JP4220297B2 - 床仕上材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はガラス繊維基材を積層した熱可塑性合成樹脂からなる寸法安定性のよい床仕上材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、床仕上材には寸法安定性を向上させるために基材として直交布、平織、綾織、絡み織(搦み織)、不織布などのガラス繊維を積層し使用していた。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
直交布とは、平織、絡み織、綾織のように縦糸と横糸を編み込まず、重ね合わせた上下の縦糸の間に横糸を挟み込み、それぞれの糸をバインダーで固着したものである。直交布は、図3のように横糸の上下を縦糸が挟む形であり、糸の屈曲はないが、糸の交錯点で糸が重なり合う本数が多く、厚さが厚くなる。そのため、直交布を床仕上材の基材として使用すると、直交布の形状(基布目)が床仕上材の表面に現出しやすいという問題を有していた。
【0004】
平織とは、図4のように縦糸と横糸が1本ごとに浮沈して交錯する組織であり、綾織とは、図5のように縦糸と横糸が、1本或いは連続した複数本ごとに浮沈して交錯する組織である。平織や綾織は、糸が交錯し屈曲が多いため、床仕上材の基材として使用すると、糸の凹凸(基布目)が床仕上材の表面に現出しやすく、さらに、縦糸が加工時の張力により延伸される結果、横糸が屈曲し、巾方向の寸法収縮(以後、巾収縮という)が発生するという問題を有していた。
【0005】
絡み織(搦み織)とは、図6のように横糸の上下に縦糸を配し、上下の縦糸を横糸1本ごとにもじらせるように織る組織である。絡み織(搦み織)は、縦糸が横糸をもじらせるように編み込んであり、糸の交錯点で重なりあう糸本数が3本と多い。そのため、床仕上材の基材として絡み織(搦み織)を使用すると、その凹凸(基布目)が表面に現出しやすく、また、横糸の屈曲は無いが、縦糸がもじりあっているため、縦糸が加工時の張力により延伸される結果、横糸が激しく屈曲することになり、加工時に大きな巾収縮が発生するという問題を有していた。
【0006】
直交布、平織、綾織、絡み織は、糸の屈曲が大きく、糸の交錯点で重なり合う糸の本数が多いことから、熱可塑性合成樹脂からなる着色層、裏層、発泡層などを積層する時、空気を巻き込みやすく、その後に加熱する工程があると、巻き込んだ空気が膨張し、接着強度を低下させたり、或いは、床仕上材の表面に凹凸模様を施す型押工程の時に、巻き込んだ空気が膨張しパンクが発生し、意匠を損なう場合があった。
【0007】
不織布は、短繊維を漉いて抄紙し、バインダーで固着したものであり、不織布の抄紙の段階で太い短繊維が混入すると部分的に凹凸が発生し、その凹凸が床仕上材の表面に現出し意匠性を損なうことがあった。また、ガラス繊維製の不織布は、柔軟性が低いために、加工時の屈曲により折れシワが発生しやすく、その折れシワは床仕上材の表面に現出してしまった。さらに、不織布は繊維が相互間で拘束されておらず、バインダーで固着しているのみであり、加工時の張力により、延伸しまうこととなり、巾収縮が大きくなるという問題を有していた。
このように従来から使用されているガラス繊維基材には、床仕上材表面への基布目の現出、シワ、パンクなど意匠性の問題、巾収縮などの寸法安定性の問題が有していた。
熱可塑性合成樹脂層とガラス繊維基材を積層する場合、ガラス繊維基材の食い込みと層間の接着性が熱可塑性合成樹脂層の硬さによって影響を受ける。熱可塑性合成樹脂層が軟らか過ぎるとガラス繊維基材の食い込みが大きくなり基布目が床仕上材表面に現出してしまい、硬過ぎると熱可塑性合成樹脂層とガラス繊維基材層の間の密着強度が低下し、パンクが発生するなどの問題も有していた。
【0008】
【先行技術文献の開示】
【特許文献1】
特開平01−318658号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、上述した課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、基材として、ガラス繊維製の交互直交布を用い、且つ、交互直交布と積層する着色層、裏層に使用する熱可塑性合成樹脂を、JISデュロメータータイプA硬度計により測定した表面硬度で75〜90とすることより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、ガラス繊維基材を積層した床仕上材であって、意匠性を損なうことなく、密着強度及び寸法安定性を維持できる床仕上材を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明が上記課題を解決するために講じた手段は、請求項1では熱可塑性合成樹脂からなる着色層および裏層と使用するガラス繊維糸のTex番手が5〜500g/1000mであり、面密度が1×10−3〜50×10−3gであるガラス繊維製の交互直交布を積層した床仕上材であって、該熱可塑性合成樹脂の表面硬度がJISデュロメータータイプA硬度計により測定した値が75〜90であることを特徴とし、請求項2では上記着色層の上に印刷層と透明層を順次積層したことを特徴とし、さらに請求項3では、上記裏層の下に発泡層及び/又は最下層基材を積層したことを特徴としている。
本発明に使用するガラス繊維製の交互直交布は、図7のように糸の交錯点で糸が重なり合う本数が少なく、厚さが薄く、凹凸も少ないため、布の形状(基布目)が表面に出現しにくく、床仕上材表面の型押時に、パンクせず意匠性を害することはない。また、糸の屈曲が少なく延伸による布の寸法変化も小さいため、加工時の巾収縮も小さくできる。更に、ガラス繊維の強度を損なうことがないので、床仕上材の寸法安定性にも優れている。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は図1及び図2に示すように、着色層、ガラス繊維製の交互直交布、裏層を順次積層した構造と、更に着色層の上に印刷層と透明層を順次積層してもよく、さらに裏層の下に発泡層及び/又は最下層基材を積層しても良い。交互直交布は、着色層と裏層の間、着色層の層内、裏層の層内、もしくは、最下層に配置することが出来る。
本発明の床仕上材は、通常厚さが0.5mm〜10.0mmであり、形状としては、定型寸法に裁断したタイル状、長尺のシート状のものがある。
【0012】
交互直交布は、上記したガラス繊維製の直交布、平織、綾織、絡み織(搦み織)、不織布とは異なり、糸の交錯点で糸が重なり合う糸の本数が少なく、厚さが薄く、凹凸も少ないため、基布目が床仕上材の表面に出現しにくく、パンクも発生せず、意匠性を害することは少ない。また、糸の屈曲が少ないため、加工時の張力による巾収縮も小さくできる。更に、ガラス繊維の強度を損なうことがないので、製造後の床仕上材の寸法安定性にも優れている。
【0013】
本発明の交互直交布に使用するガラス繊維フィラメントは、フィラメント直径が好ましくは2〜15μmであり、より好ましくはフィラメント直径が5〜10μmであり、そのガラス繊維フィラメントを使用してガラス繊維糸に紡績する。ガラス繊維糸は、Tex番手が5〜500g/1000mの範囲が良く、より好ましくは20〜100g/1000mの範囲である。 ガラス繊維糸の縦方向と横方向への打ち込み本数は、1〜20本/25.4mmの範囲であり、好ましくは2〜10本/25.4mmの範囲である。
さらに、床仕上材の意匠を害さずに寸法安定性を保持するには適切な面密度{本発明では面密度を25.4mm角の重量(g)で表す。}の交互直交布を使用することが好ましく、意匠性及び寸法安定性を考慮すると交互直交布の面密度は1×10-3〜50×10-3gの範囲が好ましく、5×10-3〜30×10-3gの範囲がより好ましい。
【0014】
本発明の交互直交布を使用すると、加工時の巾収縮や床仕上材としての寸法安定性に優れた床仕上材を得られるが、基布目を床仕上材表面に現出させず、意匠性を害さないためには、基材として交互直交布を用いるとともに、JISデュロメータータイプA硬度計により測定した表面硬度が75〜90である熱可塑性合成樹脂からなる着色層、裏層を使用することが必要である。
熱可塑性合成樹脂と基材との積層時に、熱可塑性合成樹脂にガラス繊維糸が充分に食い込み、なおかつガラス繊維糸の跡が床仕上材表面に現出せず、さらにパンクを発生させないためには、熱可塑性合成樹脂は適度の硬さ、柔かさを必要とする。すなわち、着色層や裏層を形成する熱可塑性合成樹脂は、JIS K 6253加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの型さ試験方法3.2(2)デュロメータ(a)タイプAの試験方法に準じたゴム硬度計(JISAタイプ硬度計)による表面硬度(20℃、10秒後)が75〜90であることが好ましく、80〜90がより好ましい。
【0015】
本発明の透明層、着色層、発泡層、裏層は熱可塑性合成樹脂からなり、その熱可塑性合成樹脂としては、塩化ビニル系樹脂,塩素化ポリエチレン等の含ハロゲン樹脂、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−αオレフィン共重合樹脂,プロピレン−αオレフィン共重合樹脂,エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂,エチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂,エチレン−メタクリル酸エステル共重合樹脂,エチレン−アクリル酸共重合樹脂等のオレフィン系樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。これら熱可塑性合成樹脂は、1種類の単独でも、2種以上複合して使用してもよい。
【0016】
本発明の透明層は上記熱可塑性合成樹脂からなり、印刷層の表面保護、汚れ防止を目的に、印刷層の上に積層するものであり、容易に印刷模様が視認できる透明性を有していれば良い。透明層の厚さは、0.1〜1.5mm程度が好ましい。
【0017】
本発明の着色層は上記熱可塑性合成樹脂からなり、JISデュロメータータイプA硬度計により測定した表面硬度の範囲が75〜90であり、80〜90がより好ましい。着色層は床仕上材の着色による意匠向上を目的に、着色剤を含有した層であり、着色層の厚さは、0.1〜1.5mm程度が好ましい。
【0018】
本発明の印刷層は、床仕上材の意匠付与のために、印刷を施した層である。印刷は、床仕上材の積層の段階で、着色層の上に、グラビア、フレキソ、捺染印刷などの手法で印刷を施すか、グラビア、フレキソ、捺染などの印刷を施した熱可塑性合成樹脂のシートまたはフィルムを張り合わせたものである。
また、離型紙に印刷を施した転写印刷紙を使用し、加熱した床仕上材の着色層の上に、転写印刷紙を圧着し、印刷されたインクを床仕上材の着色層の上に熱転写させる手法も用いることが出来る。
床仕上材の意匠付与方法は、熱可塑性合成樹脂からなる床仕上材を加熱溶融させ、その表面に凹凸部を持った板やロールを圧着することにより、床仕上材の表面に凹凸を生じさせる型押手法や、熱可塑性合成樹脂からなる透明層や着色層に異なる色に着色した熱可塑性合成樹脂からなるシートやフィルムまたはペレットやチップなどを混入し、着色層に斑模様を生じさせるマーブル手法、或いは、熱可塑性合成樹脂からなる着色層や後述する裏層の上に、着色した熱可塑性合成樹脂や熱硬化性合成樹脂、金属、無機物などからなる、ペレットやチップを撒き固着させて、模様を出現させる手法などを用いることが出来る。
【0019】
本発明の発泡層は上記熱可塑性合成樹脂からなり、床仕上材の衝撃吸収性、防音性、保温性などを向上させる目的のために積層するものであり、それら衝撃吸収性、防音性、保温性を考慮すると、発泡層の厚さ及び発泡倍率は、好ましくは厚さが0.5mm〜5.0mm、発泡倍率が2〜15倍であり、より好ましくは厚さが1.0mm〜3.0mm、発泡倍率が2倍〜10倍程度である。
【0020】
本発明の裏層は上記熱可塑性合成樹脂からなり、JISデュロメータータイプA硬度計により測定した表面硬度が75〜90であり、80〜90がより好ましい。裏層は床仕上材の寸法安定性、剛性の向上のために、充填剤を多く配合したものである。
【0021】
透明層及び着色層には無機又は有機系の抗菌剤、防黴剤を配合し、抗菌性、防黴性を付与することも可能である。また、静電気による塵埃付着の防止として、透明層及び着色層へ帯電防止剤の混入や表面塗布などより、帯電防止性を付与することができ、JIS K 6911熱硬化性プラスチック一般試験方法による表面抵抗率として、好ましくは1010Ω以下であり、より好ましくは108Ω以下である。
更に、透明層及び着色層の表面にエンボス加工、或いは、透明層に相溶性の低い、無機又は有機の粒子の添加を施すことにより、更に意匠性に優れた床仕上材を得ることができる。
【0022】
本発明に使用する最下層基材は、糸を織って組織化、或いは不織布として構成した基材で、床下地との接着性、施工性、寸法安定性を向上させるために使用するものである。セルロース系(レーヨンなど),ポリアミド系,ポリビニルアクリル系,ポリエステル系,ポリアクリルニトリル系,ポリ塩化ビニル系(テビロンなど),ポリウレタン系,アラミド系などの化学繊維、綿,亜麻,麻などの植物繊維、絹,羊毛などの動物繊維、ガラス繊維、金属繊維などからなり、これら繊維を1種単独かまたは2種以上を併用することができる。
【0023】
【実施例】
次に本発明を実施例及び比較例をあげて、さらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0024】
[実施例1]
表1に示す配合3の1層目の裏層を、厚さ0.8mmに圧延するとともに、ポリエステル、レーヨン、テビロンの混紡の最下層基材に積層し、この上面に表2に示す面密度が11.5×10-3gの交互直交布のガラス繊維基材を積層し、更に、表1に示す配合3の2層目の裏層を、厚さ0.5mmに圧延するとともに上記ガラス繊維基材面に積層する。
更にその上面に、表1に示す配合2の着色層を、厚さ0.2mmに圧延するとともに積層し、床仕上材を得た。表2にその評価結果を記載する。
【0025】
[実施例2]
表1に示す配合3の1層目の裏層を、厚さ0.8mmに圧延するとともに、ポリエステル、レーヨン、テビロンの混紡の最下層基材に積層し、この上面に表2に示す面密度が11.5×10-3gの交互直交布のガラス繊維基材を積層し、更に、表1に示す配合3の2層目の裏層を、厚さ0.5mmに圧延するとともに上記ガラス繊維基材面に積層する。
更にその上面に、表1に示す配合2の着色層を、厚さ0.2mmに圧延するとともに積層し、その上面に意匠付与のための印刷を施し、更に上面に表1に示す配合1の透明層を、厚さ0.4mmで圧延するとともに積層し、床仕上材を得た。表2にその評価結果を記載する。
【0026】
[実施例3]
表1に示す配合4の発泡層を、厚さ0.75mmに圧延するとともに、ポリエステル、レーヨン、テビロンの混紡の最下層基材に積層し、発泡炉で2倍に発泡させ発泡層を得る。発泡層の上面に表1に示す配合3の1層目の裏層を、厚さ0.4mmに圧延するとともに、この上面に表2に示す面密度が35.0×10-3gの交互直交布のガラス繊維基材を積層し、更に、表1に示す配合3の2層目の裏層を、厚さ0.5mmに圧延するとともに上記ガラス繊維基材面に積層する。更にその上面に、表1に示す配合2の着色層を、厚さ0.2mmに圧延するとともに積層し、その上面に意匠付与のための印刷を施し、更に上面に表1に示す配合1の透明層を、厚さ0.4mmで圧延するとともに積層し、床仕上材を得た。表2にその評価結果を記載する。
【0027】
[比較例1]
実施例1の面密度が11.5×10-3gの交互直交布ガラス繊維基材の替わりに、表2に示す直交布のガラス繊維基材を使用すること以外は実施例1と同様にして、床仕上材を得た。その評価結果を表2に記載する
【0028】
[比較例2]
実施例1の面密度が11.5×10-3gの交互直交布ガラス繊維基材の替わりに、表2に示す絡み織りのガラス繊維基材を使用すること以外は実施例1と同様にして、床仕上材を得た。その評価結果を表2に記載する。
【0029】
[比較例3]
実施例1の面密度が11.5×10-3gの交互直交布ガラス繊維基材の替わりに、表2に示す不織布のガラス繊維基材を使用すること以外は実施例1と同様にして、床仕上材を得た。その評価結果を表2に記載する。
【0030】
[比較例4]
実施例1の着色層の配合を配合2の替わりに、表1に示す配合5を使用すること以外は実施例1と同様にして、床仕上材を得た。その評価結果を表2に記載する。
【0031】
[比較例5]
実施例1の着色層の配合を配合2の替わりに、表1に示す配合6を使用すること以外は実施例1と同様にして、床仕上材を得た。その評価結果を表2に記載する。
【0032】
得られた床仕上材の評価方法及び評価基準を以下に記載する。
<評価方法及び評価基準>
▲1▼意匠性(基布目):得られた床仕上材の表面状態を目視で観察する。
◎:床仕上材の表面に基布目の跡が殆ど目立たない。
○:床仕上材の表面に基布目の跡が目立ちにくい。
×:床仕上材の表面に基布目の跡が目立つ。
▲2▼意匠性(パンク):得られた床仕上材の表面状態を目視で観察する。
○:床仕上材の層間にパンクが発生しにくく、床仕上材の表面にパンクの跡が目立たない。
×:床仕上材の層間にパンクが発生し易く、床仕上材の表面にパンクの跡が目立つ。
▲3▼意匠性(シワ):得られた床仕上材の表面状態を目視で観察する。
○:ガラス繊維基材にシワが発生しにくく、床仕上材の表面にシワの跡が目立たない。
×:ガラス繊維基材にシワが発生し易く、床仕上材の表面にシワの跡が目立つ。
▲4▼巾収縮:JIS A 1454「高分子張り床材試験方法」6.4床シートの寸法 c)に準拠し、精度1mmの寸法測定器で巾を測定する。得られた床仕上材に対し、ガラス繊維原反の巾と製品仕上後のガラス繊維巾の差を変化率として次式により求める。
巾収縮={(ガラス繊維原反の巾−製品仕上後のガラス繊維巾)/ガラス繊維原反の巾}×100
○:3%以下
×:3%を越える。
▲5▼寸法安定性:JIS A 1454「高分子張り床材試験方法」6.7加熱による長さ試験方法に準拠する。得られた床仕上材をタテ300mm、ヨコ300mmの大きさに抜き取り、タテヨコ方向それぞれの端部から10mm及び中央の3箇所に標線を配置し、床仕上材を温度20℃、湿度65%の標準状態に12時間以上放置した後、それぞれの標線間の長さを測定し、加熱試験として温度80℃に6時間保った後取り出し、上記標準状態に1時間静置し、さらにそれぞれの標線間の長さを測定し、試験前の長さに対する変化率を次式で求める。
寸法安定性={(加熱試験前長さ−加熱試験後長さ)/加熱試験前長さ}×100
○:0.1%以下
×:0.1%を越える
【0033】
【表1】
安定剤*1:液状及び粉末のBa−Zn系安定剤(旭電化株式会社製)
安定剤*2:粉状のBa−Zn系安定剤(日東化成工業株式会社製)
安定剤*3:液状及び粉末のBa−Zn系安定剤(旭電化株式会社製)
【0034】
【表2】
交互直交布*1:フィラメント直径が9μm、Tex番手が50g/1000mのガラス繊維の紡績糸を使用し、縦糸の打ち込み本数が6本/25.4mm、横糸の打ち込み本数が3本/25.4mmで、アクリル樹脂系のバインダーで組織した面密度が11.5×10-3gの交互直交布のガラス繊維基材
交互直交布*2:フィラメント直径が9μm、Tex番手が50g/1000mのガラス繊維の紡績糸を使用し、縦糸の打ち込み本数が6本/25.4mm、横糸の打ち込み本数が3本/25.4mmで、アクリル樹脂系のバインダーで組織した面密度が35.0×10-3gの交互直交布のガラス繊維基材
直交布*3 :フィラメント直径が9μm、Tex番手が50g/1000mのガラス繊維の紡績糸を使用し、縦糸の打ち込み本数が上下2本を1本とした3本/25.4mm、横糸の打ち込み本数が3本/25.4mmで、アクリル樹脂系のバインダーで組織した直交布のガラス繊維基材
絡み織*4 :フィラメント直径が9μm、Tex番手が50g/1000mのガラス繊維の紡績糸を使用し、縦糸の打ち込み本数がもじりあっている2本を1本として10本/25.4mm、横糸の打ち込み本数が10本/25.4mmで、アクリル樹脂系のバインダーで組織した絡み織のガラス繊維基材
不織布*5 :目付け量30g/m2の不織布のガラス繊維基材
【0035】
実施例1〜3と比較例1〜3の比較から、JISデュロメータータイプA硬度計による表面硬度が75〜90の範囲にある中間層や裏層を使用しても、交互直交布ガラス繊維基材以外の基材を使用すると意匠性や巾収縮を損なうことがわかる。
また、実施例2と比較例4、5の比較から、基材として、同じ交互直交布ガラス繊維基材を使用しても、JISデュロメータータイプA硬度計による表面硬度が75〜90の範囲にある中間層(実施例2)を使用すると意匠性、巾収縮、寸法安定性に何の問題もないが、表面硬度が75より小さい中間層(比較例4)、90を越える中間層(比較例5)を使用すると意匠性を損なうことがわかる。
【0036】
【発明の効果】
本発明は、熱可塑性合成樹脂からなる着色層と裏層及び使用するガラス繊維糸のTex番手が5〜500g/1000mであり、面密度が1×10−3〜50×10−3gであるガラス繊維製の交互直交布を積層し、該熱可塑性合成樹脂の表面硬度がJISデュロメータータイプA硬度計により測定した値が75〜90である床仕上材としたことにより、従来のガラス繊維基材を積層した床仕上材と比べ、意匠性を損なうことなく、巾収縮がなく、寸法安定性の優れた床仕上材を得ることができ、また、印刷層、透明層を積層することにより、意匠性を向上でき、更に、発泡層及び/又は最下層基材を積層することにより、衝撃吸収性、防音性、保温性、床下地との接着性、施工性を向上することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる実施の一例を示す断面図
【図2】 本発明に係わる実施の他の一例を示す断面図
【図3】 直交布基材の構造図(平面図及び断面図)
【図4】 平織基材の構造図(平面図及び断面図)
【図5】 綾織基材の構造図(平面図及び断面図)
【図6】 絡み織基材の構造図(平面図及び断面図)
【図7】 交互直交布基材の構造図(平面図及び断面図)
【符号の説明】
1:着色層
2:裏層
3:ガラス繊維基材
4:透明層
5:印刷層
6:最下層基材
Claims (3)
- 熱可塑性合成樹脂からなる着色層および裏層と使用するガラス繊維糸のTex番手が5〜500g/1000mであり、面密度が1×10−3〜50×10−3gであるガラス繊維製の交互直交布を積層した床仕上材であって、該熱可塑性合成樹脂の表面硬度がJISデュロメータータイプA硬度計により測定した値が75〜90であることを特徴とする床仕上材。
- 上記着色層の上に印刷層と透明層を順次積層したことを特徴とする請求項1に記載の床仕上材。
- 上記裏層の下に発泡層及び/又は最下層基材を積層したことを特徴とする請求項1又は2に記載の床仕上材。
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