JP4218433B2 - 単結晶棒引上げ用ワイヤの荷重付加装置 - Google Patents

単結晶棒引上げ用ワイヤの荷重付加装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコン単結晶棒を引上げて育成する装置に用いられる単結晶棒引上げ用ワイヤに予め荷重を付加する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、集積回路を作るための材料となる半導体シリコン基板は、チョクラルスキー法によって育成されたシリコン単結晶棒をウェーハに加工したものが広く使われている。このチョクラルスキー法を用いたシリコン単結晶棒の製造方法は、石英るつぼにシリコン多結晶原料を入れ、このるつぼを単結晶棒を育成するための製造装置に収納した後、ルツボの周囲に配設されたヒータにより原料を加熱、融解し、種結晶を融液に浸漬した後に回転させながら静かに融液から引上げることによって種結晶の下方に略円柱状の単結晶棒を成長させるものである。そして、この原料融液から単結晶棒を引上げるための手段としてワイヤを用いる方法が知られている。
【0003】
ワイヤ方式の引上げ装置に用いられているワイヤは、一般的に耐熱性に優れ、高強度を有するタングステンワイヤやステンレススチールワイヤあるいはモリブデンワイヤ等が使用されている。そしてワイヤは、単結晶棒育成時の回転によって生じる自励振動による単結晶棒の揺れや、応力による塑性変形のためにワイヤの形状が元に戻らなくなるキンク等の問題を解消するために、直径が0.05mmから0.2mm程度の細線(以下、素線ともいう。)を複数本撚り合わせた撚り線をさらに撚り合せたものが使用されており、これによって高重量の単結晶棒を引上げるための強度を確保しつつ、可撓性を持たせている。
【0004】
また、引上げ装置に使用されているワイヤは、単結晶棒の引上げ時には高温部で1000℃を超える雰囲気に曝され、単結晶棒の成長にともなって増加する荷重や単結晶棒の回転による回転トルクを受けながら、引上げ装置上部に配置された巻き上げ装置により巻き取られる操作が、単結晶棒を引上げる度に繰り返されている。このような操作が繰り返し行なわれることで、磨耗によるワイヤ表面の消耗や応力が加わることによる素線切れなどが起こり、必要とする強度が得られなくなるため定期的にワイヤの交換を行ない、その特性の維持を図っている。
【0005】
しかし、引上げ用ワイヤは前述したように素線を複数本撚り合わせて構成されているため、荷重に対する伸び、即ち縦弾性係数に関する剛性特性が一定ではなく、時間とともにその剛性特性は変化する不具合がある。即ち、新品ワイヤの使用開始直後は伸びが大きく、その後、使用時間を増すに従って伸びが小さくなる特性がある。ここで、シリコン単結晶棒の重量は、近年の大口径化、大型化により高重量化する一方である。更に品質の面では、半導体デバイスの高集積化により、凝集したグローンイン(Grown−in)欠陥が結晶内に存在しないことが要求されている。こうした結晶を育成するためには、単結晶棒の引上速度を所望の値に調整し、単結晶棒が冷却される際の温度勾配を所定の値に保つことが必要となる(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−1393号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように単結晶棒の引上速度を高精度に制御する必要があるにもかかわらず、単結晶棒の引上げの度にワイヤの剛性特性が変化すると、設計した引上速度で単結晶棒を引上げることができず、得られた単結晶棒の品質が目的とするのものと異なる製品になってしまうという問題がある。
本発明の目的は、交換された単結晶棒引上げ用ワイヤの伸びや塑性変形等の剛性特性の変化を最小限に抑えるように、交換すべき新たなワイヤに予め荷重を付加する単結晶棒引上げ用ワイヤの荷重付加装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、図1に示すように、単結晶棒を引上げるためのワイヤ11の上端を保持するホルダ13と、上端が保持されたワイヤ11の下端にワイヤ11に引張り応力を加えるための応力付加手段と、引張り応力を加えられたワイヤ11の一部を加熱するヒータ17と、ヒータ17をワイヤ11に沿ってかつワイヤ11の全長に渡って上下動させるヒータ昇降手段18とを備えた単結晶棒引上げ用ワイヤの荷重付加装置である。
この請求項1に係る単結晶棒引上げ用ワイヤの荷重付加装置では、ワイヤ11の上端をホルダ13により保持し、単結晶棒引上げ装置に実際に使用される以前に応力付加手段によりそのワイヤ11に引張荷重を加えることができる。ワイヤ11に引張荷重を加えるとそのワイヤ11の撚りの状態が変化してワイヤ11全体が引き締められ、単結晶棒を引上げる際に必要な所定の縦弾性係数を有するワイヤ11を得ることができる。
また、ヒータ17及びヒータ昇降手段18によりそのワイヤ11を全長に渡って熱処理することにより、ワイヤ11に弾力性が出てしなやかさが保たれ、引張り荷重を加えたことに起因するワイヤ11の素線切れ、捩れ、撚れ等を防止することができる。このように予め引張り荷重が加えられたワイヤ11は、実際に引上げ機に用いられて単結晶棒を引上げた時の伸び量が軽減され、単結晶棒が実際に引上られる速度のバラツキを最小限にとどめることが可能となる。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、応力付加手段がワイヤ11の下端に取付けられてワイヤ11を吊下げる重り12である単結晶棒引上げ用ワイヤの荷重付加装置である。
この請求項2に係る単結晶棒引上げ用ワイヤの荷重付加装置では、比較的容易かつ確実にワイヤ11に引張り応力を加えることができる。
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明であって、応力付加手段が流体シリンダである単結晶棒引上げ用ワイヤの荷重付加装置である。
この請求項3に係る単結晶棒引上げ用ワイヤの荷重付加装置では、ワイヤ11に加える引張り応力の調整を比較的容易に行うことができる。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれかに係る発明であって、少なくとも荷重付加装置12とホルダ13とヒータ17を収容するチャンバ19と、チャンバ19内に不活性ガスを循環させる不活性ガス循環手段21とを更に備えた単結晶棒引上げ用ワイヤの荷重付加装置である。
この請求項4に記載された単結晶棒引上げ用ワイヤの荷重付加装置では、未使用ワイヤ11に引張荷重を加える作業を不活性ガス雰囲気で行うことができ、特にアルゴンガス雰囲気下でワイヤ11に熱を加えながら引張荷重を加えれば、加熱によるワイヤ11における素線の酸化を抑制することができる。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4いずれかに係る発明であって、ホルダ13をワイヤ11の軸心を回転中心として回転させるホルダ回転手段16を更に備えた単結晶棒引上げ用ワイヤの荷重付加装置である。
この請求項5に記載された単結晶棒引上げ用ワイヤの荷重付加装置では、ワイヤ11を回転させることにより、ヒータ17による熱処理のバラツキを減少させることができ、ワイヤ素線切れ、捩れ、撚れ等を有効に防止することができる。
【0011】
請求項6に係る発明は、請求項1ないし5いずれかに係る発明であって、ホルダ13がホルダ支持部材14により支持され、ホルダ支持部材14は、ベース板14aと、ベース板14aに垂設された支柱14bと、支柱14bの上端に設けられ端部にホルダ13が設けられた水平板14cとを有する単結晶棒引上げ用ワイヤの荷重付加装置である。
請求項7に係る発明は、請求項6に係る発明であって、ヒータ昇降手段18は、支柱14bに沿って設けられたねじ棒18aと、ねじ棒に螺合するボールねじ18bと、ボールねじ18bに取付けられ端部にヒータ17が設けられたヒータ支持部材18cと、ねじ棒18aを回転させる電動モータ18dとを有する単結晶棒引上げ用ワイヤの荷重付加装置。
この請求項6及び請求項7に記載された単結晶棒引上げ用ワイヤの荷重付加装置では、ホルダ支持部材14及びヒータ昇降手段18の製造が比較的容易になり、比較的安価な荷重付加装置を得ることが可能になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明の荷重付加装置10は、単結晶棒を引上げるためのワイヤ11の上端を保持するホルダ13と、上端が保持されたそのワイヤ11の下端にワイヤ11に引張り応力を加えるための応力付加手段とを備える。この実施の形態における応力付加手段はワイヤ吊下げ用重り12であり、ホルダ13はホルダ支持部材14により支持される。ワイヤ11は図示しない単結晶棒を引上げる装置に用いられるものであり、重り12はそのワイヤ11の下端に取付けられるものである。この重り12は、ワイヤ11の下端に固定するフック12aが設けられた鋼球である。この重り12は未使用のワイヤ11を、複数回単結晶棒を引上げたものと同等の縦弾性係数値にするためのものであり、単結晶棒引上げ時にかかる重量、即ち、引上げる単結晶棒の重量以上のものが選定される。例えば、直径が8インチで定径部の長さが100cmの単結晶棒を引上げるワイヤ11であれば120kgの重り12を、直径12インチで定径部の長さが100cmの単結晶棒を引上げるワイヤ11であれば、220kg前後の重り12が用いられる。
【0013】
ホルダ13はワイヤ11の上端を保持するものであり、この実施の形態におけるホルダ13は、一端に挟持片が形成された一対の挟持部材13a,13aの他端を枢支することにより作られ、その一対の挟持部材13a,13aの中間にそれらを貫通して設けられたねじ手段13bを有する。このホルダ13では、ワイヤ11の上端を一対の挟持部材13a,13aの一端により挟持させ、その状態でねじ手段13bにより一対の挟持部材13a,13aを固定することによりそのワイヤ11の上端を挟持するように構成される。
【0014】
ホルダ支持部材14は、そのホルダ13を中空に支持して前述した重り12によりワイヤ11を吊下げるためのものであり、ベース板14aと、そのベース板14aの端部に垂設された支柱14bと、その支柱14bの上端に一端が固定された水平板14cを有する。ベース板14aは方形状の鋼材であり、支柱14bはその端部に垂設されたものとその略中央に垂設されたものの2本用いられる。それぞれの支柱14b,14bは同形同大の円柱鋼材であり、ワイヤ11より長いものがそれぞれ使用される。水平板14cはそれぞれの支柱14b,14bの上端に水平状態でねじ止めされ、その端部にホルダ13が設けられる。このホルダ支持部材14は、支柱14bがワイヤ11より長く形成されることにより、ワイヤ11の長さより高い中空に水平部材14cを支持し、その水平部材14cに設けられたホルダ13により上端が支持されたワイヤ11は、下端に設けられた重り12により鉛直に吊下げられるように構成される。
【0015】
また、本発明の荷重付加装置10は、ホルダ13を回転させるホルダ回転手段16と、垂設されたワイヤ11の一部を加熱するヒータ17と、そのヒータ17を上下動させるヒータ昇降手段18とを備える。この実施の形態におけるホルダ回転手段16は、ホルダ支持部材14における水平部材14cの端部に設けられた第1電動モータ16であり、この第1電動モータ16はその回転軸16aを鉛直下向きにして取付けられ、この回転軸16aにホルダ13が取付けられる。そして、この第1電動モータ16は、回転軸16aが回転することによりワイヤ11の軸心を回転中心としてホルダ13を回転させるように構成される。
【0016】
一方、ヒータ17は鉛直方向に交互にスリットを設けることにより方形波状に形成された板状カーボンであり、図2に示すように、このヒータ17は保温部材17aのワイヤ11が進入可能に形成された凹部17bの内面に設けられる。この保温部材17bはモリブデン、ニッケル、タングステン、チタン若しくは白金族金属あるいはそれらの合金等の高温に耐える金属から作られる。
【0017】
図1及び図2に示すように、ヒータ昇降手段18は、一対の支柱14b,14bの間にそれらの支柱14b、14bに沿って設けられたねじ棒18aと、このねじ棒18aに螺合されたボールねじ18bと、このボールねじ18bに取付けられたヒータ支持部材18cと、ねじ棒18aを回転させる第2電動モータ18dとを有する。一対の支柱14b,14bの下部には水平な取付板18kが架設され、第2電動モータ18dはその回転軸18eが上側鉛直になるようにこの取付板18kに取付けられる。そして第2電動モータ18dの回転軸18eにねじ棒18aが同軸に取付けられる。ねじ棒18aは支柱14bと平行にその全長に渡って設けられる。ボールねじ18bは、このねじ棒18aに遊嵌するナット18fと、ねじ棒18aとナット18fとの間に介装された複数の球体18gとから構成される。
【0018】
このボールねじ18bに取付けられたヒータ支持部材18cには、そのボールねじ18bを挟むように一対の支柱14b,14bに嵌入されるスライド軸受け18m,18mが設けられ、このヒータ支持部材18cはこのスライド軸受け18m,18mにより水平状態で一対の支柱14b,14bに沿って上下動可能に構成される。ヒータ支持部材18cの端部には保温部材17aが取付けられ、ヒータ17はこの保温部材17aを介してヒータ支持部材18cに取付けられる。そして、第2電動モータ18dによりねじ棒18aを回転させるとボールねじ18bとともにヒータ支持部材18cが上下動し、このヒータ昇降手段18はヒータ支持部材18cに設けられたヒータ17をワイヤ11に沿ってかつワイヤ11の全長に渡って上下動可能に構成される。
【0019】
上述した重り12、ホルダ13、ホルダ支持部材14、ホルダ回転手段16、ヒータ17及びヒータ昇降手段18はチャンバ19に収容され、このチャンバ19には、チャンバ19内に不活性ガスを循環させる不活性ガス循環手段21が備えられる。不活性ガス循環手段21は、一端がチャンバ19の上部周壁に接続され他端が不活性ガスを貯留するタンク(図示せず)に接続された供給パイプ21aと、一端がチャンバ19の下壁に接続され他端が真空ポンプ(図示せず)に接続された排出パイプ21bを備える。供給パイプ21a及び排出パイプ21bにはこれらのパイプ21a,21bを流れる不活性ガスの流量を調整する第1及び第2流量調整弁21c,21dがそれぞれ設けられる。
【0020】
このように構成された単結晶棒引上げ用ワイヤの荷重付加装置の動作を説明する。
ワイヤ式引上げ装置には、単結晶棒を引上げるためのワイヤ11が用いられており、このワイヤ11は定期的に交換される。交換される新たなワイヤ11は、引上げる以前に本発明の荷重付加装置10により所定の荷重が加えられる。即ち、ワイヤ11の下端に重り12が取付けられ、その上端はホルダ13により保持される。重り12はそのワイヤ11が引上げようとする単結晶棒により重量が選定され、そのフック12aをワイヤ11の下端に固定させることにより取付けられる。ワイヤ11の上端は、ホルダ支持部材14により中空に支持されたホルダ13に保持される。ホルダ13は一対の挟持部材13a,13aの一端によりワイヤ11の上端を挟持し、その状態でねじ手段13bにより一対の挟持部材13a,13aを固定する。これによりそのワイヤ11は重り12により鉛直に吊り下げられる。これによりワイヤ11には重り12の重量に等しい引張荷重が加えられる。
【0021】
次に、ヒータ17により ワイヤ11の一部を加熱させるとともに、ヒータ昇降手段18によりこのヒータ17をワイヤ11に沿ってかつワイヤ11の全長に渡って上下動させ、全長に渡ってそのワイヤ11に熱処理を施す。この時の熱処理温度は、単結晶棒引上げ時にワイヤ11が受ける温度とすることが好ましく、例えば600〜800℃の加熱温度とするのが良い。また、加熱処理を行う時間は、600〜800℃の加熱温度であれば、そのヒータ17で加熱されるワイヤ11の一部が少なくとも30分〜20時間程度加熱されるようにヒータ17を昇降させることが好ましい。
【0022】
このとき、不活性ガス循環手段21により、チャンバ19にはアルゴン等の不活性ガスが循環させられる。この循環は供給パイプ21a及び排出パイプ21bに設けられた第1及び第2流量調整弁21c,21dを開放することにより行われ、吊り下げられたワイヤ11の周囲にこの不活性ガスを流通させる。これにより、高温下でのワイヤ11の酸化は防止される。ここで、不活性ガスは、特に単結晶棒育成時に流すガスと同じものであることが好ましく、特にアルゴンガスであることが好ましい。
【0023】
このようにワイヤ11に荷重を加えると、そのワイヤ11の撚りの状態が変化してワイヤ11全体が引き締められ、単結晶棒を引上げる際に必要な所定の縦弾性係数を有するワイヤ11が得られる。このとき、ヒータ17及びヒータ昇降手段18によりそのワイヤ11を全長に渡って熱処理することにより、ワイヤ11に弾力性が出てしなやかさが保たれ、引張り荷重を加えたことに起因するワイヤ11の素線切れ、捩れ、撚れ等を防止することができる。そして、不活性ガス雰囲気中でワイヤ11に荷重を加えることにより、加熱によるワイヤ11における素線の酸化を抑制することができる。このように予め引張り荷重が加えられたワイヤ11は、実際に引上げ機に用いられて単結晶棒を引上げた時の伸び量が軽減され、単結晶棒が実際に引上られる速度のバラツキを最小限にとどめることが可能となる。この結果、本発明の装置により予め荷重が加えられたワイヤ11を用いて単結晶棒を引き上げると、その引上速度のバラツキを低減することが可能になる。
【0024】
なお、上述した実施の形態では、応力付加手段がワイヤ吊下げ用重り12であ留場合を説明したが、図3に示すように、応力付加手段はエアシリンダや油圧シリンダのような流体シリンダ22であっても良い。図3に示す流体シリンダは油圧シリンダ22である場合を示す。このシリンダ22はベース板14aに回転台22aを介して取付けられ、上側に突出したロッド22bの上端にワイヤ11の下端が取付けられ、そのロッド22bを没入させることによりワイヤ11に引張り応力を加えるように構成される。そしてその際に生じるワイヤ11のねじりを回転台22aによりシリンダ22自体が回転して吸収するように構成される。このように、応力付加手段として流体シリンダを用いると、ワイヤ11に加える引張り応力の調整を比較的容易に行うことが可能になる。
【0025】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、ワイヤの上端を保持するホルダと、上端が保持されたワイヤの下端にワイヤに引張り応力を加えるための応力付加手段と、そのワイヤの一部を加熱するヒータと、ヒータをワイヤに沿ってかつワイヤの全長に渡って上下動させるヒータ昇降手段とを備えたので、単結晶棒引上げ装置に実際に使用される以前にそのワイヤに引張荷重を加えることができ、単結晶棒を引上げる際に必要な所定の縦弾性係数を有するワイヤを得ることができる。このときワイヤはヒータにより熱処理されるので、引張り荷重を加えたことに起因するワイヤの素線切れ、捩れ、撚れ等を防止することができる。
また、重りとホルダとヒータを収容するチャンバと、チャンバ内に不活性ガスを循環させる不活性ガス循環手段とを更に備えれば、加熱によるワイヤにおける素線の酸化を抑制することができ、ホルダを回転させるホルダ回転手段を更に備えれば、ヒータによるワイヤの熱処理のバラツキを減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の荷重付加装置の構成を示す断面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】本発明の別の荷重付加装置の構成を示す図1に対応する断面図。
【符号の説明】
10 荷重付加装置
11 ワイヤ
12 重り(応力付加手段)
13 ホルダ
14 ホルダ支持部材
14a ベース板
14b 支柱
14c 水平板
16 第1電動モータ(ホルダ回転手段)
17 ヒータ
18 ヒータ昇降手段
18a ねじ棒
18b ボールねじ
18c ヒータ支持部材
18d 第2電動モータ
19 チャンバ
21 不活性ガス循環手段
22 流体シリンダ(応力付加手段)

Claims (7)

  1. 単結晶棒を引上げるためのワイヤ(11)の上端を保持するホルダ(13)と、
    上端が保持された前記ワイヤ(11)の下端に前記ワイヤ(11)に引張り応力を加えるための応力付加手段と、
    引張り応力を加えられた前記ワイヤ(11)の一部を加熱するヒータ(17)と、
    前記ヒータ(17)を前記ワイヤ(11)に沿ってかつ前記ワイヤ(11)の全長に渡って上下動させるヒータ昇降手段(18)と
    を備えた単結晶棒引上げ用ワイヤの荷重付加装置。
  2. 応力付加手段がワイヤ(11)の下端に取付けられて前記ワイヤ(11)を吊下げる重り(12)である請求項1記載の単結晶棒引上げ用ワイヤの荷重付加装置。
  3. 応力付加手段が流体シリンダである請求項1記載の単結晶棒引上げ用ワイヤの荷重付加装置。
  4. 少なくとも応力付加手段(12)とホルダ(13)とヒータ(17)を収容するチャンバ(19)と、前記チャンバ(19)内に不活性ガスを循環させる不活性ガス循環手段(21)とを更に備えた請求項1ないし3いずれか記載の単結晶棒引上げ用ワイヤの荷重付加装置。
  5. ホルダ(13)をワイヤ(11)の軸心を回転中心として回転させるホルダ回転手段(16)を更に備えた請求項1ないし4いずれか記載の単結晶棒引上げ用ワイヤの荷重付加装置。
  6. ホルダ(13)がホルダ支持部材(14)により支持され、前記ホルダ支持部材(14)は、ベース板(14a)と、前記ベース板(14a)に垂設された支柱(14b)と、前記支柱(14b)の上端に設けられ端部にホルダ(13)が設けられた水平板(14c)とを有する請求項1ないし5いずれか記載の単結晶棒引上げ用ワイヤの荷重付加装置。
  7. ヒータ昇降手段(18)は、支柱(14b)に沿って設けられたねじ棒(18a)と、前記ねじ棒(18a)に螺合するボールねじ(18b)と、前記ボールねじ(18b)に取付けられ端部にヒータ(17)が設けられたヒータ支持部材(18c)と、前記ねじ棒(18a)を回転させる電動モータ(18d)とを有する請求項6記載の単結晶棒引上げ用ワイヤの荷重付加装置。
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