JP4219494B2 - ろ過・乾燥装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スラリーをろ過してケーキを乾燥するろ過・乾燥装置に関し、より詳細には、容器本体内に設けたフィルターでケーキにクラックを発生させずにろ過し、ケーキを乾燥するろ過・乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
化学工業あるいは医薬品工業において、ろ過、洗浄、乾燥、混合等の複数操作が不可欠である。これらの各操作を単機能の処理装置で行なう場合は、各操作の間を原料又は中間製品は移動しなければならず、その際のコンタミの問題、接続構造の複雑化又は移し替えの手間等の問題があった。そこで、最近は複数操作を行なう装置が使用されるようになっている。複数操作ができて個々の操作を性能よくできる装置としてろ過・乾燥装置が広く使用されている。この種の従来のろ過・乾燥装置として、例えば特公平5−85202号公報に示されるような装置がある。
【0003】
この特公平5−85202号公報に示されるろ過乾燥装置は、円錐形底板を有する槽内に上方から下方に向けて延びる回転軸を設け、この回転軸から水平方向に張出した回転アームに複数の翼板を垂設し、前記底板の上方にほぼこれと同形の第1ろ過板を設けて両板の間に第1中間室を形成し、さらに両板の下端に設けた排出口と同心的にスクリュウを垂設し、前記排出口に弁体との間に第2中間室を形成する第2ろ過板を有する排出弁を装着し、前記第1、第2中間室に気液流通部材を接続している。
【0004】
また、回転軸を有し、攪拌翼を有するろ過装置として、垂直軸を中心に配設され、ろ過すべきスラリーを供給するための少なくとも1つの供給口を上部に、ろ液を排出するための少なくとも1つの排出口を底壁に有する閉塞されたハウジングと、ハウジング内部を上部スラリー室と下部ろ過室に分割するため、ハウジング内で上底部に支持されたろ過材と、、前記スラリー室内に設けられ、前記ろ過材に隣接して回転し、ろ過作業中に前記ろ過材に形成されたろ滓を擦り落とし手段とからなり、前記擦り落とし手段にはハウジング軸と一致したハウジング上壁を貫通する駆動軸が設けられており、該貫通部分には軸シール用ガスケットでシールされているろ過装置が知られている(例えば特開昭64−70113号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の特公平5−85202号及び特開昭64−70113号公報に開示された装置は、内部に攪拌翼を設けることで、ろ過、洗浄、乾燥、排出操作を行なっている。これにより、ろ過と乾燥操作間での移送に伴う問題を減らしている。
この種の単板式のろ過装置は、ろ過の際に生じやすいクラックが、その後の洗浄工程で洗浄不良を生じる原因となるため、攪拌翼でつぶすスムージングやリスラリーしてから洗浄液をろ過する方法(攪拌洗浄)等が行なわれている。
【0006】
しかしながら、この種の攪拌装置を有する装置は、攪拌翼の回転シールが槽内に露出するため、製品を汚染させる原因になる。また、ケーキの表面はおおむね柔らかめの紙粘土状で、バサバサして羽根で撫でると、ザラザラの状態になりやすく、かつ、割れやすいのでクラックをうまくつぶせる羽根形状を創るのが困難である。さらに攪拌翼をケーキに上手く接触させる必要があり、ケーキと攪拌翼の位置関係を制御するのが難しく、人間の手で操作するように微妙な操作ができない。さらにケーキ層を上から下まで貫通するクラックを攪拌翼で全てつぶすのは困難で、内部にはクラックが残り、そのろ過抵抗の少ないクラックの部分に洗浄液が優先的に流れてしまう分、洗浄液が無駄になるので、洗浄液の使用量が増加することになった。
本発明者は上述した課題に対処して創案したものであって、ろ過・乾燥装置について研究し、クラックの発生を抑えることで、攪拌装置をろ過槽内に設けないでも洗浄不良を防止でき、コンタミを減らし、洗浄液の消費量を減らし、構造を簡単にし、操作を単純にできることを究明した。
【0007】
本発明の目的とする処は、構造を簡単にし、操作を単純にでき、コンタミを減らし、しかもケーキのクラックを抑制して洗浄液の消費量を減らすことができるろ過、乾燥または混合を効率よく行うろ過・乾燥装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そして、上記目的を達成するための手段としての本発明の請求項1のろ過・乾燥装置は、密閉可能な容器本体にスラリーを供給する供給口と、該スラリーをろ過するフィルターと、ろ液を排出する排出口と、ジャケットとを設けたろ過・乾燥装置であって、前記フィルターを凹状にしてろ過することを特徴とする。
【0009】
前記フィルターを凹状にしてろ過するため前記フィルター下部に間隔をおいてフィルター保護枠を設けたことを特徴とする。請求項2のろ過・乾燥装置は、請求項1において、前記容器本体内面の少なくともろ過されたケーキとの接触部に付着防止処理を施したことを特徴とする。
【0010】
本発明におけるろ過・乾燥装置は、ろ過操作、乾燥操作の他、混合、加熱、冷却、熱処理等の操作に使用することができる。本発明は、ファインケミカル、医薬品分野で生じるスラリーに最適である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明を具体化した実施の形態について説明する。ここに、図1は本発明に係るろ過・乾燥装置(以下単にろ過装置ともいう)の一実施態様を示す。図2はろ過装置の後部の排ガス処理部の一例を示す模式図である
【0012】
本実施態様のろ過・乾燥装置1は、スラリー、ケーキ等を収容する空間を有する容器本体2を備え、容器本体2の上部にスラリー供給口3が設けられ、下部にろ液排出口4が設けられ、下方にフィルター保護枠5がフィルター6の下面から間隔をおいて設けられ、フィルター保護枠5の上面は凹んで形成され、フィルター6が吸引され又は加圧されて垂れた際にフィルター6を凹状に支え、フィルターが過大に変形しないようになっている。また、容器本体2の外周にジャケット7が設けられている。容器本体2に支持軸8、9が固着され、支持軸8は駆動装置10に連結され、容器本体2が回動するようになっている。支持軸8はロータリージョイント11を介して熱媒発生装置12、熱媒回収装置13に接続され、支持軸9には分離装置14が接続され、分離装置14を経て排気処理装置15に接続されている。
【0013】
容器本体2は、スラリー供給口3の他に、上方に開口が形成され、この開口は遮断バルブ16で密閉できるようにされている。容器本体2の内部の空間内には底から間隔を持ってフィルター保護枠5が位置し、可撓性のフィルター6が弾性変形して垂れ下がった際に支持する。容器本体2の上方にはフィルタ6上にスラリーを供給するスラリー供給口3が位置している。また、スラリーをろ過して得たケーキを温度調節しながら乾燥するように、温度計17が設けられている。遮断バルブ16は容器本体2内でケーキを乾燥し、得られた製品を取り出せるように構成している。製品の取り出し方としては、傾けて流出させるとか、吸引するとか、製品の性状、用途等により適宜おこなえるようにすればよい。遮断バルブ16を大きくも小さくも開口でき、他の装置に気密に接続できるようにすると、各種の製品に適用できるので複数の製品の処理を一つの装置でできるので都合がよい。
【0014】
容器本体2のケーキが接触する部分の、フィルター保護枠5の取付け位置の近辺から上方にかけて、表面処理部18を設けている。この表面処理部18は、容器本体2内面に、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の離型性、粘着防止性又は撥水性等を有する樹脂をコーテイングしたり、これらの樹脂のフィルムを接着して表面に樹脂層を形成することにより得る。また、サンドブラスト処理などの処理で、表面に微細な凹凸を形成してもよい。ケーキが接触する容器本体2の内壁に離型性等がよい処理面を有することにより、ケーキの内壁部のクラックの発生を抑えることができる。
【0015】
フィルター保護枠5は、容器本体2の下方に設けられ、上方に凹状に形成されるフィルターを保護する部材で、その上面19の支持面が上方に凹の概略球面形状に形成され、凹(下方に凸)面上でフィルター6を支える。このフィルター保護枠5は、表裏(上下)に貫通した開口を多数有し、開口を全表面に均一に分布させたものでもよいし、適宜な間隔に骨組み部材を組んで形成してもよい。フィルター保護枠5の上面19に沿って凹状に中央が凹んでフィルター6上に形成されたケーキは、中心方向に反力(ケーキが移動しようとする力)が作用し、ろ過又は洗浄の終了期の液が減少して容積変化が大きくなる時期に発生し易いクラックの発生を抑えることができる。可撓性のフィルター6は、フィルター保護枠5の受け面の形状に沿うように形成されたものでもよいが、フラット型、袋型等の汎用のものを用い、スラリー又はケーキの重量で凹状に変形できるものでも差し支えない。材質としては、焼結金属金網、焼結金属不織布、樹脂製ろ布、セラミック、布または紙製のろ布などが用いられる。
【0016】
また、容器本体2の上部に設けられたスラリー供給口3に供給管21が設けられ、供給管21が容器本体2内に挿入されている。この供給管21に接続して分岐した連結管22が容器本体2の外方に設けられ、連結管22のそれぞれの分岐管に遮断バルブ23、24が設けられている。遮断バルブ23は容器本体2へ材料を供給する材料供給路に介在し、遮断バルブ24は容器本体2へ窒素、空気等の加圧気体を供給する気体供給路25に介在している。なお、図中20は、窒素ボンベ、コンプレッサー等の加圧気体供給源で、容器本体2内を加圧し、加圧ろ過できるようにしている。遮断バルブ23を開いて容器本体2にスラリーを供給し、所定量になったら遮断バルブ23を閉じて供給を止める。遮断バルブ16を閉じ、遮断バルブ24を開き、気体源20から加圧気体を導入しスラリーを加圧してろ過する。ろ液は容器本体2の下部のろ液排出口4から取り出す。
【0017】
ろ液排出口4には、フランジ26が設けられて配管27が連通され、配管27に遮断バルブ28が設けられている。ろ液排出口4から排出されたろ液は後処理されて放流、または再使用される。また、ろ液排出口4は、ろ過が完了した後、通気乾燥する場合の乾燥気体の供給口又は乾燥気体の排気口として利用するように配管27を所要の装置に接続した構成とすることもできる。
【0018】
容器本体2の外周に形成されたジャケット7は、容器本体2内を所要の処理温度に加熱又は冷却する装置で、水蒸気、温水、冷却水等の熱媒体を供給する熱媒発生装置12に支持軸8内の供給路31、ロータリージョイント11を介して接続されている。さらに、ジャケット7は、支持軸8内の戻り路32、ロータリージョイント11を介して熱媒回収装置13に接続されている。加熱乾燥等する場合は、水蒸気、温水やその他の加熱媒体を用い、凍結乾燥等冷却する場合は、冷水、冷媒等を使用する。
【0019】
支持軸8は、一端は容器本体2に固着され、他端にロータリージョイント11が固着され、軸受33に回動自在に支持され、駆動装置10に伝導機構34を介して連結されている。駆動装置10と伝導機構34を軸受33より外側(容器本体2から離れた側)に設け、容器本体2を軸受33等から隔離して無菌室、クリーンルーム等の室内に配置することにより、無菌製品の要求に合った処理を容易に行なうことができる。容器本体2を挟んで反対側に支持軸9が固着されている。
【0020】
支持軸9は一端を容器本体2に固着し、他端に固−気を分離する分離装置14が設けられ、軸受35に回動自在に支持されている。支持軸9内には排気通路36が設けられ、容器本体2内と分離装置14とは排気通路36を介して連通している。分離装置14と支持軸9との間にシール機構39を設け、容器本体2を回動させても気密性が確保できるようにしている。
【0021】
分離装置14の外側ケーシング37は固定され、外側ケーシング37から排気処理装置15に排気管38が接続している。分離装置14は内部に排気フィルター40を設け、この排気フィルター40は支持軸9と連動する構成としている。また、外側ケーシング37には点検戸41を設け、排気フィルター40の取付け等が容易にできるようにしている。排気管38には遮断バルブ42を設けている。また、分離装置14は、加圧気体供給源20と気体分岐管43により連通し、気体分岐管43に遮断バルブ44を設け、加圧気体供給源20から加圧気体を導入して排気フィルター40の払い落としをするようにしている。また、容器本体2を軸受33、35から隔離して密閉することもできる。容器本体2を駆動部より隔離すると、容器本体2内の製品に接する駆動部をなくし、製品の品質に合わせた処理が容易にできる。
【0022】
排気処理装置15は、ケーキを乾燥する際に発生する排気ガス又は真空ろ過の排気を処理する装置で、凝縮器等が使用される。排気処理装置15は、排気を冷却凝縮する構成では、排気を冷却するために、冷凍機等で冷却した冷却媒体を導入する配管を備えていると供に、処理した排気を排出するファン、真空ポンプ等の排気装置を備えている。
【0023】
以下に、上記のように構成した本願発明のろ過装置1を用いて、加圧ろ過し、ろ過したケーキを水蒸気加熱により真空乾燥する運転方法について説明する。
先ず、容器本体2からろ液が流出できるように、ろ液排出口4を遮断バルブ28を開いて開放すると共に、遮断バルブ23を開き、スラリー供給口3に設けられた供給管21に連結管22からスラリーを供給する。スラリーが所定量になったら遮断バルブ23を閉じてスラリーの供給を止め、遮断バルブ24を開き、気体源20から気体を供給し、容器本体2内を加圧してろ過する。
【0024】
ろ過が終了したら、必要ならば、リスラリー、洗浄液を用いてケーキの洗浄を行なう。次いで、図示しない水蒸気配管の弁を開き、水蒸気配管からロータリージョイント11、導入管31を経て水蒸気をジャケット7に供給して加熱する。容器本体1内を所要の温度に加熱し、加熱に使用した水蒸気は戻り管32を経て蒸気ドレンとして排出し、回収装置13で回収し、循環して再使用するか又は排出する。この乾燥を真空下で行なうには、真空ポンプで容器本体2を排気して減圧する。排気は排気通路36を経て分離装置14に導き、ここで同伴する固形物等を除去し、排気管38により排気処理装置15に導入する。排気処理装置15で排気を冷却して、凝縮成分を凝縮する等処理して、清浄にした後、排出又は再使用に供する。
【0025】
次いで、乾燥したケーキを容器本体2から排出する。乾燥ケーキの性質によって、掻き取りを要する場合には掻き取って排出する。ケーキのばらつき性がよくてそのまま流出できるものであれば、容器本体2を傾け、遮断バルブ16を開いて排出させる。
【0026】
上記のように構成してなるろ過装置によれば、フィルターを凹状に形成した支持面で支持し、ケーキを上方に凹形状に形成すると共に、容器本体の内面の少なくともろ過されたケーキとの接触部に付着防止処理を施したので、ケーキにクラックが発生するのを防ぐことができ、攪拌機構を容器本体内に設けなくてもよくなる。攪拌機構を容器本体内に設けない結果、コンタミを減らし、洗浄液の消費量を減らし、構造を簡単にでき、ろ過・乾燥処理の操作を単純にできる。
【0027】
なお、本発明は、上述した実施態様に限定されるものでなく、本発明の主旨を変更しない範囲内で変形実施できるものを含む。例えば、フィルターの凹形状は球面状でも円(角)錐形状でもよいし、逆円(角)錐台形状でもよい。また、ケーキを乾燥して容器本体から除去する例で説明したが、リスラリーして除去又は処理するようにしてもよい。さらに、加圧ろ過の例で説明したが、容器本体下部のろ液排出口は真空ポンプに連通し、真空ろ過を行なう構成であってもよい。
【0028】
また、熱媒発生装置を1種類の例で説明しているが、図示していないがスチームと温水又は冷水の2種類の熱媒体発生装置を使用するように構成してもよい。また、排気処理装置15を溶剤も回収するように、図2に示すように凍結乾燥が可能な構成としてもよい。なお、図2において、図1と共通する部分には同一符号を付し、重複しての詳細な説明は省略する。
【0029】
図示していないが、スチーム発生装置と温冷水発生装置の2種類の熱媒発生装置は、それぞれスチーム供給管、温冷水供給管を経て、順次3方弁、ロータリージョイント11、導入管31からジャケット7に接続されている。ジャケット7からの熱媒体の戻りは、順次戻路32、ロータリージョイント11、3方弁に接続されている。
【0030】
スチーム発生装置から容器本体2へのスチーム供給管には、容器本体2への蒸気量を調節し、温度を所定の温度にコントロールするように、減圧弁、スチーム圧力調節弁、圧力指示調節計を設けている。スチーム圧力調節弁は、圧力指示調節計の調節信号により、計装用エアーで制御される。これにより、ジャケット7への供給蒸気量を調節する。ジャケットへスチームを供給する際は、3方弁を切り換えてスチーム供給管とロータリージョイント11とを連通させ、他方、温冷水発生装置との連通を閉じる。
【0031】
温冷水発生装置は、スチームにより加熱して温水を発生させるために、スチーム供給管から分岐して分岐供給管を設け、加熱蒸気の供給をオンーオフするように、分岐供給管に遮断弁を設けている。温冷水発生装置は、また、冷水を発生するように後記する冷凍機で発生した冷却用媒体を循環するように冷媒入管、冷媒戻管を接続している。温冷水発生装置で発生する温水又は冷水は、3方弁を切り換えてロータリージョイント11を介して、供給路31から容器本体2のジャケット7に供給する。温水又は冷水は循環使用するように、熱媒戻管を設け、3方弁と熱媒発生装置とを接続している。使用した温水又は冷水は、ジャケット7から戻路32を通り、ロータリージョイント11を経て、3方弁を切り換えて、熱媒戻管から温冷水発生装置に戻す。熱媒戻管には循環ポンプ、遮断弁等を設けている。スチームをドレーンでジャケット7から取り出す場合は、3方弁を熱媒戻管への通路を閉じ、ドレーン管とを連通させるように切り換える。このように、スチーム等の加熱媒体と冷凍機の冷媒等の加熱又は冷却媒体を使用できるように構成すると、多種類の製品の処理に使用することができ、設備費を全体として安価にできる。
【0032】
図2に示す乾燥等の排気を処理する装置は、コンデンサー70、レシーバタンク71、真空ポンプ72、冷凍機73を備えている。
分離装置14とコンデンサー70とを連通する排気管38には、圧力指示調節計74、圧力計75、遮断弁76を設けている。コンデンサー70で処理した処理排気を真空ポンプ72で吸引する処理排気管77には遮断弁78、調節弁79を設け、さらに、真空ポンプ72の排気を処理するミストセパレータ80を設けている。調節弁78は圧力指示調節計74の調節信号により調節する。コンデンサー70で凝縮分離した溶剤は回収管81を流してレシーバータンク71に集めて貯留する。
【0033】
コンデンサー70は、冷凍機73と冷凍水供給管83、冷凍水戻管84で接続し、冷凍機73で冷却した冷媒が冷凍水供給管83で供給されて冷却される。コンデンサ70で温度上昇した冷媒は、冷凍水戻管84で戻されて冷却されて循環されている。冷凍水供給管83は、温冷水発生装置52に冷媒を供給する冷媒入管63とレシーバタンク71に冷媒を供給するタンク冷却管84とを分岐している。冷凍水戻管84は、温冷水発生装置52から冷媒を戻す冷媒戻管64とレシーバタンク71を冷却した冷媒を戻すタンク戻し管85とを集合している。このように、コンデンサーを設け、冷凍機で冷却した冷媒で凝縮する構成すると、多種類の製品のろ過乾燥を単純なろ過・乾燥装置で、手間がかかることなくすることができ。
【0034】
【発明の効果】
本願発明のろ過・乾燥装置は、フィルターを凹状に形成してケーキ面を凹状に形成するので、クラックの発生を抑制でき、ろ過、洗浄が均一に効率よく行なえ、洗浄液の消費量を減らし、ケーキと接触させる攪拌装置等の駆動装置を設けないので、コンタミを減らし、構造を簡単にし、操作を単純にできる。
【0035】
特に、本願発明に係るろ過・乾燥装置は、フィルターをフィルター保護枠で凹状に支持するだけなので、装置の構造が簡単で製造が容易でコストを低減できる。また、請求項2のろ過・乾燥装置は容器本体内面のケーキ接触部に付着防止処理を施したので、ケーキのクラックの発生を一層抑制でき、リスラリーやケーキのスムージング等をより容易に行なうことができ、品質の良い製品を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るろ過・乾燥装置の構成例を示す模式図である。
【図2】 排気処理部の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1:ろ過・乾燥装置 2:容器本体 3:スラリー供給口
4:ろ液排出口 5:フィルター保護枠 6:フィルター
7:ジャケット 8:支持軸 9:支持軸
10:駆動装置 11:ロータリージョイント 12:熱媒発生装置
13:熱媒回収装置 14:分離装置 15:排気処理装置
16:遮断バルブ 17:温度計 18:表面処理部
19:上面 20:加圧気体供給源 21:供給管
22:連結管 23,24:遮断バルブ 25:加圧気体供給路
26:フランジ 27:配管 28:遮断バルブ
31:供給路 32:戻り路 33:軸受
34:伝導機構 35:軸受 36:排気通路
37:外側ケーシング 38:排気管 39:シール機構
40:排気フィルター 41:点検戸 42:遮断バルブ
43:気体分岐管 44:遮断バルブ
66:循環ポンプ 70:コンデンサー 71:レシーバタンク
72:真空ポンプ 73:冷凍機
Claims (2)
- 密閉可能な容器本体にスラリーを供給する供給口と、該スラリーをろ過するフィルターと、ろ液を排出する排出口と、ジャケットとを設けたろ過・乾燥装置であって、ろ過・洗浄時の加圧・減圧する際に、フィルターを弾性変形させて凹状に形成させるため該フィルター下部に間隔をおいてフィルター保護枠を設けたことを特徴とするろ過・乾燥装置。
- 前記容器本体内面の少なくともろ過されたケーキとの接触部に付着防止処理を施した請求項1に記載のろ過・乾燥装置。
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