JP4219907B2 - ノイズ抑制回路 - Google Patents

ノイズ抑制回路 Download PDF

Info

Publication number
JP4219907B2
JP4219907B2 JP2005102470A JP2005102470A JP4219907B2 JP 4219907 B2 JP4219907 B2 JP 4219907B2 JP 2005102470 A JP2005102470 A JP 2005102470A JP 2005102470 A JP2005102470 A JP 2005102470A JP 4219907 B2 JP4219907 B2 JP 4219907B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
winding
circuit
capacitor
series
inductance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005102470A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006287427A (ja
Inventor
義広 斉藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2005102470A priority Critical patent/JP4219907B2/ja
Priority to US11/376,317 priority patent/US7403403B2/en
Priority to CNA200610073346XA priority patent/CN1841894A/zh
Priority to KR1020060029907A priority patent/KR100740070B1/ko
Publication of JP2006287427A publication Critical patent/JP2006287427A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4219907B2 publication Critical patent/JP4219907B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02MAPPARATUS FOR CONVERSION BETWEEN AC AND AC, BETWEEN AC AND DC, OR BETWEEN DC AND DC, AND FOR USE WITH MAINS OR SIMILAR POWER SUPPLY SYSTEMS; CONVERSION OF DC OR AC INPUT POWER INTO SURGE OUTPUT POWER; CONTROL OR REGULATION THEREOF
    • H02M1/00Details of apparatus for conversion
    • H02M1/44Circuits or arrangements for compensating for electromagnetic interference in converters or inverters
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02MAPPARATUS FOR CONVERSION BETWEEN AC AND AC, BETWEEN AC AND DC, OR BETWEEN DC AND DC, AND FOR USE WITH MAINS OR SIMILAR POWER SUPPLY SYSTEMS; CONVERSION OF DC OR AC INPUT POWER INTO SURGE OUTPUT POWER; CONTROL OR REGULATION THEREOF
    • H02M1/00Details of apparatus for conversion
    • H02M1/12Arrangements for reducing harmonics from ac input or output
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H7/00Multiple-port networks comprising only passive electrical elements as network components
    • H03H7/01Frequency selective two-port networks
    • H03H7/09Filters comprising mutual inductance
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H7/00Multiple-port networks comprising only passive electrical elements as network components
    • H03H7/42Balance/unbalance networks
    • H03H7/425Balance-balance networks
    • H03H7/427Common-mode filters
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H7/00Multiple-port networks comprising only passive electrical elements as network components
    • H03H7/01Frequency selective two-port networks
    • H03H7/17Structural details of sub-circuits of frequency selective networks
    • H03H7/1716Comprising foot-point elements
    • H03H7/1725Element to ground being common to different shunt paths, i.e. Y-structure
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H7/00Multiple-port networks comprising only passive electrical elements as network components
    • H03H7/01Frequency selective two-port networks
    • H03H7/17Structural details of sub-circuits of frequency selective networks
    • H03H7/1741Comprising typical LC combinations, irrespective of presence and location of additional resistors
    • H03H7/1758Series LC in shunt or branch path

Description

本発明は、第1および第2の導電線上を伝搬するノイズを抑制するノイズ抑制回路に関する。
スイッチング電源、インバータ、照明機器の点灯回路等のパワーエレクトロニクス機器は、電力の変換を行う電力変換回路を有している。電力変換回路は、直流を矩形波の交流に変換するスイッチング回路を有している。そのため、電力変換回路は、スイッチング回路のスイッチング周波数と等しい周波数のリップル電圧や、スイッチング回路のスイッチング動作に伴うノイズを発生させる。このリップル電圧やノイズは他の機器に悪影響を与える。そのため、電力変換回路と他の機器あるいは線路との間には、リップル電圧やノイズを低減する手段を設ける必要がある。
また、最近、家庭内における通信ネットワークを構築する際に用いられる通信技術として電力線通信が有望視され、その開発が進められている。電力線通信は、電力線に高周波信号を重畳して通信を行う。この電力線通信では、電力線に接続された種々の電気・電子機器の動作によって、電力線上にノイズが発生し、このことが、エラーレートの増加等の通信品質の低下を招く。そのため、電力線上のノイズを低減する手段が必要になる。また、電力線通信では、屋内電力線上の通信信号が屋外電力線に漏洩することを阻止する必要がある。
なお、2本の導電線を伝搬するノイズには、2本の導電線の間で電位差を生じさせるノーマルモード(ディファレンシャルモード)ノイズと、2本の導電線を同じ位相で伝搬するコモンモードノイズとがある。
これらのノイズを抑制するために、電源ラインや信号ラインなどにラインフィルタを設けることが有効である。ラインフィルタとしては、インダクタンス素子(インダクタ)とキャパシタとを含むフィルタ、いわゆるLCフィルタがよく用いられている。
図20は、従来のノーマルモードノイズ抑制用のLCフィルタの一例を示している。このLCフィルタは、第1の導電線103上に設けられた第1のインダクタL101と、一端が第1の導電線103に接続され他端が第2の導電線104に接続された第1のキャパシタC101とで構成されている。
図21は、従来のコモンモードノイズ抑制用のLCフィルタの一例を示している。このLCフィルタは、第1の導電線103上に設けられた第1のインダクタL101と、一端が第1の導電線103に接続され他端が接地された第1のキャパシタC101とを備えている。このLCフィルタはまた、第2の導電線104上に設けられた第2のインダクタL102と、一端が第2の導電線104に接続され他端が接地された第2のキャパシタC102とを備えている。第1のインダクタL101は第1の巻線111を有し、第2のインダクタL102は第2の巻線112を有している。第1および第2の巻線111,112は、共通のコア100に巻かれることにより、協働してコモンモードノイズを抑制するように互いに磁気的に結合し、コモンモードチョークコイルを構成している。
このようなLCフィルタの基本構成は、非特許文献1に記載されている。
「トランジスタ技術 SPECIAL No.44」、CQ出版株式会社、1994年3月1日発行、p5(図6)
これらのノイズフィルタ回路では、現実的には各回路素子に寄生成分が生ずる。図22は、図20に示したLCフィルタにおいて寄生成分を考慮した場合の等価回路を示している。図23は、図21に示したLCフィルタにおいて寄生成分を考慮した場合の等価回路を示している。図示したように、第1のインダクタL101には並列的に寄生キャパシタC110が存在し、第2のインダクタL102には並列的に寄生キャパシタC120が存在する。また、第1のキャパシタC101には直列的に寄生インダクタL110が存在し、第2のキャパシタC102には直列的に寄生インダクタL120が存在する。現実の回路では、このような寄生成分が存在するため、各回路素子には素子自身とその寄生成分とによる自己共振点(自己共振周波数)が存在する。
例えば図22に示した回路において、第1のインダクタL101と寄生キャパシタC110とで並列共振回路が構成されることにより、自己共振点が生ずる。その自己共振点は、第1のインダクタL101がインダクタの性質として作用する限界の値である。その自己共振点以上の周波数では、第1のインダクタL101がインダクタではなく、キャパシタとして作用してしまう。この場合、第1のインダクタL101に第1のキャパシタC101を組み合わせてLCフィルタを構成しても、寄生キャパシタC110によるスルーパスが生じるため、自己共振点以上の帯域では高域性能が伸びずに所望の特性が得られなくなる。通常のLCフィルタでは、ライン上に設けられるインダクタのインダクタンスは値が大きいため、コイルの製造上、寄生キャパシタの容量が数pF程度は自然についてしまう。この場合、インダクタンスの値が大きいため自己共振点は低い周波数となる。すなわち、低い周波数で自己共振点を持つため、それが自己共振周波数以上の高域性能に悪影響を及ぼす。
従って、ライン上のインダクタの自己共振点を高域側に移動させることができれば、高域性能を改善することができると考えられる。例えばコア材の選定や巻き方の工夫を行うことで、寄生キャパシタを小さくして自己共振点が高域側となるように若干改善させることができる。しかしながらこの場合、インダクタンスを上げるためにコア材の透磁率μを上げるとインダクタ自体の周波数特性を下げなければならない。また、巻き数を上げる、あるいは周波数特性を上げるためには、巻線の間隔やコアと線材との間隔を所定の状態に保つために大きくしなければならないなど、交換条件的な限界がたくさんあり、同じインダクタンス値を確保しながら自己共振点を高域側に移動させることは難しいという問題がある。例えば自己共振点を2倍程度高域に伸ばすことも現実的には非常に難しい。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、寄生成分による減衰特性の悪化を改善して良好な減衰特性を得ることができるようにしたノイズ抑制回路を提供することにある。
本発明の第1の観点に係るノイズ抑制回路は、第1および第2の導電線上を伝搬するノイズを抑制するノイズ抑制回路であって、第1の導電線上に設けられた第1の巻線と、互いに直列的に接続されたキャパシタおよび第2の巻線を含み、一端が第1の導電線に接続され他端が第2の導電線に接続された直列回路とを備えている。そして、第1の巻線と第2の巻線とが互いに磁気結合されると共に、第2の巻線全体でのインダクタンスが、第1の巻線全体でのインダクタンスよりも小さく設定されているものである。さらに、第1の巻線と第1の巻線の寄生キャパシタとにより等価的に並列共振回路が形成されると共に、直列回路における第2の巻線とキャパシタとそのキャパシタの寄生インダクタとにより等価的に直列共振回路が形成されているものである。そしてさらに、第1の巻線と第2の巻線との結合係数をk1とし、k1=0とみなしたときの直列共振回路におけるキャパシタと寄生インダクタとによる共振周波数をfhとし、k1=0とみなしたときの並列共振回路の共振周波数をfとしたとき、
fh>f
を満足し、かつ、第1の巻線と第2の巻線とが磁気結合しているときの直列共振回路全体の共振周波数をfhm、磁気結合しているときの並列共振回路の共振周波数をfmとしたとき、
fhm≧fm
を満足するものである。
なお、第1の巻線と第2の巻線との磁気結合は強い方が好ましい。すなわち、第1の巻線と第2の巻線との結合係数をk1としたとき、理想的にはk1≒1であることが好ましい。
本発明の第1の観点に係るノイズ抑制回路では、従来のLC型のフィルタ回路を改善したノーマルモードノイズ抑制用の回路が構成される。このノイズ抑制回路では、第1の巻線に第2の巻線が磁気結合され、その第2の巻線のインダクタンスや所定の回路部分の共振周波数が適当な条件に設定されることで、導電線上の第1の巻線に寄生キャパシタが生じて自己共振点がある場合であっても、その自己共振点を高域側に移動させることが可能となる。これにより、寄生キャパシタの影響が等価的に低減され、良好な減衰特性が得られる。
特に、第1の巻線と第2の巻線との磁気結合が強い方が、移動後の自己共振点よりもさらに高域側において、減衰特性がより良好に保たれる。
ここで、本発明の第1の観点に係るノイズ抑制回路において、第2の巻線全体でのインダクタンスが、第1の巻線の1ターン当たりのインダクタンス以下となっていることが好ましい。
このような条件を満足することにより、より良好な減衰特性が得られる。
また、本発明の第1の観点に係るノイズ抑制回路において、第1の巻線と第2の巻線とが共通に巻かれたコアをさらに備え、共通のコアを介して第1の巻線と第2の巻線とが互いに直接的に磁気結合されていても良い。
この場合、共通のコアを介して第1の巻線と第2の巻線とを互いに磁気結合するので、簡易な構成で各巻線を磁気結合させることができ、小型化も容易となる。
また、本発明の第2の観点に係るノイズ抑制回路は、第1および第2の導電線上を伝搬するノイズを抑制するノイズ抑制回路であって、第1の導電線上に設けられた第1の巻線と、互いに直列的に接続されたキャパシタおよび第2の巻線を含み、一端が第1の導電線に接続され他端が第2の導電線に接続された直列回路と、1次側に第1の巻線が巻かれた第1のコアと、第1のコアの2次側に巻かれた第1の結合用巻線と、2次側に第2の巻線が巻かれた第2のコアと、第1の結合用巻線に接続されると共に第2のコアの1次側に巻かれた第2の結合用巻線とを備えている。そして、第1および第2の結合用巻線を介して第1の巻線と第2の巻線とが互いに等価的に磁気結合されていると共に、第2の巻線全体でのインダクタンスが、第1の巻線全体でのインダクタンスよりも小さく設定され、かつ、第1の巻線と第1の巻線の寄生キャパシタとにより等価的に並列共振回路が形成されると共に、直列回路における第2の巻線とキャパシタとそのキャパシタの寄生インダクタとにより等価的に直列共振回路が形成されているものである。そしてさらに、第1の巻線と第2の巻線との結合係数をk1とし、k1=0とみなしたときの直列共振回路におけるキャパシタと寄生インダクタとによる共振周波数をfhとし、k1=0とみなしたときの並列共振回路の共振周波数をfとしたとき、
fh>f
を満足し、かつ、第1の巻線と第2の巻線とが磁気結合しているときの直列共振回路全体の共振周波数をfhm、磁気結合しているときの並列共振回路の共振周波数をfmとしたとき、
fhm≧fm
を満足するものである。
なお、第1の巻線と第2の巻線との磁気結合は強い方が好ましい。すなわち、第1の巻線と第2の巻線との結合係数をk1としたとき、理想的にはk1≒1であることが好ましい。
本発明の第2の観点に係るノイズ抑制回路では、従来のLC型のフィルタ回路を改善したノーマルモードノイズ抑制用の回路が構成される。このノイズ抑制回路では、2つのコアを用いて第1の巻線に第2の巻線が等価的に磁気結合され、その第2の巻線のインダクタンスや所定の回路部分の共振周波数が適当な条件に設定されることで、導電線上の第1の巻線に寄生キャパシタが生じて自己共振点がある場合であっても、その自己共振点を高域側に移動させることが可能となる。これにより、寄生キャパシタの影響が等価的に低減され、良好な減衰特性が得られる。
特に、第1の巻線と第2の巻線との磁気結合が強い方が、移動後の自己共振点よりもさらに高域側において、減衰特性がより良好に保たれる。
ここで、本発明の第2の観点に係るノイズ抑制回路において、第2の巻線全体でのインダクタンスが、第1の巻線の1ターン当たりのインダクタンス以下となっていることが好ましい。
このような条件を満足することにより、より良好な減衰特性が得られる。本発明の第2の観点に係るノイズ抑制回路では、2つのコアを用いて第1の巻線に第2の巻線を等価的に磁気結合するようにしているので、第1の巻線と第2の巻線との磁気結合を強く保った状態で、このようなインダクタンスの条件を満足しやすい回路を実現できる。
このようなインダクタンスの条件を満足するために、さらに以下の条件を満足することが好ましい。すなわち、第1のコアの透磁率をμ1、第2のコアの透磁率をμ2としたとき、
μ1>μ2
を満足することが好ましい。
これにより、第1の巻線と第2の巻線との間の磁気結合を等価的に強く保ったまま第2の巻線全体でのインダクタンスを小さくすることが容易となる。例えば第1のコアの透磁率μ1と第2のコアの透磁率μ2とを適当な条件に設定することで、第1の巻線の1ターン当たりのインダクタンスに対し、第2の巻線全体でのインダクタンスを小さくすることが容易となる。
本発明の第3の観点に係るノイズ抑制回路は、第1および第2の導電線上を伝搬するノイズを抑制するノイズ抑制回路であって、第1の導電線上に設けられた第1の巻線と、互いに直列的に接続された第1のキャパシタおよび第2の巻線を含み、一端が第1の導電線に接続され他端が接地接続された第1の直列回路と、第2の導電線上に設けられると共に、第1の巻線に磁気結合された第3の巻線と、互いに直列的に接続された第2のキャパシタおよび第4の巻線を含み、一端が第2の導電線に接続され他端が接地接続された第2の直列回路とを備えている。そして、第1の巻線と第2の巻線とが互いに磁気結合されると共に、第3の巻線と第4の巻線とが互いに磁気結合され、かつ、第2の巻線全体でのインダクタンスが、第1の巻線全体でのインダクタンスよりも小さく設定されると共に、第4の巻線全体でのインダクタンスが、第3の巻線全体でのインダクタンスよりも小さく設定されているものである。さらに、第1の巻線と第1の巻線の寄生キャパシタとにより等価的に第1の並列共振回路が形成されると共に、第2の巻線と第1のキャパシタと第1のキャパシタの寄生インダクタとにより等価的に第1の直列共振回路が形成され、また、第3の巻線と第3の巻線の寄生キャパシタとにより等価的に第2の並列共振回路が形成されると共に、第4の巻線と第2のキャパシタと第2のキャパシタの寄生インダクタとにより等価的に第2の直列共振回路が形成されているものである。そしてさらに、第1の巻線と第2の巻線との結合係数をk1、第3の巻線と第4の巻線との結合係数をk2とし、k1,k2=0とみなしたときの第1の直列共振回路における第1のキャパシタと寄生インダクタとによる共振周波数をfhとし、k1,k2=0とみなしたときの第1の並列共振回路の共振周波数をfとし、かつ、k1,k2=0とみなしたときの第2の直列共振回路における第2のキャパシタと寄生インダクタとによる共振周波数もfhとし、k1,k2=0とみなしたときの第2の並列共振回路の共振周波数もfとしたとき、
fh>f
を満足し、さらに、第1の巻線と第2の巻線とが磁気結合(k1≒1)しているときの第1の直列共振回路全体の共振周波数をfhm、磁気結合しているときの第1の並列共振回路の共振周波数をfmとし、かつ、第3の巻線と第4の巻線とが磁気結合(k2≒1)しているときの第2の直列共振回路全体の共振周波数もfhm、磁気結合しているときの第2の並列共振回路の共振周波数もfmとしたとき、
fhm≧fm
を満足するものである。
なお、第1の巻線と第2の巻線との磁気結合は強い方が好ましい。すなわち、第1の巻線と第2の巻線との結合係数をk1としたとき、理想的にはk1≒1であることが好ましい。また、第3の巻線と第4の巻線との磁気結合も強い方が好ましい。すなわち、第3の巻線と第4の巻線との結合係数をk2としたとき、理想的にはk2≒1であることが好ましい。
本発明の第3の観点に係るノイズ抑制回路では、従来のLC型のフィルタ回路を改善したコモンモードノイズ抑制用の回路が構成される。このノイズ抑制回路では、第1の巻線に第2の巻線が磁気結合されると共に第3の巻線に第4の巻線が磁気結合され、第2の巻線のインダクタンス、および第4の巻線のインダクタンス、ならびに共振周波数が適当な条件に設定されることで、導電線上の第1の巻線と第3の巻線とに寄生キャパシタが生じて自己共振点がある場合であっても、その自己共振点を高域側に移動させることが可能となる。これにより、寄生キャパシタの影響が等価的に低減され、良好な減衰特性が得られる。
特に、第1および第2の巻線間の磁気結合と第3および第4の巻線間の磁気結合が強い方が、移動後の自己共振点よりもさらに高域側において、減衰特性がより良好に保たれる。
ここで、本発明の第3の観点に係るノイズ抑制回路において、第2の巻線全体でのインダクタンスが、第1の巻線の1ターン当たりのインダクタンス以下であり、かつ第4の巻線全体でのインダクタンスが、第3の巻線の1ターン当たりのインダクタンス以下となっていることが好ましい。
このような条件を満足することにより、より良好な減衰特性が得られる。
また、本発明の第3の観点に係るノイズ抑制回路において、第1の直列回路の第1のキャパシタの一端が第1の導電線に接続されると共に、第2の直列回路の第2のキャパシタの一端が第2の導電線に接続され、かつ、第1の直列回路の第2の巻線と第2の直列回路の第4の巻線とが共通化され、その共通化された巻線の一端が、第1および第2の直列回路の各キャパシタの他端に接続されると共に、他端が接地され、その共通化された巻線が第1の巻線と第3の巻線とに磁気結合されていても良い。
この場合、第2の巻線と第4の巻線とが共通化されていることで、第2の巻線と第4の巻線とを別々に設ける場合に比べて簡易な構成で実現でき、小型化も容易となる。
この場合において、共通化された巻線と第1の巻線と第3の巻線とが共通に巻かれたコアをさらに備え、その共通のコアを介して、各巻線が互いに直接的に磁気結合されていても良い。
この場合、簡易な構成で各巻線を磁気結合させることができ、小型化も容易となる。
また、本発明の第4の観点に係るノイズ抑制回路は、第1および第2の導電線上を伝搬するノイズを抑制するノイズ抑制回路であって、第1の導電線上に設けられた第1の巻線と、一端が第1の導電線に接続された第1のキャパシタと、一端が第1のキャパシタの他端に接続されると共に他端が接地され、第1のキャパシタと共に第1の直列回路を構成する第2の巻線と、第2の導電線上に設けられると共に、第1の巻線に磁気結合された第3の巻線と、一端が第2の導電線に接続されると共に他端が第2の巻線の一端に接続され、第2の巻線と共に第2の直列回路を構成する第2のキャパシタと、第1の巻線と第3の巻線とが共通に巻かれた第1のコアと、第1の巻線および第3の巻線と共に第1のコアに共通に巻かれた第1の結合用巻線と、2次側に第2の巻線が巻かれた第2のコアと、第1の結合用巻線に接続されると共に第2のコアの1次側に巻かれた第2の結合用巻線とを備えている。そして、第1および第2の結合用巻線を介して、第2の巻線と第1の巻線と第3の巻線とが互いに等価的に磁気結合されると共に、第2の巻線全体でのインダクタンスが、第1の巻線全体でのインダクタンスおよび第3の巻線全体でのインダクタンスよりも小さく設定されているものである。さらに、第1の巻線と第1の巻線の寄生キャパシタとにより等価的に第1の並列共振回路が形成されると共に、第1の直列回路を構成する第2の巻線および第1のキャパシタと第1のキャパシタの寄生インダクタとにより等価的に第1の直列共振回路が形成され、また、第3の巻線と第3の巻線の寄生キャパシタとにより等価的に第2の並列共振回路が形成されると共に、第2の直列回路を構成する第2の巻線および第2のキャパシタと第2のキャパシタの寄生インダクタとにより等価的に第2の直列共振回路が形成されているものである。そしてさらに、第1の巻線と第2の巻線との結合係数をk1、第3の巻線と第2の巻線との結合係数をk2とし、k1,k2=0とみなしたときの第1の直列共振回路における第1のキャパシタと寄生インダクタとによる共振周波数をfhとし、k1,k2=0とみなしたときの第1の並列共振回路の共振周波数をfとし、
かつ、k1,k2=0とみなしたときの第2の直列共振回路における第2のキャパシタと寄生インダクタとによる共振周波数もfhとし、k1,k2=0とみなしたときの第2の並列共振回路の共振周波数もfとしたとき、
fh>f
を満足し、さらに、第1の巻線と第2の巻線とが磁気結合しているときの第1の直列共振回路全体の共振周波数をfhm、磁気結合しているときの第1の並列共振回路の共振周波数をfmとし、
かつ、第3の巻線と第2の巻線とが磁気結合しているときの第2の直列共振回路全体の共振周波数もfhm、磁気結合しているときの第2の並列共振回路の共振周波数もfmとしたとき、
fhm≧fm
を満足するものである。
なお、第1の巻線と第2の巻線との磁気結合は強い方が好ましい。すなわち、第1の巻線と第2の巻線との結合係数をk1としたとき、理想的にはk1≒1であることが好ましい。また、第3の巻線と第2の巻線との磁気結合も強い方が好ましい。すなわち、第3の巻線と第2の巻線との結合係数をk2としたとき、理想的にはk2≒1であることが好ましい。
本発明の第4の観点に係るノイズ抑制回路では、従来のLC型のフィルタ回路を改善したコモンモードノイズ抑制用の回路が構成される。このノイズ抑制回路では、2つのコアを用いて、第1の巻線と第3の巻線とに第2の巻線が等価的に磁気結合され、第2の巻線のインダクタンスや所定の回路部分の共振周波数が適当な条件に設定されることで、導電線上の第1の巻線と第3の巻線とに寄生キャパシタが生じて自己共振点がある場合であっても、その自己共振点を高域側に移動させることが可能となる。これにより、寄生キャパシタの影響が等価的に低減され、良好な減衰特性が得られる。
特に、第1および第2の巻線間の磁気結合と第3および第2の巻線間の磁気結合が強い方が、移動後の自己共振点よりもさらに高域側において、減衰特性がより良好に保たれる。
ここで、本発明の第4の観点に係るノイズ抑制回路において、第2の巻線全体でのインダクタンスが、第1の巻線の1ターン当たりのインダクタンス以下であり、かつ第3の巻線の1ターン当たりのインダクタンス以下となっていることが好ましい。このような条件を満足することにより、より良好な減衰特性が得られる。本発明の第4の観点に係るノイズ抑制回路では、2つのコアを用いて第1の巻線と第3の巻線とに第2の巻線を等価的に磁気結合するようにしているので、第1および第2の巻線間の磁気結合と第3および第2の巻線間の磁気結合を強く保った状態で、このようなインダクタンスの条件を満足しやすい回路を実現できる。
このようなインダクタンスの条件を満足するために、さらに以下の条件を満足することが好ましい。すなわち、第1のコアの透磁率をμ1、第2のコアの透磁率をμ2としたとき、
μ1>μ2
を満足することが好ましい。
これにより、第1および第3の巻線と第2の巻線との間の磁気結合を等価的に強く保ったまま、第2の巻線全体でのインダクタンスを小さくすることが容易となる。例えば第1のコアの透磁率μ1と第2のコアの透磁率μ2とを適当な条件に設定することで、第1および第3の巻線の1ターン当たりのインダクタンスに対し、第2の巻線全体でのインダクタンスを小さくすることが容易となる。
本発明の第1の観点に係るノイズ抑制回路によれば、第1の導電線上に設けられた第1の巻線に第2の巻線を磁気結合し、その第2の巻線のインダクタンスや所定の回路部分の共振周波数を適当な条件に設定するようにしたので、導電線上の第1の巻線に寄生キャパシタが生じて自己共振点がある場合であっても、その自己共振点を高域側に移動させることが可能となり、等価的に寄生キャパシタの影響を低減することができる。これにより、寄生成分による減衰特性の悪化を改善して良好な減衰特性を得ることができる。
本発明の第2の観点に係るノイズ抑制回路によれば、2つのコアを用いて第1の導電線上に設けられた第1の巻線に第2の巻線を等価的に磁気結合し、その第2の巻線のインダクタンスや所定の回路部分の共振周波数を適当な条件に設定するようにしたので、導電線上の第1の巻線に寄生キャパシタが生じて自己共振点がある場合であっても、その自己共振点を高域側に移動させることが可能となり、等価的に寄生キャパシタの影響を低減することができる。これにより、寄生成分による減衰特性の悪化を改善して良好な減衰特性を得ることができる。
本発明の第3の観点に係るノイズ抑制回路によれば、第1の導電線上に設けられた第1の巻線に第2の巻線を磁気結合すると共に、第2の導電線上に設けられた第3の巻線に第4の巻線を磁気結合し、その第2の巻線のインダクタンス、および第4の巻線のインダクタンス、ならびに所定の回路部分の共振周波数を適当な条件に設定するようにしたので、導電線上の第1および第3の巻線に寄生キャパシタが生じて自己共振点がある場合であっても、その自己共振点を高域側に移動させることが可能となり、等価的に寄生キャパシタの影響を低減することができる。これにより、寄生成分による減衰特性の悪化を改善して良好な減衰特性を得ることができる。
本発明の第4の観点に係るノイズ抑制回路によれば、2つのコアを用いて、第1の導電線上に設けられた第1の巻線と第2の導電線上に設けられた第3の巻線とに第2の巻線を等価的に磁気結合すると共に、その第2の巻線のインダクタンス、ならびに所定の回路部分の共振周波数を適当な条件に設定するようにしたので、導電線上の第1および第3の巻線に寄生キャパシタが生じて自己共振点がある場合であっても、その自己共振点を高域側に移動させることが可能となり、等価的に寄生キャパシタの影響を低減することができる。これにより、寄生成分による減衰特性の悪化を改善して良好な減衰特性を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路について説明する。図1は、本実施の形態に係るノイズ抑制回路の一構成例を示している。このノイズ抑制回路はノーマルモードノイズを抑制する回路に関するものである。
このノイズ抑制回路は、一対の端子1A,1Bと、他の一対の端子2A,2Bと、端子1A,2A間を接続する第1の導電線3と、端子1B、2B間を接続する第2の導電線4とを備えている。このノイズ抑制回路はまた、第1の導電線3上に設けられた第1の巻線11と、一端が第1の導電線3に接続され他端が第2の導電線4に接続された直列回路5とを備えている。直列回路5は、互いに直列的に接続されたキャパシタC1および第2の巻線12を含んでいる。第2の巻線12の一端は第1の導電線3に接続されると共に他端がキャパシタC1の一端に接続されている。キャパシタC1の他端は第2の導電線4に接続されている。
このノイズ抑制回路はさらに、第1および第2の巻線11,12が共通に巻かれたコア10を備え、その共通のコア10を介して第1の巻線11と第2の巻線11とが互いに直接的に磁気結合されている。第1および第2の巻線11,12と、それらが共通に巻かれたコア10とによって、各巻線部分で第1および第2のインダクタL1,L2が形成されている。各インダクタは共通の同じコア10で形成されているので、互いに磁気的に結合される。なお、図において各巻線に記した黒い丸印はその巻線の極性、巻き方の向きを表す。第1および第2の巻線11,12の極性は同一方向であることが好ましい。
図2は、このノイズ抑制回路において寄生成分を考慮した場合の等価回路を示している。図示したように、第1の巻線11には並列的に寄生キャパシタC10が存在し、また、キャパシタC1には直列的に寄生インダクタL10が存在する。第1の巻線11と第1の巻線11の寄生キャパシタC10とにより等価的に並列共振回路が形成される。また、第2の巻線12とキャパシタC1とそのキャパシタC1の寄生インダクタL10とにより等価的に直列共振回路6が形成される。
なお、図3の第2の構成例に示したように、直列回路5内における第2の巻線12とキャパシタC1との位置関係が逆であっても良い。すなわち、キャパシタC1の一端を第1の導電線3に接続すると共に他端を第2の巻線12の一端に接続し、第2の巻線12の他端を第2の導電線4に接続するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、このノイズ抑制回路の回路条件を説明する。
図4に示したように、第1の巻線11全体(第1のインダクタL1)でのインダクタンスをLL、第2の巻線全体(第2のインダクタL2)でのインダクタンスをxL、キャパシタC1のキャパシタンスをdCとする。また、第1の巻線11の1ターン当たりのインダクタンスをLL1とする。また、寄生キャパシタC10のキャパシタンスをxC、寄生インダクタL10のインダクタンスをaLとする。また、第1の巻線11と第2の巻線12との結合係数をk1とする。
このノイズ抑制回路は、第1の巻線11と第2の巻線12とのインダクタンスに関し、以下の条件を満足することが好ましい。まず、第2の巻線12全体でのインダクタンスxLが、第1の巻線11全体でのインダクタンスLLよりも十分に小さく設定されていることが好ましい。
xL<<LL
特に、第1の巻線11の1ターン当たりのインダクタンスLL1以下となっていることがより好ましい。すなわち、
xL≦LL1
また、第1の巻線11と第2の巻線12との磁気結合は強い方が好ましい。すなわち、結合係数k1が理想的にはk1≒1であることが好ましい。
このノイズ抑制回路は、さらに、k1=0とみなしたときの直列共振回路6におけるキャパシタC1と寄生インダクタL10とによる共振周波数(キャパシタC1の自己共振周波数)をfhとし、k1=0とみなしたときの第1の巻線11とその寄生キャパシタC10とによる並列共振回路の共振周波数(第1の巻線11の自己共振周波数)をfとしたとき、
fh>f
を満足することが好ましい。
このノイズ抑制回路はまた、第1の巻線11と第2の巻線12とが磁気結合しているとき(理想的にはk1≒1のとき)の直列共振回路6全体の共振周波数をfhm、同様に磁気結合しているときの第1の巻線11とその寄生キャパシタC10とによる並列共振回路の共振周波数をfmとしたとき、
fhm≧fm
を満足することが好ましい。
次に、このノイズ抑制回路の作用を説明する。
このノイズ抑制回路では、従来のノーマルモード用のLCフィルタ回路(図20)を改善したノーマルモードノイズ抑制用の回路が構成される。このノイズ抑制回路では、第1の巻線11に第2の巻線12が磁気結合され、その第2の巻線12のインダクタンスxLが上述した適当な条件に設定されていることで、第1の巻線11に寄生キャパシタC10が生じて自己共振点がある場合であっても、その自己共振点を高域側に移動させることが可能となる。これにより、寄生キャパシタC10の影響が等価的に低減され、良好な減衰特性が得られる。以下、シミュレーションにより、このノイズ抑制回路の特性を詳しく考察する。
図5は、回路条件を以下の通りとして、第2の巻線12全体でのインダクタンスxLをパラメータとして変化させたときの減衰特性をシミュレーションした結果を示している。インダクタンスxLは、上述した条件を満たすように、第1の巻線11のインダクタンスLLよりも十分に小さい値としている。横軸は周波数(Hz)、縦軸は減衰量(dB)を示す。比較のために、寄生成分が無い場合の理想的なLC型のフィルタ回路(図20の構成に対応)の特性を符号50を付した曲線で示し、また、寄生成分(寄生キャパシタC10、寄生インダクタL10)のみの回路の特性を符号52を付した曲線で示す。また、寄生成分を含む従来のLC型のフィルタ回路(図22の構成に対応)の特性を符号51を付した曲線で示す。
・回路条件
入出力インピーダンス=50Ω
第1の巻線11のインダクタンスLL=1mH
キャパシタC1のキャパシタンスdC=1000pF
寄生キャパシタC10のキャパシタンスxC=10pF
寄生インダクタL10のインダクタンスaL=10nH
結合係数k1=1
まず、符号51で示した従来のLC型のフィルタ回路では、第1の巻線11とその寄生キャパシタC10とによる自己共振点51Aが低域側にできており、さらにキャパシタC1とその寄生インダクタL10とによる自己共振点51Bが高域側にできている。第1の巻線11による自己共振点51Aより高域側で、かつキャパシタC1による自己共振点51Bまでの間で減衰特性が悪化している。これは、第1の巻線11の寄生キャパシタC10の影響による。その自己共振点51Aは、第1の巻線11によるインダクタL1がインダクタの性質として作用する限界の値であり、その自己共振点以上の周波数ではインダクタではなく、キャパシタとして作用してしまう。インダクタとしての理想の動作はその自己共振点51Aまでが限界で、それ以降はキャパシタC1を用いても単純な電圧分割比(xC/dC)となるためゲインを下げることができない。すなわち、2つの自己共振点51A,51Bの間では、xCとdCの関係だけで決められる減衰量しか得ることができない。例えばコア材の選定や巻き方の工夫を行うことで、寄生キャパシタC10を小さくして自己共振点51Aが高域側となるように若干改善させることができるが、その移動量を大きくすることは現実的には非常に難しい。例えば第1の巻線11を小さな巻き数で構成する場合も、1ターン当たりのインダクタンス値を大きくしなければならず、コア10のインピーダンス特性によって生成された自己共振点の大きな寄生キャパシタ成分がついてしまう。
一方、本実施の形態に係るノイズ抑制回路では、第1の巻線11に第2の巻線12を磁気結合させ、そのインダクタンスxLの値をある程度の範囲内で調整することによって、図示したように第1の巻線11の自己共振点51Aを高域側にシフトさせることができる。言い換えれば寄生キャパシタンスxCの低減を行って等価的に第1の巻線11の自己共振点51Aを何倍にも高域に上げることができる。その場合、自己共振点51Aは符号50で示した理想的なLCフィルタの減衰特性に沿って高域側に伸ばすことができる。従って、例えば大きなコアを用いて第1の巻線11の巻き数を減らした場合、低域側に自己共振点51Aができるがそれを高域側に伸ばせるため、巻き数を低減しつつ減衰特性を改善でき、回路の小型化にも貢献する。
なお、自己共振点51Aが高域側に移動する一方、キャパシタC1の自己共振点51Bは低域側に移動しているので、実用上、自己共振点51Aの移動の限界点は、2つの自己共振点51A,51Bが近接する付近となる(図5の場合、xL=90nH付近のとき)。そこがこのノイズ抑制回路における調整限界点となる。この観点から、上述の条件、
fh>f
fhm≧fm
を満足することが好ましい。
ところで図5は、第1の巻線11と第2の巻線12との結合係数k1を1として、磁気結合が理想的な場合の特性であるが、実際には結合係数k1を1にするのは困難である。そこで、次に、結合係数k1の値を変更した場合の特性を、同様にシミュレーションにより調べた。結果を図6〜図9に示す。結合係数k1の値以外の回路条件は、図5の場合と同様である。図6はk1=0のとき、図7はk1=0.5のとき、図8はk1=0.9のとき、図9はk1=0.99のときの特性を示す。
k1=0のとき(図6)は、第1の巻線11と第2の巻線12との磁気結合が無い場合であり、従来のLC型のフィルタ回路に対して単純に第2の巻線12によるインダクタ成分が追加されるだけの回路となり、キャパシタC1の自己共振点51B側での高域特性が悪化する。また、第1の巻線11の自己共振点51Aの移動、改善効果は得られない。従って、十分な性能は得られない。これに対し、k1=0.5のとき(図7)では、k1=0の場合に比べれば第1の巻線11による自己共振点51Aの移動の特徴が現れ始めるものの、その改善効果は小さい。また、キャパシタC1の自己共振点51B側での高域特性の悪化も見られる。従って、性能的にまだ不十分である。
比較的磁気結合の度合いが強いk1=0.9のとき(図8)では、自己共振点51Aの移動による改善効果は十分に得られているが、自己共振点51B側での高域特性の悪化が残存している。さらに高結合のk1=0.99のとき(図9)では、理想的な結合状態であるk1=1のとき(図5)と同等の性能が得られている。このように、第1の巻線11と第2の巻線12との磁気結合が強い方が、自己共振点51Aの移動の効果が得られると共に、移動後の自己共振点51Aよりもさらに高域側での減衰特性についてもより良好なものとなる。従って、k1=0.9以上、好ましくはk1=0.99程度であれば十分な性能が得られる。
以上説明したように、本実施の形態に係るノイズ抑制回路によれば、第1の導電線3上に設けられた第1の巻線11に第2の巻線12を磁気結合し、その第2の巻線12のインダクタンスxLを適当な条件に設定するようにしたので、第1の巻線11に寄生キャパシタC10が生じて自己共振点がある場合であっても、その自己共振点を高域側に移動させることが可能となり、等価的に寄生キャパシタC10の影響を低減することができる。これにより、寄生成分による減衰特性の悪化を改善して良好な減衰特性を得ることができる。
特に本実施の形態では、共通のコア10を介して第1の巻線11と第2の巻線12とを互いに磁気結合しているので、簡易な構成で各巻線を磁気結合させることができ、小型化も容易となる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係るノイズ抑制回路について説明する。
上記第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路は、第2の巻線12全体でのインダクタンスxLが、第1の巻線11の1ターン当たりのインダクタンスLL1以下となっている(xL≦LL1)ことを1つの条件としている。また、第1の巻線11と第2の巻線12との磁気結合は強い方が好ましい(理想的には結合係数k1≒1)。しかしながら、共通のコア10を介して第1の巻線11と第2の巻線12とを互いに直接的に磁気結合する構成の場合、第1の巻線11と第2の巻線12との磁気結合を強く保ったまま、xL≦LL1の条件を満たし、1ターン当たりのインダクタンスLL1よりも小さなインダクタンスにすることは困難である。
例えば図10に示したように、第1の巻線11による磁束Φに対し、一部の磁束のみが横切るように第2の巻線12を巻くことで、第2の巻線12のインダクタンスxLを、第1の巻線11の1ターン当たりのインダクタンスLL1よりも小さくすることが可能となる。これは、第1の巻線11による磁路と第2の巻線12による磁路とを分けることを意味する。しかしながら、この場合、巻線間で共有する磁束の数を減らすことになるため、k1≒1となるような高結合を実現することは困難である。そこで、本実施の形態では、第2の巻線12のインダクタンスxLに関して適切な条件を満たしつつ、高結合の条件を実現しやすい回路を提供する。
図11は、本実施の形態に係るノイズ抑制回路の一構成例を示している。本実施の形態は、上記第1の実施の形態と同様、ノーマルモードノイズを抑制する回路に関するものである。なお、上記第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。なお、図11では、図2と同様、寄生成分を含んだ等価回路の構成を示している。
このノイズ抑制回路は、図2に示した上記第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路に比べて、第1の巻線11と第2の巻線12との結合部分の回路40の構成が異なる。このノイズ抑制回路は、第1の巻線11と第2の巻線12とが共通に巻かれたコア10に代えて、2つのコア10A,10Bを備えている。このノイズ抑制回路はまた、第1の結合用巻線41と第2の結合用巻線42とを備えている。そして、第1のコア10Aの1次側に第1の巻線11が巻かれ、2次側に第1の結合用巻線41が巻かれている。また、第2のコア20Aの1次側に第2の結合用巻線42が巻かれ、2次側に第2の巻線12が巻かれている。第1の結合用巻線41と第2の結合用巻線42は、互いに接続されている。これにより、第1および第2の結合用巻線41,42を介して第1の巻線11と第2の巻線12とが等価的に磁気結合されている。
なお、図12の第2の構成例に示したように、直列共振回路6内における第2の巻線12とキャパシタC1との位置関係が逆であっても良い。すなわち、キャパシタC1の方を第1の導電線3側に配置し、第2の巻線12の方を第2の導電線4側に配置するようにしても良い。
このノイズ抑制回路では、第1のコア10Aと第2のコア20Aとに分けてそれぞれに第1の巻線11と第2の巻線12とを巻回し、第1の巻線11と第2の巻線12とを第1および第2の結合用巻線41,42を介して等価的に磁気結合することで、第1の巻線11と第2の巻線12との磁気結合を等価的に強く保ったまま第2の巻線12全体でのインダクタンスxLを小さくすることが容易となる。例えば、第1のコア10Aの透磁率をμ1、第2のコア20Aの透磁率をμ2としたとき、
μ1>μ2
を満足し、また、形状、および巻数を適切に設定することで、第1の巻線11に対して第2の巻線12のインダクタンスを小さくすることができる。また、第1の巻線11と第2の巻線12の線材を異なるもので構成しても良い。
図13(A),(B)を参照して、結合部分の回路40の条件について説明する。第1のコア10Aにおいて、2次側に巻く第1の結合用巻線41は、1次側の第1の巻線11と同方向で、かつ第1の巻線11に対して十分少ない巻数(理想的には1ターン)とする。第2の巻線12は、第1の巻線11の1ターン当たりのインダクタンスLL1以下で所望の特性が得られるような巻数(例えば1ターン)にしておく。上述したように第1のコア10Aと第2のコア20Aとの材質を変えることで、第1の巻線11の1ターン当たりのインダクタンスLL1に比べて、第2の巻線12のインダクタンスxLを容易に小さくできる。第2のコア20Aにおいて、1次側に巻く第2の結合用巻線42は、2次側の第2の巻線12と同方向で、かつ第2の巻線12に対して十分多い巻数とする。
ここで、図13(A)に示したように、第1のコア10Aにおける1次側と2次側の巻線間の相互インダクタンスをM11,結合係数をk11とし、第2のコア20Aにおける1次側と2次側の巻線間の相互インダクタンスをM12,結合係数をk12とする。また、第1のコア10Aにおける1次側の巻線部分のインダクタンスをL1、2次側の巻線部分のインダクタンスをL2とし、第2のコア20Aにおける1次側の巻線部分のインダクタンスをxL1、2次側の巻線部分のインダクタンスをxLとする。この場合、
M11=k11√L1×L2
M12=k12√xL1×xL
となる。なお、√L1×L2はL1×L2の平方根、√xL1×xLはxL1×xLの平方根を表す。
第2のコア20Aにおける1次側の巻線部分のインダクタンスxL1を、第1のコア10Aにおける1次側の巻線部分のインダクタンスL2に比べて十分大きくし、かつ、各コアにおける結合係数k11,k12を高結合状態とする。すなわち、
xL1>>L2、かつ、
k11,k12≒1
とすることで、等価的に第1の巻線11と第2の巻線12とを高結合状態(k1≒1)にすることができる。すなわち図13(A)に示した回路を、等価的に図13(B)に示した回路と同じと考えることができる。この場合、第1および第2の結合用巻線41,42により損失が発生するものの、それは十分に無視できる。この場合、等価的にはコア10における1次側と2次側の巻線間の相互インダクタンスM1に関し、
M1=k1√LL×xL
が成り立つ。なお、√LL×xLはLL×xLの平方根を表す。従って、図11に示した本実施の形態に係るノイズ抑制回路は、等価的に図2に示した第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路と同じと考えることができる。
このように、本実施の形態に係るノイズ抑制回路によれば、第1のコア10Aと第2のコア20Aとに分けてそれぞれに第1の巻線11と第2の巻線12とを巻回し、第1の巻線11と第2の巻線12とを第1および第2の結合用巻線41,42を介して等価的に磁気結合するようにしたので、第1の巻線11と第2の巻線12との磁気結合を等価的に高結合状態にしたまま、第2の巻線12全体でのインダクタンスxLを第1の巻線11の1ターン当たりのインダクタンスLL1に比べて容易に小さくすることができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態に係るノイズ抑制回路について説明する。
図14は、本実施の形態に係るノイズ抑制回路の一構成例を示している。本実施の形態は、コモンモードノイズを抑制する回路に関するものである。なお、上記第1および第2の実施の形態に係るノイズ抑制回路と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
このノイズ抑制回路は、第1の導電線3上に設けられた第1の巻線11と、一端が第1の導電線3に接続され他端が接地接続された第1の直列回路5−1とを備えている。第1の直列回路5−1は、互いに直列的に接続された第1のキャパシタC1および第2の巻線12を含んでいる。第2の巻線12の一端は第1の導電線3に接続されると共に他端が第1のキャパシタC1の一端に接続されている。キャパシタC1の他端は接地接続されている。このノイズ抑制回路はまた、第2の導電線4上に設けられると共に、第1の巻線11に磁気結合された第3の巻線13と、一端が第2の導電線4に接続され他端が接地接続された第2の直列回路5−2とを備えている。第2の直列回路5−2は、互いに直列的に接続された第2のキャパシタC2および第4の巻線14を含んでいる。第4の巻線14の一端は第2の導電線4に接続されると共に他端が第2のキャパシタC2の一端に接続されている。第2のキャパシタC2の他端は接地接続されている。
このノイズ抑制回路はさらに、第1および第2の巻線11,12、ならびに第3および第4の巻線13,14が共通に巻かれたコア10を備え、その共通のコア10を介して各巻線が互いに直接的に磁気結合されている。第1および第2の巻線11,12と、それらが共通に巻かれたコア10とによって、各巻線部分で第1および第2のインダクタL1,L2が形成されている。同様に、第3および第4の巻線13,14と、それらが共通に巻かれたコア10とによって、各巻線部分で第3および第4のインダクタL3,L4が形成されている。各インダクタは共通の同じコア10で形成されているので、互いに磁気的に結合される。なお、図において各巻線に記した黒い丸印はその巻線の極性、巻き方の向きを表す。第1および第2の巻線11,12、ならびに第3および第4の巻線13,14の極性は同一方向であることが好ましい。第1および第3の巻線11,13は、共通のコア10に巻かれることにより、協働してコモンモードノイズを抑制するように互いに磁気的に結合し、コモンモードチョークコイルを構成している。
図15は、このノイズ抑制回路において寄生成分を考慮した場合の等価回路を示している。図示したように、第1の巻線11には並列的に寄生キャパシタC10が存在し、また、第1のキャパシタC1には直列的に寄生インダクタL10が存在する。第1の巻線11と第1の巻線11の寄生キャパシタC10とにより等価的に第1の並列共振回路が形成される。また、第2の巻線12と第1のキャパシタC1とそのキャパシタC1の寄生インダクタL10とにより等価的に第1の直列共振回路6−1が形成される。同様に、第3の巻線13には並列的に寄生キャパシタC20が存在し、また、第2のキャパシタC2には直列的に寄生インダクタL20が存在する。第3の巻線13と第3の巻線13の寄生キャパシタC20とにより等価的に第2の並列共振回路が形成される。また、第4の巻線14と第2のキャパシタC2とそのキャパシタC2の寄生インダクタL20とにより等価的に第2の直列共振回路6−2が形成される。
このノイズ抑制回路は、上記第1の実施の形態に係る回路と同様の回路条件を満足することで、良好な減衰特性が得られる。なお、ここでは図16に示したように、第1の並列共振回路と第1の直列共振回路6−1とにおける回路値の記号として、図4に示したものと同様の記号を用いて説明する。第2の並列共振回路と第2の直列共振回路6−2とにおける回路値についても、対応する部分については同様の記号を用いて説明する。
すなわち、このノイズ抑制回路についても、第2の巻線12全体でのインダクタンスxLが、第1の巻線11全体でのインダクタンスLLよりも十分に小さく設定されていることが好ましい。特に、第1の巻線11の1ターン当たりのインダクタンスLL1以下となっていることがより好ましい。同様に、第4の巻線14全体でのインダクタンスxLが、第3の巻線13全体でのインダクタンスLLよりも十分に小さく設定されていることが好ましい。特に、第3の巻線13の1ターン当たりのインダクタンスLL1以下となっていることがより好ましい。すなわち、
xL<<LL
xL≦LL1
また、第1の巻線11と第2の巻線12との磁気結合は強い方が好ましい。すなわち、結合係数k1が理想的にはk1≒1であることが好ましい。同様に、第3の巻線13と第4の巻線14との磁気結合は強い方が好ましい。すなわち、結合係数をk2とすると、理想的にはk2≒1であることが好ましい。
このノイズ抑制回路は、さらに、k1,k2=0とみなしたときの第1の直列共振回路6−1における第1のキャパシタC1と寄生インダクタL10とによる共振周波数(キャパシタC1の自己共振周波数)をfhとし、k1,k2=0とみなしたときの第1の並列共振回路の共振周波数(第1の巻線11の自己共振周波数)をfとしたとき、
fh>f
を満足することが好ましい。同様に、k1,k2=0とみなしたときの第2の直列共振回路6−2における第2のキャパシタC2と寄生インダクタL20とによる共振周波数(キャパシタC2の自己共振周波数)もfhとし、k1,k2=0とみなしたときの第2の並列共振回路の共振周波数もfとしたとき、上記関係を満たすことが好ましい。
さらに、第1の巻線11と第2の巻線12とが磁気結合しているとき(理想的にはk1≒1のとき)の第1の直列共振回路6−1全体の共振周波数をfhm、磁気結合しているときの第1の並列共振回路の共振周波数をfmとしたとき、
fhm≧fm
を満足することが好ましい。同様に、第3の巻線13と第4の巻線14とが磁気結合しているとき(理想的にはk2≒1のとき)の第2の直列共振回路6−2全体の共振周波数もfhm、磁気結合しているときの第2の並列共振回路の共振周波数もfmとしたとき、上記関係を満たすことが好ましい。
次に、このノイズ抑制回路の作用を説明する。
このノイズ抑制回路では、従来のコモンモード用のLCフィルタ回路(図21)を改善したコモンモードノイズ抑制用の回路が構成される。このノイズ抑制回路では、第1の巻線11に第2の巻線12が磁気結合されると共に第3の巻線13に第4の巻線14が磁気結合され、その第2の巻線12のインダクタンスxLと第4の巻線のインダクタンスxLとが上述した適当な条件に設定されていることで、第1の巻線11と第3の巻線13とに寄生キャパシタC10,C20が生じて自己共振点がある場合であっても、その自己共振点を高域側に移動させることが可能となる。これにより、寄生キャパシタC10,C20の影響が等価的に低減され、良好な減衰特性が得られる。
このノイズ抑制回路においても、上記第1の実施の形態に係る回路と同様に、第2の巻線12のインダクタンスxLの値と第4の巻線のインダクタンスxLの値とを調整することによって、第1の巻線11と第3の巻線13との自己共振点を高域側に移動させることができる。また、その移動の効果は、第1の巻線11と第2の巻線12との磁気結合、ならびに第3の巻線13と第4の巻線14との磁気結合が強い方が、より良好なものとなる。
このように、本実施の形態に係るノイズ抑制回路によれば、第1の導電線3上に設けられた第1の巻線11に第2の巻線12を磁気結合すると共に、第2の導電線4上に設けられた第3の巻線13に第4の巻線14を磁気結合し、その第2の巻線12のインダクタンスxLと第4の巻線14のインダクタンスxLとを適当な条件に設定するようにしたので、導電線上の第1および第3の巻線11,13に寄生キャパシタC10,C20が生じて自己共振点がある場合であっても、その自己共振点を高域側に移動させることが可能となり、等価的に寄生キャパシタの影響を低減することができる。これにより、寄生成分による減衰特性の悪化を改善して良好な減衰特性を得ることができる。
特に本実施の形態では、共通のコア10を介して第1および第2の巻線11,12、ならび第3および第4の巻線13,14を互いに磁気結合しているので、簡易な構成で各巻線を磁気結合させることができ、小型化も容易となる。
<第3の実施の形態の変形例>
図17は、本実施の形態の変形例に係るノイズ抑制回路を示している。このノイズ抑制回路は、図14の回路構成に対して、第1および第2の直列回路5−1,5−2内における各巻線12,14と各キャパシタC1,C2との接続位置の関係を逆にすると共に、各巻線12,14を共通化して単一の巻線で構成したものである。
すなわち、このノイズ抑制回路は、第1のキャパシタC1の一端が第1の導電線3に接続されると共に、第2のキャパシタC2の一端が第2の導電線4に接続され、かつ、第2の巻線12と第4の巻線14とが共通化されている(以下、共通化された状態の巻線を第2の巻線12と呼ぶ)。そして、その共通化された第2の巻線12の一端が、各キャパシタの他端に接続されると共に、他端が接地されている。また、共通化された第2の巻線12が、共通のコア10を介して第1の巻線11と第3の巻線13とに直接的に磁気結合されている。これにより、第1のキャパシタC1と第2のキャパシタC2は、第2の巻線12を共有する形で、第1および第2の直列回路5−1,5−2を構成している。
この変形例によれば、第2の巻線12と第4の巻線14とが共通化されていることで、第2の巻線12と第4の巻線14とを別々に設ける場合に比べて簡易な構成で実現でき、小型化も容易となる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態に係るノイズ抑制回路について説明する。
上記第3の実施の形態に係るノイズ抑制回路は、第2の巻線12全体でのインダクタンスxLが、第1の巻線11の1ターン当たりのインダクタンスLL1以下となっている(xL≦LL1)ことを1つの条件としている。同様に、第4の巻線14全体でのインダクタンスxLが、第3の巻線13の1ターン当たりのインダクタンスLL1以下となっていることを1つの条件としている。また、第1の巻線11と第2の巻線12との磁気結合は強い方が好ましい(理想的には結合係数k1≒1)。同様に、第3の巻線13と第4の巻線14との磁気結合は強い方が好ましい(理想的には結合係数k2≒1)。しかしながら、共通のコア10を介して各巻線を互いに直接的に磁気結合する構成の場合、各巻線の磁気結合を強く保ったまま、xL≦LL1の条件を満たし、1ターン当たりのインダクタンスLL1よりも小さなインダクタンスにすることは困難である。
そこで、本実施の形態では、第2および第4の巻線12,14のインダクタンスxLに関して適切な条件を満たしつつ、高結合の条件を実現しやすい回路を提供する。なお、ここでは、第2および第4の巻線12,14を共通化した回路(図17)に対応する回路構成を例に説明する。
図18は、本実施の形態に係るノイズ抑制回路の一構成例を示している。本実施の形態は、上記第3の実施の形態と同様、コモンモードノイズを抑制する回路に関するものである。なお、上記第3の実施の形態に係るノイズ抑制回路と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
このノイズ抑制回路は、図17に示したノイズ抑制回路に比べて、第1および第3の巻線11,13と第2の巻線12との結合部分の回路40の構成が異なる。この結合部分の回路40は、上記第2の実施の形態において説明したもの(図11)と同様の回路である。このノイズ抑制回路は、第2の巻線12と第1および第3の巻線11,13とが共通に巻かれたコア10に代えて、2つのコア10A,10Bを備えている。このノイズ抑制回路はまた、第1の結合用巻線41と第2の結合用巻線42とを備えている。そして、第1のコア10Aの1次側および2次側に第1および第3の巻線11,13が巻かれている。また、第1のコア10Aの2次側に第1の結合用巻線41が巻かれている。また、第2のコア20Aの1次側に第2の結合用巻線42が巻かれ、2次側に第2の巻線12が巻かれている。第1の結合用巻線41と第2の結合用巻線42は、互いに接続されている。これにより、第1および第2の結合用巻線41,42を介して、第2の巻線12と第1および第3の巻線11,13とが等価的に磁気結合されている。
このノイズ抑制回路では、第1のコア10Aと第2のコア20Aとに分けてそれぞれに第1および第3の巻線11,13と第2の巻線12とを巻回し、第1および第3の巻線11,13と第2の巻線12とを第1および第2の結合用巻線41,42を介して等価的に磁気結合することで、第1および第3の巻線11,13と第2の巻線12との磁気結合を等価的に強く保ったまま第2の巻線12全体でのインダクタンスxLを小さくすることが容易となる。例えば、第1のコア10Aの透磁率をμ1、第2のコア20Aの透磁率をμ2としたとき、
μ1>μ2
を満足し、また、形状、および巻数を適切に設定することで、第1および第3の巻線11,13に対して第2の巻線12のインダクタンスを小さくすることができる。また、第1および第3の巻線11,13と第2の巻線12との線材を異なるもので構成しても良い。
なお、結合部分の回路40の条件については、上記第2の実施の形態において図13(A),(B)を参照して説明したものと同様である。
図19は、この回路の減衰特性を実測してグラフ化したものである。回路条件は以下の通りである。インダクタンスxLは、上述した条件を満たすように、第1および第3の巻線11,13の各インダクタンスLLよりも十分に小さい値としている。横軸は周波数(Hz)、縦軸は減衰量(dB)を示す。符号181を付した曲線が、この回路の減衰特性を示す。比較のために、従来のLC型のフィルタ回路(図21の構成に対応)の特性を符号182を付した曲線で示す。また、第1および第3の巻線11,13によるコモンモードチョークコイルのみの回路の特性を符号183を付した曲線で示す。
・回路条件
入出力インピーダンス=50Ω
第1および第3の巻線11,13の各インダクタンスLL=2.5mH(29ターン巻き)
キャパシタC1,C2の各キャパシタンスdC=1000pF
第1の結合用巻線41のインダクタンス=3μH(1ターン巻き)
第2の巻線12のインダクタンスxL=50nH(1ターン巻き)
第2の結合用巻線42のインダクタンス=18ターン巻き
図19のグラフから分かるように、このノイズ抑制回路では、コモンモードチョークコイルのみの回路に比べて高域側で全体的に良好な減衰特性が得られている。また、従来のLC型のフィルタ回路に比べて、第1および第3の巻線11,13による自己共振点182Aが高域側に移動し、キャパシタC1,C2の自己共振点182Bが低域側に移動している。そして、自己共振点182A,182Bの間の領域で良好な減衰特性が得られている。
なお、第2の巻線12と第4の巻線14とを別々に設ける回路(図14)についても、同様の結合回路40を用いて構成することが可能である。
このように、本実施の形態に係るノイズ抑制回路によれば、第1のコア10Aと第2のコア20Aとに分けてそれぞれに第1および第3の巻線11,13と第2の巻線12とを巻回し、第1および第3の巻線11,13と第2の巻線12とを第1および第2の結合用巻線41,42を介して等価的に磁気結合するようにしたので、第1および第3の巻線11,13と第2の巻線12との磁気結合を等価的に高結合状態にしたまま、第2の巻線12全体でのインダクタンスxLを第1および第3の巻線11,13の各1ターン当たりのインダクタンスLL1に比べて容易に小さくすることができる。
本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路の第1の構成例を示す回路図である。 図1に示したノイズ抑制回路において寄生成分を考慮した場合の等価回路を示す回路図である。 本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路の第2の構成例を示す回路図である。 図1に示したノイズ抑制回路における回路値の説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路における減衰特性(k1=1)を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路における減衰特性(k1=0)を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路における減衰特性(k1=0.5)を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路における減衰特性(k1=0.9)を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路における減衰特性(k1=0.99)を示す特性図である。 2つの巻線間の結合とインダクタンスとの関係を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態に係るノイズ抑制回路の第1の構成例を示す回路図である。 本発明の第2の実施の形態に係るノイズ抑制回路の第2の構成例を示す回路図である。 本発明の第2の実施の形態に係るノイズ抑制回路における巻線間の結合作用を説明するための図であり、(A)は巻線間の結合回路、(B)は(A)に示した結合回路の等価回路を示している。 本発明の第3の実施の形態に係るノイズ抑制回路の一構成例を示す回路図である。 図14に示したノイズ抑制回路において寄生成分を考慮した場合の等価回路を示す回路図である。 本発明の第3の実施の形態に係るノイズ抑制回路における回路値の説明図である。 本発明の第3の実施の形態に係るノイズ抑制回路の変形例を示す回路図である。 本発明の第4の実施の形態に係るノイズ抑制回路の一構成例を示す回路図である。 本発明の第4の実施の形態に係るノイズ抑制回路における減衰特性を示す特性図である。 従来のノーマルモードノイズ抑制用のフィルタ回路の構成例を示す回路図である。 従来のコモンモードノイズ抑制用のフィルタ回路の構成例を示す回路図である。 従来のノーマルモードノイズ抑制用のフィルタ回路において寄生成分を考慮した場合の等価回路を示す回路図である。 従来のコモンモードノイズ抑制用のフィルタ回路において寄生成分を考慮した場合の等価回路を示す回路図である。
符号の説明
C1…第1のキャパシタ、C2…第2のキャパシタ、C10,C20…寄生キャパシタ、L1…第1のインダクタ、L2…第2のインダクタ、L10,L20…寄生インダクタ、5…直列回路、6…直列共振回路、10…コア、10A…第1のコア、11…第1の巻線、12…第2の巻線、13…第3の巻線、14…第4の巻線、20A…第2のコア。

Claims (13)

  1. 第1および第2の導電線上を伝搬するノイズを抑制するノイズ抑制回路であって、
    前記第1の導電線上に設けられた第1の巻線と、
    互いに直列的に接続されたキャパシタおよび第2の巻線を含み、一端が前記第1の導電線に接続され他端が前記第2の導電線に接続された直列回路と
    を備え、
    前記第1の巻線と前記第2の巻線とが互いに磁気結合されていると共に、前記第2の巻線全体でのインダクタンスが、前記第1の巻線全体でのインダクタンスよりも小さく設定され、
    かつ、前記第1の巻線と前記第1の巻線の寄生キャパシタとにより等価的に並列共振回路が形成されると共に、前記直列回路における前記第2の巻線と前記キャパシタとそのキャパシタの寄生インダクタとにより等価的に直列共振回路が形成されており、
    前記第1の巻線と前記第2の巻線との結合係数をk1とし、k1=0とみなしたときの前記直列共振回路における前記キャパシタと前記寄生インダクタとによる共振周波数をfhとし、k1=0とみなしたときの前記並列共振回路の共振周波数をfとしたとき、
    fh>f
    を満足し、かつ、前記第1の巻線と前記第2の巻線とが磁気結合しているときの前記直列共振回路全体の共振周波数をfhm、前記磁気結合しているときの前記並列共振回路の共振周波数をfmとしたとき、
    fhm≧fm
    を満足する
    ことを特徴とするノイズ抑制回路。
  2. 前記第2の巻線全体でのインダクタンスが、前記第1の巻線の1ターン当たりのインダクタンス以下となっている
    ことを特徴とする請求項1に記載のノイズ抑制回路。
  3. 前記第1の巻線と前記第2の巻線とが共通に巻かれたコアをさらに備え、
    前記共通のコアを介して前記第1の巻線と前記第2の巻線とが互いに直接的に磁気結合されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のノイズ抑制回路。
  4. 第1および第2の導電線上を伝搬するノイズを抑制するノイズ抑制回路であって、
    前記第1の導電線上に設けられた第1の巻線と、
    互いに直列的に接続されたキャパシタおよび第2の巻線を含み、一端が前記第1の導電線に接続され他端が前記第2の導電線に接続された直列回路と、
    1次側に前記第1の巻線が巻かれた第1のコアと、
    前記第1のコアの2次側に巻かれた第1の結合用巻線と、
    2次側に前記第2の巻線が巻かれた第2のコアと、
    前記第1の結合用巻線に接続されると共に前記第2のコアの1次側に巻かれた第2の結合用巻線と
    を備え、
    前記第1および第2の結合用巻線を介して前記第1の巻線と前記第2の巻線とが互いに等価的に磁気結合されていると共に、前記第2の巻線全体でのインダクタンスが、前記第1の巻線全体でのインダクタンスよりも小さく設定され、
    かつ、前記第1の巻線と前記第1の巻線の寄生キャパシタとにより等価的に並列共振回路が形成されると共に、前記直列回路における前記第2の巻線と前記キャパシタとそのキャパシタの寄生インダクタとにより等価的に直列共振回路が形成されており、
    前記第1の巻線と前記第2の巻線との結合係数をk1とし、k1=0とみなしたときの前記直列共振回路における前記キャパシタと前記寄生インダクタとによる共振周波数をfhとし、k1=0とみなしたときの前記並列共振回路の共振周波数をfとしたとき、
    fh>f
    を満足し、かつ、前記第1の巻線と前記第2の巻線とが磁気結合しているときの前記直列共振回路全体の共振周波数をfhm、前記磁気結合しているときの前記並列共振回路の共振周波数をfmとしたとき、
    fhm≧fm
    を満足する
    ことを特徴とするノイズ抑制回路。
  5. 前記第1のコアの透磁率をμ1、前記第2のコアの透磁率をμ2としたとき、
    μ1>μ2
    を満足する
    ことを特徴とする請求項4に記載のノイズ抑制回路。
  6. 前記第2の巻線全体でのインダクタンスが、前記第1の巻線の1ターン当たりのインダクタンス以下となっている
    ことを特徴とする請求項4または5に記載のノイズ抑制回路。
  7. 第1および第2の導電線上を伝搬するノイズを抑制するノイズ抑制回路であって、
    前記第1の導電線上に設けられた第1の巻線と、
    互いに直列的に接続された第1のキャパシタおよび第2の巻線を含み、一端が前記第1の導電線に接続され他端が接地接続された第1の直列回路と、
    前記第2の導電線上に設けられると共に、前記第1の巻線に磁気結合された第3の巻線と、
    互いに直列的に接続された第2のキャパシタおよび第4の巻線を含み、一端が前記第2の導電線に接続され他端が接地接続された第2の直列回路と
    を備え、
    前記第1の巻線と前記第2の巻線とが互いに磁気結合されていると共に、前記第3の巻線と前記第4の巻線とが互いに磁気結合され、かつ、前記第2の巻線全体でのインダクタンスが、前記第1の巻線全体でのインダクタンスよりも小さく設定されると共に、前記第4の巻線全体でのインダクタンスが、前記第3の巻線全体でのインダクタンスよりも小さく設定され、
    かつ、前記第1の巻線と前記第1の巻線の寄生キャパシタとにより等価的に第1の並列共振回路が形成されると共に、前記第2の巻線と前記第1のキャパシタと前記第1のキャパシタの寄生インダクタとにより等価的に第1の直列共振回路が形成され、
    前記第3の巻線と前記第3の巻線の寄生キャパシタとにより等価的に第2の並列共振回路が形成されると共に、前記第4の巻線と前記第2のキャパシタと前記第2のキャパシタの寄生インダクタとにより等価的に第2の直列共振回路が形成されており、
    前記第1の巻線と前記第2の巻線との結合係数をk1、前記第3の巻線と前記第4の巻線との結合係数をk2とし、k1,k2=0とみなしたときの前記第1の直列共振回路における前記第1のキャパシタと前記寄生インダクタとによる共振周波数をfhとし、k1,k2=0とみなしたときの前記第1の並列共振回路の共振周波数をfとし、
    かつ、k1,k2=0とみなしたときの前記第2の直列共振回路における前記第2のキャパシタと前記寄生インダクタとによる共振周波数もfhとし、k1,k2=0とみなしたときの前記第2の並列共振回路の共振周波数もfとしたとき、
    fh>f
    を満足し、さらに、前記第1の巻線と前記第2の巻線とが磁気結合しているときの前記第1の直列共振回路全体の共振周波数をfhm、前記磁気結合しているときの前記第1の並列共振回路の共振周波数をfmとし、
    かつ、前記第3の巻線と前記第4の巻線とが磁気結合しているときの前記第2の直列共振回路全体の共振周波数もfhm、前記磁気結合しているときの前記第2の並列共振回路の共振周波数もfmとしたとき、
    fhm≧fm
    を満足する
    ことを特徴とするノイズ抑制回路。
  8. 前記第2の巻線全体でのインダクタンスが、前記第1の巻線の1ターン当たりのインダクタンス以下であり、
    かつ、前記第4の巻線全体でのインダクタンスが、前記第3の巻線の1ターン当たりのインダクタンス以下となっている
    ことを特徴とする請求項7に記載のノイズ抑制回路。
  9. 前記第1の直列回路の前記第1のキャパシタの一端が前記第1の導電線に接続されると共に、前記第2の直列回路の前記第2のキャパシタの一端が前記第2の導電線に接続され、
    かつ、前記第1の直列回路の前記第2の巻線と前記第2の直列回路の前記第4の巻線とが共通化され、その共通化された巻線の一端が、前記第1および第2の直列回路の各キャパシタの他端に接続されると共に、他端が接地され、
    その共通化された巻線が前記第1の巻線と前記第3の巻線とに磁気結合されている
    ことを特徴とする請求項7または8に記載のノイズ抑制回路。
  10. 前記共通化された巻線と前記第1の巻線と前記第3の巻線とが共通に巻かれたコアをさらに備え、その共通のコアを介して、前記各巻線が互いに直接的に磁気結合されている
    ことを特徴とする請求項9に記載のノイズ抑制回路。
  11. 第1および第2の導電線上を伝搬するノイズを抑制するノイズ抑制回路であって、
    前記第1の導電線上に設けられた第1の巻線と、
    一端が前記第1の導電線に接続された第1のキャパシタと、
    一端が前記第1のキャパシタの他端に接続されると共に他端が接地され、前記第1のキャパシタと共に第1の直列回路を構成する第2の巻線と、
    前記第2の導電線上に設けられると共に、前記第1の巻線に磁気結合された第3の巻線と、
    一端が前記第2の導電線に接続されると共に他端が前記第2の巻線の一端に接続され、前記第2の巻線と共に第2の直列回路を構成する第2のキャパシタと、
    前記第1の巻線と前記第3の巻線とが共通に巻かれた第1のコアと、
    前記第1の巻線および前記第3の巻線と共に前記第1のコアに共通に巻かれた第1の結合用巻線と、
    2次側に前記第2の巻線が巻かれた第2のコアと、
    前記第1の結合用巻線に接続されると共に前記第2のコアの1次側に巻かれた第2の結合用巻線と
    を備え、
    前記第1および第2の結合用巻線を介して、前記第2の巻線と前記第1の巻線と前記第3の巻線とが互いに等価的に磁気結合されると共に、前記第2の巻線全体でのインダクタンスが、前記第1の巻線全体でのインダクタンスおよび前記第3の巻線全体でのインダクタンスよりも小さく設定され、
    かつ、前記第1の巻線と前記第1の巻線の寄生キャパシタとにより等価的に第1の並列共振回路が形成されると共に、前記第1の直列回路を構成する前記第2の巻線および前記第1のキャパシタと前記第1のキャパシタの寄生インダクタとにより等価的に第1の直列共振回路が形成され、
    前記第3の巻線と前記第3の巻線の寄生キャパシタとにより等価的に第2の並列共振回路が形成されると共に、前記第2の直列回路を構成する前記第2の巻線および前記第2のキャパシタと前記第2のキャパシタの寄生インダクタとにより等価的に第2の直列共振回路が形成されており、
    前記第1の巻線と前記第2の巻線との結合係数をk1、前記第3の巻線と前記第2の巻線との結合係数をk2とし、k1,k2=0とみなしたときの前記第1の直列共振回路における前記第1のキャパシタと前記寄生インダクタとによる共振周波数をfhとし、k1,k2=0とみなしたときの前記第1の並列共振回路の共振周波数をfとし、
    かつ、k1,k2=0とみなしたときの前記第2の直列共振回路における前記第2のキャパシタと前記寄生インダクタとによる共振周波数もfhとし、k1,k2=0とみなしたときの前記第2の並列共振回路の共振周波数もfとしたとき、
    fh>f
    を満足し、さらに、前記第1の巻線と前記第2の巻線とが磁気結合しているときの前記第1の直列共振回路全体の共振周波数をfhm、前記磁気結合しているときの前記第1の並列共振回路の共振周波数をfmとし、
    かつ、前記第3の巻線と前記第2の巻線とが磁気結合しているときの前記第2の直列共振回路全体の共振周波数もfhm、前記磁気結合しているときの前記第2の並列共振回路の共振周波数もfmとしたとき、
    fhm≧fm
    を満足する
    ことを特徴とする記載のノイズ抑制回路。
  12. 前記第1のコアの透磁率をμ1、前記第2のコアの透磁率をμ2としたとき、
    μ1>μ2
    を満足する
    ことを特徴とする請求項11に記載のノイズ抑制回路。
  13. 前記第2の巻線全体でのインダクタンスが、前記第1の巻線の1ターン当たりのインダクタンス以下であり、かつ、前記第3の巻線の1ターン当たりのインダクタンス以下となっている
    ことを特徴とする請求項11または12に記載のノイズ抑制回路。

JP2005102470A 2005-03-31 2005-03-31 ノイズ抑制回路 Expired - Fee Related JP4219907B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005102470A JP4219907B2 (ja) 2005-03-31 2005-03-31 ノイズ抑制回路
US11/376,317 US7403403B2 (en) 2005-03-31 2006-03-16 Noise suppressor
CNA200610073346XA CN1841894A (zh) 2005-03-31 2006-03-31 噪声抑制电路
KR1020060029907A KR100740070B1 (ko) 2005-03-31 2006-03-31 노이즈 억제 회로

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005102470A JP4219907B2 (ja) 2005-03-31 2005-03-31 ノイズ抑制回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006287427A JP2006287427A (ja) 2006-10-19
JP4219907B2 true JP4219907B2 (ja) 2009-02-04

Family

ID=37030775

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005102470A Expired - Fee Related JP4219907B2 (ja) 2005-03-31 2005-03-31 ノイズ抑制回路

Country Status (4)

Country Link
US (1) US7403403B2 (ja)
JP (1) JP4219907B2 (ja)
KR (1) KR100740070B1 (ja)
CN (1) CN1841894A (ja)

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4231825B2 (ja) * 2004-08-20 2009-03-04 Tdk株式会社 ノイズ抑制回路
US8212416B2 (en) * 2008-12-24 2012-07-03 Synergy Energy Inc. Device for filtering harmonics
FR2945166B1 (fr) * 2009-04-29 2014-03-07 Converteam Technology Ltd Filtre passif et systeme d'alimentation d'un moteur electrique comprenant un tel filtre
KR101328329B1 (ko) * 2010-12-20 2013-11-11 삼성전기주식회사 전자기 간섭 필터
DE102013100769A1 (de) 2012-01-25 2013-07-25 Sma Solar Technology Ag Ausgangsstromfilter für einen Wechselrichter
JP5924284B2 (ja) 2012-03-16 2016-05-25 住友電気工業株式会社 通信装置及び通信システム
JP5915778B2 (ja) 2013-01-22 2016-05-11 株式会社村田製作所 Lc複合部品
JP6189084B2 (ja) * 2013-04-30 2017-08-30 双信電機株式会社 ノイズフィルタ
WO2015087821A1 (ja) 2013-12-12 2015-06-18 株式会社村田製作所 フィルタ部品
US9977858B2 (en) * 2014-07-03 2018-05-22 The Boeing Company Electromagnetic interference filters for power converter applications
US20160285360A1 (en) * 2015-03-24 2016-09-29 Ford Global Technologies, Llc Method and apparatus for electromagnetic interference reduction
JP6610783B2 (ja) * 2016-06-01 2019-11-27 株式会社村田製作所 フィルタ回路およびコネクタ
CN106602563A (zh) * 2016-12-15 2017-04-26 深圳市西凯士电气有限公司 耦合式滤波器
CN108297731B (zh) * 2018-03-20 2023-10-13 广东工业大学华立学院 一种电动汽车无线充电系统
DE102018209740A1 (de) * 2018-06-18 2019-12-19 Robert Bosch Gmbh Elektrische Filtereinrichtung zum Filtern einer Gleichtaktstörung zwischen einer Stromquelle und einer Last
CN111446881A (zh) * 2020-05-22 2020-07-24 湖南大学 逆变器、逆变器电路及其构建方法
US11437970B2 (en) 2021-01-12 2022-09-06 Ge Aviation Systems Llc Method and apparatus for common-mode voltage cancellation

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1194991A1 (en) * 1999-04-09 2002-04-10 1061933 Ontario Inc. Universal harmonic mitigating system
JP3420216B2 (ja) * 2001-02-19 2003-06-23 株式会社羽野製作所 昇圧チョッパと2重共振回路により交流定周波数定電圧電源を得る方法およびその装置
JP4562961B2 (ja) * 2001-07-19 2010-10-13 本田技研工業株式会社 共振形双方向dc−dcコンバータ、及びその制御方法
JP4233273B2 (ja) * 2002-05-27 2009-03-04 Tdk株式会社 複合共振回路
JP2006186950A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Tdk Corp ノイズ抑制回路

Also Published As

Publication number Publication date
US7403403B2 (en) 2008-07-22
US20060220972A1 (en) 2006-10-05
KR100740070B1 (ko) 2007-07-16
CN1841894A (zh) 2006-10-04
KR20060105683A (ko) 2006-10-11
JP2006287427A (ja) 2006-10-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4219907B2 (ja) ノイズ抑制回路
US7199692B2 (en) Noise suppressor
US7459995B2 (en) Noise suppression circuit
US7193869B2 (en) Noise suppressor
US20070252664A1 (en) Noise Suppression Circuit
JP4400557B2 (ja) ノイズ抑制回路
KR20050048606A (ko) 커먼모드 신호 억제 회로 및 노말모드 신호 억제 회로
JP4290669B2 (ja) ノイズ抑制回路
JP4424476B2 (ja) ノイズ抑制回路
JP2006186620A (ja) ラインフィルタ
JP7103505B2 (ja) 電磁干渉フィルター回路
JP4290644B2 (ja) フィルタ回路
JP4290643B2 (ja) フィルタ回路
JP4275034B2 (ja) ノイズ抑制回路
JP2005117218A (ja) ノイズ抑制回路
CN1054514A (zh) 频率响应均衡器
JP2007103647A (ja) インダクタ、およびインダクタの製造方法、ならびにadslスプリッタフィルタ回路
JP2007215377A (ja) ノイズフィルタおよび複合コイル
JP2019176304A (ja) バイパス回路

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081030

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081112

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111121

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121121

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121121

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131121

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees