度170℃でマルチマニホールド方式Tダイ型
共押出し機により、P(3HB−3HV)層の厚みが2
0μm、ポリエチレン層の厚みが20μmとなるように
共押出しし、2軸延伸されたポリエチレンテレフタレー
トフィルムの上にP(3HB−3HV)層がくるように
ラミネートした。その後、ポリエチレン層およびポリエ
チレンテレフタレートフィルムを剥離し、P(3HB−
3HV)のフィルムを得た。
【0018】前記の方法で、2軸延伸されたポリエチレ
ンテレフタレートフィルムのかわりに坪量350g/m
2 の板紙を用いて同様にラミネートし、その後ポリエチ
レン層を剥離してP(3HB−3HV)/板紙の積層体
を得た。
【0019】前記のフィルムおよび積層体をドライラミ
ネータの熱風乾燥機を用いて熱処理を施した。なお、熱
処理の条件は温度と時間を因子とし、表1の各条件を実
施した。
【0020】このようにして作成したフィルムおよび積
層体のフィルムについては引張伸度、分解性を、積層体
については耐水性、耐衝撃性の測定を以下に示すような
方法で行った。
【0021】<引張伸度>フィルムから幅15mmの矩
型試験片を切り出し、破断するまでの伸度を引張試験機
により測定した。ただし、10%以上を○、伸度が10
%未満のものを×とした。
【0022】<分解性>排水処理場の活性汚泥槽にポリ
塩化ビニル製のネットに包んで吊り下げ、定期的に分解
状態を評価し、1ヶ月後に形状をとどめていないものを
○、形状をとどめているものを×とした。
【0023】<耐水性>前記積層体で内容積500ml
の容器を成形して水を充填した後加熱密封して室温に1
ヶ月放置し、水漏れがないものを○、水漏れがあるもの
を×とした。
【0024】<耐衝撃性>前記の容器に水を充填して加
熱密封した後、1mの高さからコンクリートの床に垂直
に落下させ、水漏れがないものを○、水漏れがあるもの
を×とした。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】表2において、耐水性の×のものは全て罫
線すなわち折曲げた箇所より水漏れが発生していた。ま
た、耐衝撃性の×のものも同様に全て罫線すなわち折曲
げた箇所より水漏れが発生した。これらは何れも引張伸
度が20%未満のものであり、引張伸度と耐水性、耐衝
撃性には相関があることがわかる。
【0028】表2より、100℃10分以上、110℃
5分以上、120℃2分以上および130℃1分以上で
伸度が20%以上となり、耐水性、耐衝撃性ともに向上
が見られ、熱処理の効果が認められる。また、これらの
ものは分解性も良好であり、熱処理を施したことによる
悪影響は認められなかった。
【0029】前記のように、熱処理の効果は100℃1
0分以上で効果が認められるが、処理効率を考慮して1
10℃5分以上、120℃2分以上および130℃1分
以上でかまわない。
【0030】当然のことであるが、実施例で示していな
い105℃、128℃等の中間の温度でも効果は現れ
る。なお、今回の実施例では用いた材料すなわちP(3
HB−3HV)(ゼネカ社製:商品名バイオポール「D
610G」、HV含有率12%)の融点が136℃であ
るため130℃以上の実施例は示さなかったが、HV含
有率が異なれば融点も異なり、例えば「D310G」
(同上、HV含有率6%)は融点が151℃であり、1
40℃1分以上の熱処理で同様の効果を得ることを確認
している。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、3−ヒドロキシ酪酸・
3−ヒドロキシ吉草酸共重合体(P(3HB−3HV)
のフィルムおよび紙と該樹脂の積層体作成後、100℃
以上融点以下、好ましくは100℃10分以上、110
℃5分以上、120℃2分以上および130℃1分以
上、さらに好ましくは(融点−5)℃1分以上の熱処理
を施すことにより、食品用途にも使用でき、さらに伸度
を有するため製函適性、耐衝撃性も満足であり、かつ生
分解性を有する、包装材料としての使用に耐え得るフィ
ルムおよび積層体を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−15383(JP,A) 特開 平2−227438(JP,A) 特開 平5−245996(JP,A) 特表 平8−505415(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/18 B32B 27/10 C08J 7/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3−ヒドロキシ酪酸・3−ヒドロキシ吉草
    酸共重合体よりなるフィルムにおいて、該フィルム成形
    後に、100℃以上で該フィルム融点以下の熱処理であ
    って且つ100℃で10分以上又は110℃で5分以上
    又は120℃で2分以上又は130℃で1分以上の熱処
    理が施されていることを特徴とする生分解性を有するフ
    ィルム。
  2. 【請求項2】3−ヒドロキシ酪酸・3−ヒドロキシ吉草
    酸共重合体よりなるフィルムにおいて、該フィルム成形
    後に、100℃以上で該フィルム融点以下の熱処理であ
    って且つ該フィルム融点−5℃で1分以上の熱処理が施
    されていることを特徴とする生分解性を有するフィル
    ム。
  3. 【請求項3】紙の少なくとも片面に3−ヒドロキシ酪酸
    ・3−ヒドロキシ吉草酸共重合体を積層した積層体にお
    いて、該共重合体積層後に、100℃以上で該共重合体
    融点以下の熱処理であって且つ100℃で10分以上又
    は110℃で5分以上又は120℃で2分以上又は13
    0℃で1分以上の熱処理が施されていることを特徴とす
    る生分解性を有する積層体。
  4. 【請求項4】紙の少なくとも片面に3−ヒドロキシ酪酸
    ・3−ヒドロキシ吉草酸共重合体を積層した積層体にお
    いて、該共重合体積層後に、100℃以上で該共重合体
    融点以下の熱処理であって且つ該フィルム融点−5℃で
    1分以上の熱処理が施されていることを特徴とする生分
    解性を有する積層体。
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