JP4275034B2 - ノイズ抑制回路 - Google Patents

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本発明は、導電線上を伝搬するノイズを抑制するノイズ抑制回路に関する。
スイッチング電源、インバータ、照明機器の点灯回路等のパワーエレクトロニクス機器は、電力の変換を行う電力変換回路を有している。電力変換回路は、直流を矩形波の交流に変換するスイッチング回路を有している。そのため、電力変換回路は、スイッチング回路のスイッチング周波数と等しい周波数のリップル電圧や、スイッチング回路のスイッチング動作に伴うノイズを発生させる。このリップル電圧やノイズは他の機器に悪影響を与える。そのため、電力変換回路と他の機器あるいは線路との間には、リップル電圧やノイズを低減する手段を設ける必要がある。
また、最近、家庭内における通信ネットワークを構築する際に用いられる通信技術として電力線通信が有望視され、その開発が進められている。電力線通信は、電力線に高周波信号を重畳して通信を行う。この電力線通信では、電力線に接続された種々の電気・電子機器の動作によって、電力線上にノイズが発生し、このことが、エラーレートの増加等の通信品質の低下を招く。そのため、電力線上のノイズを低減する手段が必要になる。また、電力線通信では、屋内電力線上の通信信号が屋外電力線に漏洩することを阻止する必要がある。
これらのノイズを抑制するために、電源ラインや信号ラインなどにラインフィルタを設けることが有効である。ラインフィルタとしては、インダクタンス素子(インダクタ)とキャパシタとを含むフィルタ、いわゆるLCフィルタがよく用いられている。LCフィルタには、インダクタンス素子とキャパシタとを1つずつ有するものの他に、T型フィルタやπ型フィルタ等がある。また、電磁妨害(EMI)対策用の一般的なノイズフィルタも、LCフィルタの一種である。一般的なEMIフィルタは、コモンモードチョークコイル、ノーマルモードチョークコイル、Xコンデンサ、Yコンデンサ等のディスクリート素子を組み合わせて構成されている。
なお、2本の導電線を伝搬するノイズには、2本の導電線の間で電位差を生じさせるノーマルモード(ディファレンシャルモード)ノイズと、2本の導電線を同じ位相で伝搬するコモンモードノイズとがある。
特許文献1には、3つのインピーダンス素子で構成されたローパスフィルタが記載されている。このローパスフィルタは、2本の導電線のうちの一方に直列に挿入された2つの高インピーダンス素子と、一端が2つの高インピーダンス素子の間に接続され、他端が2本の導電線のうちの他方に接続された低インピーダンス素子とを備えている。2つの高インピーダンス素子は、それぞれ、コイルと抵抗との並列接続回路で構成され、低インピーダンス素子はキャパシタで構成されている。このローパスフィルタは、ノーマルモードノイズを低減する。
従来のLCフィルタでは、インダクタンスおよびキャパシタンスで決まる固有の共振周波数を有するため、所望の減衰量を狭い周波数範囲でしか得ることができないという問題点があった。特許文献1に記載されたローパスフィルタも、ノイズ低減の原理は従来のLCフィルタと同様であるため、従来のLCフィルタと同様の問題点を有している。
一方、特許文献2には、T型フィルタの例が記載されている。図28にその等価回路を示す。この回路は、第1の導電線103に直列的に挿入され、かつ互いに電磁気的に結合された第1および第2のインダクタL101,L102を備えている。この回路はまた、直列に接続された第3のインダクタL103と第1のキャパシタC101とからなり、一端が第1のインダクタL101と第2のインダクタL102との間に接続され、他端が第2の導電線104に接続された直列回路115を備えている。
特開平5−121988号公報(図1) 特開平10−200357号公報(図2(A))
ここで、図28に示した回路において、ノーマルモードノイズを低減するための理想的な条件は以下のとおりである。まず、第1および第2のインダクタL101,L102のインダクタンスを互いに同一の値とし、かつ結合係数を1とする。また、直列回路115における第3のインダクタL103のインダクタンスも、第1および第2のインダクタL101,L102のインダクタンスと同一の値とする。第1のキャパシタC101は、直流や低域の電流を流させないためのハイパスフィルタとして機能するものであり、そのインピーダンスは無視できるほど小さい低インピーダンスであるものとする。
この理想的な回路条件において、図28に示したように、入力端子101A,101B間にノーマルモードの電圧Viが印加されると、この電圧Viは、第1のインダクタL101と直列回路115における第3のインダクタL103とによって分圧され、第1のインダクタL101の両端間と第3のインダクタL103の両端間にそれぞれVi/2の電圧が発生する。なお、図中の矢印は、その先の方が高い電位であることを表している。第1のインダクタL101と第2のインダクタL102は互いに電磁気的に結合されているので、第1のインダクタL101の両端間に発生した電圧Vi/2に応じて、第2のインダクタL102の両端間にも電圧Vi/2が発生する。その結果、出力端子102A,102B間の電圧Voは、第2のインダクタL102の両端間に発生した電圧Vi/2と第3のインダクタL103の両端間の電圧Vi/2とが相殺されることにより、原理的にはゼロとなる。逆に、出力端子102A,102B間にノーマルモードの電圧が印加された場合も、上記の説明と同様にして、入力端子101A,101B間の電圧は、原理的にはゼロとなる。このようにしてノーマルモードノイズを抑制することができる。
しかしながら、実際の回路条件下では、図29に示したように第1の導電線103上の第1および第2のインダクタL101,L102に並列的に寄生成分として浮遊容量Cx1や寄生抵抗成分Rx1が存在する。また、直列回路115における第3のインダクタL103に並列的に浮遊容量Cx2や寄生抵抗成分Rx2が存在する。そのほか、実際の回路基板には回路パターンなどによる寄生成分もある。
このため実際の回路条件下では、第1および第2のインダクタL101,L102と浮遊容量Cx1とによる並列共振回路が形成される。また、第3のインダクタL103と浮遊容量Cx2とによる並列共振回路が形成される。そして、自己共振点以上の周波数領域ではインダクタンス成分としての作用が弱くなり、極端には、等価的に図30に示したような回路状態になってしまう。このような回路状態では、上記した理想的なノイズ抑制効果が得られなくなり、入力されたノイズが伝送されてしまうという問題がある。この場合、第3のインダクタL103のインダクタンスに比べて、第1および第2のインダクタL101,L102の合成インダクタンスの方が値が大きいので、寄生成分の値も大きく影響が大きい。また、この問題は高周波数領域になるほど悪化する。高周波数領域でノイズ抑制効果を得るためには、各インダクタの自己共振点が高くなるように努めなければならないが、そのためにある程度大きなインダクタンス値を得ようとすると、インダクタを形成するコイルの線材の容量成分や線材とコアとの容量成分、あるいはコアそのものの共振点などで、実際には低周波数領域に自己共振点ができしてしまう。これらは、狭帯域でのノイズ抑制効果のみを目的とするものであればある程度許容できるが、広帯域でのノイズ抑制効果を目的とするものの場合には無視できない問題である。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、寄生成分による周波数特性の悪化を改善し、広い周波数範囲においてノイズを良好に抑制することができるノイズ抑制回路を提供することにある。
本発明の第1の観点に係るノイズ抑制回路は、第1および第2の導電線によって伝送され、これらの導電線の間で電位差を生じさせるノーマルモードノイズを抑制する回路であって、第1の導電線に直列的に挿入され、かつ互いに電磁気的に結合された第1および第2のインダクタと、直列に接続された第3のインダクタと第1のキャパシタとからなり、一端が第1のインダクタと第2のインダクタとの間に接続され、他端が第2の導電線に接続された第1の直列回路と、第1の直列回路における第3のインダクタに対して並列接続された第2のキャパシタとを備えたものである。
なお、第2のキャパシタは、回路部品で構成できるほか、並列接続された第3のインダクタによる線間容量や回路基板の寄生容量などで構成しても良い。
本発明の第1の観点に係るノイズ抑制回路では、ノーマルモードノイズを抑制する不平衡型のノイズ抑制回路が構成される。そして、第1の直列回路における第3のインダクタに対して並列接続された第2のキャパシタを備えたことで、主に第1および第2のインダクタに並列的に形成された浮遊容量などの寄生成分による高域特性の悪化が改善される。これにより、広い周波数範囲においてノーマルモードノイズが良好に抑制される。
この場合において、特に以下の条件を満足するように第2のキャパシタのキャパシタンスを調整することで良好な特性が得られるので、好ましい。すなわち、第1および第2のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスをCLL、第1の直列回路における第3のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスをCIL、第2のキャパシタのキャパシタンスをaCとしたとき、以下の条件を満足することが好ましい。
aC≦(CLL×3)−CIL ……(A−1)
さらに、第1の直列回路における第3のインダクタに対して並列接続された第1の抵抗を備えていても良い。これにより、全域に亘って特性が改善されると共に、特に低域での減衰特性がより良好に改善される。
本発明の第1の観点に係るノイズ抑制回路において、第2の導電線に直列的に挿入され、かつ互いに電磁気的に結合された第4および第5のインダクタと、直列に接続された第6のインダクタと第3のキャパシタとからなり、一端が第4のインダクタと第5のインダクタとの間に接続され、他端が第1の導電線に接続された第2の直列回路と、第2の直列回路における第6のインダクタに対して並列接続された第4のキャパシタとを、さらに備えていても良い。この場合、第1の直列回路の他端が、信号の入力側または出力側のいずれかの側において第2の導電線に接続され、第2の直列回路の他端が、第1の直列回路の他端が接続された側とは異なる側において第1の導電線に接続される。
なお、第4のキャパシタは、回路部品で構成できるほか、並列接続された第6のインダクタによる線間容量や回路基板の寄生容量などで構成しても良い。
この場合において、特に以下の条件を満足するように第2のキャパシタのキャパシタンスと第4のキャパシタのキャパシタンスとを調整することで良好な特性が得られるので、好ましい。すなわち、第1および第2のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスと、第4および第5のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスとをそれぞれCLL、第1の直列回路における第3のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスと、第2の直列回路における第6のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスとをそれぞれCIL、第2のキャパシタのキャパシタンスと第4のキャパシタのキャパシタンスとをそれぞれaCとしたとき、以下の条件を満足することが好ましい。
aC≦(CLL×3)−CIL ……(A−2)
この場合さらに、一端が第1の直列回路の他端に接続され、他端が第2の直列回路の他端に接続された第5のキャパシタを備えていても良い。これにより、より良好な信号特性が得られる。
さらに、第2の直列回路における第6のインダクタに対して並列接続された第2の抵抗を備えていても良い。これにより、全域に亘って特性が改善されると共に、特に低域での減衰特性がより良好に改善される。
本発明の第2の観点に係るノイズ抑制回路は、第1および第2の導電線によって伝送され、これらの導電線の間で電位差を生じさせるノーマルモードノイズを抑制する回路であって、第1の導電線に直列的に挿入され、かつ互いに電磁気的に結合された第1および第2のインダクタと、第2の導電線に直列的に挿入され、かつ互いに電磁気的に結合された第3および第4のインダクタと、直列に接続された第5のインダクタと第1のキャパシタとからなり、一端が第1のインダクタと第2のインダクタとの間に接続され、他端が第3のインダクタと第4のインダクタとの間に接続された直列回路と、直列回路における第5のインダクタに対して並列接続された第2のキャパシタとを備えたものである。
なお、第2のキャパシタは、回路部品で構成できるほか、並列接続された第5のインダクタによる線間容量や回路基板の寄生容量などで構成しても良い。
本発明の第2の観点に係るノイズ抑制回路では、ノーマルモードノイズを抑制する平衡型のノイズ抑制回路が構成される。そして、直列回路における第5のインダクタに対して並列接続された第2のキャパシタを備えたことで、主に第1および第2のインダクタと第3および第4のインダクタとに並列的に形成された浮遊容量などの寄生成分による高域特性の悪化が改善される。これにより、広い周波数範囲においてノーマルモードノイズが良好に抑制される。
この場合において、特に以下の条件を満足するように第2のキャパシタのキャパシタンスを調整することで良好な特性が得られるので、好ましい。すなわち、第1および第2のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスと、第3および第4のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスとをそれぞれCLL、直列回路における第5のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスをCIL、第2のキャパシタのキャパシタンスをaCとしたとき、以下の条件を満足することが好ましい。
aC≦(CLL×3)−CIL ……(A−3)
また本発明の第2の観点に係るノイズ抑制回路において、第1および第2のインダクタと第3および第4のインダクタとを、互いに電磁気的に結合するようにしても良い。
この場合においては、特に以下の条件を満足するように第2のキャパシタのキャパシタンスを調整することで良好な特性が得られるので、好ましい。すなわち、第1および第2のインダクタ、ならびに第3および第4のインダクタを組み合わせた全体のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスをCLL、直列回路における第5のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスをCIL、第2のキャパシタのキャパシタンスをaCとしたとき、以下の条件を満足することが好ましい。
aC≦(CLL×3)−CIL ……(A−4)
さらに、本発明の第2の観点に係るノイズ抑制回路において、直列回路における第5のインダクタに対して並列接続された抵抗を備えていても良い。これにより、全域に亘って特性が改善されると共に、特に低域での減衰特性がより良好に改善される。
本発明の第3の観点に係るノイズ抑制回路は、第1および第2の導電線を同じ位相で伝搬するコモンモードノイズを抑制する回路であって、第1の導電線に直列的に挿入され、かつ互いに電磁気的に結合された第1および第2のインダクタと、直列に接続された第3のインダクタと第1のキャパシタとからなり、一端が第1のインダクタと第2のインダクタとの間に接続され、他端が接地された第1の直列回路と、第1の直列回路における第3のインダクタに対して並列接続された第2のキャパシタと、第2の導電線に直列的に挿入されると共に、前記第1および第2のインダクタに磁気的に結合され、かつ互いに電磁気的に結合された第4および第5のインダクタと、直列に接続された第6のインダクタと第3のキャパシタとからなり、一端が第4のインダクタと第5のインダクタとの間に接続され、他端が接地された第2の直列回路と、第2の直列回路における第6のインダクタに対して並列接続された第4のキャパシタとを備えたものである。
第3のインダクタと第6のインダクタは、磁気的に結合されていても良い。
なお、第2および第4のキャパシタは、回路部品で構成できるほか、並列接続された第3および第6のインダクタによる線間容量や回路基板の寄生容量などで構成しても良い。
本発明の第3の観点に係るノイズ抑制回路では、コモンモードノイズを抑制するノイズ抑制回路が構成される。そして、第1の直列回路における第3のインダクタに対して並列接続された第2のキャパシタと、第2の直列回路における第6のインダクタに対して並列接続された第4のキャパシタとを備えたことで、主に第1および第2のインダクタと第4および第5のインダクタとに並列的に形成された浮遊容量などの寄生成分による高域特性の悪化が改善される。これにより、広い周波数範囲においてコモンモードノイズが良好に抑制される。
この場合において、特に以下の条件を満足するように第2のキャパシタのキャパシタンスと第4のキャパシタのキャパシタンスとを調整することで良好な特性が得られるので、好ましい。すなわち、第1および第2のインダクタ、ならびに第4および第5のインダクタを組み合わせた全体のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスをCLL、第1の直列回路における第3のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスと、第2の直列回路における第6のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスとをそれぞれCIL、第2のキャパシタのキャパシタンスと第4のキャパシタのキャパシタンスとをそれぞれaCとしたとき、以下の条件を満足することが好ましい。
aC≦(CLL×3)−CIL ……(A−5)
さらに、本発明の第3の観点に係るノイズ抑制回路において、第1の直列回路における第3のインダクタに対して並列接続された第1の抵抗と、第2の直列回路における第6のインダクタに対して並列接続された第2の抵抗とを備えていても良い。これにより、全域に亘って特性が改善されると共に、特に低域での減衰特性がより良好に改善される。
また、本発明の第3の観点に係るノイズ抑制回路において、第1の直列回路の第1のキャパシタの一端が第1のインダクタと第2のインダクタとの間に接続されると共に、第2の直列回路の第3のキャパシタの一端が第4のインダクタと第5のインダクタとの間に接続され、かつ、第1の直列回路の第3のインダクタと第2の直列回路の第6のインダクタとが共通化され、その共通化されたインダクタの一端が、第1および第2の直列回路の各キャパシタの他端に接続されると共に、他端が接地されていても良い。この場合、共通化されたインダクタに対して第2および第4のキャパシタが共通化されて並列接続される。
なお、各観点に係るノイズ抑制回路において、第1の導電線、第2の導電線の例としては、単相2線式電力線における各導電線がある他、現在、電力供給のために多く用いられている単相3線式電力線における3線のうちの2線がある。
本発明の各観点に係るノイズ抑制回路によれば、各直列回路におけるインダクタに並列的にキャパシタを接続するようにしたので、主に第1の導電線または第2の導電線に挿入されたインダクタ成分における寄生成分による高域特性の悪化を改善することができる。これにより、寄生成分による周波数特性の悪化を改善し、広い周波数範囲においてノイズを良好に抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路について説明する。本実施の形態に係るノイズ抑制回路は、2本の導電線によって伝送され、これらの導電線の間で電位差を生じさせるノーマルモードノイズを抑制する不平衡型の回路である。
図1(A)は、本実施の形態に係るノイズ抑制回路の第1の構成例を示している。このノイズ抑制回路は、一対の端子1A,1Bと、他の一対の端子2A,2Bと、端子1A,2A間を接続する第1の導電線3と、端子1B、2B間を接続する第2の導電線4とを備えている。このノイズ抑制回路はさらに、第1の導電線3に直列的に挿入された第1および第2のインダクタL1,L2を備えている。このノイズ抑制回路はまた、直列に接続された第3のインダクタL3と第1のキャパシタC1とからなる直列回路15を備えている。このノイズ抑制回路はさらに、直列回路15における第3のインダクタL3に並列接続された第2のキャパシタC2を備えている。
また、図1(B)に示した第2の回路例のように、第3のインダクタL3にさらに、第1の抵抗R1が並列接続されていても良い。
直列回路15において、第3のインダクタL3は、磁芯13Bに巻かれた巻線13Aを有している。ただし、第3のインダクタL3において、磁芯13Bは特に必須の構成ではなく、空心コイルの構成となっていても良い。また、極性が図示したものとは逆であっても良い。直列回路15において、第1のキャパシタC1は、周波数が所定値以上のノーマルモード信号を通過させるハイパスフィルタとして機能する。なお、直列回路15内における第3のインダクタL3と第1のキャパシタC1の位置関係は、図示したものとは逆であってもよい。例えば図1(A)では、第3のインダクタL3の方を第1および第2のインダクタL1,L2の間に接続しているが、第1のキャパシタC1の方を接続するようにしても良い。
第1および第2のインダクタL1,L2は、互いに電磁気的に結合されている。第1のインダクタL1は、磁芯12の第1の部分に巻かれた巻線11Aを有している。第2のインダクタL2は、磁芯12の第2の部分に巻かれた巻線11Bを有している。第1および第2のインダクタL1,L2は、このようにそれぞれ別々の巻線11A,11Bで形成してもよいが、図2に示したように単一の巻線11で形成することも可能である。図2において巻線11は、磁芯12に巻かれている。なお、図2では、第1および第2のインダクタL1,L2以外の回路は図示を省略している。なお、本実施の形態において、第1および第2のインダクタL1,L2は、互いに同一の極性を有していれば良く、極性方向が図示したものとは逆となっていても良い。
第1および第2のインダクタL1,L2を単一の巻線で形成する場合、図2に示したように例えば、単一の巻線11の途中に接続点P1を設け、その巻線11の一方の端部から接続点までを巻線11Aとして第1のインダクタL1とすればよい。同様に、巻線11の他方の端部から接続点までを巻線11Bとして第2のインダクタL2とすればよい。この接続点P1に、直列回路15の一端を接続する。
第1および第2のインダクタL1,L2のインダクタンスは同一の値であることが好ましい。第1および第2のインダクタL1,L2を単一の巻線11で形成する場合、例えば単一の巻線11の中点に上記接続点P1を設けることで、各インダクタンスを等しくすることができる。
次に、本実施の形態に係るノイズ抑制回路の作用について説明する。まず、図3を参照して、第2のキャパシタC2を除いた回路部分、ノイズ抑制のための基本的な回路部分における理想的な動作を説明する。第1および第2のインダクタL1,L2のインダクタンスは互いに同一の値とし、かつ結合係数を1とする。第1のキャパシタC1のインピーダンスは無視できるほど小さい低インピーダンスであるものとする。この場合、端子1A,1B間にノーマルモードの電圧Viが印加されると、この電圧Viは、第1のインダクタL1と直列回路15における第3のインダクタL3とによって分圧され、第1のインダクタL1の両端間と第3のインダクタL3の両端間にそれぞれ所定の電圧V1,V3が発生する。なお、図中の矢印は、その先の方が高い電位であることを表している。第1のインダクタL1と第2のインダクタL2は互いに電磁気的に結合されているので、第1のインダクタL1の両端間に発生した電圧V1に応じて、第2のインダクタL2の両端間にも電圧V1と同一の電圧V2が発生する。その結果、端子2A,2B間の電圧Voは、端子1A,1B間に印加された電圧Viよりも小さくなる。逆に、端子2A,2B間にノーマルモードの電圧が印加された場合も、上記の説明と同様にして、端子1A,1B間の電圧は、端子2A,2B間に印加された電圧よりも小さくなる。このように、理想的には、端子1A,1Bにノーマルモードノイズが印加された場合と、端子2A,2Bにノーマルモードノイズが印加された場合のいずれの場合にも、ノーマルモードノイズを抑制することができる。
次に、図4を参照して、第2のキャパシタC2を付加したことによる作用を説明する。なお、図4において、LLは第1および第2のインダクタL1,L2を組み合わせた全体のインダクタンス、ILは直列回路15における第3のインダクタL3のインダクタンス、dCは直列回路15における第1のキャパシタL1のキャパシタンスを表す。実際の回路条件下では、図4に示したように第1および第2のインダクタL1,L2と第3のインダクタL3とに並列的に浮遊容量Cx1,Cx2が存在し、この浮遊容量Cx1,Cx2によるスルーパスが形成されて、上記した理想的なノイズ抑制動作の妨げとなる。特に第1および第2のインダクタL1,L2の浮遊容量Cx1による影響が大きく、第1および第2のインダクタL1,L2の自己共振点以上の周波数領域における特性の悪化が問題となる。第2のキャパシタC2を設けたことにより、直列回路15にあらたな信号の経路が形成される。第2のキャパシタC2は、上記問題点を改善し、良好なノイズ抑制動作を実現する。
この場合において、特に以下の条件を満足するように第2のキャパシタC2のキャパシタンスを調整することで、良好な特性が得られる。すなわち、第1および第2のインダクタL1,L2の自己共振周波数を決定している寄生容量成分(浮遊容量Cx1)のキャパシタンスをCLL、直列回路15における第3のインダクタL3の自己共振周波数を決定している寄生容量成分(浮遊容量Cx2)のキャパシタンスをCIL、第2のキャパシタC2のキャパシタンスをaCとしたとき、以下の条件を満足することが好ましい。
aC≦(CLL×3)−CIL ……(A−1)
なお、第1および第2のインダクタL1,L2を組み合わせた全体のインダクタンスをLLとすると、第1および第2のインダクタL1,L2のインダクタンスが互いにLL/4で同一の値とすることが好ましい。
さらに、第2のキャパシタC2に加えて、第1の抵抗R1が並列接続されている構成(図1(B))では、後にシミュレーションの結果で示すように、第1の抵抗R1の抵抗値Raを、第1および第2のインダクタL1,L2の寄生抵抗成分Rx1の抵抗値RLL(図5)に対して、例えば1/4以上の値にすることが好ましい。
ここで、第2のキャパシタC2のキャパシタンスaCと第1の抵抗R1の抵抗値Raの好ましい値の根拠、ならびに第2のキャパシタC2と第1の抵抗R1とを設けたことによる効果を、シミュレーションの結果(図7〜図12)によって具体的に示す。
なお、以下のシミュレーションに用いた回路構成および回路値は、図6に示したとおりである。端子1A側にノイズの発生源Eがあり、信号の入力側(端子1A側)のインピーダンスをR1、出力側(端子2A側)のインピーダンスをR2と記す。図示したように、第1および第2のインダクタL1,L2の浮遊容量Cx1のキャパシタンスCLLを2pF、寄生抵抗成分Rx1の抵抗値RLLを15kΩとする。また、第1および第2のインダクタL1,L2を組み合わせた全体のインダクタンスをLL、直列回路15における第3のインダクタL3のインダクタンスをIL、直列回路15における第1のキャパシタL1のキャパシタンスをdC、第1および第2のインダクタL1,L2の結合係数をkとすると、各値は以下のように設定した。なお、いずれの場合も比較のために、第2のキャパシタC2と第1の抵抗R1とを省いた回路構成(aC=0,Ra=0)での特性を比較例として同時に図示している。
R1,R2=50Ω
LL=2.8mH
(第1および第2のインダクタL1,L2のインダクタンスを共にLL/4=700μHに設定)
IL=700μH
dC=6600pF
k=0.996
図7は、このノイズ抑制回路において、キャパシタンスaCの値を調整した場合における、ノーマルモードノイズの減衰量の周波数特性をシミュレーションで求めた結果を示している。より具体的には、抵抗値Raをゼロに固定し、キャパシタンスaCの値を、浮遊容量Cx1のキャパシタンスCLLに対し1倍(2pF)、2倍(4pF)、4倍(8pF)、8倍(16pF)、16倍(32pF)、32倍(64pF)と変えた場合の特性をシミュレーションで求めた。
図7のシミュレーション結果から、キャパシタンスaCの値が小さくなるほど、減衰のピーク位置が高域側にシフトしていくことが分かる。そして、キャパシタンスaCの値が、浮遊容量Cx1のキャパシタンスCLLの4倍(8pF)以下のときには、第2のキャパシタC2と第1の抵抗R1とを省いた回路構成(aC=0,Ra=0)での特性に比べて減衰特性が向上する領域が存在している。キャパシタンスaCの値が10pF程度であれば、減衰特性が向上する領域が存在すると考えられる。
そこで、キャパシタンスaCの値を0〜10pFまで変更した状態において、さらに第1の抵抗R1の抵抗値Raを調整した場合のノーマルモードノイズの減衰量の周波数特性をシミュレーションで求めた(図8〜図12)。より具体的には、キャパシタンスaCの値を、0(図8)、3pF(図9)、6pF(図10)、8pF(図11)、10pF(図12)にした各場合において、抵抗値Raの値を、第1および第2のインダクタL1,L2の寄生抵抗成分Rx1の抵抗値RLLに対し、2倍(30kΩ)、1倍(15kΩ)、1/2倍(7.5kΩ)、1/4倍(3.25kΩ)、1/8倍(1.625kΩ)、1/16倍(0.8125kΩ)と変えた場合の特性をシミュレーションで求めた。
図8〜図12のシミュレーション結果を考察すると、抵抗値Raの値が寄生抵抗成分Rx1の抵抗値RLLに対し、1/8倍、1/16倍のときには、第2のキャパシタC2と第1の抵抗R1とを省いた回路構成(aC=0,Ra=0)での特性に比べて減衰特性の向上は見られない。一方、寄生抵抗成分Rx1の抵抗値RLLに対し1/4倍以上のときには、減衰特性の向上が見られる。特に1/4倍のときには、最も減衰特性が向上している。
総合的には、図10に示したように、キャパシタンスaCの値が、浮遊容量Cx1のキャパシタンスCLLに対し、3倍(4pF)の値で、かつ、抵抗値Raの値が、寄生抵抗成分Rx1の抵抗値RLLに対し1/4倍のときが、最も好ましい減衰特性が得られている。
以上のような減衰特性の傾向を考慮することで、所望の減衰特性が得られるようなキャパシタンスaC、および抵抗値Raの値を決めることができる。なお、以上のシミュレーションでは、直列回路15における第3のインダクタL3の寄生容量成分(浮遊容量Cx2)が条件として組み込まれていないが、既に述べたように、浮遊容量Cx2のキャパシタンスCILを考慮すると、第2のキャパシタC2のキャパシタンスaCは、以下の条件を満たすことが好ましい。
aC≦(CLL×3)−CIL ……(A−1)
以上説明したように、本実施の形態に係るノイズ抑制回路によれば、直列回路15における第3のインダクタL3に並列的に第2のキャパシタC2を接続するようにしたので、主に第1および第2のインダクタL1,L2における寄生成分による高域特性の悪化を改善することができる。これにより、寄生成分による周波数特性の悪化を改善し、広い周波数範囲において効果的にノーマルモードノイズを抑制することが可能になる。
<第1の実施の形態の変形例>
(第1の変形例)
図13は、本実施の形態に係るノイズ抑制回路の第1の変形例の回路構成を示している。この第1の変形例に係るノイズ抑制回路は、図1(A)の回路に対してさらに、第2の回路部分10Bを追加したものである。第1の回路部分10Aの構成は、図1(A)の回路と同じである。以下、この変形例の説明では、第1の回路部分10Aにおける直列回路15を第1の直列回路と呼ぶ。
追加した第2の回路部分10Bは、第2の導電線4に直列的に挿入され、かつ互いに電磁気的に結合された第4および第5のインダクタL5,L6と、直列に接続された第6のインダクタL6と第3のキャパシタC3とからなり、一端が第4のインダクタL4と第5のインダクタL5との間に接続され、他端が第1の導電線3に接続された第2の直列回路15Aとを備えている。第2の回路部分10Bはさらに、第2の直列回路15Aにおける第6のインダクタL3に並列接続された第4のキャパシタC4を備えている。
この変形例に係るノイズ抑制回路では、第1の直列回路15の他端が、信号の入力側(例えば端子1B側)または出力側(例えば端子2B側)のいずれかの側において第2の導電線4に接続され、第2の直列回路15Aの他端が、第1の直列回路15の他端が接続された側とは異なる側において第1の導電線3に接続されている。図13の構成例では、第1の直列回路15の他端が、信号の入力側(端子1B側)に接続され、第2の直列回路15Aの他端が、第1の直列回路15の他端が接続された側とは異なる側(端子2A側)において第1の導電線3に接続されている。
この変形例の回路において、第2の直列回路15A内における第6のインダクタL6と第3のキャパシタC3の位置関係は、第1の直列回路15と同様、図示したものとは逆であってもよい。例えば図13では、第6のインダクタL6の方を第4および第5のインダクタL5,L6の間に接続しているが、第3のキャパシタC3の方を接続するようにしても良い。また、第6のインダクタL6において、磁芯は特に必須の構成ではなく、空心コイルの構成となっていても良い。また、極性が図示したものとは逆であっても良い。
第4のインダクタL4は、磁芯22の第1の部分に巻かれた巻線21Aを有している。第5のインダクタL5は、磁芯22の第2の部分に巻かれた巻線21Bを有している。第4および第5のインダクタL4,L5は、このようにそれぞれ別々の巻線21A,21Bで形成してもよいが、第1および第2のインダクタL1,L2と同様、単一の巻線で形成することも可能である。また、第4および第5のインダクタL4,L5は、互いに同一の極性を有していれば良く、極性方向が図示したものとは逆となっていても良い。
この変形例の回路において、第1および第2のインダクタL1,L2、ならびに第4および第5のインダクタL4,L5のインダクタンスは、すべて同一の値であることが好ましい。
この変形例の回路では、追加した第2の回路部分10Bが、第1の回路部分10Aと同様に動作する。同様に動作を行う回路が2つ設けられていることにより、第1の回路部分10Aのみの構成に比べて、より良好にノーマルモードノイズを低減することができる。特にこの回路では、第2の回路部分10Bにおける第4のキャパシタC4が、第1の回路部分10Aにおける第2のキャパシタC2と同様に作用する。
しかしながら、実際の回路条件下では、図14に示したように第1および第2のインダクタL1,L2と第4および第5のインダクタL4,L5とにそれぞれ、並列的に浮遊容量Cx1が存在する。また、第1の直列回路15における第3のインダクタL3と第2の直列回路15Aにおける第6のインダクタL6とにそれぞれ、並列的に浮遊容量Cx2が存在する。これら浮遊容量Cx1,Cx2によるスルーパスが形成されて、理想的なノイズ抑制動作の妨げとなる。特に浮遊容量Cx1による影響が大きく、第1および第2のインダクタL1,L2と第4および第5のインダクタL4,L5との自己共振点以上の周波数領域における特性の悪化が問題となる。第2のキャパシタC2を設けたことにより、第1の直列回路15にあらたな信号の経路が形成される。第4のキャパシタC4を設けたことにより、第2の直列回路15Aにあらたな信号の経路が形成される。第2のキャパシタC2は、第1の回路部分10において上記問題点を改善し、良好なノイズ抑制動作を実現する。第2のキャパシタC2による作用は既に説明したとおりである。第4のキャパシタC4は、第2の回路部分10Bにおいて上記問題点を改善し、良好なノイズ抑制動作を実現する。
この場合において、特に以下の条件を満足するように第2のキャパシタC2のキャパシタンスと第4のキャパシタC4のキャパシタンスとを調整することで、良好な特性が得られる。すなわち、第1および第2のインダクタL1,L2の自己共振周波数を決定している寄生容量成分(浮遊容量Cx1)のキャパシタンスと、第4および第5のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分(浮遊容量Cx1)のキャパシタンスとをそれぞれCLL、第1の直列回路15における第3のインダクタL3の自己共振周波数を決定している寄生容量成分(浮遊容量Cx2)のキャパシタンスと、第2の直列回路15Aにおける第6のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスとをそれぞれCIL、第2のキャパシタC2のキャパシタンスとを第4のキャパシタのキャパシタンスとをそれぞれaCとしたとき、以下の条件を満足することが好ましい。
aC≦(CLL×3)−CIL ……(A−2)
なお、図14では、図1(A)の回路における各回路値(図4)を基準として、この変形例に係る回路において良好な特性を得るための各回路値を示している。図示したように、例えば第2および第4のキャパシタC2,C4のキャパシタンスを、例えば図1(A)の回路における第2のキャパシタC2のキャパシタンスaCの値に対して、1/2倍の値とすることが好ましい。
なお、図15に示した回路例のように、第1の直列回路15における第3のインダクタL3と、第2の直列回路15Aにおける第6のインダクタL6とにそれぞれ、第1の抵抗R1と第2の抵抗R2とがさらに並列接続された構成であっても良い。
(第2の変形例)
図16は、本実施の形態に係るノイズ抑制回路の第2の変形例の回路構成を示している。この第2の変形例に係るノイズ抑制回路は、図13に示した第2の変形例の回路に対してさらに、第5のキャパシタC5を追加したものである。第5のキャパシタC5は、いわゆるXコンデンサとして機能するものであり、一端が第1の直列回路15の他端に接続され、他端が第2の直列回路15Aの他端に接続されている。このXコンデンサを備えたことにより、図16に示した第2の変形例の回路に比べて、さらに良好にノーマルモードノイズを低減することができる。
この第2の変形例に係るノイズ抑制回路における各回路値(図4)の好ましい値は、図16に示した第2の変形例の回路と同様である。すなわち、図17に示したように、例えば第2および第4のキャパシタC2,C4のキャパシタンスを、例えば図1(A)の回路における第2のキャパシタC2のキャパシタンスaCの値に対して、1/2倍の値とすることが好ましい。
なお、この図16の回路においても、図15に示した回路例と同様、第1の直列回路15における第3のインダクタL3と、第2の直列回路15Aにおける第6のインダクタL6とにそれぞれ、第1の抵抗R1と第2の抵抗R2とがさらに並列接続された構成であっても良い。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係るノイズ抑制回路について説明する。本実施の形態に係るノイズ抑制回路は、2本の導電線によって伝送され、これらの導電線の間で電位差を生じさせるノーマルモードノイズを抑制する平衡型の回路である。
図18は、本発明の第2の実施の形態に係るノイズ抑制回路の第1の構成例を示している。なお、上記第1の実施の形態におけるノイズ抑制回路と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付している。このノイズ抑制回路は、第1の導電線3に直列的に挿入され、かつ互いに電磁気的に結合された第1および第2のインダクタL11,L12と、第2の導電線4に直列的に挿入され、かつ互いに電磁気的に結合された第3および第4のインダクタL13,L14とを備えている。このノイズ抑制回路はまた、第5のインダクタL15と第1のキャパシタC11とからなり、一端が第1のインダクタL11と第2のインダクタL12との間に接続され、他端が第3のインダクタL13と第4のインダクタL14との間に接続された直列回路16を備えている。このノイズ抑制回路はさらに、直列回路16における第5のインダクタL15に並列接続された第2のキャパシタC12を備えている。
また、図20に示した第2の回路例のように、第5のインダクタL15にさらに、抵抗R11が並列接続されていても良い。
直列回路16内における第5のインダクタL15と第1のキャパシタC11の位置関係は、図示したものとは逆であってもよい。例えば図18では、第5のインダクタL15の方を第1および第2のインダクタL11,L12の間に接続しているが、第1のキャパシタC11の方を接続するようにしても良い。
直列回路16において、第5のインダクタL15は、磁芯13Bに巻かれた巻線13Aを有している。直列回路16において、第1のキャパシタC11は、周波数が所定値以上のノーマルモード信号を通過させるハイパスフィルタとして機能する。また、第5のインダクタL15において、磁芯13Bは特に必須の構成ではなく、空心コイルの構成となっていても良い。また、極性が図示したものとは逆であっても良い。
第1のインダクタL11は、図1(A)の回路における第1のインダクタL1と同様、磁芯12の第1の部分に巻かれた巻線11Aを有している。第2のインダクタL12は、図1(A)の回路における第2のインダクタL2と同様、磁芯12の第2の部分に巻かれた巻線11Bを有している。第1および第2のインダクタL11,L12は、このようにそれぞれ別々の巻線11A,11Bで形成してもよいが、図1(A)の回路における第1および第2のインダクタL1,L2と同様、単一の巻線で形成することも可能である。さらに、第1および第2のインダクタL11,L12は、互いに同一の極性を有していれば良く、極性方向が図示したものとは逆となっていても良い。
第3のインダクタL13は、磁芯22の第1の部分に巻かれた巻線21Aを有している。第4のインダクタL14は、磁芯22の第2の部分に巻かれた巻線21Bを有している。第3および第4のインダクタL13,L14は、このようにそれぞれ別々の巻線21A,21Bで形成してもよいが、第1および第2のインダクタL11,L12と同様、単一の巻線で形成することも可能である。さらに、第3および第4のインダクタL13,L14は、互いに同一の極性を有していれば良く、極性方向が図示したものとは逆となっていても良い。
この回路において、第1および第2のインダクタL11,L12、ならびに第3および第4のインダクタL13,L14のインダクタンスは、すべて同一の値であることが好ましい。
次に、本実施の形態に係るノイズ抑制回路の作用について説明する。まず、第2のキャパシタC12を除いた回路部分、ノイズ抑制のための基本的な回路部分における理想的な動作を説明する。第1および第2のインダクタL11,L12のインダクタンスは互いに同一の値とし、かつ結合係数を1とする。第3および第4のインダクタL13,L14のインダクタンスも互いに同一の値とし、かつ結合係数を1とする。直列回路16における第1のキャパシタC11のインピーダンスは無視できるほど小さい低インピーダンスであるものとする。
図3の場合と同様、端子1A,1B間にノーマルモードの電圧Viが印加されると、この電圧Viは、第1のインダクタL11と直列回路16と第3のインダクタL13とによって分圧され、第1のインダクタL11の両端間と直列回路16の両端間と第3のインダクタL13の両端間とにそれぞれ所定の電圧が発生する。なお、図中の矢印は、その先の方が高い電位であることを表している。第1のインダクタL11と第12のインダクタL12は互いに電磁気的に結合されているので、第1のインダクタL11の両端間に発生した電圧に応じて、第2のインダクタL12の両端間に所定の電圧が発生する。同様に、第3のインダクタL13と第4のインダクタL14は互いに電磁気的に結合されているので、第3のインダクタL13の両端間に発生した電圧に応じて、第4のインダクタL14の両端間に所定の電圧が発生する。その結果、第2のインダクタL12の端部と第4のインダクタL14の端部との間の電圧、すなわち端子2A,2B間の電圧Voは、第1のインダクタL11の端部と第3のインダクタL13の端部との間に印加された電圧Viよりも小さくなる。
また、端子2A,2B間にノーマルモードの電圧が印加された場合も、上記の説明と同様にして、端子1A,1B間の電圧は、端子2A,2B間に印加された電圧よりも小さくなる。このように、理想的には、端子1A,1Bにノーマルモードノイズが印加された場合と、端子2A,2Bにノーマルモードノイズが印加された場合のいずれの場合にも、ノーマルモードノイズを抑制することができる。
しかしながら、実際の回路条件下では、図19に示したように第1および第2のインダクタL11,L12と第3および第4のインダクタL13,L14とにそれぞれ、並列的に浮遊容量Cx1が存在する。また、直列回路15における第5のインダクタL15に並列的に浮遊容量Cx2が存在する。これら浮遊容量Cx1,Cx2によるスルーパスが形成されて、理想的なノイズ抑制動作の妨げとなる。特に浮遊容量Cx1による影響が大きく、第1および第2のインダクタL11,L12と第3および第4のインダクタL13,L14との自己共振点以上の周波数領域における特性の悪化が問題となる。第2のキャパシタC12を設けたことにより、直列回路16にあらたな信号の経路が形成される。第2のキャパシタC12は、上記問題点を改善し、良好なノイズ抑制動作を実現する。第2のキャパシタC12による作用は図1(A)の回路における第2のキャパシタC2と同様である。
また、特に以下の条件を満足するように第2のキャパシタC12のキャパシタンスを調整することで、良好な特性が得られる。すなわち、第1および第2のインダクタL11,L12の自己共振周波数を決定している寄生容量成分(浮遊容量Cx1)のキャパシタンスと、第3および第4のインダクタL13,L14の自己共振周波数を決定している寄生容量成分(浮遊容量Cx1)のキャパシタンスとをそれぞれCLL、直列回路における第5のインダクタL15の自己共振周波数を決定している寄生容量成分(浮遊容量Cx2)のキャパシタンスをCIL、第2のキャパシタのキャパシタンスをaCとしたとき、以下の条件を満足することが好ましい。
aC≦(CLL×3)−CIL ……(A−3)
なお、図19では、図1(A)の回路における各回路値(図4)を基準として、この回路において良好な特性を得るための各回路値を示している。図示したように、例えば第2のキャパシタC12のキャパシタンスに関しては、基本的には図1(A)の回路における第2のキャパシタC2のキャパシタンスaCと同様の値に設定すれば良い。
以上説明したように、本実施の形態に係るノイズ抑制回路によれば、第1および第2の導電線3,4のそれぞれにインダクタを挿入し、第1および第2の導電線3,4のインピーダンス特性が平衡になるように構成されているので、第1および第2の導電線3,4からの放射電界強度の増加を抑制して、放射ノイズの発生を抑制することができる。また、直列回路16における第5のインダクタL15に並列的に第2のキャパシタC12を接続するようにしたので、主に第1および第2のインダクタL11,L12と第3および第4のインダクタL13,L14とにおける寄生成分による高域特性の悪化を改善することができる。これにより、寄生成分による周波数特性の悪化を改善し、広い周波数範囲において効果的にノーマルモードノイズを抑制することが可能になる。本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
<第2の実施の形態の変形例>
図21は、本実施の形態に係るノイズ抑制回路の変形例の回路構成を示している。この変形例に係るノイズ抑制回路は、図18に示した回路に対して、第1および第2のインダクタL11,L12と第3および第4のインダクタL13,L14とが互いに電磁気的に結合された構成となっている。すなわち、巻線11A,11B,21A,21Bがすべて1つの磁心12に巻かれることにより、第1および第2のインダクタL11,L12、ならびに第3および第4のインダクタL13,L14が形成されている。この場合、ノーマルモードの信号を流した場合に第1および第2のインダクタL11,L12に発生する磁界を高めるように結合される構成とする。この場合、ノーマルモードノイズのインピーダンスを上げることができ、より効果的にノイズ抑制ができる。さらに、図18に示した回路に比べて第1および第2のインダクタL11,L12の磁芯12と第3および第4のインダクタL13,L14の磁芯22とを共通化することができ、小型化に寄与すると共に、第1および第2のインダクタL11,L12、第3および第4のインダクタL13,L14、ならびに第5のインダクタL15としてインダクタンスの小さなコイルを用いることができる。
また、特に以下の条件を満足するように第2のキャパシタC12のキャパシタンスを調整することで、良好な特性が得られる。すなわち、図22にも示したように、第1および第2のインダクタL11、ならびに第3および第4のインダクタを組み合わせた全体のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分(浮遊容量Cx1)のキャパシタンスをCLL、直列回路16おける第5のインダクタL15の自己共振周波数を決定している寄生容量成分(浮遊容量Cx21)のキャパシタンスをCIL、第2のキャパシタのキャパシタンスをaCとしたとき、以下の条件を満足することが好ましい。
aC≦(CLL×3)−CIL ……(A−4)
なお、図22では、図1(A)の回路における各回路値(図4)を基準として、この回路において良好な特性を得るための各回路値を示している。図示したように、例えば第2のキャパシタC12のキャパシタンスに関しては、基本的には図1(A)の回路における第2のキャパシタC2のキャパシタンスaCと同様の値に設定すれば良い。
なお、この変形例の回路においても、図20に示した回路例のように、直列回路16における第5のインダクタL15にさらに、抵抗R11が並列接続された構成であっても良い。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施に係るノイズ抑制回路について説明する。本実施の形態に係るノイズ抑制回路は、2本の導電線を同じ位相で伝搬するコモンモードノイズを抑制する回路である。
図23は、本発明の第3の実施の形態に係るノイズ抑制回路の第1の構成例を示している。なお、上記第1の実施の形態におけるノイズ抑制回路と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付している。このノイズ抑制回路は、グランド端子5と、グランド端子5に接続されたグランド線6とを備えている。このノイズ抑制回路はさらに、第1の導電線3に直列的に挿入された第1および第2のインダクタL21,L22を備えている。このノイズ抑制回路はさらに、直列に接続された第3のインダクタL23と第1のキャパシタC21とからなり、一端が第1のインダクタL21と第2のインダクタL22との間に接続され、他端が接地された第1の直列回路と、第1の直列回路における第3のインダクタL23に対して並列接続された第2のキャパシタC22とを備えている。
このノイズ抑制回路はさらに、第2の導電線4に直列的に挿入され、第1および第2のインダクタL21,L22と協働してコモンモードノイズを抑制する第4および第5のインダクタL24,L25を備えている。このノイズ抑制回路はさらに、直列に接続された第6のインダクタL26と第3のキャパシタC23とからなり、一端が第4のインダクタL24と第5のインダクタL25との間に接続され、他端が接地された第2の直列回路と、第2の直列回路における第6のインダクタL26に対して並列接続された第4のキャパシタC24と備えている。
第1および第2の直列回路における第3および第6のインダクタL23,L26はそれぞれ、共通の磁芯37Bに巻かれた巻線37A,37Cを有している。このような構成で第3および第6のインダクタL23,L26が磁気的に結合されることにより、部品のばらつきを吸収できるという利点がある。しかし、第3および第6のインダクタL23,L26の磁気的な結合は必須の構成要素ではなく、巻線37A,37Cがそれぞれ異なる磁心に巻かれていても良い。また、磁芯37Bも必須の構成要素ではなく、第3および第6のインダクタL23,L26のそれぞれが空心コイルの構成となっていても良い。第1および第2の直列回路において、第1および第3のキャパシタC21,C23は、周波数が所定値以上のノーマルモード信号を通過させるハイパスフィルタとして機能する。
第1の直列回路と第2の直列回路とのそれぞれにおいて、第3のインダクタL23と第1のキャパシタC21との位置関係、ならびに第6のインダクタL26と第3のキャパシタC23との位置関係は図示したものとは逆であってもよい。例えば、第1の直列回路において、第3のインダクタL23ではなく、第1のキャパシタC21の方を第1のインダクタL21と第2のインダクタL22との間に接続するようにしてもよい。
第1および第2のインダクタL21,L22は、互いに電磁気的に結合されている。第4および第5のインダクタL24,L25も同様に、互いに電磁気的に結合されている。第1および第2のインダクタL21,L22はそれぞれ、共通の磁芯33に巻かれた巻線31A,31Bを有している。第4および第5のインダクタL24,L25も同様に、共通の磁芯33に巻かれた巻線32A,32Bを有している。各インダクタは、このようにそれぞれ別々の巻線で形成してもよいが、図1(A)の回路における第1および第2のインダクタL1,L2と同様、単一の巻線で形成することも可能である。各巻線は、共通の磁芯33に巻かれることにより、協働してコモンモードノイズを抑制するように互いに結合している。すなわち、各巻線は、これらにノーマルモードの電流が流れたときに各巻線を流れる電流によって磁芯33に誘起される磁束が互いに相殺されるような向きに磁芯33に巻かれている。このように、各巻線および磁芯33は、コモンモードノイズを抑制し、ノーマルモード信号を通過させるコモンモードチョークコイルを構成している。各インダクタL21,L22,L24,L25同士は、互いに同一の極性を有していれば良く、すべてのインダクタの極性方向が図示したものとは逆となっていても良い。
また、巻線31A,31Bと巻線32A,32Bとを結合させることなく、別々の磁芯に巻かれた構成にすることも可能である。この場合、巻線31A,31Bと巻線32A,32Bとを結合させた場合に比べて、ノーマルモードノイズの抑制を図ることができる。この場合、第1および第2のインダクタL21,L22同士が互いに同一の極性を有し、また、第4および第5のインダクタL24,L25同士が互いに同一の極性を有していれば良く、極性方向が図示したものとは逆となっていても良い。
第1および第2のインダクタL21,L22のインダクタンスは同一の値であることが好ましい。第4および第5のインダクタL24,L25のインダクタンスも、同様にして同一の値にすることが好ましい。より好ましくは、第1および第2のインダクタL21,L22、ならびに第4および第5のインダクタL24,L25のすべてのインダクタンスを同一の値にするとよい。
また、図24に示した第2の回路例のように、第1の直列回路における第3のインダクタL23と第2の直列回路における第6のインダクタL26とにそれぞれ、第1および第2の抵抗R21,R22が並列接続されていても良い。
次に、本実施の形態に係るノイズ抑制回路の作用について説明する。まず、第2および第4のキャパシタC22,C24を除いた回路部分、ノイズ抑制のための基本的な回路部分における理想的な動作を説明する。第1および第2のインダクタL21,L22のインダクタンスは互いに同一の値とし、かつ結合係数を1とする。第4および第5のインダクタL24,L25のインダクタンスも互いに同一の値とし、かつ結合係数を1とする。直列回路における第1および第3のキャパシタC21,C23のインピーダンスは無視できるほど小さい低インピーダンスであるものとする。
始めに、端子1A,1Bにコモンモードの電圧Viが印加された場合について説明する。この場合、第1のインダクタL21の一方の端部(端子1A側の端部)とアース間、および第4のインダクタL24の一方の端部(端子1B側の端部)とアース間に等しい電圧Viが発生する。第1のインダクタL21の一方の端部とアース間に発生した電圧Viは、第1のインダクタL21と第1の直列回路における第3のインダクタL3によって分圧され、第1のインダクタL21の両端間と第1の直列回路の両端間とに、それぞれ所定の電圧が発生する。同様に、第4のインダクタL24の一方の端部とアース間に発生した電圧Viは、第4のインダクタL24と第2の直列回路における第6のインダクタL26とによって分圧され、第4のインダクタL24の両端間と第2の直列回路の両端間とに、それぞれ所定の電圧が発生する。第1のインダクタL21と第2のインダクタL22は互いに電磁気的に結合されているので、第1のインダクタL21の両端間に発生した電圧に応じて、第2のインダクタL22の両端間に所定の電圧が発生する。第2のインダクタL22の他方の端部(端子2A側の端部)とアース間の電圧、すなわち端子2Aとアース間の電圧Voは、第2のインダクタL22に発生する電圧と第1の直列回路に発生する電圧との総和で表されるが、これらの電圧は逆向きであることから互いに打ち消し合い、その結果、第1のインダクタL21の一方の端部とアース間に発生した電圧、すなわち端子1Aとアース間に発生した電圧Viよりも小さくなる。
同様に、第4のインダクタL24と第5のインダクタL25は互いに電磁気的に結合されているので、第4のインダクタL24の両端間に発生した電圧に応じて、第5のインダクタL25の両端間に所定の電圧が発生する。その結果、第5のインダクタL25の他方の端部とアース間の電圧、すなわち端子2Bとアース間の電圧Voは、第4のインダクタL24の一方の端部とアース間に発生した電圧、すなわち端子1Bとアース間に発生した電圧Viよりも小さくなる。このようにして、端子1A,1Bにコモンモードの電圧が印加された場合には、端子2A,2Bに発生するコモンモードの電圧は、端子1A,1Bに印加されたコモンモードの電圧よりも小さくなる。
また、この回路において、端子2A,2Bにコモンモードの電圧が印加された場合も、上記の説明と同様にして、端子1A,1Bに発生するコモンモードの電圧は、端子2A,2Bに印加されたコモンモードの電圧よりも小さくなる。このように、理想的には、端子1A,1Bにコモンモードノイズが印加された場合と、端子2A,2Bにコモンモードノイズが印加された場合のいずれの場合にも、コモンモードノイズを抑制することができる。
しかしながら、実際の回路条件下では、図示しないが第1および第2のインダクタL21,L22と第4および第5のインダクタL24,L25とにそれぞれ、並列的に浮遊容量Cx1が存在する。また、第1の直列回路における第3のインダクタL23と第2の直列回路における第6のインダクタL26とにそれぞれ、並列的に浮遊容量Cx2が存在する。これら浮遊容量Cx1,Cx2によるスルーパスが形成されて、理想的なノイズ抑制動作の妨げとなる。特に浮遊容量Cx1による影響が大きく、第1および第2のインダクタL21,L22と第4および第5のインダクタL24,L25との自己共振点以上の周波数領域における特性の悪化が問題となる。第2のキャパシタC22を設けたことにより、第1の直列回路にあらたな信号の経路が形成される。第4のキャパシタC24を設けたことにより、第2の直列回路にあらたな信号の経路が形成される。第2および第4のキャパシタC22,C24は、上記問題点を改善し、良好なノイズ抑制動作を実現する。第2および第4のキャパシタC22,C24による作用は図1(A)の回路における第2のキャパシタC2と同様である。
また、特に以下の条件を満足するように第2および第4のキャパシタC22,C24を調整することで、良好な特性が得られる。すなわち、第1および第2のインダクタL21,L22、ならびに第4および第5のインダクタL24,L25を組み合わせた全体のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスをCLL、第1の直列回路における第3のインダクタL23の自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスと、第2の直列回路における第6のインダクタL26の自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスとをそれぞれCIL、第2のキャパシタC22のキャパシタンスと第4のキャパシタC24のキャパシタンスとをそれぞれaCとしたとき、以下の条件を満足することが好ましい。
aC≦(CLL×3)−CIL ……(A−5)
本実施の形態に係るノイズ抑制回路の特性は、ノーマルモードとコモンモードの違いを除けば、第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路と同様である。したがって、本実施の形態に係るノイズ抑制回路によれば、コモンモードチョークコイルに、インダクタとキャパシタからなる2つの直列回路を付加しただけの比較的簡単な構成で、しかも大きなインダクタンスを有するコイルを用いることなく、広い周波数範囲において効果的にコモンモードノイズを抑制することができる。また、第1の直列回路における第3のインダクタL23に並列的に第2のキャパシタC22を接続すると共に、第2の直列回路における第6のインダクタL26に並列的に第4のキャパシタC24を接続するようにしたので、主に第1および第2のインダクタL21,L22と第4および第5のインダクタL24,L25とにおける寄生成分による高域特性の悪化を改善することができる。これにより、寄生成分による周波数特性の悪化を改善し、広い周波数範囲において効果的にコモンモードノイズを抑制することが可能になる。本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
<第3の実施の形態の変形例>
図25は、本実施の形態に係るノイズ抑制回路の変形例の回路構成を示している。この変形例に係るノイズ抑制回路は、図23に示した回路における、第1の直列回路における第3のインダクタL23と第2の直列回路における第6のインダクタL26とを共通化したものである。以下、この変形例では共通化されたインダクタを第3のインダクタL23と呼ぶ。第3のインダクタL23において、磁芯は特に必須の構成ではなく、空心コイルの構成となっていても良い。また、極性が図示したものとは逆であっても良い。
この回路において、第1の直列回路の第1のキャパシタC21の一端は第1のインダクタL21と第2のインダクタL22との間に接続されている。第2の直列回路の第3のキャパシタC23の一端は第4のインダクタL24と第5のインダクタL25との間に接続されている。また、共通化された第3のインダクタL23の一端が、第1および第2の直列回路の各キャパシタC21,C23の他端に接続されると共に、他端が接地されている。また、共通化された第3のインダクタL23に対して、図23の回路における第2および第4のキャパシタC22,C24が共通化されて並列接続されている。以下、この変形例では共通化されたキャパシタを第2のキャパシタC22と呼ぶ。
図26に、図1(A)の回路における各回路値(図4)を基準として、この回路において良好な特性を得るための各回路値を示している。図示したように、例えば第2のキャパシタC22のキャパシタンスに関しては、基本的には図1(A)の回路における第2のキャパシタC2のキャパシタンスaCと同様の値に設定すれば良い。
なお、図27に示したように、この変形例の回路においても、直列回路における第3のインダクタL23にさらに、抵抗R21が並列接続された構成であっても良い。
なお、各実施の形態に係るノイズ抑制回路は、電力変換回路が発生するリップル電圧やノイズを低減する手段や、電力線通信において電力線上のノイズを低減したり、室内電力線上の通信信号が屋外電力線に漏洩することを防止する手段として利用することができる。
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、本発明のノイズ抑制回路は、第1または第2の実施の形態に係るノーマルモードノイズ抑制用の回路と第3の実施の形態に係るコモンモードノイズ抑制用の回路とを備えていてもよい。
本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路の第1および第2の構成例を示す回路図である。 第1および第2のインダクタの実際の構成例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路の動作を説明するための回路図である。 本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路における第2のキャパシタの作用を説明するための回路図である。 本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路における第1の抵抗の作用を説明するための回路図である。 本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路の特性を求めるためのシミュレーションに用いた回路構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路において、キャパシタンスaCの値を調整した場合における、減衰特性のシミュレーション結果を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路において、キャパシタンスaCの値を0に固定し、抵抗値Raの値を可変させた場合における減衰特性のシミュレーション結果を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路において、キャパシタンスaCの値を3pFに固定し、抵抗値Raの値を可変させた場合における減衰特性のシミュレーション結果を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路において、キャパシタンスaCの値を6pFに固定し、抵抗値Raの値を可変させた場合における減衰特性のシミュレーション結果を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路において、キャパシタンスaCの値を8pFに固定し、抵抗値Raの値を可変させた場合における減衰特性のシミュレーション結果を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路において、キャパシタンスaCの値を10pFに固定し、抵抗値Raの値を可変させた場合における減衰特性のシミュレーション結果を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路の第1の変形例を示す回路図である。 第1の変形例に係るノイズ抑制回路の回路値を説明するための図である。 第1の変形例に係るノイズ抑制回路にさらに抵抗を付加した構成を示す回路図である。 本発明の第1の実施の形態に係るノイズ抑制回路の第2の変形例を示す回路図である。 第2の変形例に係るノイズ抑制回路の回路値を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態に係るノイズ抑制回路の第1の構成例を示す回路図である。 図18のノイズ抑制回路の回路値を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態に係るノイズ抑制回路の第1の構成例にさらに抵抗を付加した構成を示す回路図である。 本発明の第2の実施の形態に係るノイズ抑制回路の第2の構成例を示す回路図である。 図21のノイズ抑制回路の回路値を説明するための図である。 本発明の第3の実施の形態に係るノイズ抑制回路の第1の構成例を示す回路図である。 図23のノイズ抑制回路の回路値を説明するための図である。 本発明の第3の実施の形態に係るノイズ抑制回路の第2の構成例を示す回路図である。 図25のノイズ抑制回路の回路値を説明するための図である。 図25のノイズ抑制回路にさらに抵抗を付加した構成を示す回路図である。 従来のノイズ抑制回路の一構成例を示す回路図である。 従来のノイズ抑制回路の問題点を説明するための回路図である。 従来のノイズ抑制回路の高域での等価回路を示す回路図である。
符号の説明
C1…第1のキャパシタ、C2…第2のキャパシタ、C3…第3のキャパシタ、C4…第4のキャパシタ、L1…第1のインダクタ、L2…第2のインダクタ、L3…第3のインダクタ、L4…第4のインダクタ、L5…第5のインダクタ、L6…第6のインダクタ、3…第1の導電線、4…第2の導電線、15…直列回路。

Claims (21)

  1. 第1および第2の導電線によって伝送され、これらの導電線の間で電位差を生じさせるノーマルモードノイズを抑制する回路であって、
    前記第1の導電線に直列的に挿入され、かつ互いに電磁気的に結合された第1および第2のインダクタと、
    直列に接続された第3のインダクタと第1のキャパシタとからなり、一端が前記第1のインダクタと前記第2のインダクタとの間に接続され、他端が前記第2の導電線に接続された第1の直列回路と、
    前記第1の直列回路における前記第3のインダクタに対して並列接続された第2のキャパシタと
    を備えたことを特徴とするノイズ抑制回路。
  2. 前記第1および第2のインダクタのインダクタンスが互いに同一の値である
    ことを特徴とする請求項1に記載のノイズ抑制回路。
  3. 前記第1および第2のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスをCLL、
    前記第1の直列回路における前記第3のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスをCIL、
    前記第2のキャパシタのキャパシタンスをaCとしたとき、
    以下の条件を満足する
    aC≦(CLL×3)−CIL ……(A−1)
    ことを特徴とする請求項2に記載のノイズ抑制回路。
  4. 前記第1の直列回路における前記第3のインダクタに対して並列接続された第1の抵抗をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のノイズ抑制回路。
  5. 前記第2の導電線に直列的に挿入され、かつ互いに電磁気的に結合された第4および第5のインダクタと、
    直列に接続された第6のインダクタと第3のキャパシタとからなり、一端が前記第4のインダクタと前記第5のインダクタとの間に接続され、他端が前記第1の導電線に接続された第2の直列回路と、
    前記第2の直列回路における前記第6のインダクタに対して並列接続された第4のキャパシタと
    をさらに備え、
    前記第1の直列回路の他端が、信号の入力側または出力側のいずれかの側において前記第2の導電線に接続され、
    前記第2の直列回路の他端が、前記第1の直列回路の他端が接続された側とは異なる側において前記第1の導電線に接続されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のノイズ抑制回路。
  6. 前記第1および第2のインダクタ、ならびに前記第4および第5のインダクタのインダクタンスがすべて同一の値である
    ことを特徴とする請求項5に記載のノイズ抑制回路。
  7. 前記第1および第2のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスと、前記第4および第5のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスとをそれぞれCLL、
    前記第1の直列回路における前記第3のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスと、前記第2の直列回路における前記第6のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスとをそれぞれCIL、
    前記第2のキャパシタのキャパシタンスと前記第4のキャパシタのキャパシタンスとをそれぞれaCとしたとき、
    以下の条件を満足する
    aC≦(CLL×3)−CIL ……(A−2)
    ことを特徴とする請求項6に記載のノイズ抑制回路。
  8. 一端が前記第1の直列回路の他端に接続され、他端が前記第2の直列回路の他端に接続された第5のキャパシタをさらに備えた
    ことを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記載のノイズ抑制回路。
  9. 前記第2の直列回路における前記第6のインダクタに対して並列接続された第2の抵抗をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項5ないし8のいずれか1項に記載のノイズ抑制回路。
  10. 第1および第2の導電線によって伝送され、これらの導電線の間で電位差を生じさせるノーマルモードノイズを抑制する回路であって、
    前記第1の導電線に直列的に挿入され、かつ互いに電磁気的に結合された第1および第2のインダクタと、
    前記第2の導電線に直列的に挿入され、かつ互いに電磁気的に結合された第3および第4のインダクタと、
    直列に接続された第5のインダクタと第1のキャパシタとからなり、一端が前記第1のインダクタと前記第2のインダクタとの間に接続され、他端が前記第3のインダクタと前記第4のインダクタとの間に接続された直列回路と、
    前記直列回路における前記第5のインダクタに対して並列接続された第2のキャパシタと
    を備えたことを特徴とするノイズ抑制回路。
  11. 前記第1および第2のインダクタ、ならびに前記第3および第4のインダクタのインダクタンスがすべて同一の値である
    ことを特徴とする請求項10に記載のノイズ抑制回路。
  12. 前記第1および第2のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスと、前記第3および第4のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスとをそれぞれCLL、
    前記直列回路における前記第5のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスをCIL、
    前記第2のキャパシタのキャパシタンスをaCとしたとき、
    以下の条件を満足する
    aC≦(CLL×3)−CIL ……(A−3)
    ことを特徴とする請求項11に記載のノイズ抑制回路。
  13. 前記第1および第2のインダクタと前記第3および第4のインダクタとが、互いに電磁気的に結合されている
    ことを特徴とする請求項10に記載のノイズ抑制回路。
  14. 前記第1および第2のインダクタ、ならびに前記第3および第4のインダクタを組み合わせた全体のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスをCLL、
    前記直列回路における前記第5のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスをCIL、
    前記第2のキャパシタのキャパシタンスをaCとしたとき、
    以下の条件を満足する
    aC≦(CLL×3)−CIL ……(A−4)
    ことを特徴とする請求項13に記載のノイズ抑制回路。
  15. 前記直列回路における前記第5のインダクタに対して並列接続された抵抗をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項10ないし14のいずれか1項に記載のノイズ抑制回路。
  16. 第1および第2の導電線を同じ位相で伝搬するコモンモードノイズを抑制する回路であって、
    前記第1の導電線に直列的に挿入され、かつ互いに電磁気的に結合された第1および第2のインダクタと、
    直列に接続された第3のインダクタと第1のキャパシタとからなり、一端が前記第1のインダクタと前記第2のインダクタとの間に接続され、他端が接地された第1の直列回路と、
    前記第1の直列回路における前記第3のインダクタに対して並列接続された第2のキャパシタと、
    前記第2の導電線に直列的に挿入されると共に、前記第1および第2のインダクタに磁気的に結合され、かつ互いに電磁気的に結合された第4および第5のインダクタと、
    直列に接続された第6のインダクタと第3のキャパシタとからなり、一端が前記第4のインダクタと前記第5のインダクタとの間に接続され、他端が接地された第2の直列回路と、
    前記第2の直列回路における前記第6のインダクタに対して並列接続された第4のキャパシタと
    を備えたことを特徴とするノイズ抑制回路。
  17. 前記第3のインダクタと前記第6のインダクタは、磁気的に結合されている
    ことを特徴とする請求項16に記載のノイズ抑制回路。
  18. 前記第1および第2のインダクタ、ならびに前記第4および第5のインダクタのインダクタンスがすべて同一の値である
    ことを特徴とする請求項16または17に記載のノイズ抑制回路。
  19. 前記第1および第2のインダクタ、ならびに前記第4および第5のインダクタを組み合わせた全体のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスをCLL、
    前記第1の直列回路における前記第3のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスと、前記第2の直列回路における前記第6のインダクタの自己共振周波数を決定している寄生容量成分のキャパシタンスとをそれぞれCIL、
    前記第2のキャパシタのキャパシタンスと前記第4のキャパシタのキャパシタンスとをそれぞれaCとしたとき、
    以下の条件を満足する
    aC≦(CLL×3)−CIL ……(A−5)
    ことを特徴とする請求項18に記載のノイズ抑制回路。
  20. 前記第1の直列回路における前記第3のインダクタに対して並列接続された第1の抵抗と、
    前記第2の直列回路における前記第6のインダクタに対して並列接続された第2の抵抗とをさらに備えた
    ことを特徴とする請求項16ないし19のいずれか1項に記載のノイズ抑制回路。
  21. 前記第1の直列回路の第1のキャパシタの一端が前記第1のインダクタと前記第2のインダクタとの間に接続されると共に、前記第2の直列回路の第3のキャパシタの一端が前記第4のインダクタと前記第5のインダクタとの間に接続され、かつ、前記第1の直列回路の前記第3のインダクタと前記第2の直列回路の前記第6のインダクタとが共通化され、その共通化されたインダクタの一端が、前記第1および第2の直列回路の各キャパシタの他端に接続されると共に、他端が接地され、
    前記共通化されたインダクタに対して前記第2および第4のキャパシタが共通化されて並列接続されている
    ことを特徴とする請求項16ないし20のいずれか1項に記載のノイズ抑制回路。

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