JP4219029B2 - ウインチ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、土木建設工事や荷役作業、エレベータなどに用いられ、ワイヤー・ロープ・ワイヤロープ等の索体の乱巻きを起こさず整然と多層に巻き取りまた繰出しを行えるウインチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のロープ・ワイヤー・ワイヤロープなどの索体を所定の幅で多層に巻き取り、巻き取った索体を繰出して使用するウインチ装置において、初めに巻き取って軸方向に一列に並んだ1段目が巻き取るドラムの表面の凹凸などによって一部の索体が重なる状態になると2段目、3段目の索体はさらに重なったり、すき間に落ち込むように巻かれたりして、索体の最外層が凹凸な状態となったいわゆる乱巻きの状態になる。
乱巻きになる原因として、次の段に移行した際に巻き始めの索体より巻き取り面の中央に向って隣りに位置すべき索体が、巻き始めの索体とドラムの側壁の間の上にのってしまい、次に巻かれる索体がさらに重って乱巻きとなることが挙げられる。
整列に巻き取った状態で索体を繰り出し方向に引くと、索体が引かれることによる巻き取った索体がドラムの中心方向にしまる力は、内側の段の索体の一部に均等に分散されるが、乱巻きの状態では例えば重なった部分が一部分だけあると、重なった内側の索体を外側の索体がしめることによってせん断するよう力が働く。よってこの状態では、実際に使用した場合の安全性は低くなる。また、この状態では、繰り出すときに、索体が巻き外径の大きくなった部分の索体に当たって抵抗を受けるので、スムーズに索体が繰り出されないことがあった。このように乱巻きの状態はウインチ装置では好ましくないものであった。この対策としては、常に1段目を残すように使用していた。このようにすると、1段目の密着した索体同士の接する部分の上方にできる凹み部分に2段目の索体が位置しやすくなる。1段目の索体まで繰り出した場合には、手作業で整列させる作業を行ったりもしていた。よって手間がかかり、コスト高となっていた。
この対策として、ドラムの表面に索体がはまり込む形状の案内溝を設ける場合においても、ドラムの巻き取り幅は2段目が1段目に対して索体の約半分、軸方向にずれるために、その分の余裕が設けられているため、その部分に2段目の索体が落ち込みすぎたりすると、もう一度同じ部分に巻かれるなどして乱巻きになってしまう場合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、このような問題点を解消し、索体を1段目から整列させて巻くことができ、1段目の巻き終わりとドラムの側壁の間に2段目の巻き始めが落ち込むような空隙を作らないようにし、乱巻きの発生を抑え、人手を要さず容易に巻き取りおよび繰出しが行え、コストを抑えたウインチ装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) ドラムの巻き取り面の外周に索体が整列するよう複数の案内溝を設けたドラムで索体の巻き取り・繰り出しを行うウインチ装置において、索体を巻き取るドラムの巻き取り面の片端に索体の1段目の巻き終わりと2段目の巻き始めと側壁との空隙を埋めるようにガイド段差部を設け、前記案内溝を並行な溝とし、巻き取り面の外周の一部に溝なし部をドラムの回転軸方向に長く設け、ドラムの巻き取り面の外周の溝なし部に索体の端を挿入する取付穴を設け、同取付穴に挿入した索体を係止させる係止部を設け、前記ガイド段差部の高さを1段目の索体の巻き外径と略同じ大きさとし、ガイド段差部の幅を索体の略半分とし、ドラムの巻き取り面に巻き取った索体の2段目以上の巻き終わりとドラムの側壁の空隙を埋めるガイドコマ部を溝なし部のドラムの側壁に設け、ドラムの巻き取り面に巻き取った索体の2段目以上の巻き始めとドラムの側壁の空隙を埋めるガイドコマ部を溝なし部のドラムの側壁に設け、ドラムの巻き取り面に索体の1段目を巻き終わると巻き終わり部分の索体とドラムの側壁の間に索体の径の約半分の空隙を設けるようにドラム幅を定め、前記ガイドコマ部を溝なし部のドラムの側壁に設けるようにしたことを特徴としたウインチ装置
にある。
【0005】
【作用】
本発明のウインチ装置においてドラムの回転によって索体を巻き取って行くと、ドラムの巻き取り面の片端にガイド段差部を設けているので、索体と側壁の間には空隙がない。2段目の巻き始めは、1段目の巻き終わりと側壁の間に位置しようとするが、1段目の巻き終わりと側壁の間にはガイド段差部が設けられているので、2段目の巻き始めは1段目の巻き終わりとガイド段差部の間の上に位置するようになる。よって2段目の巻き始めが1段目の巻き終わりと側壁の間の空隙に落ち込んで次に巻かれる2段目の部分と高さがちがったり離れてしまうのを防ぐ。
ドラムの巻き取り面の外周に索体が整列するよう複数の案内溝を設け、索体が次々と隣りの案内溝にはまり込むようにして索体を案内溝に巻き取って整列させる。
案内溝を並行な溝とし、巻き取り面の外周の一部に溝なし部を設けたので、索体が案内溝にはまり込むようにして索体を案内溝に巻き取って、溝なし部分で索体を巻き取りながら隣りの案内溝に索体を移動させるようにして次々と案内溝に索体を巻き取るようにする。
ドラムの巻き取り面の外周の溝なし部に、索体の端を挿入する取付穴を設け、取付穴に挿入した索体を係止させる係止部を設けたので、取付穴に索体を挿入し、挿入した索体を係止部によって係止させて、巻き取り始めの部分とすることができる。
ガイド段差部の高さを1段目の索体の巻き外径と略同じ大きさとし、ガイド段差部の幅を索体の略半分としたので、2段目の巻き始めの索体が、ガイド段差部に接触してガイド段差部を設けた側の側壁から離れる方向に移動しないようにし、このようにしてガイド段差部と1段目の巻き終わり索体の間の上に位置した2段目の巻き始めの索体と次に巻かれて隣りに位置する索体が離れないようにする。
ドラムの巻き取り面に巻き取った索体の2段目以上の巻き終わりとドラムの側壁の空隙を埋めるガイドコマ部をドラムの側壁に設けたので、ガイドコマ部を設けた段より1つ下の段の巻き始めの次の巻きにおいて索体が巻き始めとドラムの側壁の間に巻かれようとすると、ガイドコマ部に当ってすべり落ちるようにして巻き始めの索体の隣に整列して位置する。
ドラムの巻き取り面に巻き取った索体の2段目以上の巻き始めとドラムの側壁の空隙を埋めるガイドコマ部をドラムの側壁に設けたので、巻き始めの索体が同じ位置に何度も巻かれることがないようにガイドコマ部に当てることによって巻き取り面の中央に向って斜めに巻くようにする。
ドラムの巻き取り面に複数の並行な案内溝を設け、巻き取り面の外周の一部に溝なし部をドラムの回転軸方向に長く設け、ガイドコマ部を溝なし部に設けたので、案内溝にはまり込むようにして索体を巻き、溝なし部分で斜めに巻くようにして次の並行な案内溝に索体を移行させて索体を巻くようにし、斜めに巻く溝なし部でガイドコマ部によって索体の巻きが乱れることがないようにする。
ドラムの巻き取り面に索体の1段目を巻き終わると巻き終わり部分の索体とドラムの側壁の間に索体の径の約半分の空隙を設けるようドラム幅を定めたので、巻き取り面の索体と次の段の索体が索体の径の約半分軸方向にズレるようにし、このようにして多層に巻いた索体の各段の巻き数が同じになるようにして、巻き全体が整然と並ぶ状態にする。
ガイドコマ部を溝なし部のドラムの側壁に設けるようにしたので、溝なし部で斜めに巻かれる索体の巻きを乱れないようガイドコマ部に当てて索体を所定の位置に向かうようにする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のウインチ装置で、ドラムの巻き取り面に設ける索体の案内用の溝は、ウインチ装置の使用条件や負荷に応じて決められた索体の径に合わせて、溝幅および溝の深さを設定して用いるのが望ましい。
ドラムの巻き取り面の溝なし部は、ドラムの円周の所定区間に軸方向全長に渡って設ける。通常、ドラムの巻き取り面の両端にはロープの巻付かない空間が生じる。この空間の大きさは、索体の径が一定ならば、索体が溝なし部において案内溝から案内溝へ移る角度αまたは溝なし部の区間の長さによって決まる。αがあまりに小さい、すなわち溝なし部の区間が長すぎると、空間が大きすぎて上から索体が食い込みやすく、逆にαが大きく溝なし部の区間が短すぎると、空間は小さくなるがロープの角度変化が大きすぎて滑らかに曲がらなくなる。索体の径と曲がり易さに基づいて適切なαまたは溝のない区間の長さを設定し、ドラムの巻き取り面の径に応じた溝なし部の円周区間(円周角θで表される)を決めるようにする。
溝なし部を巻き取り面に複数に分けて設ける場合は、複数の溝なし部を巻き取り面の円周に同じ区間幅で等分の間隔に配置するのが望ましい。また、溝なし部において索体の巻き取り位置を動かしていくので、複数の溝なし部で分割された溝部は、溝なし部の数に合わせて適宜溝ピッチをずらして、巻き取り面が一周した時に索体がちょうど一本分横に移動できるように調節する。
溝なし部は巻き取り面から溝をなくした単純な円筒面状、またはこの部分にあまり索体が接触しないようにドラム内側に向けて凹ませた形状の、いずれでもよい。
ガイドコマ部は全周に設けても円周上の一部に設けてもよい。ガイドコマ部はよって多段に巻き取られる索体のすべての段に取り付けても一部の段に取り付けてもよく、所定の間隔をあけてもよい。
ガイドコマ部の形状はどのようなものでもよい。
【0007】
【実施例】
本発明の実施例について、図面を参照して具体的に説明する。
実施例1(図1〜11参照)
図1〜11に示す実施例1は、ドラムの巻き取り面の片端にガイド段差部を設け、ドラムの外周に複数の案内溝を設け、案内溝を並行な溝とし、筒状体の外周の一部に溝なし部を設け、溝なし部に索体の取付穴を設け、取付穴に索体を係止させる係止部を設け、ガイド段差部の高さを1段目の索体の巻き外径と略同じ大きさとし、ガイド段差部の幅を索体の略半分とし、索体の3段目と4段目の巻き終わりと側壁の間を埋めるガイドコマ部を設けたウインチ装置の例である。
図1は実施例1のウインチ装置の説明図である。図2は実施例1のウインチ装置のドラムの平面図である。図3は実施例1のウインチ装置のドラムの正面図である。図4は図3のA−A断面図である。図5は実施例1のウインチ装置で索体を巻き取った状態を示す説明図である。図6は実施例1のウインチ装置で索体を巻き取った状態を示す説明図である。図7は実施例1のウインチ装置で索体を巻き取った状態を示す説明図である。図8は実施例1のウインチ装置で索体を巻き取った案内溝を部分を示す説明図である。図9は実施例1のウインチ装置で索体を巻き取った溝なし部の説明図である。図10は実施例1のウインチ装置で索体を巻き取った溝なし部の説明図である。図11は実施例1のウインチ装置で索体を巻き取った溝なし部の説明図である。
図中、1はウインチ装置、2はベッド、3はドラム支持部、4はボルト、5はドラム、5aは巻き取り面、5bは側壁、5cは案内溝、5dは溝なし部、5eはガイド段差部、5fはガイドコマ部、5gは内径部、6は駆動モーター、7は索体係止具、7aは索体挿入用穴、7bはネジ穴、8は係止ネジ、10は回転軸、wはロープである。
実施例1では、図1〜11に示すように、ロープの巻き取り・繰り出しをドラムの回転により行っている。まず、ウインチ装置1を設置する場所に土台となるベッド2を設ける。次にベッド2に所定の間隔で向かい合うようにドラム支持部3をボルト4で取り付ける。次にドラム5を向かい合うドラム支持部3の間に位置させ、図示しない軸部でドラムの内径部5gを固定し、軸部をドラム支持部3に回転自在に支持させる。ドラム5は外周をロープwの巻き取り面5aとする円筒部分とし、円筒部分の軸方向両側に側壁5bを設けている。この2つの側壁5bと巻き取り面5aで囲まれる空間をロープwを多層に巻き取って行く空間とする。次にドラム5の内径部5gに索体係止具7を取り付け、ドラム5の巻き取り面5aと索体係止具7の一部を貫通するように索体挿入用穴7aを設ける。索体挿入用穴7aは図3に示すように軸方向から見て左右が対称形となるように設ける。次に索体挿入用穴7aの軸と直角方向に巻き取り面5aと索体挿入用穴7aが連通するようにしてネジ穴7bを三箇所に設ける。ネジ穴7bにはネジ溝を設ける。次に索体挿入用穴7a,ネジ穴7bを設けた部分を溝なし部5dとし、溝なし部5dを除く巻き取り面5aには、1つの円周上にロープwがはまり込む深さ、形状の案内溝5cが設けられ、さらにこの案内溝5cが所定のピッチでドラムの軸方向に複数設けられている。索体挿入用穴7aを設けた側の側壁5bと軸方向に反対側の側壁5b側の案内溝5cの端から側壁5bまでの間にはロープwの径の約半分のすき間を設ける。これによりドラム5のドラム幅Lはロープの1段目を巻き終わると巻き終わり部分のロープとドラムの側壁の間にロープの径の約半分の空隙が設けられる幅となっている。次にそのすき間に案内溝5cにロープwを巻いた場合に近い高さで、ロープwと同じRを設けたガイド段差部5eを図2,4,5に示すように全周に設ける。次に、図5に示すようにロープwをドラム5の巻き取り面5aに巻き取ると同径3段目となる位置のガイド段差部5eを設けた側の側壁5bに断面がロープwと同径の半円形状を先端形状とするガイドコマ部5fを設ける。ガイドコマ部5fは円周に沿って曲率を付けて、溝なし部5dと同じ円周上の範囲に設けられる。次に同様にして、ロープwをドラム巻き取り面5aに巻き取ると、四段目となる位置の索体挿入用穴7aを設けた側の側壁5bに断面がロープwと同径の半円形状を先端形状とするガイドコマ部5fを設ける。次に片側のドラム支持部3に、駆動モーター6を取り付け、駆動モーター6の出力軸をドラムの内径部5gを固定した軸部に連結する。実施例1では、減速機とブレーキ付きの駆動モーター6を用いている。
この実施例1のウインチ装置を使用するには、図2,3に示すようにドラム5の溝なし部5dに設けた索体挿入用穴7aにロープwを挿入し、索体挿入用穴7aに連通するようにして設けられた三箇所のネジ穴に係止ネジ8を螺合で取り付ける。この係止ネジ8をさらにねじ込むと、係止ネジ8の先端がロープwに当たり、ロープwを索体挿入用穴7a周面に押し付ける。三箇所を係止ネジ8の先端で押し付けることによって、ロープwは、索体挿入用穴7aに強く取り付けられる。次に、駆動モーター6を作動させて、軸が連結されたドラム5を回転させる。図3に示すように、ロープのドラムへの巻き始め位置の内部にロープの先端を取り付け、ロープが徐々に巻き取り面の円周上にのるようにしているので、ある位置から突然巻き始めることによって巻いていない部分との段差にその後の巻きが引っ掛って乱巻きとなるなどの影響を与えない巻き始め部分になっている。ドラム5の回転によってロープwが巻き取られる。この際、索体挿入用穴7aの周方向には、並行な案内溝5cが設けられているので、ロープwは案内溝5cにはまり込んでドラム5に巻き取られる。ドラム5が回転していくと、図2に示すように案内溝5cの部分から溝なし部5dになる。さらに巻き取って行くとロープwが索体挿入用穴7aから出ているロープwの部分の上にのるが、ロープwの張力とロープwの断面が円周上で接触することによって、すべりが生じ、ロープwは索体挿入用穴7aから軸方向に離れる方向の隣りの案内溝5cにはまり込む。よって溝なし部5dでロープが斜めに巻き取られるようにして次の並行な案内溝5cに移るようになる。同じようにして、溝なし部5dで斜めに巻き取られ隣りの案内溝5cに移動し、順に軸方向に移動しながら巻き取られていく。このように案内溝5cによって巻き取ったロープw同士の間には隙間ができたりすることなく所定のピッチで確実に整列巻きが行われる。このように並行な案内溝と溝なし部を組み合わせたものは、比較的簡単に加工で製作できる。また型で鋳造や成型で製作する際にも簡単な型の構造にできるのでらせん溝に比べてコストを抑えることができる。このようにして図5,6に示すように次々と案内溝5cにはまり込むようにしてロープが巻き取られ1段目の終わりとなる部分では、ガイド段差部5eが設けられているので、図5に示すように1段目の終わりとなるロープwと側壁5bの間に隙間がない。よって、1段目の巻き終わりと隣りの索体との間に空隙が生じて、その空隙に2段目の巻き始めの索体が落ち込んで乱巻きの原因となるようなことはない。また、1段目の巻き終わりとドラムの側壁の間にも空隙が生じて、その空隙に2段目の巻き始めの索体が落ち込んで乱巻きの原因となるようなことはない。2段目の巻き始めとなる部分では、図6〜9に示すように1段目の巻き終わりと、ガイド段差部5eの間にロープの2段目がのることによって、2段目のロープの巻き始めと側壁の間にはすきまがない。実施例においてガイド段差部5eの高さは、1段目の索体の巻き外径と同じで、ガイド段差部5eの幅は索体の径の半分としている。よって、ガイド段差部5eと1段目の索体の巻き終わりの間の上に2段目の巻き始めがのる際に、2段目の巻き始めがガイド段差部5eに当たって索体挿入用穴7aの側にズレてしまわないようにする。さらに図9に示すように側壁5bには、3段目の巻き終わりの位置と側壁5bの間を埋めるようにして、先端の断面がロープと同じ径の約半円となっているガイドコマ部5fが設けられている。1段目のロープの巻き取りが終わり、2段目に移行し、2段目の巻き始めの隣に位置すべきロープが巻かれる際に、2段目の巻き始めと側壁の間に位置するよう巻いてしまうと2段目の巻き始めに2重に巻かれることになり、次の段以降で巻きが乱れて行くので乱巻きになってしまう。しかし本実施例1では、2段目の巻き始めの次の巻きが、2段目の巻き始めの上にくると、図9に示すように、ガイドコマ部5fに当たって、すべり落ちるようにして索体挿入用穴7a側に移動して本来位置すべき2段目の巻き始めの隣に巻かれるようになる。また、本実施例1では、索体挿入用穴7a側のドラムの側壁5bと4段目の巻き終わりの間の空隙を埋めるように別のガイドコマ部5fを設けているので同様に3段目の巻き始めの次の巻きを確実に所定の位置に巻くようにする。また、本実施例では、溝なし部5dにガイドコマ部5fを設けることによって、巻き始め又は巻き終わりと側壁の間が大きくなる部分を埋めるようにして、斜めにロープが巻かれる溝なし部における側方のガイドになるようにしている。また、2段目のロープは、1段目のロープ同士の間の上に密着するようにのって、整列に巻かれて行く。2段目のロープが索体挿入用穴側で折り返し3段目が同様に整列して巻かれて巻き終わりになると、図9に示すように側壁5bには、3段目の巻き終わりの位置と側壁5bの間を埋めるようにして、先端の断面がロープと同じ径の約半円となっているガイドコマ部5fが設けられているので3段目の巻き終わりと側壁の間にすき間がない。よって4段目の巻き始めは図9に示すように、ガイドコマ部5fと3段目の巻き終わりの間にのり、側壁との間にすきまをつくらない。このように実施例1のウインチ装置では、4段目までを確実に整列巻きで巻き取ることができる。よってロープを繰り出す際には、1段目を残すことなく全ての部分を繰り出すことができるので非常に効率的である。また、人手を要さずに1層目を確実に整列巻きで巻き取るので人手がかからずさらに効率的である。実施例1ではさらにガイドコマ部5fによって図10,11に示すように4層目までを確実に整列巻きとすることができるので、その上の段が大きな乱れとなることがない。よって略全段を略整列巻きとすることができ、非常に効率的に巻き空間を使用できるのでコンパクトにでき、途中でロープ同士がせん断するように重なることがないのでより安全性を高めることができる。
また、それぞれの段がロープの径の半分ずつ交互にズレて段同士の隙間を小さくするよう1段目の巻き終わりとドラムの側壁の間にロープの径の半分の空隙を設けているので、巻きスペースを有効に使ってコンパクトにできる。
【0008】
【発明の効果】
本発明によれば、索体を1段目から整列させて巻くことができ、1段目の巻き終わりとドラムの側壁の間に2段目の巻き始めが落ち込むような空隙を作らないようにし、乱巻きの発生を抑え、人手を要さず容易に巻き取り及び繰り出しが行え、コストを抑えたウインチ装置にできる。
ドラムの筒状体の外周に索体が整列するよう複数の案内溝を設けたので、確実に案内溝のピッチで索体を整列に巻き取ることができる。
案内溝を並行な溝とし、筒状体の外周の一部に溝なし部を設けたので、コストを抑制し、かつ確実に案内溝のピッチで索体を整列に巻き取ることができる。
ドラムの巻き取り面の溝なし部に、索体の端を挿入する取付穴を設け、取付穴に挿入した索体を係止させる係止部を設けたので、乱巻きになることのない巻き始め部分にすることができる。
ガイド段差部の高さを1段目の索体の巻き外径と略同じ大きさとし、ガイド段差部の幅を索体の略半分としたので、乱巻きの原因を2段目の巻き始めに作らないようにして、さらに整列に索体を巻きとることができる。
ドラムの巻き取り面に巻き取った索体の2段目以上の巻き終わりとドラムの側壁の空隙を埋めるガイドコマ部をドラムの側壁に設けたので、ガイドコマ部を設けた下の段の巻き始めの次の巻きを巻き始めの隣りに来るようにしてさらに確実に2段目以上を整列した状態に巻き取ることができる。
ドラムの巻き取り面に巻き取った索体の2段目以上の巻き始めとドラムの側壁の空隙を埋めるガイドコマ部をドラムの側壁に設けたので、索体の巻きが次の段に移行する際に、同じ所に何度も巻くことがないようにして、さらに確実に2段目以上を整列した状態に巻き取ることができる。
ドラムの巻き取り面に複数の並行な案内溝を設け、巻き取り面の外周の一部に溝なし部をドラムの回転軸方向に長く設け、ガイドコマ部を溝なし部に設けたので、さらに全段を整列巻きとすることができる。
ドラムの巻き取り面に索体の1段目を巻き終わると巻き終わり部分の索体とドラムの側壁の間に索体の径の約半分の空隙を設けるようドラム幅を定めたので、それぞれの段が同じ巻数になるように索体を巻き取ってスペースを有効に使ってさらにコンパクトなウインチ装置にできる。
ガイドコマ部を溝なし部のドラムの側壁に設けるようにしたので、次の段に移行する部分で巻きが乱れないようにしてさらに確実に整列した状態に巻き取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のウインチ装置の説明図である。
【図2】 実施例1のウインチ装置のドラムの平面図である。
【図3】 実施例1のウインチ装置のドラムの正面図である。
【図4】 図3のA−A断面図である。
【図5】 実施例1のウインチ装置で索体を巻き取った状態を示す説明図である。
【図6】 実施例1のウインチ装置で索体を巻き取った状態を示す説明図である。
【図7】 実施例1のウインチ装置で索体を巻き取った状態を示す説明図である。
【図8】 実施例1のウインチ装置で索体を巻き取った状態を示す説明図である。
【図9】 実施例1のウインチ装置で索体を巻き取った溝なし部の説明図である。
【図10】 実施例1のウインチ装置で索体を巻き取った溝なし部の説明図である。
【図11】 実施例1のウインチ装置で索体を巻き取った溝なし部の説明図である。
【符号の説明】
1 ウインチ装置
2 ベッド
3 ドラム支持部
4 ボルト
5 ドラム
5a 巻き取り面
5b 側壁
5c 案内溝
5d 溝なし部
5e ガイド段差部
5f ガイドコマ部
5g 内径部
6 駆動モーター
7 索体係止具
7a 索体挿入用穴
7b ネジ穴
8 係止ネジ
9 ガイドコマ部
10 回転軸
w ロープ
Claims (1)
- ドラムの巻き取り面の外周に索体が整列するよう複数の案内溝を設けたドラムで索体の巻き取り・繰り出しを行うウインチ装置において、索体を巻き取るドラムの巻き取り面の片端に索体の1段目の巻き終わりと2段目の巻き始めと側壁との空隙を埋めるようにガイド段差部を設け、前記案内溝を並行な溝とし、巻き取り面の外周の一部に溝なし部をドラムの回転軸方向に長く設け、ドラムの巻き取り面の外周の溝なし部に索体の端を挿入する取付穴を設け、同取付穴に挿入した索体を係止させる係止部を設け、前記ガイド段差部の高さを1段目の索体の巻き外径と略同じ大きさとし、ガイド段差部の幅を索体の略半分とし、ドラムの巻き取り面に巻き取った索体の2段目以上の巻き終わりとドラムの側壁の空隙を埋めるガイドコマ部を溝なし部のドラムの側壁に設け、ドラムの巻き取り面に巻き取った索体の2段目以上の巻き始めとドラムの側壁の空隙を埋めるガイドコマ部を溝なし部のドラムの側壁に設け、ドラムの巻き取り面に索体の1段目を巻き終わると巻き終わり部分の索体とドラムの側壁の間に索体の径の約半分の空隙を設けるようにドラム幅を定め、前記ガイドコマ部を溝なし部のドラムの側壁に設けるようにしたことを特徴としたウインチ装置。
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