JP4217960B2 - 電動車椅子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電動ユニットを搭載する電動車椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動車椅子は、一般的には、使用者を着座させる着座部と使用者の背を受ける背もたれ部とをもつ車体フレームと、車体フレームに配設された駆動車輪と、駆動車輪を回転させる電動ユニットとを有する。そして、特許文献1によれば、電動ユニット搭載用のフレーム部の横断面を示す断面において第1挟持面をもつ第1挟持部と、第1挟持部の第1挟持面に対面する第2挟持面をもつ第2挟持部とを有する電動ユニット固定機構をもつものが開示されている。
【0003】
このものによれば、電動ユニットを車体フレームに固定する際に、第1挟持部の第1挟持面と第2挟持部の第2挟持面とにより、車体フレームのフレーム部分の外周面を挟持することにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−262260号公報の図9
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した特許文献1に係る技術によれば、前述したように、電動ユニットを車体フレームに固定する際に、電動ユニット固定機構の第1挟持部の第1挟持面と第2挟持部の第2挟持面とにより、フレームのフレーム部分の外周面を挟持することにしている。しかしながら特許文献1に係る技術によれば、フレーム部分の横断面サイズが変更されたときに、対処することは容易ではない。
【0006】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、車体フレームに電動ユニットを固定する際において、車体フレームの横断面サイズが変動するときであっても、良好に対処することができる電動車椅子を提供することを課題とするにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電動車椅子は、使用者を着座させるための着座部と電動ユニット搭載用のフレーム部とをもつ車体フレームと、車体フレームの電動ユニット搭載用のフレーム部に配置され駆動モータおよび軸孔をもつ電動ユニットと、車体フレームまたは電動ユニットに回転可能に配設された駆動車輪と、電動ユニットを車体フレームの電動ユニット搭載用のフレーム部に固定する電動ユニット固定機構とを具備する電動車椅子において、
電動ユニット固定機構は、電動ユニット搭載用のフレーム部の横断面を示す断面において、第1挟持面をもつ第1挟持部と、第1挟持部の第1挟持面に対面すると共に電動ユニット搭載用のフレーム部を第1挟持部の第1挟持面とで挟持する第2挟持面をもつ第2挟持部と、第1挟持部の第1挟持面及び第2挟持部の第2挟持面の間に電動ユニット搭載用のフレーム部を挟持した状態で第1挟持部及び第2挟持部を締結すると共に雄螺子をもつ雄螺子部材と雄螺子部材の他端部に設けられ雄螺子部材よりも径大な頭部とを備える締結部材とを有しており、
フレーム部の横断面を示す断面において、第1挟持部は、直線状に傾斜する第1傾斜面と、第1傾斜面に開口するように形成され雄螺子と螺合する雌螺子を備える締結孔とを有しており、第2挟持部は、第1傾斜面と対面する直線状に傾斜する第2傾斜面と、第2傾斜面に貫通して開口するように形成され締結孔に対面可能であり且つ第1挟持面と第2挟持面とを繋ぐ方向と交差する方向で且つ第1傾斜面および第2傾斜面が傾斜する方向に相対変位する方向に沿った長軸をもつ長孔状の挿通孔とを有しており、
締結部材の雄螺子を挿通孔を挿通させると共に締結孔の雌螺子に螺子込む方向に螺合させて、締結部材の頭部により第2挟持部を移動させて第1挟持部および第2挟持部を互いに接近させ、第2傾斜面を第1傾斜面に対して第1傾斜面及び第2傾斜面の傾斜方向に沿って相対変位させることにより、第1挟持部の第1挟持面と第2挟持部の第2挟持面との間の挟持間隔は、第1挟持面および第2挟持面で挟持されるフレーム部の外径の変動に対応できるように調整可能とされており、且つ、
フレーム部の横断面を示す断面において、電動ユニット搭載用のフレーム部は、これの軸直角方向に沿った方向において貫通する取付孔をもち、電動ユニットは、取付孔に対面すると共に第1挟持部の第1挟持面と第2挟持部の第2挟持面とを繋ぐ方向と平行な方向に沿って延びる貫通状の長孔をもち、
電動ユニット搭載用のフレーム部の取付孔及び電動ユニットの長孔に挿通したボルト部材の雄螺子にナット部材を螺着させてフレーム部に電動ユニットが取り付けられ、
挟持間隔を調整して第1挟持面および第2挟持面で挟持されるフレーム部の外径の変動に対応できるように、ボルト部材を挿通する長孔は、長孔の延びる方向に位置調整される構造とされており、
車体フレームの電動ユニット搭載用のフレーム部に電動ユニットが固定され、電動ユニットの軸孔に駆動車輪の車軸が取り付けられていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係る電動車椅子によれば、電動ユニットの駆動モータが駆動すれば、駆動車輪が回転し、電動車椅子が走行する。
【0009】
本発明に係る電動車椅子によれば、締結部材の雄螺子を挿通孔を挿通させると共に締結孔の雌螺子に螺子込む方向に螺合させて、第1挟持部および第2挟持部を互いに接近させ、第1傾斜面及び第2傾斜面を第1傾斜面及び第2傾斜面の傾斜方向に沿って相対変位させる。これにより、第1挟持部の第1挟持面と第2挟持部の第2挟持面との間の挟持間隔は、第1挟持面および第2挟持面で挟持されるフレーム部の外径の変動に対応できるように調整可能とされている。
電動ユニット搭載用のフレーム部の横断面を示す断面において、第1挟持部の第1挟持面及び第2挟持部の第2挟持面で電動ユニット搭載用のフレーム部を挟持する。このように第1挟持部の第1挟持面と第2挟持部の第2挟持面との間に電動ユニット搭載用のフレーム部を挟持した状態で、第1挟持部及び第2挟持部を締結部材で互いに締結する。
【0010】
ここで、第1挟持部は、第1傾斜面と第1傾斜面に開口する締結孔とを有しており、且つ、第2挟持部は、第1傾斜面と対面する第2傾斜面と、第2傾斜面に貫通するように開口する挿通孔とを有する。第1傾斜面及び第2傾斜面を第1傾斜面及び第2傾斜面の傾斜方向に沿って相対変位させることにより、第1挟持部と第2挟持部との間の挟持間隔は調整可能とされている。このため電動ユニット搭載用のフレーム部の横断面を示す断面において、電動ユニット搭載用のフレーム部の横断面サイズが変更されたとしても、第1傾斜面及び第2傾斜面を、第1傾斜面及び第2傾斜面の傾斜方向に沿って相対変位させれば、第1挟持部の第1挟持面と第2挟持部の第2挟持面との間における挟持間隔を調整できる。この結果、電動ユニット搭載用のフレーム部の横断面を示す断面において、電動ユニット搭載用のフレーム部の横断面サイズの変化に対応することができる。
電動ユニット搭載用のフレーム部は、これの軸直角方向に沿った方向において貫通する取付孔をもつ。電動ユニットは、取付孔に対面すると共に第1挟持部の第1挟持面と第2挟持部の第2挟持面とを繋ぐ方向と平行な方向に沿って延びる貫通状の長孔をもつ。電動ユニット搭載用のフレーム部の取付孔及び電動ユニットの長孔に挿通したボルト部材にナット部材を螺着させ、フレーム部に電動ユニットが取り付られる。
本発明は、挟持間隔を調整して第1挟持面および第2挟持面で挟持されるフレーム部の外径の変動に対応できるものである。この場合、ボルト部材を挿通する長孔は、長孔の延びる方向に位置調整される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係る電動車椅子によれば、第1挟持部は第1傾斜面と第1傾斜面に開口する締結孔とを有しており、第2挟持部は第1傾斜面と対面する第2傾斜面と第2傾斜面に貫通するように開口する挿通孔とを有する。第1傾斜面及び第2傾斜面の傾斜の程度としては、適宜設定することができる。締結部材の雄螺子を挿通孔を挿通させると共に締結孔の雌 螺子に螺子込む方向に螺合させて、第1挟持部および第2挟持部を互いに接近させる。このため第1傾斜面及び第2傾斜面を第1傾斜面及び第2傾斜面の傾斜方向に相対変位させることにより、第1挟持部の第1挟持面と第2挟持部の第2挟持面との間の挟持間隔は、調整可能とされている。
【0012】
本発明に係る電動車椅子によれば、電動ユニット搭載用のフレーム部はこれの軸直角方向に沿った方向において貫通する取付孔をもち、電動ユニットは、取付孔に対面すると共に第1挟持部と第2挟持部とを繋ぐ方向に延びる長孔をもつ。この場合、電動ユニット搭載用のフレーム部の取付孔及び電動ユニットの長孔に挿通したボルト部材にナット部材を螺着させる。これにより電動ユニット搭載用のフレーム部の横断面サイズが変更されるときであっても、電動ユニット搭載用のフレーム部に対する電動ユニットの取付性を高めることができる。
【0013】
また、車体フレームの電動ユニット搭載用のフレーム部に電動ユニットが固定され、電動ユニットに駆動車輪が取り付けられている形態を採用できる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について図1〜図5を参照して具体的に説明する。本実施例は、手動走行型の電動車椅子の車体フレーム1をベースとし、手動走行型の車椅子の車体フレーム1に電動ユニット3を後付けで搭載した電動車椅子を対象とする。図1に示すように、電動車椅子は、骨格を構成する車体フレーム1と、車体フレーム1に回転可能に配設され外周面2cをもつ駆動車輪2と、駆動車輪2を回転させる駆動源である電動ユニット3とをもつ。車体フレーム1は、使用者を着座させる着座部10と、使用者の背を受ける背もたれ部11とをもつ。更に車体フレーム1は、着座部10に着座している使用者のひじをかける肘アームレスト12と、車体フレーム1の後側に設けられ着座部10に着座している使用者を介護する介護者が操作できるグリップ状の操作部15と、着座部10の下側に位置して上下方向にのびる電動ユニット搭載用のフレーム部16と、電動ユニット3に給電するバッテリー17と、着座部10に着座している使用者の脚を載せるフットレスト19とをもつ。なお図1は駆動車輪2を略記している。
【0015】
車椅子の電動化にあたり、車体フレーム1の前側に操作用フレーム部1eを取付け、着座部10に着座する使用者が操作する電動操作レバー14aをもつ電動操作部14を操作用フレーム部1eに取り付けている。駆動車輪2は、車幅方向において車体フレーム1の左右に位置しており、車軸21を介して回転可能に設けられている。駆動車輪2は、車体フレーム1の車軸21に挿通された状態に車体フレーム1に固定された電動ユニット3により回転駆動される。車体フレーム1の前側には補助車輪18が設けられている。電動ユニット搭載用のフレーム部16は、車幅方向において車体フレーム1の左右に設けられており、従って電動ユニット3も車幅方向において車体フレーム1の左右に設けられている。
【0016】
図2は電動ユニット3の付近を示す。電動ユニット3は、取付具30wで分割ケースを接続して形成され伝達ギヤ類を内蔵したケース30と、ケース30に固定された駆動モータ32とをもつ。ケース30の横軸型の軸孔30xには、駆動車輪2の車軸21が横軸型に挿通されている。駆動モータ32が駆動すると、ケース30内の伝達ギヤ類を介して車軸21が回転し、ひいては駆動車輪2が回転し、電動車椅子が走行する。本実施例によれば、駆動車輪2は直接的に車体フレーム1に取り付けられているのではなく、後述するように、車体フレーム1の電動ユニット搭載用のフレーム部16に電動ユニット3が着脱可能に取り付けられており、この電動ユニット3に駆動車輪2が取り付けられているものである。
【0017】
図2に示すように、電動ユニット3を車体フレーム1の電動ユニット搭載用のフレーム部16に固定するための電動ユニット固定機構4が設けられている。図3は、電動ユニット搭載用のフレーム部16の横断面を示すと共に、電動ユニット固定機構4の横断面を示す。図3に示すように、電動ユニット固定機構4は、電動ユニット3のケース30に設けられた金属製の第1挟持部40と、第1挟持部40に対面する金属製の第2挟持部45と、締結部材6とを有する。締結部材6は、第1挟持部40及び第2挟持部45の間に電動ユニット搭載用のフレーム部16の外周面16aを挟持した状態で、第1挟持部40及び第2挟持部45を締結するものである。なお、締結部材6は、電動車椅子の前後方向(前進後退方向)に沿ってのびている。
【0018】
図3に示すように、第1挟持部40は電動ユニット3のケース30と一体的に形成されており、横断面で直状をなす平坦状の第1挟持面41と、第1挟持面41に交差する平坦状の第1交差面42とを有する。第2挟持部45は電動ユニット3のケース30の第1挟持部40に分離可能に設けられており、ケース30の第1挟持部40に対して着脱可能とされている。従って、第2挟持部45は第1挟持部40に対して着脱可能とされている。第2挟持部45は、横断面で直状をなす平坦状の第2挟持面46と、第2挟持面46に交差する平坦状の第2交差面47とを有する。図3に示すように、第1挟持面41及び第2挟持面46は互いに平行またはほぼ平行とされており、互いに対向しており、この結果、電動ユニット搭載用のフレーム部16の外周面16aを挟持する挟持間隔A(図4参照)を形成する。
【0019】
図3に示すように、第1挟持部40は、横断面で直線状に傾斜する第1傾斜面51を有する。第2挟持部45は、第1傾斜面51と対面すると共に横断面で直線状に傾斜する第2傾斜面52を有する。第1傾斜面51及び第2傾斜面52は、後述の締結孔56の軸芯S1の軸直角方向に対して角度θ1傾斜している。
【0020】
締結部材6が本締結される前の状態において、第1傾斜面51及び第2傾斜面52が第1傾斜面51及び第2傾斜面52の傾斜方向(図4に示す矢印W1,W2方向)に相対変位すれば、第1挟持部40の第1挟持面41と第2挟持部45の第2挟持面46との間の挟持間隔Aの大きさを調整することができる。しかも挟持間隔Aの大きさの調整は無段階である。
【0021】
第1挟持部40の第1傾斜面51には、雌螺子55をもつ締結孔56が開口して形成されている。なお、締結孔56の軸芯S1は、第1挟持部40の第1挟持面41と第2挟持部45の第2挟持面46とを繋ぐ方向と平行に沿っている。本実施例によれば、締結孔56の軸芯S1は、電動車椅子の前後方向(前進後退方向)に沿ってのびている。第2挟持部45の第2傾斜面52には、締結孔56に対面する挿通孔48が貫通するように開口して形成されている。挿通孔48は内周壁48kをもち、第1挟持部40の第1挟持面41と第2挟持部45の第2挟持面46とを繋ぐ方向(矢印W4方向)と交差する方向(矢印E方向)に沿って延設された長孔状とされている。従って、挿通孔48の長軸方向(矢印E方向)に沿って、第2挟持部45は第1挟持部40に対して相対移動可能とされている。
【0022】
図3に示すように、締結部材6は、締結孔56の雌螺子55に螺合可能な雄螺子61をもつ雄螺子部材62と、雄螺子部材62の他端部に設けられ雄螺子部材62よりも径大な頭部63とを有する。締結部材6の雄螺子部材62は挿通孔48に挿通可能とされている。
【0023】
さて、電動ユニット3を車体フレームの電動ユニット搭載用のフレーム部16に搭載するときについて説明する。即ち、図3,図4は、電動ユニット搭載用のフレーム部16の横断面を示す。図3,図4から理解できるように、第1挟持部40の第1挟持面41及び第2挟持部45の第2挟持面46とで電動ユニット搭載用のフレーム部16の外周面16aを挟むように、第1挟持部40及び第2挟持部45を配置する。この状態において、第2挟持部45の挿通孔48に挿通した締結部材6の雄螺子部材62の雄螺子61を、第2挟持部45の締結孔56の雌螺子55に螺着させ、締結部材6を締結する。これにより図4に示すように、第1挟持部40の第1挟持面41及び第2挟持部45の第2挟持面46とで、電動ユニット搭載用のフレーム部16の外周面16aは挟持される。
【0024】
ところで、車体フレーム1の型番が異なると、電動ユニット搭載用のフレーム部16の外径サイズW3(横断面サイズ)が変わることが多い。また電動ユニット搭載用のフレーム部16の外径サイズW3は、製造工程における公差内でばらつくことがある。このようなときであっても、本実施例によれば、前述したように第1挟持部40は第1傾斜面51を有しており、第2挟持部45は第1傾斜面51と対面するように同じ方向に傾斜した第2傾斜面52を有する。そして、第1傾斜面51に対して第2傾斜面52を第1傾斜面51及び第2傾斜面52の傾斜方向(図3及び図4に示す矢印W1,W2方向)に沿って滑らせて相対変位させれば、前述したように、第1挟持部40の第1挟持面41と第2挟持部45の第2挟持面46との間の挟持間隔A(図4参照)を無段階で調整することができる。
【0025】
このため、電動ユニット搭載用のフレーム部16の外径サイズW3の大きさが変動したとしても、電動ユニット搭載用のフレーム部16を第1挟持部40の第1挟持面41と第2挟持部45の第2挟持面46とで電動ユニット搭載用のフレーム部16の外周面16aを良好に挟持することができる。即ち、電動ユニット搭載用のフレーム部16の外径サイズW3の変動に対応することができる。
【0026】
本実施例によれば、図5に示すように、電動ユニット搭載用のフレーム部16はその中間部に角柱形状とされた取付ボス部160をもつ。この取付ボス部160は、電動ユニット搭載用のフレーム部16の軸直角方向に沿って貫通する取付孔162をもつ。取付孔162は、電動ユニット3を手動式車椅子に取り付ける前において、手動式車椅子の車輪の車軸を挿通する車軸挿通孔として機能していたものである。本実施例によれば、手動式車椅子のときの車輪の車軸は、フレーム1の取付孔162から取り外されている。手動式車椅子に電動ユニット3を取り付けた本実施例に係る電動車椅子によれば、駆動車輪2の回転中心である車軸21は、フレーム1に固定された電動ユニット3の軸孔30xに挿通されているため、駆動車輪2の車軸21の軸芯は、手動式車椅子の場合における車輪の軸芯よりもL分、後方にオフセットされている(図2参照)。
【0027】
本実施例によれば、図5に示すように、手動式車椅子に取り付ける電動ユニット3は、外方に向けて(矢印W4方向)延設されている取付鍔部35をもつ。取付鍔部35は、電動車椅子の前方に向けて電動ユニット3のケース30から突出しており、電動ユニット搭載用のフレーム部16の取付孔162に対面する。更に、取付鍔部35に長孔36が貫通孔状に形成されている。長孔36の長軸36mは、電動ユニット3の第1挟持部40の第1挟持面41と第2挟持部45の第2挟持面46とを繋ぐ方向(矢印W4方向;挟持間隔Aの間隔幅;電動車椅子の前後方向)に沿って延びている。
【0028】
そして、電動ユニット3を車体フレーム1の電動ユニット搭載用のフレーム部16に搭載するときには、図5から理解できるように、電動ユニット搭載用のフレーム部16の取付ボス部160の平坦な取付面163に電動ユニット3の取付鍔部35をあてがうと共に、取付ボス部160の取付孔162及び電動ユニット3の取付鍔部35の長孔36にボルト部材8を挿通し、そのボルト部材8の雄螺子8aにナット部材85の雌螺子85aを螺着させる。この結果、手動式車椅子の車軸挿通孔として機能していた取付孔162をボルト挿通孔として利用し、取付孔162に挿通したボルト部材8及びナット部材85により、電動ユニット3の取付鍔部35を電動ユニット搭載用のフレーム部16の取付ボス部160に固定する。この状態では、図2に示すように、電動ユニット3の大半は、手動式車椅子の車軸挿通孔として機能していた取付孔162の後方に配置される。
【0029】
このとき電動ユニット搭載用のフレーム部16の外径サイズW3の大きさが変更されたとしても、ボルト部材8に対して取付鍔部35の長孔36を、図5に示す矢印W4方向(長孔36が延びる方向)に相対変位させることができる。故に、電動ユニット3の取付鍔部35をボルト部材8及びナット部材85により電動ユニット搭載用のフレーム部16に固定するときにおいて、電動ユニット搭載用のフレーム部16の外径サイズW3の変動に良好に対応することができる。なお図2から理解できるように、締結部材6及びボルト部材8は互いに接近していると共に、締結部材6及び締結孔56の延設方向とボルト部材8の延設方向とは互いに交差する方向とされている。
【0030】
図1において、駆動車輪2の車軸21は車体フレーム1の取付孔162に対してオフセットして配置されている。このような本実施例によれば、車体フレーム1の着座部10に使用者が着座するときには、車体フレーム1及び使用者を含む重量負荷F1は、車軸21を中心とするモーメントとして作用する。また、駆動モータ32をもつ電動ユニット3の重量負荷F2は、車軸21を中心とする逆向きのモーメントとして作用する。電動ユニット3はこのモーメントF1,F2の影響で車軸21を中心として空転してしまうおそれがあり、電動ユニット3はこのモーメントに対向する必要がある。ここで、電動ユニット固定機構4の第1挟持部40の第1挟持面41、第2挟持部45の第2挟持面46は、このモーメントF1,F2に対向するトルク受け面として機能することができ、電動ユニット3の回り止めを図ることができる。またボルト部材8及びナット部材85もこのモーメントF1,F2に対向するトルク受けとして機能することができ、電動ユニット3の回り止めを図ることができる。
【0031】
(他の実施例)
図6は本発明の他の実施例を示す。本実施例においても、第2挟持部45は電動ユニット3のケース30に対して分割されている。但し、第2挟持部45は、締結孔56の軸芯S1の回りで、つまり、締結部材6の軸芯の回りで回転可能とされている。第2挟持部45は、締結孔56の軸芯S1に対して第2挟持面46と反対側に第2挟持部45xをもつ。図6に示すように第2挟持部45xは平坦な第2挟持面46xをもつ。第2挟持面46xは、締結孔56の軸芯S1に対して第2挟持面46と反対側に形成されており、第2挟持面46とほぼ平行または平行とされている。
【0032】
本実施例においても、図6から理解できるように、第1傾斜面51に対して第2傾斜面52を第1傾斜面51及び第2傾斜面52の傾斜方向(矢印W1,W2方向)に沿って滑らせて相対変位させれば、前述したように、第1挟持部40の第1挟持面41と第2挟持部45の第2挟持面46との間の挟持間隔Aを無段階で調整することができる。このため、電動ユニット搭載用のフレーム部16の外径サイズW3の大きさが変更されたとしても、その変動に対応することができる。
【0033】
更に、電動ユニット搭載用のフレーム部16の外径サイズW3が更に変更されたときには、第2挟持部45を、締結孔56の軸芯S1つまり締結部材6の軸芯の回りで180度回転させれば、第2挟持部45xの第2挟持面46xと第1挟持部40の第1挟持面41とで電動ユニット搭載用のフレーム部16の外周面16aをこれの横断面方向において挟持することも可能である。このため、電動ユニット搭載用のフレーム部16の外径サイズW3がかなり変更されるときであっても、適用性を高めることができる。その他、本発明は上記しかつ図面に示す実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、第1挟持部は第1傾斜面を有しており、第2挟持部は第1傾斜面と対面する第2傾斜面を有する。第1傾斜面及び第2傾斜面を第1傾斜面及び第2傾斜面の傾斜方向に相対変位させることにより、第1挟持部と第2挟持部との間の挟持間隔は調整可能とされている。このため電動ユニット搭載用のフレーム部の横断面を示す断面において、電動ユニット搭載用のフレーム部の外径サイズ等の横断面サイズが変更されたとしても、第1傾斜面及び第2傾斜面を、第1傾斜面及び第2傾斜面の傾斜方向に沿って相対変位させれば、第1挟持部の第1挟持面と第2挟持部の第2挟持面との間における挟持間隔を調整できる。この結果、電動ユニット搭載用のフレーム部の横断面を示す断面において、電動ユニット搭載用のフレーム部のサイズの変化に対応することができる。
本発明によれば、電動ユニットは、取付孔に対面すると共に第1挟持部の第1挟持面と第2挟持部の第2挟持面とを繋ぐ方向と平行な方向に沿って延びる貫通状の長孔をもつ。電動ユニット搭載用のフレーム部の取付孔及び電動ユニットの長孔に挿通したボルト部材にナット部材を螺着させ、フレーム部に電動ユニットが取り付けられる。本発明は、挟持間隔を調整して第1挟持面および第2挟持面で挟持されるフレーム部の外径の変動に対応できるものである。この場合、ボルト部材を挿通する長孔は、長孔の延びる方向に位置調整される。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動車椅子を模式的に示す側面図である。
【図2】電動ユニット固定機構により電動ユニットを搭載している状態を示す側面図である。
【図3】電動ユニット固定機構の第1挟持部及び第2挟持部により車体フレームの電動ユニット搭載用のフレーム部を挟持する前の状態を示す断面図である。
【図4】電動ユニット固定機構の第1挟持部及び第2挟持部により車体フレームの電動ユニット搭載用のフレーム部を挟持した後の状態を示す断面図である。
【図5】電動ユニットの取付鍔部を車体フレームの電動ユニット搭載用のフレーム部に取り付ける前の状態を示す斜視図である。
【図6】他の実施例に係り、電動ユニット固定機構の第1挟持部及び第2挟持部により車体フレームの電動ユニット搭載用のフレーム部を挟持した後の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
図中、1は車体フレーム、10は着座部、11は背もたれ部、16は電動ユニット搭載用のフレーム部、2は駆動車輪、3は電動ユニット、30はケース、32は駆動モータ、4は電動ユニット固定機構、40は第1挟持部、41は第1挟持面、45は第2挟持部、46は第2挟持面、51は第1傾斜面、52は第2傾斜面、56は締結孔、6は締結部材、62は雄螺子部材を示す。
Claims (1)
- 使用者を着座させるための着座部と電動ユニット搭載用のフレーム部とをもつ車体フレームと、
前記車体フレームの前記電動ユニット搭載用のフレーム部に配置され駆動モータおよび軸孔をもつ電動ユニットと、
前記車体フレームまたは前記電動ユニットに回転可能に配設された駆動車輪と、
前記電動ユニットを前記車体フレームの前記電動ユニット搭載用のフレーム部に固定する電動ユニット固定機構とを具備する電動車椅子において、
前記電動ユニット固定機構は、
前記電動ユニット搭載用の前記フレーム部の横断面を示す断面において、第1挟持面をもつ第1挟持部と、前記第1挟持部の前記第1挟持面に対面すると共に前記電動ユニット搭載用のフレーム部を前記第1挟持部の前記第1挟持面とで挟持する第2挟持面をもつ第2挟持部と、前記第1挟持部の第1挟持面及び前記第2挟持部の第2挟持面の間に前記電動ユニット搭載用の前記フレーム部を挟持した状態で前記第1挟持部及び前記第2挟持部を締結すると共に雄螺子をもつ雄螺子部材と前記雄螺子部材の他端部に設けられ前記雄螺子部材よりも径大な頭部とを備える締結部材とを有しており、
前記フレーム部の横断面を示す断面において、前記第1挟持部は、直線状に傾斜する第1傾斜面と、前記第1傾斜面に開口するように形成され前記雄螺子と螺合する雌螺子を備える締結孔とを有しており、前記第2挟持部は、前記第1傾斜面と対面する直線状に傾斜する第2傾斜面と、前記第2傾斜面に貫通して開口するように形成され前記締結孔に対面可能であり且つ前記第1挟持面と前記第2挟持面とを繋ぐ方向と交差する方向で且つ前記第1傾斜面および前記第2傾斜面が傾斜する方向に相対変位する方向に沿った長軸をもつ長孔状の挿通孔とを有しており、
前記締結部材の前記雄螺子を前記挿通孔を挿通させると共に前記締結孔の前記雌螺子に螺子込む方向に螺合させて、前記締結部材の前記頭部により前記第2挟持部を移動させて前記第1挟持部および前記第2挟持部を互いに接近させ、前記第2傾斜面を前記第1傾斜面に対して前記第1傾斜面及び前記第2傾斜面の傾斜方向に沿って相対変位させることにより、前記第1挟持部の前記第1挟持面と前記第2挟持部の前記第2挟持面との間の挟持間隔は、前記第1挟持面および前記第2挟持面で挟持される前記フレーム部の外径の変動に対応できるように調整可能とされており、且つ、
前記フレーム部の横断面を示す断面において、電動ユニット搭載用の前記フレーム部は、これの軸直角方向に沿った方向において貫通する取付孔をもち、前記電動ユニットは、前記取付孔に対面すると共に前記第1挟持部の前記第1挟持面と前記第2挟持部の前記第2挟持面とを繋ぐ方向と平行な方向に沿って延びる貫通状の長孔をもち、
前記電動ユニット搭載用のフレーム部の前記取付孔及び前記電動ユニットの前記長孔に挿通したボルト部材の雄螺子にナット部材を螺着させて前記フレーム部に前記電動ユニットが取り付られ、
前記挟持間隔を調整して前記第1挟持面および前記第2挟持面で挟持される前記フレーム部の外径の変動に対応できるように、前記ボルト部材を挿通する前記長孔は、前記長孔の延びる方向に位置調整される構造とされており、
前記車体フレームの電動ユニット搭載用の前記フレーム部に前記電動ユニットが固定され、前記電動ユニットの前記軸孔に前記駆動車輪の車軸が取り付けられていることを特徴とする電動車椅子。
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